JP3810909B2 - 燃料交換機制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の燃料交換機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子力発電所においては、原子炉内の燃料集合体をその使用状態に応じて新しい燃料に交換したり、位置を移動させることがあることから、図18に示すように炉心1及びプール3上に、燃料交換機5が設けられている。この燃料交換機5は、炉心1、プール3の間を水平方向に移動自在なブリッジ7と、このブリッジ7の移動方向に対して直角方向に移動自在なトロリ9と、このトロリ9に垂直方向に伸縮自在に取り付けられたホイスト11と、このホイスト11の先端に取り付けられたつかみ具13とから構成されている。なお、以後、ブリッジ7の移動方向をx方向、トロリ9の移動方向をy方向、ホイスト11の移動方向をz方向とする。
【0003】
燃料交換作業は、まず現在の位置からブリッジ7、トロリ9を走行させ、移動させたい燃料集合体の位置まで移動する。ついで、ホイスト11を下降させつかみ具13によって燃料集合体をつかんだ後、再びホイスト11を上昇させる。ホイスト11を上昇させた後、つかんだ位置からはなす位置までブリッジ7、トロリ9を走行させて燃料集合体を水中搬送し、ホイスト11を下降させて燃料をはなし、1本の燃料集合体の交換作業を完了する。
【0004】
ところで沸騰水型原子炉のプラント定期検査工程では、燃料の取り替え作業等の炉内構造物に関連する作業は工程上クリティカルパスとなっており、定期検査期間短縮の観点から各作業が一定の範囲内で連続して行われるよう計画、実施されており、この燃料交換作業の時間短縮は重要な課題である。このために燃料交換機の制御装置は現在位置から取り扱う燃料をつかむための位置、はなすための位置までブリッジ7、トロリ9を同時に動作させ、目標位置に到達するまでの時間を極力短縮させることによって燃料交換全体の期間を短縮するよう工夫している。
【0005】
そして、このような同時走行による炉心1とプール3の間の移動時間短縮のために、従来では図19に示すような最短時間で移動させるようなコース取りを行ってきた。燃料交換機5にはあらかじめ移動速度の最高速度が設定されており、これは運転領域ごとに設定が異なるものである。その速度領域の中で最も最高の速度が出せるのが、炉心1とプール3の連絡通路であるカナル15の線上の領域であり、その領域の周囲は低速領域となっている。図19において、Aは燃料交換機の現在位置、Bは目標位置、CとDはカナル15通過のための一旦停止点である。また、破線で示す領域Gはカナル線上の高速領域であり、その周囲Hは低速領域である。
【0006】
この最短時間経路を取って同時走行を行う従来の制御方法を、従来の燃料交換機制御装置17aの構成と作用を示す図20を用いて説明する。ブリッジ7とトロリ9の同時走行時に現在位置から目標位置まで線分の組み合わせで経路を設定したとき、所要時間が最小とzなる経路をその方向を変える目標点のデータ列として求め、目標点に達したときブリッジ7、トロリ9ともに停止し、方向を変え、次の目標点までブリッジ7とトロリ9の同時走行をするようにしていた。すなわち、次のような手順により移動していた。
【0007】
図20において、燃料交換作業を行う際、まず運転員は今回の燃料移動内容から該当する燃料のつかみ座標とはなし座標をブリッジ7、トロリ9の目標位置として目標位置入力装置19に設定する。目標位置入力装置19は、その設定された座標を読み込み、それを目標位置データaに変換し、ブリッジ7、トロリ9の目標位置として燃料交換機制御装置17aに入力する。
【0008】
燃料交換機制御装置17aは、燃料交換機5のブリッジ7およびトロリ9の現在位置を入力するブリッジ/トロリ位置入力手段21と、目標位置データおよび当初の現在位置データから最短時間移動経路を求める最短時間移動経路設定手段23と、求めた最短時間移動経路と現在位置データからブリッジ7およびトロリ9の速度制御を行うブリッジ/トロリ速度制御手段25とで構成されている。
【0009】
この燃料交換機制御装置17aにおいて、ブリッジ/トロリ位置入力手段21は、燃料交換機5の位置を検出する位置検出器からの現在位置信号を入力し、現在位置データbに変換する。
【0010】
最短時間移動経路設定手段23は、目標位置入力装置19からの目標位置データaとブリッジ/トロリ位置入力手段21からの現在位置データbの比較・判定を行い、燃料交換機5の移動時間が最短となるような経路を設定し移動経路データcを作成する。
【0011】
移動経路データcは、図19に示すような炉心1からプール3に移動する場合には、炉心1内の移動経路AC、カナル15通過の移動経路CD、カナル15通過後のプール3内の移動経路DBと3種類作成され、この移動経路データcは図21に示すようなデータ構成となる。すなわち、カナル線上の高速領域G内の走行距離をできるだけ長くし、かつブリッジ7、トロリ9をできるだけ早くカナル線上に移動できるような経路として、炉心1上の現在位置AからカナルラインEへ±45度の傾斜で、またカナルラインE上からプール3上の目標位置Bへ±45度の角度で移動するような点CおよびDを計算し設定する。
【0012】
ブリッジ/トロリ速度制御手段25は、その移動経路データcを入力し、最初の経路データである点Cの座標(xC 、y0 )を読み込み、現在位置データbとの偏差を基に点Cまで直線で進むようなブリッジ7とトロリ9の速度を決定し、速度出力信号dを燃料交換機5に与えてブリッジ7とトロリ9を設定加速度で加速しその後一定速度での同時走行制御を行い、点Cに到達した時点でブリッジ7とトロリ9を減速させ一旦停止させることによって、炉心1内の移動経路に対する制御を終了させる。
【0013】
続いてブリッジ/トロリ速度制御手段25は、次の目標点Dの座標(xD 、y0 )を読み込み、この位置に向かって速度出力信号dを燃料交換機5に与えてブリッジ7による走行制御を行う。点Dの目標に到着しブリッジ7を一旦停止した後、次の目標点Bに付いては点Aから点Cに移動する時と同じように同時走行制御を行う。これでブリッジ7、トロリ9に対する一連の移動制御を完了する。
【0014】
このようにして、同時走行の経路の設定とブリッジ・トロリの設定加速度での加減速および速度制御が行われ、この結果、走行時間が短くなるように経路設定が行われていた。
【0015】
また、前述のように燃料交換機5はブリッジ7とトロリ9が最終目標点Βに到達しブリッジ7、トロリ9の移動制御を完了した後、燃料をぶら下げていないつかみ具13が燃料集合体上に、あるいはぶら下げている燃料が燃料支持板上に着床するまでホイスト11を下降させる。その後、ホイスト11が着床後引き続いてつかみ具13によって燃料のつかみあるいははなし操作を行う。
【0016】
このホイスト下降制御においては、取扱物が核燃料であることより燃料を破損させることなく移動させることが最も重要であり、つかみ具13が燃料をつかむ、あるいははなす際の着床位置が基準値からある一定以上外れていないかの監視を行っており、もしこの着床位置が基準値範囲から外れた場合は、着床異常としてホイスト下降制御を停止させる処理を行っていた。
【0017】
この従来の着床位置の監視方法について図22を用いて説明する。図22は、着床位置の監視にかかる燃料交換機制御装置17bの構成および作用を示すもので、この燃料交換機制御装置17bは、ホイスト11の現在位置を位置検出器から入力するホイスト位置入力手段27と、ホイスト位置入力手段27の出力、着床荷重検出手段29の出力および着床基準値設定装置31にて設定された着床基準値に基づいてホイスト11の着床位置の正常/異常を判定する着床位置監視手段33と、着床位置監視手段33の判定結果に基づいてホイスト11の制御を行うホイスト速度制御手段35とで構成されている。
