JP3805989B2 - 遊技装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示されるシンボルの組み合わせにより入賞の成否が判定されるスロットマシン等の遊技装置、特に、通常の有効位置以外の位置のシンボルを一定条件下で有効とするスロットマシン等の遊技装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
表示されるシンボルの組み合わせにより入賞の成否が判定される遊技装置の代表例であるスロットマシンは、従来、横方向に並列する3つのリールがそれぞれたてに3個のシンボルを表示することにより、たて3列×よこ3行の行列状に表示される9個のシンボルのうち横線3本及び対角線2本の5通りの直線上の各3個のシンボルの組み合わせのみを入賞条件達成の判定上有効とする。この場合、判定ラインが全て直線なので遊技者は入賞の成否を判断し易いが、マンネリ化しているきらいがある。
【0003】
実公平6−5824号公報には、従来のスロットマシンと同様にたて3列×よこ3行の行列状に表示される9個のシンボルのうち、横線3本及び対角線2本の5通りの直線上の各3個のシンボルの組み合わせに加え、同じ行の左右のシンボルとその1つ上又は1つ下の行の中央のシンボルからなる4通りの各3個のシンボルの組合せを入賞条件達成の判定上有効とし、入賞の期待感を増大させ得るものが開示されている。しかしながら、このような組み合わせの規則は遊技者にとって飲み込み難く、その点において却ってゲームの興趣を削ぎかねないというおそれがあった。
【0004】
本発明は、従来技術に存した上記のような問題点に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、 遊技者に新しさを感じさせると共に入賞の期待感を増大させ、入賞の成否判断が容易な遊技装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技装置は、
複数種のシンボルを順次連続的に表示するための2以上の表示手段と、
その表示手段における前記連続的表示を停止させてシンボルを固定表示させるための表示固定手段とを有し、
前記表示固定手段を遊技者が操作して前記表示手段にシンボルを固定的に表示させることができ、前記表示手段が固定的に表示したシンボルの種類と位置が所定の入賞条件を達成することと入賞とが対応するゲームを実行する遊技装置であって、
前記入賞条件達成の有無を判定する入賞判定手段を有し、
各表示手段について、表示手段の総数nと同じ個数のシンボルを一列に表示するn個の基本表示位置を有し、
全表示手段の基本表示位置は、各表示手段毎のn個の基本表示位置が表示手段数であるn列並んだn行×n列の行列状をなし、固定的に表示されたシンボルについての入賞条件達成の判定は、基本表示位置に固定的に表示された水平方向及び対角線方向の(n+2)通りのn個のシンボルの並びのうち全て又は一部について行われ、
一列に並んだn個の基本表示位置の一方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段を1乃至(n−1)有すると共に、一列に並んだn個の基本表示位置の他方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段を0乃至(n−1)有し、
前記入賞判定手段は、付加表示位置に固定的に表示されたシンボルがその列の隣接基本表示位置に位置したとした場合に入賞条件を達成するときにおいて、付加表示位置が有効で入賞条件達成と判定する場合と、付加表示位置が無効で入賞条件達成と判定しない場合を有し、
前記付加表示位置が、少なくとも、第1列又は第n列における第1行又は第n行の基本表示位置に隣接した付加表示位置を含むことを特徴とする。
【0006】
上記の複数種のシンボルを順次連続的に表示するための2以上の表示手段と、その表示手段における前記連続的表示を停止させてシンボルを固定表示させるための表示固定手段とを有し、
前記表示固定手段を遊技者が操作して前記表示手段にシンボルを固定的に表示させることができ、前記表示手段が固定的に表示したシンボルの種類と位置が所定の入賞条件を達成することと入賞とが対応するゲームを実行する遊技装置の好適な例として、
外周面に複数のシンボルが表示され、回転停止状態において前記シンボルの1又は2以上を遊技者が視認し得る、回転自在に支持された回転体、及びその回転体を回転駆動するための回転駆動装置からなる2以上の表示装置を表示手段として、
回転駆動されている前記回転体を停止させてシンボルを固定表示させるための表示固定装置を表示固定手段として有し、
前記表示固定装置を遊技者が操作して前記表示装置に前記シンボルを停止表示させることができ、
その表示固定装置によって停止した回転体における前記シンボルの種類とその停止位置が所定の入賞条件を達成することと入賞とが対応するスロットマシンを挙げることができる。
(1) 前記シンボルとは、図形、絵、文字、記号等を意味するものであり、その例としては、プラム、スイカ、チェリー、ベル等の絵、「7」の文字、「BAR」の文字、「RP」の文字等を挙げることができる。
【0007】
前記の複数種のシンボルを順次連続的に表示するための表示手段は、前記好適な例におけるような、ステッピングモータ等の回転駆動装置により回転駆動される回転体のほか、例えば、CRTや液晶パネル等のビデオディスプレイ装置を利用したものであってもよい。前記遊技装置は、このような表示手段を2以上有し、各表示手段が1組のシンボル群を互いに独立的に表示するものとすることができる。前記回転体の場合、2以上(例えば3)の回転体が互いに独立的に回転することにより、それぞれの回転体に表示されたシンボル群を互いに独立的に表示するものとすることができる。ビデオディスプレイ装置を利用したものの場合、例えば1台のビデオディスプレイ装置に3組以上のシンボル群を互いに独立的に表示することにより3以上の表示手段とすることもできる。
