JP3809929B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定入賞口への遊技球の入賞により3列の可変表示領域に確率変動図柄を含む複数の図柄を可変表示可能な可変表示装置を備え、該可変表示装置における可変表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、大当り)を発生可能であるとともに、前記確率変動図柄によって前記特定表示結果となった場合に、前記特別遊技状態の終了後に前記特別遊技状態の発生確率を通常よりも高確率にする確率変動状態を発生可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可変表示装置(例えば、画像表示装置)を備えた遊技機としては、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、スロットマシン等がある。
このような遊技機で用いられる画像表示装置は、複数の識別情報を可変表示可能な構成であり、例えば、液晶表示装置やCRT表示装置が知られている。このような遊技機においては、始動条件の成立に基づき画像表示装置における例えば3桁の表示部で数字や図柄等の複数の識別情報を可変表示させて、その可変表示が停止したときの停止態様が所定の態様(例えば「7」、「7」、「7」等のいわゆるゾロ目)であった場合に大当り状態として遊技球の獲得しやすい状態が発生している。
【0003】
従来の画像表示装置における表示部では、連続した図柄や数字を1個や2個あるいは3個だけ表示部から見えるように表示し、可変表示状態から停止状態に変化する際には各桁で高速スクロール状態からスロースクロール状態へと可変速度が変化し、予め定められたコマ数コマ送りされて停止し、どの図柄で停止するのかが把握しやすくなっている。
また、各桁の数字や図柄は配置が予め定まっており、例えば16個の図柄が遊技者のわかりやすいように数字順に並んでいて、最後の図柄の後は再び最初の図柄へと可変表示する際にはエンドレスに表示するようになっている。
毎回の遊技ゲームでは、各桁の各図柄は停止するまで順番にそれぞれ何周かしてから停止するようになっている。
【0004】
上記3桁の表示部を順に停止させる際に、2桁目の表示部が停止した時点で、例えば「7、7、一」(一は未だ変動中)等のゾロ目の停止の可能性が発生した場合に、リーチスクロールとして最終停止表示部(3桁目の表示部)におけるスクロールを長時間(例えば、当たり図柄が2、3巡回してくるように)スクロールして、大当たり発生への期待感を高めるようにする場合が多い。
さらに、画像表示装置に表示する複数の識別情報(例えば16図柄)のうち、所定数(例えば、8図柄)を特定図柄に設定して、その特定図柄がゾロ目で停止した場合には、大当り終了後に次の大当りが発生するまで、大当りの発生率(ゾロ目の停止の発生率)を高確率状態にする確率変動状態を発生可能にした遊技機や、特定図柄での大当たり終了後に補助遊技(普通図柄可変表示装置で行う遊技ゲーム)の当たり回数を増加させて始動口への入賞を増加させる普図時間短縮状態を発生可能にする遊技機も一般的である。
【0005】
また、識別情報の中に、どの図柄とでも組み合わせられるオールマイティー図柄を予め最終位置に配列している遊技機も存在する。
通常、上記オールマイティー図柄に設定された識別情報は、他の識別情報(一般に他図柄)と異なった形状や色彩にして、リーチ時等に遊技者に識別しやすくしており、ゾロ目、オールマイティー図柄を含んだ大当り図柄を通常の図柄の外れ図柄と判別しやすくしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、可変表示装置(例えば、画像表示装置)を備えた従来の遊技機にあっては、以下のような問題点があった。
(イ)可変表示装置で複数の図柄の配列順(1・2・3‥・等)が予め決まってしまっていると、第2停止図柄の停止の際(リーチになるかどうかのとき)には、第2停止図柄がスロースクロールになってからのコマ送り数を数えることで、即座にリーチになるかどうかを判別できる(コマ送り数を配列順で足し算することで判別可能)ので、第1停止図柄と関係のない図柄で停止しようとしている場合、変動中であっても瞬時に変動表示ゲームの結果が分かってしまうことになって、ゲームの面白みが無くなってしまうという欠点があった。
【0007】
(ロ)第3停止図柄が停止する際(例えば、リーチ時であれば大当たりになるかどうかのとき)には、スロースクロールになっても、大当りに該当する図柄が大当り停止ラインを過ぎていってしまうと、配列順に1周して戻ってくるまで長い間期待しながら待たなければならなかった。したがって、緊張状態を維持しながら、大当りへの期待感を持つという状態が低減(例えば、遊技のドキドキ感が減少)していた。
(ハ)予め定められた図柄配列にオールマイティー図柄が存在していると、リーチや大当たりへの期待度はオールマイティー図柄が無いゲームより大きいが、図柄の配置が予め分かっていることから、当然にオールマイティー図柄の位置も分かっており、そのため緊張感の無いゲームになっていた。すなわち、大当りへの期待感が図柄の配置により単純化する傾向にあり、大当りを期待できるタイミングが同じようになって、ゲームの幅が狭まっていた。
【0008】
(ニ)予め配列が決められて図柄配列に変化がないことから、リーチの種類や大当り図柄の数に変化が無く、遊技ゲームに飽きがきやすいという欠点があった。特に、遊技者が長時間ゲームを続けると飽きやすくなっていた。
【0009】
そこで本発明は、大当りへの期待感に変化があって、ゲームの面白みが増して飽きのこない遊技機を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、特定入賞口への遊技球の入賞により3列の可変表示領域に確率変動図柄を含む複数の図柄を可変表示可能な可変表示装置を備え、該可変表示装置における可変表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能であるとともに、前記確率変動図柄によって前記特定表示結果となった場合に、前記特別遊技状態の終了後に前記特別遊技状態の発生確率を通常よりも高確率にする確率変動状態を発生可能な遊技機において、
前記可変表示装置における可変表示の制御をするとともに、可変表示する複数の図柄のうちのいずれかの図柄に所定識別情報を付加することにより、図柄の価値を変化させて特別図柄に変換する図柄変換手段を備え、
前記特別図柄は、
図柄の組み合わせを増やすとともに、見かけ上、特定表示結果の組み合わせを増加させ、リーチ頻度、大当り頻度を上げるような態様を演出可能なように、すべての図柄の意味を兼ね備えるオールマイティー図柄であり、
前記図柄変換手段は、
前記特定入賞口への入賞タイミングで、前記特別図柄への変換を行うか否かの判定をするための第1乱数、およびどの図柄を前記特別図柄に変換させるかの決定をするための第2乱数を取得し、図柄の可変表示時に、前記第2乱数によって前記特別図柄に変換される図柄を決定するとともに、前記第1乱数の判定により前記特別図柄への変換を行うか否かを決定するよう構成され、
前記第1乱数の判定により前記特別図柄への変換が決定した場合には、前記可変表示装置での図柄の可変表示開始後に、前記第2乱数により決定した図柄に所定識別情報を付加するための変動表示を行わせ、該変動表示の結果として前記3列の可変表示領域のうち第1に停止する列で可変表示する図柄を前記特別図柄に変換することを特徴とする。
【0011】
請求項1に従属する請求項2記載の発明は、前記特別図柄は、
変換される前の図柄の意味が判別可能で、かつ特別図柄であることが判別できるように変換前の図柄に特別図柄を示す所定識別情報を付加したものであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態をパチンコ遊技機に適用した例として図面を参照して説明する。
A.遊技盤の構成
図1はパチンコ遊技を行う遊技機の遊技盤を示す正面図である。図1において、1は遊技盤であり、前面の略円形領域がガイドレール2で囲まれることにより遊技領域3が形成されている。
【0013】
この遊技領域3には、複数の識別情報(以下、特別図柄、或いは特図という)を複数列(本実施の形態では3列)の可変表示領域を有する変動表示部4aに変動表示する特別図柄可変表示装置4(可変表示装置)と、開閉扉により開閉される大入賞口5aを有する特別変動入賞装置5と、左右一対の開閉部材を有し特図始動口として機能する普通変動入賞装置6(いわゆる普電と呼ばれるもの)と、後述する普通図柄(以下、普図という)を表示する普通図柄可変表示装置7と、スルーチャッカー形式の普通図柄始動口8と、一般入賞口9〜11と、風車と呼ばれる打球方向変換部材12(図面では煩雑になるので、1つのみ符号を付けている)と、サイドランプ13、14と、アウト穴15などが備えられている。
【0014】
