JP3810051B2 - 光記録媒体用対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

光記録媒体用対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種以上の光記録媒体に共用し得る信号記録再生用の対物レンズおよび光ピックアップ装置において、該光記録媒体への照射光が光記録媒体の種類に応じて互いに波長の異なる光とされている場合に、各光を対応する光記録媒体上に効率良く集束させることのできる対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、種々の光記録媒体が開発されており、複数種の光記録媒体を共用して記録、再生し得る光ピックアップ装置が知られている。例えば、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)とCD−R(追記型光ディスク)を1つの光ピックアップ装置を用いて記録、再生する装置が知られている。
【0003】
ところで、このような2つの光記録媒体においては、DVDについては、記録密度の向上を図るため、例えば650nm程度の可視光を使用することとなっているのに対し、CD−Rについては、可視光領域の光に対して感度を有さないため、780nm程度の近赤外光を使用する必要があり、これら両者に対して共用し得る光ピックアップ装置では2つの異なる波長の光を照射光として用いる、いわゆる2波長ビーム方式によることとなる。
【0004】
しかしながら、上述した例示における2つの光記録媒体においては両者のディスク厚が厳密に定められているため、再生または記録を行うための各波長の光に対し互いに異なる所定位置に確実に集束させる必要がある。
このような事情から、再生または記録を行う光記録媒体の種類に応じて、集束作用が互いに異なる2つの対物レンズを交換可能とするシステムが知られているが、これでは光ピックアップ装置の構造が複雑となり、コンパクト化および低廉化の要請にも反する。
【0005】
一方、近年、回折光学素子や複数輪帯領域からなる多焦点レンズを光ピックアップ装置の対物レンズ部分に用いるものが知られている(特開平8-62493号公報、特開平9-145994号公報等)。
しかしながら、上記回折光学素子を用いたものでは、回折光学素子からの、記録再生に寄与しない異なる次数の光がノイズ光となってしまう。また、上記多焦点レンズを用いたものでは、そのときの記録再生に寄与する輪帯領域以外の輪帯領域を透過した光がノイズ光となってしまう。これらのノイズ光により記録再生におけるS/N比が劣化する。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、光ピックアップ装置の構造を複雑にすることなく、2つの波長の光を各々、対応する厚みの光記録媒体の記録面に良好に集束させることができる、コンパクトかつ低廉で、S/N比が良好な光記録媒体用対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の光記録媒体用対物レンズは、光束中に配される、互いに接合された2枚構成の対物レンズであって、
該2枚のレンズは、波長に応じた屈折率変化率が互いに異なる材料により構成され、第1の記録媒体の記録再生に使用される波長λの光に対して下記条件式(1)を、第2の記録媒体の記録再生に使用される波長λの光に対して下記条件式(2)を、それぞれ満足するように構成され、かつ各レンズ面の形状が、対物レンズ全体として収差を抑制するように構成されていることを特徴とするものである。
(λ)≒ N(λ)・・・(1)
(λ)≠ N(λ)・・・(2)
ただし、
(λ)は第1レンズの波長λの光に対する屈折率
(λ)は第1レンズの波長λの光に対する屈折率
(λ)は第2レンズの波長λの光に対する屈折率
(λ)は第2レンズの波長λの光に対する屈折率
【0008】
また、本発明の光記録媒体用対物レンズは、光束中に配される、隣接するレンズが互いに接合された3枚構成の対物レンズであって、
該3枚のレンズのうち、少なくとも隣接するレンズは、波長に応じた屈折率変化率が互いに異なる材料により構成され、第1の記録媒体の記録再生に使用される波長λの光に対して下記条件式(3)を、第2の記録媒体の記録再生に使用される波長λの光に対して下記条件式(4)を、それぞれ満足するように構成され、かつ各レンズ面の形状が、対物レンズ全体として収差を抑制するように構成されていることを特徴とするものである。
(λ)≒ N(λ)および N(λ)≒ N(λ)・・・(3)
(λ)≠ N(λ)および N(λ)≠ N(λ)・・・(4)
ただし、
(λ)は第1レンズの波長λの光に対する屈折率
(λ)は第1レンズの波長λの光に対する屈折率
(λ)は第2レンズの波長λの光に対する屈折率