【0008】
前記回転体の一般的な例としては、多種のシンボルが外周面の周方向に順に1つずつ表示されたリールを挙げることができる。
【0009】
前記表示固定手段は、例えば、遊技者が操作する停止ボタンによる停止信号に応答して、前記のような回転体を回転駆動するステッピングモータ等の回転駆動装置を適宜のタイミングで停止させ得るものとすることができる。なお、前記表示固定手段は、遊技者が不操作状態で所定時間経過することにより発生する停止信号に応答して、前記ステッピングモータ等の回転駆動装置を適宜のタイミングで停止させ得るようにすることもできる。又は、ビデオディスプレイ装置によるシンボルの表示を適宜のタイミングで固定表示させるものとすることができる。或いは、例えば遊技装置内部の制御装置によって、特定条件下で前記のような回転体を特定のシンボルが特定位置に位置するように停止させ得るもの、又は、特定条件下でビデオディスプレイ装置によるシンボルが特定位置に位置するように固定表示させ得るものとすることもできる。
【0010】
表示手段による表示内容の表示は、例えば少なくとも遊技者が視認し得る程度の時間、表示内容を固定状態で表示するものであれば、固定的表示ということができる。
(2) 各表示手段についての基本表示位置の個数は、表示手段の総数n(nは2又は3以上の整数)と同じであり、全表示手段の基本表示位置は、n個の基本表示位置が表示手段数であるn列並んだn行×n列の行列状をなす。
【0011】
上記回転体等の表示手段の総数nは3であることが好ましい(請求項3)。その場合、各表示手段(回転体等)についての基本表示位置の個数は3であり、全表示手段(回転体等)の基本表示位置は、3個の基本表示位置が表示手段数である3列並んだ3行×3列の行列状をなす。現在の一般的なスロットマシンはこれに該当する。
【0012】
なお、全表示手段についての基本表示位置が構成するn行×n列の行列の形状は、必ずしも正方形状であることを要しない。長方形状や菱形状等であってもよい。
(3) 一列に並んだn個の基本表示位置の一方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段を1乃至n有すると共に、一列に並んだn個の基本表示位置の他方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段を0乃至n有する。
【0013】
一方の端部というのは、ある表示手段についての一列に並んだn個の基本表示位置の両端部のうち何れか一方を意味し、他の表示手段についても同じ側の端部を意味する。他方の端部というのは、何れの表示手段についても、前記一方以外の端部(反対側の端部)を意味する。例えば、各表示手段についてのn個の基本表示位置が上下方向に一列に並び、n列のn個の基本表示位置が横方向に並列してn行×n列の行列を構成している場合、一方の端部というのは、各列におけるそれぞれ下端部の基本表示位置を意味するか、各列におけるそれぞれ上端部の基本表示位置を意味する。前者の場合、他方の端部は各列におけるそれぞれ上端部の基本表示位置を意味し、後者の場合、各列におけるそれぞれ下端部の基本表示位置を意味する。
【0014】
各表示手段は、付加表示位置を一方の端部の延長上に隣接した位置と他方の端部の延長上に隣接した位置の両方に有するものであってもよく、一方にのみ有するものであってもよく、何れにも有していないものであってもよい。
【0015】
表示手段の総数nが3の場合、3個のリール(回転体)の各3つのシンボルをシンボル表示窓に表示する従来のスロットマシンをほぼそのまま使用し得る。すなわち、正面パネルのシンボル表示窓付近を変えるだけで、従来のスロットマシンを利用し得、スロットマシンの通常の機種変更と同様の軽微な負担で済む。
(4) 固定的に表示されたシンボルについての入賞条件達成の判定は、基本表示位置に固定的に表示された水平方向及び対角線方向の(n+2)通りのn個のシンボルの並びのうち全て又は一部について行われ、付加表示位置に固定的に表示されたシンボルがその列の隣接基本表示位置に位置したとした場合に入賞条件を達成するときには入賞条件達成と判定され得る。
【0016】
すなわち、基本表示位置においてn行×n列の行列状に固定的に表示されたシンボルのうち、水平方向のn行(すなわちn通り)のn個のシンボルの並びと、対角線方向2通りのn個のシンボルの並びの、合計(n+2)通りのシンボルの並びのうち全て又は一部について入賞条件達成の判定が行われる。(n+2)通りのシンボルの並びのうちどれを有効とするかは、例えば、ゲームに賭けるメダル数(価値手段の一例)等の条件に応じて変化するものとすることができる。より具体的には、例えば、メダル1枚の場合水平方向の1行を、メダル2枚の場合水平方向のn行を、メダル3枚の場合全ての並びを、それぞれ有効とすることができる。なお、入賞条件は、各並びにおけるn個のシンボル全てによって判定されるもの(例えばn個のシンボル全てが特定の同一シンボルであることを入賞条件とするもの)であることを必ずしも要しない。n個のうち任意位置又は特定位置(例えば左端の1個のシンボル又は左から2個のシンボル等)の1乃至(n−1)個のシンボルによって判定されるものであってもよい。
【0017】
有効な並びのシンボルに同じ列で隣接する付加表示位置がある場合、その付加表示位置に固定的に表示されたシンボルがもし同列の隣接する基本表示位置に位置したとしたときに入賞条件を達成するならば入賞条件達成と判定され得る。例えば、水平方向n行×上下方向n列基本表示位置のうち上端位置の第1行のn個(第1列乃至第n列のn個)のシンボルの並びが有効であって、第1列における第1行の基本表示位置の上に隣接して付加表示位置がある場合、その付加表示位置に固定的に表示された1個のシンボルと第1行の第2列乃至第n列に固定的に表示された(n−1)個のシンボルが第1行に並んだとしたときに入賞条件を達成するならば入賞条件達成と判定され得る。従って、1つの表示手段においてシンボルの固定的表示位置が1つずれていて本来入賞し得ない場合が、言わばおまけとして入賞となり得る。
