JP4437629B2 - 電気車制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、速度センサを用いずに誘導電動機の磁束とトルクとを制御するいわゆる速度センサレスベクトル制御を適用した電気車制御装置に係り、特に電気車が惰行動作から加速または減速の再起動動作に移行した際の制御動作の安定性を確保するものである。
【0002】
【従来の技術】
ベクトル制御を適用した典型的な電気車制御装置においては、制御に必要となる誘導電動機のロータ回転周波数は電動機に取り付けられた速度検出器で検出される。
ところで、速度検出器に接続される弱電線は、動力線と同様に引き回されており、電気車の保守性を低下させる要因となり、あるいは信号線に重畳するノイズや振動による信号パルスの欠落によって、制御的にも悪影響を及ぼす可能性がある。また、速度検出器を取り付けるスペース分を誘導電動機の鉄心長の延長にあて誘導電動機の容積拡大による誘導電動機の出力向上が期待できる。このような観点から、速度検出器を用いない速度センサレスベクトル制御を用いた電気車制御装置が強く望まれる。
【0003】
このような期待に応えるべく開発された速度センサレスベクトル制御装置が、例えば、特開平11−4599号公報に紹介されている。
ここでは詳しい説明は省略するが、同公報における回転角速度推定手段は、誘導電動機の電流、電圧に基づいて誘導電動機の推定2次磁束、推定1次電流および推定回転角速度を演算する適応観測器と、その適応観測器から得られた推定回転角速度に基づいてその適応観測器内のフィードバックゲインを演算するゲイン演算器とから構成され、上記ゲイン演算器は、上記電流と1次推定電流との偏差信号に含まれる上記推定2次磁束と同位相成分が零となるように上記フィードバックゲインの演算を行うことを特徴とするものである。
そして、これによって、運転状況によって応答性が変化したり、不安定現象が発生し得るというそれまでの問題点を解決し、安定かつ高応答の制御特性が得られるという効果を奏するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、速度センサレスベクトル制御を用いた電気車制御装置では、電気車が惰行状態に入ると誘導電動機のロータ回転周波数を検知する速度検出器が存在せず、ロータ回転周波数を推定し得る誘起電圧も発生していない。従って、この惰行中はロータ回転周波数の推定演算は不可能になる。
このように、電気車がそのロータ回転周波数が特定できない惰行動作から再び加速または減速動作に入って誘導電動機を再起動する場合、ロータ回転周波数の引き込みに失敗する現象、即ち、推定不可の状態から急に推定演算を開始するとロータ回転周波数の本来の推定値レベルに到達できない現象や、この現象に起因して過電流・過電圧等の保護動作が生じることによってVVVFインバータが停止する可能性が高い。また、不要なトルクを引き起こして乗り心地を低下させる可能性もある。
【0005】
速度センサレスベクトル制御を適用した電気車制御装置における、この惰行から再起動にかけて生じ得る不安定性を解決するものとして、例えば、特開2000−253505号公報、特開2000−253506号公報に開示された方法がある。
前者の公報は、惰行から再起動する際、出力周波数演算部から出力される周波数推定値に補正量を加算する出力周波数補正量演算部を別途設けるものである。また、後者の公報は、惰行から再起動を行う場合、ゲート制御部に所定の出力周波数指令を与える出力周波数指令演算部を別途設けるものである。即ち、両公報に開示された方式はいずれも、ロータ回転周波数を推定演算する出力周波数演算部自体に安定化対策を施すのではない。従って、その対策が制御回路の構成全体に影響を及ぼす複雑なものとなるとともに、ロータ回転周波数の推定値自体を安定化させるものでないので、安定化の達成効果についても必ずしも十分とは言えないという問題点があった。
【0006】
この発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、速度センサレスベクトル制御の電気車にあって、その惰行から再起動に至る過程での不安定性を、ロータ回転周波数推定手段の構成内部で解決することで、全体の制御回路構成に及ぼす影響が小さく、しかも安定化の効果の大きな電気車制御装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電気車制御装置は、電気車を駆動する誘導電動機に可変電圧可変周波数の電力を供給する電力変換装置をベクトル制御で制御する電気車制御装置であって、
磁束指令とトルク指令とから電流指令値を演算する電流指令演算手段、上記電流指令値から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段、上記誘導電動機の電流を検出する電流検出手段、上記誘導電動機のロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数演算手段、上記滑り周波数とロータ回転周波数推定値とを加算して上記電力変換装置の出力周波数を演算する出力周波数演算手段、上記電流指令値と電流検出値と出力周波数とから上記電力変換装置の電圧指令値を演算する電圧指令演算手段、および上記電圧指令値により上記電力変換装置を制御する制御手段を備え、