そして、普通変動入賞装置6内の入賞流路には特図始動スイッチ21(図2参照、以下図1に示されていないものは同様)が、普通図柄始動口8内の通過流路には普図始動スイッチ22が、それぞれ設けられている。また、特別変動入賞装置5の大入賞口5a内における、継続入賞流路には継続スイッチ23が、一般入賞流路にはカウントスイッチ24がそれぞれ設けられている。
また、特別図柄可変表示装置4の上部側には4個の特図始動記憶表示器25が設けられている。また、普通図柄可変表示装置7の周囲には、この場合4個の普図始動記憶表示器26が設けられている。
【0015】
ここで、特別図柄可変表示装置4は、カラーで特図の静止画および変動画が表示可能な、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、CRTであってもよい。この特別図柄可変表示装置4に表示される画像表示情報(特図)としては、例えばリールという回転ドラム上に数字および区切りマークからなる識別情報を表示してもよいし、あるいはその他の図柄を表示してパチンコゲームを行うようにしてもよい。
普通図柄可変表示装置7は、例えば、一桁の数字を表示する7セグメントの表示部を有し液晶又はLED等よりなる表示器であり、この場合上記普通図柄(普図)は、一桁の数字である。
【0016】
また、始動記憶表示器25、26は、後述するように特図或いは普図の始動記憶の数を表示するものである。
また、特図始動スイッチ21は、普通変動入賞装置6に球が入賞したことを検出し、普図始動スイッチ22は、普通図柄始動口8を球が通過したことを検出し、カウントスイッチ24は、特別変動入賞装置5の大入賞口5aに入った球のうち一般入賞した球を検出し、継続スイッチ23は、大入賞口5aに入った球のうちいわゆる継続入賞(V入賞)した球を検出する。
【0017】
なお、遊技盤1の遊技領域3には、通常天釘やヨロイ釘といった多数の障害釘が設けられるが、ここでは繁雑になるので図示省略している。また、同様に図示省略しているが、遊技盤1には、その他の各種装飾ランプや、LED等が設けられていてもよい。
また本発明では、遊技盤における遊技領域はどのようなものでもよく、可変表示装置(ここでは特別図柄可変表示装置4)を使用してその複数の可変表示領域(変動表示部4a)に複数の識別情報(オールマイティー図面を含む)を可変表示可能であり、これら複数列の変動表示部4aの可変表示遊技の結果が予め定めた特定表示結果(例えば、「2」、「2」、「2」のゾロ目図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、大当り状態)を発生可能な遊技機であれば、任意の構成を取り得る。
【0018】
例えば、可変表示装置の図柄内容を変化させてゲームを行うもので、可変表示装置の表示態様が予め定められた特定表示結果になった場合に、変動入賞装置を開放し内部の権利発生入賞口へ入賞があったときに大当りの権利が発生する「第3種」に属するパチンコ機、あるいは可変表示装置の表示態様が予め定められた特定表示結果になった場合に、所定数の変動入賞装置の連動動作の開始条件を付与する他種タイプに属するパチンコ機であっても、本発明を適用することができる。
なお、本実施の形態ではいわゆる「第1種」に属するタイプのものに、本発明を適用した例を説明する。
【0019】
B.制御系の構成
次に、遊技機における制御系の構成について説明する。
図2は遊技機における制御系の全体構成を示すブロック図である。図2において、この制御系は大きく分けると、遊技制御装置100と、表示制御装置200を初めとするその他の周辺装置等によって構成される。
遊技制御装置100は、マイクロコンピュータを含む回路で、例えば遊技盤1の裏面に取付けられたボードユニットにより実現されている。また、表示制御装置200は、例えば遊技盤1に設けられた特別図柄可変表示装置4の裏面側に取付けられた回路基板により実現されている。
【0020】
この遊技制御装置100は、パチンコ遊技等に必要な役物制御を行うワンチップマイコンからなる役物用IC111と、水晶の発振周波数を分周して役物用IC111の基本クロックを得るクロック回路112と、役物用IC111等に必要な電源を供給する電源回路113と、各種信号の入出力処理を行うI/Oインターフェース回路114とによって構成される。
なお、役物用IC111は、演算処理を行うCPU121、役物制御の制御プログラム等を格納しているROM122およびワークエリアの設定や制御に必要なデータの一時記憶等を行うRAM123を内蔵している。
【0021】
I/Oインターフェース回路114には、前述の特図始動スイッチ21、普図始動スイッチ22、カウントスイッチ24、継続スイッチ23、および排出制御装置124からの信号が入力されているとともに、必要に応じてI/Oインターフェース回路114から排出制御装置124に制御信号が出力される。
排出制御装置124は、球の入賞や役物の賞態様に応じて排出装置(図示略)を駆動して遊技球を排出する制御を行うものである。
また、I/Oインターフェース回路114からは、特別変動入賞装置5の大入賞口5a(開閉扉)の開閉動作を駆動するソレノイド、特図始動記憶表示器25、普図始動記憶表示器26、普通図柄可変表示装置7、普通変動入賞装置6を駆動するソレノイド、各種装飾ランプ・LED125(サイドランプ13、14、装飾LED等を含む)、音制御基板126、表示制御装置200、および遊技盤外部情報端子基板127に制御信号が出力される。
【0022】
音制御基板126は、遊技に必要な効果音を生成する(あるいは音声合成を行ってもよい)サウンドジェネレータ131と、サウンドジェネレータ131からの音声信号を増幅して遊技機の所定箇所に配設されたスピーカー132に出力するアンプ133を含んで構成される。
表示制御装置200は、役物用IC111からこの場合8ビットの表示用制御信号を受けて特別図柄可変表示装置4の表示制御(コマンド制御)を行うもので、後述の図13にそのコマンドの内容を示す。この場合、図柄価値変化変動の動作は、通常図柄をオールマイティー図柄に変化させるためのものである。表示制御装置200は画像表示制御用のCPU、ROM、RAMおよび画像用のVDP、フォントROM等を含んで構成される。特別図柄可変表示装置4は表示制御装置200からの表示制御用の信号に基づいて複数の識別情報(特図)を複数列で変動表示する。なお、表示制御装置200から特別図柄可変表示装置4に対しては、バックライト用電源や、液晶表示用電源が供給されているとともに、グランドラインが接続されている。
【0023】
遊技盤外部情報端子基板127は遊技制御装置100から外部の管理装置134に各種信号(例えば、大当り信号等)を出力するもので、外部情報端子135を有している。管理装置134はホール全体の遊技機、島設備等を管理するもので、遊技盤外部情報端子基板127を介して遊技制御装置100から各種信号(例えば、大当り信号等)が入力され、入力された各種信号に基づいて営業上の必要なデータを演算処理し、処理したデータを必要に応じてディスプレイに表示したり、印刷したりする。また、管理装置134は、例えば遊技機の獲得出球を監視し、打ち止め信号等を遊技機に出力したり、店内放送をしたりする。
【0024】
ここで、遊技制御装置100および表示制御装置200は全体として識別情報変換手段を構成し、また、遊技制御装置100、表示制御装置200および特別図柄可変表示装置4は全体として特別識別情報表示手段を構成する。
識別情報変換手段は、特定条件が成立(例えば、後述のように図柄変換遊技決定用乱数を抽出してオールマイティー図柄に変化させることが決定のとき)した場合、可変表示するいずれかの識別情報(通常図柄)に所定識別情報(後述のスターマーク)を付加して特別識別情報(オールマイティー図柄)に変換する。この場合、識別情報変換手段は、特定入賞口(特図始動口として機能する普通変動入賞装置6)への入賞タイミングで特別識別情報(オールマイティー図柄)への変換を行う乱数(図柄変換遊技決定用乱数)を取得し、識別情報(ここでは特図)の可変表示時に該乱数を判定して特別識別情報(オールマイティー図柄)への変換を行うか否かを判断するようになっている。
また、特別識別情報表示手段は、識別情報変換手段により変換された特別識別情報(オールマイティー図柄)を含めた識別情報(特図)を特別図柄可変表示装置4に可変表示する。
【0025】
ここで、オールマイティー図柄(特別識別情報)は、すべての識別情報(通常図柄)の意味を兼ね備えるオールマイティー識別情報であり、識別情報の組み合せを増やすとともに、見かけ上、特定表示結果(大当りとなる表示結果)の組み合わせを増加させ、リーチ頻度、大当り頻度を上げるような態様を演出可能になっている。
また、オールマイティー図柄(特別識別情報)は、変換される前の識別情報(通常図柄)の意味を判別することが可能で、かつオールマイティー図柄(特別識別情報)であることが判別できるように変換前の識別情報(通常図柄)に特別識別情報を示す情報(後述のスターマーク)を付加したものになっている。
