JP3811461B2 - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,主として内燃機関の燃料供給系に使用される電磁式燃料噴射弁に関し,特に,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働して開閉動作する弁体と,この弁体に一体的に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルと,このコイルの励磁時,両コア間にエアギャップを保持しながら前記弁体の開弁限界を規定するストッパ手段とを備えるものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる電磁式燃料噴射弁は,例えば特許文献1に開示されるように知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−89400号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝる電磁式燃料噴射弁において,コイルの励磁時,固定コア及び可動コア間にエアギャップを残存させることは,コイルを消磁したとき,両コア間の残留磁気を速やかに消失させて,弁体の閉弁応答性を高める上に有効である。ところが,上記残存エアギャップは,コイルの消磁状態では,両コア間の間隙を広げることになるため,コイルの励磁時の両コアの吸引応答性,即ち弁体の開弁応答性に多少とも影響を与えることになる。そこで,従来ではコイルの容量を大きめに設定しているが,そうすることは電磁式燃料噴射弁のコンパクト化を多少とも阻害することになる。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,コイルの容量を特別大きく設定せずも,コイルの励磁時,固定コア及び可動コアの両吸引面間にエアギャップを残存させつゝ,弁体の開弁応答性の向上を可能にする電磁式燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働して開閉動作する弁体と,この弁体に一体的に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルと,このコイルの励磁時,両コア間にエアギャップを保持しながら前記弁体の開弁限界を規定するストッパ手段とを備える,電磁式燃料噴射弁において,前記固定コア及び可動コアの相対向する吸引面の少なくとも一方の吸引面の一部を,他方の吸引面に近接させるべく突出させたことを第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,発生磁束が比較的少ないコイルの励磁初期には,磁束が突出した吸引面を集中して通ることにより磁束密度が高められ,これにより可動コアの磁気応答性を高めることができ,また発生磁束が増加する励磁後期には,磁束が全部の吸引面を通ることになり,磁気抵抗の増加を抑え,大なる吸引力を得ることができ,これによって弁体の開弁応答性を高めることができる。したがってコイルの容量を特別大きく設定せずに済み,電磁式燃料噴射弁のコンパクト化にも寄与し得る。
【0008】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記ストッパ手段を,前記可動コアの,前記固定コアの吸引面に形成された凹部に嵌合,固定され,前記固定コアの吸引面に当接して前記弁体の開弁限界を規定する,非磁性もしくは前記可動コアより弱磁性のストッパ要素で構成したことを第2の特徴とする。
【0009】
この第2の特徴によれば,固定コアに当接するストッパ要素は,非磁性もしくは弱磁性であることから,コイルの消磁時,両コア間の残留時期を速やかに消失させて,弁体の閉弁応答性を高めることができる。またストッパ要素は,その材料を,可動コアや弁体に関係なく,高硬度の材料を自由に選定することができ,その耐久性を高めることができる。
【0010】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記ストッパ手段を,前記可動コアを貫通して該可動コアの吸引面から突出するように前記弁体に一体に形成され,前記固定コアの吸引面に当接して前記弁体の開弁限界を規定する,非磁性もしくは前記可動コアより弱磁性のストッパ要素で構成したことを第3の特徴とする。
【0011】