上記ロータ回転周波数演算手段は、上記電圧指令値と出力周波数とロータ回転周波数推定値と磁束推定値と電流誤差ベクトル(電流誤差ベクトル=電流推定値−上記電流検出値)とを入力して上記磁束推定値を演算する誘導電動機モデル部、この誘導電動機モデル部からの磁束推定値を入力して上記電流推定値を演算するモータ電流推定部、上記電流推定値と電流検出値とを入力して上記電流誤差ベクトルを演算する減算部、および上記電流誤差ベクトルと磁束推定値とを入力して上記ロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数推定部からなるものにおいて、
上記電気車が惰行動作に移行して上記誘導電動機モデル部から出力される磁束推定値が低下した後、上記電気車が加速または減速動作に移行する時点で上記モータ電流推定部に入力される上記磁束推定値の立ち上げを加速補正する磁束推定値補正手段を備えたものである。
【0008】
また、この発明に係る電気車制御装置の誘導電動機モデル部は、磁束推定値として、1次d軸磁束推定値pds、1次q軸磁束推定値pqs、2次d軸磁束推定値pdr、および2次q軸磁束推定値pqrを出力するものであり、
磁束推定値補正手段は、磁束指令から上記2次d軸磁束推定値pdrを減算して偏差出力Ppdrを出力する減算部、この減算部からの偏差出力Ppdrを入力としてPI制御で補正出力pdr0を出力するPI制御部、および上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrに上記PI制御部からの補正出力pdr0を加算し補正2次d軸磁束推定値pdr1としてモータ電流推定部に出力する加算部を備えたものである。
【0009】
また、他の磁束推定値補正手段は、電気車の惰行動作への移行を所定時間前に検出する惰行検出手段、上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrを入力し上記惰行検出手段が惰行検出を出力したとき上記入力した値を保持するラッチ部、および上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrをそのままモータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の2次d軸磁束推定値pdrの初期値として上記モータ電流推定部に出力する切替部を備えたものである。
【0010】
更に他の磁束推定値補正手段は、電気車の惰行動作への移行を所定時間前に検出する惰行検出手段、上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrを入力し上記惰行検出手段が惰行検出を出力したとき上記入力した値を保持するラッチ部、上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrをそのままモータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の2次d軸磁束推定値pdrの初期値として上記モータ電流推定部に出力する第1の切替部、および上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの1次d軸磁束推定値pdsをそのままモータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の1次d軸磁束推定値pdsの初期値として上記モータ電流推定部に出力する第2の切替部を備えたものである。
【0011】
また、この発明に係る電気車制御装置の惰行検出手段は、電流検出値の実効値を演算する実効値演算部、およびこの実効値演算部からの電流実効値と所定の電流設定値との大小を比較し前者が後者より小さくなることで惰行を検出する電流比較部を備えたものである。
【0012】
また、この発明に係る電気車制御装置のロータ回転周波数推定部は、d軸電流誤差ベクトルとq軸電流誤差ベクトルと2次d軸磁束推定値と2次q軸磁束推定値とを入力してロータ回転周波数演算値PWr0を演算する演算部、およびこの演算部からの演算値PWr0を入力としてPI制御でロータ回転周波数推定値Wr0を出力するPI制御部を備えたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による速度センサレスベクトル制御を用いた電気車制御装置の概略構成例を示すブロック図であり、直流電気車を例とする構成を示すものである。なお、ここでは、直流電気車を例に挙げているが、交流電気車の場合も同様に適用できることは言うまでもない。
【0014】
図1において、パンタグラフ15は、架線11より集電し、直流リアクトル16を介してフィルタコンデンサ3の一端に接続される。フィルタコンデンサ3のもう一端は、車輪17を介して、レール18へと接地される。フィルタコンデンサ3には、直流を可変電圧可変周波数の交流に変換する電力変換装置としてのVVVFインバータ1が接続され、VVVFインバータ1の交流側には、誘導電動機2が接続される。
