JP3810520B2 - 一時障壁層を有する写真要素 - Google Patents

一時障壁層を有する写真要素 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は写真要素に関し、特に写真層中に於けるアルカリ性処理組成物の拡散(浸透)に対して一時的障壁を形成する層を有する写真要素において、上記一時障壁層が少なくとも2種の共重合体からなる混合物の有機溶剤溶液の塗設によって形成される事を特徴とする写真要素に関するものである。
【0002】
更に詳細には、経時貯蔵安定性、及びアルカリ処理組成物展開層を間に挟むシート同士(感光シート、受像シート、或いはカバーシート)の処理組成物展開前の耐接着性が改良された拡散転写法写真要素に関する。
【0003】
【従来の技術】
写真要素中、処理組成物が浸透する層の間に一時障壁層を設置することは通常の写真及び拡散転写法写真において知られている。
【0004】
特に拡散転写法写真においては、現像の停止、及び画像の安定化等の目的のために中和層が用いられており、この中和層によって現像液の中和が必要な時間より早すぎ、最高濃度が低下することを防止するため、一時障壁層を中和タイミングの機構(タイミング層)として利用することが良く知られている。
【0005】
ハロゲン化銀写真の現像反応は低温で遅く、高温で速いことが一般的である。従って、拡散転写法をインスタント写真として利用する場合、現像処理は通常の写真のように管理された温度で行われるのではなく様々な温度で行われるため、現像温度が変化しても良好な画像を得るには、高温では現像反応が速いため現像液の中和反応を速く行い、また低温では現像反応が遅いため現像液の中和反応を遅く行うように、現像液の中和反応を温度に応じて補償する機能を写真要素中に持たせることがきわめて大切である。
【0006】
このような温度補償の機能を有するタイミング層としては、例えば、米国特許第3,856,522号に提案されているようなブチルアクリレート−ジアセトンアクリルアミド−スチレン−メチルメタクリレート共重合体を使用する方法、米国特許第4,061,496号に提案されているようなアクリロニトリル−塩化ビニリデン−アクリル酸共重合体を使用する方法、特開昭53−72622号に提案されているようなスチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体を使用する方法等が開示されている。
【0007】
しかしながら、これらの特許に例示されたタイミング層は現像液の中和反応の温度補償能には優れるものの、種々の欠点を有している。一つには、ラテックスポリマー素材であるために塗布後の乾燥工程において高温乾燥を必要とし、かつ、温度、湿度、時間等の乾燥条件を厳密に規定しなければ良好な塗布膜が得られない。また、そのために塗布−乾燥設備が複雑になり、コストも高くなりやすい。更には、塗布したタイミング層に凝集物が生じやすく、膜の透明性が損なわれやすい。その他、タイミング層の膜強度が脆弱になりやすい、タイミング層と下層との密着が低く剥離しやすい、等といった欠点も挙げられる。
【0008】
上記欠点を補う目的で、ポリマー素材の有機溶液塗布によりタイミング層を作成する方法が考えられている。例えば、特開昭56−97346号に提案されているような塩化ビニリデン−メチルアクリレート−イタコン酸共重合体ラテックスをいったん粉体化した後に改めて有機溶剤に溶解してから塗布する方法、米国特許第4,440,848号に提案されているようなビニルエステル類の溶液重合による共重合体を使用する方法、特開昭59−202463号に提案されているようなフタルイミド基のような反応性基を有するエチレン性不飽和モノマーの溶液重合による共重合体を使用する方法等が報告されている。
【0009】
しかしながら、これらの特許に例示されたタイミング層では現像液の中和反応の温度補償は可能であるがいずれも補償できる温度の幅が実際にインスタント写真で使用される温度範囲と較べ非常に狭いため、不満足な画像しか得られないものであった。
【0010】
更には、上述のタイミング層では、高温高湿下における経時貯蔵安定性が低く、経時によって中和タイミング時間が長くなり、最大濃度、及び最小濃度が上昇するという欠陥が起こりやすい。この欠陥は、特に、タイミング層に用いるポリマー素材のTgとの相関が強く、Tgが高い素材程問題であった。
【0011】
また、タイミング層はアルカリ処理組成物が展開する層に隣接して設けられる場合が多いが、処理組成物が展開される以前に展開層を挟んだ反対側の層と接着してしまい処理組成物展開時の均一な展開を妨げるという接着故障を起こしてしまうことが多い。この故障も、特に、タイミング層に用いるポリマー素材のTgとの相関が強いが、この場合はTgが低い素材程故障を起こしやすい事が問題であった。
【0012】
従って、経時貯蔵安定性と接着故障に対するポリマーのTgは相反する要因となり、両者を単独のポリマーのTg調節で両立させることは困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は処理温度特性に優れ、しかも経時貯蔵安定性に優れ、かつ、アルカリ処理組成物展開層を間に挟んだシート同士の耐接着性に優れた写真要素を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)下記のA群、B群及びC群より選ばれたそれぞれ少なくとも1種のモノマーを構成成分とする共重合体の少なくとも2種であって、該2種の共重合体がガラス転移温度(Tg)が65℃以上150℃以下の I 群に属する共重合体とTgが65℃未満の II 群に属する共重合体のそれぞれ少なくとも1種である共重合体を含む有機溶剤溶液の塗布によって形成された一時障壁層を少なくとも一層有する写真要素。
A群:多価アルコールのモノアクリル酸エステルもしくはモノメタアクリル酸
エステル。
B群:カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマー。
C群:A群、B群以外のエチレン性不飽和モノマーで、しかもA群及びB群の
モノマーと共重合可能なモノマー。
【0016】
(2)共重合体の混合後のTgが40℃以上75℃以下の範囲に入るように混合比を調整された混合物を塗設してなる(1)に記載の写真要素。
【0017】
(3)(1)又は(2)に記載の共重合体の一時障壁層を少なくとも一層有する拡散転写法写真要素。
【0018】
【発明の実施の形態】
A群のモノマーは、アルカリ浸透性、水浸透性及び温度補償能の向上を期待して導入したものである。アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの側鎖に残った水酸基が前記の機能発現に関わるものと思われる。特に、温度補償能に関しては、水酸基同士あるいは水酸基とB群のモノマーの側鎖に含まれるカルボキシル基との間の分子間相互作用が大きく効いてくるものと推定される。
B群のモノマーは、主としてアルカリ浸透性、水浸透性をもたせるために導入したものである。
C群のモノマーは、共重合体の性質(例えば溶解性、疎水性、親水性、イオン性など)をコントロールする目的で選択されるものであるが、特に本発明においては、前述したように経時貯蔵安定性、アルカリ処理組成物展開層を間に挟んだシート同士の耐接着性の向上のためにはTgのコントロールが重要であるため、これを主目的として選択される。
【0019】
A群のモノマーの具体例を以下に挙げるが、本発明がこれらに限定されるものではない。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは単独で用いても良いし、2種以上を同時に用いても良い。
【0020】
