JP3810315B2 - 光通信用光路変換体の実装構造及び光モジュール - Google Patents

光通信用光路変換体の実装構造及び光モジュール Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信及び光情報処理分野等において使用される光路変換反射体の実装構造並びに光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信システムや、光情報処理システムの実用化が進むにつれ、さらに大容量の光信号を処理する事ができ、かつ高機能を有するシステムが要求されるようになってきている。これらシステムの実現には光機能素子を集積した光集積回路が不可欠であり、盛んに研究されている。
【0003】
特に、光半導体素子と光ファイバを接続する技術に関し、従来、光半導体素子と光ファイバ間の光接続は素子を発光させる、若しくは素子導波路一端に光を入射し、出射端に光ファイバを設置し、光ファイバ受光光量が最大になるように光ファイバ位置を微妙に調整することにより、光ファイバと光半導体素子との光学的接続を行う、いわゆるアクティブアラインメント方法が一般的であった。
【0004】
このようにアクティブアラインメント方法は、素子自身を発光させる、若しくは、片端から光を入射させる必要が生じる。また、素子個々毎に対する光軸調芯には時間がかかりコスト上昇につながる等の不便さがあった。
【0005】
上記問題を解決するために、光半導体素子と光ファイバとの相対位置を機械的に精度よく配置し、光学接続を達成する技術(パッシブアラインメント技術)が、近年盛んに研究されている。
【0006】
パッシブアラインメント技術は、光半導体素子及び光ファイバ位置は機械的な精度のみで決まるため、光半導体素子を発光させる、若しくは光を入射させる必要がない。このように、パッシブアラインメント技術は、従来電気素子のマウント技術の延長線上にあるといえ、その量産効果は極めて絶大であり、光モジュールの低価格化には必須の技術となりつつある。また、パッシブアラインメント技術はこのような表面実装型光伝送モジュールを実現させ、光モジュールの高速化、小型低背化に必要不可欠の技術となっている。
【0007】
一方、近年、面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser、以下略してVCSELと記す)の応用展開が盛んに議論されている。面発光レーザは、端面共振器型の従来のファブリペローレーザと比較し、動作電流が小さく、温度特性にも優れる等の優れた特徴を有しているために、次世代の光通信用光源として注目されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、前記パッシブアラインメント技術を前記VCSELに応用展開しようとする流れは至極自然である。
【0009】
しかしながら、VCSELを表面実装した光モジュールを実現するためには、次の2つの大きな課題を解決する必要があった。
【0010】
第1の課題とは、VCSEL実装面とVCSELの光出射方向が互いに垂直な関係にあることにより、VCSELと光ファイバを光学的に接続するには何らかの工夫が必要となることである。
【0011】
VCSELを表面実装するので、その光出射方向は実装基板に対し法線の方向となる。一般に、電流を供給する電極は実装基板表面に形成されるために、電極と実装基板上の電気接合部位を接続させると、実装基板表面に対し法線の方向に光線が出射される。すなわち、光線進行方向と実装面が垂直の位置関係となる。従来型の端面発光レーザにおいてはこのような配慮は不要である。端面発光レーザでは、通常、共振器は実装面に平行に形成されるので、光出射の方向は共振器の方向(つまり実装面と平行)に出射する。このため、共振器の片側端面に光ファイバを配置することにより、容易にレーザダイオードからの出射光を光ファイバに入射できる。
【0012】