【0018】
付加表示位置に固定的に表示されたシンボルがその列の隣接基本表示位置に位置したとした場合に入賞条件を達成するときに、常に入賞条件達成と判定される(すなわち付加表示位置が常に有効である)ものとすることができる他、抽選やその他の条件により入賞条件達成と判定される場合(付加表示位置が有効)と判定されない場合(付加表示位置が無効)があるものとすることもできる。抽選等の条件に従って、各付加表示位置が有効であるか否かをLED(発光ダイオード)やランプ等の有効位置表示装置により遊技者に示すようにすることもできる。
【0019】
なお、本発明の遊技装置が2以上の付加表示位置を有する場合、何れか1つの付加表示位置に固定的に表示されたシンボルがその列の隣接基本表示位置に位置したとした場合に入賞条件を達成するときに入賞条件達成と判定され得ると共に、2以上の付加表示位置に固定的に表示されたそれぞれのシンボルがそれぞれの列の隣接基本表示位置に位置したとした場合に入賞条件を達成するときに入賞条件達成と判定され得るものとすることができる。
【0020】
また、一列に並んだn個の基本表示位置の一方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段をn有する場合、及び、一列に並んだn個の基本表示位置の他方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段をn有する場合、一方の端部の付加表示位置に固定的に表示されたn個のシンボル又は他方の端部の付加表示位置に固定的に表示されたn個のシンボルによっても入賞条件が判定されるものとすることもできる。
(5) 本発明の遊技装置により実行されるゲームにおいては、表示固定手段によって表示手段が固定的に表示した有効シンボルの位置と種類が所定の入賞条件を達成することとゲームの入賞とが対応し、入賞の有無及び賞の種類は、表示手段が固定的に表示したシンボルの種類と位置によって遊技者に示される。
【0021】
入賞の有無及びその賞の種類は、入賞条件達成の有無を判定する入賞判定手段を設けることにより判定することができる。
【0022】
入賞条件達成というのは、例えば、▲1▼遊技者が操作する停止ボタンによる停止信号又は不操作状態で所定時間放置することにより発生する停止信号に応答して適宜のタイミングで固定表示されたシンボルの停止位置とその種類についての条件を達成することとすることができる。
【0023】
或いは、入賞条件達成を、例えば、▲2▼適宜タイミングで乱数サンプリングを実行し、得られたサンプリング値により判断する抽選手段、又はその他の抽選手段の実行により判断するものとすることができる。
【0024】
また或いは、入賞条件達成を、例えば、▲3▼所定の内部当り条件の達成によって、その内部当り条件に対応する賞についての内部当り状態が内部当り設定手段により設定された上で、遊技者が操作する停止ボタンによる停止信号又は遊技者が表示手段を固定表示させずに不操作状態で所定時間放置することにより発生する停止信号を受けた時点から前記条件によって特定されるシンボルが特定位置に表示されるまでのずれが所定範囲内であることとすることもできる。なお、入賞の条件は、常に一定であることを必ずしも要しない。入賞の条件や賞の内容を適宜変更することもできる。
【0025】
上記▲3▼の場合について更に説明する。
【0026】
内部当り条件は、任意に定めることができる。例えば、各ゲームにおいて乱数サンプリングを実行し、得られたサンプリング値が特定範囲の値であることにより内部当り条件が達成されるもの(すなわち抽選)としたり、内部当り条件達成をその他の抽選手段により判定したり、ゲーム中に表示手段が固定的に表示する表示内容によって内部当り条件達成を判定することもできる。内部当り条件達成の確率は、例えば前記のようなサンプリング値が内部当りに該当することとなる幅を大小様々とすることにより、各内部当り対象賞毎に様々に設定することができる。
【0027】
内部当り設定手段は、内部当り条件を達成したか否かを判定し、内部当り条件を達成した場合は、例えばその内部当り条件に該当するフラグをセットすることにより内部当り状態を設定するものとすることができる。
【0028】
内部当り状態が設定されている場合、例えば、その賞に入賞する率が上がるものとすること又は入賞がほぼ確実となるものとすること、すなわち高入賞率化するものとすることができる。内部当り状態は、例えば1回のゲームが終われば解除されるものとすることもでき、内部当りとなった賞に入賞するまで継続するものとすることもでき、回数や時間やその他の条件によって定まる所定期間内のみ継続するものとすることもできる。
【0029】
本明細書中、ほぼ確実というのは、例えば7割以上、好ましくは8割以上、より好ましくは9割以上の確実性を言い、確実である場合を含む。
【0030】
高入賞率化は、前記内部当り条件が達成された場合に、例えば、遊技者が操作する停止ボタンによる停止信号を受けた時点から前記内部当り条件によって特定される賞に対応するシンボルが特定位置に表示されるまでのずれが所定範囲内であることを条件にそのシンボルを入賞に必要な位置(基本表示位置又は付加表示位置)に停止させること(所謂引き込み)による高入賞率化を実現するものとすることができる。回転体等の表示手段において該当するシンボルの出現率が高ければ、より高率で入賞可能となり、該当するシンボルが、所謂引き込みにおけるずれの許容範囲内毎に万遍なく配されていれば、確実に又はほぼ確実に入賞し得ることとなる。