【0015】
ここで、誘導電動機2の駆動方式として適用する速度センサレスベクトル制御方式は、電流・電圧・磁束をベクトル量として制御する方式であり、磁束軸に一致した軸をd軸とし、このd軸に直交する軸(トルク軸)をq軸とするdq軸回転座標系上で、速度検出器を用いずにVVVFインバータ1の制御を行う。
【0016】
電流検出手段としての電流検出器4は、誘導電動機2に流れる相電流Iu、Iv、Iwを検出する。座標変換器7は、電流検出器4により検出された誘導電動機2に流れる相電流Iu、Iv、Iwをdq軸回転座標系の2軸に変換し、d軸電流Idとq軸電流Iqを演算する。
電流指令演算手段としての電流指令値演算部5は、下記(1)式により、磁束指令Φとトルク指令Tmとに基づいて、トルク軸電流指令であるq軸電流指令値Iqと磁束軸電流指令であるd軸電流指令Idとを演算する。
【0017】
【数1】
Figure 0004437629
【0018】
滑り周波数演算手段としての滑り周波数演算部14は、下記(2)式により、電流指令値演算部5からの出力であるdq軸電流指令IqとIdに基づいて、与えるべき滑り周波数ωsを演算する。
【0019】
【数2】
Figure 0004437629
【0020】
電圧指令演算手段としての電圧ベクトル制御演算部6は、下記(3)式により、電流指令値演算部5により演算されたトルク軸電流指令であるq軸電流指令Iqと磁束軸電流指令であるd軸電流指令Id、d軸電流Idとq軸電流Iq、および後述する誘導電動機2の出力周波数ωiを入力とし、この入力に基づいてd軸電圧指令Vdとq軸電圧指令Vqとを演算する。
【0021】
【数3】
Figure 0004437629
【0022】
ロータ回転周波数演算部10は、出力周波数ωi、磁束指令Φ、座標変換器7により演算されたd軸電流Idとq軸電流Iq、および電圧ベクトル制御演算部6により演算されたd軸電圧指令Vdとq軸電圧指令Vqに基づいて、ロータ回転周波数推定値Wr0を演算する。なお、ロータ回転周波数演算部10は本願発明の主要部であり、後段で更に詳細に説明する。
【0023】
ロータ回転周波数演算部10で演算されたロータ回転周波数推定値Wr0と滑り周波数演算部14で演算された滑り周波数ωsを出力周波数演算手段としての加算器12で加算してVVVFインバータ1の出力周波数ωiを演算する。
積分器9は、入力されたVVVFインバータ1の出力周波数ωiを積分して位相θabを演算する。
制御手段としてのゲート制御部8は、積分器9により演算された位相θabと、電圧ベクトル制御演算部6により演算された電圧指令VdとVqとに基づいて、VVVFインバータ1のゲートを制御する。
【0024】
次に、図2に基づきロータ回転周波数演算部10の構成について説明する。先ず、本願発明の前提となる部分、即ち、図2の構成の内、惰行から再起動への移行時の不安定性を解消する本願発明の特徴点である磁束推定値補正部40を除く部分について説明するが、これらの部分は、前掲の特開平11−4599号公報に記載された適応観測器の動作理論を具体化したものであり、ここでは各演算式の導出根拠についての詳細な説明は省略する。
誘導電動機モデル部20はフィードバック制御部21と積分器22〜25とからなる。フィードバック制御部21は、下記(4)式により、図1の加算器12からの出力周波数ωiおよび電圧ベクトル制御演算部6からのd軸電圧指令Vd、q軸電圧指令Vqを入力し、更に、フィードバック信号として、1次d軸磁束推定値pds、1次q軸磁束推定値pqs、2次d軸磁束推定値pdr(ここではpdr1)、2次q軸磁束推定値pqr、d軸電流誤差ベクトルeid、q軸電流誤差ベクトルeiqおよびロータ回転周波数演算部10自体の出力であるロータ回転周波数推定値Wr0を入力し、これら入力に基づいて、各磁束推定値の微分値dpds、dpqs、dpdr、dpqrを演算する。
【0025】
【数4】
Figure 0004437629
【0026】
積分器22〜25は、下記(5)式により、各磁束推定値の微分値dpds、dpqs、dpdr、dpqrを積分演算して各磁束推定値pds、pqs、pdr、pqrを出力する。なお、この内、2次d軸磁束推定値pdrは後述する磁束推定値補正部40により補正されて2次d軸磁束推定値pdr1となる。
【0027】
【数5】
Figure 0004437629
【0028】
モータ電流推定部26は、下記式(6)により、各磁束推定値pds、pqs、pdr1、pqrを入力し、この入力に基づいて、d軸電流推定値idsoおよびq軸電流推定値iqsoを演算する。
【0029】
【数6】
Figure 0004437629
【0030】
減算器27、28は、下記(7)式により、両軸電流推定値idso、iqsoと両軸電流検出値Id、Iqとからd軸電流誤差ベクトルeidおよびq軸電流誤差ベクトルeiqを演算する。
【0031】
【数7】
Figure 0004437629
【0032】