この第3の特徴によれば,固定コアに当接するストッパ要素は,非磁性もしくは弱磁性であることから,コイルの消磁時,両コア間の残留時期を速やかに消失させて,弁体の閉弁応答性を高めることができる。また弁体及び可動コアをそれぞれの機能に対応して材料で個別に構成した場合に,弁体にストッパ要素を一体に形成することで,構造の簡素化を図ることができる。
【0012】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記ストッパ手段を,前記弁体に形成された鍔部と,前記弁ハウジングに設けられて,前記鍔部を受け止めて前記弁体の開弁限界を規定するストッパプレートとで構成したことを第4の特徴とする。
【0013】
この第4の特徴によれば,ストッパ手段による固定コア及び可動コアの吸引面積の減少を回避して磁力の増加を図ることができ,弁体の開弁応答性向上に寄与し得る。
【0014】
さらにまた本発明は,第2又は第3の特徴に加えて,前記可動コアの吸引面の一部を,前記固定コアの吸引面に近接させるべく突出させたことを第5の特徴とする。
【0015】
この第5の特徴によれば,可動コアに固設されたストッパ要素の端面,並びに可動コアの,突出面を含む吸引面を,一挙に研削仕上げすることが可能であり,弁体の開弁ストローク,及び両コア間のエアギャップを精密に得ることができ,電磁式燃料噴射弁の品質向上に寄与し得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図,図2は図1の2部拡大図,図3は本発明の第2実施例を示す,図1に対応した断面図,図4は本発明の第3実施例を示す,図1に対応した断面図,図5は本発明の他の複数の実施例を示す,図2に対応した要部拡大断面図,図6は本発明の電磁式燃料噴射弁と従来のものとの弁体動作に関する比較テスト結果を示す線図である。
【0018】
先ず,図1及び図2に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
【0019】
図1において,内燃機関用電磁式燃料噴射弁Iの弁ハウジング2は,前端に弁座8を有する円筒状の弁座部材3と,この弁座部材3の後端部に同軸に結合される磁性円筒体4と,この磁性円筒体4の後端に同軸に結合される非磁性円筒体6とで構成される。
【0020】
弁座部材3は,その外周面から環状肩部3bを存して磁性円筒体4側に突出する連結筒部3aを後端部に有しており,この連結筒部3aを磁性円筒体4の前端部内周面に圧入して,磁性円筒体4の前端面を環状肩部3bに当接させることにより,弁座部材3及び磁性円筒体4は互いに同軸且つ液密に結合される。磁性円筒体4及び非磁性円筒体6は,対向端面を突き合わせて全周に亙りレーザビーム溶接により互いに同軸且つ液密に結合される。
【0021】
弁座部材3は,その前端面に開口する弁孔7と,この弁孔7の内端に連なる円錐状の弁座8と,この弁座8の大径部に連なる円筒状のガイド孔9とを備えている。弁座部材3の前端面には,上記弁孔7と連通する複数の燃料噴孔11を有する鋼板製のインジェクタプレート10が液密に全周溶接される。
【0022】
非磁性円筒体6の内周面には,その後端側から中空円筒状の固定コア5が液密に圧入固定される。その際,非磁性円筒体6の前端部には,固定コア5と嵌合しない部分が残され,その部分から弁座部材3に至る弁ハウジング2内に弁組立体Vが収容される。
【0023】
弁組立体Vは,前記弁座8と協働して弁孔7を開閉する半球状の弁部16及びそれを支持する弁杆部17からなる弁体18と,弁杆部17に連結され,磁性円筒体4から非磁性円筒体6に跨がって,それらに挿入されて固定コア5に同軸で対置される可動コア12とからなっている。弁杆部17は,前記ガイド孔9より小径に形成されており,その外周には,半径方向外方に突出して,前記ガイド孔9の内周面に摺動可能に支承される前後一対のジャーナル部17a,17aが一体に形成される。その際,両ジャーナル部17a,17aは,両者の軸方向間隔を極力あけて配置される。
【0024】
弁組立体Vには,可動コア12の後端面から弁部16の手前で終わる縦孔19と,この縦孔19を,可動コア12外周面に連通する複数の第1横孔20aと,同縦孔19を両ジャーナル部17a,17a間の弁杆部17外周面に連通する複数の第2横孔20bと,同縦孔19を弁部16外周面に連通する複数の第3横孔20cとが設けられる。その際,縦孔19の途中には,固定コア5側を向いた環状のばね座24が形成される。
【0025】