【0018】
燃料をぶら下げていないつかみ具13が燃料集合体上に、あるいはぶら下げている燃料が燃料支持板上に着床すると、ホイスト11にかかる荷重が減少する。その状態でさらにホイスト11を下降させると押付荷重がかかり、ホイスト11にかかる荷重は0を割り込みマイナスとなる。
【0019】
着床荷重検出手段29は、このホイスト荷重があらかじめ定められた荷重設定値よりも下回ると、十分な着床状態が得られたと判断して着床信号iを着床位置監視手段33に通知する。
【0020】
着床位置監視手段33は、この着床信号iを入力した時のホイスト11の位置信号eをホイスト位置入力手段27より読み込み、あらかじめ着床基準値設定装置31によって設定された着床範囲と比較して、ホイスト位置がその範囲内に入っていれば、正常着床信号をホイス卜速度制御手段33に出力し、ホイスト位置がその範囲から外れていれば、異常着床信号をホイス卜速度制御手段35に出力する。
【0021】
ホイス卜速度制御手段35は、着床位置監視手段33からの正常着床信号により、ホイスト11の下降制御を正常に完了し、つかみ具13のつかみあるいははなしの制御に移行する。一方、着床位置監視手段33から異常着床信号を入力すると、ホイスト11の下降制御を直ちに中断し、つかみ具13の制御への移行は行われなかった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
まず、前述のように必ずブリッジ、トロリの同時走行経路が直線の組合せとなるような従来技術では、炉心内の移動経路、カナル通過の移動経路、カナル通過後のプール内の移動経路の各々の両端でブリッジ、トロリは必ず一旦停止しなければならず、そのための減速および加速に無駄な時間がかかるという問題があった。
【0023】
また、ブリッジ、トロリの同時走行経路が直線の組み合せであったため45度で移動できる範囲以外ではその設定が煩雑となり最短時間で移動する経路を設定するのは難しかった。
【0024】
また、ホイストはブリッジ、トロリが停止した後に操作するため、炉心上では垂直方向には遠回りして移動することになり、無駄な時間がかかるという問題があった。
【0025】
また、移動のため加速および減速するときには許容される最大加速度で加速し、最大加速度で減速するようにしていたため、ホイストおよび燃料が振れ、移動時に壁に触れたり着床時に位置ずれが起こる可能性があった。
【0026】
さらに、ホイストの下降中においては、ホイスト本体やその先端のつかみ具にぶら下がる燃料は、炉心あるいはプール内の水流の影響、およびブリッジとトロリが目標点で停止したときの反作用の影響で、若干のゆれを生じている。そのため、ホイストが炉心あるいはプール内を着床位置まで下降する間に、炉心内構造物である上部格子板や、炉心あるいはプール内の他の燃料の上部に乗り上げてしまうことが多々発生する。その度に、従来のホイスト下降制御方法では、ホイストの下降制御を中断し、その後運転員による手動操作によってホイストを少し上昇させて乗り上げ状態を解除した後、再び運転員に要求によってホイストの下降制御を再開するという手順を踏んでおり、一度の乗り上げによって制御が停止してから再び制御を開始するまでに、数十秒から数分の時間がかかるという問題があった。
【0027】
さらには、燃料やホイストの乗り上げという異常事象以外にも、原子力発電所運転中の燃料の照射成長やホイストを吊り下げるためのワイヤーロープの伸び等の影響によって、燃料の着床・位置は定検ごとに変動する。そのために、定検前の燃料交換機事前調整時に毎回着床位置を実測し設定値の見直しを行う必要があるが、炉心側着床値の実測は原子力発電所運転中には実施できないため、定検開始直後の非常に短い時間で実施するか、前回定検時の着床値をそのまま使用することとなり、実測する着床値の個数の制限により正確な着床値が得られなかったり、また、実際の着床位置が前回の設定値とかなりのずれが生じていて、燃料交換機運転中に正常着床を異常着床と誤判断して制御を停止させてしまうという問題があった。
【0028】
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、燃料交換時間をさらに短縮することができ、これによって定期検査期間全体を短縮し、原子力プラントの稼動率を向上させることができる燃料交換機制御装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、原子炉の炉心およびプール上にこれらを結ぶカナルラインの方向に移動可能に設置されるブリッジとこのブリッジ上にカナルライン方向に対して直角方向に移動可能に設置されるトロリとこのトロリに垂直方向に伸縮自在に取り付けられたホイストからなる燃料交換機を制御する装置において、燃料交換機の現在位置を入力する燃料交換機位置入力手段と、運転員によって入力されるブリッジおよびトロリの最終目標位置および燃料交換機位置入力手段から得られるブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、この現在位置を出発点として最終目標位置まで最短時間で移動可能な移動経路を演算し、この移動経路上のブリッジまたはトロリのいずれかの単独走行区間およびその前後の走行区間に対して、それぞれ許容されるブリッジおよびトロリの最高速度を選定し、ブリッジおよびトロリのそれぞれについて、走行速度が異なる前後の走行区間をそれぞれ制御区間とし、制御区間の終点位置を制御目標位置として当該制御区間の最高速度とともに設定し、制御区間の始点位置を当該制御区間の制御開始条件として設定する最短時間移動経路設定手段と、この最短時間移動経路設定手段によって設定されたブリッジおよびトロリのそれぞれの制御目標位置および最高速度並びに制御開始条件の各データを格納する移動経路格納手段と、この移動経路格納手段の格納データおよび燃料交換機位置入力手段からのブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、ブリッジおよびトロリの現在位置が格納データ内の制御開始条件に一致したとき、この制御開始条件に対応するブリッジおよびトロリのそれぞれの制御目標位置および最高速度を示す制御データを出力するブリッジ/トロリ制御管理手段と、このブリッジ/トロリ制御管理手段から出力されるブリッジの制御データおよび燃料交換機位置入力手段からのブリッジの現在位置データに基づいて、ブリッジの移動を制御するブリッジ速度制御手段と、ブリッジ/トロリ制御管理手段から出力されるトロリの制御データおよび燃料交換機位置入力手段からのトロリの現在位置データに基づいて、トロリの移動を制御するトロリ速度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
