JP2004293366A - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁式燃料噴射弁において,弁組立体を同一材料で一体に構成した場合,その弁組立体に良好な磁気特性を付与すると共に,特別な耐摩耗処理を施すことなく優れた耐摩耗性を付与し,同時に弁組立体の軽量化を図る。
【解決手段】弁体18及び可動コア12を同一材料で一体に構成して弁組立体Vとした電磁式燃料噴射弁において,弁組立体Vをフェライト系の高硬度磁性材製とし,この弁組立体Vに,その可動コア12の端面から始まって弁部16で行き止まりとなる縦孔19と,この縦孔19を弁ハウジング2内に連通する横孔20a,20b,20cとを燃料通路として形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】弁体18及び可動コア12を同一材料で一体に構成して弁組立体Vとした電磁式燃料噴射弁において,弁組立体Vをフェライト系の高硬度磁性材製とし,この弁組立体Vに,その可動コア12の端面から始まって弁部16で行き止まりとなる縦孔19と,この縦孔19を弁ハウジング2内に連通する横孔20a,20b,20cとを燃料通路として形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,主として内燃機関の燃料供給系に使用される電磁式燃料噴射弁に関し,特に,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働する弁部及びそれに連なる弁杆部を有する弁体と,前記弁杆部に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルとを備え,前記弁体及び可動コアを同一材料で一体に構成して弁組立体とした,電磁式燃料噴射弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,電磁式燃料噴射弁では,可動コア及び弁体を,それぞれの機能に適応した材料で個別に構成して,その両者を一体に結合して弁組立体を構成したもの(例えば特許文献1の図2参照)と,可動コアに適した材料で弁組立体を一体に構成し,その表面に硬化処理を施して,特に弁体の耐摩耗性を確保するようにしたもの(特許文献1の実用新案登録請求の範囲参照)とが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭60−88070号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上記従来技術の前者では,可動コアの磁気特性と弁体の耐摩耗性の両方を満足させることができるが,弁組立体は二部品からなることで,コストの面で不満が残る。また後者では,前者より部品点数は少ないものゝ,弁体の耐摩耗性を得べく弁組立体の表面に硬化処理という面倒な工程が不可欠であり,これがコストの低減を妨げることになる。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,弁組立体を同一材料で一体に構成した場合,その弁組立体に良好な磁気特性を付与すると共に,特別な耐摩耗処理を施すことなく優れた耐摩耗性を付与し,同時に弁組立体の軽量化を図ることを可能にする電磁式燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働する弁部及びそれに連なる弁杆部を有する弁体と,前記弁杆部に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルとを備え,前記弁体及び可動コアを同一材料で一体に構成して弁組立体とした,電磁式燃料噴射弁において,前記弁組立体をフェライト系の高硬度磁性材製とし,この弁組立体に,その可動コアの端面から始まって前記弁部で行き止まりとなる縦孔と,この縦孔を前記弁ハウジング内に連通する横孔とを燃料通路として形成したことを第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,フェライト系の高硬度磁性材製の弁組立体は,良好な磁気特性と高い耐摩耗性を発揮することができ,燃料噴射特性を長期に亙り安定させることが可能となる。しかも,その弁組立体は特別な耐摩耗処理を不要とするので,製造工数が削減され,部品点数が少ないことゝ相俟ってコストの低減を図ることができる。
【0008】
しかも弁組立体は,可動コアの端面から始まって前記弁部で行き止まりとなる縦孔と,この縦孔を前記弁ハウジング内に連通する横孔とが燃料通路として形成されることで,贅肉が大幅に削除され,したがって大幅に軽量化して,磁力に対する応答性を高めることができる。
【0009】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記弁組立体が,Crを10〜20wt%,Siを0.1wt%,Al及びNiの少なくとも一方を1wt%以上,残部としてフェライト系Fe,Mn,C,P,Sを含み,且つAl及びNiの合計を1.15〜6wt%とした合金よりなることを第2の特徴とする。
【0010】
この第2の特徴によれば,上記合金を加工するのみで,硬度が高く耐摩耗性に優れた弁体化と,磁束密度が高く大なる磁力を発揮し得る,高性能の弁組立体を得ることができる。
【0011】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記横孔を,前記可動コアの外周面に開口させたことを第3の特徴とする。
【0012】
この第3の特徴によれば,縦孔から横孔を通して可動コアの周囲に燃料を導いて,その潤滑及び冷却を図ると共に,そこで発生した気泡を横孔を通して縦孔側へ排除して,気泡の弁座への移行を防ぐことができる。
【0013】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記弁座を円錐状に形成する一方,それに着座する前記弁部を半球状に形成し,前記縦孔を,これが前記弁部の球面中心を超えて行き止まりとなるように形成し,前記弁杆部に,前記弁ハウジングの内周面に摺動可能に支承されるジャーナル部を一体に形成し,このジャーナル部の近傍で前記横孔を弁杆部外周面に開口させたことを第4の特徴とする。
【0014】
この第4の特徴によれば,ジャーナル部が弁ハウジング内周面に摺動することで,弁組立体の開閉姿勢を安定させることができ,しかも縦孔から横孔を通してジャーナル部に燃料を導いて,その潤滑及び冷却を図ると共に,そこで発生した気泡を横孔を通して縦孔側へ排除して,気泡の弁座への移行を防ぐことができる。
