JP3811731B2 - ハイブリッド型ビハインド・ジィ・イア及びコンプリートリィ・イン・チャネル補聴器 - Google Patents

Description

【０００１】
発明の背景
本発明は、補聴器、殊に、高利得補聴器に関する。その一層直接的な意味では、本発明は閉塞効果（ｏｃｃｌｕｓｉｏｎ ｅｆｆｅｃｔ）を減衰する高利得補聴器に関する。
【０００２】
深刻な聴覚障害のある患者は高利得補聴器を必要とする。その種の補聴器は高電力増幅回路を使用する。通常その種の回路は比較的大きな電気構成素子を使用している。このため高利得補聴器は通常ビハインド・ジィ・イア（“ＢＴＥ”）（耳背）タイプである。
【０００３】
しかし、その種の補聴器にはかなり制限条件があるという深刻な問題点がある。つまり、補聴器の利得が増大すると電気音響的なフィードバックも増大してしまう。と言うのは補聴器のマイクロホンとレシーバとが同じハウジングに取り付けられていて、相互に機械的に結合されているからである。その結果、補聴器の利得は電気音響的フィードバックによって制約されてしまう。
【０００４】
従来、補聴器に使われているマイクロホンとレシーバとを物理的に分離することによって電気音響的フィードバックを低減する努力がなされてきている。例えば、Ｔｈｅ Ｖｏｌｔａ Ｒｅｖｉｅｗ １−８０ｐｐ．４０−４４には、レシーバが補聴器の主要ボディから分離されて、逆に患者の耳の中に配設されるように耳の形にモールドされている補聴器が記載されている。
【０００５】
その種の補聴器は電気音響的フィードバックを低減するが、商業的には許容し得ない。と言うのは、その種の装置によって、患者が例えば耳の最も外側部分内にイアモールドを装入することによって生じる塞がれた感覚である閉塞効果を体験することになるからである。
【０００６】
従って閉塞効果を低減又は除去するように構成されているにも拘わらず、電気音響的フィードバック特性を低減する高利得補聴器が提供されると有利である。
【０００７】
本発明によると、ハイブリッドＢＴＥ及びコンプリートリィ・イン・チャネル（“ＣＩＣ”）補聴器が提供される。本発明による補聴器は、２つのコンポーネント、つまりＢＴＥコンポーネントとＣＩＣコンポーネントを有している。これらのコンポーネントは機械的に相互に絶縁されている。耳の背に取り付けられるＢＴＥコンポーネントは、マイクロホン、バッテリ及び増幅回路を有している。耳孔の骨部分に接触するようにして、患者の耳孔内に適合する形状にされているＣＩＣコンポーネントは、増幅手段に接続されている補聴器レシーバを有している。
【０００８】
ＢＴＥ及びＣＩＣコンポーネントは機械的に相互に絶縁されており、電気音響的フィードバックはかなり低減される。これにより補聴器の利得をかなり増大することができ、それにより深刻な聴覚障害のある患者に一層適しているようになる。付加的にＣＩＣコンポーネントは、骨部分に接触するように患者の耳孔内に深く配置されるので、患者が閉塞効果を感じることはなくなる。従って、本発明の補聴器を使用する深刻な聴覚障害のある患者は、閉塞効果に悩まされずに高利得の恩恵を受けることができるようになる。
【０００９】
本発明は、以下例示したこれに限定されない各図面を参照して一層良く理解される。
【００１０】
有利な実施例の詳細な説明
ＢＴＥコンポーネント１０は、マイクロホン１２、増幅回路１４、バッテリコンパートメント１６を有している。この例ではＢＴＥコンポーネントはレシーバが取り外されたＢＴＥタイプ補聴器である。
【００１１】
ＣＩＣコンポーネント１８はシェルを有しており、このシェルは患者の耳孔（図示していない）内に完全に適合するようにモールドされている；つまり、ＣＩＣコンポーネント１８は、患者の耳孔内の骨部分に接触する。レシーバ２０は、ＣＩＣコンポーネント１８内に配設されており、細いフレキシブルワイヤケーブル２２によってＢＴＥコンポーネント１０に接続されている。ユーザが患者の耳孔内に装入したり患者の耳孔から取り外したりする際にＣＩＣコンポーネント１８を容易に把持することができるために、レトリーバルライン２４がＣＩＣコンポーネントに取り付けられている。
【００１２】
使用中、ＢＴＥコンポーネント１０は患者の耳（図示していない）の背側に配置されており、患者がレトリーバルライン２４を掴んでＣＩＣコンポーネント１８を耳孔の骨部分のところに装着する。使用中、ＢＩＴコンポーネント１０とＣＩＣコンポーネント１８との間は患者の頭部を介して機械的に連結されているに過ぎないので、電気音響的なフィードバックは極めて小さい。付加的にＣＩＣコンポーネント１８は患者の耳孔内に深く適合するので、患者は閉塞効果によって妨害されない。
【００１３】
この例では、ＢＴＥコンポーネント１０はＢＴＥタイプ補聴器（例えば、Ｒｅｘｔｏｎ Ｉｎｃ．名称ＭＰ＋又はＰＰ−１４２で販売されている）を改良することによって製造されるが、この製造方法もこれら特定の補聴器モデルも本発明の部分ではない。図２Ａ〜２Ｄを用いて、ＢＴＥコンポーネント１０を制作するために、イアフック１００が補聴器のケース１１０から取り外され、このケースが分解されてレシーバと小部品１２０とが見えるようにされている。その際、レシーバ用のワイヤは残りの回路部から取り外されており、ワイヤが取り付けられたレシーバは取り外されている。電気的ワイヤ１３０（例えば、ウレタン絶縁部付４／４４リッツ線ワイヤ）はテフロンチューブ１４０の長さで外装されてケーブル２２を形成しており、一端で結ばれている（装置が組み立てられた後、小部品１２０を通って引っぱり出されるのを阻止するため）。その際、ケーブル２２はイアフック１００を貫通されており、ワイヤ１３０は、一端がＢＴＥコンポーネント１０内の回路基板１５０にはんだ付けされており、更に他端はレシーバ２０にはんだ付けされている。イアフック１００及び小部品１２０はケース１１０に再度取り付けられて、ＢＴＥコンポーネント１０を完成するようにされている。レシーバ２０は適切にモールドされたＣＩＣコンポーネント１８内に埋め込まれている。
【００１４】
増幅器１４は、所望の場合、マルチチャンネルタイプにしてもよく、プログラムできるようにしてもよく、信号処理部（例えば、圧縮器、フィルタ、等）を有するようにしてもよい。増幅器１４の電気特性は本発明の部分ではない。つまり、また、バッテリコンパートメントと１６はＢＴＥコンポーネント１０からぐるっと回して外に出すことができるようなタイプのものであるが、バッテリコンパートメントの構成及び位置は本発明の部分ではない。
【００１５】
有利な実施例では、ＢＴＥコンポーネント１０とＣＩＣコンポーネント１８とはそれぞれワイヤケーブルによって接続されているが、このことは必要不可欠なことではない。つまりこれら２つのコンポーネントをハードワイヤ接続しないで（例えば磁気的に）接続してもよい。
【００１６】
有利な実施例が上述されているにも拘わらず、発明の範囲は以下の請求の範囲にのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の有利な実施例を示す図である。
【図２】Ａ〜Ｄは有利な実施例のコンポーネントをどのようにしてＢＴＥ補聴器から製造するのかを示す図である。

