JP3807219B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルなどの変調装置により形成した画像を、投写レンズにより拡大投写するプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷却液を使って、液晶パネルなどの変調装置や偏光板などの光学部品を冷却する技術については様々なものが知られている。
【0003】
例えば、特開平4−125538号公報の技術では、上部壁面に放熱フィンを設置し、かつ内部空洞にエチレングリコール等の冷却液を封入した冷却器を偏光板および変調装置としての液晶パネルの近傍に配置している。
【0004】
このような構成によれば、偏光板および変調装置近傍に配置した冷却器内の液体は、偏光板や変調装置から熱を奪い、昇温する。そして、熱を奪って昇温した冷却器内部の液体は、冷却器内を上昇して、冷却器の上部で放熱フィンの熱交換により冷却された後、冷却器内を下降して、冷却器内部に対流を発生させる。したがって、冷却液が偏光板および変調装置近傍で循環し、偏光板および変調装置から熱を奪うため、偏光板や変調装置の温度上昇が抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、冷却液のような液体を使用する場合、冷却能力では非常に優れるが、冷却液の温度が上昇してくると対流の影響で上部の温度が下部より高くなるといった現象が起きる。そのため、冷却液によって冷却される変調装置や偏光板もまた上下に極端な温度分布の差を生じると、変調装置や偏光板内に熱応力などが発生して、投写画像に悪影響を与える可能性がある。
【0006】
さらに、高射出光束のプロジェクタの場合、偏光板や変調装置での発熱量も多くなるため、冷却器の上部に設置した放熱フィンによる自然空冷だけでは冷却器の上部および全体の冷却が不十分となり、前述の悪影響がさらに悪化する可能性がある。
【0007】
また、プロジェクタを上下反転させて使用する場合、例えば、室内の天井に上下反転させた状態でプロジェクタを設置して使用する場合、冷却器もまた上下反転するため、放熱フィンと冷却液の対流の構造が逆になり、冷却液の対流がうまくいかず冷却効率が悪くなるとともに、冷却液によって冷却される変調装置や偏光板に極端な温度分布の差を生じてしまう危険性がある。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するもので、その目的とすることは、第1に冷却液を用いて変調装置や偏光手段を冷却するプロジェクタにおいて、変調装置や偏光手段の内部の温度分布の差を小さくし、かつ効率よく温度上昇を抑制して、高射出光束かつ投写画像の劣化が少ないプロジェクタを提供すること、第2にプロジェクタを上下反転させて使用する場合においても、前述のプロジェクタと同様な高射出光束かつ投写画像の劣化が少ないプロジェクタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明第1のプロジェクタは、変調装置と、該変調装置によって変調された光を投写する投写光学系とを有するプロジェクタにおいて、前記変調装置は、冷却液を有する冷却器と接しており、前記冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れるように冷却ファンが配置されることを特徴とする。また、本発明第2のプロジェクタは、変調装置と、前記変調装置の入射側に配置された入射側偏光手段と、前記変調装置の射出側に配置された射出側偏光手段と、前記変調装置によって変調された光を投写する投写光学系とを有するプロジェクタにおいて、前記変調装置、入射側偏光手段、射出側偏光手段のうち少なくとも1つは、冷却液を有する冷却器と接しており、前記冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れるように冷却ファンが配置されることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、変調装置や偏光手段で発生した熱が、冷却器および冷却液に伝わるため、変調装置や偏光手段の温度上昇を抑制することができる。また、冷却液の温度が上昇し、対流の影響により冷却液の上部の温度が下部よりも高くなることで、変調装置や偏光手段に上下の温度分布の差が生じてしまう問題に対しては、冷却器の上部から下部に向かって冷却風が流れるように冷却ファンを配置し、温度の高い冷却器の上部を下部よりも積極的に冷やすことで緩和することができる。したがって、変調装置や偏光手段は、内部の温度分布の差が小さい状態で、温度上昇を抑制することが可能となり、さらに、温度が高くなっていく部分を積極的に冷却する構成となるため、冷却効率が非常に高くなる。