【0015】
また弁座を円錐状,弁体を半球状に形成したことで,弁体の調心性が良好で,閉弁が常に確実である。
【0016】
さらに可動コアから始まった縦孔は,半球状弁部の先端面近傍まで延びることになるので,横孔と共に弁組立体の贅肉を大いに除去して,弁組立体の軽量化,延いては応答性の向上を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図,図2は図1の2部拡大図,図3は図1中の弁組立体の斜視図,図4は固定コア及び弁組立体用合金におけるAl及びNiの合計含有率と硬度との関係を示す線図,図5は固定コア及び弁組立体用合金におけるAl及びNiの合計含有率と磁束密度及び体積抵抗との関係を示す線図である。
【0019】
先ず,図1において,内燃機関用電磁式燃料噴射弁Iの弁ハウジング2は,前端に弁座8を有する円筒状の弁座部材3と,この弁座部材3の後端部に同軸に結合される磁性筒体4と,この磁性筒体4の後端に同軸に結合される非磁性筒体6とで構成される。
【0020】
弁座部材3は,その外周面から環状肩部3bを存して磁性筒体4側に突出する連結筒部3aを後端部に有しており,この連結筒部3aを磁性筒体4の前端部内周面に圧入して,磁性筒体4の前端面を環状肩部3bに当接させることにより,弁座部材3及び磁性筒体4は互いに同軸且つ液密に結合される。磁性筒体4及び非磁性筒体6は,対向端面を突き合わせて全周に亙りレーザビーム溶接により互いに同軸且つ液密に結合される。
【0021】
弁座部材3は,その前端面に開口する弁孔7と,この弁孔7の内端に連なる円錐状の弁座8と,この弁座8の大径部に連なる円筒状のガイド孔9とを備えている。弁座部材3の前端面には,上記弁孔7と連通する複数の燃料噴孔11を有する鋼板製のインジェクタプレート10が液密に全周溶接される。
【0022】
非磁性筒体6の内周面には,その後端側から中空円筒状の固定コア5が液密に圧入固定される。その際,非磁性筒体6の前端部には,固定コア5と嵌合しない部分が残され,その部分から弁座部材3に至る弁ハウジング2内に弁組立体Vが収容される。
【0023】
図1及び図3に示すように,弁組立体Vは,前記弁座8と協働して弁孔7を開閉する半球状の弁部16及びそれを支持する弁杆部17からなる弁体18と,弁杆部17に連結され,磁性筒体4から非磁性筒体6に跨がって,それらに挿入されて固定コア5に同軸で対置される可動コア12とからなっている。弁杆部17は,前記ガイド孔9より小径に形成されており,その外周には,半径方向外方に突出して,前記ガイド孔9の内周面に摺動可能に支承される前後一対のジャーナル部17a,17aが一体に形成される。その際,両ジャーナル部17a,17aは,両者の軸方向間隔を極力あけて配置される。
【0024】
弁組立体Vには,可動コア12の後端面から始まり半球状弁部16の球面中心Oを超えて行き止まりとなる縦孔19と,この縦孔19を,可動コア12外周面に連通する複数の第1横孔20aと,同縦孔19を両ジャーナル部17a,17a間の弁杆部17外周面に連通する複数の第2横孔20bと,同縦孔19を前側のジャーナル部17aより弁部18寄りで弁杆部17外周に連通する複数の第3横孔20cとが設けられる。その際,第3横孔20cは弁部18の球面中心Oよりも前寄りに配置されることが望ましく,また前側のジャーナル部17aは,弁部16の球面中心Oに極力近接して配置することが望ましい。
【0025】
縦孔19の途中には,固定コア5側を向いた環状のばね座24が形成されている。
【0026】
固定コア5は,可動コア12の縦孔19と連通する縦孔21を有し,この縦孔21に内部が連通する燃料入口筒26が固定コア5の後端に一体に連設される。燃料入口筒26は,固定コア5の後端に連なる縮径部26aと,それに続く拡径部26bとからなっており,その縮径部26aから縦孔21に軽圧入されるパイプ状のリテーナ23と前記ばね座24との間に可動コア12を弁体18の閉弁側に付勢する弁ばね22が縮設される。その際,リテーナ23の縦孔21への嵌合深さにより弁ばね22のセット荷重が調整され,その調整後は縮径部26aの外周壁を部分的に内方へかしめることでリテーナ23は縮径部26aに固定される。拡径部26bには燃料フィルタ27が装着される。
【0027】
前記固定コア7及び弁組立体Vは,何れもフェライト系の高硬度磁性材製とされ,具体的には,次の組成の合金を切削することにより構成される。
【0028】
Cr・・・10〜20wt%
Si・・・0.1wt%
Al及びNi・・・両方を含むと共に,それらの少なくとも一方が1wt%以
上,且つ両方の合計が1.15〜6wt%
残部・・・フェライト系Fe,不純物のMn,C,P,S
而して,上記合金中,特にAl及びNiの合計が1.15〜6wt%であることが固定コア5及び弁組立体Vの耐摩耗性,磁力及び応答性の向上に大きく関与する。即ち,Al及びNiは,それらの合計含有率の略95%が析出物となり,それが固定コア5及び弁組立体Vの硬度,磁束密度及び体積抵抗に大きな影響を与えるのであり,硬度は耐摩耗性を得る上で大きいことが望ましく,磁束密度は磁力を強化する上で大きいことが望ましく,体積抵抗は応答性を高める上で小さいことが望ましい。
【0029】
前記合金におけるAl及びNiの合計含有率と硬度との関係を実験により調べたところ,図4の線図に示す結果を得た。また前記合金におけるAl及びNiの合計含有率と磁束密度及び体積抵抗との関係を実験により調べたところ,図5の線図に示す結果を得た。
【0030】
図4から明らかなように,Al及びNiの合計含有率が1.15〜6wt%である限り,合金の硬度は200〜400Hmvである。この範囲の硬度は,合金の切削加工後,メッキ等の特別な耐摩耗処理を施さずとも,固定コア5及び弁組立体Vに充分な耐摩耗性を付与するに足るものである。したがって,特別な耐摩耗処理を必要としない分,工数が削減されるので,固定コア5及び弁組立体Vのコスト低減を図ることができる。
【0031】
また図5から明らかなように,Al及びNiの合計含有率が6wt%を超えると,固定コア5及び弁組立体Vの磁束密度が低下して,充分な磁力が得られなくのみならず,体積抵抗の低下により磁束の流れに遅れが生じ,固定コア5及び弁組立体Vの応答性が低下してしまう。
【0032】
したがって,Al及びNiの合計含有率を1.15〜6wt%としたことにより,固定コア5及び弁組立体Vの耐摩耗性,磁力及び応答性を実用上,満足させることができる。