【0031】
なお、高入賞率というのは、回転体等の表示手段が回転等により順次連続的に表示するシンボルを見ながら遊技者が停止ボタン等を操作して所要のシンボルが所要位置に停止するように回転体を停止させる場合に、遊技者の技量の如何により一層確実性高く、内部当りとなった賞に入賞可能な状態となるものを含むものであり、単に数学的な確率が上がることのみを言うものではない。
(6) 次に、入賞によって遊技者に与えられる賞としては、例えば、メダルやコイン等の遊技媒体の払い出し、遊技媒体保留情報(クレジット)の加算、再遊技(リプレイ)可能回数等の価値情報の加算、遊技者にとってより有利な条件の特別ゲームの開始等、又はそれらのうち2以上のものの組み合わせ等を挙げることができる。特別ゲームが開始される賞は、1種であってもよく2種以上であってもよい。また特別ゲームの内容は、1種であってもよく2種以上であってもよい。特別ゲームから更に同種又は異種の特別ゲームに移行し得るものとすることもできる。
【0032】
特別ゲームは、一般ゲームよりも入賞確率が高いというような、一般に、遊技者にとって有利な条件のゲームである。一般ゲームというのは、特別な条件を要することなく通常行われるゲームを言う。特別ゲームとしては、例えば、所定枚数のメダル(遊技媒体の一例)を払い出す賞に高率で入賞し得るSB(シングルボーナス)、SBを所定回数繰り返すことができるRB(レギュラーボーナス)、RBを所定回数繰り返すことができるBB(ビッグボーナス)等の他、特別ゲーム開始以外の賞を遊技者の技量次第で狙って当てることが一定期間可能になるCT(チャレンジタイム)、SBの当選確率が所定期間中10倍程度になる10倍役物、全部又は一部の付加表示位置が有効となって入賞率が高まるゲーム等を挙げることができる。
(7) 本発明の遊技装置は、n行×n列の行列状の基本表示位置に加えて付加表示位置を有する。たて3列×よこ3行の基本表示位置における横線3本及び対角線2本の5通りの直線上の各3個のシンボルのみが有効な従来のスロットマシンとは異なり、基本表示位置におけるシンボルのみならず付加表示位置に固定的に表示されたシンボルによっても入賞し得るので、マンネリ化が防がれ遊技者に新しさを感じさせると共に入賞の期待感を増大させる。
【0033】
然も、付加表示位置に固定的に表示されたシンボルによって入賞すると、たて3列×よこ3行の基本表示位置に停止表示される9個のシンボルのうち横線3本及び対角線2本の5通りの直線上の各3個のシンボルの組み合わせのみを入賞条件達成の判定上有効とする従来のスロットマシンに比し、遊技者に得をした気分を起こさせ、一層興味を惹くことができる。
【0034】
また、付加表示位置に固定的に表示されたシンボルによって入賞するのは、付加表示位置に固定的に表示されたシンボルがその列の隣接基本表示位置に位置したとした場合に入賞条件を達成するときに入賞条件達成と判定される場合であるから、遊技者にとって入賞の成否の判断が容易である。
【0035】
入賞条件達成上有効なn個のシンボルの並びは、n行×n列の行列状の基本表示位置における(n+2)通りに加えて、付加表示位置の数及び位置によって例えば次のように増加する。なお、[]内は、図1に示すように基本表示位置(1、2、3、4、5、6、7、8、及び9の各位置)が3行×3列の行列状である場合の具体例を示す。
基本表示位置における有効な並び:(n+2)通り[1−2−3、4−5−6、7−8−9、1−5−9、及び7−5−3の5通り
基本表示位置の角部[1]に隣接して1つの付加表示位置[a]:2通り増加[a−2−3、a−5−9]
基本表示位置の角部以外の位置[2]に隣接して1つの付加表示位置[b]:1通り増加[1−b−3]
基本表示位置の同じ端部における角部[9]及び角部以外[8]にそれぞれ隣接して2つの付加表示位置[f、e]:4通り増加[1−5−f、7−8−f、7−e−9、7−e−f]
基本表示位置の同じ端部における2箇所の角部[1、3]にそれぞれ隣接して2つの付加表示位置[a、c]:5通り増加[a−2−3、a−5−9、1−2−c、7−5−c,a−2−c]
基本表示位置の異なる端部における角部[7]及び角部以外[2]にそれぞれ隣接して2つの付加表示位置[d、b]:3通り増加[d−5−3、d−8−9、1−b−3]
基本表示位置の1つの対角線の両端の2箇所の角部[1、9]にそれぞれ隣接して2つの付加表示位置[a、f]:5通り増加[a−2−3、a−5−9、1−5−f、7−8−f、a−5−f]
基本表示位置の異なる端部における2つの対角線の一端の2箇所の角部[1、7]にそれぞれ隣接して2つの付加表示位置[a、d]:4通り増加[a−2−3、a−5−9、d−5−3、d−8−9]
【0036】
入賞条件達成上有効なシンボルの並びの数が多くなりすぎることを避けて、BB(ビッグボーナス)等の遊技者にとって有利な特別ゲームを開始する賞やその他の賞の入賞率(全ての組み合わせの数における当該入賞の組み合わせの数の割合。内部当りの抽選の確率もこれに合せたものとすることが多い。)が高くなりすぎるという不都合が生じることを防ぎ得る。
【0037】
また、付加表示位置の有効・無効を、1ゲーム又は複数ゲーム毎に、抽選を行なった結果又は他の条件により行なうものとすれば、その変更自体も遊技者の興味を引き付け、更に興趣を高めることができる。
(8) 本発明の遊技装置は、一列に並んだn個の基本表示位置の一方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段を1乃至(n−1)有すると共に、一列に並んだn個の基本表示位置の他方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段を0乃至(n−1)有するものとすることが好ましい(請求項4)。
【0038】