固定コア5は,可動コア12の縦孔19と連通する縦孔21を有し,この縦孔21に内部が連通する燃料入口筒26が固定コア5の後端に一体に連設される。燃料入口筒26は,固定コア5の後端に連なる縮径部26aと,それに続く拡径部26bとからなっており,その縮径部26aから縦孔21に挿入又は軽圧入されるパイプ状のリテーナ23と前記ばね座24との間に可動コア12を弁体18の閉弁側に付勢する弁ばね22が縮設される。その際,リテーナ23の縦孔21への嵌合深さにより弁ばね22のセット荷重が調整され,その調整後は縮径部26aの外周壁を部分的に内方へかしめることでリテーナ23は縮径部26aに固定される。拡径部26bには燃料フィルタ27が装着される。
【0026】
前記固定コア7はフェライト系の高硬度磁性材製とされる。
【0027】
一方,可動コア12には,図2に明示するように,固定コア5の吸引面5aと対向する吸引面12aに凹部13が形成され,この凹部13に,前記弁ばね22を囲繞するカラー状のストッパ要素14が嵌合,固定される。その固定には,圧入やかしめ,溶接が用いられる。このストッパ要素14は非磁性材料,例えばJIS SUS304材で構成される。
【0028】
このストッパ要素14は可動コア12の吸引面12aから突出していて,通常,弁体18の開弁ストロークに相当する間隙sを存して固定コア5の吸引面5aと対置される。また可動コア12の吸引面12aは,ストッパ要素14が固定コア5に当接したとき,所定のエアギャップgを存して対向する基準吸引面Fと,この基準吸引面Fから固定コア5側に突出する突出吸引面fとで構成される。
【0029】
前記所定のエアギャップgは,コイル30を励磁状態から消磁したとき,両コア5,12間の残留磁束が速やかに消失するように設定される。一方,突出吸引面fの,基準吸引面Fからの突出量は,ストッパ要素14が固定コア5に当接したときでも,突出吸引面fが固定コア5の吸引面に接触しない範囲で設定されるものであるが,その際,この突出吸引面fが残留磁気の消失を妨げないように,その面積が基準吸引面Fの面積より狭く設定される。図示例では,突出吸引面fはストッパ要素14を囲繞するように環状に形成され,その外周に基準吸引面Fが形成される。
【0030】
上記ストッパ要素14の端面,並びに基準及び突出吸引面F,fは,ストッパ要素14の可動コア12への嵌合,固定後に,研削により同時に仕上げられる。こうすることにより,互いに関連する前記間隙s及びエアギャップgを精密に得る。
【0031】
再び図1において,弁ハウジング2の外周には,固定コア5及び可動コア12に対応してコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,磁性円筒体4の後端部から非磁性円筒体6全体にかけてそれらの外周面に嵌合するボビン29と,これに巻装されるコイル30とからなっており,このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31の前端が磁性円筒体4の外周面に溶接され,その後端には,固定コア5の後端部外周からフランジ状に突出するヨーク5bの外周面に溶接される。コイルハウジング31は円筒状をなし,且つ一側に軸方向に延びるスリット31aが形成されている。
【0032】
上記コイルハウジング31,コイル組立体28,固定コア5及び燃料入口筒26の前半部は,射出成形による合成樹脂製の被覆体32に埋封される。その際,,コイルハウジング31内への被覆体32の充填はスリット31aを通して行われる。また被覆体32の中間部には,前記コイル30に連なる接続端子33を収容する備えたカプラ34が一体に連設される。
【0033】
次に,この第1実施例の作用について説明する。
【0034】
コイル30を消磁した状態では,弁ばね22の付勢力で弁組立体Vは前方に押圧され,弁体18を弁座8に着座させている。したがって,図示しない燃料ポンプから燃料入口筒26に圧送された燃料は,パイプ状のリテーナ23内部,弁組立体Vの縦孔19及び第1〜第3横孔20a〜20cを通して弁座部材3内に待機させられ,弁体18のジャーナル部17a,17a周りの潤滑に供される。
【0035】
コイル30を通電により励磁すると,それにより生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング31,磁性円筒体4及び可動コア12を順次走り,その磁力により弁組立体Vの可動コア12が弁ばね22のセット荷重に抗して固定コア5に吸引され,弁体18が弁座8から離座するので,弁孔7が開放され,弁座部材3内の高圧燃料が弁孔7を出て,燃料噴孔11からエンジンの吸気弁に向かって噴射される。
【0036】