【0026】
C.遊技の概要
次に、遊技制御装置100の制御フローを説明する前に、本実施の形態の遊技機で行われる遊技の概要について説明する。
ガイドレール2を介して遊技領域中に打込まれた遊技球が、特別図柄始動口を兼ねた普通変動入賞装置6に入賞すると、特別図柄可変表示装置4の変動表示部4aの複数の領域において多数の識別情報(数字、文字、記号、図柄等よりなるもの)が移動(スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、変動表示ゲーム(画像変動遊技)が行われる。そして、この変動表示ゲーム結果としての停止表示態様が所定の態様(例えば、「7、7、7」などのゾロ目の特定表示結果)であれば、大当りと呼ばれる特別遊技状態が発生する。
【0027】
この特別遊技状態(大当り)が発生すると、特別変動入賞装置5の開閉扉が、例えば30秒程度(或いは、例えば最大で10個入賞までの期間)開放される特別遊技が行われる。この特別遊技のサイクルは、各サイクル中、大入賞口5a内の継続入賞領域を遊技球が通過することを条件に、例えば、最大で16サイクルまで継続して行われる。
ここで、本実施の形態では、特定条件が成立(図柄変換遊技決定用乱数を抽出してオールマイティー図柄に変化させることを決定)した場合、いずれかの識別情報(通常図柄)に所定識別情報(スターマーク)を付加してオールマイティー図柄に変換することが行われる。
【0028】
また、特定の図柄で大当りとなった場合には、大当り確率を高めて大当りを以後1回当りやすくする遊技(確率変動遊技)も行われ、所定期間だけその後の大当りの確率を通常よりも高確率に設定することが行われる。さらに、上記特図の変動表示ゲーム中又は特別遊技中に、普通変動入賞装置6にさらに遊技球が入賞したときには、特図始動記憶表示器25が点灯して例えば4個まで記憶され、特図の変動表示ゲーム又は特別遊技の終了後に、その記憶に基づいて上記特図の変動表示ゲームが繰返される。
【0029】
一方、遊技中に、遊技球が普通図柄始動口8に入賞(通過)したときは、普通図柄可変表示装置7の識別情報(この場合、一桁の数字)の変動表示による普図の変動表示ゲームが行われる。そして、この変動表示ゲーム結果としての停止表示態様が所定の態様(例えば、「7」)であれば、普図当りと呼ばれる遊技価値が発生する。
この遊技価値(普図当り)が発生すると、普通変動入賞装置6の一対の開閉部材が逆ハの字に開いた開放状態に、例えば0.5秒程度保持される特定遊技が行われる。これにより、普通変動入賞装置6に遊技球が入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当り発生の可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普通図柄始動口8にさらに遊技球が入賞したときには、普図始動記憶表示器26が点灯して例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰返される。
【0030】
大当り確率を高めて大当りを以後1回当りやすくする遊技(確率変動遊技)と、普図の変動表示ゲームの他には、さらに所定の特殊遊技が行われたりする。その他の特殊遊技は、例えば特図の変動表示ゲームが50回行われるまでの期間だけ普図の変動表示ゲームの変動時間を短縮するなどの、いわゆる普図時短制御又は普図即止め制御(或いは両者の併用)による遊技状態がある。
なおここで、普図時短制御とは、普図の変動表示ゲームの変動時間が通常は、例えば60秒程度であるところを6秒程度に短縮する制御であり、また普図即止め制御とは、始動記憶に基づいて普図の変動表示ゲームを行う際に、始動記憶の発生から所定時間(例えば6秒)経過したものに対しては、変動時間を短縮(例えば2秒)して即時に普図を停止させる制御である。
【0031】
また、この特殊遊技中には、普図当りの際の普通変動入賞装置6の開放時間を例えば3秒程度に増やす処理や、普図当りの際の普通変動入賞装置6の開放回数を通常の1回から3回に増やす等の処理が行われることもある。
なお、このような特殊遊技を行うことにより、単位時間当りの普図のゲーム回数が増えて、普図の当る回数が増える(通常普図の当り確率は1/4程度であるため)。このため、結果的に特図の変動回数が増えて有利な状態になる。
またさらに、通常この特殊遊技状態中には、特図の変動についても即止め制御が行われ、さらに有利となる。
【0032】
D.制御系の動作
次に、前述した制御系により行われる遊技機の制御について、図3〜図12に示すフローチャートにより説明する。
(a)遊技制御装置のメインルーチン
図3は、遊技制御装置100(役物用IC111)により行われるメイン制御処理(メインルーチン)のフローチャートを示す図である。
この制御処理は、図2のクロック回路112により作り出される基準時間(例えば、2ms)毎に1シーケンスずつ行われる。すなわち、最終ステップ終了後のリセット待ち処理において、役物用IC111にクロック回路112からリセット信号が入るたびに、ステップS1から実行される。
【0033】
処理が開始されると、ステップS1において先ず電源の投入時であるか否かを判定し、電源投入時であればステップS2で初期化処理を行い、リセット待ちとなり、役物用IC111に分周回路113からリセット信号が入ると、ステップS1に戻ってルーチンが再び実行される。
初期化処理では、ROM122の正常判定処理、RAM123におけるワークエリアのイニシャライズ、I/Oレジスタの設定、システム内部のレジスタの設定処理、フラグのイニシャライズ等が行われる。
ステップS1で電源投入時でなければ、ステップS3に分岐してスイッチ読込処理(例えば、特図始動スイッチ21や普図始動スイッチ22の入力処理等)を行ってステップS4に進む。
【0034】
ステップS4では賞球制御処理を行う。賞球制御処理では、これは、排出制御装置124から賞球数要求があったことに対応して、賞球数情報を排出制御装置124に送信するものであり、特別変動入賞装置5における大入賞口5aの賞球数データ(例えば、10個賞球というデータ)に基づいて大入賞口5a内に入賞した賞球数データを送信する。次いで、ステップS5で大当り・リーチ用の乱数更新処理を行う。大当り・リーチ用の乱数更新処理では、特図および普図の乱数の更新のみならず、図柄変換遊技決定用乱数(オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数)および変換図柄決定用乱数(どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数)の更新も行う。これにより、まず特図および普図の乱数を例えば[1]ずつインクリメントして更新することが行われる。したがって、本ルーチンが繰り返される毎に、特図および普図の乱数が変り、大当りあるいは普図当りの乱数抽出値がアトランダム性を保つようになる。また、リーチ発生用乱数更新処理では、リーチ発生用乱数を例えば[1]ずつインクリメントして更新してリーチ発生のランダム性を保つ。ここで、リーチ発生用乱数としては、例えば1〜15の15種類があり、リーチを発生させる乱数は1個で、残りの14個はリーチを発生しない乱数である。したがって、リーチ発生確率は1/15となる。
さらに、図柄変換遊技決定用乱数および変換図柄決定用乱数についても例えば[1]ずつインクリメントして更新することが行われ、したがって、本ルーチンが繰り返される毎に、これら各乱数が変り、アトランダム性を保つようになる。ここで、図柄変換遊技決定用乱数としては、例えば0〜9の10種類があり、オールマイティー図柄を出現させる乱数は1個である。したがって、オールマイティー図柄が出現する確率は1/10となる。
【0035】
次いで、ステップS6で各スイッチ入力監視(詳細はサブルーチンで後述、例えば、特図始動スイッチ21や普図始動スイッチ22の入力監視等)を行ってステップS7に進む。
ステップS7では、役物用IC111による制御処理(ステップS8〜S11)の各処理過程で定められる処理NO.(処理番号)に従って、ステップS8〜S11のうちの該当するいずれか一つの処理を時分割で行うための判断処理(時分割処理の判断)がなされる。なお、ステップS8〜S11の概要は以下のとおりであり、そのうち特図ゲーム処理は後述のサブルーチンに従って行われる処理である。
【0036】
ステップS8:特図ゲーム処理
特図ゲーム処理では、特図をスクロールさせる前の普段処理および大当りあるいは外れの何れかに対応した処理が行われる。
ステップS9:図柄変動処理
図柄変動処理では、特図をスクロールさせる処理が行われ、所定時間経過後に、図柄変動を停止して大当りあるいは外れの何れかの処理番号に処理番号を変更する。
ステップS10:送信コマンド編集処理