請求項2の発明の燃料交換機制御装置は、燃料交換機の現在位置を入力する燃料交換機位置入力手段と、運転員によって入力されるブリッジおよびトロリの最終目標位置および燃料交換機位置入力手段から得られるブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、この現在位置を出発点として最終目標位置まで最短時間で移動可能な移動経路を演算し、移動経路上のブリッジまたはトロリのいずれかの単独走行区間の始点を、当該単独走行区間に移動を停止するブリッジまたはトロリの通過目標位置として設定し、単独走行区間の終点を制御開始条件として設定する最短時間移動経路設定手段と、この最短時間移動経路設定手段によって設定されたブリッジおよびトロリのそれぞれの通過目標位置および最終目標位置を制御目標位置として制御開始条件に対応させて格納する移動経路格納手段と、この移動経路格納手段の格納データおよび燃料交換機位置入力手段からのブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、ブリッジおよびトロリの現在位置が格納データ内の制御開始条件に一致したとき、この制御開始条件に対応するブリッジおよびトロリのそれぞれの制御目標位置データを出力するブリッジ/トロリ制御管理手段と、燃料交換機位置入力手段からのブリッジおよびトロリの現在位置に対応して、ブリッジおよびトロリのそれぞれの最高速度データを出力する運転速度領域判定手段と、ブリッジ/トロリ制御管理手段から出力されるブリッジの制御目標位置データおよび運転速度領域判定手段からのブリッジの最高速度データ並びに燃料交換機位置入力手段からのブリッジの現在位置データに基づいて、ブリッジの移動を制御するブリッジ速度制御手段と、ブリッジ/トロリ制御管理手段から出力されるトロリの制御目標位置データおよび運転速度領域判定手段からのトロリの最高速度データ並びに燃料交換機位置入力手段からのトロリの現在位置データに基づいて、トロリの移動を制御するトロリ速度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0031】
請求項3の発明は、請求項1または2の燃料交換機制御装置において、下降するホイスト全体にかかる荷重から、着床を検出する着床荷重検出手段と、この着床荷重検出手段からの着床検出信号により、燃料交換機位置入力手段から得られるホイストの現在位置を着床位置として着床基準値範囲と比較して着床異常か否かを判定し、着床正常と判定したとき着床正常信号を出力し、着床異常と判定したときホイストを上昇させる指令を出力し、ホイスト上昇によって着床検出信号が解除されたとき再度ホイストを下降させる指令を出力する着床位置監視手段と、着床位置監視手段からの着床正常信号により、ホイストの下降を停止してつかみまたは放し制御に移行させ、着床位置監視手段からの上昇または下降指令によりホイストを上昇または下降させるホイスト速度制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0033】
請求項4の発明は、請求項3の燃料交換機制御装置において、着床位置監視装置によって検出された着床位置のデータを保存する着床位置格納手段と、この着床位置格納手段に保存されたデータに基づいて炉心およびプールにおける着床位置の正規分布を演算する着床分布演算手段と、この着床分布演算手段によって演算された着床位置の正規分布データを編集し、出力装置に出力する着床データ出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0034】
請求項5の発明は、請求項4の燃料交換機制御装置において、着床分布演算手段によって演算された着床位置の正規分布データから得られる着床基準値範囲と、着床位置監視手段に設定されている着床基準値範囲とを比較し、その差が規定値を逸脱したとき着床位置監視手段に設定されている着床基準値範囲を更新する着床基準値設定手段を備えたことを特徴とする。
【0035】
請求項6の発明は、請求項1または2の燃料交換機制御装置において、移動経路は、炉心とプールとを結ぶカナルライン上を走行するブリッジ単独走行区間とこのブリッジ単独走行区間に 135度の角度で接続されるブリッジ・トロリ同時走行区間を有することを特徴とする。
【0036】
請求項7の発明は、請求項6記載の燃料交換機制御装置において、移動経路は、プールまたは炉心において燃料交換機がカナルラインから±45度の角度で直線走行することが可能な領域となるまで出発点または最終目標位置からカナルライン向かって直角方向に走行するトロリ走行区間を有することを特徴とする。
【0037】
請求項8の発明は、請求項1または2の燃料交換機制御装置において、ブリッジ速度制御手段およびトロリ速度制御手段は、ホイストの振れまたは燃料を吊った状態でのホイストおよび燃料の振れの1周期で加速または減速することを特徴とする。
【0038】
請求項9の発明の燃料交換機制御方法は、燃料交換機の現在位置を周期的に入力する工程と、燃料交換機の最終目標位置を入力する工程と、入力された最終目標位置およびそのときの燃料交換機を構成するブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、この現在位置を出発点として最終目標位置まで最短時間で移動可能な移動経路を演算する工程と、この移動経路において燃料交換機がブリッジ移動開始点に到達したとき、次にブリッジを停止する停止区間の始点または最終停止位置を制御目標位置としてその運転領域で許容される最高速度に基づいてブリッジの速度制御を行う工程と、移動経路において燃料交換機がトロリ移動開始点に到達したとき、次にトロリを停止する停止区間の始点または最終停止位置を制御目標位置としてその運転領域で許容される最高速度に基づいてトロリの速度制御を行う工程とを含むことを特徴とする。
【0039】
請求項10の発明は、請求項9の燃料交換機制御方法において、移動経路においてトロリおよびブリッジの少なくとも一方とホイストを同時操作する区間を設定する工程と、同時操作区間が移動経路の始点側にある場合には、ホイストの現在位置が同時操作区間の始点に到達したとき前記トロリおよびブリッジの少なくとも一方を操作開始する工程と、同時操作区間が移動経路の終点側にある場合には、トロリおよびブリッジの現在位置が同時操作区間の始点に到達したときホイストを操作開始する工程とを含むことを特徴とする。
【0045】
請求項1、2、6、9の発明においては、ブリッジおよびトロリをそれぞれの移動停止区間を除いては一時停止することなく移動するよう速度制御することにより、最短時間で燃料交換機を最終目標位置まで移動させることができる。
【0046】
また請求項3の発明においては、ホイスト下降制御において炉心内構造物である上部格子板や、炉心あるいはプール内の他の燃料の上部に乗り上げて制御が一時中断した後も、自動的に乗り上げ状態を回避し再度下降制御を継続させることにより、短時間で復旧操作を実施させることができる。
【0047】
また請求項4の発明においては、定検前や燃料交換機運転中において自動的に燃料着床位置を記憶し、これらの着床位置の正規分布データを計算し、その結果を運転員の要求に基づいて出力することによって、着床基準値データを実際に適したより正しい値に修正することができ、燃料交換制御装置の誤判断を防止することができる。
【0048】
また請求項5の発明においては、検出着床位置データに基づいて自動的に前回設定されていた着床基準値データを更新することにより、運転員の負担を軽減することができるとともに、燃料交換制御装置の誤判断を防止することができる。
【0049】
また請求項7の発明においては、トロリの単独操作、トロリとブリッジの同時操作およびブリッジの単独操作を組み合わせて障害物に触れることなく最短時間で燃料交換機を移動することができる。
【0050】
また請求項8の発明においては、ホイストまたはホイストと燃料の振れの周期を求めこの周期で加速および減速することにより、ホイストまたはホイストと燃料の振れを抑えることができ、障害物ヘの接触や着床時の位置ずれがなく燃料交換機を移動することができる。
【0051】
また請求項10の発明においては、ホイストの操作を他の機器(トロリ、ブリッジ)と同時に行うことにより、最短時間で燃料交換機を移動することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以上、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、従来例と共通する部分は同一符号を付して重複する説明は省略する。また、ブリッジの移動方向をx方向、トロリの移動方向をy方向として説明する。
【0053】