【0033】
尚,前記合金中のCr 10〜20wt%,Si 0.1wt%,残部 フェライト系Fe,不純物のMn,C,P,Sは,従来のコアに一般的に含有されるものである。
【0034】
弁組立体Vにおいて,図2に明示するように,可動コア12には,固定コア5の吸引面5aと対向する吸引面12aに嵌合凹部13が形成され,この嵌合凹部13に,前記弁ばね22を囲繞するカラー状のストッパ要素14が圧入により固定され,又は嵌合後,溶接もしくはカシメにより固定される。ストッパ要素14は非磁性材料,例えばJIS SUS304材で構成される。
【0035】
上記ストッパ要素14は可動コア12の吸引面12aから突出していて,通常,弁体18の開弁ストロークに相当する間隙sを存して固定コア5の吸引面5aと対置される。
【0036】
また可動コア12の吸引面12aは,ストッパ要素14が固定コア5に当接したとき,所定のエアギャップgを存して対向する基準吸引面Fと,この基準吸引面Fから固定コア5側に突出する突出吸引面fとで構成される。
【0037】
前記所定のエアギャップgは,コイル30を励磁状態から消磁したとき,両コア5,12間の残留磁束が速やかに消失するように設定される。一方,突出吸引面fの,基準吸引面Fからの突出量は,ストッパ要素14が固定コア5に当接したときでも,突出吸引面fが固定コア5の吸引面に接触しない範囲で設定されるものであるが,その際,この突出吸引面fが残留磁気の消失を妨げないように,その面積が基準吸引面Fの面積より狭く設定される。図示例では,突出吸引面fはストッパ要素14を囲繞するように環状に形成され,その外周に基準吸引面Fが形成される。
【0038】
上記ストッパ要素14の端面,並びに基準及び突出吸引面F,fは,ストッパ要素14の可動コア12への取り付け後に,研削により同時に仕上げられる。こうすることにより,互いに関連する前記間隙s及びエアギャップgを精密に得ることができる。
【0039】
再び図1において,弁ハウジング2の外周には,固定コア5及び可動コア12に対応してコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,磁性筒体4の後端部から非磁性筒体6全体にかけてそれらの外周面に嵌合するボビン29と,これに巻装されるコイル30とからなっており,このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31の前端が磁性筒体4の外周面に溶接され,その後端には,固定コア5の後端部外周からフランジ状に突出するヨーク5bの外周面に溶接される。コイルハウジング31は円筒状をなし,且つ一側に軸方向に延びるスリット31aが形成されている。
【0040】
上記コイルハウジング31,コイル組立体28,固定コア5及び燃料入口筒26の前半部は,射出成形による合成樹脂製の被覆体32に埋封される。その際,,コイルハウジング31内への被覆体32の充填はスリット31aを通して行われる。また被覆体32の中間部には,前記コイル30に連なる接続端子33を収容する備えたカプラ34が一体に連設される。
【0041】
次に,この第1実施例の作用について説明する。
【0042】
コイル30を消磁した状態では,弁ばね22の付勢力で弁組立体Vは前方に押圧され,弁体18の半球状の弁部16を円錐状の弁座8に着座させているので,弁部18の調心作用により常に良好な閉弁状態を得ることができ,図示しない燃料ポンプから燃料入口筒26に圧送された燃料は,パイプ状のリテーナ23内部,弁組立体Vの縦孔19及び第1〜第3横孔20a〜20cを通して弁座部材3内に待機させられ,弁体18のジャーナル部17a,17a周りの潤滑に供される。
【0043】
コイル30を通電により励磁すると,それにより生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング31,磁性筒体4及び可動コア12を順次走り,その磁力により弁組立体Vの可動コア12が弁ばね22のセット荷重に抗して固定コア5に吸引され,弁体18が弁座8から離座するので,弁孔7が開放され,弁座部材3内の高圧燃料が弁孔7を出て,燃料噴孔11からエンジンの吸気弁に向かって噴射される。
【0044】
このとき,弁組立体Vの可動コア12に嵌合固定されたストッパ要素14が固定コア5の吸引面5aに当接することにより,弁体18の開弁限界が規定され,可動コア12の吸引面12aは,エアギャップgを存して固定コア5の吸引面5aと対向し,固定コア5との直接接触が回避される。特にストッパ要素14の,可動コア12の吸引面12aからの突出量の寸法管理により,上記エアギャップgを精密且つ容易に得ることができ,ストッパ要素14が非磁性であることゝ相俟って,コイル30の消磁時の両コア5,12間の残留磁気は速やかに消失して,弁体18の閉弁応答性を高めることができる。
【0045】
上記ストッパ要素14は,可動コア12と別体に構成されるので,可動コア12及び弁体18に関係なく,非磁性の材料を自由に選定することができる。
【0046】
また固定コア5及び弁組立体Vは,前述のようなフェライト系の高硬度磁性材製であるから,固定コア5と弁組立体Vの可動コア12とは協働して良好な磁気特性を発揮して,弁体18の開弁応答性を高めることができ,また固定コア5はストッパ要素14から受ける繰り返し衝撃に対しても優れた耐摩耗性を発揮して,弁体18の開弁ストロークを長期に亙り適正に保つことに寄与し,さらに弁組立体Vの弁体18における弁部16及びジャーナル部17a,17aも,弁座8やガイド孔9との当接や摺動に対して優れた耐摩耗性を発揮して,弁体18の作動を長期に亙り安定せることができる。
【0047】
しかもフェライト系の高硬度磁性材製の固定コア5及び弁組立体Vには,特別な耐摩耗処理を施す必要がない分,製造工数が削減される。
【0048】
また弁組立体Vには,縦孔19が可動コア12の端面から始まって前記弁部16で行き止まりとなる縦孔19と,この縦孔19を弁ハウジング2内に連通する第1〜第3横孔20a〜20cが燃料通路として設けられ,特に縦孔19は,半球状の弁部18の球面中心Oを超えて,ぞの先端面に近接したところまで延びるので,その燃料通路によって弁組立体Vの贅肉が大幅に削除され,その結果,弁組立体Vが大幅に軽量化して,磁力に対する応答性を高めることができる。
【0049】