ロータ回転周波数推定部29は演算部30とPI制御部31とからなる。演算部30は、下記(8)式により、両軸電流誤差ベクトルeid、eiqと2次両軸磁束推定値pdr1、pqrとを入力し、この入力に基づいて、ロータ回転周波数演算値PWr0を演算する。
【0033】
【数8】
Figure 0004437629
【0034】
PI制御部31は、下記(9)式により、ロータ回転周波数演算値PWr0を入力し、ロータ回転周波数演算部10としての最終出力であるロータ回転周波数推定値Wr0を演算する。
【0035】
【数9】
Figure 0004437629
【0036】
以上で説明したロータ回転周波数演算部10の基本構成部分は、既述したとおり、安定した演算動作で高応答の制御特性を得る機能を備えている。本願発明は、この優れたロータ回転周波数推定機能をベースに、電気車が惰行から再起動した際の不安定性を改善する対策を付加したもので、特に、図2に示す演算の一過程で得られる各磁束推定値に着目しその改善策を創案したものである。
即ち、電気車が惰行でない加速または減速動作にあるときは、各磁束推定値はほぼ下式の状態にある。
1次d軸磁束推定値pds≒磁束指令φ
1次q軸磁束推定値pqs≒0
2次d軸磁束推定値pdr=磁束指令φ
2次q軸磁束推定値pqr≒0
図2の磁束推定値補正部40は以上の関係に着目し、電気車が惰行動作に入りすべての磁束推定値が零レベルに低下した後、再起動時に瞬時に立ち上がる磁束指令φを有効に利用して当該再起動時における2次d軸磁束推定値pdrの立ち上げを加速させるようにするものである。
【0037】
図2において、磁束推定値補正部40は、減算器41と、PI制御部42と、加算器43とからなる。そして、減算器41は、下記(10)式により、磁束指令φと積分器24からの2次d軸磁束推定値pdrとの差を演算して偏差出力Ppdrを出力する。
【0038】
【数10】
Figure 0004437629
【0039】
PI制御部42は、下記(11)式により、偏差出力Ppdrを入力して比例積分(PI)制御で補正出力pdr0を出力する。
【0040】
【数11】
Figure 0004437629
【0041】
加算器43は、下記(12)式により、PI制御部42からの補正出力pdr0と積分器24からの2次d軸磁束推定値pdrとを加算し補正2次d軸磁束推定値pdr1としてモータ電流推定部26に出力する。
【0042】
【数12】
Figure 0004437629
【0043】
次にこの惰行から再起動にかけての、磁束推定値演算の補正動作について図3のタイミングチャートをも参照して説明する。図3は、例えば加速動作から一旦惰行動作に移行し、次に減速動作に入る場合の各特性値を示す。惰行に入るとすべての磁束推定値が零となり、その結果、ロータ回転周波数演算部10の出力であるロータ回転周波数推定値Wr0も零となる(同図(e))。惰行に入る前の加速中は、1次q軸磁束推定値pqs≒0、2次q軸磁束推定値pqr≒0で、2次d軸磁束推定値pdr=磁束指令φ、1次d軸磁束推定値pds≒磁束指令φ(1次d軸磁束推定値pdsは磁束指令φの90〜95%程度)が成立しているが、惰行に入る直前から加速を緩める操作が始まるので、同図(a)(b)に示すように、磁束指令φが減少し、これに伴って2次d軸磁束推定値pdr、1次d軸磁束推定値pdsも低下する。同様に、モータ電流も減少し(同図(c))、モータ速度もその増分が減少する(同図(d)(e))。
【0044】
以上のように、加速から惰行に入りこの惰行動作が終了するまでは、2次d軸磁束推定値pdr=磁束指令φが成立しているので、図2の減算器41からの偏差出力Ppdrは零のままである。
次に、この惰行動作が終了し減速動作に入ると、従来の場合(磁束推定値補正部40がない場合)は、磁束推定値がすべて零の状態からロータ回転周波数演算部10の推定演算が再開されるので、これらの磁束推定値の立ち上がりには一定の時間を要し、既述したように、この過渡時の条件によっては、元の正確な推定値に収斂せず、過電流等の不具合が生じ得る。
しかるにこの発明にあっては、磁束指令φは減速動作に入った瞬間に立ち上がるので、未だ零の状態の2次d軸磁束推定値pdrとに大差が生じ、図2の減算器41からは大きな偏差出力Ppdrが出力される。従って、PI制御部42のPI定数を適当に設定しておくことにより、その補正出力pdr0を、速やかに磁束指令φ従って惰行前の2次d軸磁束推定値pdrのレベルに立ち上がる特性のものにすることができる。
【0045】
減速動作に入った瞬間は、積分器24からの2次d軸磁束推定値pdrはほぼ零であるので、加算器43からの出力はPI制御部42からの補正出力pdr0にほぼ等しくなり、これが補正2次d軸磁束推定値pdr1としてモータ電流推定部26に出力される。この結果、図3(b)に示すように、再起動(減速)時、補正2次d軸磁束推定値pdr1は定常値に近い値にまで瞬時に立ち上がり、すべての磁束推定値が零の状態から推定演算を再スタートせざるを得なかった従来の場合に比較し、再起動時のレベルから定常時のレベルまでのレベル差が大幅に減少するので、再起動後、安定確実に且つ速やかに正確なロータ回転周波数推定値Wr0を得ることができる。
【0046】