図1は、本発明の燃料交換機制御装置の第1の実施の形態を示すもので、図20に示す従来構成と比較して、ブリッジ/トロリ速度制御手段25がブリッジ速度制御手段41とトロリ速度制御手段43に分けられ、ブリッジ速度制御手段41へのブリッジ制御データおよびトロリ速度制御手段43へのトロリ制御データをそれぞれ管理するブリッジ/トロリ制御管理手段45が付加されている。また、本実施の形態の燃料交換機制御装置17aにおける最短時間移動経路設定手段47は、目標位置入力装置19からの目標位置データaとブリッジ/トロリ位置入力手段21からの燃料交換機5の現在位置データbの比較・判定を行い、燃料交換機5の移動時間が最短となるような移動経路を計算し、通過目標点に応じてブリッジおよびトロリをそれぞれ個別に制御する制御データを作成し、移動経路格納部49に記憶する。最短時間移動経路設定手段47は、従来の最短時間移動経路設定手段23と同様目標位置データaと現在位置データbを受けて制御開始前に制御データ作成を完了する。
【0054】
なお、移動経路格納部49に記憶される制御データ例を図2に、この制御データ例に対応する移動経路および制御された燃料交換機5の移動軌跡を図3に示す。図2において、最短時間移動経路設定手段47によって作成される制御データはブリッジ/トロリ制御タイミングテーブルTo 、ブリッジ制御目標テーブルTb 、およびトロリ制御目標テーブルTt によって構成される。
【0055】
次に、図3におけるA点からB点まで燃料交換機5を移動させる場合の本実施の形態の作用を説明する。
【0056】
最短時間移動経路設定手段47は、目標位置入力装置19から目標位置Bの座標(x3 、y2 )を示す目標位置データaを入力すると、ブリッジ/トロリ位置入力手段21から入力される燃料交換機5の現在位置Aの座標(x0 、y0 )を示す現在位置データbと比較することによって、燃料交換機5の移動時間が最短となるような移動経路として、図3に示すような通過目標点C(x1 、y1 )、D(x2 、y1 )を算出する。最短時間移動経路設定手段47は、現在位置A、通過目標点C、D、および目標位置Bに基づいて、下記のようにして図2に示すような制御データを移動経路格納部49に保存する。
【0057】
図3において、現在位置A(x0 、y0 )から目標位置B(x3 、y2 )に向かって燃料交換機5を移動させる場合、まずy方向の移動するトロリ9に着目すると、トロリ9は現在位置y0 からy1 に向かって移動し、y1 に到達した時点で一旦停止する。したがって、トロリ制御目標テーブルTt の目標データ番号1の目標位置にy1 を、最高速度に低速v1 をセットする。
【0058】
続いて、トロリ9は炉心1内に入った後、y1 からy2 に向かって移動し、y2 に到達した時点で一旦停止する。したがって、トロリ制御目標テーブルTt の目標データ番号2の目標位置としてy2 を、最高速度として低速v1 をセットする。
【0059】
一方x方向に移動するブリッジ7は、まず現在位置x0 から移動を開始し、x1 に到達した時点でトロリ9がカナルライン上の高速領域に入るため、速度を高速に上げる必要がある。したがって、ブリッジ制御目標テーブルTb の目標データ番号1の目標位置としてx1 を、最高速度として低速v1 をセットする。
【0060】
続いて、ブリッジ7は炉心内に入った後、x2 に到達した時点でトロリ9がカナルライン上の高速領域から外れるため、再度速度を低速に落とす必要がある。したがって、ブリッジ制御目標テーブルTb の目標データ番号2の目標位置にx2 を、最高速度に高速v2 をセットする。
【0061】
その後、ブリッジ7は、x3 に到達した時点で一旦停止する。したがって、ブリッジ制御目標テーブルTb の目標データ番号3の目標位置としてx3 を、最高速度として低速v1 をセットする。
【0062】
これに対し、ブリッジ/トロリ制御タイミングテーブルTo には、ブリッジ制御目標テーブルTb 、トロリ制御目標テーブルTt 内の各目標データおよび制御開始指令をブリッジ速度制御手段41、トロリ速度制御手段43に出力するタイミングが設定される。
【0063】
まず、制御開始と同時にブリッジ7およびトロリ9は無条件に1番目の目標データに基づいて動作を開始する。したがって、ブリッジ7、トロリ9の各々の制御開始条件はいずれもなしで、ブリッジ7、トロリ9の各々の目標データ番号はともに1がセットされる(タイミング101)。
【0064】
次に、ブリッジ7、トロリ9がB点に到達した時点で、ブリッジ7の速度を高速に上げる必要があるため、ブリッジ7の制御開始条件にはx1 、トロリ9の制御開始条件にはy1 がセットされ、ブリッジ7の目標データ番号には2、トロリ9の目標データ番号には現状のままの1がセットされる(タイミング102)。
【0065】
同様に、タイミング103には、トロリの制御開始条件はなしでブリッジの制御開始条件のみx2 がセットされ、ブリッジの目標データ番号に3、トロリの目標データ番号に2がそれぞれセットされる。
【0066】
ブリッジ/トロリ制御管理手段45は、上記のようにして移動経路格納部49に格納されたブリッジ/トロリ制御タイミングテーブルTo 、ブリッジ制御目標テーブルTb 、トロリ制御目標テーブルTt およびブリッジ/トロリ位置入力手段21から入力したブリッジ7、トロリ9の現在位置データbを基に、ブリッジ速度制御手段41およびトロリ速度制御手段43に対し、各制御開始条件が成立したタイミングでそれぞれ設定された目標データ番号の目標位置と最高速度を出力することによって、ブリッジ7、トロリ9の同時走行制御を管理する。
【0067】
ブリッジ速度制御手段41は、ブリッジ/トロリ制御管理手段45からブリッジの目標位置、最高速度を入力するとともにブリッジ/トロリ位置入力手段21からブリッジ7の現在位置をリアルタイムにフィードバック入力することによってブリッジ7の制御速度を算出し、速度基準信号に変換して出力する。同様にトロリ速度制御手段43は、トロリ9の制御速度を算出し、速度基準信号に変換して出力する。
【0068】
これにより、ブリッジ7は通過目標点C、Dにおいて一旦停止することなく速度制御されるため、燃料交換機5は図3に示すような曲線を描いて移動することになる。
【0069】
上記したように、本実施の形態によれば、移動経路の各々の通過目標点でブリッジを停止させることなく燃料交換機を曲線を描くように移動させることにより、ブリッジの減速および加速にかかる時間を減らして、燃料交換機をより短時間で移動させることができる。
【0070】
図4は、本発明の燃料交換機制御装置の第2の実施の形態を示すもので、図1に示す第1の実施の形態の燃料交換機制御装置17aと比較して、最短時間移動経路設定手段51は、最短時間移動経路設定手段47の処理機能の内、ブリッジ7およびトロリ9の各々の最高速度を設定する処理機能が除外され、別途ブリッジ7およびトロリ9の各々の最高速度を設定する処理機能を有する運転速度領域判定手段53が付加されている。
【0071】
このため、移動経路格納部55は、図5に示すような、ブリッジ7およびトロリ9のそれぞれの制御開始条件と目標位置データからなる制御データを格納する。ブリッジ/トロリ制御管理手段57は、移動経路格納部55内の制御データとブリッジ/トロリ位置入力手段21から入力したブリッジ7およびトロリ9の現在位置データbを基に、ブリッジ速度制御手段59およびトロリ速度制御手段61に対し、各制御開始条件が成立したとき目標位置データを出力する。
【0072】
運転速度領域判定手段53は、あらかじめ定められた運転速度領域のデータを基に、ブリッジ/トロリ位置入力手段21から入力したブリッジ7およびトロリ9の現在位置データbによってリアルタイムにブリッジ7およびトロリ9に対し各々の最高速度を設定する。
【0073】