【0011】
本発明第3のプロジェクタは、3色の色光を各々変調する3つの変調装置と、該3つの変調装置により変調された色光を合成するプリズムと、該プリズムにより合成された光を投写する投写光学系とを有するプロジェクタにおいて、前記3つの変調装置は、前記プリズムの3つの入射面に沿ってそれぞれ配置され、かつ、冷却液を有する冷却器と接しており、前記冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れるように冷却ファンが配置されることを特徴とする。また、本発明第4のプロジェクタは、3色の色光を各々変調する3つの変調装置と、前記変調装置の入射側に配置された入射側偏光手段と、前記変調装置の射出側に配置された射出側偏光手段と、前記3つの変調装置により変調された色光を合成するプリズムと、前記プリズムにより合成された光を投写する投写光学系とを有するプロジェクタにおいて、前記3つの変調装置は、前記プリズムの3つの入射面に沿ってそれぞれ配置されており、前記3つの変調装置、入射側偏光手段、射出側偏光手段のうち少なくとも1つは冷却液を有する冷却器と接しており、前記冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れるように冷却ファンが配置されることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、本発明第1あるいは第2のプロジェクタと同様な効果として、内部の温度分布の差が小さく、非常に冷却効率が高い状態で、3つの変調装置や偏光手段の温度上昇を抑制することができる。
【0013】
また、本発明のプロジェクタにおいて、冷却ファンは、冷却器の略鉛直方向の反対方向に配置され、冷却風を前記冷却器の略鉛直方向の反対方向から吹き付けることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れると同時に、冷却器の上面に冷却風が積極的に当たるため、冷却器の上部が下部に比べてさらに良く冷える。したがって、内部の温度分布の差がさらに小さい状態で、変調装置や偏光手段の温度上昇を抑制することができる。
【0015】
また、本発明のプロジェクタにおいて、冷却ファンは複数個存在し、該冷却ファンのいくつかは、冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れるように、冷却器周りに向かって冷却風を送り込み、該冷却ファンの残りのいくつかは、前記冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れるように、冷却器周りから冷却風を引き抜くことが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、冷却器周りに向かって冷却風を送り込むことにより、冷却器および冷却液の上部が下部に比べて良く冷える。そして、冷却器周りから冷却風を引き抜くことにより、冷却器周りに向かって送り込まれる冷却風の流れをさらに促進することができ、冷却器の上部を下部に比べてさらに良く冷やすことができる。したがって、さらに内部の温度分布の差が小さい状態で変調装置や偏光手段の温度上昇を抑制することができる。
【0017】
また、本発明のプロジェクタにおいて、冷却ファンは、冷却風の流れる向きを反転するための手段を備えることが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、プロジェクタを上下反転させて使用する場合、例えば、室内の天井に上下反転させた状態でプロジェクタを設置して使用するときに、冷却器の略鉛直方向から略鉛直方向の反対方向に向かって冷却風が流れる構造になっても、冷却ファンが冷却風の流れる向きを反転するための手段を備えるため、冷却風を冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって流れるようにすることできる。したがって、プロジェクタを上下反転させて使用する場合においても、前述のように内部の温度分布の差が小さい状態で、変調装置や偏光手段の温度上昇を抑制することができる。
【0019】