(λ)は第2レンズの波長λの光に対する屈折率
(λ)は第3レンズの波長λの光に対する屈折率
(λ)は第3レンズの波長λの光に対する屈折率
【0009】
また、前記2枚のレンズの接合面を非球面とすることも可能である。
さらに、本発明の光ピックアップ装置は、上述した光記録媒体用対物レンズを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
まず、図11を用いて本発明の実施形態に係る光記録媒体用対物レンズを用いた光ピックアップ装置について説明する。
【0011】
この光ピックアップ装置では、LD電源11Aからの電力供給により半導体レーザ11B、11Cから出力されたレーザ光12がハーフミラー13により反射され、コリメータレンズ4により平行光とされ、対物レンズ5により集束光とされて光ディスク6の記録領域6P上に照射される。なお、半導体レーザ11Bは、CD−R(追記型光ディスク)用の、波長780nm程度の近赤外域のレーザ光を出力する光源であり、半導体レーザ11Cは、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)用の、例えば波長650nmの可視域のレーザ光を出力する光源であり、ハーフミラー11Dを介していずれかの半導体レーザ11B、11Cから出力されたレーザ光12がハーフミラー13に照射されるようになっている。また、LD電源11Aと半導体レーザ11B、11Cとの間には切替スイッチ11Eが配されており、この切替スイッチ11Eの操作によりいずれかの半導体レーザ11B、11Cに電力が供給されるようになっている。
【0012】
上記記録領域6Pには信号情報を担持したピットがトラック状に配列されるようになっており、この記録領域6Pからの上記レーザ光12の再生反射光は信号情報を担持した状態で対物レンズ5およびコリメータレンズ4を介してハーフミラー13に入射し、このハーフミラー13を透過して4分割のフォトダイオード7に入射する。このフォトダイオード7では分割された4つのダイオード位置の各受光量を演算してデータ信号、およびフォーカスとトラッキングの各エラー信号を得る。
【0013】
なお、ハーフミラー13は光ディスク6からの戻り光の光路に対して45°傾いた状態で挿入されているのでシリンドリカルレンズと同等の作用をなし、このハーフミラー13を透過した光ビームは非点収差を有することとなり、4分割のフォトダイオード7上におけるこの戻り光のビームスポットの形状に応じてフォーカスのエラー量が決定されることとなる。なお、上記コリメータレンズ4は状況に応じて省略することも可能であり、さらに半導体レーザ11B、11Cとハーフミラー13との間にグレーティングを挿入して3ビームによりトラッキングエラーを検出することも可能である。
【0014】
このように本実施形態の光ピックアップ装置では、CD−RとDVDのいずれの光ディスク6についても信号の記録再生が可能となるように構成されている。なお、CD−R,DVDは共にPC(ポリカーボネート)からなる保護板を有している。
【0015】
ところで、上記CD−Rは幾何学的厚みが1.2 mmに規格統一されており、屈折率が1.55のものが多く使用されている。また、上記DVDは幾何学的厚みが0.6 mm、屈折率が1.58のものが多く使用されているため、これらいずれの光ディスク6についても確実にフォーカシングをなすべく、記録再生を行うための各波長の光に対し互いに異なる集束作用を有する構成を設ける必要がある。
そこで、上記光ピックアップ装置においては、図11に示す如く、波長による屈折率変化率の異なる複数枚のレンズ1、2を接合してなる、各波長に応じて集束位置が変化する対物レンズ5を設け、CD−RおよびDVDの記録再生を共用することができるように構成している。
【0016】
すなわち、DVDが所定位置(ターンテーブル上)に配されてその記録再生が行われる場合には、半導体レーザ11Cからの波長650nm(λ)のレーザ光12が略平行光とされた状態で対物レンズ5に入射することになるが、入射するレーザ光12は、この対物レンズ5によりDVDの記録面上に集束せしめられることになる。
【0017】
一方、CD−Rが所定位置(ターンテーブル上)に配されてその記録再生が行われる場合には、半導体レーザ11Bからの波長780nm(λ)のレーザ光12が略平行光とされた状態で対物レンズ5に入射することになるが、入射するレーザ光12は、この対物レンズ5によりCD−Rの記録面上に集束せしめられることになる。
【0018】
ここで対物レンズ5は、波長に応じた屈折率変化率が互いに異なる複数のレンズを有する複合レンズからなる。
以下、上述した対物レンズ5を実施例1〜5により具体的に説明する。
【0019】
【実施例】
<実施例1>
