JP3807956B2 - ベクトル制御による電気車制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は,誘導電動機の磁束とトルクとを制御するベクトル制御による電気車制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来のベクトル制御による電気車制御装置の構成を示すブロック図である。図5において、パンタグラフ1は架線2より集電し、直流リアクトル3を介してフィルタコンデンサ4の一端に接続される。フィルタコンデンサ4のもう一端は車輪5を介して、レール6へと接地される。フィルタコンデンサ4には直流を任意の周波数の交流に変換するVVVFインバータ(可変電圧可変周波数インバータ)7が接続されている。そして、VVVFインバータ7の交流側には,誘導電動機8が接続される。
ここで、VVVFインバータ7により誘導電動機2を駆動する制御方式の一つとしては、いわゆるベクトル制御がある。このベクトル制御は,電流・電圧・磁束をベクトル量として制御するもので、磁束軸に一致した軸をd軸とし、このd軸に直交する軸(トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系上で,速度検出器を用いずにVVVFインバータ7の制御を行う。
【0003】
次に、ベクトル制御について説明する。図5において、電流検出器9で誘導電動機8に流れる相電流Iu、Iv、Iwを検出して、座標変換器10に入力する。座標変換器10は誘導電動機8の相電流Iu、Iv、Iwを磁束軸に一致した軸をd軸とし,このd軸に直交する軸(トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系の2軸に変換して、d軸電流Idとq軸電流Iqを演算する。電流指令値演算手段11は、磁束指令Φ*とトルク指令Tm*とに基づいて、トルク軸電流指令であるq軸電流指令Iq*と磁束軸電流指令であるd軸電流指令Id*とを演算する。滑り周波数演算手段12はd軸電流指令Id*とq軸電流指令Id*に基づいて、与えるべき滑り周波数ωsを演算する。電圧ベクトル制御演算手段13はトルク軸電流指令であるq軸電流指令Iq*と磁束軸電流指令であるd軸電流指令Id*と、d軸電流Idとq軸電流Iqと、出力周波数ωiとを入力として、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*とを演算する。ロータ回転周波数演算手段14は出力周波数ωiと、磁束指令Φ*と、d軸電流Idとq軸電流Iqと、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*とに基づいて、ロータ回転周波数推定値Wr0を演算する。そして、ロータ回転周波数推定値Wr0と滑り周波数ωsとを加算器15で加算してVVVFインバータ7の出力周波数ωiを演算する。位相演算手段16はVVVFインバータ7の出力周波数ωiを積分して位相θabを演算する。ゲート制御手段17は位相θabと、電圧指令Vd*、Vq*とに基づいて,VVVFインバータ7のゲートを制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のベクトル制御による電気車制御装置は以上のように構成されているので、誘導電動機7に流れる誘導電動機電流を用いてロータ回転周波数を推定するため、誘導電動機電流にリプルが含まれているとロータ回転周波数推定値に誘導電動機電流のリプル成分が含まれて精度のよい速度推定を行うのが困難となる。そこで、誘導電動機電流のリプル成分の影響を少なくするために、搬送波のキャリア周波数を高くしている。しかし、搬送波のキャリア周波数を高くすると電気車制御装置の冷却性能が低下するため冷却器が大形化するという問題点があった。この発明は、誘導電動機電流のリプル成分の影響を除去することができるベクトル制御による電気車制御装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わるベクトル制御による電気車制御装置は、可変電圧可変周波数インバータ(VVVFインバータ)と、このVVVFインバータにより駆動される誘導電動機と、磁束指令とトルク指令とにより誘導電動機に供給する電流の電流指令値を演算する電流指令演算手段と、電流指令値から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段と、電流指令値に一致する電動機電流が得られる電圧指令値を演算する電圧ベクトル制御演算手段と、誘導電動機の電流をd軸電流及びq軸電流に座標変換する座標変換手段と、ロータ回転周波数推定値と滑り周波数とを加算して出力周波数を演算する出力周波数演算手段と、磁束指令、d軸電流、q軸電流、電圧指令値及び出力周波数によりロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数演算手段と、出力周波数を積分して位相を演算する位相演算手段と、電圧指令値及び上記位相からVVVFインバータの出力電圧が電圧指令値と一致するようにゲート制御するゲート制御手段とを備えたベクトル制御による電気車制御装置において、ロータ回転周波数推定値から脈動成分を除去するフィルタを設けたものである。