B群のモノマーの具体例を以下に挙げるが、本発明がこれらに限定されるものではない。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ビニル安息香酸、
【0021】
【化1】
Figure 0003810520
【0022】
等が挙げられる。これらのモノマーは単独で用いても良いし、2種以上を同時に用いても良い。
【0023】
C群のモノマーの具体例を以下に挙げるが、本発明がこれらに限定されるものではない。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、スチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、脂肪族酸のモノエチレン性不飽和エステル(例えば酢酸ビニル、酢酸アリル)、エチレン性不飽和のモノカルボン酸もしくはジカルボン酸のエステル(例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、クロロエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、イタコン酸ジメチル、マレイン酸モノベンジルエステル)、エチレン性不飽和のモノカルボン酸もしくはジカルボン酸のアミド(例えばアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(N,N−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−(N,N−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン)等が挙げられる。また、架橋された重合体を得るためのエチレン性不飽和基を2個以上持つモノマーとしてジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、トリメチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、メチレンビスメタクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等も挙げられる。これらのモノマーは単独で用いても良いし、2種以上を同時に用いても良い。
【0024】
これらのモノマーの中でも、モノマーの親水性、疎水性や重合反応性、並びにそれらによってつくられるポリマー素材の製膜性等の点から、A群のモノマーとしては2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレートが好ましく、B群のモノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、C群のモノマーとしてはアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン類が好ましい。
【0025】
A群モノマー成分は、1〜50モル%が好ましく、特に10〜40モル%が好適である。B群モノマー成分は、1〜40モル%が好ましく、特に1〜20モル%が好適である。C群モノマー成分は、1〜90モル%が好ましく、特に50〜80モル%が好適である。各モノマー成分の比率は必要とされる性質に応じて任意に選択される。
【0026】
本発明の目的でもある経時貯蔵安定性(ポリマー素材として高Tgであることが必要。(Tg>約65℃))及びシート間の耐接着性(ポリマー素材として低Tgであることが必要。(Tg<約65℃))を両立させるためには、相反する条件を同時に満たさなければならない。そのためには、1種類のポリマー素材のみでは不可能であり、本発明で記述しているように2種類以上のポリマー素材を混合して用いることが必要となる。特に、経時貯蔵安定性を達成させるためのTgが65℃以上の高Tg共重合体と耐接着性を達成させるためのTgが65℃未満の低Tg共重合体とを混合して用いることが重要となる。高Tg共重合体としては、Tgが65℃以150℃以下、好ましくは65℃以上100℃以下のものが望ましい。低Tg共重合体としては、Tgが65℃未満のものであれば構わないが、取り扱い性や製膜性等から、好ましくは0℃以上65℃未満、更に好ましくは20℃以上65℃未満のものが望ましい。
【0027】
ただし、2種類以上のポリマーを混合して用いる場合、混合物の相溶性が充分に良くないと、塗布液の安定性が低下し、塗布膜の透明度を低下させる等の悪影響が懸念される。本発明においては、混合させるポリマーにA群モノマー成分及びB群モノマー成分を必ず共重合させる事により広い範囲(モノマー種、混合比等)で良好な相溶性を持たせることを達成した。
【0028】
ポリマーの混合比は、1:99〜99:1(重量比)の間で、溶液同士を混合させた場合に相分離を起こすことなく容易に相溶するような混合比であれば構わないが、好ましくは各ポリマー素材の特徴が現れる程度(10:90〜90:10(重量比))の混合比が望ましい。更には、経時貯蔵安定性と耐接着性とをともに高いレベルで達成させられるよう、混合後のTgが40℃以上75℃以下の範囲に入るような混合比がより望ましい。
【0029】
本発明で用いる重合体は、重量平均分子量が3,000〜1,000,000の範囲のものを用いることができ、好ましくは5,000〜500,000、更に好ましくは10,000〜300,000のものを用いることができる。
【0030】
以下、I群及びII群に属する共重合体のうち、特に有用な共重合体の代表的なものを挙げるが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0031】
Figure 0003810520
【0032】
Figure 0003810520
【0033】
Figure 0003810520
【0034】
Figure 0003810520
【0035】
Figure 0003810520
【0036】
Figure 0003810520
【0037】
Figure 0003810520
【0038】
Figure 0003810520
【0039】
本発明の重合体は、一般に良く知られている重合法で得る事ができ、好ましくは溶液重合法あるいは懸濁重合法(例えば大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」(化学同人、昭和47年刊)124〜154頁等に詳しい)等によって重合すればよい。
【0040】
例えば、特に好ましい重合法である溶液重合を行う場合の溶媒としては、前記A群、B群及びC群の各モノマーが溶解する溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の有機溶媒の単独、あるいはこれらの混合溶媒、あるいは水との混合溶媒)であれば良い。
【0041】
上記の溶液重合は、通常のラジカル開始剤(例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイルのような過酸化物開始剤)を用いて、一般には30〜100℃、好ましくは40〜90℃の温度で行われる。
【042】
以下に溶液重合法での重合例を示す。
合成例1.ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−アクリル酸−コ−エチルメタクリレート)(20/10/70(モル%))〔例示共重合体I−3〕の合成