ブリッジ速度制御手段59およびトロリ速度制御手段61は、ブリッジ/トロリ制御管理手段57からの目標位置データと運転速度領域判定手段53からの最高速度データおよびブリッジ/トロリ位置入力手段21からの現在位置データbに基づいて、それぞれブリッジ7およびトロリ9の速度制御を行う。
【0074】
次に、図3におけるA点からB点まで燃料交換機5を移動させる場合の本実施の形態の燃料交換機制御装置17aの作用を説明する。
【0075】
最短時間移動経路設定手段51は、目標位置入力装置19から目標位置Bの座標(x3 、y2 )を示す目標位置データaを入力すると、ブリッジ/トロリ位置入力手段21から入力される燃料交換機5の現在位置Aの座標(x0 、y0 )を示す現在位置データbと比較し、燃料交換機5の移動時間が最短となるような移動経路、すなわち図3における通過目標点C(x1 、y1 )、D(x2 、y1 )を算出する。ついで、現在位置A、通過目標点C、D、および目標位置Bからなる移動経路に基づいて、下記のようにして図5に示すような制御開始条件とその時のブリッジ7およびトロリ9の目標位置の組合せだけで構成される制御データを移動経路格納部55に保存する。
【0076】
図3において、現在位置A(x0 、y0 )から目標位置B(x3 、y2 )に向かってブリッジ7およびトロリ9を移動させる場合、制御開始と同時にトロリ9は現在位置y0 からy1 に向かって移動し、y1 に到達した時点で一旦停止する。一方ブリッジ7は、途中一旦停止することなく現在位置x0 からx3 に向かって移動し、x3 に到達した時点で停止する。したがって、最短時間移動経路設定手段51は、移動経路格納部55においてトロリ9の1番目の目標位置にy1を、ブリッジの1番目の目標位置にx3 をセットする。また、その時の制御開始条件はなしとなる。
【0077】
続いて、トロリ9は炉心内に入った後ブリッジ7がx2 を通過したタイミングでy1 からy2 に向かって移動を開始し、y2 に到達した時点で一旦停止する。したがって、トロリ9の2番目の目標位置にy2 を、ブリッジ7の2番目の目標位置に前回と同じx3 をセットする。また、その時の制御開始条件はブリッジがx2 となる。
【0078】
上記のようにして、最短時間移動経路設定手段51によって移動経路格納部55に図5に示すような制御データが格納されると、ブリッジ/トロリ制御管理手段57は、移動経路格納部55に格納された制御開始条件およびブリッジ7、トロリ9の目標位置とブリッジ/トロリ位置入力手段21から入力したブリッジ7、トロリ9の現在位置データbを基に、ブリッジ速度制御手段59およびトロリ速度制御手段61に対し、各制御開始条件が成立したタイミングで目標位置を出力することにより、ブリッジ7およびトロリ9の同時走行制御を管理する。
【0079】
ブリッジ速度制御手段59は、ブリッジ/トロリ制御管理手段57からブリッジ7の目標位置を入力するとともに、運転速度領域判定手段53からブリッジ7の最高速度を、またブリッジ/トロリ位置入力手段21からブリッジ7の現在位置を各々リアルタイムに入力することによってブリッジの制御速度を算出し、速度基準信号に変換して出力する。同様にトロリ速度制御手段61は、トロリ9の制御速度を算出し、速度基準信号に変換して出力する。
【0080】
以上のように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様にブリッジ速度制御手段、トロリ速度制御手段が各々独立に制御を行うことにより、プール内、カナル通過時、カナル通過後の炉心内の各々の移動経路の切り替わりポイントでブリッジを停止させずに曲線を描いて移動させることができ、これにより、ブリッジの減速および加速にかかる時間を減らして、燃料交換機をより短時間で移動させることができる。
【0081】
図6は、本発明の燃料交換機制御装置の第3の実施の形態を示すもので、図22に示す従来構成と比較して、着床位置監視手段65は、従来の機能に加えて乗り上げ等による着床異常を発生した場合にホイスト速度制御手段67に着床のリトライ処理を実行させる機能をさらに有している。
【0082】
次に、本実施の形態の燃料交換機制御装置17bの作用を説明する。
着床位置監視手段65は図7に示すような手順でホイスト速度制御手段67にリトライ処理を実行させる。
【0083】
まず、着床位置監視手段65は、着床異常が発生した時点のホイスト位置記憶変数Hpおよび着床異常発生時のホイスト下降制御リトライカウンタnを初期化した後(ステップ201)、着床荷重検出手段29から着床信号iを読み込むと(ステップ202)、ホイスト位置入力手段27からホイスト11の現在位置eを読み込み(ステップ203)、あらかじめ着床基準値設定装置31によって設定され記憶されている着床範囲と比較して、着床異常か否かを判定する(ステップ204)。
【0084】
ここで、着床異常と判定した場合、まずその時点のホイスト現在位置をホイスト位置記憶変数Hpに保存し(ステップ205)、ホイスト下降制御リトライカウンタnに1をたす(ステップ206)。
【0085】
次に、このリトライカウンタnが既定回数aよりも大きいかどうかを判定し(ステップ207)、nがaよりも多い場合はリトライオーバーとなり着床異常としてホイストの下降制御を停止するようホイスト速度制御手段67に通知する(ステップ208)。
【0086】
まだ、nがa以下の場合は、着床異常の状態を解除するためにホイストの上昇指令をホイスト速度制御手段67に出力してホイスト11を上昇させ(ステップ209)、1制御周期分のタイマー遅延を行った後(ステップ210)、再び着床荷重検出手段29から着床信号iを読み込み(ステップ211)、着床異常が解除されたかどうか判定する(ステップ212)。まだ着床異常が解除されなければ、再びステップ209に戻り、ホイスト11の上昇指令を出力する。着床異常が解除されると、ステップ203に戻り、ホイストの下降制御を再開することになる。
【0087】
ステップ204で着床異常でないと判定された場合は、着床位置監視手段65はまずホイストの現在位置が前回着床異常を起こした位置を通り過ぎたかどうか判定し(ステップ213)、通過していればホイスト位置記憶変数Hpおよびリトライカウンタnを初期化する(ステップ214)。
【0088】
次に、着床信号iがONしているかどうかを判定し(ステップ215)、ONしていれば正常に着床完了したと判断して正常着床信号をホイスト速度制御手段67に出力してホイスト11の下降制御を停止する。
【0089】
もしまだ着床信号iがOΝしていない場合は、ホイスト下降指令をホイスト速度制御手段67に出力してホイスト11を下降させ(ステップ216)、1制御周期分のタイマー遅延を行った後(ステップ217)、ステップ202に戻ってホイスト下降制御を続行させる。
【0090】
以上の手順によって、本実施の形態の着床位置監視手段65およびホイスト速度制御手段67は、1回の乗り上げで制御を停止することなく最短時間で着床異常を解除しホイストの下降制御を継続させることができる。
【0091】
図8は、本発明の燃料交換機制御装置の第4の実施の形態を示すもので、図22の従来構成と比較して、着床位置監視装置33によって検出された過去n個の着床位置データを格納する着床位置格納部71と、着床位置格納部71内のn個の着床位置データに基づいて着床位置の正規分布曲線を演算する着床分布演算手段73と、着床分布演算手段73の運算結果を入力装置75を介して入力される出力要求により表示装置77、プリンタ等の出力装置に出力する着床データ出力手段79と、着床分布演算手段73の運算結果に基づいて着床基準値を更新、設定する着床基準値設定手段81が付加されている。
【0092】
次に、本実施の形態の燃料交換機制御装置17bの作用を説明する。