このとき,弁組立体Vの可動コア12に嵌合固定されたストッパ要素14が固定コア5の吸引面5aに当接することにより,弁体18の開弁限界が規定され,可動コア12の吸引面12aは,エアギャップgを存して固定コア5の吸引面5aと対向し,固定コア5との直接接触が回避される。しかもストッパ要素14が非磁性であることから,コイル30の消磁時の両コア5,12間の残留磁気は速やかに消失して,弁体18の閉弁応答性を高めることができる。
【0037】
一方,固定コア5は,前述のようなフェライト系の高硬度磁性材製であるから,良好な磁気特性と高い耐摩耗性を発揮することができ,ストッパ要素14の繰り返し当接によっても殆ど摩耗せず,燃料噴射特性を長期に亙り安定させることが可能となる。
【0038】
また可動コア12の吸引面12aは,小面積の突出吸引面fと大面積の基準吸引面Fとで構成されるので,コイル30の励磁初期には,発生する磁束が少なくても,その磁束が比較的小面積の突出吸引面fを集中して通ることにより,突出吸引面fの磁束密度が高められ,可動コア12の磁気応答性が向上する。しかもその突出吸引面fは可動コア12の中心部に位置するので,磁力により吸引力が可動コア12の中心部に作用し,その初動姿勢を安定させることができる。そして多量の磁束が発生する励磁後期には,その磁束が突出及び基準吸引面f,F全体を通ることになり,磁気抵抗の増加を抑え,大なる吸引力を得ることができる。こうして弁体18の開弁応答性は高められる。
【0039】
また可動コア12に嵌合,固定されるストッパ要素14は,可動コア12及び弁体18に関係なく,高硬度で非磁性の材料を自由に選定することができる。
【0040】
図6は,弁体の動きについて,本発明の電磁式燃料噴射弁Iと従来の電磁式燃料噴射弁を比較テストした結果を示す。この結果から明らかなように,本発明では,コイルへの通電開始後,弁体の開弁時期が従来のものより早まるが,通電遮断後の閉弁時期に関しては,従来のものと殆ど変わらないことが確認された。したがって,本発明では,閉弁応答性を殆ど低下させることなく,弁体18の開弁応答性を向上させることができる。
【0041】
かくして,コイル30の容量を特別大きく設定せずに済み,電磁式燃料噴射弁Iのコンパクト化にも寄与することができる。
【0042】
次に,図3に示す本発明の第2実施例について説明する。
【0043】
この第2実施例では,弁組立体Vの弁体18及び可動コア12がそれぞれ別体に構成され,その弁体18の弁杆部17には,可動コア12の連結孔36を貫通して可動コア12に固着される円筒状のストッパ要素14と,可動コア12の前端面に衝合してストッパ要素14の可動コア12への嵌合深さを規制するフランジ35とが一体に形成される。ストッパ要素14の可動コア12への固着には,圧入やかしめ,溶接が用いられる。この場合の弁体18及びストッパ要素14は,非磁性もしくは可動コア12より弱磁性で且つ可動コア12より高硬度の材料,例えばJIS SUS440Cの合金をもって構成される。
【0044】
その他の構成は,前実施例と基本的には同一であるので,図3中,前実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明省略する。
【0045】
この第2実施例によれば,第1実施例と同様に弁体18の開弁応答性を高めることができる。また弁体18及び可動コア12をそれぞれの機能に対応して材料で個別に構成した場合に,弁体18にストッパ要素14を一体に形成することで,構造の簡素化を図ることができて有利となる。したがって,弁体18及びストッパ要素14を,可動コア12に関係なく,高硬度で非磁性もしくは弱磁性の材料で構成することが可能であり,コイルの消磁時の残留磁気を速やかに消失させつゝ,弁体18及びストッパ要素14の耐久性向上を同時に図ることができる。
【0046】
次に,図4に示す本発明の第3実施例について説明する。
【0047】
この第3実施例では,弁体18の開弁限界を規定するために,弁体18の弁杆部17に形成された鍔部40を,弁座部材3と,これに連結される磁性円筒体4との間に挟持される平面視でC字状のストッパプレート41で受け止めるようにしており,可動コア12には前二実施例のようなストッパ要素14は存在しない。また固定コア5及び可動コア12の吸引面5a,12aの形状は前二実施例と同様でもよいが,この第3実施例では,固定コア5の吸引面5aが,段差を持った基準及び突出吸引面F,fで構成される。
【0048】