図1(A)に示されるようにDVD6Aが所定位置(ターンテーブル上)に配されてその記録再生が行われる場合には、波長650nm(λ)のレーザ光12が略平行光とされた状態で対物レンズ5に入射することになるが、入射するレーザ光12は、この対物レンズ5によりDVD6Aの記録面上に集束せしめられる。一方、図1(B)に示されるようにCD−R6Bが所定位置(ターンテーブル上)に配されてその記録再生が行われる場合には、波長780nm(λ)のレーザ光12が略平行光とされた状態で対物レンズ5に入射することになるが、入射するレーザ光12は、この対物レンズ5によりCD−R6Bの記録面上に集束せしめられる。
【0020】
実施例1における対物レンズ5は、光源側から順に、光源側に非球面(下記非球面式で示される。以下の非球面においても同じである。)の凸面を向け、光集束側に曲率の強い凸面を向けた両凸レンズ1と、光源側に凹面を向け、光集束側に略平面に近い非球面を向けた負のメニスカスレンズ2とを接合してなる。なお、接合面は球面である。対物レンズ5の表裏面を非球面で構成することにより収差補正の設計自由度および補正の効果を大幅に向上することが可能である。
【0021】
【数1】
Figure 0003810051
【0022】
下記表1の上段には、実施例1に係る対物レンズ5のレンズデータ(曲率半径R、面間隔Dおよびλ=650nm、780nmに対する屈折率N)が示されている。
【0023】
この表1から明らかなように、対物レンズを構成する2つのレンズ1、2の屈折率は、波長λが650nm(λ)の光に対しその差が0.00057と互いに極めて近似しているものの、波長λが780nm(λ)の光に対し0.011とされている。これにより、波長λが650nmの光について両レンズ1、2の界面(接合面)における屈折は無視できる程度となるから、対物レンズ5全体としての球面収差を小さくするための設計において、この接合面の設計は、波長780nmの光のみを考慮して行なえばよいこととなる。すなわち、本実施例においては、対物レンズ5を構成する2つのレンズ1、2のレンズ硝材を巧妙に組み合わせることで、使用する2波長の光のうち一方の光のみに対するレンズ曲率の調整により球面収差の小さいDVD/CD−R共用の対物レンズ5を構成するようにしている。
【0024】
【表1】
Figure 0003810051
【0025】
また、上記表1の中段には、各非球面の非球面係数が示されている。
さらに、表1の下段には、光記録媒体としてDVDおよびCD−Rをセットした各場合における、対物レンズ5の焦点距離、対物レンズ5への入射光束径および対物レンズ5の開口数の各値を示す。
【0026】
<実施例2>
実施例2における対物レンズ5は、図2に示されるように、光源側から順に、光源側に非球面の凸面を向け、光集束側に凹面を向けた負のメニスカスレンズ2aと、光源側に強い曲率の凸面を向け、光集束側に略平面に近い非球面を向けた正レンズ1aとを接合してなる。なお、接合面は球面とされている。
【0027】
表2の上段には、実施例2に係る対物レンズ5のレンズデータ(曲率半径R、面間隔Dおよびλ=650nm、780nmに対する屈折率N)が示されている。
この表2から明らかなように、対物レンズを構成する2つのレンズ1a、2aの屈折率は、波長λが650nm(λ)の光に対しその差が0.00057と極めて近似しているものの、波長λが780nm(λ)の光に対し0.011とされている。これによる作用効果は実施例1と略同様である。
【0028】
【表2】
Figure 0003810051
【0029】
また、上記表2の中段には、各非球面の非球面係数が示されている。
さらに、表2の下段には、光記録媒体としてDVDおよびCD−Rをセットした各場合における、対物レンズ5の焦点距離、対物レンズ5への入射光束径および対物レンズ5の開口数の各値を示す。
【0030】
<実施例3>
実施例3における対物レンズ5は、図3に示されるように、光源側から順に、光集束側に曲率の強い凸面を向けた両凸レンズ1bと、光源側に凹面を向けた負のメニスカスレンズ2bとを接合してなる。なお、接合面を含む全てのレンズ面は非球面とされている。
【0031】
表3の上段には、実施例3に係る対物レンズ5のレンズデータ(曲率半径R、面間隔Dおよびλ=650nm、780nmに対する屈折率N)が示されている。
この表3から明らかなように、対物レンズを構成する2つのレンズ1b、2bの屈折率は、波長λが650nm(λ)の光に対しその差が0.00016と極めて近似しているものの、波長λが780nm(λ)の光に対し0.01以上の値とされている。これによる作用効果は実施例1と略同様である。
【0032】
【表3】
Figure 0003810051
【0033】
また、上記表3の中段には、各非球面の非球面係数が示されている。
さらに、表3の下段には、光記録媒体としてDVDおよびCD−Rをセットした各場合における、対物レンズ5の焦点距離、対物レンズ5への入射光束径および対物レンズ5の開口数の各値を示す。
