JP3805931B2 - 物体表面上画像形成方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の表面に画像を形成する方法に係り、特にゴルフボールの表面に目印や装飾用の画像を又爪の表面に美容や遊びのための画像を形成する方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
物体の表面に画像を形成するには、該表面にペンや筆にて画像を直接描くか或は版、特に凸版にインクをつけて押し当てればよいが、ペンや筆による画像の直接描き付けは特技を要し、又版による印刷はカラー画像を形成しようとすると複数の版と高度の技術を要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる物体表面へのペンや筆による画像の直接描き付け或は版による直接印刷に於ける困難性に鑑み、プラスチックフィルム上に予め印刷を施した画像シートより適宜の画像部を切り抜き、画像を担持したプラスチックフィルムを、物体表面上に、適宜の接着剤を用いて、或はプラスチックフィルムに予め施された接着剤層により、貼り付けることが行われている。この方法による画像形成は、物体の表面が壁面の如く平らな場合には特に問題はないが、物体表面がゴルフボールや爪の表面の如く曲率半径の比較的小さい三次元的曲面であるときには、貼り付けられるフィルム片の周縁部に物体表面からの浮き上がりが生じ、又これを接着剤にて強引に押しつけると、そこにフィルムの皺が生ずるという問題がある。
【0004】
本発明は、ゴルフボールの表面や爪の表面の如く比較的小さい曲率半径にて三次元的に湾曲している表面にも、フィルム状の画像担持体上に予め画像を施してこれを画像担持体ごと物体表面上に貼り付けることにより、上記の如き画像担持体の浮き上がりや皺を生ずることなく、滑らかな画像表面を形成することのできる物体表面上への画像形成方法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題は、本発明によれば、平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜を画像担持体としてインクによりインク画像を形成し、
前記インク画像を施された前記薄膜を少なくとも該インク画像の担持に必要な広さの薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片をそのインク画像を施された面が該薄層に接するように載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当てることを特徴とする物体表面上画像形成方法、
又は、平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を有する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜を画像担持体としてインクによりインク画像を形成し、
前記インク画像を施された前記薄膜を少なくとも該インク画像の担持に必要な広さの薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片をそのインク画像が施された面を上にして載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当て、
前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させることを特徴とする物体表面上画像形成方法、
又は、平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜上に感熱発色剤を薄層状に施し、該感熱発色剤を乾燥させて感熱発色性薄膜を形成し、
前記感熱発色性薄膜を加熱手段により選択的に加熱して感熱発色画像を形成し、
前記画像を形成された前記感熱発色性薄膜を少なくとも該画像の表示に必要な広さにて前記易剥離性薄膜と共に薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片を前記感熱発色性薄膜の側が該薄層に接するように載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当てることを特徴とする物体表面上画像形成方法、
又は、平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜上に感熱発色剤を薄層状に施し、該感熱発色剤を乾燥させて感熱発色性薄膜を形成し、
前記感熱発色性薄膜を加熱手段により選択的に加熱して感熱発色画像を形成し、
前記画像を形成された前記感熱発色性薄膜を少なくとも該画像の表示に必要な広さにて前記易剥離性薄膜と共に薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片を前記感熱発色性薄膜を上にして載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当て、
前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させることを特徴とする物体表面上画像形成方法によって達成される。
【0006】
尚、上記いづれの方法に於いても、前記のインクによる画像或いは感熱発色性薄膜の選択的加熱による画像を施された前記薄膜を少なくとも該画像の担持に必要な広さの薄膜片として前記台紙の表面より剥離することと、物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施すこととは、互いに全く個別に行われる行為であり、即ち、いづれか一方の行為が他方の行為を妨げるものではなく、又一方が先に行われなければ他方が行えないものでもなく、しかも互いにほぼ同時期に行われる行為であることから、上記及びこれに対応する特許請求の範囲の記載は、これら両行為が行われる時間的順序まで限定するものではないことを理解されたい。
【0007】
【発明の作用及び効果】
上記の如く、画像担持体として平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させることにより形成された薄膜を用い、かかる薄膜を画像担持体としてインクにより画像を施すか、又は、かかる薄膜上に感熱発色剤を薄層状に施し、これをを乾燥させて感熱発色性薄膜を形成し、かかる感熱発色性薄膜を熱ペン、サーマルプリントヘッド等の加熱手段により選択的に加熱して感熱発色画像を形成し、かくして形成された画像の表現に必要な広さの薄膜片に画像を担持させ、物体の表面と該第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を物体の表面上に施し、該第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤による薄層上に画像を担持する前記薄膜片をその画像部が該薄層に接するように載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当てるか、或は前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に画像を担持する前記薄膜片をその画像部を上にして載置し、該薄膜片の上から該薄膜片とその周囲を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させれば、物体の表面上には、該表面に沿ってそれによく親和して展延した前記第二の塗布剤による薄層上に前記第一の塗布剤よりなる薄膜により担持されて付着したインクによる画像か又は感熱発色剤による画像が、該第一及び第二の塗布剤の間の親和性により物体表面の湾曲形状に沿って皺なく展延した状態に形成され、画像を形成するインク又は感熱発色剤は、これら塗布剤層内にあって外部に対して前記第一の塗布剤の層により被覆された状態となる。