反応容器にメチルエチルケトン210ml、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6.9g、アクリル酸1.9g、エチルメタクリレート21.2gを入れ、窒素ガスで脱気後、75℃にまで昇温した。次いで、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート3.0gをメチルエチルケトン20mlに溶かしたものを加え、重合を開始した。2−ヒドロキシエチルメタクリレート62.1g、アクリル酸17.2g、エチルメタクリレート190.7gを混合したモノマー液及びジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート3.0gをメチルエチルケトン50mlに溶かした開始剤溶液それぞれを6時間かけて反応容器へ滴下添加した。滴下終了後、更にジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート3.0gをメチルエチルケトン20mlに溶かしたものを加えてそのまま4時間加熱攪拌を続けたところ、反応溶液は無色透明の粘性溶液となった。反応溶液を室温にまで冷却した後、メチルエチルケトン245mlを加えて粘度を低下させ、取り出しを行った。収量706g、固形分濃度42.9%(ポリマー収率98.0%)
その他の例示共重合体についても、同様の方法で重合を行える。
【0043】
本発明の共重合体は、溶液重合法により得られた共重合体溶液をそのまま、あるいはこれらと混合可能な適当な溶媒(例えば、前記したようなメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の有機溶媒の単独、あるいはこれらの混合溶媒、あるいは水との混合溶媒等が挙げられる。ただし、水との混合溶媒の場合、共重合体の不溶化や他の溶媒との不混合化を起こさない程度に水の混合率を抑えることに留意しなくてはならない。)を混合させて、あるいは懸濁重合法により得られた共重合体を前記の適当な溶媒に溶解させて支持体上に塗布する事により写真要素中に該重合体からなる一時障壁層として組み込むことができる。この一時障壁層は本発明で用いる重合体以外のものを含んでいても良い。
【0044】
本発明の共重合体を有機溶剤溶液として塗布する場合、その溶液の濃度、粘度に関しては、故障無く塗布可能でかつ乾燥後に良好な塗布面状を得ることのできる領域であれば特に制限は無いが、好ましくは濃度としては1〜40%、粘度としては0.1〜1000cpであり、更に好ましくは濃度としては2〜20%、粘度としては1〜100cpである。
【0045】
本発明の写真要素は、感光材料、受像材料又は拡散転写法用カバーシートでありうる。感光材料の形態としては、感光要素と受像要素と処理要素とが組合わさった拡散転写法用フィルム・ユニットであってもよい。いずれにせよ、前記感光材料(以下感材ということがある)は、必須成分として、支持体上に塗設されたハロゲン化銀写真乳剤層を少くとも一層有するものであり、通常更に中間層等を含む。本発明の重合体は、処理組成物の拡散(浸透)に対して、一時障壁を形成するための層、例えばカバーシート中の中和タイミング層や、感材中の中間層や受像材料(或いは受像要素)中の中和タイミング層等に含有されるが、カバーシートのタイミング層や感材中の適当な層(例えば中間層)に含有させるのが好ましい。添加量としては0.5〜10g/m2 (感光材料)、好ましい添加量としては1〜10g/m2 、さらに好ましい添加量としては1〜8g/m2 である。
【0046】
減色法による天然色の再現には、ある波長範囲に選択的分光感度をもつハロゲン化銀乳剤とその波長範囲に選択的な分光吸収をもつ色素像形成化合物(以下「色材」という)(又はそのような色素を形成する基を含む色材)との組合せの少くとも二つからなる感光材料が使用される。
【0047】
特に青感性ハロゲン化銀乳剤と黄色色材との組合せ、緑感性ハロゲン化銀乳剤とマゼンタ色材との組合せ並びに赤感性乳剤とシアン色材との組合せからなる感光要素は有用である。これら乳剤と色材との組合せ単位は感光材料中で面対面の関係で層状に重ねて塗布されてもよいし、或いは各粒子状(色材とハロゲン化銀粒子が同一粒子中に存在する)に形成されて混合して一層として塗布されてもよい。
【0048】
以下、転写画像を形成するための拡散性色素を放出する色材を例に説明する。
【0049】
以下に、本発明に含まれる各構成要素について順次説明する。
1.感光シートあるいは受像シートを構成する成分、層
A)支持体
本発明に用いられる感光シートの支持体は写真感光材料に通常用いられる平滑な透明または、不透明の支持体が用いられる。
【0050】
透明支持体としては、例えば、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが用いられ、下塗り層を設けるのが好ましい。支持体は通常ライトパイピングを防止する為微量の染料または酸化チタンの如き顔料を含有しているのが好ましい。
【0051】
支持体の厚さは50〜350μm、好ましくは70〜210μm、更に好ましくは80〜150μm、である。
【0052】
不透明支持体としては、バライタ層、α−オレフィンポリマー(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレン・ブテン共重合体)などを塗布またはラミネートした紙、あるいは上記透明フィルムに白色顔料を含ませたものであっても良い。
【0053】
必要に応じて支持体のバック側にはカールバランスをとる層または特開昭56−78833号に記載の酸素遮断性の層をつけることができる。
B)受像層
本発明に用いられる染料受像層は親水性コロイド中に媒染剤を含むものである。これは単一の層であっても、また媒染力の異なる媒染剤が重ねて塗設された多層構成のものでもよい。これについては特開昭61−252551号に記載されている。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。
【0054】
ポリマー媒染剤とは二級および三級アミノ基を含むポリマー、含窒素複素環部分をもつポリマー、および四級カチオンを含むポリマーなどで分子量が5,000以上500,000以下のもの、特に好ましくは10,000以上300,000以下のものである。
【0055】
媒染剤の塗設量は、一般的には0.5〜10g/m2 好ましくは1.0〜5.0g/m2 特に好ましくは2〜4g/m2 である。
【0056】
受像層に使用する親水性コロイドとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが使用されるがゼラチンが好ましい。
【0057】
受像層中には、特開昭62−30620号や同62−30621号、特開昭62−215272号記載の退色防止剤を組み込むことができる。
C)白色反射層
色画像の白背景を成す白色反射層は通常白色顔料と親水性バインダーを含む。
【0058】
白色反射層用の白色含量としては、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ステアリン酸バリウム、銀フレーク、ケイ酸塩類、アルミナ、酸化ジルコニウム、ジルコニウム硫酸ソーダ、カオリン、雲母、二酸化チタンなどが使用される。更に、スチレンなどによりなる非造膜性のポリマー粒子なども使用される。又これらは、単独で使用しても良いし、望まれる反射率を得られる範囲で混合して用いることもできる。
【0059】
特に有用な白色顔料は、二酸化チタンである。
【0060】
白色反射層の白色度は、顔料の種類、顔料とバインダーの混合比率および顔料の塗布量によって変るが、光反射率が70%以上であることが望ましい。一般に、顔料の塗布量が増えるほど、白色度が向上するが、この層を通って画像形成色素が拡散するとき、顔料が色素の拡散に対して抵抗となるので、適度の塗布量をもつことが望ましい。
【0061】
二酸化チタンを5〜40g/m2 、好ましくは10〜25g/m2 塗布し、光反射率が540nmの波長の光で78〜85%を有する白色反射層が好ましい。
【0062】
二酸化チタンは、市販の種々の銘柄より選んで用いることができる。
【0063】
この中でも特にルチル型の二酸化チタンを用いるのが好ましい。