しかも,上記第1横孔20aは,縦孔19から可動コア12の周囲に燃料を導いて,それらの潤滑及び冷却に寄与するのみならず,そこで発生した気泡を縦孔19側に誘導排除して,弁座8側への気泡の移行を効果的に防ぐことができる。
【0050】
また第2及び第3横孔20b,20cは,縦孔19から弁体18の周囲,特にジャーナル部17a,17a周りに燃料を導いて,それらの潤滑及び冷却に寄与するのみならず,そこで発生した気泡を縦孔19側に誘導排除して,弁座8側への気泡の移行を効果的に防ぐことができる。
【0051】
また可動コア12の吸引面12aは,小面積の突出吸引面fと大面積の基準吸引面Fとで構成されるので,コイル30の励磁初期には,発生する磁束が少なくても,その磁束が比較的小面積の突出吸引面fを集中して通ることにより,突出吸引面fの磁束密度が高められ,可動コア12の磁気応答性が向上する。しかもその突出吸引面fは可動コア12の中心部に位置するので,磁力により吸引力が可動コア12の中心部に作用し,その初動姿勢を安定させることができる。そして多量の磁束が発生する励磁後期には,その磁束が突出及び基準吸引面f,F全体を通ることになり,磁気抵抗の増加を抑え,大なる吸引力を得ることができる。こうして弁体18の開弁応答性は高められる。
【0052】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,弁杆部17の後側のジャーナル部17aに代えて,可動コア12の外周面に,磁性筒体4の内周面に摺動自在に支承されるジャーナル部を形成することもできる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働する弁部及びそれに連なる弁杆部を有する弁体と,前記弁杆部に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルとを備え,前記弁体及び可動コアを同一材料で一体に構成して弁組立体とした,電磁式燃料噴射弁において,前記弁組立体をフェライト系の高硬度磁性材製とし,この弁組立体に,その可動コアの端面から始まって前記弁部で行き止まりとなる縦孔と,この縦孔を前記弁ハウジング内に連通する横孔とを燃料通路として形成したので,フェライト系の高硬度磁性材製の弁組立体は,良好な磁気特性と高い耐摩耗性を発揮することができ,燃料噴射特性を長期に亙り安定させることが可能となる。しかも弁組立体には特別な耐摩耗処理を不要するので,製造工数が削減され,部品点数が少ないことゝ相俟ってコストの低減を図ることができる。しかも弁組立体は,可動コアの端面から始まって前記弁部で行き止まりとなる縦孔と,この縦孔を前記弁ハウジング内に連通する横孔とが燃料通路として形成されることで,贅肉が大幅に削除され,したがって大幅に軽量化して,磁力に対する応答性を高めることができる。
【0054】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記弁組立体が,Crを10〜20wt%,Siを0.1wt%,Al及びNiの少なくとも一方を1wt%以上,残部としてフェライト系Fe,Mn,C,P,Sを含み,且つAl及びNiの合計を1.15〜6wt%とした合金よりなるので,上記合金を加工するのみで,硬度が高く耐摩耗性に優れた弁体化と,磁束密度が高く大なる磁力を発揮し得る,高性能の弁組立体を得ることができる。
【0055】
さらにまた本発明の第3の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記横孔を,前記可動コアの外周面に開口させたので,縦孔から横孔を通して可動コアの周囲に燃料を導いて,その潤滑及び冷却を図ると共に,そこで発生した気泡を横孔を通して縦孔側へ排除して,気泡の弁座への移行を防ぐことができる。
【0056】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記弁座を円錐状に形成する一方,それに着座する前記弁部を半球状に形成し,前記縦孔を,これが前記弁部の球面中心を超えて行き止まりとなるように形成し,前記弁杆部に,前記弁ハウジングの内周面に摺動可能に支承されるジャーナル部を一体に形成し,このジャーナル部の近傍で前記横孔を弁杆部外周面に開口させたので,ジャーナル部が弁ハウジング内周面に摺動することで,弁組立体の開閉姿勢を安定させることができ,しかも縦孔から横孔を通してジャーナル部に燃料を導いて,その潤滑及び冷却を図ると共に,そこで発生した気泡を横孔を通して縦孔側へ排除して,気泡の弁座への移行を防ぐことができる。また弁座を円錐状,弁体を半球状に形成したことで,弁体の調心性が良好で,閉弁が常に確実である。さらに可動コアから始まった縦孔は,半球状弁部の先端面近傍まで延びることになるので,横孔と共に弁組立体の贅肉を大いに除去して,弁組立体の軽量化,延いては応答性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図
【図2】図1の2部拡大図
【図3】図1中の弁組立体の斜視図
【図4】固定コア及び弁組立体用合金におけるAl及びNiの合計含有率と硬度との関係を示す線図
【図5】固定コア及び弁組立体用合金におけるAl及びNiの合計含有率と磁束密度及び体積抵抗との関係を示す線図
【符号の説明】
I・・・・・電磁式燃料噴射弁
O・・・・・弁部の球面中心
V・・・・・弁組立体
2・・・・・弁ハウジング
5・・・・・固定コア
8・・・・・弁座
12・・・・可動コア
16・・・・弁部
17・・・・弁杆部
17a・・・ジャーナル部
18・・・・弁体
19・・・・縦孔
20a・・・横孔(第1横孔)
20b・・・横孔(第2横孔)
20c・・・横孔(第3横孔)
22・・・・弁ばね
30・・・・コイル
【発明の属する技術分野】