再起動後、本来の推定演算で、積分器24からの2次d軸磁束推定値pdrが次第に立ち上がってくると、それに伴ってPI制御部42からの補正出力pdr0が減少し、やがて零となり、積分器24からの2次d軸磁束推定値pdrがそのままpdr1としてモータ電流推定部26に出力されることになる。
【0047】
以上のように、この発明の実施の形態1では、ロータ回転周波数演算部10自体に磁束推定値補正部40を付加するという簡単な構成で、惰行から再起動する際の不安定性を解消するようにしたので、ベクトル制御回路の他の部分に影響を及ぼすことなく、しかも上記不安定性がより確実に改善されるわけである。
【0048】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2における電気車制御装置のロータ回転周波数演算部10の構成を示すブロック図である。ロータ回転周波数演算部10以外の部分は先の形態1と全く同一であり、ロータ回転周波数演算部10の内容も、磁束推定値補正部に係る部分以外は形態1と同一である。従って、以下この異なる部分である磁束推定値補正部50を中心に説明する。
【0049】
磁束推定値補正部50は、実効値演算部51と電流比較部52とラッチ部53と切替部54とからなる。
実効値演算部51は、下記(13)式により、d軸電流検出値Idおよびq軸電流検出値Iqを入力して電流実効値Imを演算する。
【0050】
【数13】
Figure 0004437629
【0051】
電流比較部52は、下記(14)式により、電流実効値Imおよび電流設定値Imlevelを入力して惰行検知出力1または0を出力する。
【0052】
【数14】
Figure 0004437629
【0053】
なお、以上の実効値演算部51および電流比較部52により、電気車の惰行動作への移行を惰行が開始される時点より所定時間前に検出する惰行検出手段を構成する。
ラッチ部53は、積分器24からの2次d軸磁束推定値pdrを入力し、電流比較部52の出力が1になると上記2次d軸磁束推定値pdrの値を保持し、切替部54の図示下段の接点に出力する。
切替部54は、電流比較部52の出力が0の時は、図示上段の接点を選択して積分器24からの出力をそのままモータ電流推定部26に出力する。電流比較部52の出力が1になった後再び0になった時(再起動時)は、図示下段の接点を選択してラッチ部53からの出力をモータ電流推定部26に出力する。
【0054】
次に惰行から再起動にかけての、磁束推定値演算の補正動作について図5のタイミングチャートをも参照して説明する。図5は、例えば加速動作から一旦惰行動作に移行し、次に減速動作に入る場合の各特性値を示す。惰行に入るとすべての磁束推定値が零となり、その結果、ロータ回転周波数演算部10の出力であるロータ回転周波数推定値Wr0も零となる(同図(e))。惰行に入る前の加速中は、1次q軸磁束推定値pqs≒0、2次q軸磁束推定値pqr≒0で、2次d軸磁束推定値pdr=磁束指令φ、1次d軸磁束推定値pds≒磁束指令φ(1次d軸磁束推定値pdsは磁束指令φの90〜95%程度)が成立しているが、惰行に入る直前から加速を緩める操作が始まるので、同図(a)(b)に示すように、磁束指令φが減少し、これに伴って2次d軸磁束推定値pdr、1次d軸磁束推定値pdsも低下する。同様に、モータ電流も減少し(同図(c))、モータ速度もその増分が減少する(同図(d)(e))。
【0055】
この実施の形態2においては、図4の実効値演算部51が常時、電流検出値Id、Iqから電流実効値Imを演算しており、この電流実効値Imが電流設定値Imlevelより大きいときは電流比較部52の出力は0で、切替部54は積分器24からの2次d軸磁束推定値pdrをそのままモータ電流推定部26に出力し、ロータ回転周波数演算部10は通常の推定演算でロータ回転周波数推定値Wr0を出力する。
電気車が加速動作から惰行動作に移行する過程で電流実効値Imが減少し電流設定値Imlevelに至ると(図5(c))、電流比較部52が惰行検知出力1を出力する。そして、ラッチ部53はこの検知出力1を受けて、そのときの2次d軸磁束推定値pdrの値を保持する。そして、惰行が終了し再び電流比較部52の出力が0になると、切替部54はラッチ部53に保持された値を2次d軸磁束推定値pdrの初期値としてモータ電流推定部26に出力する。
【0056】
この結果、図5(b)に示すように、再起動(減速)時、モータ電流推定部26に入力される2次d軸磁束推定値pdrの値はラッチ部53に保持された値にまで瞬時に立ち上がり、すべての磁束推定値が零の状態から推定演算を再スタートせざるを得なかった従来の場合に比較し、再起動時のレベルから定常時のレベルまでのレベル差が減少するので、再起動後、安定確実に且つ速やかに正確なロータ回転周波数推定値Wr0を得ることができる。電流比較部52における電流設定値Imlevelの値を適当に設定することにより、ラッチ部53で保持する値を定常時の値に近い値にして再起動時からの回転周波数の推定演算の立ち上がりを一層速め、且つ安定したものとすることができる。