そこで、斜面形状に加工した光ファイバの先端面、或いは半透明反射面で、VCSELからの出射光を反射させて、光路変換を行う方法が提案されている(例えば、米国特許6081638号公報を参照)。
【0013】
しかし、この方法では、光ファイバ端面を斜めに研磨すること、また、光ファイバの円筒対称性を無くすことにより、光ファイバの光軸における回転方向の調整が必要になること等から、コストが増大するなどの問題がある。
【0014】
また別の方法として、VCSELからの出射光を光ファイバに入射させるために、実装基板の表層に斜め反射面を設け、この反射面で光路を曲げ、予め所望の位置に配置された光ファイバへ光入射させる方法が提案されている(例えば、特表平11−502633号公報を参照)。しかし、この方法では以下の第2の課題を解決しなければならない。
【0015】
第2の課題は、レーザダイオードの出射光が或る広がり角を持って空間を伝播していくという問題である。
【0016】
これを解決する最も単純な方法は、レーザダイオードの光出射端と光ファイバの光入射端を近接させることである。端面発光型レーザを用いるならば、この方法を実施することは至極簡単である。。
【0017】
しかし、VCSELを用いる場合は、前記第1の課題で述べたように、光出射方向が実装面と垂直になるために、何らかの反射面で光路を変換する必要があり必ずしも容易ではない。また、VCSELチップの外形寸法等による幾何的制限により、いくらかの光路長を確保しなければならない。このため、光ファイバに入射する出射光スポット径が大きくなり、その結果、光ファイバとの光学接続が効率的にできなくなる。
【0018】
これら問題へのアプローチとして最も単純な方法は、チップキャリアと呼ばれる矩形体の一側面にVCSELを実装し、その後、チップキャリアの別の側面を実装面として、VCSEL出射面と光ファイバ入射端面が相対向して近接されるように、チップキャリアを実装基板上に実装するという方法である。
【0019】
しかし、この方法では、VCSELをチップキャリア上に実装した後、チップキャリアを回転させ、実装基板上に配置する必要があり、工程上不便である。
また、現在、出射光の高速変調動作が要求されているので、チップキャリア自体の有するキャパシタンスが高速動作を阻害する要因ともなっており、チップキャリアを省くことが望ましい。
【0020】
そこで本発明は、上記2つの大きな課題を同時に解決でき、しかもVCSELの表面実装を低背に実現するために簡便な構造を備えた、光通信用の光路変換体及びその実装構造並びにそれを用いた光モジュールを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、本発明の光通信用光路変換体の実装構造は、高低差のある、低位置面及び高位置面が形成された基板と、前記基板の前記低位置面に配設された、面発光を行わせる光半導体素子と、前記基板の前記高位置面に配設された光通信用光路変換体であって、柱状を成す単結晶シリコンから成る基体に、前記単結晶シリコンの異方性エッチングを用いて形成され、前記光半導体素子の実装面に対し垂直方向に出射された光の光路を90°の角度で光路変換させる傾斜反射面を設けるとともに、該傾斜反射面に、前記光半導体素子の光出射点と同一光軸上に配置され、周囲媒質より大きな屈折率を有する透光性媒質から成る半球体を設けた光通信用光路変換体と、を含み、前記半球体の境界面頂点から、n2/(n1−n2)×r(ただしn1は半球体内部の屈折率,n2は周囲媒質の屈折率、rは半球体の半径)離した位置に前記光半導体素子の出射点を配置させ、前記光半導体素子からの出射光を周囲媒質と前記半球体との前記境界面で平行光に変換させたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の光モジュールは、上記の光通信用光路変換体の実装構造と、前記半球体の前記境界面により平行光に変換された前記光半導体素子からの出射光が、前記傾斜反射面で90°光路変換され、再度前記半球体の前記境界面に達し、再び集光された結像点に光入射端が配設された光ファイバとを含むことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について模式的に図示した図面に基づき詳細に説明する。