一方の端部の付加表示位置にn個のシンボルが固定的に表示される場合、及び、他方の端部の付加表示位置にn個のシンボルが固定的に表示される場合、すなわち、基本表示位置のn行(各n個のシンボル)に加えて付加表示位置に1行又は2行(各n個のシンボル)が追加される場合がない。そのため、基本表示位置を1又は2行増したに過ぎないと誤解されることが防がれ、付加表示位置に固定的に表示されたシンボルがその列の隣接基本表示位置に位置したとした場合に入賞条件を達成するときに入賞条件達成と判定されて言わば得をしたことになり得るものであることが遊技者に理解され易く、遊技者により新しさを感じさせると共に入賞の期待感をより増大させる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0040】
図2乃至図5は、本発明の実施の形態の例としてのスロットマシンについてのものであって、図2は、スロットマシンの構成の概要を示すブロック図、図3は、スロットマシンの外観の正面図、図4は、払込みメダル数に対応する有効な組合せを示す説明図、図5は、内部当りフラグセットまでの処理動作の概略を示すフローチャートである。
(1) 遊技者が対面するスロットマシンの正面について、図3を参照しつつ説明する。
【0041】
上端部の3箇所(左右及び中央)にヒットランプ10が設けられている。
【0042】
上下方向中央部のやや上方には、左シンボル表示窓12a、中央シンボル表示窓12b及び右シンボル表示窓12cが水平方向等間隔に並列に設けられている。
【0043】
このスロットマシンは、3行×3列の行列状の基本表示位置([1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]の各位置)及び基本表示位置[1]の上側に隣接する付加表示位置[a]を有する。左シンボル表示窓12aにおいては、上から下に付加表示位置[a]及び基本表示位置[1]・[4]・[7]が一列に並ぶ。中央シンボル表示窓12bにおいては、上から下に基本表示位置[2]・[5]・[8]が一列に並び、右シンボル表示窓12cにおいては、上から下に基本表示位置[3]・[6]・[9]が一列に並ぶ。
【0044】
スロットマシン内部における左シンボル表示窓12a、中央シンボル表示窓12b及び右シンボル表示窓12cにそれぞれ対応する位置に、左リール14a、中央リール14b及び右リール14cが水平方向回転軸線を中心として互いに独立的に回転自在に支持されている。各リール14a・14b・14cの外周面には、多種のシンボル(オレンジ、プラム、ベル、チェリー等の絵、「7」の文字、「BAR」の文字、「RP」の文字等。図示せず。)が周方向における一定距離毎に順に表示されている。
【0045】
左リール14a停止時には、周方向に連続する任意の4つのシンボルが左シンボル表示窓12aの付加表示位置[a]及び基本表示位置[1]・[4]・[7]に表示される。また、中央リール14b停止時には、周方向に連続する任意の3つのシンボルが中央シンボル表示窓12bの基本表示位置[2]・[5]・[8]に表示され、右リール14c停止時には、周方向に連続する任意の3つのシンボルが右シンボル表示窓12cの基本表示位置[3]・[6]・[9]に表示される。遊技者はこれらのシンボルを視認することができる。各リール14a・14b・14cは、それぞれ別々のステッピングモータ(回転駆動装置の一例。図示せず。)によって、回転駆動され、また停止保持される。
【0046】
シンボル表示窓12a・12b・12cには、左リール14a、中央リール14b及び右リール14cが停止状態でそれぞれ3つずつ基本表示位置([1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9])に表示するシンボルに関し、入賞判定において、払い込まれたメダルの枚数(1乃至3枚)に応じて有効とされる整列位置を示すライン16(線)が5本描かれている。各ライン16の左端部には、払い込まれたメダルの枚数に応じてどのライン16が有効であるかを示す有効ランプ18が配設されている。この例においては、払い込まれたメダルが1枚の場合、「1MEDAL」の有効ランプ18の点灯によって中央の水平ライン16が有効であることが示され[図4(a)における黒丸3個のラインに相当]、メダルが2枚の場合、「1MEDAL」及び2つの「2MEDALS」の有効ランプ18の点灯によって3本の水平ライン16が全て有効であることが示され[図4(b)における黒丸3個の3通りのライン相当]、メダルが3枚の場合、「3MEDALS」の有効ランプ18を含む全ての有効ランプ18の点灯によって、両対角ライン16を含む5本のライン16が有効であることが示される[図4(c-1)における黒丸3個の5通りのライン相当]。
【0047】
更に、ライン17は、払込まれたメダルが3枚の場合(「3MEDALS」の有効ランプ18が点灯する)に、入賞判定において付加表示位置[a]が有効となることを示す。この場合、付加表示位置[a]に停止表示されたシンボルがその列の隣接基本表示位置である[1]に位置したとした場合に入賞条件を達成するときに入賞条件達成と判定される。換言すれば、図4(c-1)の5通りのラインに加えて、図4(c-2)における黒丸3個の2通りのラインが有効となる。
【0048】
このような構成の場合、3個のリールの各3つのシンボルをシンボル表示窓に表示する従来のスロットマシンをほぼそのまま使用し得る。すなわち、正面パネルのシンボル表示窓12付近を変えるだけで、従来のスロットマシンを利用し得、スロットマシンの通常の機種変更と同様の軽微な負担で済む。
【0049】
遊技者は、有効ランプ18によって示された有効ライン16上及び付加表示位置[a]に、各リール14a・14b・14cにおけるどのようなシンボルが位置しているかを見てゲームの結果(入賞か否か、及び入賞した賞の種類)を知ることができる。