【0008】
上記の通り本発明の画像形成方法に於いて、前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上にインク又は感熱発色剤による画像を担持する前記第一の塗布剤による薄膜片がその画像部を該薄層に接触させするように載置されて軽く一様に押し当てられる場合には、更にその後前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させてもよい。
【0009】
上記いずれの方法によるときにも、インク又は感熱発色剤による画像を担持する前記第一の塗布剤よりなる薄膜片は、柔軟で展延性に富み、物体表面が曲率半径の比較的小さい三次元的湾曲面である場合にも、それによく沿って一様に展延するので、画像は一様に展延された状態に保持される。
【0010】
第一の塗布剤による層がインク画像又は感熱発色剤画像担持用の薄膜片とその上から上塗りされる層との重なりにより形成される場合には、物体表面の三次元的湾曲の度合が大きい場合にも、画像貼り付け時に該第一の塗布剤による層の厚さに実質的な斑を生じさせないよう画像担持用の薄膜片を十分薄い膜とした上で、仕上がり後にインク画像を覆う第一の塗布剤の層の厚みをインク層の保護のために好ましい任意の厚みとすることができる。
【0011】
前記第二の塗布剤は前記第一の塗布剤より乾燥速度が低い材料よりなっているのが好ましい。第一の塗布剤は乾燥して画像担持用膜体を形成すればよいので、その乾燥速度は早い程便利である。一方、第二の塗布剤は、それによって形成された薄層上に第一の塗布剤よりなる薄膜が画像を担持して押し当てられるとき、該薄膜を半溶融させて物体表面に倣った形状に滑らかに変形させるに十分な溶融状態を残していなければならない。そのためには、第二の塗布剤は、余り速く乾き過ぎないよう、適度に緩やかな乾燥速度のものであるのが便利である。前記第一の塗布剤と第二の塗布剤とは物質的には実質的に同一(全く同一の場合を含む)の材料であってもよい。
【0012】
前記第一の塗布剤としてはマニキュア用のトップコートが使用されてよく、又前記第二の塗布剤としてはマニキュア用のベースコートが使用されてよい。
【0013】
前記第一の塗布剤による前記薄膜片は平滑な表面を有する台紙の表面上に該表面に対し剥離性を呈する塗布剤を滴下することにより形成された形成当初からの孤立片であってよい。
【0014】
或は又、前記第一の塗布剤による前記薄膜片は平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する塗布剤を展延することにより形成されたシート材より切り取られれたシート片であってもよい。感熱発色剤は前記第一の塗布剤による前記薄膜上に一様に施されてよく、或いは又、画像形成が予定される領域にのみ施されてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照して本発明を実施例について詳細に説明する。
【0016】
添付の図1は、平滑な表面を有する台紙10の図にて上面をなす表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤が滴下され、該塗布剤が乾燥することにより薄膜片12−1,12−2,12−3等が形成され、これらの薄膜片上にインクによる画像14−1,14−2,14−3等が形成された状態を示す斜視図であり、図2は図1に於ける切断面II−IIによる断面を矢印方向に見た断面図である。尚、図2に於ては、図示を明瞭にする目的で、塗布剤による薄膜片12−1及びインク層14−1の厚みはそれぞれの平面的拡がりに於ける寸法に対して大幅に拡大して示されている。
【0017】
台紙10としては、シリコンコーティングが施された紙、或はポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムであってよく、薄膜片12−1等は、一つの実施例として、これらの台紙の表面にマニキュア用のトップコートが適量ずつ滴下されることによりそれらが自ら展延した後乾燥して形成された厚さ20μ前後の薄膜であってよい。こうして形成された薄膜片12−1等は、その縁の一箇所をピンや安全剃刀の刃の破片等の鋭い先端にて弾かれることにより、台紙より容易に剥離される。しかしこれらの薄膜片が台紙上に保持されている状態では、その上にマジックインキ(登録商標)の如き速乾性のインク、プリントゴッコ(登録商標)用のインク等の比較的固練りの印刷用インク、熱転写プリンタ用インクリボン等により、滲みのない画像を、薄膜片表面にて弾かれることなく、容易に形成することができる。又インクジェットの如く流動性の高いインクの場合には、該薄膜片の上にインクの定着を促進させるインク受容層を施すことにより、同様に滲みのない画像を形成することができる。
【0018】
インク層14−1等を施された薄膜片12−1等が以下に図3〜図5に示されている如くインク層14−1等を物体表面側へ向けて反転して貼り付けられるときには、仕上がり後の画像は薄膜片上に形成された画像に対して鏡像画像となるので、図1に示す実施例の画像14−1或は14−3の如く鏡像的に反転することにより不都合が生ずる画像の場合には、薄膜片12−1等上への画像の形成に当たって、予め画像は鏡像画像として形成される必要がある。
【0019】
図3は、図2に示す状態に形成された薄膜片12−1を、それが担持する画像14−1と共に上下反転し、物体16の表面上に第二の塗布剤であって物体16の表面及び薄膜片12−1等を形成する第一の塗布剤に対し親和性を呈する速乾性の塗布剤を塗布することにより形成された薄層18上にそれが乾燥する前の状態にあるとき載置しようとしている状態を示す、図2と同様に平面的大きさに対し厚みが図示の目的で拡大された、断面図である。この状態から薄膜片12−1が更に物体16へ向けて移動されると、インク層14−1が未乾燥の状態にある塗布剤層18内に埋め込まれ、薄膜片12−1は柔らかい層であって且つ薄層18を形成する第二の塗布剤と親和性を有するので、薄膜片12−1及びインク層14−1は、図4に示されている如き状態を経て図5に示されている状態に至る。尚、図5に於いては、第一の塗布剤による層12−1と第二の塗布剤による層18との境界は明確な境界線により示されているが、第一の塗布剤がマニキュア用トップコートよりなり、第二の塗布剤がマニキュア用ベースコートよりなる如く、互いの親和性が高い場合には、両層の間の明確な境界は消失し、両者間に亙るほぼ連続した一体の層が形成される。
【0020】