【0064】
市販品の多くは、アルミナ、シリカや酸化亜鉛などで表面処理が行なわれており、高い反射率を得るには、表面処理量が5%以上のものが望ましい。市販されている二酸化チタンとしては、例えば、デュポン社の Ti-pure R931 の他、リサーチ・ディスクロージャー誌15162号に記載のものがある。
【0065】
白色反射層のバインダーとしては、アルカリ浸透性の高分子マトリックス、例えばゼラチン、ポリビニルアルコールやヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースのようなセルロース誘導体が使用できる。
【0066】
白色反射層の特に望ましいバインダーはゼラチンである。白色顔料とゼラチンの比は、1/1〜20/1(重量比)、望ましくは5/1〜10/1(重量比)である。
【0067】
白色反射層中には、特公昭62−30620号や同62−30621号のような褪色防止剤を組み込むことが好ましい。
D)遮光層
白色反射層と感光性層の間には遮光剤および親水性バインダーを含む遮光層を設ける。
【0068】
遮光剤としては、遮光機能を有する材料のいずれも用いられるが、カーボンブラックが好ましく用いられる。また米国特許第4,615,966号等に記載の分解性の染料を用いてもよい。
【0069】
遮光剤を塗設するバインダーとしてはカーボンブラックを分散しうるものならいずれでもよく、好ましくはゼラチンである。
【0070】
カーボンブラック原料としては、例えば Donnel Voet "Carbon Black" Marcel Dekker, Inc. (1976)に記載されているようなチャンネル法、サーマル法及びファーネス法など任意の製法のものが使用できる。カーボンブラックの粒子サイズは特に限定されないが90〜1800オングストローム(A)のものが好ましい。遮光剤としての黒色顔料の添加量は遮光すべき感光シートの感度に応じて量を調節すればよいが、光学濃度で5〜10程度が望ましい。
E)感光層
本発明においては、前記遮光層の上方に色素像形成物質と組合わされたハロゲン化銀乳剤層から成る感光層を設ける。以下でその構成要素について述べる。
(1)色素像形成物質
本発明に用いられる色素像形成物質は、銀現象に関連して拡散性色素(色素プレカーサーでもよい)を放出する非拡散性化合物であるか、あるいはそれ自体の拡散性が変化するものであり、「写真プロセスの理論」(The Theory of the Photographic Process)第4版に記載されている。これらの化合物は、いずれも下記一般式(I)で表すことが出来る。
【0071】
一般式(I)
(DYE−Y)n −Z
{DYEは色素基、一時的に短波化された色素基または色素前駆体基を表し、Yは単なる結合又は連結基を表し、Zは画像状に潜像を有する感光性銀塩に対応又は逆対応して(DYE−Y)n −Zで表される化合物の拡散性に差を生じさせるか、又は、DYEを放出し、放出されたDYEと(DYE−Y)n −Zとの間に拡散性において差を生じさせるような性質を有する基を表し、nは1または2を表し、nが2の時、2つのDYE−Yは同一でも異なっていてもよい。}
このZの機能により、銀現像部で拡散性となるネガ型化合物と未現像部で拡散性となるポジ型化合物とに大別される。
【0072】
ネガ型のZの具体例としては、現像の結果、酸化し、開裂して拡散性色素を放出するものがあげられる。
【0073】
Zの具体例は米国特許3,928,312号、同3,993,638号、同4,076,529号、同4,152,153号、同4,055,428号、同4,053,312号、同4,198,235号、同4,179,291号、同4,149,892号、同3,844,785号、同3,443,943号、同3,751,406号、同3,443,939号、同3,443,940号、同3,628,952号、同3,980,479号、同4,183,753号、同4,142,891号、同4,278,750号、同4,139,379号、同4,218,368号、同3,421,964号、同4,199,355号、同4,199,354号、同4,135,929号、同4,336,322号、同4,139,389号、特開昭53−50736号、同51−104343号、同54−130122号、同53−110827号、同56−12642号、同56−16131号、同57−4043号、同57−650号、同57−20735号、同53−69033号、同54−130927号、同56−164342号、同57−119345等に記載されている。
【0074】
ネガ型の色素放出レドックス化合物のZのうち、特に好ましい基としてはN−置換スルファモイル基(N−置換基としては芳香族炭化水素環やヘテロ環から誘導される基)を挙げる事ができる。このZの代表的な基を以下に例示するが、これらのみに限定されるものではない。
【0075】
【化2】
Figure 0003810520
【0076】
ポジ型の化合物については、アンゲバンテ・ヘミ・インターナショナル・エデション・イングリッシュ(Angev. Chem. Inst. Ed. Engl.)、22、191(1982)に記載されている。
【0077】
具体例としては、当初アルカリ条件下では拡散性であるが、現像により酸化されて非拡散性となる化合物(色素現像薬)があげられる。この型の化合物に有効なZとしては米国特許2,983,606号にあげられたものが代表的である。
【0078】
また、別の型としては、アルカリ条件下で自己閉環するなどして拡散性色素を放出するが、現像に伴い酸化されると実質的に色素の放出がおこらなくなるようなものである。このような機能を持つZの具体的については、米国特許3,980,479号、特開昭53−69033号、同54−130927号、米国特許3,421,964号、同4,199,355号などに記載されている。
【0079】
また別な型としては、それ自体は色素を放出しないが、還元されると色素を放出するものがある。この型の化合物は電子供与体とともに組合わせて用い、銀現像によって画像様に酸化した残りの電子供与体との反応によって像様に拡散性色素を放出させることが出来る。このような機能を持つ原子団については、例えば米国特許4,183,753号、同4,142,891号、同4,278,750号、同4,139,379号、同4,218,368号、特開昭53−110827号、米国特許4,278,750号、同4,356,249号、同4,358,525号、特開昭53−110827号、同54−130927号、同56−164342号、公開技報87−6199号、欧州特許公開220,746A2号等に記載されている。
【0080】
以下にその具体例を例示するが、これらのみに限定されるものではない。
【0081】
【化3】
Figure 0003810520
【0082】
このタイプの化合物が使用される場合には耐拡散性電子供与化合物(ED化合物として周知)またはそのプレカーサー(前駆体)と組合わせて用いるのが好ましい。ED化合物の例としては例えば米国特許4,263,393号、同4,278,750号、特開昭56−138736号等に記載されている。
【0083】
また別の型の色素像形成物質の具体例としては、下記のものも使用できる。
【0084】
【化4】
Figure 0003810520
【0085】
この詳細は米国特許3,719,489号や同4,098,783号に記載されている。
【0086】
一方、前記の一般式のDYEで表わされる色素の具体例は下記の文献に記載されている。
【0087】
イエロー色素の例:
米国特許3,597,200号、同3,309,199号、同4,013,633号、同4,245,028号、同4,156,609号、同4,139,383号、同4,195,992号、同4,148,641号、同4,148,643号、同4,336,322号:特開昭51−114930号、同56−71072号:Research Disclosure 17630(1978)号、同16475(1977)号に記載されているもの。