本発明は,主として内燃機関の燃料供給系に使用される電磁式燃料噴射弁に関し,特に,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働する弁部及びそれに連なる弁杆部を有する弁体と,前記弁杆部に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルとを備え,前記弁体及び可動コアを同一材料で一体に構成して弁組立体とした,電磁式燃料噴射弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,電磁式燃料噴射弁では,可動コア及び弁体を,それぞれの機能に適応した材料で個別に構成して,その両者を一体に結合して弁組立体を構成したもの(例えば特許文献1の図2参照)と,可動コアに適した材料で弁組立体を一体に構成し,その表面に硬化処理を施して,特に弁体の耐摩耗性を確保するようにしたもの(特許文献1の実用新案登録請求の範囲参照)とが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭60−88070号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上記従来技術の前者では,可動コアの磁気特性と弁体の耐摩耗性の両方を満足させることができるが,弁組立体は二部品からなることで,コストの面で不満が残る。また後者では,前者より部品点数は少ないものゝ,弁体の耐摩耗性を得べく弁組立体の表面に硬化処理という面倒な工程が不可欠であり,これがコストの低減を妨げることになる。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,弁組立体を同一材料で一体に構成した場合,その弁組立体に良好な磁気特性を付与すると共に,特別な耐摩耗処理を施すことなく優れた耐摩耗性を付与し,同時に弁組立体の軽量化を図ることを可能にする電磁式燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働する弁部及びそれに連なる弁杆部を有する弁体と,前記弁杆部に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルとを備え,前記弁体及び可動コアを同一材料で一体に構成して弁組立体とした,電磁式燃料噴射弁において,前記弁組立体をフェライト系の高硬度磁性材製とし,この弁組立体に,その可動コアの端面から始まって前記弁部で行き止まりとなる縦孔と,この縦孔を前記弁ハウジング内に連通する横孔とを燃料通路として形成したことを第1の特徴とする。
【0007】
この第1の特徴によれば,フェライト系の高硬度磁性材製の弁組立体は,良好な磁気特性と高い耐摩耗性を発揮することができ,燃料噴射特性を長期に亙り安定させることが可能となる。しかも,その弁組立体は特別な耐摩耗処理を不要とするので,製造工数が削減され,部品点数が少ないことゝ相俟ってコストの低減を図ることができる。
【0008】
しかも弁組立体は,可動コアの端面から始まって前記弁部で行き止まりとなる縦孔と,この縦孔を前記弁ハウジング内に連通する横孔とが燃料通路として形成されることで,贅肉が大幅に削除され,したがって大幅に軽量化して,磁力に対する応答性を高めることができる。
【0009】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記弁組立体が,Crを10〜20wt%,Siを0.1wt%,Al及びNiの少なくとも一方を1wt%以上,残部としてフェライト系Fe,Mn,C,P,Sを含み,且つAl及びNiの合計を1.15〜6wt%とした合金よりなることを第2の特徴とする。
【0010】
この第2の特徴によれば,上記合金を加工するのみで,硬度が高く耐摩耗性に優れた弁体化と,磁束密度が高く大なる磁力を発揮し得る,高性能の弁組立体を得ることができる。
【0011】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記横孔を,前記可動コアの外周面に開口させたことを第3の特徴とする。
【0012】
この第3の特徴によれば,縦孔から横孔を通して可動コアの周囲に燃料を導いて,その潤滑及び冷却を図ると共に,そこで発生した気泡を横孔を通して縦孔側へ排除して,気泡の弁座への移行を防ぐことができる。
【0013】
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記弁座を円錐状に形成する一方,それに着座する前記弁部を半球状に形成し,前記縦孔を,これが前記弁部の球面中心を超えて行き止まりとなるように形成し,前記弁杆部に,前記弁ハウジングの内周面に摺動可能に支承されるジャーナル部を一体に形成し,このジャーナル部の近傍で前記横孔を弁杆部外周面に開口させたことを第4の特徴とする。
【0014】
この第4の特徴によれば,ジャーナル部が弁ハウジング内周面に摺動することで,弁組立体の開閉姿勢を安定させることができ,しかも縦孔から横孔を通してジャーナル部に燃料を導いて,その潤滑及び冷却を図ると共に,そこで発生した気泡を横孔を通して縦孔側へ排除して,気泡の弁座への移行を防ぐことができる。
【0015】
また弁座を円錐状,弁体を半球状に形成したことで,弁体の調心性が良好で,閉弁が常に確実である。
【0016】
さらに可動コアから始まった縦孔は,半球状弁部の先端面近傍まで延びることになるので,横孔と共に弁組立体の贅肉を大いに除去して,弁組立体の軽量化,延いては応答性の向上を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図,図2は図1の2部拡大図,図3は図1中の弁組立体の斜視図,図4は固定コア及び弁組立体用合金におけるAl及びNiの合計含有率と硬度との関係を示す線図,図5は固定コア及び弁組立体用合金におけるAl及びNiの合計含有率と磁束密度及び体積抵抗との関係を示す線図である。
【0019】
先ず,図1において,内燃機関用電磁式燃料噴射弁Iの弁ハウジング2は,前端に弁座8を有する円筒状の弁座部材3と,この弁座部材3の後端部に同軸に結合される磁性筒体4と,この磁性筒体4の後端に同軸に結合される非磁性筒体6とで構成される。
【0020】
弁座部材3は,その外周面から環状肩部3bを存して磁性筒体4側に突出する連結筒部3aを後端部に有しており,この連結筒部3aを磁性筒体4の前端部内周面に圧入して,磁性筒体4の前端面を環状肩部3bに当接させることにより,弁座部材3及び磁性筒体4は互いに同軸且つ液密に結合される。磁性筒体4及び非磁性筒体6は,対向端面を突き合わせて全周に亙りレーザビーム溶接により互いに同軸且つ液密に結合される。
【0021】
弁座部材3は,その前端面に開口する弁孔7と,この弁孔7の内端に連なる円錐状の弁座8と,この弁座8の大径部に連なる円筒状のガイド孔9とを備えている。弁座部材3の前端面には,上記弁孔7と連通する複数の燃料噴孔11を有する鋼板製のインジェクタプレート10が液密に全周溶接される。
【0022】
非磁性筒体6の内周面には,その後端側から中空円筒状の固定コア5が液密に圧入固定される。その際,非磁性筒体6の前端部には,固定コア5と嵌合しない部分が残され,その部分から弁座部材3に至る弁ハウジング2内に弁組立体Vが収容される。
【0023】