爪の装飾の場合の如く、装飾面が外部から異物の衝撃的接触を受けることが殆どない場合には、図5に示された層構造の状態で仕上がりとされてよいが、上述の如く薄膜片12−1等の厚みは、三次元的湾曲面に対する該薄膜片の均一な適合性を高めるべく、20μ前後の比較的小さい値とされていることが好ましいことから、これがゴルフボールの表面に目印や装飾を施す用途に用いられるときには、クラブによる強力な衝撃に対し耐性が劣るという問題がある。かかる用途の場合には、更に図6に示す如く、これらの層構造の上に更に第一の塗布剤を塗布して保護層20を設けるのが好ましい。
【0021】
尚ゴルフボールに関しては、一般に「ボールの性能を変える目的で異物を貼ってはいけない」等の文言による異物の貼り付けに対する禁止規定があるが、この種の条項の解釈に当たっては、貼るもの自体が薄く且つボールの表面の凹凸に沿って貼り付いた状態にあってボールと完全に一体になっていれば規定に抵触しないとされている。図6の断面形状は、前述の如く層の拡がり面積に対する厚みを図示の便宜のために著しく増大して示すものであり、実際には5mm×5mm〜10mm×10mm程度の拡がりを有する画像に対して、層の厚みは図6の場合の合計でも50μ程度であり、見かけ上、下地をなす物体の表面からの隆起は全く生じない。
【0022】
又ゴルフボールの場合には、ボールの外面は球体全体としての曲率に加えて大きな逆曲率の窪みが分散して設けられているが、第一の塗布剤より形成された薄膜片12−1等は、厚さ20μ程度であって高い柔軟性を有し且つ図4に示す如く第二の塗布剤の層18に接合するときに、未乾燥の状態にある第二の塗布剤によって半ば融かされた状態となるので、ゴルフボールの窪みの部分に於ても、薄膜片12−1等により担持されたインク画像層は、物体16の表面に沿って延在する第二の塗布剤の層18上に均一に載置され、ゴルフボールの窪み部や窪み部とその周りの球面との境界に於てもボールの表面に均一に密着した画像を形成する。
【0023】
尚発明者が行った実験によれば、第一及び第二の塗布剤としてそれぞれマニキュア用のトップコート及びベースコートを使用し、ゴルフボールの表面に、図6に示す層構造により、層12−1及び層20の厚みをそれぞれ約20μとし又層18の厚みを約10μとして約7mm×7mmの拡がりのインク画像を形成した場合、インク画像は通常のゴルフ愛好者による1ラウンドのプレイにほぼ耐えることが確認された。勿論この場合、次のプレイに当っては画像を新しく施し直すことが望まれる。
【0024】
図7は、図1に示す実施例に類似の他の一つの実施例を示す図1と同様の斜視図であり、図8は図7に於ける切断面に沿って矢印VIII−VIIIの方向に見た断面を示す図であり、図2と同様にシートや層の二次元的拡がり寸法に対する厚みを図示の目的で大きく拡大したものである。
【0025】
この実施例に於ては、図1に示す実施例に於けると同様の平滑な表面を有する台紙10の該表面上に、図1の実施例に於けると同様の速乾性の第一の塗布剤により、連続した層22が形成されており、その上に図1に於けると同様のインクによる画像14−1,14−2,14−3等が形成されている。この場合には、物体表面上に各画像を貼り付けるに当っては、各画像を担持する層22の一部が台紙10と共に切り目24,26,28により切り取られ、その後、層22の切り取り部が台紙10の切り取り部より剥がされて、図2〜図5又は更に図6の状態にして使用される。
【0026】
以上図1〜図8に示した実施例に於ては、物体表面上に形成される画像は、台紙10上に担持された第一の塗布剤による層12−1等又は22上に形成された画像に対し、鏡像的に反転した画像となるので、図1や図7の実施例に於ける「9」や「7」の如く台紙10上にあるとき正常な画像を呈するよう画像が形成されたのでは、鏡像的反転によって物体表面上に形成される画像に不都合が生じる場合には、台紙10上での画像の形成に当たって予め画像が正常な画像の鏡像的反転画像とされていなければならない。これに対し図9〜図14は、台紙10上にて形成された画像をそのまま物体表面上に貼り付ける更に他の一つの実施例を示す図1〜図6と同様の図であり、又これらの図9〜図14は、図1〜図6に対応して、順次画像が形成される態様を示す。
【0027】
この実施例に於ては、図9に示す如く、台紙10上に第一の塗布剤により形成された薄膜片12−1,12−2,12−3等の上に施された画像14r−1,14r−2,14r−3等は物体上に施されるべき画像の鏡像ではなく、そのものずばりの正像とされており、かかる画像を薄膜片12−1等により第二の塗布剤による層18を施された物体16上に載置するに当たって、薄膜片12−1等の反転が行われない点に於て先の実施例と異なっており、又この実施例では図5に対応する図13の状態では最終仕上がり状態とはならず、更に図14に示す如くその上に第一の塗布剤による層20が形成されなければならない点に於てのみ、図1〜図6に示す第一の実施例と異なっている。
【0028】
従って図9〜図14に於いては、図1〜図6に示す部分に対応する部分は図1〜図6に於けると同じ符号により示されており(但し画像14−1等は正像対鏡像の関係に於いて互いに反対であるので符号にrを付加してこのことを表す)、これらの層の形成要領は図1〜図6に示す第一の実施例に於けると同様であるので、これらの構成についての重複的説明は明細書を簡潔にする目的で省略する。
【0029】
また図9〜図14に示す実施例についても、第一の塗布剤による薄膜片12−1,12−2,12−3等を各々塗布剤の滴下により個別に形成することに代えて、図7及び図8に示した実施例の如く台紙10上に第一の塗布剤による層を連続に展延した層として形成しておき、その上にインクによる画像を形成した後、該画像を担持する第一の塗布剤による薄膜を台紙と共に適宜切り取って使用するようにしてもよいことは明らかであろう。
【0030】
図15〜20は、画像がインクに代わって感熱発色剤により形成される他の実施例を示す図1〜図6と同様の図である。これらの図に於いて、図1〜図6に示す部分に対応する部分は、図1〜図6に於けると同じ符号により示されている。
【0031】
この実施例に於いては、図1の場合と同様の要領にて台紙10上に第一の速乾性塗布剤の滴下により形成された薄膜片12−1,12−2,12−3等上に感熱発色剤の薄膜片13−1,13−2,13−3等が形成され、これらの感熱発色剤の薄膜には、その一部が図には示されていない熱ペン、サーマルプリントヘッド等の任意の加熱手段により加熱されることによって感熱発色剤が発色したことによる画像15−1,15−2,15−3等が形成されている。
【0032】
感熱発色剤としては多くの材料が知られているが、例えば、脂肪酸重金属塩と還元剤の混合物であって、加熱により溶融した重金属塩が還元剤により還元されて発色するものとして、ステアリン酸第二鉄とタンニン酸の混合物が加熱により発色して黒色を呈するもの、ステアリン酸第二鉄と没食子酸の混合物が加熱により発色して青色を呈するもの、ミリスチン酸鉛とジフェニルカルバジトの混合物が加熱により発色して赤色を呈するもの、ステアリン酸鉛とジフェニルカルバジトの混合物が加熱により発色して褐色を呈するもの等がある。
【0033】