【0088】
マゼンタ色素の例:
米国特許3,453,107号、同3,544,545号、同3,932,380号、同3,931,144号、同3,932,308号、同3,954,476号、同4,233,237号、同4,255,509号、同4,250,246号、同4,142,891号、同4,207,104号、同4,287,292号:特開昭52−106727号、同53−23628号、同55−36804号、同56−73057号、同56−71060号、同55−134号に記載されているもの。
【0089】
シアン色素の例:
米国特許3,482,972号、同3,929,760号、同4,013,635号、同4,268,625号、同4,171,220号、同4,242,435号、同4,142,891号、同4,195,994号、同4,147,544号、同4,148,642号;英国特許1,551,138号;特開昭54−99431号、同52−8827号、同53−47823号、同53−143323号、同54−99431号、同56−71061号;ヨーロッパ特許(EP)53,037号、同53,040号;Research Disclosure 17,630(1978)号、及び同16,475(1977)号に記載されているもの。
【0090】
これらの化合物は、特開昭62−215272号144〜146頁記載の方法で分散することができる。またこれらの分散物には、特開昭62−215272号137〜144頁記載の化合物を含ませてもよい。
(2)ハロゲン化銀乳剤
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、主にハロゲン化銀粒子表面に潜像を形成するネガ型乳剤でもよいし、ハロゲン化銀粒子内部に潜像を形成する内部潜像型直接ポジ乳剤でもよい。
【0091】
内部潜像型直接ポジ乳剤には、例えば、ハロゲン化銀の溶解度差を利用してつくる、いわゆる「コンバージョン型」乳剤や、金属イオンをドープするか、もしくは化学増感するか、又はその両方を施したハロゲン化銀の内部核(コア)粒子の少なくとも感光サイトをハロゲン化銀の外部殻(シェル)で被覆してなる「コア/シェル型」乳剤等があり、これについては、米国特許2,592,250号、同3,206,313号、英国特許1,027,146号、米国特許3,761,276号、同3,935,014号、同3,447,927号、同2,297,875号、同2,563,785号、同3,551,662号、同4,395,478号、西独特許2,728,108号、米国特許4,431,730号などに記載されている。
【0092】
また、内部潜像型直接ポジ乳剤を用いる場合には、像露光後に光もしくは造核剤を用いて表面かぶり核を与える必要がある。
【0093】
そのための造核剤としては、米国特許2,563,785号、同2,588,982号に記載されたヒドラジン類、米国特許3,227,552号に記載されたヒドラジン類、ヒドラゾン類、英国特許1,283,835号、特開昭52−69613号、米国特許3,615,615号、同3,719,494号、同3,734,738号、同4,094,683号、同4,115,122号等に記載された複素環4級塩化合物、米国特許3,718,470号に記載された造核作用のある置換基を色素分子中に有する増感色素、米国特許4,030,925号、同4,031,127号、同4,245,037号、同4,255,511号、同4,266,013号、同4,276,364号、英国特許2,012,443号等に記載されたチオ尿素結合型アシルヒドラジン系化合物、及び米国特許4,080,270号、同4,278,748号、英国特許2,011,391B等に記載されたチオアミド環やトリアゾール、テトラゾール等のヘテロ環基を吸着基として結合したアシルヒドラジン系化合物などが用いられる。
【0094】
本発明ではこれらネガ型乳剤及び内部潜像型直接ポジ乳剤と組合わせて、分光増感色素を用いる。その具体例については、特開昭59−180550号、同60−140335号、リサーチ・ディスクロージャー(RD)17029、米国特許1,846,300号、同2,078,233号、同2,089,129号、同2,165,338号、同2,231,658号、同2,917,516号、同3,352,857号、同3,411,916号、同2,295,276号、同2,481,698号、同2,688,545号、同2,921,067号、同3,282,933号、同3,397,060号、同3,660,103号、同3,335,010号、同3,352,680号、同3,384,486号、同3,623,881号、同3,718,470号、同4,025,349号等に記載されている。
(3)感光層の構成
減色法による天然色の再現には、上記分光増感色素により分光増感された乳剤と同波長範囲に選択的な分光吸収をもつ色素を供与する前記色素像形成物質とのくみあわせの少なくとも二つからなる感光層を用いる。乳剤と色素像形成物質とは別層として重ねて塗設してもよいし、また混合し一層として塗設してもよい。該色素像形成物質が塗布された状態で、これと組合わされた乳剤の分光感度域に吸収を持つ場合には別層の方が好ましい。また乳剤層は複数の、感度の異なる乳剤層からなるものでもよく、また乳剤層と色素像形成物質層との間に任意の層を設けてもよい。例えば、特開昭60−173541号に記載された造核現像促進剤を含む層、特公昭60−15267号に記載された隔壁層を設けて色像濃度を高めたり、また反射層を設け感光シートの感度をたかめることも出来る。
【0095】
反射層としては、白色顔料および親水性バインダーを含む層であり、好ましくは白色顔料は酸化チタン、親水性バインダーはゼラチンである。酸化チタンの塗布量は0.1g/m2 〜8g/m2 、好ましくは0.2g/m2 〜4g/m2 である。反射層の例としては特開昭60−91354号に記載がある。
【0096】
好ましい重層構成では、露光側から青感性乳剤の組合わせ単位、緑感性乳剤の組合わせ単位、赤感性乳剤の組合わせ単位が順次配置される。
【0097】
各乳剤層単位の間には必要に応じて任意の層を設ける事ができる。特にある乳剤層の現像の効果が他の乳剤層単位に及ぼす好ましくない影響を防ぐため、中間層を設置するのが好ましい。
【0098】
中間層は、非拡散性色素像形成物質と組合わせて現像薬を用いる場合には、該現像薬酸化体の拡散を防止するために非拡散性の還元剤を含むのが好ましい。具体的には非拡散性のハイドロキノン、スルホンアミドフェノール、スルホンアミドナフトールなどがあげられ、更に具体的には特開昭50−21249号、同50−23813号、特開昭49−106329号、同49−129535号、米国特許2,336,327号、同2,360,290号、同2,403,721号、同2,544,640号、同2,732,300号、同2,782,659号、同2,937,086号、同3,637,393号、同3,700,453号、英国特許557,750号、特開昭57−24941号、同58−21249号等に記載されている。またそれらの分散法については特開昭60−238831号、特公昭60−18978号に記載されている。
【0099】
特公昭55−7576号に記載されたような銀イオンにより拡散性色素を放出する化合物を用いる場合には銀イオンを補足する化合物を中間層に含有せしめるのが好ましい。
【0100】
本発明は必要に応じて、イラジエーション防止層、UV吸収剤層、保護層などが塗設される。
F)剥離層