着床位置格納部71には、着床位置監視手段33によって正常着床と判定されるたびに、そのとき検出された着床位置のデータが炉心およびプールごとに格納される。
【0093】
着床分布演算手段73は、着床位置格納部71に格納されたn個の着床位置データを基に、図9に示すような炉心/プールにおける燃料着床位置の正規分布曲線Fを編集し、さらにその平均値X1 、最小値Min、最大値Maxおよび標準偏差σを求める。
【0094】
着床データ出力手段79は、入力装置75からの運転員の要求に応じてこれらのデータを表示装置77およびプリンタ等の出力装置に対して出力する。
【0095】
運転員はこの出力装置に出力されたデータを基に、入力装置75から着床基準値設定手段81を介して炉心およびプールの着床基準値データを燃料交換作業中の任意の時点で変更することが可能となる。
【0096】
さらに、着床基準値設定手段81は、着床分布演算手段73によって求められた着床位置の正規分布曲線Fにおける平均値X1 、最小値Minおよび最大値Maxと、あらかじめ設定されている着床基準値X0 および基準上下限設定値H(=X0 +α)、L(=X0 −α)を基に、|X0 −X1 |がある規定値以上となった場合、および(Min−L)または(H−Max)がある規定値以上となった場合には、X1 を新たな着床基準値として着床位置監視手段33に出力する。着床位置監視手段33は、(n+1)回目の着床位置検出処理をこの着床基準値X1 を中心として監視許容範囲を形成する基準上下限設定値に基づいて実施する。
【0097】
なお、着床基準値設定手段81において、最小値Min、最大値Maxと基準上下限設定値H、Lとの比較を、(X1 ±σ)と基準上下限設定値H、Lとの比較に置き換えてもよい。また、着床基準値設定手段81では、次の着床基準値データの更新は、新たな着床基準値X1 との比較により行われる。
【0098】
上記の説明からも明らかなように、本実施の形態によれば、着床異常/正常の判定基準となる着床基準値データを実測データに基づいて更新することができ、燃料交換機制御装置の誤判断を防止することができる。
【0099】
次に、本発明の燃料交換制御装置の第5の実施の形態を説明する。
図10は、燃料交換機制御装置17aが燃料交換機5を目標位置まで最短時間で移動させる移動経路の一例を示すもので、図中曲線Tはトロリー速度を、曲線Sはブリッジ速度をそれぞれ示し、矢印実線Qは燃料交換機5の移動経路を示している。
【0100】
ブリッジ7とトロリー9を同時走行させる際、燃料の位置や燃料プール3や炉心の形状によりカナル中心線Eと常に 135度の角度を形成するような傾斜で移動できるとは限らない。図10に矢印破線Pで示すように燃料の移動経路に障害物がある場合には、燃料交換機制御装置は、はじめにブリッジ7を停止したままで燃料交換機5が上記傾斜で移動できる境界線までトロリ9を最高速度で移動させ、その後ブリッジ7も最高速度で移動させる。
【0101】
このようにブリッジ7とトロリー9を速度制御することによって、カナルE線に対して45度の角度で最短時間で移動することができる。このとき、カナル線E上に移る場合と同じように45度の境界線の前でブリッジの加速をすることにより、燃料交換機5は停止することなく短時間で移動できることになる。
【0102】
このようなトロリ9の単独走行とトロリ9およびブリッジ7の同時走行を組み合わせて短時間移動を達成させることができるのは、図11において領域2の部分である。領域2は、燃料プール3のカナル入口より±45度の線K1 、K2 の内側およびカナル線Eより引いた±45度で燃料とを結ぶ線K3 と障害物が交わる領域として求められる。これは炉心においても同様に求められる。
【0103】
次に、本発明の燃料交換機制御装置の第6の実施の形態を説明する。
図12は、ブリッジ、トロリおよびホイストを含めた移動経路を示すもので、図中矢印実線R1 は本実施の形態による燃料をつかんでいるときの燃料交換機5のホイスト11の下端部の移動経路を、矢印実線R2 は燃料をつかんでいないときの移動経路を示している。なお、図中破線は従来の燃料交換機制御方法による移動経路を示す。
【0104】
燃料交換時において、炉心上では従来はカナルを通過した後、トロリ9とブリッジ7を同時操作して交換する燃料位置の真上まで移動し、トロリ9とブリッジ7を固定した後にホイスト11を下ろし燃料を炉心から取り出している。
【0105】
これに対して、本実施の形態では図12に実線で示すようにトロリー9、ブリッジ7の移動と同時にホイスト11の操作を同時に行うことにより、上下方向も含めた移動距離を短縮することができ、移動時間を短縮することができる。炉心の上下移動の時間がブリッジ7とトロリ9の走行時間より長いので、ブリッジ7とトロリ9の走行時間相当の時間を短縮することができる。
【0106】
最後に、本発明の燃料交換機制御装置の第7の実施の形態を図13〜図17を用いて説明する。この実施の形態はホイストおよび燃料の振れを抑制するよう燃料交換機の移動を制御するものである。
【0107】
燃料交換時の燃料の振れは水平移動の加速度と加速のタイミングを調整することで抑制することができる。
【0108】
図13は燃料交換機5のモデルを表したものである。この燃料交換機5のモデルにおいて、ホイスト11は6段の伸縮可能な剛体と見做すことができ、剛体としての燃料85がその先端につり下げてあるという構成となる。したがって、燃料移動のモデルは剛体2重振り子となり、以下に示すような2つの式で示される。
【0109】
【数1】
上記(1)式はホイスト以下の剛体の振れを、(2)式は燃料以下の剛体の振れを示す。燃料を吊り下げていないときには、(1)式のみを考慮すればよく、m2 =0ということになる。
【0110】
これまでロープで物を吊り下げて移動するクレーンでは、この重心の位置や慣性モーメントを考慮する必要はなかった。しかしながら、ホイスト11の場合には剛体と近似できるのでその振れの周期はその重心と慣性モーメントの影響を受ける。
【0111】
すなわち、(1)式からホイスト11単独の場合の固有振動数ωhは以下のようになる。
【0112】
【数2】
したがって、燃料を吊り下げていないときは、この固有振動数ωhの振れを抑えることでホイスト11の振れを抑えることができる。
【0113】
一方、燃料85を吊った場合のブリッジまたはトロリの移動に対する応答は2重振り子となり、図14のように複雑な応答を示す。これは2つの振り子の振動が直列に結合されたものであり、その振動周期は、θ1 =A1 exp(iωt)、θ2 =A2 exp(iωt)として、(1)、(2)式から右辺=0として、以下のように(4)、(5)式が算出され、さらに(4)、(5)式から(6)式が得られることにより、(6)式から求められる。
【0114】
【数3】
これよりωのそれぞれの解ω1 およびω2 が得られる。2重振り子の振動は、近似的にトロリまたはブリッジの加速度によりホイスト11が振動し、その先端の加速度により燃料85が振れ、またその逆の伝搬があるものと見做せる。
【0115】
燃料交換機5の移動時の位置決めとホイスト11および燃料85の振れ止めは一つの方法として振れの周期で加速または減速することである。
【0116】
ホイスト11のみの移動の場合は、単振り子と近似することができるので、その解の一つは以下のようになる。
【0117】
【数4】
したがって、この場合の振れは、振れ角θ1とその微分値の関係で図15に示すようになる。図15において、加速度(減速度)uが一定の場合には、点(0、u)を中心とした円を描き、1周期時間が経過するとまた原点に戻ってくる。原点では振れもその速度もゼロであるから、ここで加速度をゼロとすれば、この軌跡は原点から動かなくなり、ここで振れが止められる。したがって、振れの1周期で加減速すれば振れはなくすことができる。
【0118】