【0026】
本発明に係る光通信用光路変換体(以下、単に光路変換体という)の断面図を図1に示す。光路変換体Hは柱状を成す基体11を備え、この基体11には光路変換体Hの実装面12に対し、実装面に対し所定角度(例えば、図示のように135°)を成す傾斜反射面である光反射面13上に、透光性を有し周囲媒質より大きな屈折率を有する誘電体より成る半球体14を配置する形態を特徴とする。このとき、半球体14の中心Cは光反射面13上にある。VCSEL15からの出射光は、前記半球体14に入射し、周囲媒質と半球体14の境界で平行光に変換される。平行光に変換された伝播光は、光反射面13で90度光路変換され、再度半球体14の境界面に到達する。半球体14の境界面で平行伝播光は再び集光され、光ファイバ16に入射する。
【0027】
ここで、次に半球体14の光入射側について、図2に示す断面模式図を用いて説明する。図2において、点Cは半球体14の境界面の中心、rは半球体14の境界面の半径、点Fは焦点位置を、Aは半球体14の境界面の球面と直線CFとの交点(以下、頂点)を表す。半球体14内部の屈折率をn1、周囲媒質の屈折率をn2とすると、焦点距離AFはn2/(n1−n2)×rの関係式で与えられる。例えば、n1=1.5、n2=1.0とし、r=100μmとすると、AF=200μmとなり、半球体14の境界面頂点Aから200μm離した位置にVCSELの出射点を配置すると、出射光は平行光に変換される。同様に光出射側についても説明できる。
【0028】
図2に示す光学配置において、光学的結像倍率は1である。しかしながら、必ずしも、発光素子の発光点を半球体14の焦点位置に配置する必要はない。図1に示す半球体14と光反射面13の構成は、球レンズを用いた結像光学系と等価である。すなわち、発光点と半球体中心、並びに半球体と結像像間の距離をそれぞれ、a、bとし、半球体の焦点距離をf(=AF)としたとき1/a+1/b=1/fの等式が成り立ち、結像倍率mはm=b/aとなる。
【0029】
次に、光路変換体Hの基体11の作製方法について説明する。
【0030】
光路変換体Hの基体11は異方性エッチングが可能な単結晶シリコン等のウエハから作製される。図3に示すように、例えば単結晶シリコンウエハ21は、面方位が(100)面またはそれに等価な面から(54.7−45)°傾いたウエハとする。ここで54.7°はシリコンウエハ21の主面は(100)面またはそれに等価な面を異方性エッチングした際に形成される傾斜角である。
【0031】
光路を90°変換するためには前記傾斜角が図示のように45°でなければならないから、そのときのシリコンウエハ21の面方位傾きは9.7°となる。
【0032】
図4(a)に示すシリコンウエハ21に形成されたV溝22は、図3に示す単結晶シリコンの[110]方向またはそれに等価な方向に沿って直線的に形成される。V溝22の形成はフォトリソグラフィー技術、単結晶シリコンの異方性エッチング技術を用いて行われる。
【0033】
溝22を形成後、光反射膜(不図示)を形成すべく金属薄膜をV溝22斜面上に形成する。金属薄膜の最上層には反射率の高いAuが最適であるが、金属光沢を有する別の金属であってもよい。金属薄膜は複数の異なった材質の多層薄膜とし、最上層金属膜をシリコン基体上に有効に形成させるために、最上層金属薄膜とシリコン基体間に下地金属多層膜及びシリコン酸化膜(SiO2)層が設けられる。例えば、Auが最上層膜である場合、下地金属多層膜としてはPt/Ni、Cr、Ni/Ti等が有効である。光反射膜は下地金属も含め数1000オングストロームから数μm程度が適当である。本光反射膜は半球体14と反射面の重なる部分に最低限設ければよく、必ずしもV溝22斜面全体に設ける必要はない。
【0034】