かかる画像形成後にそれを担持した薄膜片12−1,12−2,12−3等が台紙10より剥離され、図17及び図18に示されている過程を経て図19に示された仕上がり状態とされ、或いは更に図20に示された仕上がり状態とされる要領は、図1〜図6に示された実施例の場合と同様である。
【0034】
又、このように感熱発色剤により画像を形成する場合にも、画像を担持する薄膜片は、図7及び図8に示されている実施例に於けると同じく、図21及び図22に示されているように、台紙10に速乾性の第一の塗布剤による連続した層22が形成され、その上に感熱発色剤の連続した層23が形成され、各画像を担持する層22及び層23の一部が台紙10と共に切り目24,26,28により切り取られ、その後、層22及び層23の切り取り部が台紙10の切り取り部より剥がされて、図17〜図19又は更に図20の状態にして使用されてもよい。
【0035】
感熱発色剤を用いた図15〜図22の二つの実施例は、図1〜図8の二つの実施例と同様に、画像を担持する薄膜片が、物体16上への載置に当たって、上下反転されるものである。これに対し、画像形成に感熱発色剤を用る場合にも、図9〜図14の実施例と同様に、画像を担持する薄膜片を上下反転することなく物体16上への載置する方法も可能である。図23〜図28はそのような実施例を示しており、これらの図示は、図9〜図14の図示に対応している。図23〜図28に於いては、図9〜図14に示されている部分に対応する部分は図9〜図14に於ける符号と同じ符号により、又図15〜図20に示されている部分に対応する部分は図15〜図20に於ける符号と同じ符号により示されている。図23〜図28に示す実施例の実施要領は、図9〜図14に示す実施例についての説明と図15〜図20に示す実施例についての説明より明らかであろう。
【0036】
以上に於いては本発明を幾つかの実施例について詳細に説明したが、これらの実施例について本発明の範囲内にて他の種々の修正が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】台紙上に第一の塗布剤による薄膜片が個別に形成される本発明の第一の実施例を示し、台紙と第一の塗布剤の薄膜片とその上に形成されたインク画像との組み合わせを示す斜視図。
【図2】図1に於ける切断部を矢印II−IIの方向に見た断面図。
【図3】図2に続く画像形成過程を示す断面図。
【図4】図3に続く画像形成過程を示す断面図。
【図5】図4に続いて物体上に画像が形成された状態を示す断面図。
【図6】図5に示す画像形成状態に更に第一の塗布剤による被覆層が形成された状態を示す断面図。
【図7】本発明の第二の実施例を示す図1と同様の図。
【図8】図7に示す切断面による断面を矢印VIII−VIIIの方向に見た断面図。
【図9】本発明の第三の実施例を示す図1と同様の図。
【図10】図9に於ける切断部を矢印X−Xの方向に見た断面図。
【図11】図10に続く画像形成過程を示す断面図。
【図12】図11に続く画像形成過程を示す断面図。
【図13】図12に続く画像形成過程を示す断面図。
【図14】図13に続いて画像が形成された層状態を示す断面図。
【図15】台紙上に第一の塗布剤による薄膜片が個別に形成される本発明の第四の実施例を示し、台紙と第一の塗布剤の薄膜片とその上に設けられた感熱発色剤層による画像との組み合わせを示す斜視図。
【図16】図15に於ける切断部を矢印XVI−XVIの方向に見た断面図。
【図17】図16に続く画像形成過程を示す断面図。
【図18】図17に続く画像形成過程を示す断面図。
【図19】図18に続いて物体上に画像が形成された状態を示す断面図。
【図20】図19に示す画像形成状態に更に第一の塗布剤による被覆層が形成された状態を示す断面図。
【図21】本発明の第五の実施例を示す図15と同様の図。
【図22】図21に示す切断面による断面を矢印XXII−XXIIの方向に見た断面図。
【図23】本発明の第六の実施例を示す図15と同様の図。
【図24】図23に於ける切断部を矢印XXIV−XXIVの方向に見た断面図。
【図25】図24に続く画像形成過程を示す断面図。
【図26】図25に続く画像形成過程を示す断面図。
【図27】図26に続く画像形成過程を示す断面図。
【図28】図27に続いて画像が形成された層状態を示す断面図。
【符号の説明】
10…台紙、
12−1,12−2,12−3…第一の塗布剤による薄膜片
13−1,13−2,13−3…感熱発色剤による薄膜片
14−1,14−2,14−3…インクによる画像層
14r−1,14r−2,14r−3…インクによる画像層
15−1,15−2,15−3…感熱発色剤による画像部
15r−1,15r−2,15r−3…感熱発色剤による画像部
16…物体
18…第二の塗布剤による薄膜層
22…第一の塗布剤による連続層
24,26,28…切り目
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の表面に画像を形成する方法に係り、特にゴルフボールの表面に目印や装飾用の画像を又爪の表面に美容や遊びのための画像を形成する方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
物体の表面に画像を形成するには、該表面にペンや筆にて画像を直接描くか或は版、特に凸版にインクをつけて押し当てればよいが、ペンや筆による画像の直接描き付けは特技を要し、又版による印刷はカラー画像を形成しようとすると複数の版と高度の技術を要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる物体表面へのペンや筆による画像の直接描き付け或は版による直接印刷に於ける困難性に鑑み、プラスチックフィルム上に予め印刷を施した画像シートより適宜の画像部を切り抜き、画像を担持したプラスチックフィルムを、物体表面上に、適宜の接着剤を用いて、或はプラスチックフィルムに予め施された接着剤層により、貼り付けることが行われている。この方法による画像形成は、物体の表面が壁面の如く平らな場合には特に問題はないが、物体表面がゴルフボールや爪の表面の如く曲率半径の比較的小さい三次元的曲面であるときには、貼り付けられるフィルム片の周縁部に物体表面からの浮き上がりが生じ、又これを接着剤にて強引に押しつけると、そこにフィルムの皺が生ずるという問題がある。
【0004】
本発明は、ゴルフボールの表面や爪の表面の如く比較的小さい曲率半径にて三次元的に湾曲している表面にも、フィルム状の画像担持体上に予め画像を施してこれを画像担持体ごと物体表面上に貼り付けることにより、上記の如き画像担持体の浮き上がりや皺を生ずることなく、滑らかな画像表面を形成することのできる物体表面上への画像形成方法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題は、本発明によれば、平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜を画像担持体としてインクによりインク画像を形成し、
前記インク画像を施された前記薄膜を少なくとも該インク画像の担持に必要な広さの薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片をそのインク画像を施された面が該薄層に接するように載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当てることを特徴とする物体表面上画像形成方法、