また、目標とする速度Vmax を達成するためには、加速期間が決まっているので、加速度αは、α=Vmax /T1 で与えればよい。ただし、T1 =2π/ωである。
【0119】
これは一定加速度で加減速した場合であるが、振れを止めるためには、図15において原点に来たときに加速度をゼロとすればよいのであるから、加速度を段階的に変更し、原点へ来たときゼロとするようにしてもよい。
【0120】
以上は燃料交換機5が燃料85を吊っていなかった場合であるが、燃料85を吊っていた場合は、固有振動数が前記(6)式で与えられるが、この中で周期が大きく振れとして大きいモードに対して振れ止めをする。図16は、2重振り子の主要な振動周期で加速した場合の振れを示したものである。振れ止めができていることがわかる。
【0121】
一方、このような2重振り子の系に対して単振り子として近似した場合には、その重心の位置a0 は、a0 =(m1 a1 +m2 a2 )/(m1 +m2 )となる。また、角振動数ω0 =(g/a0 )1/2 となり、振動周期T0 =2π/ω0 となる。この周期で加速した場合には図17に示すように少しの残留振れが残っていることがわかる。
【0122】
これまで本発明では振れの周期は燃料交換機および移動物のモデルから求めるとしていたが、これを実際の試験により計測してもよい。燃料の形状/重量および吊り下げているときのホイスト長が変わらなければ周期は変わらないので、この周期を測定し、この時間で加減速をする。
【0123】
また、この振れの周期はホイスト長の関数となるので、移動する高さによって加減速時間の設定を変えることによって、ホイスト長がどのような値でも振れをなくすことができる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ブリッジおよびトロリをそれぞれの移動停止区間を除いては一時停止させることなく速度制御を行うことにより、目標位置までの燃料交換機の移動時間を従来より短縮させることができる。
【0125】
また本発明によれば、ホイスト下降中の燃料乗り上げ等に対して再度ホイストを上昇させてリトライさせることにより、復旧時間を最短とすることができ、また、自動的にホイスト制御が継続されるため運転員の負担も大幅に軽減することができる。
【0126】
また本発明によれば、ホイスト下降処理における着床基準値を過去のデータを用いて更新することによって、実際の着床位置分布に適合した着床基準値を設定することができ、着床異常の誤判断を防止するとともに、定検前の着床基準値の見直し作業を省略することができる。
【0127】
また本発明によれば、ホイストと他の機器(トロリ、ブリッジ)との同時操作可能な移動経路を設けることにより、燃料交換機の移動時間を従来より短縮させることが可能となる。
【0128】
また本発明によれば、ホイストおよび燃料の振れの1周期で燃料交換機を加速および減速するよう制御することにより、燃料移動に伴う振れを抑制し、移動中の接触や着床等におけるずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料交換機制御装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す移動経路格納部のデータ構成例を示す図である。
【図3】本発明によって制御された燃料交換機の移動軌跡を示す図である。
【図4】本発明の燃料交換機制御装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】図4に示す移動経路格納部のデータ構成例を示す図である。
【図6】本発明の燃料交換機制御装置の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】図6に示す着床位置監視手段の処理例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の燃料交換機制御装置の第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図9】図8に示す着床基準値設定手段における着床基準値の更新条件を説明する図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態による移動経路設定例を示す図である。
【図11】図10に示す移動経路設定領域を説明する図である。
【図12】本発明の燃料交換機制御装置の第6の実施の形態による移動経路を例示する図である。
【図13】燃料交換機5のモデルを表した図である。
【図14】燃料を吊った場合のブリッジまたはトロリの移動に対する応答を示す図である。
【図15】振れ角とその角速度と加速度の関係を説明するための図である。
【図16】燃料を吊った状態を近似する2重振り子の主要な振動周期で加速した場合の振れを示す図である。
【図17】燃料を吊った状態を近似する単振り子の振動周期で加速した場合の振れを示す図である。
【図18】燃料交換機の構成を示す図である。
【図19】従来の燃料交換機制御方法を説明するための図である。
【図20】燃料交換機制御装置のブリッジおよびトロリの制御にかかる従来例を示すブロック図である。
【図21】従来の最短時間移動経路設定手段による移動経路設定データ例を示す図である。
【図22】燃料交換機制御装置のホイストの制御にかかる従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1………炉心
3………プール
5………燃料交換機
7………ブリッジ
9………トロリ
11………ホイスト
13………つかみ具
15………カナル
19………目標位置入力装置
21………ブリッジ/トロリ位置入力手段
23、47、51………最短時間移動経路設定手段
27………ホイスト位置入力手段
29………着床荷重検出手段
31………着床基準値設定装置
33、65………着床位置監視手段
35、67………ホイスト速度制御手段
41、59………ブリッジ速度制御手段
43、61………トロリ速度制御手段
45………ブリッジ/トロリ制御管理手段
49、55………移動経路格納部
53………運転速度領域判定手段
71………着床位置格納部
73………着床分布演算手段
79………着床データ出力手段
81………着床基準値設定手段
85………燃料
Claims (10)
- 原子炉の炉心およびプール上にこれらを結ぶカナルラインの方向に移動可能に設置されるブリッジとこのブリッジ上にカナルライン方向に対して直角方向に移動可能に設置されるトロリとこのトロリに垂直方向に伸縮自在に取り付けられたホイストからなる燃料交換機を制御する装置において、
前記燃料交換機の現在位置を入力する燃料交換機位置入力手段と、
設定されるブリッジおよびトロリの最終目標位置および前記燃料交換機位置入力手段から得られるブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、この現在位置を出発点として前記最終目標位置まで最短時間で移動可能な移動経路を演算し、この移動経路上のブリッジまたはトロリのいずれかの単独走行区間およびその前後の走行区間に対して、それぞれ許容されるブリッジおよびトロリの最高速度を選定し、ブリッジおよびトロリのそれぞれについて、走行速度が異なる前後の前記走行区間をそれぞれ制御区間とし、前記制御区間の終点位置を制御目標位置として当該制御区間の最高速度とともに設定し、前記制御区間の始点位置を当該制御区間の制御開始条件として設定する最短時間移動経路設定手段と、
この最短時間移動経路設定手段によって設定されたブリッジおよびトロリのそれぞれの前記制御目標位置および最高速度並びに制御開始条件の各データを格納する移動経路格納手段と、