送信コマンド編集処理では、図13に示すような役物用IC111から表示制御装置200へ送信するコマンドに関する編集が行われる。これにより、特図の表示制御コマンドが役物用IC111側で制御される。この場合、役物用IC111から表示制御装置200へ送信されるコマンドには、図柄表示、図柄変動、ノーマルリーチ、スローリーチ、・・・・不正という各コマンドに加えて図柄価値変化変動というコマンドがあり、このコマンドは特定条件が成立(図柄変換遊技決定用乱数を抽出してオールマイティー図柄に変化させることが決定のとき)した場合に、可変表示するいずれかの識別情報(通常図柄)に所定識別情報(スターマーク)を付加してオールマイティー図柄(特別識別情報)に変換するためのものである。
ステップS11:データ転送処理
データ転送処理では、役物用IC111から表示制御装置200へのデータ転送に関するデータ転送処理が行われる。これにより、例えば特図の表示図柄の編集結果データが表示制御装置200に転送されることになる。
【0037】
次に、図3に示すメインルーチンでは、以上の時分割処理がなされた後に、次いで、ステップS12で普図普電処理を行う。普図普電処理では、普図の始動記憶が残っていることを条件に、前述の普図の変動表示ゲームを行うための処理が行われ、また前述の普図当りとなったことを条件に、前述の特定遊技(普通変動入賞装置6の一対の開閉部材が逆ハの字に開いた開放状態に保持される遊技)を行う処理がなされる。次いで、ステップS13でSOL・外部情報処理を行う。SOL・外部情報処理では、管理装置134に対して遊技制御装置100から遊技状態に応じた信号が送信され、管理装置134で管理が行われる。また、遊技状態に応じたソレノイド処理が行われ、例えば特別変動入賞装置5の大入賞口5aを駆動するソレノイドに信号が出力されて、大入賞口5aが開閉駆動される。
次いで、ステップS14でランプ・LED処理を行う。ランプ・LED処理では、例えば各種装飾ランプ類(例えば装飾ランプ・LED125)に対して信号が出力され、装飾の演出が行われる。次いで、ステップS15で出力処理を行う。これにより、サウンドジェネレータ131により遊技に必要な効果音が生成され、アンプ133で増幅されてスピーカー132から放音される。ステップS15を経ると、メインルーチンの1シーケンスが終了する。
【0038】
(b)各スイッチ入力監視処理
図4は上述のメインルーチンにおける各スイッチ入力監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS21で払出該当スイッチ入力監視処理を行う。払出該当スイッチ入力監視処理では、賞球を払い出すのに該当する入賞口(例えば、一般入賞口9〜11)の入賞を監視しているセンサが遊技球の入賞を検出したか否かを監視し、入賞に基づく賞球数を排出制御装置124で排出するために賞球数記憶等を行う。次いで、ステップS22で特図始動スイッチ入力監視処理を行う。これは、特図始動入賞に伴って必要な処理(例えば、始動入賞のタイミングでオールマイティー図柄への変換を行うか否かを決定する乱数の抽出等)を行うもので、詳細はサブルーチンで後述する。
【0039】
次いで、ステップS23で継続スイッチ入力監視処理を行い、継続スイッチ23の出力に基づいて大入賞口5aに入った球のうちいわゆる継続入賞(V入賞)した球があるか否かを監視し、継続入賞した場合には大当りのラウンドが16回未満であれば継続を更新し、16回目のときはその回を大当りの最終ラウンドとする。次いで、ステップS24でカウントスイッチ入力監視処理を行い、カウントスイッチ24の出力に基づいて特別変動入賞装置5の大入賞口5aに入った球のうち一般入賞した球があるか否かを監視し、一般入賞した場合には賞球制御処理で賞球排出を行うようにする。次いで、ステップS25で普図始動スイッチ入力監視処理を行い、普図始動スイッチ22の出力に基づいて普通図柄始動口8を球が通過したか否かを監視し、球が通過した場合に普図普電処理で普図変動を行うようにする。ステップS25を経ると、メインルーチンにリターンする。
【0040】
(c)特図始動スイッチ入力監視処理
図5は上述の各スイッチ入力監視処理における特図始動スイッチ入力監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS31で特図始動スイッチ21に入力があるか(始動入賞があるか)否かを判別し、入力がなければリターンする。始動入賞とは、普通変動入賞装置6への入賞をいう。ただし、全ての始動入賞が特図の変動を開始できるような有効な状態になるものではない(4個の上限がある)。
始動入賞があると、ステップS32に進んで始動記憶を「+1」だけ更新(インクリメント)する。これにより、特図始動記憶表示器25の点灯数が1つだけ多くなり、遊技者に新たに始動入賞があって記憶されたことが報知される。次いで、ステップS33で更新前の始動記憶数が上限値(「4」:すなわち、始動記憶が満タン)であるか否かを判別する。始動記憶は4個を最大限度としてその範囲内で行われるから、始動記憶が「4」とは、始動記憶が4個で一杯(満タン)になっている状態をいう。
【0041】
始動記憶が「4」のときは、新たに始動入賞があっても特図の変動を開始できるような有効な状態になるものではなく、今回のルーチンを終了してリターンする。一方、始動記憶が「4」でなければ、ステップS34に進んで特別遊技状態判定用乱数(すなわち、大当り乱数)を抽出し、記憶数に対応した乱数格納領域に格納する。これにより、いわゆる入賞フェッチによって大当り乱数の抽出が行われて格納される。乱数格納領域に格納された特別遊技状態判定用乱数は特図ゲーム処理で大当りか否かが判定されることになる。次いで、ステップS35で所定表示態様決定用乱数(すなわち、特図の図柄を決定するための乱数)を抽出し、記憶数に対応した乱数格納領域に格納する。これにより、入賞フェッチによって特図停止図柄を決めるための乱数抽出が行われ、乱数格納領域に格納された所定表示態様決定用乱数に基づいて特図ゲーム処理で特図の停止図柄が決定されることになる。
【0042】
次いで、ステップS36でリーチ発生用乱数(すなわち、リーチを発生させるか否かを決定するための乱数)を抽出し、記憶数に対応した乱数格納領域に格納する。これにより、入賞フェッチによってリーチ発生を判断するための乱数抽出が行われ、乱数格納領域に格納されたリーチ発生用乱数に基づいて特図ゲーム処理でリーチ発生が判断されることになる。
次いで、ステップS37でリーチ種別乱数(すなわち、リーチの種類を決定するための乱数)を抽出し、記憶数に対応した乱数格納領域に格納する。これにより、入賞フェッチによってリーチ種別(例えば、ロングリーチ、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ等)を判断するための乱数抽出が行われ、乱数格納領域に格納されたリーチ種別乱数に基づいて特図ゲーム処理でリーチの種別が判断されることになる。
【0043】
次いで、ステップS38で図柄変換遊技決定用乱数(すなわち、オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数)、および変換図柄決定用乱数(どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数)、を抽出し、記憶数に対応した乱数格納領域に格納する。これにより、入賞フェッチによってオールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数抽出が行われとともに、どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数抽出が行われ、乱数格納領域に格納された各乱数に基づいて特図ゲーム処理でオールマイティー図柄を出現させるか否か等の処理が行われることになる。ステップS38を経ると、各スイッチ入力監視処理にリターンする。
【0044】
(d)特図ゲーム処理
図6はメインルーチンにおける特図ゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS41で普段処理(特図が変動しない通常処理)か否かを判別し、普段処理のときはステップS44にジャンプする。一方、普段処理でなければ、ステップS42に進んで特図ゲーム処理で必要な処理タイマを更新する。次いで、ステップS43でタイマ起動中か否かを判別し、起動中のときは今回のルーチンを終了してメインルーチンにリターンする。
タイマ起動中でなければ、ステップS44に進んでゲーム処理番号(例えば、前回のルーチンで次回のゲーム処理番号が設定される)を取得し、ステップS45で処理番号による分岐判断を行う。分岐判断は、以下のステップS46〜ステップS56の各処理過程で定められる処理NO.(処理番号)に従って、ステップS46〜S56のうちの該当するいずれか一つの処理に分岐するための判断処理を行うものである。ステップS46〜S56の概要は以下のとおりであり、そのうち変動開始処理は後述のサブルーチンに従って行われる処理である。
【0045】
