JP3809151B2 - シーケンスプログラム編集装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プログラマブルコントローラ等のシーケンス制御装置で使用されるシーケンスプログラムを作成、編集するシーケンスプログラム編集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シーケンスプログラムをシーケンスプログラム編集装置で作成する場合、オペレータは、まず、表示装置/入力手段を操作してシーケンスプログラム作成・編集画面を表示装置の表示画面に表示させる。そして、該表示画面上で接点やコイル等のデバイスを入力する位置を表示装置/入力手段のカーソルやマウス等で指定し、該位置に、接点又はコイル等のデバイスのシンボル(種類)をキーボードに設けられたシンボルキーにより設定する。次に、設定したデバイスの信号名称をキーボードを用いて入力設定する。この信号名称を入力する際には、名称の一覧画面をウインドウ形式で表示装置の画面に表示させて、該一覧画面と作成中のラダー図(シーケンスプログラム)を見ながら、デバイスに名称を割り付けていくことによって、シーケンスプログラムを作成・編集している。
このシーケンスプログラムの作成編集中にデバイスのシンボル、名称以外にも付随するデータをも入力しておき、それを表示できるようにしたものも開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
シーケンスプログラムでは、多数の信号を取り扱うために、信号名を入力する際に間違って異なったコイルに対して同一の名称を重複して入力してしまう場合がある。そのために、オペレータはプログラム作成後、重複する信号名がないかを一覧画面やラダー図を見ながらチェックする必要があった。
【0004】
又、周期の異なる複数のタスクに割り付けて実行するプログラマブル・ロジック・コントローラのプログラミング装置において、シーケンスプログラム中に同一アドレスに対するビットデータ書き込みが複数周期のタスクに重複して存在する場合、タスク番号、プログラム単位番号、書き込むビットデータのアドレス及びビット位置を表示するものも知られている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−313708号公報
【特許文献2】
特開2002−358102号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
異なったコイルに対して名称が重複して付されている場合、プログラムを修正する必要がある。この場合、オペレータは一覧画面に表示された重複する信号名を見ながら、未使用の信号名称(アドレス)を確認し、プログラムに信号名称を入力していくという作業を必要とする。この修正作業は多大な時間と労力を要していた。
そこで、本発明の目的は、重複する信号名称(アドレス)を容易に変更できるようにしたシーケンスプログラム編集装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係わる発明は、シーケンスプログラムを記憶したプログラム記憶手段と、該プログラム記憶手段に記憶されたシーケンスプログラムにおいて同一の信号名称に対する異なったコイルでの重複書込みを検出する重複検出手段と、該重複検出手段で検出された信号の信号名称と前記シーケンスプログラムの書込み位置を対応付けて一覧表示する表示手段と、前記一覧表示された重複した信号名称から修正すべき信号名称に対応する前記書き込み位置を選択するための選択手段と、新たな信号名称を入力して信号名称を変更する信号名称変更手段とを有することを特徴とするシーケンスプログラム編集装置である。また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の新たな信号名称を入力して信号名称を変更する信号名称変更手段の代わりに、割当て可能な信号名称の範囲を設定する範囲設定手段と、該範囲設定手段で設定された範囲から割り当て可能な信号名称を抽出し変更する信号名称変更手段とを設けて、自動的に信号名称を変更できるようにしたものである。請求項3に係わる発明は、前記信号の名称変更と共に、接点の名称を変更することを選択する手段および接点の名称を変更するシーケンスプログラム範囲を設定する手段を有するものである。
【0008】
請求項4に係わる発明は、前記シーケンスプログラム範囲を設定する手段により、前記シーケンスプログラムを構成するメインプログラムと複数のサブプログラムのプログラム分割単位毎に変更する信号の範囲を指定するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態の機能ブロック図である。表示装置/入力手段1を操作して表示装置の表示画面にシーケンスプログラム作成・編集画面を表示させ、接点やコイル等のデバイスを入力する位置を表示装置/入力手段のカーソルやマウス等で指定し、該位置に、接点又はコイル等のデバイスのシンボル(種類)をキーボードに設けられたシンボルキーを操作して入力する。そして、設定したデバイスの信号名称をキーボードを用いて入力する。
