JP3805142B2 - 電子写真感光体および該電子写真感光体を用いた画像形成装置と画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体および該電子写真感光体を用いた画像形成装置と画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高精細な画像を形成する電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成装置と画像形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】
画像流れ防止のための感光体表面に関しては、例えば以下の技術が挙げられる。
▲1▼画像流れ防止のため感光体表面に水に対する接触角が90度以上の保護層を設ける(特開平5−188618)。
▲2▼画像流れ防止のため感光体表面抵抗低下を補完する物質を塗布する。物質として電気抵抗が1014Ωcm以上、比誘電率が1.5−4、融点が55℃以上のパラフィンを使用(特開平5−210338)。
【0003】
電子写真方式を用いた画像形成装置は複写機、プリンタ、ファクシミリ及びそれらの機能を合わせ持った複合機、更には、印刷機への応用など、情報処理の多様化に対応可能な高速情報記録装置としてますますその需要を拡大しつつある。画像形成装置のさらなる画像形成速度の高速化、小型化、低コスト化が要求されており、そのためには、装置を構成する画像形成部材の高耐久化が必要である。中でも、主要画像形成部材の1つである感光体の高耐久化が望まれている。
【0004】
電子写真方式の画像処理装置に使用する感光体としては、導電性支持体上に光導電性でかつ、電気絶縁性の高いアモルファスシリコン、Se、AsSe、SeTe等の薄膜を真空蒸着法、スパッタリング法、化学反応性蒸着法などの方法で形成した無機系感光体とフタロシアニンなどのポリフィリン系化合物、キナクリドンなどの多環縮合化合物、スクエアリック化合物、アゾ化合物顔料などの電荷発生物質とヒドラゾン化合物、フェニルスチルペン化合物、ベンジジン化合物などの電荷輸送性物質、ポリカーボネート樹脂などの絶縁性樹脂とで形成される光導電性絶縁膜を導電性支持体上に設けた有機感光体(OPC感光体)がある。
光導電性層には電荷発生物質と電荷輸送物質とを絶縁性樹脂中に一緒に分散させた単層型と電荷発生物質を含有した電荷発生層上に輸送物質を絶縁性の樹脂中に分散、溶解させた電荷輸送層を積層させた積層型がある。
OPC感光体は無機感光体よりも製造コストが安価であり、無公害性などの利点から、広く使用されている。
【0005】
次にこのような感光体を使用する基本的な電子写真画像形成装置を図1に基づいて説明する。
帯電手段1で帯電が施された光導電性感光体8に光源2を用いて記録情報に基づいて変調された光で露光し感光体8上に静電潜像を形成する。
次に3の現像手段で例えば黒色の場合はカーボンブラックのような着色微粒子と低融点樹脂と電荷制御剤から形成されているトナーと呼ばれる帯電微粒子を感光体上に接触させ、静電潜像を顕像化する。このトナー画像は4の転写装置で記録体7上に転写される。
転写は紙、フィルムなどに直接転写する場合と、一度中間転写体にトナーを転写した後、中間転写体を媒介して紙等の記録体に転写する方法がある。
記録体上に転写されたトナーは6の定着装置で記録体7上に定着される。
トナー転写後の感光体表面は図示されない除電手段で表面に残った静電荷を除電された後、転写されなかったトナーを5のクリーニング手段で清掃、次の情報記録に供される。
【0006】
このように感光体は画像形成過程で、例えば、現像剤、クリーニング部材、中間転写体、紙などの記録体等種々の部材と接触し、部材との擦れなどにより感光体表面が摩耗する。
特に、OPC感光体は無機感光体に比較して画像形成時に感光層が摩耗しやすく、そのため帯電電位の低下、感度の低下を引き起こし、プリント画像の濃度低下や地肌部汚れが発生し、感光体の耐久性を低下させる原因の一つとなっている。
OPC感光体の感光層の摩耗を低減する方法は種々試みられている。