本発明では必要に応じて処理後にユニット内感光シートの任意の場所で剥がし取る為に剥離層が設けることができる。従ってこの剥離層は処理後の剥離が容易なものでなければならない。このための素材としては、例えば特開昭47−8237号、同59−220727号、同59−229555号、同49−4653号、米国特許第3,220,835号、同4,359,518号、特開昭49−4334号、同56−65133号、同45−24075号、米国特許第3,227,550号、同2,759,825号、同4,401,746号、同4,366,227号などに記載されたものを用いることが出来る。具体例の一つとしは、水溶性(あるいはアルカリ可溶性)のセルロース誘導体があげられる。例えばヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、可塑化メチルセルロース、エチルセルロース、硝酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、などである。また別の例として種々の天然高分子、例えばアルギン酸、ペクチン、アラビアゴム、などがある。また種々の変性ゼラチン、例えばアセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチンなども用いられる。更に、別の例として、水溶性の合成ポリマーがあげられる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、あるいは、それらの共重合体などである。
【0101】
剥離層は、単一の層でも、また例えば、特開昭59−220727号、同60−60642号などに記載されているように複数の層からなるものでもよい。
II.中和タイミング層
G)中和機能を有する層
中和機能を有する層とは中和層と本発明で用いる重合体を含有するタイミング層とからなり、このタイミング層はアルカリ処理組成物がタイミング層を経由して中和層に到達するような位置関係で該中和層の上または下に(直接または間接に)重ね合わせて配置されているものである。中和機能を有する層は感光シート、受像シート、カバーシートのいずれかに配置されていても良く、また、複数配置されていても良い。
【0102】
本発明に用いられる中和層は、処理組成物から持込まれるアルカリを中和するに十分な量の酸性物質を含む層である。好ましい酸性物質としてはpKa9以下の酸性基(もしくは加水分解によってそのような酸性基を与える前駆体基)を含む物質であり、さらに好ましくは米国特許2,983,606号に記載されているオレイン酸のような高級脂肪酸、米国特許3,362,819号に開示されているようなアクリル酸、メタアクリル酸もしくはマレイン酸の重合体とその部分エステルまたは酸無水物;仏国特許2,290,699号に開示されているようなアクリル酸とアクリル酸エステルの共重合体;米国特許4,139,383号やリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosure)No.16102 (1977)に開示されているようなラテックス型の酸性ポリマーを挙げることができる。
【0103】
その他、米国特許4,088,493号、特開昭52−153739号、同53−1023号、同53−4540号、同53−4541号、同53−4542号等に開示の酸性物質も挙げることができる。
【0104】
酸性ポリマーの具体例としてはエチレン、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル等のビニルモノマーと、無水マレイン酸との共重合体及びそのn−ブチルエステル、ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合物、セルロース、アセテート・ハイドロジエンフタレート等である。
【0105】
前記ポリマー酸は親水性ポリマーと混合して用いることができる。このようなポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリメチルピロリドン、ポリビニルアルコール、(部分ケン化物も含む)カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリメチルビニルエーテルなどである。なかでも、ポリビニルアルコールが好ましい。
【0106】
また、前記ポリマー酸に親水性ポリマー以外のポリマー、例えばセルロースアセテートなどを混合してもよい。
【0107】
ポリマー酸の塗布量はフィルムユニットに展開されるアルカリの量に応じて調節される。単位面積当りのポリマー酸とアルカリの当量比は0.9〜2.0が好ましい。ポリマー酸の量が少なすぎると、転写色素の色相が変化したり、白地部分にステインを生じ、又多すぎる場合にも色相の変化、あるいは耐光性の低下などの不都合を生じる。更に好ましい当量比は1.0〜1.3である。混合する親水性ポリマーの量も多すぎても少なすぎても写真の品質を低下させる。親水性ポリマーのポリマー酸に対する重量比は0.1〜10、好ましくは0.3〜3.0である。
【0108】
本発明において中和機能を有する層には、種々の目的で添加剤を組込むことが出来る。たとえば、この層の硬膜を行うために当業者で周知の硬膜剤、また膜の脆性を改良するためにポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価ヒドロキシル化合物を、また塗布の面状改良するために当業者で周知の界面活性剤を添加することができる。その他必要に応じて、酸化防止剤、蛍光増白剤、現像抑制剤およびその前駆体などを添加することもできる。
【0109】
本発明においてタイミング層は、感光シートに中和層がある場合該中和層と色素供与化合物層の間、受像シートに中和層がある場合該中和層と受像層間、カバーシートに中和層がある場合該中和層とアルカリ処理組成物が接する層の間に設置することが好ましい。
【0110】
本発明で用いる重合体含有層をタイミング層として用いる場合、同一タイミング層中に、または別のタイミング層中に、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの部分アセタール化物、酢酸セルロース、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、などのようなアルカリ透過性を低くするポリマー;アクリル酸モノマーなどの親水性コモノマーを少量共重合させて作られた、アルカリ透過の活性化エネルギーを高くするラテックスポリマー;ラクトン環を有するポリマーなどを用いることもできる。
【0111】
なかでも、特開昭54−136328号、米国特許4,267,262号、同4,009,030号、同4,029,849号等に開示されている酢酸セルロースを使用したタイミング層;特開昭54−128335号、同56−69629号、同57−6843号、米国特許4,056,394号、同4,061,496号、同4,199,362号、同4,250,243号、同4,256,827号、同4,268,604号等に開示されている。アクリル酸などの親水性コモノマーを少量共重合させて作られたラテックスポリマー;米国特許4,229,516号に開示されたラクトン環を有するポリマー;その他特開昭56−25735号、同56−97346号、同57−6842号、ヨーロッパ特許(EP)31,957A1号、同37,724A1号、同48,412A1号などに開示されたポリマーが特に有用である。
【0112】
その他、以下の文献に記載のものも使用できる。
【0113】
米国特許3,421,893号、同3,455,686号、同3,575,701号、同3,778,265号、同3,785,815号、同3,847,615号、同4,088,493号、同4,123,275号、同4,148,653号、同4,201,587号、同4,288,523号、同4,297,431号、西独特許出願(OLS)1,622,936号、同2,162,277号、Research Disclosure 15,162No.151 (1976年)