その他の構成は,前記第1実施例と基本的には同様であるので,図4中,第1実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0049】
この第3実施例によれば,第1実施例と同様に弁体18の開弁応答性を高めることができる外,弁体18のフランジ40を受け止めるストッパプレート41は,両コア5,14の吸引面積を減らすものでないから,磁力の増大を図って,弁体18の開弁応答性の向上に寄与し得る。またC字状のストッパプレート41は切欠き部を有するので,フランジ40への当接時,その切欠き部により,両者40,41の液圧的な張りつきを防ぎ,弁体18の閉弁応答性の向上に寄与し得る。
【0050】
図5は本発明の他の実施例を示すもので,図(A)は,可動コア12の吸引面12aにおいて,固定コア5側に突出した突出吸引面fを外周側に配置し,その内側に基準吸引面Fを配置したものであり,図(B)は,固定コア5側に突出した突出吸引面fを中心部に配置し,その外側に,外周に向かって下る円錐状の基準吸引面Fを配置したものであり,図(C)は,固定コア5側に突出した突出吸引面fを外周側に配置し,その内側に,中心に向かって下る円錐状の基準吸引面Fを配置したものである。その他の構成は前記第1実施例と同様であるので,図(A)〜図(C)中,第1実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0051】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働して開閉動作する弁体と,この弁体に一体的に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルと,このコイルの励磁時,両コア間にエアギャップを保持しながら前記弁体の開弁限界を規定するストッパ手段とを備える,電磁式燃料噴射弁において,前記固定コア及び可動コアの相対向する吸引面の少なくとも一方の吸引面の一部を,他方の吸引面に近接させるべく突出させたので,発生磁束が比較的少ないコイルの励磁初期には,磁束が突出した吸引面を集中して通ることにより磁束密度が高められ,これにより可動コアの磁気応答性を高めることができ,また発生磁束が増加する励磁後期には,磁束が全部の吸引面を通ることになり,磁気抵抗の増加を抑え,大なる吸引力を得ることができ,これによって弁体の開弁応答性を高めることができ,したがってコイルの容量を特別大きく設定せずに済み,電磁式燃料噴射弁のコンパクト化にも寄与し得る。
【0053】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記ストッパ手段を,前記可動コアの,前記固定コアの吸引面に形成された凹部に嵌合,固定され,前記固定コアの吸引面に当接して前記弁体の開弁限界を規定する,非磁性もしくは前記可動コアより弱磁性のストッパ要素で構成したので,固定コアに当接するストッパ要素は,非磁性もしくは弱磁性であることから,コイルの消磁時,両コア間の残留時期を速やかに消失させて,弁体の閉弁応答性を高めることができる。またストッパ要素は,その材料を,可動コアや弁体に関係なく,高硬度の材料を自由に選定することができ,その耐久性を高めることができる。
【0054】
さらにまた本発明の第3の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記ストッパ手段を,前記可動コアを貫通して該可動コアの吸引面から突出するように前記弁体に一体に形成され,前記固定コアの吸引面に当接して前記弁体の開弁限界を規定する,非磁性もしくは前記可動コアより弱磁性のストッパ要素で構成したので,固定コアに当接するストッパ要素は,非磁性もしくは弱磁性であることから,コイルの消磁時,両コア間の残留時期を速やかに消失させて,弁体の閉弁応答性を高めることができる。また弁体及び可動コアをそれぞれの機能に対応して材料で個別に構成した場合に,弁体にストッパ要素を一体に形成することで,構造の簡素化を図ることができる。
【0055】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記ストッパ手段を,前記弁体に形成された鍔部と,前記弁ハウジングに設けられて,前記鍔部を受け止めて前記弁体の開弁限界を規定するストッパプレートとで構成したので,ストッパ手段による固定コア及び可動コアの吸引面積の減少を回避して磁力の増加を図ることができ,弁体の開弁応答性向上に寄与し得る。
【0056】