また、ここで半球体14について説明する。半球体14は、例えばクラウンガラス、硼珪クラウンガラス、重クラウンガラス、軽フリントガラス、重フリントガラス、シリカガラス、サファイヤ、セレン化亜鉛等の一般的なガラス材料で作製してもよい。光路変換体Hの基体11の光反射面には透光性の樹脂接着材等で接合させればよい。また、予め光反射面に光透光性の樹脂材料に対し濡れ性のよい表面を円形状に設け、一方で濡れ性の良い表面の周りは塗れ性の悪い材料を配設するなどし、濡れ性の良い表面上に適切な量の前記光透光性樹脂材料を滴下させ、その表面張力で半球体を形成する方法等も考えられる。
【0035】
次に、本発明の光路変換体の実装形態とそれを用いた光モジュール実施形態について説明する。
【0036】
図5(a)に光路変換体Hを素子実装用基板(以下、単に基板という)31に配設する様子を分解斜視図にて示し、図5(b)に光路変換体Hの実装構造(または光モジュール)を斜視図にて示す。図5に示すように、高低差のある基板31の低位置面32bに、活性層領域がGaAs系、AlGaAs系、InGaAsP系等の半導体材料で構成されたVCSEL等の光半導体素子であるVCSEL33(及び/又はフォトダイオード等の光半導体素子である面受光素子:以下、VCSELという)を配設するとともに、高位置面32aに光路変換体Hを配設している。
【0037】
光モジュールは、光路変換体Hの光出射光結像点に光ファイバ16の光入射端16aを配置させたものである。また、高低差のある低位置面32b及び高位置面32aは図示のように凹部ではない段差でもよい。
【0038】
具体的な本発明の光路変換体の実装工程について説明する。図5において、VCSEL33を実装する基板31は、高低差のある低位置面32b及び高位置面32aが形成されており、低位置面32bを異方性エッチングで容易に作製可能な例えば単結晶シリコンを用いる。また、凹部内に形成された低位置面32bの周囲の高位置面32aに、薄膜パターンである接合用半田で接合部34が形成されている。VCSEL33は、例えば基板31に形成されたアラインメントマーカ(不図示)等によって正確に位置決めされ、低位置面32bに設けられた接合用半田(不図示)によって実装固定される。
【0039】
VCSEL33の実装後、光路変換体HがVCSEL33と同様にVCSEL33の上部に実装固定される。光路変換体Hの基板31と相対向させる面(この実施形態では実装面12)には予め接合用金属パターンで接合部位35が形成されており、基板31側の接合部34との加熱圧着により接合される。このとき、VCSEL33の光出射点と半球体14は同一光軸上に配置されるように正確に位置決め実装されている。
【0040】
VCSEL33及び光路変換体Hを基板31上へ実装後、光ファイバ16を位置決めするための光ファイバ実装用基板36を基板31上へ配置し、次いで、光ファイバ16を光ファイバ実装用基板36上へ配置する。このとき、光ファイバ16の光軸と半球体14の光軸が一致するように正確に位置決めされる。
【0041】
接合部34、或いは35は、下地金属として、例えば、上層/下層でAu/CrあるいはAu/Pt/Ti等の積層体で形成し、この積層体上に金錫、鉛錫等の半田材料を配設して構成されている。なお、このような下地金属の下部には例えばSiO2膜等の絶縁膜が形成されている。VCSEL33への電力供給線路(不図示)は、前記絶縁膜を最下層に設け、最下層の絶縁膜上に面発光素子11への電力供給線路を形成し、その上にSiO2、ZrO2、TiO2、Al2O3等の絶縁膜を形成した後、前記下地金属を形成する構造としてもよい。
【0042】
かくして、本実施形態によれば、面発光素子の実装面に対し垂直方向に出射した光の光路を容易に90°変換することができ、効率よく且つ効果的に光ファイバに光入射させることができ、低背化を実現した光モジュールとすることができる。
【0043】
また、本発明の光路変換体によれば、反射面は入射光に対し90°の角度で光路変換させるように形成されていて且つ、前記反射面上に透光性を有する誘電体材料で半球体が形成されていることで、簡単な構成で光半導体素子と光ファイバとの光結合が効率良く実現される。
【0044】