さらに、ロータ回転周波数演算手段に入力されたd軸電流及びq軸電流から脈動成分を除去する一次フィルタを設けたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1の構成を示すブロック図、及び図2は図1の要部を示すブロック図である。図1及び図2において、18aは架線、18bはレール、19aはパンタグラフ、19bは車輪、20はフィルタコンデンサ、21はVVVFインバータ、22は誘導電動機、23は電流検出器で、誘導電動機23の相電流Iu、Iv、Iwを検出する。24は座標変換器で、相電流Iu、Iv、Iwを磁束軸に一致した軸をd軸とし、d軸に直交する軸(トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系の2軸に変換して、d軸電流Idとq軸電流Iqとを演算する。25は電流値指令演算手段で、磁束指令Φ*とトルク指令Tm*とに基づいて、トルク軸電流指令であるq軸電流指令Iq*と磁束軸電流指令であるd軸電流指令Id*とを演算する。26は滑り周波数演算手段で、q軸電流指令Iq*とd軸電流指令Id*に基づいて、与えるべき滑り周波数ωsを演算する。27は電圧ベクトル制御演算手段で、q軸電流指令Iq*と磁束軸電流指令であるd軸電流指令Id*と、d軸電流Idとq軸電流Iqと、出力周波数ωiとを入力とし、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*とを演算する。
【0007】
28はロータ回転周波数演算手段で、出力周波数ωiと、磁束指令Φ*と、d軸電流Idとq軸電流Iqと、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*とに基づいて、ロータ回転周波数推定値Wr0を演算する。なお、ロータ回転周波数演算手段28は、誘導電動機モデル部29と、積分器30と、2次磁束推定補正部31と、加算器32と、モータ電流推定部33と、減算器34と、ロータ回転周波数推定調整器35と、ロータ回転周波数推定器36と、フイルタ37とから構成されている。38は出力周波数演算手段で、ロータ回転周波数推定値Wr0と滑り周波数ωsとを加算してVVVFインバータ21の出力周波数ωiを演算する。39は位相演算手段で、出力周波数ωiを積分して位相θabを演算する。40はゲート制御手段で、位相θabと、電圧指令Vd*、Vd*とに基づいて、VVVFインバータ21のゲートを制御する。
【0008】
次に動作について説明する。図1及び図2において、電流検出器23で誘導電動機22に流れる相電流Iu、Iv、Iwを検出して、座標変換器24に入力する。座標変換器24は誘導電動機22の相電流Iu、Iv、Iwを磁束軸に一致した軸をd軸とし,このd軸に直交する軸(トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系の2軸に変換して、d軸電流Idとq軸電流Iqを演算する。
一方、電流指令値演算手段25は、磁束指令Φ*とトルク指令Tm*とに基づいて、トルク軸電流指令であるq軸電流指令Iq*と磁束軸電流指令であるd軸電流指令Id*とを式(1)により演算する。式(1)において、Mは相互インダクタンス、L2は2次インダクタンスである。
【0009】
【数1】
【0010】
滑り周波数演算手段26においては、d軸電流指令Id*とq軸電流指令Iq*とに基づいて、与えるべき滑り周波数ωsを式(2)により演算する。式(2)において、R2は2次抵抗である。
【0011】
【数2】
【0012】
ロータ回転周波数演算手段28の誘導電動機モデル部29においては、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*と、出力周波数ωiと、電流誤差ベクトルeid,eiqと、1次,2次の磁束であるpds,pqs,pdr1,pqrを状態変数として、式(3)により演算する。式(3)において、pdsは推定1次側のd軸の磁束、pqsは推定1次側のq軸の磁束、pdr1は推定2次側のd軸の磁束、pqrは推定2次側のq軸の磁束、eidはd軸電流誤差ベクトル、eiqはq軸電流誤差ベクトルである。
【0013】
【数3】
【0014】
誘導電動機モデル部29の出力であるdpds,dpqs,dpdr,dpqrを積分器30で積分することによって、式(4)に示すように1次及び2次の磁束を推定することができる。
【0015】
【数4】
【0016】
2次磁束推定補正部31においては、磁束指令Φ* に一致した2次磁束がd軸に立ち上がった状態において、その動作点近傍での安定動作を保証するものである。2次磁束推定補正部31は、誘導電動機22が惰行状態から、さらに加速する力行状態もしくは減速するための回生状態になっても、再起動の際の動作点への引き込みを容易にし、安定かつ確実な再起動動作を行うことができるように推定2次側のd軸の磁束を磁束指令Φ*と一致した立ち上げを行うものである。