【0057】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3における電気車制御装置のロータ回転周波数演算部10の構成を示すブロック図である。実施の形態2では2次d軸磁束推定値pdrに補正処理を行ったが、この実施の形態3においては、これに加えて1次d軸磁束推定値pdsにも補正処理を行っている。即ち、図6の磁束推定値補正部60は、実効値演算部51、電流比較部52、ラッチ部53に加え、第1の切替部61および第2の切替部62を設けている。
【0058】
そして、タイミングチャートの図7(a)(b)に示すように、電流比較部52の出力が1となった時にラッチ部53に保持された2次d軸磁束推定値pdrの値を、第1の切替部61により再起動時の2次d軸磁束推定値pdrの初期値としてモータ電流推定部26に出力するとともに、第2の切替部62により再起動時の1次d軸磁束推定値pdsの初期値としてモータ電流推定部26に出力する。この結果、再起動時にモータ電流推定部26に入力される各磁束推定値の立ち上がりが、実施の形態2の場合に比較して実質的に速まり、惰行から再起動への移行時における回転周波数の推定動作の不安定性がより確実に解消される訳である。電流設定値Imlevelの値を適当に設定することにより、再起動時の立ち上げを更に改善できることは実施の形態2の場合と同様である。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る電気車制御装置は、電気車を駆動する誘導電動機に可変電圧可変周波数の電力を供給する電力変換装置をベクトル制御で制御する電気車制御装置であって、
磁束指令とトルク指令とから電流指令値を演算する電流指令演算手段、上記電流指令値から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段、上記誘導電動機の電流を検出する電流検出手段、上記誘導電動機のロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数演算手段、上記滑り周波数とロータ回転周波数推定値とを加算して上記電力変換装置の出力周波数を演算する出力周波数演算手段、上記電流指令値と電流検出値と出力周波数とから上記電力変換装置の電圧指令値を演算する電圧指令演算手段、および上記電圧指令値により上記電力変換装置を制御する制御手段を備え、
上記ロータ回転周波数演算手段は、上記電圧指令値と出力周波数とロータ回転周波数推定値と磁束推定値と電流誤差ベクトル(電流誤差ベクトル=電流推定値−上記電流検出値)とを入力して上記磁束推定値を演算する誘導電動機モデル部、この誘導電動機モデル部からの磁束推定値を入力して上記電流推定値を演算するモータ電流推定部、上記電流推定値と電流検出値とを入力して上記電流誤差ベクトルを演算する減算部、および上記電流誤差ベクトルと磁束推定値とを入力して上記ロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数推定部からなるものにおいて、
上記電気車が惰行動作に移行して上記誘導電動機モデル部から出力される磁束推定値が低下した後、上記電気車が加速または減速動作に移行する時点で上記モータ電流推定部に入力される上記磁束推定値の立ち上げを加速補正する磁束推定値補正手段を備えたので、速度センサレスベクトル制御の電気車にあって、その惰行から再起動に至る過程での不安定性を簡単な構成で確実に解決することができる。
【0060】
また、この発明に係る電気車制御装置の誘導電動機モデル部は、磁束推定値として、1次d軸磁束推定値pds、1次q軸磁束推定値pqs、2次d軸磁束推定値pdr、および2次q軸磁束推定値pqrを出力するものであり、
磁束推定値補正手段は、磁束指令から上記2次d軸磁束推定値pdrを減算して偏差出力Ppdrを出力する減算部、この減算部からの偏差出力Ppdrを入力としてPI制御で補正出力pdr0を出力するPI制御部、および上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrに上記PI制御部からの補正出力pdr0を加算し補正2次d軸磁束推定値pdr1としてモータ電流推定部に出力する加算部を備えたので、惰行から再起動にかけての磁束推定値の補正が円滑確実になされ、正確なロータ回転周波数推定値が得られる。
【0061】
また、他の磁束推定値補正手段は、電気車の惰行動作への移行を所定時間前に検出する惰行検出手段、上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrを入力し上記惰行検出手段が惰行検出を出力したとき上記入力した値を保持するラッチ部、および上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrをそのままモータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の2次d軸磁束推定値pdrの初期値として上記モータ電流推定部に出力する切替部を備えたので、惰行から再起動にかけての磁束推定値の補正が確実になされ、正確なロータ回転周波数推定値が得られる。
【0062】