また、本発明のプロジェクタにおいて、冷却器は、略上下対称な形状であることが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、前述のようにプロジェクタを上下反転させて使用する場合においても、冷却器が略上下対称な形状であるため、対流や熱の分布がプロジェクタを上下反転しないで使用する場合とほぼ同様に再現でき、同じような高い冷却効果を得ることができる。
【0021】
また、本発明第2のプロジェクタにおいて、冷却器は板状の放熱フィンを有し、前記放熱フィンの板面は、主に冷却風の流れに沿って配置され、かつ各冷却器が対応する前記プリズム入射面に対して角度を有して延伸することが好ましい。
【0022】
このような構成によれば、板状の放熱フィンが冷却風の流れに沿って配置されるため、導風板の効果として冷却風が流れ易くなり、放熱フィンの放熱効果が高まる。また、各冷却器が対応するプリズム入射面に対して角度をつけて、各放熱フィンを延伸すれば、冷却器の有する隣り合う放熱フィンが互いに干渉することなく十分な表面積を得られるため、放熱フィンを延伸した分だけの放熱効果をさらに高めることができる。
【0023】
また、前述のプロジェクタにおいて、プリズムの入射面と該入射面に対応する冷却器の有する放熱フィンとの間の角度は、隣り合う前記入射面によって規定されるプリズムのコーナー角の略半分の角度であることが好ましい。
【0024】
このような構成によれば、放熱フィンの延伸方向は、隣り合う放熱フィンを持つ冷却器のある入射面によって規定されるプリズムのコーナー角の二等分線方向と略一致するため、放熱フィンを延伸しても、隣り合う放熱フィンが干渉することはない。また、隣り合う放熱フィンの形状を前記プリズムのコーナー角の2等分線を含む平面で略対称とすることができるため、隣り合う冷却器の冷却効果をほぼ均等にすることができる。
【0025】
また、本発明第2のプロジェクタにおいて、冷却器は板状の放熱フィンを有し、前記放熱フィンの板面は、主に冷却風の流れに沿って配置され、プリズムの射出面と隣り合う入射面にある冷却器の有する放熱フィンは、投写光学系と干渉しない方向に延伸することが好ましい。
【0026】
このような構成によれば、板状の放熱フィンが冷却風の流れに沿って配置されるため、導風板の効果として冷却風が流れ易くなり、放熱フィンの放熱効果が高まる。また、プリズムの射出面と隣り合う入射面にある冷却器の有する放熱フィンと投写光学系が干渉することなく十分な表面積を得られるため、放熱フィンを延伸した分だけの放熱効果をさらに高めることができる。
【0027】
また、前述のプロジェクタにおいて、放熱フィンの延伸方向は、プリズムの射出面と略平行な方向であることが好ましい。
【0028】
このような構成によれば、プリズムの射出面と隣り合う入射面にある冷却器が有する放熱フィンを延伸しても、プリズムの射出面側にある投写光学系と該放熱フィンが干渉しない。そのため、プリズムの射出面に近接させた状態で放熱フィンを延伸すれば、投写光学系のバックフォーカスが短くなって、投写光の明るさが増すと同時に、放熱フィンを延伸した分だけの放熱効果をさらに高めることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態におけるプロジェクタの基本構成を表す平面図である。図1において光源1を射出した光は、光学系手段の一例である光導波管2内で選択反射特性を有するミラー等により赤,緑,青の3色に分光されて導かれ、変調装置3R,3G,3Bによってそれぞれの色光に対応し電気光学変調を受けた後、プリズム4によって合成され、投写光学系である投写レンズ5によって前方のスクリーンに拡大投写される。本実施形態において、変調装置3R,3G,3Bは、第1の面から入射した光を変調して、変調された光を第2の面から射出する透過型の液晶パネルである。
【0031】
変調装置3R,3G,3Bの前後には、偏光を規定するための偏光手段として、入射側偏光板6R,6G,6Bと射出側偏光板7R,7G,7Bが配置されている。また、変調装置は、内部に冷却液を保持する冷却器8R,8G,8Bが、射出側偏光板7R,7G,7Bに接して配置されている。
【0032】
図2は、図1に示したプロジェクタのプリズム周りの外観側面図である。図2に示すように、プリズム4の上方(略鉛直方向の反対方向)には冷却ファン9a、プリズム4の下方(略鉛直方向)には冷却ファン9bが取り付けられている。冷却ファン9aが上方から下方に向かって冷却風を吹き付け、さらに、冷却ファン9bが上方から下方に向かって冷却風を引き抜くことにより、変調装置3R,3G,3B、入射側偏光板6R,6G,6B、射出側偏光板7R,7G,7B、冷却器8R,8G,8Bが冷却される。