この移動経路格納手段の格納データおよび前記燃料交換機位置入力手段からのブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、前記ブリッジおよびトロリの現在位置が前記格納データ内の制御開始条件に一致したとき、この制御開始条件に対応するブリッジおよびトロリのそれぞれの制御目標位置および最高速度を示す制御データを出力するブリッジ/トロリ制御管理手段と、
このブリッジ/トロリ制御管理手段から出力されるブリッジの制御データおよび前記燃料交換機位置入力手段からのブリッジの現在位置データに基づいて、ブリッジの移動を制御するブリッジ速度制御手段と、
前記ブリッジ/トロリ制御管理手段から出力されるトロリの制御データおよび前記燃料交換機位置入力手段からのトロリの現在位置データに基づいて、トロリの移動を制御するトロリ速度制御手段とを備えたことを特徴とする燃料交換機制御装置。 - 原子炉の炉心およびプール上にこれらを結ぶカナルラインの方向に移動可能に設置されるブリッジとこのブリッジ上にカナルライン方向に対して直角方向に移動可能に設置されるトロリとこのトロリに垂直方向に伸縮自在に取り付けられたホイストからなる燃料交換機を制御する装置において、
前記燃料交換機の現在位置を入力する燃料交換機位置入力手段と、
設定されるブリッジおよびトロリの最終目標位置および前記燃料交換機位置入力手段から得られるブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、この現在位置を出発点として前記最終目標位置まで最短時間で移動可能な移動経路を演算し、前記移動経路上のブリッジまたはトロリのいずれかの単独走行区間の始点を、当該単独走行区間に移動を停止するブリッジまたはトロリの通過目標位置として設定し、前記単独走行区間の終点を制御開始条件として設定する最短時間移動経路設定手段と、
この最短時間移動経路設定手段によって設定されたブリッジおよびトロリのそれぞれの前記通過目標位置および前記最終目標位置を制御目標位置として前記制御開始条件に対応させて格納する移動経路格納手段と、
この移動経路格納手段の格納データおよび前記燃料交換機位置入力手段からのブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、前記ブリッジおよびトロリの現在位置が前記格納データ内の制御開始条件に一致したとき、この制御開始条件に対応するブリッジおよびトロリのそれぞれの制御目標位置データを出力するブリッジ/トロリ制御管理手段と、
前記燃料交換機位置入力手段からのブリッジおよびトロリの現在位置に対応して、ブリッジおよびトロリのそれぞれの最高速度データを出力する運転速度領域判定手段と、
前記ブリッジ/トロリ制御管理手段から出力されるブリッジの制御目標位置データおよび前記運転速度領域判定手段からのブリッジの最高速度データ並びに前記燃料交換機位置入力手段からのブリッジの現在位置データに基づいて、ブリッジの移動を制御するブリッジ速度制御手段と、
前記ブリッジ/トロリ制御管理手段から出力されるトロリの制御目標位置データおよび前記運転速度領域判定手段からのトロリの最高速度データ並びに前記燃料交換機位置入力手段からのトロリの現在位置データに基づいて、トロリの移動を制御するトロリ速度制御手段とを備えたことを特徴とする燃料交換機制御装置。 - 下降するホイスト全体にかかる荷重から、着床を検出する着床荷重検出手段と、この着床荷重検出手段からの着床検出信号により、前記燃料交換機位置入力手段から得られるホイストの現在位置を着床位置として着床基準値範囲と比較して着床異常か否かを判定し、着床正常と判定したとき着床正常信号を出力し、着床異常と判定したときホイストを上昇させる指令を出力し、ホイスト上昇によって前記着床検出信号が解除されたとき再度ホイストを下降させる指令を出力する着床位置監視手段と、
前記着床位置監視手段からの着床正常信号により、ホイストの下降を停止してつかみまたは放し制御に移行させ、前記着床位置監視手段からの上昇または下降指令によりホイストを上昇または下降させるホイスト速度制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の燃料交換機制御装置。 - 前記着床位置監視装置によって検出された着床位置のデータを保存する着床位置格納手段と、この着床位置格納手段に保存されたデータに基づいて炉心およびプールにおける着床位置の正規分布を演算する着床分布演算手段と、この着床分布演算手段によって演算された着床位置の正規分布データを編集し、出力装置に出力する着床データ出力手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載の燃料交換機制御装置。
- 前記着床分布演算手段によって演算された着床位置の正規分布データから得られる着床基準値範囲と、前記着床位置監視手段に設定されている着床基準値範囲とを比較し、その差が規定値を逸脱したとき前記着床位置監視手段に設定されている着床基準値範囲を更新する着床基準値設定手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の燃料交換機制御装置。
- 前記移動経路は、前記炉心とプールとを結ぶカナルライン上を走行するブリッジ単独走行区間とこのブリッジ単独走行区間に 135度の角度で接続されるブリッジ・トロリ同時走行区間を有することを特徴とする請求項1または2記載の燃料交換機制御装置。
- 前記移動経路は、前記プールまたは炉心において前記燃料交換機が前記カナルラインから±45度の角度で直線走行することが可能な領域となるまで前記出発点または最終目標位置から前記カナルライン向かって直角方向に走行するトロリ走行区間を有することを特徴とする請求項6記載の燃料交換機制御装置。
- 前記ブリッジ速度制御手段およびトロリ速度制御手段は、ホイストの振れまたは燃料を吊った状態でのホイストおよび燃料の振れの1周期で加速または減速することを特徴とする請求項1または2記載の燃料交換機制御装置。
- 原子炉の炉心およびプール上にこれらを結ぶカナルラインの方向に移動可能に設置されるブリッジとこのブリッジ上にカナルライン方向に対して直角方向に移動可能に設置されるトロリとこのトロリに垂直方向に伸縮自在に取り付けられたホイストからなる燃料交換機を制御する方法において、
前記燃料交換機の現在位置を周期的に入力する工程と、
前記燃料交換機の最終目標位置を入力する工程と、
入力された最終目標位置およびそのときの前記燃料交換機を構成するブリッジおよびトロリの現在位置に基づいて、この現在位置を出発点として前記最終目標位置まで最短時間で移動可能な移動経路を演算する工程と、
前記移動経路において前記燃料交換機がブリッジ移動開始点に到達したとき、次にブリッジを停止する停止区間の始点または最終停止位置を制御目標位置としてその運転領域で許容される最高速度に基づいてブリッジの速度制御を行う工程と、
前記移動経路において前記燃料交換機がトロリ移動開始点に到達したとき、次にトロリを停止する停止区間の始点または最終停止位置を制御目標位置としてその運転領域で許容される最高速度に基づいてトロリの速度制御を行う工程とを含むことを特徴とする燃料交換機制御方法。 - 前記移動経路においてトロリおよびブリッジの少なくとも一方とホイストを同時操作する区間を設定する工程と、
前記同時操作区間が前記移動経路の始点側にある場合には、ホイストの現在位置が前記同時操作区間の始点に到達したとき前記トロリおよびブリッジの少なくとも一方を操作開始する工程と、
前記同時操作区間が前記移動経路の終点側にある場合には、トロリおよびブリッジの現在位置が前記同時操作区間の始点に到達したときホイストを操作開始する工程とを含むことを特徴とする請求項9記載の燃料交換機制御方法。
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