2次磁束推定補正部31の具体的な演算方法は、式(5)及び式(6)で与えられる。式(5)(6)において、kpは2次磁束推定補正比例ゲイン、Tpiは2次磁束推定補正積分時定数、sはラプラス演算子である。
【0017】
【数5】
【0018】
速度検出器を用いない速度センサレスベクトル制御を適用した電気車制御装置では、誘導電動機22の再起動時に、誘導電動機2のロータ回転周波数が不明であるために、磁束指令Φ*に一致した磁束がd軸に立ち上がった状態への引き込みに失敗し、磁束の立ち上げれない場合がある。2次磁束推定補正部31によって磁束指令Φ*と一致した推定2次側のd軸の磁束を与えることにより、再起動動作を安定かつ素早く確実に行うことができる。すなわち,磁束指令Φ*に一致した磁束が補償できるため、通常の動作点、すなわち磁束指令Φ*に一致した磁束がd軸に立ち上がった状態の安定性を常に保証できる。
2次磁束推定補正部31の出力pdr0と積分器30の出力pdrとを、式(7)のように加算器32によって加算する。
pdr1=pdr+pdr0 ・・・(7)
磁束指令Φ*に一致した磁束がd軸に立ち上がった通常の動作点近傍においては、磁束指令Φ*と推定2次磁束pdrが一致して、偏差であるPpdrは零となるため、式(8)が成立する。
pdr1=pdr ・・・(8)
モータ電流推定部33においては、推定1次及び2次磁束pds,pqs,pdr1,pqrが入力され、式(9)により誘導電動機電流の推定値ids0,iqs0が演算される。式(9)において、Mは相互インダクタンス、L2は2次インダクタンス、L1は1次インダクタンスである。
【0019】
【数6】
【0020】
次に、減算器34においては、電流誤差ベクトルeid,eiqが式(10)(11)により演算される。
eid=ids0−Id ・・・(10)
eiq=iqs0−Iq ・・・(11)
さらに、ロータ回転周波数推定調整器35においては、電流誤差ベクトルeid,eiq、推定2次磁束pdr1,pqrを入力として、式(12)により演算される。
【0021】
【数7】
【0022】
ロータ回転周波数推定器36においては、ロータ回転周波数推定調整器35の出力PWr0を入力として、ロータ周波数推定値Wr0を式(13)により演算する。式(13)において、kapはロータ回転周波数推定比例ゲイン、Tapiはロータ回転周波数推定積分時定数、sはラプラス演算子である。
【0023】
【数8】
【0024】
フイルタ37においては、ロータ回転周波数推定器36の出力である推定値Wr0に含む搬送波のキャリア周波数成分(脈動成分)を除去するために例えば、式(14)により演算する。式(14)において、kpはロータ回転周波数推定フィルタ比例ゲイン、Tpiはロータ回転周波数推定フィルタ積分時定数、sはラプラス演算子である。
【0025】
【数9】
【0026】
フィルタ37の出力値Wr1は、搬送波のキャリア周波数成分などの脈動成分を除去した値となる。
次に、滑り周波数ωsとロータ回転周波数推定値Wr1とを出力周波数演算手段38で加算して、VVVFインバータ21の出力周波数ωiとする。この出力周波数ωiは位相演算手段39で積分されて位相θabが出力される。この位相θabは静止座標系のa軸から回転座標系d軸までの回転位相角θabである。
電圧ベクトル制御演算手段27では、d軸電流指令Id*とq軸電流指令Iq*と、d軸電流とq軸電流と、出力周波数ωiとを入力として式(15)により、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*とを演算する。式(15)において、R1は1次抵抗、L1は1次インダクタンス、σは漏れインダクタンス(=1−(M×M/L1/L2))、ωiはインバータ出力周波数、Kpは電流制御比例ゲイン、Kiは電流制御積分ゲイン、sはラプラス演算子である。
【0027】
【数10】
【0028】
ゲート制御手段40においては、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*位相角θabとに基づいて、ゲート信号を作成する。
以上のように、フィルタ37を通して搬送波のキャリア周波数成分等の脈動成分を除去することにより、誘導電動機電流のリプル成分の影響を除去することができので、搬送波のキャリア周波数を高く設定する必要がなくなるため、電気車制御装置の冷却性能の低下を防止することができる。
上記実施形態1において、直流電気車におけるベクトル制御について説明したが、交流電気車に適用しても同様の効果を期待することができる。
また、実施の形態1において、フイルタ37によりロータ回転周波数推定器36の出力である推定値Wr0に含む搬送波のキャリア周波数成分(脈動成分)を除去するために式(14)により演算するものについて説明したが、式(16)により演算することもできる。
【0029】
【数11】
【0030】
実施の形態2.