又は、平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を有する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜を画像担持体としてインクによりインク画像を形成し、
前記インク画像を施された前記薄膜を少なくとも該インク画像の担持に必要な広さの薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片をそのインク画像が施された面を上にして載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当て、
前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させることを特徴とする物体表面上画像形成方法、
又は、平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜上に感熱発色剤を薄層状に施し、該感熱発色剤を乾燥させて感熱発色性薄膜を形成し、
前記感熱発色性薄膜を加熱手段により選択的に加熱して感熱発色画像を形成し、
前記画像を形成された前記感熱発色性薄膜を少なくとも該画像の表示に必要な広さにて前記易剥離性薄膜と共に薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片を前記感熱発色性薄膜の側が該薄層に接するように載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当てることを特徴とする物体表面上画像形成方法、
又は、平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜上に感熱発色剤を薄層状に施し、該感熱発色剤を乾燥させて感熱発色性薄膜を形成し、
前記感熱発色性薄膜を加熱手段により選択的に加熱して感熱発色画像を形成し、
前記画像を形成された前記感熱発色性薄膜を少なくとも該画像の表示に必要な広さにて前記易剥離性薄膜と共に薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片を前記感熱発色性薄膜を上にして載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当て、
前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させることを特徴とする物体表面上画像形成方法によって達成される。
【0006】
尚、上記いづれの方法に於いても、前記のインクによる画像或いは感熱発色性薄膜の選択的加熱による画像を施された前記薄膜を少なくとも該画像の担持に必要な広さの薄膜片として前記台紙の表面より剥離することと、物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施すこととは、互いに全く個別に行われる行為であり、即ち、いづれか一方の行為が他方の行為を妨げるものではなく、又一方が先に行われなければ他方が行えないものでもなく、しかも互いにほぼ同時期に行われる行為であることから、上記及びこれに対応する特許請求の範囲の記載は、これら両行為が行われる時間的順序まで限定するものではないことを理解されたい。
【0007】
【発明の作用及び効果】
上記の如く、画像担持体として平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させることにより形成された薄膜を用い、かかる薄膜を画像担持体としてインクにより画像を施すか、又は、かかる薄膜上に感熱発色剤を薄層状に施し、これをを乾燥させて感熱発色性薄膜を形成し、かかる感熱発色性薄膜を熱ペン、サーマルプリントヘッド等の加熱手段により選択的に加熱して感熱発色画像を形成し、かくして形成された画像の表現に必要な広さの薄膜片に画像を担持させ、物体の表面と該第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を物体の表面上に施し、該第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤による薄層上に画像を担持する前記薄膜片をその画像部が該薄層に接するように載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当てるか、或は前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に画像を担持する前記薄膜片をその画像部を上にして載置し、該薄膜片の上から該薄膜片とその周囲を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させれば、物体の表面上には、該表面に沿ってそれによく親和して展延した前記第二の塗布剤による薄層上に前記第一の塗布剤よりなる薄膜により担持されて付着したインクによる画像か又は感熱発色剤による画像が、該第一及び第二の塗布剤の間の親和性により物体表面の湾曲形状に沿って皺なく展延した状態に形成され、画像を形成するインク又は感熱発色剤は、これら塗布剤層内にあって外部に対して前記第一の塗布剤の層により被覆された状態となる。
【0008】
上記の通り本発明の画像形成方法に於いて、前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上にインク又は感熱発色剤による画像を担持する前記第一の塗布剤による薄膜片がその画像部を該薄層に接触させするように載置されて軽く一様に押し当てられる場合には、更にその後前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させてもよい。
【0009】
上記いずれの方法によるときにも、インク又は感熱発色剤による画像を担持する前記第一の塗布剤よりなる薄膜片は、柔軟で展延性に富み、物体表面が曲率半径の比較的小さい三次元的湾曲面である場合にも、それによく沿って一様に展延するので、画像は一様に展延された状態に保持される。
【0010】
第一の塗布剤による層がインク画像又は感熱発色剤画像担持用の薄膜片とその上から上塗りされる層との重なりにより形成される場合には、物体表面の三次元的湾曲の度合が大きい場合にも、画像貼り付け時に該第一の塗布剤による層の厚さに実質的な斑を生じさせないよう画像担持用の薄膜片を十分薄い膜とした上で、仕上がり後にインク画像を覆う第一の塗布剤の層の厚みをインク層の保護のために好ましい任意の厚みとすることができる。
【0011】
前記第二の塗布剤は前記第一の塗布剤より乾燥速度が低い材料よりなっているのが好ましい。第一の塗布剤は乾燥して画像担持用膜体を形成すればよいので、その乾燥速度は早い程便利である。一方、第二の塗布剤は、それによって形成された薄層上に第一の塗布剤よりなる薄膜が画像を担持して押し当てられるとき、該薄膜を半溶融させて物体表面に倣った形状に滑らかに変形させるに十分な溶融状態を残していなければならない。そのためには、第二の塗布剤は、余り速く乾き過ぎないよう、適度に緩やかな乾燥速度のものであるのが便利である。前記第一の塗布剤と第二の塗布剤とは物質的には実質的に同一(全く同一の場合を含む)の材料であってもよい。