ステップS46:普段処理
普段処理では、始動記憶がある場合に、始動記憶数を一つ減らした後、乱数抽出に対応して乱数格納領域をシフトする等の処理を行うもので、詳細はサブルーチンで後述する。
ステップS47:変動開始処理
変動開始処理では、特図の変動を開始させるために必要な処理で、詳細はサブルーチンで後述する。
ステップS48:左図柄差し替え処理
左図柄差し替え処理では、3列の特図のうち左側の図柄について変動を開始して最初は高速変動(特図のキャラクタや識別情報を遊技者が識別困難又は不可能な程度に高速にスクロール)させ、所定時間経過したときに、変動後半に移行して低速変動(特図のスクロール速度を減速して遊技者が識別できる程度にゆっくりスクロール)させ、次いで、左図柄を停止させる図柄変動停止処理に処理番号を格納する。すなわち、左図柄について図柄変動して前回のものと差し替える処理を行う。
【0046】
ステップS49:右図柄差し替え処理
右図柄差し替え処理では、ステップS48の場合と同様に右図柄について図柄変動させて前回のものと差し替える処理を行う。
ステップS50:中図柄差し替え処理
中図柄差し替え処理では、ステップS48の場合と同様に中図柄について図柄変動させて前回のものと差し替える処理を行う。
ステップS51:図柄変動終了処理
図柄変動終了処理では、特図の図柄変動を終了させて停止する処理を行い、次の処理(図柄確定後大当り判定処理)に処理番号を格納する。
ステップS52:図柄確定後大当り判定処理
図柄確定後大当り判定処理では、特図の図柄変動が終了して停止したときに、大当り図柄か否かを判定する処理を行い、次の処理(外れ判定処理)に処理番号を格納する。
【0047】
ステップS53:外れ処理
外れ処理では、特図の図柄変動が終了して外れ図柄で停止したとき、外れに対応する処理を行い、次の処理(各リーチ設定処理)に処理番号を格納する。
ステップS54:各リーチ設定処理
各リーチ設定処理では、特図の図柄にリーチを発生させるときのリーチ態様(例えば、前述した3つの態様)を設定する処理を行い、次の処理(大当り処理)に処理番号を格納する。
ステップS55:大当り処理
大当り処理では、特図の図柄変動が終了して大当りで停止したとき、大当りに対応する処理を行い、次の処理(大当り終了処理)に処理番号を格納する。
ステップS56:大当り終了処理
大当り終了処理では、大当りゲームを終了させる処理を行い、次の処理(普段処理)に処理番号を格納する。
なお、以上の処理番号による分岐処理(ステップS46〜S56)によれば、メインルーチンのシーケンスが繰返される度に、遊技状態に応じて処理番号が変更されてゆく。
【0048】
(e)普段処理
図7は特図ゲーム処理における普段処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS61で始動入賞の記憶数を取得し、ステップS62で記憶数は「0」であるか否かを判別する。始動記憶がない場合(記憶数=「0」のとき)には、ステップS63に分岐して処理番号をこの普段処理を行う番号(普段処理を設定)のままとしてリターンする。これにより、次のシーケンスでも普段処理が繰り返される。
一方、記憶数があれば、ステップS64に進んで始動記憶数を一つ減らした後(記憶数を更新)、ステップS65でブロック転送処理により、今回の乱数抽出の対象となった記憶数に対応する乱数格納領域をシフトする(すなわち、次の乱数格納領域に移行し、次の乱数を抽出可能にする)。次いで、ステップS66で変動開始処理を設定してリターンする。これにより、次のシーケンスでは変動開始処理が行われる。
【0049】
(f)変動開始処理
図8は特図ゲーム処理における変動開始処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS71で図柄変換遊技テーブル作成処理を行う。これは、特図の図柄をオールマイティー図柄を含むケースも考慮してどのように変換した態様にしておくかのテーブルを作成するもので、詳細はサブルーチンで後述する。次いで、ステップS72で図柄変換遊技判定処理を行う。これは、特図をオールマイティー図柄に変換するかどうかを判断するもので、詳細はサブルーチンで後述する。
【0050】
次いで、ステップS73で格納されている特別遊技状態判定用乱数(すなわち、大当り判定用乱数)を読み出し、ステップS74で特別遊技状態決定用乱数判定処理(大当り判定用乱数の判定)を行う。ステップS75では判定の結果の分岐判断を行い、大当りのときはステップS76に分岐して大当りフラグを立て、ステップS77で大当り停止図柄決定処理(大当り停止図柄を決定するもので、詳細はサブルーチンで後述)を行った後、ステップS80に進む。
一方、ステップS75で外れのときはステップS78に分岐して大当りフラグをクリアし、ステップS79で外れ停止図柄決定処理(外れ停止図柄を決定するもので、詳細はサブルーチンで後述)を行った後、ステップS80に進む。
ステップS80では左図柄変動開始データ設定を行う。これにより、特図の変動を最初に開始する左側図柄の開始準備が行われる。次いで、ステップS81で変動状態(例えば、外れ、リーチ)により特図(特別図柄)ゲーム番号の次の処理番号(例えば、左図柄差し替え処理)に処理番号を格納してルーチンを終了する。
【0051】
(g)図柄変換遊技テーブル作成処理
図9は変動開始処理における図柄変換遊技テーブル作成処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS91で変換パターンテーブルアドレスを設定する。これは、図14(b)に示すように変換図柄決定用乱数(1〜15)と、オールマイティー図柄に変換した変換パターンテーブル(「1」〜「8」の各オールマイティー図柄)とを対応付けたアドレスを設定するものである。次いで、ステップS92で変換用図柄作成テーブルアドレスを設定する。これは、図14(a)に示すように所定表示態様決定用乱数(1〜15)と、図柄作成用テーブル(「1」〜「8」の図柄)とを対応付けたアドレスを設定するものである。
ステップS93で変換用図柄作成テーブルデータを初期化する。これにより、前回のゲームの変換用図柄作成テーブルデータがクリアされる。
【0052】
次いで、ステップS94で変換図柄決定用乱数を取り出す。これにより、始動入賞のタイミングで抽出し格納された変換図柄決定用乱数(どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数)が取り出される。次いで、ステップS95で変換パターンテーブルアドレスに変換図柄決定用乱数を加算する。これにより、オールマイティー図柄に変換させる場合の変換パターンが決定されることになる。
次いで、ステップS96で変換パターンデータを取り出す。これにより、オールマイティー図柄に変換させる場合の変換パターンデータが取り出される。次いで、ステップS97で変換用図柄作成テーブルアドレスに変換図柄決定用乱数を加算する。これにより、どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかが決定されることになる。次いで、ステップS98で該当する箇所のデータと取り出した変換パターンデータとを変換する。これにより、図15に示すような変換用図柄作成テーブルが作成される。図15の例は、特図の図柄のうち、所定表示態様決定用乱数「12」に該当する図柄「7」に対してスターマークを付けて(オールマイティー図柄に変換させる場合の変換パターン)、オールマイティー図柄に変換させる場合である。ステップS98を経ると、変動開始処理にリターンする。
【0053】
(h)図柄変換遊技判定処理
図10は変動開始処理における図柄変換遊技判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS101で第3停止図柄可変表示用テーブルに通常図柄作成用テーブルを設定する。これは、リーチが発生した場合のリーチ図柄となる第3停止図柄にオールマイティー図柄を含まない図14(a)に示す通常図柄作成用テーブルを設定するものである。次いで、ステップS102でオールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための図柄変換遊技決定用乱数の値(図面では遊技決定乱数値)は「1」である否かを判別する。遊技決定乱数値が「1」でなければ、オールマイティー図柄を出現させることはなく、ルーチンを終了して変動開始処理にリターンする。一方、遊技決定乱数値が「1」のときはステップS103に進んで第3停止図柄可変表示用テーブルに変換用図柄作成テーブルを設定する。これは、リーチが発生した場合のリーチ図柄となる第3停止図柄にオールマイティー図柄を含む図14に示す変換用図柄作成テーブルを設定するものである。ステップS103を経るとリターンする。このようにして、図柄変換遊技決定用乱数を判断して、通常図柄作成用テーブルあるいはオールマイティー図柄を含む変換用図柄作成テーブルの何れかが作成される。