また、本発明の光路変換体基体及び反射面は、シリコン異方性エッチングを用いて傾斜面を形成し、前記傾斜面は例えば(111)面及びそれと等価な面からなり且つ、前記反射面は入射光に対し90°の角度で光路変換させるように形成されていることで、作製コストの削減ができる。
【0045】
また、高低差のある低位置面及び高位置面を形成した基板に低位置面に、光半導体素子を配設するとともに、高位置面に光路変換体を配設する実装構造により、低背化を実現させることができる。
【0046】
また、本発明の光路変換体の実装構造を備えるとともに、前記光路変換体を用いて、前記光半導体素子と光ファイバの光学的接続を行う光モジュール構造により、高出力で低背な光モジュールを実現させることができる。
【0047】
なお、本発明の光路変換体を用いた光モジュールは、VCSEL等の面発光素子を用いた光送受信モジュールを想定したが、相反性より、面発光素子を受光素子として用いて、光受信用モジュールに応用したり、面発光素子と受光素子とを設けて光受発信用モジュールに適用できることは当然である。
【0048】
また、本発明の光路変換体、及びそれを用いた光モジュールの実施形態について、単独の発光/受光素子と単独の光ファイバ間の結合を考えて説明を行ったが、本発明の光路変換体に複数の半球体を配置することは至極簡単であり、すなわち、たとえばアレイ型発光素子列と光ファイバ列間の光結合についても応用できることは至極自然である。
【0049】
【実施例】
以下に、本発明をより具体化した実施例について説明する。
【0050】
図1において、光路変換体Hの基体11は単結晶シリコンを用い、フォトリソグラフィー技術並びにアルカリ水溶液を用いた異方性エッチング技術等を用いて正確に作製した。光反射面13は光路変換体Hの接合面に対し45°の傾斜をもって形成され、半球体14の半径は100μmとした。光反射面は金属蒸着法を用いて作製し、反射部のみを半球体の半径と一致させ円形状に形成した。光反射面上には硼珪クラウンガラスより成る半球体14を配置し、光路変換体Hの基体11と半球体14は透光性のエポキシ系樹脂接着剤で接合した。その他、アクリル系、シリコン系、ポリイミド系等の樹脂を用いてもよい。
【0051】
図5に示す光モジュールにおいて、基板31として単結晶シリコンを用い、VCSEL33を配設した低位置面32bはフォトリソグラフィー技術並びにアルカリ水溶液を用いた異方性エッチング技術等を用いて正確に作製した。この低位置面32bの深さは400μmとした。これは、半球体14の焦点距離、並びにVCSEL33の素子厚みにより決定したからである(焦点距離及びVCSEL33の素子厚みを200μm程度とした)。また、低位置面32bの幅は、光路変換体Hのサイズより決まるが、光路変換体Hの接合面を1mm×1mmとしたので、これより少し小さめのサイズとした。VCSEL33の実装基板である基板31上に、低位置面32bも含めて、最下層としてSiO2から成る絶縁膜を熱酸化法により形成した。
【0052】
最下層のSiO2上に、VCSEL33へ電力を供給する電気配線を、フォトリソグラフィー法及び金属蒸着法等により形成し、その上に前記金属配線の電気接続部(電極パット)を除き、上部絶縁層としてSiO2をスパッタ法で形成した。上部絶縁層上に接続用薄膜半田パターンから成る接合部34を設けた。半田薄膜材料として金錫半田を用いた。半田パターンの下地金属層としては上層/下層でAu/Pt/Tiの積層構造とした。本実施例の半田薄膜パターンは不図示としているが、VCSEL33の実装部にも同時に設けた。
【0053】
VCSEL33、光路変換体H、及び光ファイバ16の実装工程について以下に説明する。
【0054】
最初に、VCSEL33を基板31上の低位置面32bに位置決めマーカ(不図示)を用いて正確に配置され、不図示の薄膜半田を用いてVCSEL33を実装した。その後、基板31と光路変換体Hを、位置決めマーカ(不図示)を用いて位置あわせした後、基板31側の接合部34及び光路変換体H側の接合部35を圧着加熱することにより、基板31上に光路変換体Hを実装した。