【0034】
<実施例4>
実施例4における対物レンズ5は、図4に示されるように、光源側から順に、光源側に凸面を向けた負のメニスカスレンズ2Cと、光源側に強い曲率の面を向けた両凸レンズ1Cとを接合してなる。なお、接合面を含む全てのレンズ面は非球面とされている。
【0035】
表4の上段には、実施例4に係る対物レンズ5のレンズデータ(曲率半径R、面間隔Dおよびλ=650nm、780nmに対する屈折率N)が示されている。
この表4から明らかなように、対物レンズを構成する2つのレンズ1C、2Cの屈折率は、波長λが650nm(λ)の光に対しその差が0.00016と極めて近似しているものの、波長λが780nm(λ)の光に対し0.01以上の値とされている。これによる作用効果は、実施例1と略同様である。
【0036】
【表4】
Figure 0003810051
【0037】
また、上記表4の中段には、各非球面の非球面係数が示されている。
さらに、表4の下段には、光記録媒体としてDVDおよびCD−Rをセットした各場合における、対物レンズ5の焦点距離、対物レンズ5への入射光束径および対物レンズ5の開口数の各値を示す。
【0038】
<実施例5>
実施例5における対物レンズ5は、図5に示されるように、光源側から順に、光源側に凸面を向けた負のメニスカスレンズ2dと、光源側に曲率の強い凸面を向けた両凸レンズ1dと、光源側に凹面を向けた負のメニスカスレンズ3dとを順に接合してなる。なお、対物レンズ5の両側面は非球面であり、接合面は球面である。
【0039】
表5の上段には、実施例5に係る対物レンズ5のレンズデータ(曲率半径R、面間隔Dおよびλ=650nm、780nmに対する屈折率N)が示されている。
この表5から明らかなように、対物レンズを構成する3つのレンズ1d、2d3dの屈折率は、波長λが650nm(λ)の光に対し接合されているレンズ同士の差が0.00016と極めて近似しているものの、波長λが780nm(λ)の光に対しては、その差が0.01以上の値とされている。これによる作用効果は上記2枚構成の実施例の場合と略同様である。
【0040】
【表5】
Figure 0003810051
【0041】
また、上記表5の中段には、各非球面の非球面係数が示されている。
さらに、表5の下段には、光記録媒体としてDVDおよびCD−Rをセットした各場合における、対物レンズ5の焦点距離、対物レンズ5への入射光束径および対物レンズ5の開口数の各値を示す。
【0042】
図6〜10は、それぞれ上記実施例1〜5の波面収差図を示すものであり、いずれの実施例においてもDVDおよびCD−Rがともに良好とされていることが明らかである。
なお、本発明の対物レンズとしては上述した実施形態のものに限られず種々の態様の変更が可能であり、レンズを形成する材料としては、例えばプラスチック材料を使用することができる。さらに、熱や光によって硬化する樹脂を用いれば、この樹脂を一方のレンズに貼付しつつ、所望の形状に成形することで、一方のレンズに接合する薄肉レンズを形成することが可能である。
【0043】
また、レンズ接合面の形状を決定するにあたっては、波長が例えば780nm(λ)の光に対してもNA=0.6 程度までの性能保証がなされれば、DVDとCD−Rの明るさを調整するための特別の絞り(液晶シャッタや波長選択性のあるフィルタ等)は不要である。
また、本発明の光ピックアップ装置としても、記録、再生対象となる光記録媒体としてはDVDとCD−Rに限られず、使用波長域の仕様が互いに異なる2つの光記録媒体を共通の光ピックアップ装置で記録、再生する場合に適用できる。
【0044】
また、上記実施形態に係る光ピックアップ装置は互いに異なる波長の光を出力する各光源を設けているが、これに代えて2つの異なる波長の光を出力し得る1つの光源を設けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態のものではλを650nm、λを780nmとしているが、λを780nm、λを650nmとしても上記と同等の作用効果を得ることが可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の光記録媒体用対物レンズおよびこれを用いた光ピックアップ装置によれば、該対物レンズを構成する隣接レンズが互いに屈折率変化率が異なる材料により構成され、波長λの光に対して屈折率が略同等となるように、かつ波長λの光に対して屈折率が相違するように構成され、かつ前記各レンズの形状が、対物レンズ全体として収差を抑制するように構成されている。
すなわち、屈折率は光の波長によって変化するものであり、接合レンズまたは対向面が極めて近接したレンズの場合は、この接合面や対向面において光が屈折し、2つの波長に対してであっても、その収差が良好となるレンズ形状を見つけ出すことは極めて困難である。