【0054】
(i)大当り停止図柄決定処理
図11は変動開始処理における大当り停止図柄決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS111で通常図柄作成用テーブルアドレスを設定する。これにより、図14(a)に示すノーマルな通常図柄配列が設定されることになる。次いで、ステップS112で所定表示態様決定用乱数(特図の停止図柄を決定するための乱数)を取り出し、ステップS113で図柄作成用テーブルアドレスに所定表示態様決定用乱数を加算する。これにより、通常図柄配列のうちから特図の停止図柄が決定されることになる。次いで、ステップS114で加算後のアドレスから大当り図柄(特別表示態様)を第1停止図柄として取得する。次いで、ステップS115で第1停止図柄を第2停止図柄に設定する。これにより、第1停止図柄および第2停止図柄が同じ図柄になる。
【0055】
次いで、ステップS116で図柄変換遊技決定用乱数(オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数)を取り出し、ステップS117で図柄変換遊技決定用乱数の値(図面では遊技決定乱数値)は「1」である否かを判別する。遊技決定乱数値が「1」でなければ、オールマイティー図柄を含まない通常図柄の配列とするため、ステップS118に進んで第1停止図柄を第3停止図柄に設定する。これにより、第1停止図柄と同じ図柄が第3停止図柄となる。一方、ステップS117で遊技決定乱数値が「1」であれば、オールマイティー図柄を含む図柄の配列とするため、ステップS119に分岐して変換用図柄作成テーブルアドレスを設定する。これにより、図15に示すオールマイティー図柄を含む図柄配列が設定されることになる。次いで、ステップS120で変換用図柄作成テーブルアドレスに所定表示態様決定用乱数(特図の停止図柄を決定するための乱数)を加算する。これにより、オールマイティー図柄を含む図柄配列のうちから特図の大当り停止図柄が決定されることになる。次いで、ステップS121で加算後のアドレスから大当り図柄(特別表示態様)を第3停止図柄として取得し、ステップS122へ進む。これにより、第3停止図柄はオールマイティー図柄になる可能性のある演出となる。
ステップS118あるいはステップS121を経ると、次いで、ステップS122で各停止図柄を格納(格納したデータはメインルーチンのデータ転送処理で表示制御装置200に転送される)し、ステップS123でリーチ決定処理(大当りで特図が停止する前に必ずリーチを発生させる)を行った後、変動開始処理にリターンする。
このように、図柄変換遊技決定用乱数の値を判断してオールマイティー図柄を出現させるか否かが決定され、かつ所定表示態様決定用乱数に基づいて特図の停止図柄が決定される。
【0056】
(j)外れ停止図柄決定処理
図12は変動開始処理における外れ停止図柄決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンが開始されると、まずステップS131でリーチなし図柄格納領域の図柄を停止図柄格納領域に格納する。これにより、特図の停止図柄格納領域にリーチを発生しない図柄が格納されることになる。次いで、ステップS132で格納されているリーチ発生用乱数を読み出し、ステップS133でリーチ発生用乱数が「0」であるか否かを判別する。リーチ発生用乱数が「0」であればリーチが発生しないので、今回のルーチンを終了して変動開始処理にリターンする。
【0057】
リーチ発生用乱数が「1」のときは、ステップS134に進んで外れリーチ図柄格納テーブルアドレスを設定する。これにより、外れの場合の外れリーチ図柄を格納するアドレスが決定される。次いで、ステップS135でリーチ決定処理を行い、リーチ発生を決定する。次いで、ステップS136で所定表示態様決定用乱数(特図の停止図柄を決定するための乱数)を取り出し、ステップS137で図柄作成用テーブルアドレスに所定表示態様決定用乱数を加算する。これにより、特図の外れリーチ停止図柄が決定されることになる。次いで、ステップS138で加算後のアドレスからリーチ停止図柄を第1停止図柄として取得する。次いで、ステップS139で第1停止図柄を第2停止図柄に設定する。これにより、第1停止図柄および第2停止図柄が同じ図柄になる。
【0058】
次いで、ステップS140でリーチの種類により第1および第2停止図柄との図柄変化数から第3停止図柄(当たり以外の図柄)を演算する。これにより、リーチの種類(ロングリーチ、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ)に応じて適切な外れの第3停止図柄が決定される。ステップS141では、演算された第3停止図柄を取得し、ステップS142で各停止図柄を停止図柄格納領域に格納して変動開始処理にリターンする。
このようにして、外れのときにおけるリーチ発生の場合の停止図柄が決定される。また、外れ停止図柄決定処理では、外れ停止図柄を演算する際に、第3停止図柄がオールマイティ図柄になるのを避けるような演算が行われる。第3停止図柄がオールマイティ図柄になると、大当りが発生するからである。
【0059】
E.オールマイティー図柄出現制御の具体例
次に、オールマイティー図柄出現制御の具体例について説明する。
(a)通常図柄による大当り
通常は、図14(a)に示すように所定表示態様決定用乱数(0〜15までの16種類)対応した「1」〜「8」までの8種類の図柄(特図)があり、これらの図柄は、左、中、右の各列毎にある。そして、通常時の図柄作成用テーブルとして図14(a)に示すものが設定されている。始動入賞のタイミングで所定表示態様決定用乱数が抽出されて特図の図柄が決定されるとともに、図柄変換遊技決定用乱数が抽出される。この場合、図柄変換遊技決定用乱数が「0」、「2」〜「9」(すなわち、オールマイティー図柄を出現させる「1」以外)のときはオールマイティー図柄が出現せず、大当りであっても図15(a)に示すように通常図柄での大当り画面が特別図柄可変表示装置4に表示される。なお、図16(a)は「7、7、7」のゾロ目による通常図柄での大当りの例である。
【0060】
(b)オールマイティー図柄を含む大当り
始動入賞のタイミングで抽出した図柄変換遊技決定用乱数が「1」のときはオールマイティー図柄を出現させる制御が行われ、図16(b)に示すようにスターマーク(キャラクタ)を付けた図柄がオールマイティー図柄になって、大当りのときにはその大当り画面が特別図柄可変表示装置4に表示される。図16(b)の例では、第1停止図柄(左図柄)および第2停止図柄(右図柄)が停止して「7、−、7」というリーチ発生時に、第3停止図柄(中図柄)の「2」に対してオールマイティー図柄に変換するためのスターマークが付加され、このスターマークを付加した「2」がオールマイティー図柄となって「7、オールマイティー図柄、7」という図柄停止態様で大当りが発生するものである。
【0061】
この場合の画面変化をより具体的に説明すると、まず図17(a)に示すように、全ての列にオールマイティー図柄変換の可能性を持たせる演出例になっており、特図変動開始後にスター(星)が上から降ってくる演出がなされる。スター(星)、すなわちスターマークは、通常図柄に付加されることによって通常図柄をオールマイティー図柄に変換するためのものである。図17(a)の場合、3列共に変動中であり、何れの列もオールマイティー図柄に変換可能であるから、遊技者はわくわくしながら、どの列がオールマイティー図柄になるか期待感を持って遊技している。
【0062】
次いで、第1停止図柄(左図柄)および第2停止図柄(右図柄)が停止して「7、−、7」というリーチ発生時に、第3停止図柄(中図柄)の「2」に対して上から降ってきているスターマークが付加される可能性がある画面が表示され、この場合は中図柄の「2」がオールマイティー図柄に変換するかどうか遊技者は期待感を持って遊技する。そして、前述した図16(b)に示すように第3停止図柄(中図柄)の「2」に対してスターマークが付加されると、スターマークを付加した「2」がオールマイティー図柄になり、「7、オールマイティー図柄、7」という図柄停止態様で大当りが発生する。
図17の例では、リーチ時に第3停止図柄の図柄がオールマイティー図柄に変化するものであり、このケースでは大当たり図柄が増加し、大当たりへの期待感が増加するという演出になる。
【0063】
この場合、図柄変動時に3桁何れかの列の図柄がオールマイティー図柄に変化する可能性を持たせることになり、例えば各列でオールマイティー図柄に変化した場合には、以下のような演出になる。
(a)第1停止図柄(左図柄)の列で、いずれかの図柄がオールマイティー図柄に変化する場合
左図柄の列でオールマイティー図柄が停止することで、第2停止図柄(右図柄)が任意の図柄停止でリーチとなり、リーチ頻度が上がるとともに、第2停止図柄の図柄に期待感がでる(例えば、遊技者は確率変動図柄や時短図柄の出現に期待するようになる)。また、通常の図柄でも、格段にリーチ発生の期待感を持てる。