【0033】
図2におけるA−A断面による断面図を図3に示す。図3において、説明は赤色用の変調装置3Rおよびその周辺構造についてのみ行うが、構造的には緑色用変調装置3G、青色用変調装置3Bの周辺構造についても基本的には全く同様である。
【0034】
変調装置3Rは、変調装置固定板10Rにネジで締結することで保持される。入射側偏光板6Rは、ガラス基板11Rに粘着剤により貼り付けられ、ガラス基板固定板12Rにガラス基板11Rを固定することで保持される。また、射出側偏光板7Rは、冷却器8Rに粘着剤により貼り付けられ、冷却器8Rをネジによって冷却器固定板13Rに締結することで保持される。
【0035】
冷却器8Rは、射出側偏光板7Rの貼られた入射側サファイア基板14Rと射出側サファイア基板15Rとの間の周囲を枠体16Rで密閉して、その密閉空間に冷却液としてエチレングリコール17Rを封入した密閉容器である。そして、枠体16Rは熱伝導性の高い金属であり、例えば、アルミニウム製である。また、図3に示すように、枠体16Rは上下方向に略対称な形状を有し、その外周には後述する放熱フィンを備えている。
【0036】
冷却器の冷却構造について冷却器8Rの熱の流れを模式的に表した図4を用いて説明する。射出側偏光板7Rで発生した熱の一部は、熱伝導性の高い入射側サファイア基板14R、そしてエチレングリコール17Rに伝わる。エチレングリコール17Rに伝わった熱は、対流をしながら枠体16Rおよび射出側サファイア基板15Rに伝わる。そして、射出側偏光板7R、入射側サファイア基板14R、射出側サファイア基板15R、枠体16Rの持つ熱は、それぞれの表面から放熱され、周りを通過する冷却風により運ばれる。
【0037】
次に、プリズム周りの冷却構造について冷却風の流れを模式的に表した図5を用いて説明する。冷却ファン9aによって生じた冷却風は、変調装置3R、入射側偏光板6R、射出側偏光板7R、冷却器8Rの上方から吹き付けられる。そして、冷却風は、変調装置3Rと入射側偏光板6Rとの間、変調装置3Rと射出側偏光板7Rとの間、冷却器8Rとプリズム4との間を流れ、変調装置3R、入射側偏光板6R、射出側偏光板7R、冷却器8Rの表面から熱を奪う。また、冷却ファン9aによって生じた冷却風の一部は、冷却器8Rの上面に激しく当たり、冷却器8Rの上部の熱を積極的に奪う。
【0038】
このとき、冷却器8Rの内部にあるエチレングリコールは、対流のため下部より上部の方が温度が高くなり、上下の温度分布に差を生じている。そのため、冷却器8Rや冷却器8Rに接する射出側偏光板7Rも同様に上下の温度分布に差を生じるてしまうが、前述のように上方から冷却風を流しているため、冷却器8Rおよび射出側偏光板7Rは、上下の温度分布の差が小さい状態で冷却がされている。
【0039】
そして、入射側偏光板6R、射出側偏光板7R、冷却器8Rの表面から熱を奪った冷却風は、冷却ファン9bにより、下方に導かれる。
【0040】
次に、プリズム周りの外観を説明する。
【0041】
図6は、本発明におけるプロジェクタのプリズム周りの斜視図である。図6において板状の放熱フィン18R,18G,18B,19R,19Bは、冷却器を構成する枠体にそれぞれ一体となっていて、主に冷却風の流れる方向に沿って平面状の板面が形成されている。これにより、放熱フィンは、放熱効果の他に導風効果として機能する。
【0042】
図6を上方から見た図を図7に示す。図7において、放熱フィン18R,18G,18Bは、隣り合う冷却器8R,8Gおよび8G,8Bのある入射面によって規定されるプリズムのコーナー角の略半分の角度(本実施形態の場合45°)だけ、プリズムの入射面とそれぞれの放熱フィンとの間に角度をつけて配置されている。そのため、隣り合う放熱フィンが互いに干渉することなく、放熱に必要なフィンの長さを確保することが可能となっている。また、放熱フィン19R,19Bは、投写レンズ5のあるプリズムの射出面に平行に配置されている。そのため、投写レンズ5のバックフォーカスを短くするために、投写レンズ5をプリズムの射出面に近づけた状態でも、放熱フィン19R,19Bが投写レンズ5と干渉することなく、放熱に必要なフィンの長さを確保することが可能となっている。
【0043】
次に、本実施形態のプロジェクタが上下反転して使用される場合について説明する。
【0044】