【0010】
シーケンスプログラム編集部2は、この入力されたデータに基づいて、シーケンスプログラムを作成・編集し、シーケンスプログラム格納部3に記憶する。重複書き込み信号名検出部4は、シーケンスプログラム格納部3に格納されているシーケンスプログラムを重複書き込みの信号名称を検出し、表示装置に重複書き込み信号一覧として重複書き込み信号名称を表示し、重複書き込み信号名表示・変更手段5によって、シーケンスプログラム格納部3に格納されているシーケンスプログラムにおける重複信号名称を入力した別の信号名称に変更する。
【0011】
図2は、同実施形態のシーケンスプログラム編集装置10の要部ブロック図である。プロセッサ(CPU)11には、ROM12,RAM13,不揮発性メモリ(RAM)14,インタフェース15,通信制御部17がバス18を介して接続されている。プロセッサ11はROM12に格納されたシステムプログラムに基づいて、このシーケンスプログラム編集装置10を制御する。RAM13データの一時記憶等に利用される。又、不揮発性メモリ(RAM)14には作成されたシーケンスプログラムが格納されている。
【0012】
インタフェース15には、 CRT又は液晶等で構成された表示装置と、キーボードやマウス等で構成された入力手段からなる表示装置/入力手段16が接続されている。この表示装置/入力手段16に設けられたキーボードには、シーケンスプログラムのラダー図形式による表示の接点やコイル等のデバイスのシンボル(種類)を入力するキーが設けられている。又、通信制御部17には、RS−232Cあるいはイーサネット(登録商標)等の通信ネットワーク19が接続されている。
【0013】
上述した構成は、従来のシーケンスプログラム編集装置の構成と同一であり、差異はない。相違する点は、ROM12に格納されている、シーケンスプログラム編集ソフトウェアにおいて、後述する重複信号名称等を変更する処理が追加されている点である。
【0014】
図3は、この重複信号名称の名称変更処理のフローチャートである。前述したように、表示装置/入力手段16を使用してシーケンスプログラムを作成・編集して、不揮発性メモリ14にこのシーケンスプログラムを格納した後、重複信号名称変更処理指令を入力すると、プロセッサ11は、この図3に示す処理を開始する。
【0015】
まず、従来と同様に、不揮発性メモリ14に格納されたシーケンスプログラムを読み出して重複する信号名称検出処理を行い(ステップ100)、重複する信号名称とそのプログラム位置を求め、重複書き込み信号一覧として図4に示すように一覧表として表示装置/入力手段16の表示装置の表示画面に表示する(ステップ101)。
【0016】
重複書き込み信号一覧は、図4に示すように、信号名の欄に重複する信号名称と、書き込み位置の欄に信号名称が表れるプログラム上の位置が表示され、さらに、信号名称変更を選択するか否かチェックボックスの欄、新たに付する信号名称の欄、重複書込み信号の名称変更と共に接点の名称の変更を行う範囲を設定する欄が表示される。又、「信号変更実行」、「信号変更範囲指定」、「閉じる」のボタンも表示される。
【0017】
図4に示す例では、信号名称「A0001」、「A0002」、「A0003」が重複して割り当てられていることを表している。そして、重複して書き込まれている信号名称の位置として、メインプログラム、サブプログラム等のプログラム分割単位毎に付されているプログラム名称とその中のプログラム単位における最初からの順位で表されている。例えば「A0001」は、名称SP1のプログラムの中のプログラム単位における「00012」番目と、名称SP2のプログラムの中でプログラム単位で「00034」番目に記述されていることを表している。以下、他の重複信号名称についても同様にプログラム名とその信号名称が記述されているプログラム位置が表示されることになる。
【0018】
オペレータはこうして表示された重複書き込み信号名一覧に基づいて、信号名変更処理を実行する(ステップ102)。この実施形態では、信号名称変更方法として2つの方法を用意している。1つの方法は、変更する信号を選択して、その新しい名称及び、接点変更範囲をキーボードを使用して入力する方法と、変更する信号名称を未使用のものから自動的に選択して入力する方法が用意されている。
【0019】