これらの素材を用いたタイミング層は本発明の重合体含有層と単独層もしくは二種以上の層の併用として使用しうる。
【0114】
またこれらの素材からなるタイミング層に、例えば米国特許4,009,029号、西独特許出願(OLS)2,913,164号、同3,014,672号、特開昭54−155837号、同55−138745号、などに開示された現像抑制剤および/もしくはそのプレカーサーや、また、米国特許4,201,578号に開示されているハイドロキノンプレカーサー、その他写真用有用な添加剤もしくはそのプレカーサーなどを組み込むことも可能である。
H)その他
中和機能を有する層の他に、補助的な機能を持つ層として、バック層、保護層、フィルター染料層などを有しても良い。
【0115】
バック層は、カールの調整や、滑り性の付与の為に設けられる。フィルター染料はこの層に添加しても良い。
【0116】
保護層は、主としてカバーシートバック面との接着、感光シートとカバーシートとを重ね合わせたときの感光シート保護層との接着を防止する為に用いられる。
【0117】
カバーシートに染料を含有させて感光層の感度調整を行う事もできる。フィルター染料は、直接カバーシートの支持体中や中和機能を有する層、さらには前記のバック層、保護層などに添加しても良いし、単独の層を設置しても良い。
III.アルカリ処理組成物
本発明に用いられる処理組成物は、pHを12〜14とするに足りるアルカリ液のものであり、アルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム)、アルカリ金属のリン酸塩(例えばリン酸カリウム)、グアニジン類、四級アミンの水酸化物(例えば水酸化テトラメチルアンモニウムなど)が挙げられるが、なかでも水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
【0118】
増粘剤は処理液を均一に展開するために、また感光シート/カバーシート間、または、感光シート/受像シート間の密着を保つために必要である。例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が用いられ、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースが用いられる。
【0119】
遮光剤としては、染料受像層まで拡散しステインを生じるものでなければ染料あるいは顔料のいずれでも、またそれらの組合わせでも用いることができる。代表的な物としてカーボンブラックがあげられる。
【0120】
好ましい現像薬は、色素像形成物質をクロス酸化し、かつ酸化されても実質的にステインを生じないものであればどのようなものでも使用出来る。このような現像薬は単独でもまた二種類以上を併用してもよく、またプレカーサーの型で使用してもよい。これらの現像薬は感光シートの適当な層に含ませても、またアルカリ性処理液中に含ませてもよい。具体的化合物としてはアミノフェノール類、ピラゾリジノン類があげられるが、このうちピラゾリジノン類がステインの発生が少ないため特に好ましい。
【0121】
たとえば1−フェニル−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−(3′−メチル−フェニル)−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノン、1−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリジノンが挙げられる。
【0122】
剥離不要型フィルムユニットに用いられる処理組成物は、感光シートの露光後に感光シート上に均一に展開され、支持体の背面あるいは感光層の処理液と反対側に設置されて遮光層と対になって、感光層を外光から完全に遮断し、同時に、その含有する成分によって感光層の現像を行うものである。このために、組成物中には、アルカリ、増粘剤、遮光剤、現像薬、更に、現像を調節するための、現像促進剤、現像抑制剤、現像薬の劣化を防ぐための酸化防止剤などを含有する。組成物中には遮光剤は必ず含まれる。
【0123】
感光シート、受像シート、カバーシートあるいはアルカリ処理組成物のいずれかに特開昭62−215272号72〜91頁記載の現像促進剤、146〜155頁記載の硬膜剤、201〜210頁記載の界面活性剤、210〜222頁記載の含フッ素化合物、225〜227頁記載の増粘剤、227〜230頁記載の帯電防止剤、230〜239頁記載のポリマーラテックス、240頁記載のマット剤などを含む事が出来る。
【0124】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
カバーシート
ライトパイピング防止染料を含みゼラチン下塗りしたポリエチレンテレフタレート支持体上に次の順で塗布を行ない、カバーシート1−1を作製した。
(a)平均分子量5万のアクリル酸/n−ブチルアクリレート共重合体(80/20(モル%))を10.4g/m2及び1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−ブタンを0.1g/m2含む中和層。
(b)酸化度55%のセルロースアセテートを4.3g/m2及びメチルヒニルエーテル/無水マレイン酸共重合体(50/50(モル%))のメチルハーフエステルを0.2g/m2含む層。
(c)前記例示共重合体I−3及びII−2を混合比1/9(重量比)で1.1g/m2含む中和タイミング層。
【0125】
また、カバーシート1−1の共重合体I−3/II−2の混合比(重量比)をそれぞれ5/5、9/1に変えた以外はカバーシート1−1と同じに塗設したカバーシート1−2、1−3を作製した。
【0126】
更に、カバーシート1−1の共重合体I−3/II−2をそれぞれ共重合体I−9/II−12に変え、混合比(重量比)を1/9、5/5、9/1とした以外はカバーシート1−1と同じに塗設したカバーシート2−1、2−2、2−3を作製した。
【0127】
更に、カバーシート1−1の共重合体I−3/II−2をそれぞれ共重合体I−1/II−6に変え、混合比(重量比)を1/99、1/9、3/7、5/5、8/2、9/1とした以外はカバーシート1−1と同じに塗設したカバーシート3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6を作製した。
【0128】
比較用のカバーシートとして、カバーシート1−1の共重合体I−3/II−2の混合物を共重合体I−3単独、II−2単独、下記重合体▲1▼、▲2▼、▲3▼単独にそれぞれ変えた以外はカバーシート1−1と同じに塗設したカバーシート4−1、4−2、4−3、4−4、4−5を作製した。
▲1▼2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸/エチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート共重合体(20/10/8/62(モル%))
▲2▼2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸/エチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート共重合体(20/10/35/35(モル%))
▲3▼2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸/エチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート共重合体(20/10/63/7(モル%))
【0129】