【0050】
従来のスロットマシンと同様のたて3列×よこ3行の行列状の基本表示位置([1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9])におけるシンボルのみならず付加表示位置[a]に停止表示されたシンボルによっても入賞し得るので、マンネリ化が防がれ遊技者に新しさを感じさせると共に入賞の期待感を増大させる。然も、付加表示位置[a]に停止表示されたシンボルによって入賞[図4(c-2)における2通りのライン]すると、たて3列×よこ3行の基本表示位置に停止表示される9個のシンボルのうち横線3本及び対角線2本の5通りの直線上の各3個のシンボルの組み合わせのみを入賞条件達成の判定上有効とする従来のスロットマシンに比し、遊技者に得をした気分を起こさせ、一層興味を惹くことができる。
【0051】
また、付加表示位置[a]に停止表示されたシンボルによって入賞するのは、そのシンボルが同列の隣接基本表示位置である[1]に位置したとした場合に入賞条件を達成するときであるから、遊技者にとって入賞の成否判断が容易である。更に、入賞条件達成上有効なシンボルの並びの数は最大で7通りであるから、BB(ビッグボーナス)等の遊技者にとって有利な特別ゲームを開始する賞やその他の賞の入賞率が高くなりすぎるという不都合が生じることを防ぎ得る。
【0052】
メダルを払い込むには、上下中央部の右方部に設けられたメダル投入口22からメダルを投入するか、スロットマシンに保留されているメダルがある場合は、BETボタン24を押して必要枚数を払い込む。BETボタン24はメダル投入口22の左方に設けられている。
【0053】
有効ランプ18の下方に、リール14a・14b・14cの回転開始が可能であることを示すために点灯するスタートランプ26(START)が設けられ、BETボタン24の下方に、3つのリール14a・14b・14cの回転を一斉に開始させるためのスタートレバー28が設けられている。
【0054】
各リール14a・14b・14cの下方には、それぞれのリールが回転中であり、その回転をストップボタン30の押圧により停止させることが可能であることを示すために点灯する3つのストップランプ32(STOP)が設けられている。ストップボタン30は、ストップランプ32の下方に、各リール14a・14b・14cに対応して3つ設けられている。
【0055】
メダル投入口22の上側には、メダルの投入が可能なことを示すために点滅するメダル投入ランプ34(INSERT MEDALS)が設けられている。その上方には、上から順に、保留枚数表示器38(CREDIT)及び払出枚数表示器40(PAYOUT)が設けられている。
【0056】
下端部にはメダル受皿部42が設けられ、その中央部の上側にメダル払出口44が設けられ、その右側にスピーカ20が設けられている。
(2) 次に、主に図2のブロック図を参照してスロットマシンの構成の概要を説明する。
【0057】
制御部50は、ゲームの実行や周辺機器等の制御及び各種データの読み書きなどの処理を行うCPU(中央処理装置)、RAM、ゲームの実行や周辺機器等の制御などのためのプログラム及び各種データが書き込まれたROM、並びに周辺機器等との接続のための入出力インターフェイスなど(図示せず。)からなり、必要に応じ周辺機器等と連携して、上記表示手段、表示固定手段、内部当り設定手段、入賞判定手段等の機能を実現する。
【0058】
メダル投入ランプ部34aは、メダルの投入が可能な場合に制御部50から与えられる点滅指示信号により、メダル投入ランプ34を点滅させる。
【0059】
メダル検出部51は、メダル投入口22から投入されたメダルを検出して検出信号を制御部50に出力する。
【0060】
BETボタン24は、スロットマシンに保留されているメダルを賭ける場合にメダル1枚毎に1度押すものであり、1度押す毎にその信号を制御部50に出力する。
【0061】
スタートランプ部26aは、リール14a・14b・14cの回転開始が可能な状態である場合に制御部50から与えられる点灯指示信号により、スタートランプ26を点灯させる。
【0062】
スタートレバー28は、リールの回転開始が可能な状態において3つのリール14a・14b・14cの回転を一斉に開始させる場合に、押下することにより回転開始信号を制御部50に出力する。
【0063】
ストップランプ部32aは、リール14a・14b・14cが回転中であってその回転をストップボタン30の押圧により停止させることが可能である場合に各リール14a・14b・14c毎に制御部50から与えられる点灯指示信号により、各ストップランプ32を点灯させる。
【0064】
ストップボタン30(停止ボタン)は、回転中のリールを停止させる場合に各リール14a・14b・14c毎に押圧するものであり、各ストップボタン30の押圧により、対応するリール14を停止させるための停止信号を制御部50に出力する。
【0065】
有効ランプ部18aは、賭けられたメダルの枚数に応じて制御部50から与えられる点灯指示信号により、対応する有効ランプ18を点灯させる。
【0066】
リール部14dは、3つのリール14a・14b・14cと、各リール14a・14b・14cを回転駆動又は停止保持するための3つのステッピングモータと、制御部50からのステッピングモータ駆動信号に応じてそれらのステッピングモータを駆動するための駆動回路と、一定回転位置において制御部50に対しリセット信号を出力するためのリセット信号出力部を有してなる(図示せず。)。制御部50は、各リール14a・14b・14cの1回転毎に、リセット信号を受けた時点からステッピングモータ駆動信号の例えばパルス数をカウントすることにより、各リール14a・14b・14cの回転角度、すなわち各シンボルの位置を把握すること(すなわち表示手段による表示内容を検知すること)ができる。