図1及び図3に示すように,弁組立体Vは,前記弁座8と協働して弁孔7を開閉する半球状の弁部16及びそれを支持する弁杆部17からなる弁体18と,弁杆部17に連結され,磁性筒体4から非磁性筒体6に跨がって,それらに挿入されて固定コア5に同軸で対置される可動コア12とからなっている。弁杆部17は,前記ガイド孔9より小径に形成されており,その外周には,半径方向外方に突出して,前記ガイド孔9の内周面に摺動可能に支承される前後一対のジャーナル部17a,17aが一体に形成される。その際,両ジャーナル部17a,17aは,両者の軸方向間隔を極力あけて配置される。
【0024】
弁組立体Vには,可動コア12の後端面から始まり半球状弁部16の球面中心Oを超えて行き止まりとなる縦孔19と,この縦孔19を,可動コア12外周面に連通する複数の第1横孔20aと,同縦孔19を両ジャーナル部17a,17a間の弁杆部17外周面に連通する複数の第2横孔20bと,同縦孔19を前側のジャーナル部17aより弁部18寄りで弁杆部17外周に連通する複数の第3横孔20cとが設けられる。その際,第3横孔20cは弁部18の球面中心Oよりも前寄りに配置されることが望ましく,また前側のジャーナル部17aは,弁部16の球面中心Oに極力近接して配置することが望ましい。
【0025】
縦孔19の途中には,固定コア5側を向いた環状のばね座24が形成されている。
【0026】
固定コア5は,可動コア12の縦孔19と連通する縦孔21を有し,この縦孔21に内部が連通する燃料入口筒26が固定コア5の後端に一体に連設される。燃料入口筒26は,固定コア5の後端に連なる縮径部26aと,それに続く拡径部26bとからなっており,その縮径部26aから縦孔21に軽圧入されるパイプ状のリテーナ23と前記ばね座24との間に可動コア12を弁体18の閉弁側に付勢する弁ばね22が縮設される。その際,リテーナ23の縦孔21への嵌合深さにより弁ばね22のセット荷重が調整され,その調整後は縮径部26aの外周壁を部分的に内方へかしめることでリテーナ23は縮径部26aに固定される。拡径部26bには燃料フィルタ27が装着される。
【0027】
前記固定コア7及び弁組立体Vは,何れもフェライト系の高硬度磁性材製とされ,具体的には,次の組成の合金を切削することにより構成される。
【0028】
Cr・・・10〜20wt%
Si・・・0.1wt%
Al及びNi・・・両方を含むと共に,それらの少なくとも一方が1wt%以
上,且つ両方の合計が1.15〜6wt%
残部・・・フェライト系Fe,不純物のMn,C,P,S
而して,上記合金中,特にAl及びNiの合計が1.15〜6wt%であることが固定コア5及び弁組立体Vの耐摩耗性,磁力及び応答性の向上に大きく関与する。即ち,Al及びNiは,それらの合計含有率の略95%が析出物となり,それが固定コア5及び弁組立体Vの硬度,磁束密度及び体積抵抗に大きな影響を与えるのであり,硬度は耐摩耗性を得る上で大きいことが望ましく,磁束密度は磁力を強化する上で大きいことが望ましく,体積抵抗は応答性を高める上で小さいことが望ましい。
【0029】
前記合金におけるAl及びNiの合計含有率と硬度との関係を実験により調べたところ,図4の線図に示す結果を得た。また前記合金におけるAl及びNiの合計含有率と磁束密度及び体積抵抗との関係を実験により調べたところ,図5の線図に示す結果を得た。
【0030】
図4から明らかなように,Al及びNiの合計含有率が1.15〜6wt%である限り,合金の硬度は200〜400Hmvである。この範囲の硬度は,合金の切削加工後,メッキ等の特別な耐摩耗処理を施さずとも,固定コア5及び弁組立体Vに充分な耐摩耗性を付与するに足るものである。したがって,特別な耐摩耗処理を必要としない分,工数が削減されるので,固定コア5及び弁組立体Vのコスト低減を図ることができる。
【0031】
また図5から明らかなように,Al及びNiの合計含有率が6wt%を超えると,固定コア5及び弁組立体Vの磁束密度が低下して,充分な磁力が得られなくのみならず,体積抵抗の低下により磁束の流れに遅れが生じ,固定コア5及び弁組立体Vの応答性が低下してしまう。
【0032】
したがって,Al及びNiの合計含有率を1.15〜6wt%としたことにより,固定コア5及び弁組立体Vの耐摩耗性,磁力及び応答性を実用上,満足させることができる。
【0033】
尚,前記合金中のCr 10〜20wt%,Si 0.1wt%,残部 フェライト系Fe,不純物のMn,C,P,Sは,従来のコアに一般的に含有されるものである。
【0034】
弁組立体Vにおいて,図2に明示するように,可動コア12には,固定コア5の吸引面5aと対向する吸引面12aに嵌合凹部13が形成され,この嵌合凹部13に,前記弁ばね22を囲繞するカラー状のストッパ要素14が圧入により固定され,又は嵌合後,溶接もしくはカシメにより固定される。ストッパ要素14は非磁性材料,例えばJIS SUS304材で構成される。
【0035】
上記ストッパ要素14は可動コア12の吸引面12aから突出していて,通常,弁体18の開弁ストロークに相当する間隙sを存して固定コア5の吸引面5aと対置される。
【0036】
また可動コア12の吸引面12aは,ストッパ要素14が固定コア5に当接したとき,所定のエアギャップgを存して対向する基準吸引面Fと,この基準吸引面Fから固定コア5側に突出する突出吸引面fとで構成される。
【0037】
前記所定のエアギャップgは,コイル30を励磁状態から消磁したとき,両コア5,12間の残留磁束が速やかに消失するように設定される。一方,突出吸引面fの,基準吸引面Fからの突出量は,ストッパ要素14が固定コア5に当接したときでも,突出吸引面fが固定コア5の吸引面に接触しない範囲で設定されるものであるが,その際,この突出吸引面fが残留磁気の消失を妨げないように,その面積が基準吸引面Fの面積より狭く設定される。図示例では,突出吸引面fはストッパ要素14を囲繞するように環状に形成され,その外周に基準吸引面Fが形成される。
【0038】
上記ストッパ要素14の端面,並びに基準及び突出吸引面F,fは,ストッパ要素14の可動コア12への取り付け後に,研削により同時に仕上げられる。こうすることにより,互いに関連する前記間隙s及びエアギャップgを精密に得ることができる。
【0039】