更に比較用のカバーシートとして、カバーシート1−1の共重合体I−3/II−2の混合物を共重合体I−1単独、II−6単独、下記重合体▲4▼、▲5▼、▲6▼単独にそれぞれ変えた以外はカバーシート1−1と同じに塗設したカバーシート5−1、5−2、5−3、5−4、5−5を作製した。
▲4▼2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸/メチルメタクリレート/メチルアクリレート共重合体(20/10/7/63(モル%))
▲5▼2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸/メチルメタクリレート/メチルアクリレート共重合体(20/10/35/35(モル%))
▲6▼2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸/メチルメタクリレート/メチルアクリレート共重合体(20/10/63/7(モル%))
【0130】
更に比較用のカバーシートとして、カバーシート1−1の共重合体I−3/II−2の混合物を下記重合体▲7▼単独、▲8▼単独、▲7▼/▲8▼混合物(9/1(重合比))にそれぞれ変えた以外はカバーシート1−1と同じに塗設したカバーシート6−1、6−2、6−3を作製した。
▲7▼アクリル酸/エメルメタクリレート共重合体(10/90(モル%))
▲8▼アクリル酸/n−ブチルメタクリレート共重合体(10/90(モル%))
【0131】
更に比較用のカバーシートとして、カバーシート1−1の共重合体I−3/II−2の混合物を米国特許第4,440,848号記載の下記溶液共重合体▲9▼に変えた以外はカバーシート1−1と同じに塗布したカバーシード7−1を作製した。
▲9▼ビニルアセテート/ビニルベンゾエート/モノビニルアジペート共重合体(52/34/14(重量%))
【0132】
更に比較用のカバーシートとして、カバーシート1−1の(c)層を下記(c’)層に変えた以外はカバーシート1−1と同じに塗設したカバーシート8−1を作製した。
(c’)スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド共重合体ラテックス(49.7/42.3/4.0/4.0(重量%))を1.7g/m2及びメチルメタクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド共重合体ラテックス(93.0/3.0/4.0(重量%))
【0133】
それぞれのカバーシートの中和タイミング時間を以下のようにして測定した。
【0134】
pH指示薬塗布フィルム
ポリエチレンテレフタレート透明支持体上にチモールフタレインを0.2g/m2 及びゼラチン7.0g/m2 を含む指示薬層を塗布してpH指示薬塗布フィルムを作成した。
【0135】
中和タイミング時間測定用アルカリ処理液
アルカリ処理液の処方を以下に示す。
【0136】
以下の組成の処理液0.8gを圧力で破壊可能な容器に充填した。
カルボキシメチルセルロースNa塩 58g
水酸化カリウム(28%水溶液) 200cc
水 830cc
【0137】
透明カバーシートをそれぞれ上記のpH指示薬塗布フィルムと向かい合わせ、その間に上記中和タイミング時間測定用のアルカリ処理液を液厚み75μmに展開した。チモールフタレインの高pH色(青)の反射濃度が中和により減少し半減するに要した所定時間“中和タイミング時間”を15℃及び25℃の条件下で測定した。
結果を表−1にまとめて示した。
【0138】
【表1】
Figure 0003810520
【0139】
表−1の値の比較から明らかなように、本発明の溶液重合による共重合体を用いたカバーシート1−1〜3、2−1〜3、3−1〜6、4−1〜5、5−1〜5はアルカリ透過性の温度補償能(T15/T25)が同じ溶液重合による共重合体を用いたカバーシート6−1〜3に較べてはるかに優れ、ラテックスを用いたカバーシート8−1同等の性能を示した。
【0140】
(実施例2)
受像感光シート
厚さ90μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に表−Aに示す様な層構成にて塗布を行ない感光シートを作成した。
【0141】
【表2】
Figure 0003810520
【0142】
【表3】
Figure 0003810520
【0143】
【表4】
Figure 0003810520
【0144】
【表5】
Figure 0003810520
【0145】
以下に、受像感光シート中で用いた化合物の化学構造式などを示す。
【0146】
【化5】
Figure 0003810520
【0147】
【化6】
Figure 0003810520
【0148】
【化7】
Figure 0003810520
【0149】
【化8】
Figure 0003810520
【0150】
【化9】
Figure 0003810520
【0151】
【化10】
Figure 0003810520
【0152】
アルカリ処理液
アルカリ処理液の組成の処方を以下に示す。
【0153】
Figure 0003810520
上記組成の処理液を0.8gずつ「圧力で破壊可能な容器」に充填した。
【0154】
経時貯蔵安定性試験
前記実施例1で作製した各カバーシート及び該カバーシートを50℃、相対湿度80%の条件で3日間強制経時させたカバーシートをそれぞれ上記pH指示薬塗布フィルムと向かい合わせ、その間に上記中和タイミング時間測定用のアルカリ処理液を液厚み75μm に展開した。チモールフタレインの高pH色(青)の反射濃度が中和により減少し半減するに要した所用時間25℃の条件下で測定した。
【0155】
耐接着性試験
前記実施例1で作製した各カバーシートと上記受像感光シートをそれぞれ40℃、相対湿度80%の恒温恒湿室内に入れ充分時間をかけて空気中の水分を平行に達するまで吸水させた。次に、各カバーシートの塗布面と受像感光シートの塗布面とを向かい合わせて重ねた後、50g/cm2 の荷重をかけて1日放置し、接着故障の発生度合を面積率で測定した。
結果を表−2にまとめて示した。
【0156】
【表6】
Figure 0003810520
【0157】
表−2の値の比較から明らかなように、本発明の溶液重合による共重合体を混合して用いたカバーシート1−1〜3、2−1〜3、3−1〜6は経時貯蔵安定性、耐接着性が他のカバーシートに較べてはるかに優れている。さらに、混合後のTgが40〜75℃の領域のものを用いたカバーシートは経時貯蔵安定性、耐接着性がともに高いレベルで達成されている。

Claims (3)

  1. 下記のA群、B群及びC群より選ばれたそれぞれ少なくとも1種のモノマーを構成成分とする共重合体の少なくとも2種であって、該2種の共重合体がガラス転移温度(Tg)が65℃以上150℃以下の I 群に属する共重合体とTgが65℃未満の II 群に属する共重合体のそれぞれ少なくとも1種である共重合体を含む有機溶剤溶液の塗布によって形成された一時障壁層を少なくとも一層有する写真要素。
    A群:多価アルコールのモノアクリル酸エステルもしくはモノメタアクリル酸
    エステル。
    B群:カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマー。
    C群:A群、B群以外のエチレン性不飽和モノマーで、しかもA群及びB群の
    モノマーと共重合可能なモノマー。
  2. 共重合体の混合後のTgが40℃以上75℃以下の範囲に入るように混合比を調整された混合物を塗設してなる請求項 1に記載の写真要素。
  3. 請求項 1 又は請求項 2に記載の共重合体の一時障壁層を少なくとも一層有する拡散転写法写真要素。
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