図3は実施の形態2の構成を示すブロック図、及び図4は図3の要部を示すブロック図である。図3及び図4において、18〜27,29〜33,35〜40は実施の形態1のものと同様のものである。41はロータ回転周波数演算手段で、出力周波数ωiと、磁束指令Φ*と、d軸電流Idとq軸電流Iqと、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*とに基づいて、ロータ回転周波数推定値Wr0を演算する。なお、ロータ回転周波数演算手段41は、誘導電動機モデル部29と、積分器30と、2次磁束推定補正部31と、加算器32と、モータ電流推定部33と、ロータ回転周波数推定調整器35と、ロータ回転周波数推定器36と、d軸用一次フイルタ42、q軸用一次フイルタ43と、減算器44とから構成されている。
【0031】
次に、動作について説明する。図3及び図4において、式(1)〜(9),(12),(13),(15)は実施の形態1と同様の演算式である。まず、電流検出器23で誘導電動機22に流れる相電流Iu、Iv、Iwを検出して、座標変換器24に入力する。座標変換器24は誘導電動機22の相電流Iu、Iv、Iwを磁束軸に一致した軸をd軸とし,このd軸に直交する軸(トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系の2軸に変換して、d軸電流Idとq軸電流Iqを演算する。
一方、電流指令値演算手段25は、磁束指令Φ*とトルク指令Tm*とに基づいて、トルク軸電流指令であるq軸電流指令Iq*と磁束軸電流指令であるd軸電流指令Id*とを式(1)により演算する。
滑り周波数演算手段26においては、d軸電流指令Id*とq軸電流指令Iq*とに基づいて、与えるべき滑り周波数ωsを式(2)により演算する。
ロータ回転周波数演算手段28の誘導電動機モデル部29においては、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*と、出力周波数ωiと、電流誤差ベクトルeid,eiqと、1次,2次の磁束であるpds,pqs,pdr1,pqrを状態変数として、式(3)により演算する。
【0032】
誘導電動機モデル部29の出力であるdpds,dpqs,dpdr,dpqrを積分器30で積分することによって、式(4)に示すように1次及び2次の磁束を推定することができる。
2次磁束推定補正部31においては、磁束指令Φ*に一致した2次磁束がd軸に立ち上がった状態において、その動作点近傍での安定動作を保証するものである。2次磁束推定補正部31は、誘導電動機22が惰行状態から、さらに加速する力行状態もしくは減速するための回生状態になっても、再起動の際の動作点への引き込みを容易にし、安定かつ確実な再起動動作を行うことができるように推定2次側のd軸の磁束を磁束指令Φ*と一致した立ち上げを行うものである。
2次磁束推定補正部31の具体的な演算方法は、式(5)及び式(6)で与えられる。
【0033】
2次磁束推定補正部31の出力pdr0と積分器30の出力pdrとを、式(7)のように加算器32によって加算する。
磁束指令Φ*に一致した磁束がd軸に立ち上がった通常の動作点近傍においては、磁束指令Φ*と推定2次磁束pdrが一致して、偏差であるPpdrは零となるため、式(8)が成立する。
モータ電流推定部33においては、推定1次及び2次磁束pds,pqs,pdr1,pqrが入力され、式(9)により誘導電動機電流の推定値ids0,iqs0が演算される。
ここで、一次フイルタ42,43において、搬送波のキャリア周波数成分等の脈動成分を式(17),(18)により除去してId1,Iq1を出力する。式(17),(18)において、kpd,kqdは一次フイルタゲイン、Tpid,Tpiqは一次フイルタ時定数である。
【0034】
【数12】
【0035】
次に、減算器44においては、電流誤差ベクトルeid,eiqが式(19),(20)により演算される。
eid=ids0−Id1 ・・・(19)
eiq=iqs0−Iq1 ・・・(20)
さらに、ロータ回転周波数推定調整器35においては、電流誤差ベクトルeid,eiq、推定2次磁束pdr1,pqrを入力として、式(12)により演算される。
ロータ回転周波数推定器36においては、ロータ回転周波数推定調整器35の出力PWr0を入力として、ロータ周波数推定値Wr0を式(13)により演算する。
【0036】
次に、滑り周波数ωsとロータ回転周波数推定値Wr0とを加算器38で加算して、VVVFインバータ21の出力周波数ωiとする。この出力周波数ωiは積分器39で積分されて位相θabが出力される。この位相θabは静止座標系のa軸から回転座標系d軸までの回転位相角θabである。
電圧ベクトル制御演算手段27では、d軸電流指令Id*とq軸電流指令Iq*と、d軸電流とq軸電流と、出力周波数ωiとを入力として式(15)により、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*とを演算する。