再び図1において,弁ハウジング2の外周には,固定コア5及び可動コア12に対応してコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,磁性筒体4の後端部から非磁性筒体6全体にかけてそれらの外周面に嵌合するボビン29と,これに巻装されるコイル30とからなっており,このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31の前端が磁性筒体4の外周面に溶接され,その後端には,固定コア5の後端部外周からフランジ状に突出するヨーク5bの外周面に溶接される。コイルハウジング31は円筒状をなし,且つ一側に軸方向に延びるスリット31aが形成されている。
【0040】
上記コイルハウジング31,コイル組立体28,固定コア5及び燃料入口筒26の前半部は,射出成形による合成樹脂製の被覆体32に埋封される。その際,,コイルハウジング31内への被覆体32の充填はスリット31aを通して行われる。また被覆体32の中間部には,前記コイル30に連なる接続端子33を収容する備えたカプラ34が一体に連設される。
【0041】
次に,この第1実施例の作用について説明する。
【0042】
コイル30を消磁した状態では,弁ばね22の付勢力で弁組立体Vは前方に押圧され,弁体18の半球状の弁部16を円錐状の弁座8に着座させているので,弁部18の調心作用により常に良好な閉弁状態を得ることができ,図示しない燃料ポンプから燃料入口筒26に圧送された燃料は,パイプ状のリテーナ23内部,弁組立体Vの縦孔19及び第1〜第3横孔20a〜20cを通して弁座部材3内に待機させられ,弁体18のジャーナル部17a,17a周りの潤滑に供される。
【0043】
コイル30を通電により励磁すると,それにより生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング31,磁性筒体4及び可動コア12を順次走り,その磁力により弁組立体Vの可動コア12が弁ばね22のセット荷重に抗して固定コア5に吸引され,弁体18が弁座8から離座するので,弁孔7が開放され,弁座部材3内の高圧燃料が弁孔7を出て,燃料噴孔11からエンジンの吸気弁に向かって噴射される。
【0044】
このとき,弁組立体Vの可動コア12に嵌合固定されたストッパ要素14が固定コア5の吸引面5aに当接することにより,弁体18の開弁限界が規定され,可動コア12の吸引面12aは,エアギャップgを存して固定コア5の吸引面5aと対向し,固定コア5との直接接触が回避される。特にストッパ要素14の,可動コア12の吸引面12aからの突出量の寸法管理により,上記エアギャップgを精密且つ容易に得ることができ,ストッパ要素14が非磁性であることゝ相俟って,コイル30の消磁時の両コア5,12間の残留磁気は速やかに消失して,弁体18の閉弁応答性を高めることができる。
【0045】
上記ストッパ要素14は,可動コア12と別体に構成されるので,可動コア12及び弁体18に関係なく,非磁性の材料を自由に選定することができる。
【0046】
また固定コア5及び弁組立体Vは,前述のようなフェライト系の高硬度磁性材製であるから,固定コア5と弁組立体Vの可動コア12とは協働して良好な磁気特性を発揮して,弁体18の開弁応答性を高めることができ,また固定コア5はストッパ要素14から受ける繰り返し衝撃に対しても優れた耐摩耗性を発揮して,弁体18の開弁ストロークを長期に亙り適正に保つことに寄与し,さらに弁組立体Vの弁体18における弁部16及びジャーナル部17a,17aも,弁座8やガイド孔9との当接や摺動に対して優れた耐摩耗性を発揮して,弁体18の作動を長期に亙り安定せることができる。
【0047】
しかもフェライト系の高硬度磁性材製の固定コア5及び弁組立体Vには,特別な耐摩耗処理を施す必要がない分,製造工数が削減される。
【0048】
また弁組立体Vには,縦孔19が可動コア12の端面から始まって前記弁部16で行き止まりとなる縦孔19と,この縦孔19を弁ハウジング2内に連通する第1〜第3横孔20a〜20cが燃料通路として設けられ,特に縦孔19は,半球状の弁部18の球面中心Oを超えて,ぞの先端面に近接したところまで延びるので,その燃料通路によって弁組立体Vの贅肉が大幅に削除され,その結果,弁組立体Vが大幅に軽量化して,磁力に対する応答性を高めることができる。
【0049】
しかも,上記第1横孔20aは,縦孔19から可動コア12の周囲に燃料を導いて,それらの潤滑及び冷却に寄与するのみならず,そこで発生した気泡を縦孔19側に誘導排除して,弁座8側への気泡の移行を効果的に防ぐことができる。
【0050】
また第2及び第3横孔20b,20cは,縦孔19から弁体18の周囲,特にジャーナル部17a,17a周りに燃料を導いて,それらの潤滑及び冷却に寄与するのみならず,そこで発生した気泡を縦孔19側に誘導排除して,弁座8側への気泡の移行を効果的に防ぐことができる。
【0051】
また可動コア12の吸引面12aは,小面積の突出吸引面fと大面積の基準吸引面Fとで構成されるので,コイル30の励磁初期には,発生する磁束が少なくても,その磁束が比較的小面積の突出吸引面fを集中して通ることにより,突出吸引面fの磁束密度が高められ,可動コア12の磁気応答性が向上する。しかもその突出吸引面fは可動コア12の中心部に位置するので,磁力により吸引力が可動コア12の中心部に作用し,その初動姿勢を安定させることができる。そして多量の磁束が発生する励磁後期には,その磁束が突出及び基準吸引面f,F全体を通ることになり,磁気抵抗の増加を抑え,大なる吸引力を得ることができる。こうして弁体18の開弁応答性は高められる。
【0052】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,弁杆部17の後側のジャーナル部17aに代えて,可動コア12の外周面に,磁性筒体4の内周面に摺動自在に支承されるジャーナル部を形成することもできる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,一端に弁座を有する弁ハウジングと,この弁ハウジングの他端に連設される固定コアと,前記弁ハウジングに収容されて前記弁座と協働する弁部及びそれに連なる弁杆部を有する弁体と,前記弁杆部に連結されて前記固定コアと対置される可動コアと,前記弁体を閉弁方向に付勢する弁ばねと,前記固定コアを囲繞して配置され,励磁により前記可動コアを固定コアに吸引させて前記弁体を開弁させるコイルとを備え,前記弁体及び可動コアを同一材料で一体に構成して弁組立体とした,電磁式燃料噴射弁において,前記弁組立体をフェライト系の高硬度磁性材製とし,この弁組立体に,その可動コアの端面から始まって前記弁部で行き止まりとなる縦孔と,この縦孔を前記弁ハウジング内に連通する横孔とを燃料通路として形成したので,フェライト系の高硬度磁性材製の弁組立体は,良好な磁気特性と高い耐摩耗性を発揮することができ,燃料噴射特性を長期に亙り安定させることが可能となる。しかも弁組立体には特別な耐摩耗処理を不要するので,製造工数が削減され,部品点数が少ないことゝ相俟ってコストの低減を図ることができる。しかも弁組立体は,可動コアの端面から始まって前記弁部で行き止まりとなる縦孔と,この縦孔を前記弁ハウジング内に連通する横孔とが燃料通路として形成されることで,贅肉が大幅に削除され,したがって大幅に軽量化して,磁力に対する応答性を高めることができる。