【0012】
前記第一の塗布剤としてはマニキュア用のトップコートが使用されてよく、又前記第二の塗布剤としてはマニキュア用のベースコートが使用されてよい。
【0013】
前記第一の塗布剤による前記薄膜片は平滑な表面を有する台紙の表面上に該表面に対し剥離性を呈する塗布剤を滴下することにより形成された形成当初からの孤立片であってよい。
【0014】
或は又、前記第一の塗布剤による前記薄膜片は平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する塗布剤を展延することにより形成されたシート材より切り取られれたシート片であってもよい。感熱発色剤は前記第一の塗布剤による前記薄膜上に一様に施されてよく、或いは又、画像形成が予定される領域にのみ施されてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照して本発明を実施例について詳細に説明する。
【0016】
添付の図1は、平滑な表面を有する台紙10の図にて上面をなす表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤が滴下され、該塗布剤が乾燥することにより薄膜片12−1,12−2,12−3等が形成され、これらの薄膜片上にインクによる画像14−1,14−2,14−3等が形成された状態を示す斜視図であり、図2は図1に於ける切断面II−IIによる断面を矢印方向に見た断面図である。尚、図2に於ては、図示を明瞭にする目的で、塗布剤による薄膜片12−1及びインク層14−1の厚みはそれぞれの平面的拡がりに於ける寸法に対して大幅に拡大して示されている。
【0017】
台紙10としては、シリコンコーティングが施された紙、或はポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムであってよく、薄膜片12−1等は、一つの実施例として、これらの台紙の表面にマニキュア用のトップコートが適量ずつ滴下されることによりそれらが自ら展延した後乾燥して形成された厚さ20μ前後の薄膜であってよい。こうして形成された薄膜片12−1等は、その縁の一箇所をピンや安全剃刀の刃の破片等の鋭い先端にて弾かれることにより、台紙より容易に剥離される。しかしこれらの薄膜片が台紙上に保持されている状態では、その上にマジックインキ(登録商標)の如き速乾性のインク、プリントゴッコ(登録商標)用のインク等の比較的固練りの印刷用インク、熱転写プリンタ用インクリボン等により、滲みのない画像を、薄膜片表面にて弾かれることなく、容易に形成することができる。又インクジェットの如く流動性の高いインクの場合には、該薄膜片の上にインクの定着を促進させるインク受容層を施すことにより、同様に滲みのない画像を形成することができる。
【0018】
インク層14−1等を施された薄膜片12−1等が以下に図3〜図5に示されている如くインク層14−1等を物体表面側へ向けて反転して貼り付けられるときには、仕上がり後の画像は薄膜片上に形成された画像に対して鏡像画像となるので、図1に示す実施例の画像14−1或は14−3の如く鏡像的に反転することにより不都合が生ずる画像の場合には、薄膜片12−1等上への画像の形成に当たって、予め画像は鏡像画像として形成される必要がある。
【0019】
図3は、図2に示す状態に形成された薄膜片12−1を、それが担持する画像14−1と共に上下反転し、物体16の表面上に第二の塗布剤であって物体16の表面及び薄膜片12−1等を形成する第一の塗布剤に対し親和性を呈する速乾性の塗布剤を塗布することにより形成された薄層18上にそれが乾燥する前の状態にあるとき載置しようとしている状態を示す、図2と同様に平面的大きさに対し厚みが図示の目的で拡大された、断面図である。この状態から薄膜片12−1が更に物体16へ向けて移動されると、インク層14−1が未乾燥の状態にある塗布剤層18内に埋め込まれ、薄膜片12−1は柔らかい層であって且つ薄層18を形成する第二の塗布剤と親和性を有するので、薄膜片12−1及びインク層14−1は、図4に示されている如き状態を経て図5に示されている状態に至る。尚、図5に於いては、第一の塗布剤による層12−1と第二の塗布剤による層18との境界は明確な境界線により示されているが、第一の塗布剤がマニキュア用トップコートよりなり、第二の塗布剤がマニキュア用ベースコートよりなる如く、互いの親和性が高い場合には、両層の間の明確な境界は消失し、両者間に亙るほぼ連続した一体の層が形成される。
【0020】
爪の装飾の場合の如く、装飾面が外部から異物の衝撃的接触を受けることが殆どない場合には、図5に示された層構造の状態で仕上がりとされてよいが、上述の如く薄膜片12−1等の厚みは、三次元的湾曲面に対する該薄膜片の均一な適合性を高めるべく、20μ前後の比較的小さい値とされていることが好ましいことから、これがゴルフボールの表面に目印や装飾を施す用途に用いられるときには、クラブによる強力な衝撃に対し耐性が劣るという問題がある。かかる用途の場合には、更に図6に示す如く、これらの層構造の上に更に第一の塗布剤を塗布して保護層20を設けるのが好ましい。
【0021】
尚ゴルフボールに関しては、一般に「ボールの性能を変える目的で異物を貼ってはいけない」等の文言による異物の貼り付けに対する禁止規定があるが、この種の条項の解釈に当たっては、貼るもの自体が薄く且つボールの表面の凹凸に沿って貼り付いた状態にあってボールと完全に一体になっていれば規定に抵触しないとされている。図6の断面形状は、前述の如く層の拡がり面積に対する厚みを図示の便宜のために著しく増大して示すものであり、実際には5mm×5mm〜10mm×10mm程度の拡がりを有する画像に対して、層の厚みは図6の場合の合計でも50μ程度であり、見かけ上、下地をなす物体の表面からの隆起は全く生じない。
【0022】
又ゴルフボールの場合には、ボールの外面は球体全体としての曲率に加えて大きな逆曲率の窪みが分散して設けられているが、第一の塗布剤より形成された薄膜片12−1等は、厚さ20μ程度であって高い柔軟性を有し且つ図4に示す如く第二の塗布剤の層18に接合するときに、未乾燥の状態にある第二の塗布剤によって半ば融かされた状態となるので、ゴルフボールの窪みの部分に於ても、薄膜片12−1等により担持されたインク画像層は、物体16の表面に沿って延在する第二の塗布剤の層18上に均一に載置され、ゴルフボールの窪み部や窪み部とその周りの球面との境界に於てもボールの表面に均一に密着した画像を形成する。
【0023】
尚発明者が行った実験によれば、第一及び第二の塗布剤としてそれぞれマニキュア用のトップコート及びベースコートを使用し、ゴルフボールの表面に、図6に示す層構造により、層12−1及び層20の厚みをそれぞれ約20μとし又層18の厚みを約10μとして約7mm×7mmの拡がりのインク画像を形成した場合、インク画像は通常のゴルフ愛好者による1ラウンドのプレイにほぼ耐えることが確認された。勿論この場合、次のプレイに当っては画像を新しく施し直すことが望まれる。
【0024】