(b)第2停止図柄(右図柄)の列で、いずれかの図柄がオールマイティー図柄に変化する場合
右図柄の列にオールマイティー図柄が付加されることで、同様にリーチ頻度が上がり大当りへの期待感がでる(例えば、遊技者は第1停止図柄に確率変動図柄や時短図柄が出現することを期待する)。
【0064】
(c)第3停止図柄(中図柄)の列で、いずれかの図柄がオールマイティー図柄に変化する場合
中図柄の列にオールマイティー図柄が付加されると、リーチとなった場合に大当りへの期待感が増加する。
(d)複数の列で、いずれかの図柄がオールマイティー図柄に変化する場合(ただし、どの列にオールマイティー図柄が存在しているか未定の場合)
オールマイティー図柄同士が並んでのリーチの場合には、いずれかの列の停止図柄に対応するキャラクタの第3停止図柄が停止ライン上に止れば、大当たりの可能性となるので、遊技者の期待感が向上する。
【0065】
なお、上記は図柄変動時に3桁何れかの列の図柄がオールマイティー図柄に変化する可能性を持たせた場合の演出の利点であり、例えばリーチ時に第3停止図柄の図柄のみがオールマイティー図柄に変化する場合の演出の利点は、前述したように大当たり図柄が増加し、大当たりへの期待感が増加するという演出になる。
次に、オールマイティー図柄の決定方法については、本実施の形態の場合、以下のようになる。
(a)図柄変動時にオールマイティー図柄が付加される列にキャラクタ(例えば、スターマーク)が出現する。このようにすると、どの列にオールマイティー図柄が含まれるかが明確になり、遊技者に分かりやすいという利点がある。
(b)図柄変動時にすべての列に絡むようにキャラクタを出現させると、どの列にオールマイティー図柄が含まれるかが停止(スロースクロール)するまでわからないので、可変表示が期待感で溢れたものになる。
(c)リーチ時にキャラクタが出現して大当たりの可能性を上げる。キャラクタが出現した場合に、絶対に何れかの図柄をオールマイティー図柄に変換させるパターンと、オールマイティー図柄になる可能性を持たせるというパターンが考えられ、遊技の演出によって適切に使い分けるようにしてもよい。
【0066】
このように本実施の形態では、あらかじめ定められて配列されている通常図柄に対して特定条件が成立(図柄変換遊技決定用乱数を抽出してオールマイティー図柄に変化させることが決定のとき)した場合に、可変表示するいずれかの通常図柄(識別情報)にスターマーク(所定識別情報)というキャラクタを付加してオールマイティー図柄(特別識別情報)へと変換し、変換したオールマイティー図柄で停止することでリーチや大当遊技ゲームが進行する。また、オールマイティー図柄は変換した元の図柄が配置されていた場所と入れ替え可能(すなわち、変換図柄決定用乱数の抽出によりどの図柄もオールマイティー図柄に変換可能)であり、オールマイティー図柄が出現する場合は常に出現位置を異ならせるような制御が行われる。したがって、以下の効果を得ることができる。
【0067】
(1)どの図柄もオールマイティ図柄となり得るので、オールマイティー図柄の配列が可変で、例えばリーチとなる図柄と連続したりすると、大当たりへの期待感を従来に比べて高めるとともに変化を持たせることができる。また、大当りとなる図柄と連続したりすると、大当りへの期待感が一層増すという効果がある。
すなわち、従来のように特図変動中であっても瞬時に変動表示ゲームの結果が分かってしまうという欠点を解消し、ゲームの面白みを増すことができる。
(2)オールマイティー図柄の配置が可変であるので、リーチとなる図柄との間隔が一定でなく、スクロールで通り過ぎてもオールマイティー図柄で停止する期待感が得やすくなる。
すなわち、従来ではスロースクロールになっても大当りに該当する図柄が大当り停止ラインを過ぎていってしまうと、配列順に1周して戻ってくるまで長い間期待しながら待たなければならず、緊張状態を維持しながら、大当りへの期待感を持つという状態が低減(例えば、遊技のドキドキ感が減少)していたが、これに対して、本実施の形態ではスクロールで通り過ぎても、緊張状態を維持しながらオールマイティー図柄で停止するという期待感が高まり、遊技のドキドキ感が格段に高いものにすることができる。
【0068】
(3)また、オールマイティー図柄が含まれたリーチ中であると、大当たり図柄から別の大当り図柄であるオールマイティー図柄の範囲がそのオールマイティーリーチ毎に常に変化しているので、大当りへの期待のタイミングが異なり、遊技ゲームの幅を広げることができる。
例えば、従来では予め定められた図柄配列にオールマイティー図柄が存在していたため、図柄の配置が予め分かってしまい(オールマイティー図柄の位置も分かる)、緊張感の無いゲームになったり、大当りへの期待感が図柄の配置により単純化する傾向にあって大当りを期待できるタイミングが同じようになったりしてゲームの幅が狭まっていたが、これに対して本実施の形態では、大当りへの期待のタイミングが異なるので、遊技ゲームの幅が広がる。
(4)オールマイティー図柄の配列が可変であるから、大当たりやリーチの組み合わせを変化に富んだものにすることができ、遊技者が遊技ゲームを長時間続けていても飽きがきにくいものにすることができる。
(5)通常の図柄をオールマイティー図柄と変換することで、オールマイティー図柄の位置が把握しやすく、大当りを期待するタイミングをつかむのが容易で、遊技が面白くなる。
【0069】
(6)オールマイティー図柄は変換前の図柄のキャラクタ(例えば、「2」という図柄のキャラクタを遊技者が理解できる)の意味を判別することが可能であり、しかもオールマイティー図柄であることが判別できるように、変換前のキャラクタ(例えば、「2」)にオールマイティー図柄を示す情報(例えば、スターマーク)を付加してオールマイティー図柄(例えば、「2」+スターマーク=オールマイティー図柄)に変換しているので、どの図柄(変化前の図柄)と入れ替わったのかを遊技者は易に判別することができ、スロースクロールを行っている最中などに、どの時点でオールマイティー図柄が出現するのかを判別しやすいいう効果がある。
(7)特定入賞口(特図始動口:普通変動入賞装置6)への入賞タイミングでオールマイティー図柄演出用の乱数(図柄変換遊技決定用乱数)を取得し、可変表示時(特図変動開始時)に乱数を判定して、オールマイティー図柄演出用の表示を行っているので、毎回、オールマイティー図柄での演出を行なうかどうか判定が行われることになって、特図の各変動時に平均的にオールマイティー図柄演出を行うことができるとともに、演出バランス良く特図表示を行うことができる。その結果、遊技者に大当りへの期待感を適度に与えることができる。
【0070】
上記実施の形態は図柄変動時に3桁全てにオールマイティー図柄に変化する可能性を持たせた例であるが、例えば1列のみにオールマイティー図柄に変化する可能性を持たせる制御にしてもよく、それを本発明の他の実施の形態として図18に示す。
図18(a)は第1停止図柄(左図柄)の列のみの図柄がオールマイティー図柄に変化する可能性のある例である。この例では、第1停止図柄(左図柄)の列の「4」の図柄にスターマークが付加されてオールマイティー図柄に変換され、右図柄は「7」で停止している。そして、第3停止図柄(中図柄)がスロースクロールしている。したがって、第3停止図柄(中図柄)が「7」で停止すると大当りが発生する。このような制御にすると、左図柄の列でオールマイティー図柄が停止し、第2停止図柄(右図柄)が任意の図柄停止でリーチとなり、リーチ頻度が上がり、かつ第2停止図柄の図柄に期待感がでる(例えば、同様に遊技者は確率変動図柄や時短図柄の出現に期待するようになる)。また、右図柄が通常の図柄であっても、格段にリーチ発生の期待感を持てる。
【0071】
図18(b)は第2停止図柄(右図柄)の列のみの図柄がオールマイティー図柄に変化する可能性のある例である。この例では、第2停止図柄(右図柄)の列の「5」の図柄にスターマークが付加されてオールマイティー図柄に変換され、左図柄は「7」で停止している。そして、第3停止図柄(中図柄)がスロースクロールしておいる。したがって、第3停止図柄(中図柄)が「7」で停止すると大当りが発生する。このような制御にすると、右図柄の列にオールマイティー図柄が付加されるので、同様にリーチ頻度が上がり大当りへの期待感がでる(例えば、同様に遊技者は第1停止図柄に確率変動図柄や時短図柄が出現することを期待する)。
【0072】
本発明の実施の形態は、上記のような実施の形態に限らず、以下に述べるような各種の変形実施が可能である。
(a)本発明は複数の可変表示領域に識別情報を可変表示するとともに、その可変表示結果が予め定めた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能なものであれば、いかなる機種の遊技機であってもよいこともいうまでもない。例えば、他の機種タイプのパチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等にも適用することができる。