【0067】
ヒットランプ部10aは、制御部50から与えられる点灯指示信号又は点滅指示信号により、ヒットランプ10を点灯し又は点滅する。
【0068】
音声出力部52は、制御部50から出力される音声出力信号に応じ、スピーカ20から音声を出力する。
【0069】
保留枚数表示部38aは、スロットマシンに保留されているメダル枚数として制御部50に記憶されている枚数に応じて制御部50から出力される表示信号に従って、その枚数に応じた数字を保留枚数表示器38に表示する。
【0070】
メダル払出部44aは、ゲームの結果に応じ制御部50において計算されたメダル払出数に応じて制御部50から出力される払出信号に従って、その枚数に応じたメダルをメダル払出口44から払い出す。
【0071】
払出枚数表示部40aは、ゲームの結果に応じ制御部50において算出されたメダル払出数に応じて制御部50から出力される表示信号に従って、その枚数に応じた数字を払出枚数表示器40に表示する。
(3) 次に、ゲーム実行処理動作の概略を説明する。
【0072】
先ず、ステップS1において、制御部50がメダル払込みの有無を判定する。メダルの投入が可能でメダル投入ランプ34が点滅状態にある場合にメダル投入口22から1乃至3枚のメダルを投入するか、保留されているメダルがあって保留枚数表示器38に1以上が表示されている場合にBETボタン24押圧により1枚以上のメダルが払い込まれることにより、ステップS1の判定はY(YES)となる。それにより、スタートランプ26が点灯する(S2)と共に、投入されたメダル枚数に応じて有効ランプ18が点灯し、ステップS3に進む。
【0073】
スタートレバー28を押下すると、ステップS3はYとなり、制御部50は、次のステップS4でスタートランプ26を消灯し、ステップS5で3つのリール14a・14b・14cを一斉に回転させる。更にステップS6でBB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、及びSB(シングルボーナス);並びにその他の遊技者にとって比較的利益の小さい賞(小物)であるオレンジ、プラム、ベル、チェリー等又は再遊技について、制御部50において、内部当りか否かの抽選を行う。この例においては、全ての賞が内部当り対象賞である。抽選は、乱数サンプリングを実行し、得られたサンプリング値をROMに書き込まれているデータに照らして、当選か否か及びその賞の種類等を判定することにより行う。他の方法による抽選も可能である。抽選により何れかの賞の内部当りとなった場合(S7−Y)、その賞に対応する内部当りフラグ(S8)がセットされる。
【0074】
次いで、制御部50が全てのストップランプ32を点灯させる。その後、遊技者が適宜のタイミングで各ストップボタン30を押圧することにより(或いは所定時間ストップボタン30を押圧せずに不操作状態が継続することにより)出力される停止信号を制御部50が検知すると、制御部50は、リール停止操作時に発する停止音の出力信号を音声出力部52に対し出力し、音声出力部52はそれに応じてスピーカ20から停止音を出力する。次いで制御部50はリール14a・14b・14cのうち対応するものについてのステッピングモータを停止させる。
【0075】
制御部50が対応するリールのステッピングモータを停止させる際、BB、RB、SB、再遊技等の何れかの賞の内部当り状態となっていることを示すフラグが何れもセットされていなければ、制御部50はストップボタン30押圧(或いは所定時間放置)による停止信号を受けた後一定のタイミングでリールを停止させる。但し、リールが前記一定のタイミングで停止する際に、投入されたメダル枚数に応じて有効ランプ18で示される有効組み合わせ位置において何れかの賞の入賞条件を達成することとなる場合は、そのリールを1コマ送る(シンボル1つ分余分に回転させる)。それでも何れかの賞について入賞することとなる場合は、入賞とならないようになるまでリールのコマ送りを繰り返す。
【0076】
この場合は、3つのリール14a・14b・14cが停止した状態で入賞に係るシンボルの組み合わせが有効ランプ18で示される有効組み合わせ位置に表示されないため、その後ステップS1に戻る。
【0077】
何れかの賞に内部当り状態となっていることを示すフラグがセットされている場合、制御部50は、ストップボタン30の押圧等による停止信号を受けた時点から内部当り状態となっている賞への入賞に必要なシンボルが入賞に必要な位置に達するまでの差が規定停止時間内であるときは、そのシンボルが必要位置に表示されるようにリールを停止させる。すなわち、そのシンボルをシンボル表示窓12の必要位置に引き込む。このようにして、内部当り状態が設定されている場合に、その賞に入賞する率を上げるか又は入賞がほぼ確実となるようにして高入賞率化する。前記規定停止時間内にないときは、他の賞について入賞とならないように必要に応じリールを1コマずつ送って停止させる。
【0078】
第3のリールが停止すると、制御部50は、有効ランプ18によって示される有効な基本表示位置及び有効な付加表示位置に表示されたシンボルの種類及び並び方を把握し、入賞か否か、及び入賞した賞の種類を判定する。その際遊技者も、同様に入賞か否か、及び入賞した賞の種類を知ることとなる。
【0079】
入賞と判定された場合、制御部50は、賞の内容に応じ、例えば所定枚数のメダルの払出しをメダル払出部44aに指示すると共に、その枚数に応じた数字を払出枚数表示器40に表示するよう払出枚数表示部40aに指示し、更に、その賞の内部当りを示すフラグをクリアする。次いで、その賞が特別ゲームを開始するものでない場合はステップS1に戻り、その賞がBB、RB等の特別ゲームを開始するものであるときは、ヒットランプ10の点滅及びスピーカ20からの効果音出力により各特別ゲーム開始の賞に入賞したことが報知され、その特別ゲームへ移行し、特別ゲーム終了後、ステップS1に戻る。