更に他の磁束推定値補正手段は、電気車の惰行動作への移行を所定時間前に検出する惰行検出手段、上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrを入力し上記惰行検出手段が惰行検出を出力したとき上記入力した値を保持するラッチ部、上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrをそのままモータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の2次d軸磁束推定値pdrの初期値として上記モータ電流推定部に出力する第1の切替部、および上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの1次d軸磁束推定値pdsをそのままモータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の1次d軸磁束推定値pdsの初期値として上記モータ電流推定部に出力する第2の切替部を備えたので、惰行から再起動にかけての磁束推定値の補正がより確実になされ、正確なロータ回転周波数推定値が得られる。
【0063】
また、この発明に係る電気車制御装置の惰行検出手段は、電流検出値の実効値を演算する実効値演算部、およびこの実効値演算部からの電流実効値と所定の電流設定値との大小を比較し前者が後者より小さくなることで惰行を検出する電流比較部を備えたので、磁束推定値の補正に最適な惰行検出が容易にできる。
【0064】
また、この発明に係る電気車制御装置のロータ回転周波数推定部は、d軸電流誤差ベクトルとq軸電流誤差ベクトルと2次d軸磁束推定値と2次q軸磁束推定値とを入力してロータ回転周波数演算値PWr0を演算する演算部、およびこの演算部からの演算値PWr0を入力としてPI制御でロータ回転周波数推定値Wr0を出力するPI制御部を備えたので、ロータ回転周波数推定値Wr0の出力が円滑になされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による速度センサレスベクトル制御を用いた電気車制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のロータ回転周波数演算部10の内部構成を示すブロック図である。
【図3】 図2のロータ回転周波数演算部10による惰行前後の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態2におけるロータ回転周波数演算部10の内部構成を示すブロック図である。
【図5】 図4のロータ回転周波数演算部10による惰行前後の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態3におけるロータ回転周波数演算部10の内部構成を示すブロック図である。
【図7】 図6のロータ回転周波数演算部10による惰行前後の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 VVVFインバータ、2 誘導電動機、4 電流検出器、
5 電流指令値演算部、6 電圧ベクトル制御演算部、8 ゲート制御部、
9 積分器、10 ロータ回転周波数演算部、12 加算器、
14 滑り周波数演算部、21 フィードバック制御部、22〜25 積分器、
26 モータ電流推定部、27,28 減算器、
29 ロータ回転周波数推定部、30 演算部、31 PI制御部、
40 磁束推定値補正部、41 減算器、42 PI制御部、43 加算器、
50 磁束推定値補正部、51 実効値演算部、52 電流比較部、
53 ラッチ部、54 切替部、60 磁束推定値補正部、
61 第1の切替部、62 第2の切替部、φ 磁束指令、
Tm トルク指令、Vd d軸電圧指令、Vq q軸電圧指令、
ωi 出力周波数、pds 1次d軸磁束推定値、
pqs 1次q軸磁束推定値、pdr 2次d軸磁束推定値、
pdr1 補正2次d軸磁束推定値、pqr 2次q軸磁束推定値、
eid d軸電流誤差ベクトル、eiq q軸電流誤差ベクトル、
Wr0 ロータ回転周波数推定値、idso d軸電流推定値、
iqso q軸電流推定値、Id d軸電流検出値、Iq q軸電流検出値、
PWr0 ロータ回転周波数演算値、Ppdr 偏差出力、
pdr0 補正出力、Im 電流実効値、Imlevel 電流設定値。

Claims (6)

  1. 電気車を駆動する誘導電動機に可変電圧可変周波数の電力を供給する電力変換装置をベクトル制御で制御する電気車制御装置であって、
    磁束指令とトルク指令とから電流指令値を演算する電流指令演算手段、上記電流指令値から滑り周波数を演算する滑り周波数演算手段、上記誘導電動機の電流を検出する電流検出手段、上記誘導電動機のロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数演算手段、上記滑り周波数とロータ回転周波数推定値とを加算して上記電力変換装置の出力周波数を演算する出力周波数演算手段、上記電流指令値と電流検出値と出力周波数とから上記電力変換装置の電圧指令値を演算する電圧指令演算手段、および上記電圧指令値により上記電力変換装置を制御する制御手段を備え、