また、本発明はパチンコ遊技機でなく、例えば映像式ゲーム機のようにものにも適用できる。
(b)本発明は上記各実施例のような制御内容に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、以下のような各種の変形実施が可能である。
▲1▼所定識別情報はスターマークに限らず、他の識別情報を使用してもよい。また、所定識別情報として、例えばキャラクタを用いてもよく、そのようにすると、キャラクタの持つイメージを活用することが可能になり、遊技を盛り上げることができる。
▲2▼特別識別情報への変換は、特定入賞口(例えば、始動入賞タイミング)でなく、他のタイミングであってもよい。例えば、他の機種タイプのパチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等では、それらの遊技の適切なタイミングで特別識別情報への変換を行うようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)どの図柄も特別図柄(以下、適宜、オールマイティー図柄という)となり得るので、特別図柄の配列が可変で、特別遊技状態(以下、適宜大当りという)への期待感を従来に比べて高めるとともに変化を持たせることができる。
すなわち、従来のように図柄の変動中であっても瞬時に変動表示ゲームの結果が分かってしまうという欠点を解消し、ゲームの面白みを増すことができる。
(2)例えば、従来では予め定められた図柄配列にオールマイティー図柄が存在していたため、図柄の配置が予め分かってしまい、緊張感の無いゲームになったり、大当りへの期待感が図柄の配置により単純化する傾向にあって大当りを期待できるタイミングが同じようになったりしてゲームの幅が狭まっていたが、これに対して本発明では、大当りへの期待のタイミングが異なるので、遊技ゲームの幅が広がる。
【0074】
(3)オールマイティー図柄の配列が可変であるから、大当りやリーチの組合せを変化に富んだものにすることができ、遊技者が遊技ゲームを長時間続けていても飽きがきにくいものにすることができる。
(4)通常の図柄をオールマイティー図柄に変換することで、オールマイティー図柄の位置が把握しやすく、大当りを期待するタイミングをつかむのが容易で、遊技が面白くなる。
(5)特に、図柄変換手段は、特定入賞口への入賞タイミングで第1乱数(オールマイティー図柄を出現させるか否かを決定するための乱数である図柄変換遊技決定用乱数 ) および第2乱数(どの図柄をオールマイティー図柄に変換させるかを決定するための乱数である変換図柄決定用乱数)を取得し、可変表示(特図変動開始時)に各乱数を判定して、オールマイティー図柄演出用の表示を行うことにより、毎回、オールマイティー図柄で演出を行うかどうか判定が行われることになって、特図の各変動時に平均的にオールマイティー図柄演出を行うことができる。その結果、遊技者に大当りへの期待感を適度に与えることができる。
(6)図柄変動開始後に図柄に所定識別情報を付加するための変動表示を行わせると、どこがオールマイティー図柄かが停止(スロースクロール)するまで分からないので、可変表示が期待感で溢れたものになる。
(7)第1停止図柄 ( 左図柄 ) の列で、いずれかの図柄がオールマイティー図柄に変化するので、第1停止図柄(左図柄)の列でオールマイティー図柄が停止することで、第2停止図柄(右図柄)が任意の図柄停止でリーチとなり、リーチ頻度が上がるとともに、第2停止図柄の図柄に期待感がでる(例えば、遊技者は確率変動図柄の出現に期待するようになる。)。
【0075】
請求項2記載の発明によれば、オールマイティー図柄は変換前の図柄のキャラクタ(例えば、「2」という図柄のキャラクタを遊技者が理解できる)の意味を判別することが可能であり、しかもオールマイティー図柄であることが判別できるように、変換前のキャラクタ(例えば、「2」)にオールマイティー図柄を示す所定識別情報(例えば、スターマーク)を付加してオールマイティー図柄(例えば、「2」+スターマーク=オールマイティー図柄)に変換することより、どの図柄と入れ替わったのかを遊技者は容易に判別することができ、スロースクロールを行っている最中などに、どの時点でオールマイティー図柄が出現するのかを判別しやすいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である遊技機における遊技盤の構成を示す図である。
【図2】遊技機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】遊技制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図4】各スイッチ入力監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】特図始動スイッチ入力監視処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】特図ゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】普段処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】変動開始処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図柄変換遊技テーブル作成処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】図柄変換遊技判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】大当り停止図柄決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】外れ停止図柄決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】表示制御装置へのコマンドデータを示す図である。
【図14】図柄作成用テーブルデータを説明する図である。
【図15】変換用図柄作成テーブルデータを説明する図である。
【図16】図柄変動の具体例を説明する図である。
【図17】図柄変動の具体例を説明する図である。
【図18】図柄変動の他の実施の形態の具体例を説明する図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
3 遊技領域
4 特別図柄可変表示装置(可変表示装置)
4a 変動表示部
5 特別変動入賞装置
100 役物制御装置
111 役物用IC
200 表示制御装置
Claims (2)
- 特定入賞口への遊技球の入賞により3列の可変表示領域に確率変動図柄を含む複数の図柄を可変表示可能な可変表示装置を備え、該可変表示装置における可変表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能であるとともに、前記確率変動図柄によって前記特定表示結果となった場合に、前記特別遊技状態の終了後に前記特別遊技状態の発生確率を通常よりも高確率にする確率変動状態を発生可能な遊技機において、
前記可変表示装置における可変表示の制御をするとともに、可変表示する複数の図柄のうちのいずれかの図柄に所定識別情報を付加することにより、図柄の価値を変化させて特別図柄に変換する図柄変換手段を備え、
前記特別図柄は、
図柄の組み合わせを増やすとともに、見かけ上、特定表示結果の組み合わせを増加させ、リーチ頻度、大当り頻度を上げるような態様を演出可能なように、すべての図柄の意味を兼ね備えるオールマイティー図柄であり、
前記図柄変換手段は、
前記特定入賞口への入賞タイミングで、前記特別図柄への変換を行うか否かの判定をするための第1乱数、およびどの図柄を前記特別図柄に変換させるかの決定をするための第2乱数を取得し、図柄の可変表示時に、前記第2乱数によって前記特別図柄に変換される図柄を決定するとともに、前記第1乱数の判定により前記特別図柄への変換を行うか否かを決定するよう構成され、
前記第1乱数の判定により前記特別図柄への変換が決定した場合には、前記可変表示装置での図柄の可変表示開始後に、前記第2乱数により決定した図柄に所定識別情報を付加するための変動表示を行わせ、該変動表示の結果として前記3列の可変表示領域のうち第1に停止する列で可変表示する図柄を前記特別図柄に変換することを特徴とする遊技機。 - 前記特別図柄は、
変換される前の図柄の意味が判別可能で、かつ特別図柄であることが判別できるように変換前の図柄に特別図柄を示す所定識別情報を付加したものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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