クリーニング部材の当接力を小さくする、感光体表面にステアリン酸亜鉛、ワックスなどの離型性物質を塗布し、感光体とトナーの付着力を小さくし、クリーニング時の感光体への負荷を少なくする、感光層に保護層を設ける、さらに、感光層自身の機械強度アップを目的に電荷輸送性高分子を用いた感光体の使用などの方法が提案されている。
【0007】
一方、感光体への帯電手段、転写手段、除電手段としては、一般に導電性ワイヤーに高電圧を印加してコロナ放電を生じさせ、電荷を生成されるコロナ放電器が用いられる。また、最近は感光体に直接接触させた導電ローラに電圧印加を行って帯電させる接触帯電方式などが提案されている。これらの方式はいずれも基本的にコロナ放電現象を利用したものである。
コロナ放電を利用した帯電方法を使用した画像形成装置においては、感光体表層の表面抵抗が低下したり、感光体の感光特性が劣化したりして、画像品質が低下することが知られている。特に、高湿度環境化においては、像担持体上に形成された静電潜像に乱れが生じ、画像がボケ、最悪の場合、画像が全く形成されなくなり(画像流れ)、感光体の耐久寿命を低下させる原因の1つとなっている。感光体の耐久性向上のために、感光体表面の摩耗を少なくする上記の対策をとると、感光体表面の低抵抗化された部分がとりきれず、又低抵抗物質が蓄積するために、画像流れはさらに顕著にあらわれる。
【0008】
感光体表面の電気抵抗低下の原因としては、コロナ放電の際、コロナ生成物、即ちオゾンや窒素酸化物等の生成物が発生し、親水性のコロナ生成物が感光体表面に付着、堆積したり、更にオゾンや、窒素酸化物が感光体表面物質と酸化反応し、その表面に親水性の低抵抗物質を生成すること、などが知られている。
感光体表面の低抵抗物質の影響を除去する方法として以下の方法が提案されている。
例えば、感光体をヒータで加熱したり、熱風を吹き付けて感光体を乾燥させて湿度による影響を小さくする方法がある(特開昭59−208558、特開昭61−13299、特開昭62−262065等)。これらの方法では親水性物質が感光体表面に残留し、高湿度環境下では効果が充分発揮されない。
又、感光体表面に撥水性の材料で保護層を設ける方法がある(特開平5−188618等)。この方法でもプリント枚数が多くなると保護層表面の低抵抗化が起こり充分な効果が発揮されない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、高品質な画像を長期間にわたって保証するために、感光体の摩耗を少なくし、かつコロナ生成物による感光体表面の親水性化を防止する新規な技術開発を行い、帯電露光の繰り返しによっても感光層表面が親水性になり難く、画像流れや画像ぼけの発生しにくい電子写真による画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、導電性支持体上に光導電性層を設けた電子写真感光体を用いた画像形成装置において、該感光体の最表面層を長鎖アルキル基含有尿素化合物を含有するものとすることによって、コロナ放電によって起こる感光体表面の親水性化を低減し、高湿度環境化における感光体表面の低抵抗化を押さえ、画像ぼけ、画像流れの発生を防止することが出来ることを見いだし、本発明に到達することができた。
【0011】
本発明で使用する尿素化合物は、尿素結合(−NHCONH−)を有する化合物であれば、特にその種類は制限されないが、好ましくは炭素数10以上、さらに好ましくは10〜24の炭素数の長鎖アルキル基を1個以上有する尿素化合物である。
前記のような長鎖アルキル基を有する化合物は、感光体表面の滑り性を良くし、かつ、接触部材とのこすれによる摩耗を小さくする効果を奏する。
また、電子写真画像形成装置内部は定着装置の影響で高温となり、感光体周辺は50℃近くまで温度が上昇することがあるので、使用する前記尿素化合物は55℃以上の融点をもつことが望ましい。
本発明に用いる感光体としては、光導電性層の構造が前述の如き積層型、単層型いずれの場合でも良いが、コロナ放電によって、感度低下、帯電性の低下など感光特性に影響を受けやすい電荷発生物質がコロナ生成物やオゾンと直接接触しない積層型がより好ましい。