まず、第1番目の方法について説明する。オペレータは、変更する信号を選択する。重複する信号名称の内、変更しようとする位置側の信号名変更のチェックボックスをマウス又はカーソルで選択しチェック入力する(図4の例では、信号名称名「A0001」では、位置が「SP2−00034」の方、信号名称名「A0002」では、位置が「SP4−00078」の方を選択した例を示している)。そして、新たな信号名称を変更信号名の欄にキーボードを使用して入力し、又、信号名称の変更と共に接点の信号名称を変える必要があるときには、接点変更の欄に接点変更する範囲としてプログラム名称を入力する(ステップ102)。
【0020】
この場合、オペレータが直接新たな信号名称を入力してもよいが、未使用の信号名称あるいは書き込みが行われていない信号名称を表示させ、その中から選択して新たな信号名称を入力するようにしてもよい。
【0021】
図4に示した例では、変更するとして選択した信号名「A0001」の2番目に対して「D0201」の新しい信号名称が入力され、接点変更範囲がプログラム名SP2と入力され、選択した信号名「A0002」の2番目に対して「F0400」の新しい信号名称が入力され、接点変更はなしが入力されている例を示している。
【0022】
こうして、変更する信号を選択して新たな信号名称を入力し、必要であれば接点の信号名称を変更する変更範囲を入力して、「信号変更実行」のボタンをクリックすると(ステップ103)、ステップ110に進み、不揮発性メモリ14に格納されているシーケンスプログラム中の選択されたプログラム位置の信号名称を新たに入力した信号名称に変更し、且つ接点の信号名称も変更するものとしてその範囲が設定されていれば、設定範囲内の接点の信号名称も変更し、シーケンスプログラムを編集する。
以上は、手動でオペレータが信号名称を変更するようにした場合の処理である。
【0023】
次に第2番目の方法を説明する。オペレータが信号名変更のチェックボックスへチェック入力し(ステップ102)、「信号変更範囲指定」のボタンをクリックすると(ステップ104)、図5に示すような信号変更範囲指定表が表示装置/入力手段16の表示画面にウインド形式で表示される。この信号変更範囲指定表には、信号名称を変更するプログラム名の欄、変更のために検索を開始する信号名称(アドレス)と終了する信号名称(アドレス)の欄、変更する信号の種類の欄があり、図4で示す重複書き込み信号名一覧のチェックボックスにチェックした信号名称を変更するプログラムに対するプログラム名称が自動的に選択され、プログラム名の欄に表示される。
【0024】
そこで、オペレータは、表示された各プログラムに対して信号名称を変更するために、検索開始の信号名称(アドレス)と検索終了の信号名称(アドレス)を各々の入力欄に入力する。検索開始の信号名称(アドレス)と検索終了の信号名称(アドレス)は、対応するプログラムに対して設けられている先頭信号名称(アドレス)と最終信号名称(アドレス)でもよく、この場合に最初にこれらを自動的に設定し表示させるようにしてもよい。又、オペレータは、変更する範囲が明確であれば、その先頭信号名称(アドレス)と最終信号名称(アドレス)を入力して検索範囲を設定する。
【0025】
さらに、変更する信号の種類を入力する。この変更する種類は、「未使用の信号名」、「書き込みなし信号の信号名」、「未使用の信号名又は書き込みなし信号の信号名」3種類の中の1つを設定する(ステップ105)。
【0026】
そして、表示装置/入力手段16のキーボードにおけるリターンキー等により実行指令を入力すると(ステップ106)、プロセッサ11は、変更信号抽出処理を開始する(ステップ107)。
変更信号抽出処理は、設定入力された先頭信号名称(アドレス)から最終信号名称(アドレス)まで検索し、プログラム中に変更する信号の種類の欄に設定した種類の信号であるか否か判別する(ステップ107)。例えば、変更する信号の種類の欄に未使用信号と設定されていれば、先頭信号名(アドレス)から検索し未使用の信号名称が発見できれば、この信号名称を新たな信号名称として重複書き込み信号一覧の変更信号名の欄に書き込み表示する。さらに、必要であれば重複書き込み信号一覧の接点変更の欄に、上述したように変更範囲(プログラム名)を入力する(ステップ108)。
【0027】
こうして、信号名変更欄のチェックボックスにチェック入力した信号名称に対して、新たな信号名称さらには接点の信号名称の変更範囲を入力して「信号変更実行」のボタンをクリックすれば(ステップ109)、シーケンスプログラムの重複する信号名称の指定した方が新たに入力された信号名称に変更され、さらに変更範囲が設定されていれば接点の信号名称も変更される(ステップ110)。すなわち、チェックボックスがチェックされた方の信号名称は入力された新たな信号名称に変更され、又接点の名称変更の変更範囲が設定されていれば、接点の信号名称も変更されてシーケンスプログラムは、信号名称の重複しないものが得られる。
【0028】