図7は、図1に示す実施例に類似の他の一つの実施例を示す図1と同様の斜視図であり、図8は図7に於ける切断面に沿って矢印VIII−VIIIの方向に見た断面を示す図であり、図2と同様にシートや層の二次元的拡がり寸法に対する厚みを図示の目的で大きく拡大したものである。
【0025】
この実施例に於ては、図1に示す実施例に於けると同様の平滑な表面を有する台紙10の該表面上に、図1の実施例に於けると同様の速乾性の第一の塗布剤により、連続した層22が形成されており、その上に図1に於けると同様のインクによる画像14−1,14−2,14−3等が形成されている。この場合には、物体表面上に各画像を貼り付けるに当っては、各画像を担持する層22の一部が台紙10と共に切り目24,26,28により切り取られ、その後、層22の切り取り部が台紙10の切り取り部より剥がされて、図2〜図5又は更に図6の状態にして使用される。
【0026】
以上図1〜図8に示した実施例に於ては、物体表面上に形成される画像は、台紙10上に担持された第一の塗布剤による層12−1等又は22上に形成された画像に対し、鏡像的に反転した画像となるので、図1や図7の実施例に於ける「9」や「7」の如く台紙10上にあるとき正常な画像を呈するよう画像が形成されたのでは、鏡像的反転によって物体表面上に形成される画像に不都合が生じる場合には、台紙10上での画像の形成に当たって予め画像が正常な画像の鏡像的反転画像とされていなければならない。これに対し図9〜図14は、台紙10上にて形成された画像をそのまま物体表面上に貼り付ける更に他の一つの実施例を示す図1〜図6と同様の図であり、又これらの図9〜図14は、図1〜図6に対応して、順次画像が形成される態様を示す。
【0027】
この実施例に於ては、図9に示す如く、台紙10上に第一の塗布剤により形成された薄膜片12−1,12−2,12−3等の上に施された画像14r−1,14r−2,14r−3等は物体上に施されるべき画像の鏡像ではなく、そのものずばりの正像とされており、かかる画像を薄膜片12−1等により第二の塗布剤による層18を施された物体16上に載置するに当たって、薄膜片12−1等の反転が行われない点に於て先の実施例と異なっており、又この実施例では図5に対応する図13の状態では最終仕上がり状態とはならず、更に図14に示す如くその上に第一の塗布剤による層20が形成されなければならない点に於てのみ、図1〜図6に示す第一の実施例と異なっている。
【0028】
従って図9〜図14に於いては、図1〜図6に示す部分に対応する部分は図1〜図6に於けると同じ符号により示されており(但し画像14−1等は正像対鏡像の関係に於いて互いに反対であるので符号にrを付加してこのことを表す)、これらの層の形成要領は図1〜図6に示す第一の実施例に於けると同様であるので、これらの構成についての重複的説明は明細書を簡潔にする目的で省略する。
【0029】
また図9〜図14に示す実施例についても、第一の塗布剤による薄膜片12−1,12−2,12−3等を各々塗布剤の滴下により個別に形成することに代えて、図7及び図8に示した実施例の如く台紙10上に第一の塗布剤による層を連続に展延した層として形成しておき、その上にインクによる画像を形成した後、該画像を担持する第一の塗布剤による薄膜を台紙と共に適宜切り取って使用するようにしてもよいことは明らかであろう。
【0030】
図15〜20は、画像がインクに代わって感熱発色剤により形成される他の実施例を示す図1〜図6と同様の図である。これらの図に於いて、図1〜図6に示す部分に対応する部分は、図1〜図6に於けると同じ符号により示されている。
【0031】
この実施例に於いては、図1の場合と同様の要領にて台紙10上に第一の速乾性塗布剤の滴下により形成された薄膜片12−1,12−2,12−3等上に感熱発色剤の薄膜片13−1,13−2,13−3等が形成され、これらの感熱発色剤の薄膜には、その一部が図には示されていない熱ペン、サーマルプリントヘッド等の任意の加熱手段により加熱されることによって感熱発色剤が発色したことによる画像15−1,15−2,15−3等が形成されている。
【0032】
感熱発色剤としては多くの材料が知られているが、例えば、脂肪酸重金属塩と還元剤の混合物であって、加熱により溶融した重金属塩が還元剤により還元されて発色するものとして、ステアリン酸第二鉄とタンニン酸の混合物が加熱により発色して黒色を呈するもの、ステアリン酸第二鉄と没食子酸の混合物が加熱により発色して青色を呈するもの、ミリスチン酸鉛とジフェニルカルバジトの混合物が加熱により発色して赤色を呈するもの、ステアリン酸鉛とジフェニルカルバジトの混合物が加熱により発色して褐色を呈するもの等がある。
【0033】
かかる画像形成後にそれを担持した薄膜片12−1,12−2,12−3等が台紙10より剥離され、図17及び図18に示されている過程を経て図19に示された仕上がり状態とされ、或いは更に図20に示された仕上がり状態とされる要領は、図1〜図6に示された実施例の場合と同様である。
【0034】
又、このように感熱発色剤により画像を形成する場合にも、画像を担持する薄膜片は、図7及び図8に示されている実施例に於けると同じく、図21及び図22に示されているように、台紙10に速乾性の第一の塗布剤による連続した層22が形成され、その上に感熱発色剤の連続した層23が形成され、各画像を担持する層22及び層23の一部が台紙10と共に切り目24,26,28により切り取られ、その後、層22及び層23の切り取り部が台紙10の切り取り部より剥がされて、図17〜図19又は更に図20の状態にして使用されてもよい。
【0035】
感熱発色剤を用いた図15〜図22の二つの実施例は、図1〜図8の二つの実施例と同様に、画像を担持する薄膜片が、物体16上への載置に当たって、上下反転されるものである。これに対し、画像形成に感熱発色剤を用る場合にも、図9〜図14の実施例と同様に、画像を担持する薄膜片を上下反転することなく物体16上への載置する方法も可能である。図23〜図28はそのような実施例を示しており、これらの図示は、図9〜図14の図示に対応している。図23〜図28に於いては、図9〜図14に示されている部分に対応する部分は図9〜図14に於ける符号と同じ符号により、又図15〜図20に示されている部分に対応する部分は図15〜図20に於ける符号と同じ符号により示されている。図23〜図28に示す実施例の実施要領は、図9〜図14に示す実施例についての説明と図15〜図20に示す実施例についての説明より明らかであろう。
【0036】
以上に於いては本発明を幾つかの実施例について詳細に説明したが、これらの実施例について本発明の範囲内にて他の種々の修正が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】台紙上に第一の塗布剤による薄膜片が個別に形成される本発明の第一の実施例を示し、台紙と第一の塗布剤の薄膜片とその上に形成されたインク画像との組み合わせを示す斜視図。
【図2】図1に於ける切断部を矢印II−IIの方向に見た断面図。
【図3】図2に続く画像形成過程を示す断面図。
【図4】図3に続く画像形成過程を示す断面図。
【図5】図4に続いて物体上に画像が形成された状態を示す断面図。
【図6】図5に示す画像形成状態に更に第一の塗布剤による被覆層が形成された状態を示す断面図。