ゲート制御手段40においては、d軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*位相角θabとに基づいて、ゲート信号を作成する。
以上のように、ロータ回転周波数演算手段41に入力されたd軸電流及びq軸電流から脈動成分を除去する一次フィルタ42,43を設けたことにより、誘導電動機電流のリプル成分の影響を除去することができので、搬送波のキャリア周波数を高く設定する必要がなくなるため、電気車制御装置の冷却性能の低下を防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、ロータ回転周波数推定値からフィルタを通して脈動成分を除去することにより、誘導電動機電流のリプル成分の影響を除去することができるので、搬送波のキャリア周波数を高く設定する必要がなくなるため、電気車制御装置の冷却性能の低下を防止することができる。
さらに、ロータ回転周波数演算手段に入力されたd軸電流及びq軸電流から脈動成分を除去する一次フィルタを設けたことにより、誘導電動機電流のリプル成分の影響を除去することができので、搬送波のキャリア周波数を高く設定する必要がなくなるため、電気車制御装置の冷却性能の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の要部を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図4】 図3の要部を示すブロック図である。
【図5】 従来のベクトル制御による電気車制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 VVVFインバータ、22 誘導電動機、24 座標変換器、
25 電流指令値演算手段、26 滑り周波数演算手段、
27 電圧ベクトル演算手段、28 ロータ回転周波数演算手段、
37 フイルタ、38 出力周波数演算手段、39 位相演算手段、
40 ゲート制御手段、42,43 一次フイルタ。
Claims (4)
- 可変電圧可変周波数インバータ(VVVFインバータ)と、このVVVFインバータにより駆動される誘導電動機と、磁束指令とトルク指令とにより上記誘導電動機に供給する電流の電流指令値を演算する電流指令演算手段と、上記電流指令値から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段と、上記電流指令値に一致する電動機電流が得られる電圧指令値を演算する電圧ベクトル制御演算手段と、上記誘導電動機の電流をd軸電流及びq軸電流に座標変換する座標変換手段と、ロータ回転周波数推定値と上記滑り周波数とを加算して出力周波数を演算する出力周波数演算手段と、上記磁束指令、上記d軸電流、上記q軸電流、上記電圧指令値及び上記出力周波数により上記ロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数演算手段と、上記出力周波数を積分して位相を演算する位相演算手段と、上記電圧指令値及び上記位相から上記VVVFインバータの出力電圧が上記電圧指令値と一致するようにゲート制御するゲート制御手段とを備えたベクトル制御による電気車制御装置において、上記ロータ回転周波数演算手段は上記ロータ回転周波数推定値から脈動成分を除去するフィルタを有することを特徴とするベクトル制御による電気車制御装置。
- 可変電圧可変周波数インバータ(VVVFインバータ)と、このVVVFインバータにより駆動される誘導電動機と、磁束指令とトルク指令とにより上記誘導電動機に供給する電流の電流指令値を演算する電流指令演算手段と、上記電流指令値から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段と、上記電流指令値に一致する電動機電流が得られる電圧指令値を演算する電圧ベクトル制御演算手段と、上記誘導電動機の電流をd軸電流及びq軸電流に座標変換する座標変換手段と、ロータ回転周波数推定値と上記滑り周波数とを加算して出力周波数を演算する出力周波数演算手段と、上記磁束指令、上記d軸電流、上記q軸電流、上記電圧指令値及び上記出力周波数により上記ロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数演算手段と、上記出力周波数を積分して位相を演算する位相演算手段と、上記電圧指令値及び上記位相から上記VVVFインバータの出力電圧が上記電圧指令値と一致するようにゲート制御するゲート制御手段とを備えたベクトル制御による電気車制御装置において、上記ロータ回転周波数演算手段は上記d軸電流及びq軸電流から脈動成分を除去する一次フィルタを有することを特徴とするベクトル制御による電気車制御装置。
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