【0054】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記弁組立体が,Crを10〜20wt%,Siを0.1wt%,Al及びNiの少なくとも一方を1wt%以上,残部としてフェライト系Fe,Mn,C,P,Sを含み,且つAl及びNiの合計を1.15〜6wt%とした合金よりなるので,上記合金を加工するのみで,硬度が高く耐摩耗性に優れた弁体化と,磁束密度が高く大なる磁力を発揮し得る,高性能の弁組立体を得ることができる。
【0055】
さらにまた本発明の第3の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記横孔を,前記可動コアの外周面に開口させたので,縦孔から横孔を通して可動コアの周囲に燃料を導いて,その潤滑及び冷却を図ると共に,そこで発生した気泡を横孔を通して縦孔側へ排除して,気泡の弁座への移行を防ぐことができる。
【0056】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記弁座を円錐状に形成する一方,それに着座する前記弁部を半球状に形成し,前記縦孔を,これが前記弁部の球面中心を超えて行き止まりとなるように形成し,前記弁杆部に,前記弁ハウジングの内周面に摺動可能に支承されるジャーナル部を一体に形成し,このジャーナル部の近傍で前記横孔を弁杆部外周面に開口させたので,ジャーナル部が弁ハウジング内周面に摺動することで,弁組立体の開閉姿勢を安定させることができ,しかも縦孔から横孔を通してジャーナル部に燃料を導いて,その潤滑及び冷却を図ると共に,そこで発生した気泡を横孔を通して縦孔側へ排除して,気泡の弁座への移行を防ぐことができる。また弁座を円錐状,弁体を半球状に形成したことで,弁体の調心性が良好で,閉弁が常に確実である。さらに可動コアから始まった縦孔は,半球状弁部の先端面近傍まで延びることになるので,横孔と共に弁組立体の贅肉を大いに除去して,弁組立体の軽量化,延いては応答性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図
【図2】図1の2部拡大図
【図3】図1中の弁組立体の斜視図
【図4】固定コア及び弁組立体用合金におけるAl及びNiの合計含有率と硬度との関係を示す線図
【図5】固定コア及び弁組立体用合金におけるAl及びNiの合計含有率と磁束密度及び体積抵抗との関係を示す線図
【符号の説明】
I・・・・・電磁式燃料噴射弁
O・・・・・弁部の球面中心
V・・・・・弁組立体
2・・・・・弁ハウジング
5・・・・・固定コア
8・・・・・弁座
12・・・・可動コア
16・・・・弁部
17・・・・弁杆部
17a・・・ジャーナル部
18・・・・弁体
19・・・・縦孔
20a・・・横孔(第1横孔)
20b・・・横孔(第2横孔)
20c・・・横孔(第3横孔)
22・・・・弁ばね
30・・・・コイル
Claims (4)
- 一端に弁座(8)を有する弁ハウジング(2)と,この弁ハウジング(2)の他端に連設される固定コア(5)と,前記弁ハウジング(2)に収容されて前記弁座(8)と協働する弁部(16)及びそれに連なる弁杆部(17)を有する弁体(18)と,前記弁杆部(17)に連結されて前記固定コア(5)と対置される可動コア(12)と,前記弁体(18)を閉弁方向に付勢する弁ばね(22)と,前記固定コア(5)を囲繞して配置され,励磁により前記可動コア(12)を固定コア(5)に吸引させて前記弁体(18)を開弁させるコイル(30)とを備え,前記弁体(18)及び可動コア(12)を同一材料で一体に構成して弁組立体(V)とした,電磁式燃料噴射弁において,
前記弁組立体(V)をフェライト系の高硬度磁性材製とし,この弁組立体(V)に,その可動コア(12)の端面から始まって前記弁部(16)で行き止まりとなる縦孔(19)と,この縦孔(19)を前記弁ハウジング(2)内に連通する横孔(20a,20b,20c)とを燃料通路として形成したことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。 - 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において,
前記弁組立体(V)が,Crを10〜20wt%,Siを0.1wt%,Al及びNiの少なくとも一方を1wt%以上,残部としてフェライト系Fe,Mn,C,P,Sを含み,且つAl及びNiの合計を1.15〜6wt%とした合金よりなることを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。 - 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において,
前記横孔(20a)を,前記可動コア(12)の外周面に開口させたことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。 - 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において,
前記弁座(8)を円錐状に形成する一方,それに着座する前記弁部(16)を半球状に形成し,前記縦孔(19)を,これが前記弁部(16)の球面中心(O)を超えて行き止まりとなるように形成し,前記弁杆部(17)に,前記弁ハウジング(2)の内周面に摺動可能に支承されるジャーナル部(17a)を一体に形成し,このジャーナル部(17a)の近傍で前記横孔(20b,20c)を弁杆部(17)外周面に開口させたことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
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