以上の通り、本実施形態では、重複信号名称が表示され、変更する新たな信号名称を入力することによって、自動的に信号名称が変更され、信号名称が重複しないシーケンスプログラムを自動的に得ることができるものである。
【0029】
図6は、本発明の第2の実施形態の機能ブロック図である。上述した第1の実施形態では、シーケンスプログラム編集装置10内に格納されたシーケンスプログラムの重複する信号名称を変更するものであったが、この第2の実施形態は、シーケンスプログラム編集装置10と通信ネットワーク19で接続したプログラマブルコントローラ20内に格納されているシーケンスプログラムに対して重複する信号名称を変更するようにしたものである。
【0030】
シーケンスプログラム編集装置10については、通信制御部6が付加されている点で図1に示したものと相違するのみである。そして、プログラマブルコントローラ20とは、通信ネットワーク19等の通信線を介して接続されており、プログラマブルコントローラ20のオブジェクトプログラム格納部21に格納されたシーケンスプログラムをプログラマブルコントローラ20に設けられた通信制御部23、通信ネットワーク19を介して読み出し、第1の実施形態で述べたように、重複する信号名称を検索してその位置と共に重複書き込み信号一覧として表示装置/入力手段1に表示し、以後の処理は、第1の実施形態と同一である。そして、重複信号名称が新たな信号名称に変更されてシーケンスプログラムは通信制御部6,通信ネットワーク19、通信制御部23を介してオブジェクトプログラム格納部21に格納され、該格納されたシーケンスプログラムがコンパイルされて実行形式に変換されて、オブジェクトプログラム実行部22で実行されることになる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、信号名称が重複して使用されているシーケンスプログラムに対して、その信号名称変更を容易に実施することができ、シーケンスプログラムの作成・編集における労力と時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の機能ブロック図である。
【図2】同第1の実施形態のシーケンスプログラム編集装置の要部ブロック図である。
【図3】同第1の実施形態の重複信号名の名称変更処理のフローチャートである。
【図4】同第1の実施形態における重複書き込み信号一覧の表示画面の説明図である。
【図5】同第1の実施形態における信号変更範囲指定画面の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の機能ブロック図である。
【符号の説明】
10 シーケンスプログラム編集装置
20 プログラマブルコントローラ
Claims (4)
- シーケンスプログラム編集装置であって、
シーケンスプログラムを記憶したプログラム記憶手段と、
該プログラム記憶手段に記憶されたシーケンスプログラムにおいて同一の信号名称に対する異なったコイルでの重複書込みを検出する重複検出手段と、
該重複検出手段で検出された信号の信号名称と前記シーケンスプログラムの書込み位置を対応付けて一覧表示する表示手段と、
前記一覧表示された重複した信号名称から修正すべき信号名称に対応する前記書き込み位置を選択するための選択手段と、
新たな信号名称を入力して信号名称を変更する信号名称変更手段と、
を有することを特徴とするシーケンスプログラム編集装置。 - シーケンスプログラム編集装置であって、
シーケンスプログラムを記憶したプログラム記憶手段と、
該プログラム記憶手段に記憶されたシーケンスプログラムにおいて同一の信号名称に対する異なったコイルでの重複書込みを検出する重複検出手段と、
該重複検出手段で検出された信号の信号名称と前記シーケンスプログラムの書込み位置を対応付けて一覧表示する表示手段と、
前記一覧表示された重複した信号名称から修正すべき信号名称に対応する前記書き込み位置を選択するための選択手段と、
割当て可能な信号名称の範囲を設定する範囲設定手段と、
該範囲設定手段で設定された範囲から割り当て可能な信号名称を抽出し変更する信号名称変更手段と、
を有することを特徴とするシーケンスプログラム編集装置。 - 前記信号の名称変更と共に、接点の名称を変更することを選択する手段および接点の名称を変更するシーケンスプログラム範囲を設定する手段を有することを特徴とする前記請求項1または2記載のシーケンスプログラム編集装置。
- 前記シーケンスプログラム範囲を設定する手段は、前記シーケンスプログラムを構成するメインプログラムと複数のサブプログラムのプログラム分割単位毎に変更する信号の範囲を指定することが可能な前記請求項3に記載のシーケンスプログラム編集装置。
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