【0046】
そこで、本発明においては、一方の波長においてのみ、2つのレンズの屈折率が略同等となるようにレンズの形成材料を選択し、上記接合面における光の屈折による収差量の変動は、他方の波長のみを考慮すればよいことに着目し、この接合面の形状を選択することにより、2つの波長の光を各々、対応する厚みの光記録媒体の記録面に収差が良好に補正された状態で集束させることを可能としている。
したがって、従来の光記録媒体用対物レンズや光ピックアップ装置のように、収差を良好とするために、装置が大型化したり、その構造が複雑になったり、製造コストが高価になったりするおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る対物レンズをDVDに用いた場合の様子を示す概略図(A)およびCD−Rに用いた場合の様子を示す概略図(B)
【図2】本発明の実施例2に係る対物レンズをDVDに用いた場合の様子を示す概略図(A)およびCD−Rに用いた場合の様子を示す概略図(B)
【図3】本発明の実施例3に係る対物レンズをDVDに用いた場合の様子を示す概略図(A)およびCD−Rに用いた場合の様子を示す概略図(B)
【図4】本発明の実施例4に係る対物レンズをDVDに用いた場合の様子を示す概略図(A)およびCD−Rに用いた場合の様子を示す概略図(B)
【図5】本発明の実施例5に係る対物レンズをDVDに用いた場合の様子を示す概略図(A)およびCD−Rに用いた場合の様子を示す概略図(B)
【図6】本発明の実施例1の波面収差を示す収差図
【図7】本発明の実施例2の波面収差を示す収差図
【図8】本発明の実施例3の波面収差を示す収差図
【図9】本発明の実施例4の波面収差を示す収差図
【図10】本発明の実施例5の波面収差を示す収差図
【図11】本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置を示す概略図
【符号の説明】
4 コリメータレンズ
5 対物レンズ
6 光ディスク
6A DVD
6B CD−R
6P 記録領域(記録面)
7 4分割フォトダイオード
11A LD電源
11B、11C 半導体レーザ
11D、13 ハーフミラー
11E 切替スイッチ
12 レーザ光

Claims (4)

  1. 光束中に配される、互いに接合された2枚構成の対物レンズであって、
    該2枚のレンズは、波長に応じた屈折率変化率が互いに異なる材料により構成され、第1の記録媒体の記録再生に使用される波長λの光に対して下記条件式(1)を、第2の記録媒体の記録再生に使用される波長λの光に対して下記条件式(2)を、それぞれ満足するように構成され、かつ前記各レンズの形状が、対物レンズ全体として収差を抑制するように構成されていることを特徴とする光記録媒体用対物レンズ。
    (λ)≒ N(λ)・・・(1)
    (λ)≠ N(λ)・・・(2)
    ただし、
    (λ)は第1レンズの波長λの光に対する屈折率
    (λ)は第1レンズの波長λの光に対する屈折率
    (λ)は第2レンズの波長λの光に対する屈折率
    (λ)は第2レンズの波長λの光に対する屈折率
  2. 光束中に配される、隣接するレンズが互いに接合された3枚構成の対物レンズであって、
    該3枚のレンズのうち、少なくとも該隣接するレンズは、波長に応じた屈折率変化率が互いに異なる材料により構成され、第1の記録媒体の記録再生に使用される波長λの光に対して下記条件式(3)を、第2の記録媒体の記録再生に使用される波長λの光に対して下記条件式(4)を、それぞれ満足するように構成され、かつ前記各レンズの形状が、対物レンズ全体として収差を抑制するように構成されていることを特徴とする光記録媒体用対物レンズ。
    (λ)≒ N(λ)および N(λ)≒ N(λ)・・・(3)
    (λ)≠ N(λ)および N(λ)≠ N(λ)・・・(4)
    ただし、
    (λ)は第1レンズの波長λの光に対する屈折率
    (λ)は第1レンズの波長λの光に対する屈折率
    (λ)は第2レンズの波長λの光に対する屈折率
    (λ)は第2レンズの波長λの光に対する屈折率
    (λ)は第3レンズの波長λの光に対する屈折率
    (λ)は第3レンズの波長λの光に対する屈折率
  3. 前記2枚のレンズの接合面が非球面とされていることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体用対物レンズ。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の光記録媒体用対物レンズを備えていることを特徴とする光ピックアップ装置。
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