【0055】
次に、光ファイバ実装用基板36を正確に基板31上へ実装し、最後に光ファイバ16を光ファイバ実装用基板36上に設けられたV溝へ配置固定することで、本発明の光路変換体Hを備えた光モジュールを完成させた。
【0056】
かくして、本実施例により、面発光素子の実装面に対し垂直方向に出射した光の光路を容易に90°変換することができ、効率よく且つ効果的に光ファイバに光入射させることができ、低背化を実現した光モジュールとすることができた。
【0057】
【発明の効果】
以上、説明したように、光通信用光路変換体によれば、傾斜反射面は入射光に対し90°の角度で光路変換させるように形成されていて且つ、傾斜反射面上に透光性を有する誘電体材料で半球体が形成されていることで、簡単な構成で光半導体素子と光ファイバとの光結合が効率良く実現される。
【0058】
また、光路変換体の傾斜反射面は、単結晶シリコンの異方性エッチングを用いて形成することで、光路変換体をきわめて容易にかつ多量に作製することができる。
【0059】
また、請求項1の光通信用光路変換体の実装構造によれば、高低差のある、低位置面及び高位置面が形成された基板に低位置面に、光半導体素子が配設されるとともに、高位置面に上記光通信用光路変換体が配設されるようにしたので、低背化を容易に実現させることができる。
【0060】
また、請求項2の光モジュールによれば、上記実装構造を備えているので、高出力で低背な光モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる光通信用光路変換体の実施形態を模式的に説明する断面図である。
【図2】本発明に用いる光通信用光路変換体に設ける半球体の光学的位置関係を模式的に説明する断面図である。
【図3】本発明に用いる光通信用光路変換体の基体を作製する単結晶シリコン基板を模式的に説明する斜視図である。
【図4】本発明に用いる光通信用光路変換体の基体を作製する方法を模式的に説明する図であり、(a)は切断前のシリコンウエハの平面図、(b)は(a)の断面図、(c)は(a)のシリコンウエハを切断してできた光路変換体基体の斜視図である。
【図5】本発明に係る光通信用光路変換体の実装構造(または光モジュール)を模式的に説明する図であり、(a)は光通信用光路変換体を実装基板上に配設する際の分解斜視図、(b)は光通信用光路変換体の実装構造(または光モジュール)の斜視図である。

Claims (2)

  1. 高低差のある、低位置面及び高位置面が形成された基板と、
    前記基板の前記低位置面に配設された、面発光を行わせる光半導体素子と、
    前記基板の前記高位置面に配設された光通信用光路変換体であって、
    柱状を成す単結晶シリコンから成る基体に、前記単結晶シリコンの異方性エッチングを用いて形成され、前記光半導体素子から、この光半導体素子の実装面に対し垂直方向に出射された光の光路を90°の角度で光路変換させる傾斜反射面を設けるとともに、該傾斜反射面に、前記光半導体素子の光出射点と同一光軸上に配置され、周囲媒質より大きな屈折率を有する透光性媒質から成る半球体を設けた光通信用光路変換体と、を含み、
    前記半球体の境界面頂点から、n2/(n1−n2)×r(ただしn1は半球体内部の屈折率,n2は周囲媒質の屈折率、rは半球体の半径)離した位置に前記光半導体素子の出射点を配置させ、前記光半導体素子からの出射光を周囲媒質と前記半球体との前記境界面で平行光に変換させたことを特徴とする光通信用光路変換体の実装構造。
  2. 請求項1に記載の光通信用光路変換体の実装構造と、
    前記半球体の前記境界面により平行光に変換された前記光半導体素子からの出射光が、前記傾斜反射面で90°光路変換され、再度前記半球体の前記境界面に達し、再び集光された結像点に光入射端が配設された光ファイバとを含むことを特徴とする光モジュール。
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