さらにまた本発明の第5の特徴によれば,第2又は第3の特徴に加えて,前記可動コアの吸引面の一部を,前記固定コアの吸引面に近接させるべく突出させたので,可動コアに固設されたストッパ要素の端面,並びに可動コアの,突出面を含む吸引面を,一挙に研削仕上げすることが可能であり,弁体の開弁ストローク,及び両コア間のエアギャップを精密に得ることができ,電磁式燃料噴射弁の品質向上に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図
【図2】図1の2部拡大図
【図3】本発明の第2実施例を示す,図1に対応した断面図
【図4】本発明の第3実施例を示す,図1に対応した断面図
【図5】本発明の他の複数の実施例を示す,図2に対応した要部拡大断面図
【図6】本発明の電磁式燃料噴射弁と従来のものとの弁体動作に関する比較テスト結果を示す線図
【符号の説明】
I・・・・・電磁式燃料噴射弁
f・・・・突出吸引面
F・・・・基準吸引面
g・・・・・エアギャップ
2・・・・・弁ハウジング
3・・・・・弁座部材
5・・・・・固定コア
5a・・・・固定コアの吸引面
8・・・・・弁座
12・・・・可動コア
12a・・・可動コアの吸引面
13・・・・凹部
14・・・・ストッパ要素
16・・・・弁部
17・・・・弁杆部
18・・・・弁体
22・・・・弁ばね
30・・・・コイル

Claims (5)

  1. 一端に弁座(8)を有する弁ハウジング(2)と,この弁ハウジング(2)の他端に連設される固定コア(5)と,前記弁ハウジング(2)に収容されて前記弁座(8)と協働して開閉動作する弁体(18)と,この弁体(18)に一体的に連結されて前記固定コア(5)と対置される可動コア(12)と,前記弁体(18)を閉弁方向に付勢する弁ばね(22)と,前記固定コア(5)を囲繞して配置され,励磁により前記可動コア(12)を固定コア(5)に吸引させて前記弁体(18)を開弁させるコイル(30)と,前記コイル(30)の励磁時,両コア(5,12)間にエアギャップ(g)を保持しながら前記弁体(18)の開弁限界を規定するストッパ手段(14,40,41)とを備える,電磁式燃料噴射弁において,
    前記固定コア(5)及び可動コア(12)の相対向する吸引面(5a,12a)の少なくとも一方の吸引面の一部(f)を,他方の吸引面に近接させるべく突出させたことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
  2. 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において,
    前記ストッパ手段を,前記可動コア(12)の,前記固定コア(5)の吸引面に形成された凹部(13)に嵌合,固定され,前記固定コア(5)の吸引面に当接して前記弁体(18)の開弁限界を規定する,非磁性もしくは前記可動コア(12)より弱磁性のストッパ要素(14)で構成したことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
  3. 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において,
    前記ストッパ手段を,前記可動コア(12)を貫通して該可動コア(12)の吸引面(12a)から突出するように前記弁体(18)に一体に形成され,前記固定コア(5)の吸引面に当接して前記弁体(18)の開弁限界を規定する,非磁性もしくは前記可動コア(12)より弱磁性のストッパ要素(14)で構成したことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
  4. 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において,
    前記ストッパ手段を,前記弁体(18)に形成された鍔部(40)と,前記弁ハウジング(2)に設けられて,前記鍔部(40)を受け止めて前記弁体(18)の開弁限界を規定するストッパプレート(41)とで構成したことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
  5. 請求項2又は3記載の電磁式燃料噴射弁において,
    前記可動コア(12)の吸引面(12a)の一部(f)を,前記固定コア(5)の吸引面(5a)に近接させるべく突出させたことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
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