    上記ロータ回転周波数演算手段は、上記電圧指令値と出力周波数とロータ回転周波数推定値と磁束推定値と電流誤差ベクトル(電流誤差ベクトル=電流推定値−上記電流検出値)とを入力して上記磁束推定値を演算する誘導電動機モデル部、この誘導電動機モデル部からの磁束推定値を入力して上記電流推定値を演算するモータ電流推定部、上記電流推定値と電流検出値とを入力して上記電流誤差ベクトルを演算する減算部、および上記電流誤差ベクトルと磁束推定値とを入力して上記ロータ回転周波数推定値を演算するロータ回転周波数推定部からなるものにおいて、
    上記電気車が惰行動作に移行して上記誘導電動機モデル部から出力される磁束推定値が低下した後、上記電気車が加速または減速動作に移行する時点で上記モータ電流推定部に入力される上記磁束推定値の立ち上げを加速補正する磁束推定値補正手段を備えたことを特徴とする電気車制御装置。
  2. 誘導電動機モデル部は、磁束推定値として、1次d軸磁束推定値pds、1次q軸磁束推定値pqs、2次d軸磁束推定値pdr、および2次q軸磁束推定値pqrを出力するものであり、
    磁束推定値補正手段は、磁束指令から上記2次d軸磁束推定値pdrを減算して偏差出力Ppdrを出力する減算部、この減算部からの偏差出力Ppdrを入力としてPI制御で補正出力pdr0を出力するPI制御部、および上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrに上記PI制御部からの補正出力pdr0を加算し補正2次d軸磁束推定値pdr1としてモータ電流推定部に出力する加算部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気車制御装置。
  3. 誘導電動機モデル部は、磁束推定値として、1次d軸磁束推定値pds、1次q軸磁束推定値pqs、2次d軸磁束推定値pdr、および2次q軸磁束推定値pqrを出力するものであり、
    磁束推定値補正手段は、電気車の惰行動作への移行を所定時間前に検出する惰行検出手段、上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrを入力し上記惰行検出手段が惰行検出を出力したとき上記入力した値を保持するラッチ部、および上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrをそのままモータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の2次d軸磁束推定値pdrの初期値として上記モータ電流推定部に出力する切替部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気車制御装置。
  4. 誘導電動機モデル部は、磁束推定値として、1次d軸磁束推定値pds、1次q軸磁束推定値pqs、2次d軸磁束推定値pdr、および2次q軸磁束推定値pqrを出力するものであり、
    磁束推定値補正手段は、電気車の惰行動作への移行を所定時間前に検出する惰行検出手段、上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrを入力し上記惰行検出手段が惰行検出を出力したとき上記入力した値を保持するラッチ部、上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの2次d軸磁束推定値pdrをそのままモータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の2次d軸磁束推定値pdrの初期値として上記モータ電流推定部に出力する第1の切替部、および上記惰行検出手段からの検出出力がないときは上記誘導電動機モデル部からの1次d軸磁束推定値pdsをそのまま上記モータ電流推定部に出力し、上記惰行検出手段が惰行検出を出力したときは上記ラッチ部に保持された値を惰行終了後の1次d軸磁束推定値pdsの初期値として上記モータ電流推定部に出力する第2の切替部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気車制御装置。
  5. 惰行検出手段は、電流検出値の実効値を演算する実効値演算部、およびこの実効値演算部からの電流実効値と所定の電流設定値との大小を比較し前者が後者より小さくなることで惰行を検出する電流比較部を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の電気車制御装置。
  6. ロータ回転周波数推定部は、d軸電流誤差ベクトルとq軸電流誤差ベクトルと2次d軸磁束推定値と2次q軸磁束推定値とを入力してロータ回転周波数演算値PWr0を演算する演算部、およびこの演算部からの演算値PWr0を入力としてPI制御でロータ回転周波数推定値Wr0を出力するPI制御部を備えたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の電気車制御装置。
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