Claims (3)

1. ビハインド・ジィ・イアコンポーネント（１０）を有するタイプの補聴器であって、前記ビハインド・ジィ・イアコンポーネントは患者の耳の背側に適合する形状であって、且つマイクロホン（１２）、バッテリ受容手段（１６）及び増幅手段（１４）を有しており、前記増幅手段（１４）は前記マイクロホン（１２）と前記バッテリ受容手段（１６）内に受容された前記バッテリとに動作可能に接続されていて、前記マイクロホン（１２）での音声に応答して増幅された電気信号を発生するようにされた補聴器において、
   補聴器はまたコンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１８）を有しており、前記コンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１８）は前記ビハインド・ジィ・イアコンポーネント（１０）から機械的に絶縁されており、耳孔の骨部に接触するように前記患者の前記耳孔内に適合する形状であり、前記コンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１８）は補聴レシーバ（２０）を有しており、前記増幅手段（１４）に動作可能に接続されるように構成されていることを特徴とする補聴器。
2. ビハインド・ジィ・イアコンポーネント（１０）とコンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１８）とはワイヤケーブル（２２）によって一緒に接続されている、請求項１記載の補聴器。
3. レトリーバルライン（２４）がコンプリートリィ・イン・チャネルコンポーネント（１８）に取り付けれれている、請求項１記載の補聴器。

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