図8は、プロジェクタが上下反転して使用される場合のプリズム周りの冷却風の流れを模式的に表した図である。本実施形態のプロジェクタは、冷却風の流れる向きを反転するための手段として、電気的に冷却ファンの回転方向を逆転させる制御手段を備えている。プロジェクタが上下反転して使用される際には、この制御手段によって冷却ファン9a,9bの回転方向を逆転させ、冷却風の流れる向きを反転している。これにより、プロジェクタが上下反転して使用される際においても、冷却ファン9aが上方から下方に向かって冷却風を吹き付け、さらに、冷却ファン9bが上方から下方に向かって冷却風を引き抜くことにより、変調装置3R,3G,3B、入射側偏光板6R,6G,6B、射出側偏光板7R,7G,7B、冷却器8R,8G,8Bが冷却される。また、冷却器8R,8G,8Bは略上下対称な構造であるため、プロジェクタが上下反転して使用される場合においても、プロジェクタを上下反転しないで使用する場合と同じような高い冷却効果が得られる。そして、冷却器8R,8G,8B以外の冷却器に関わる構造についても上下方向に略対称にすると、さらに効果的である。
【0045】
尚、冷却風の流れる向きを反転させる方法としては、前述のように電気的制御でファンの回転方向を反転させる方法以外に、冷却ファンの取り付け位置を上下逆にしたり、冷却ファンの表裏の取り付け方向を逆にしたりする方法も採用可能である。例えば、図9に示すように冷却ファン9が1つである場合は、冷却ファン9の取り付け位置を上下逆にする方法が考えられる。また、図10に示すように、冷却ファン9a,9bそれぞれの表裏の取り付け方向を逆にする方法も考えられる。なお、図10に示す方法は、冷却ファンが1つしか存在しない場合にも適用できる。
【0046】
また、冷却風を送るための構造としては、図11のように通風ダクト20を介して冷却風を送る構造や、図12のようにブロワファン21を用いて冷却風を送る構造など、冷却風が冷却器の上方から下方に向かって流れる構造であれば、本発明の主旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0047】
上記の実施形態は、透過型のプロジェクタの例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクタにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等の変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクタにおいては、変調装置の前後に入射側偏光板6R,6G,6B、射出側偏光板7R,7G,7Bを配置する必要はない。なお、反射型のプロジェクタの光学系の構成については公知であるため、ここでは説明を省略する。
【0048】
さらに、変調装置を3枚用いた構成について説明したが、本発明はこれに限らず、図13のように変調装置を1枚用いた構成や、それ以外の枚数を用いた構成についても、本発明を適応することが可能である。
【0049】
また、冷却液を有する冷却器で射出側偏光板のみを冷却する構造について説明したが、本発明はこれに限らず、図14のように、エチレングリコール17を有する冷却器8により変調装置3,入射側偏光板6,射出側偏光板7をそれぞれ個別に冷却する構造や、図15のようにエチレングリコール17を有する冷却器8により変調装置3,入射側偏光板6,射出側偏光板7を同時に冷却する構造など、冷却液を用いた冷却構造であれば、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、冷却液もエチレングリコールに限定されるものではない。
【0050】
【発明の効果】
本発明では、以上説明したように、冷却液を有する冷却器を上方から下方に向かって流れる冷却風で冷却するため、温度の高い冷却器の上部を下部よりも積極的に冷やすことができ、内部の温度分布の差が小さい状態で、変調装置や偏光手段の温度上昇を抑制することができる。さらに、温度が高くなる部分を積極的に冷却するため、冷却効率が非常に高い構造となり、高射出光束かつ投写画像の劣化の少ないプロジェクタを実現することができる。また、プロジェクタを上下反転させて使用する場合においても、前述と同様な高射出光束かつ投写画像の劣化が少ないプロジェクタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における3板式プロジェクタの基本構成を表す平面図。
【図2】本発明の実施例における3板式プロジェクタのプリズム周りの外観側面図。