【図7】本発明の第二の実施例を示す図1と同様の図。
【図8】図7に示す切断面による断面を矢印VIII−VIIIの方向に見た断面図。
【図9】本発明の第三の実施例を示す図1と同様の図。
【図10】図9に於ける切断部を矢印X−Xの方向に見た断面図。
【図11】図10に続く画像形成過程を示す断面図。
【図12】図11に続く画像形成過程を示す断面図。
【図13】図12に続く画像形成過程を示す断面図。
【図14】図13に続いて画像が形成された層状態を示す断面図。
【図15】台紙上に第一の塗布剤による薄膜片が個別に形成される本発明の第四の実施例を示し、台紙と第一の塗布剤の薄膜片とその上に設けられた感熱発色剤層による画像との組み合わせを示す斜視図。
【図16】図15に於ける切断部を矢印XVI−XVIの方向に見た断面図。
【図17】図16に続く画像形成過程を示す断面図。
【図18】図17に続く画像形成過程を示す断面図。
【図19】図18に続いて物体上に画像が形成された状態を示す断面図。
【図20】図19に示す画像形成状態に更に第一の塗布剤による被覆層が形成された状態を示す断面図。
【図21】本発明の第五の実施例を示す図15と同様の図。
【図22】図21に示す切断面による断面を矢印XXII−XXIIの方向に見た断面図。
【図23】本発明の第六の実施例を示す図15と同様の図。
【図24】図23に於ける切断部を矢印XXIV−XXIVの方向に見た断面図。
【図25】図24に続く画像形成過程を示す断面図。
【図26】図25に続く画像形成過程を示す断面図。
【図27】図26に続く画像形成過程を示す断面図。
【図28】図27に続いて画像が形成された層状態を示す断面図。
【符号の説明】
10…台紙、
12−1,12−2,12−3…第一の塗布剤による薄膜片
13−1,13−2,13−3…感熱発色剤による薄膜片
14−1,14−2,14−3…インクによる画像層
14r−1,14r−2,14r−3…インクによる画像層
15−1,15−2,15−3…感熱発色剤による画像部
15r−1,15r−2,15r−3…感熱発色剤による画像部
16…物体
18…第二の塗布剤による薄膜層
22…第一の塗布剤による連続層
24,26,28…切り目
Claims (11)
- 平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜を画像担持体としてインクによりインク画像を形成し、
前記インク画像を施された前記薄膜を少なくとも該インク画像の担持に必要な広さの薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片をそのインク画像を施された面が該薄層に接するように載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当てることを特徴とする物体表面上画像形成方法。 - 前記薄層上に載置された前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の物体表面上画像形成方法。
- 平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜を画像担持体としてインクによりインク画像を形成し、
前記インク画像を施された前記薄膜を少なくとも該インク画像の担持に必要な広さの薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片をそのインク画像が施された面を上にして載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当て、
前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させることを特徴とする物体表面上画像形成方法。 - 平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜上に感熱発色剤を薄層状に施し、該感熱発色剤を乾燥させて感熱発色性薄膜を形成し、
前記感熱発色性薄膜を加熱手段により選択的に加熱して感熱発色画像を形成し、
前記画像を形成された前記感熱発色性薄膜を少なくとも該画像の表示に必要な広さにて前記易剥離性薄膜と共に薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片を前記感熱発色性薄膜の側が該薄層に接するように載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当てることを特徴とする物体表面上画像形成方法。 - 前記薄層上に載置された前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させることを特徴とする請求項4に記載の物体表面上画像形成方法。
- 平滑な表面を有する台紙の該表面上に該表面に対し剥離性を呈する第一の速乾性塗布剤を薄層状に施し、該塗布剤を乾燥させて前記台紙表面上に担持された易剥離性薄膜を形成し、
前記台紙表面上に担持された前記易剥離性薄膜上に感熱発色剤を薄層状に施し、該感熱発色剤を乾燥させて感熱発色性薄膜を形成し、
前記感熱発色性薄膜を加熱手段により選択的に加熱して感熱発色画像を形成し、
前記画像を形成された前記感熱発色性薄膜を少なくとも該画像の表示に必要な広さにて前記易剥離性薄膜と共に薄膜片として前記台紙の表面より剥離し、
物体の表面に該物体表面及び前記第一の塗布剤に対し親和性を呈する第二の速乾性塗布剤を薄層状に施し、
前記第二の塗布剤の薄層が乾燥する前に該第二の塗布剤の薄層上に前記薄膜片を前記感熱発色性薄膜を上にして載置して該薄膜片を該薄層上に軽く一様に押し当て、
前記薄膜片の上から該薄膜片とその周縁を囲む環状領域とを含む領域全体に前記第一の塗布剤を層状に施して乾燥させることを特徴とする物体表面上画像形成方法。 - 前記第一の塗布剤による前記薄膜片は前記台紙表面上に該第一の塗布剤を滴下することにより形成された形成当初からの孤立片であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の物体表面上画像形成方法。
- 前記第一の塗布剤による前記薄膜片は前記台紙表面に該第一の塗布剤を展延することにより形成されたシート材より切り取られたシート片であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の物体表面上画像形成方法。
- 前記第二の塗布剤は前記第一の塗布剤より乾燥速度が低いことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の物体表面上画像形成方法。
- 前記第一の塗布剤はマニキュア用トップコートであり、前記第二の塗布剤はマニキュア用ベースコートであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の物体表面上画像形成方法。
- 前記第一の塗布剤と前記第二の塗布剤とは物質的には実質的に同一の材料であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の物体表面上画像形成方法。
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