【0080】
BBフラグ又はRBフラグがセットされていない場合において入賞なしと判定されたときは、BBフラグ及びRBフラグを除く全ての賞についての内部当りフラグをクリアする。次いでステップS1に戻り、ゲームが繰り返される。
【0081】
BB及びRBの内部当りフラグは、BB及びRBに入賞するまでセットされた状態を継続させる。但し、BBフラグ又はRBフラグがある場合にそれぞれBB又はRBに入賞せずにステップS1に戻って繰り返されるゲームにおいては、ステップS6の抽選は行われない。或いは、例えば、ステップS6の抽選を、小物の全部又は一部についてのみ行うようにすることもできる。
【0082】
なお、本発明の実施は、電気回路若しくは電子回路による手段又は機械的な手段に代えてソフトウェアを用いて行ってもよく、ソフトウェアを用いる手段に代えて電気回路若しくは電子回路による又は機械的な手段により行ってもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明の遊技装置においては、たて3列×よこ3行の基本表示位置における横線3本及び対角線2本の5通りの直線上の各3個のシンボルのみが有効な従来のスロットマシンとは異なり、基本表示位置におけるシンボルのみならず付加表示位置に固定的に表示されたシンボルによっても入賞し得るので、マンネリ化が防がれ遊技者に新しさを感じさせると共に入賞の期待感を増大させる。然も、付加表示位置に固定的に表示されたシンボルによって入賞すると従来のスロットマシン等に比し遊技者に得をした気分を起こさせ、一層興味を惹くことができる。その入賞の成否の判断も容易である。
【0084】
また、入賞条件達成上有効なシンボルの並びの数が多くなりすぎることを避けて、BB(ビッグボーナス)等の遊技者にとって有利な特別ゲームを開始する賞やその他の賞の入賞率が高くなりすぎるという不都合が生じることを防ぎ得る。
【0085】
更に、付加表示位置の有効・無効を、1ゲーム又は複数ゲーム毎に、抽選を行なった結果又は他の条件により行なうものとすれば、その変更自体も遊技者の興味を引き付け、より一層興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3行×3列の基本表示位置及び付加表示位置の例を示す説明図である。
【図2】スロットマシンの構成の概要を示すブロック図である。
【図3】スロットマシンの外観の正面図である。
【図4】払込みメダル数に対応する有効な組合せを示す説明図である。
【図5】内部当りフラグセットまでの処理動作の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1乃至9 基本表示位置
a 付加表示位置
16 有効ライン
Claims (4)
- 複数種のシンボルを順次連続的に表示するための2以上の表示手段と、
その表示手段における前記連続的表示を停止させてシンボルを固定表示させるための表示固定手段とを有し、
前記表示固定手段を遊技者が操作して前記表示手段にシンボルを固定的に表示させることができ、前記表示手段が固定的に表示したシンボルの種類と位置が所定の入賞条件を達成することと入賞とが対応するゲームを実行する遊技装置であって、
前記入賞条件達成の有無を判定する入賞判定手段を有し、
各表示手段について、表示手段の総数nと同じ個数のシンボルを一列に表示するn個の基本表示位置を有し、
全表示手段の基本表示位置は、各表示手段毎のn個の基本表示位置が表示手段数であるn列並んだn行×n列の行列状をなし、固定的に表示されたシンボルについての入賞条件達成の判定は、基本表示位置に固定的に表示された水平方向及び対角線方向の(n+2)通りのn個のシンボルの並びのうち全て又は一部について行われ、
一列に並んだn個の基本表示位置の一方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段を1乃至(n−1)有すると共に、一列に並んだn個の基本表示位置の他方の端部の延長上に隣接して1個の付加表示位置を有する表示手段を0乃至(n−1)有し、
前記入賞判定手段は、付加表示位置に固定的に表示されたシンボルがその列の隣接基本表示位置に位置したとした場合に入賞条件を達成するときにおいて、付加表示位置が有効で入賞条件達成と判定する場合と、付加表示位置が無効で入賞条件達成と判定しない場合を有し、
前記付加表示位置が、少なくとも、第1列又は第n列における第1行又は第n行の基本表示位置に隣接した付加表示位置を含むことを特徴とする遊技装置。 - 上記遊技装置が、
外周面に複数のシンボルが表示され、回転停止状態において前記シンボルの1又は2以上を遊技者が視認し得る、回転自在に支持された回転体、及びその回転体を回転駆動するための回転駆動装置からなる2以上の表示装置を表示手段として、
回転駆動されている前記回転体を停止させてシンボルを固定表示させるための表示固定装置を表示固定手段として有し、
前記表示固定装置を遊技者が操作して前記表示装置に前記シンボルを停止表示させることができ、
その表示固定装置によって停止した回転体における前記シンボルの種類とその停止位置が所定の入賞条件を達成することと入賞とが対応するスロットマシンである請求項1記載の遊技装置。 - 表示手段の総数nが3である請求項1又は2記載の遊技装置。
- 上記付加表示位置として、第1列における第1行、第1列における第n行、第n列における第1行、及び第n列における第n行のうち何れかの基本表示位置に隣接した1つの付加表示位置、或いは、その付加表示位置と何れかの列における第1行又は第n行の基本表示位置に隣接した付加表示位置の2つの付加表示位置のみを有する請求項1、2又は3記載の遊技装置。
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