【図3】本発明の実施例における3板式プロジェクタのプリズム周りの断面図。
【図4】本発明の実施例における3板式プロジェクタの冷却器の熱の流れを表す模式図。
【図5】本発明の実施例における3板式プロジェクタのプリズム周りの冷却風の流れを表す模式図。
【図6】本発明の実施例における3板式プロジェクタのプリズム周りの斜視図。
【図7】本発明の実施例における3板式プロジェクタのプリズム周りの上視図。
【図8】本発明の実施例における3板式プロジェクタが上下反転して使用される場合のプリズム周りの冷却風の流れを表す模式図。
【図9】冷却風の流れる方向を反転する方法の一例を表す概念図A。
【図10】冷却風の流れる方向を反転する方法の一例を表す概念図B。
【図11】通風ダクトによって冷却風を送る構造の一例を表す側面図。
【図12】ブロワファンを用いて冷却風を送る構造の一例を表す側面図。
【図13】本発明の実施例における単板式プロジェクタの基本構成を表す平面図。
【図14】冷却液を有する冷却器の一例を表す断面図A。
【図15】冷却器を有する冷却器の一例を表す断面図B。
【符号の説明】
1…光源
2…光導波管
3,3R,3G,3B…変調装置
4…プリズム
5…投写レンズ
6,6R,6G,6B…入射側偏光板
7,7R,7G,7B…射出側偏光板
8,8R,8G,8B…冷却器
9a,9b…冷却ファン(軸流ファン)
10R,10G,10B…変調装置固定板
11R,11G,11B…ガラス基板
12R,12G,12B…ガラス基板固定板
13R,13G,13B…冷却器固定板
14R,14G,14B…入射側サファイア基板
15R,15G,15B…射出側サファイア基板
16R,16G,16B…枠体
17,17R,17G,17B…エチレングリコール
18R,18G,18B…放熱フィン
19,19R,19B…放熱フィン
20…通風ダクト
21…冷却ファン(ブロワファン)
Claims (5)
- 3色の色光を各々変調する3つの変調装置と、該3つの変調装置により変調された色光を合成するプリズムと、該プリズムにより合成された光を投写する投写光学系とを有するプロジェクタにおいて、
前記3つの変調装置は、前記プリズムの3つの入射面に沿ってそれぞれ配置され、かつ、冷却液を有する冷却器と接しており、
前記冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れるように冷却ファンが配置され、
前記冷却器は板状の放熱フィンを有し、
前記放熱フィンの板面は、主に前記冷却風の流れに沿って配置され、かつ各冷却器が対応する前記プリズム入射面に対して角度を有して延伸され、
前記角度は、隣り合う前記入射面によって規定されるプリズムのコーナー角の略半分の角度であることを特徴とするプロジェクタ。 - 3色の色光を各々変調する3つの変調装置と、前記変調装置の入射側に配置された入射側偏光手段と、前記変調装置の射出側に配置された射出側偏光手段と、前記3つの変調装置により変調された色光を合成するプリズムと、前記プリズムにより合成された光を投写する投写光学系とを有するプロジェクタにおいて、
前記3つの変調装置は、前記プリズムの3つの入射面に沿ってそれぞれ配置されており、
前記3つの変調装置、入射側偏光手段、射出側偏光手段のうち少なくとも1つは冷却液を有する冷却器と接しており、
前記冷却器の略鉛直方向の反対方向から略鉛直方向に向かって冷却風が流れるように冷却ファンが配置され、
前記冷却器は板状の放熱フィンを有し、
前記放熱フィンの板面は、主に前記冷却風の流れに沿って配置され、かつ各冷却器が対応する前記プリズム入射面に対して角度を有して延伸され、
前記角度は、隣り合う前記入射面によって規定されるプリズムのコーナー角の略半分の角度であることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、前記冷却ファンは、前記冷却風の流れる向きを反転するための手段を備えることを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、
前記放熱フィンの板面は、前記プリズムの射出面と隣り合う入射面にある冷却器の有する前記放熱フィンは、前記投写光学系と干渉しない方向に延伸することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、前記方向は、前記射出面と略平行な方向であることを特徴とするプロジェクタ。
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