【0012】
本発明で使用される長鎖アルキル基を1個以上有する尿素化合物としては、例えば、以下のものがある。
N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)、
N−フェニル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)、
N−ステアリル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC1837)、
N−ラウリル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC1225)、
N−ラウリル−N′−ラウリル尿素(C1525NHCONHC1225)、
N−ブチル−N′−ラウリル尿素(C1225NHCONHC)、
ヘキサメチレンビスステアリル尿素(C1837NHCONH)(CH
キシレンビスステアリル尿素(C1837NHCONHCH(m−C)、
トルイレンビスステアリル尿素(C1837NHCONHCH(m−C)、
ジフェニルメタンビスラウリル尿素(C1225NHCONHC(CH)、
ジフェニルメタンビスステアリル尿素(C1837NHCONHC(CH
【0013】
感光体最表面へ尿素化合物を含有する層の付着方法としては、
1.感光層表面に尿素化合物粉末微粒子を付着した布、ブラシ、ローラ、ブレードなどを感光体表面に接触させて付着する、
2.尿素化合物を成形器にいれ、加熱溶融、加圧などの方法で棒状に加工した成形品を感光体表面に直接押し当てて塗布する方法、
3.成形品からブラシ等で一旦、掻き取った尿素化合物粉体を感光体に擦りつけて付着させる方法等のいずれの方法でも良い。又、表面に尿素化合物を付着した感光体を用いて画像形成する方法としては、
(1)画像形成装置へ装着前に予め表面に尿素化合物を付着した感光体を用いる画像形成する方法、
(2)画像形成装置内で感光体表面に尿素化合物を付着させながら画像形成する方法、
(3)(1)と(2)を併用する方法
のいずれの方法でもよいが、画像形成装置内に尿素化合物の付着手段を設け、画像形成中に尿素化合物を感光体表面に供給する、(2)、(3)の方法がより好ましい。
【0014】
画像装置内での付着方法としては、尿素化合物粉末微粒子を付着した布、ブラシ、ローラ、ブレードなどを感光体表面に接触させて付着する方法、尿素化合物粉体微粒子を現像剤中に含有させ現像時に付着させる方法、尿素化合物を成形器にいれ、加熱溶融、加圧などの方法で棒状に加工した成形品を感光体表面に直接押し当てて塗布する方法、成形品からブラシ等で一旦、掻き取った尿素化合物粉体を感光体に擦りつけて付着させる方法等のいずれの方法でも良い。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示す。
【0016】
実施例1
N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)粉末(日本化成社製ハクリーンSB)を電気炉で120℃で30分加熱溶融した液をアルミニウム製の成形治具に入れ、室温雰囲気下に取り出し、2時間自然冷却を行った。
成形治具からN−ブチル−N′−ステアリル尿素の成形体を取り出し7mm×3mm×300mmの形にカットし尿素化合物成形体を作成した。
【0017】
この尿素化合物成形体を図2に示す尿素化合物塗布装置に取り付け、感光体表面に塗布した。
この尿素化合物塗布装置の構成は以下のようになっている。装置は回転可能な被塗布体(例えばドラム状感光体)1と尿素化合物塗布ユニット50からなっている。塗布ユニット50は尿素化合物成形体54を図示しないアルミニウム板に両面テープで貼り付けられている。54に表面に溝をつけたステンレス製の掻き取りバー53が接触しており、更にその表面にナイロン製の毛を植毛したブラシローラー52が接触している。このブラシローラーが被塗布体表面と接触し、バーを回転させて54から掻き取った尿素化合物微粉末を同じく回転する52によって感光体表面に付着させる。51はウレタン製のブレードであり、感光体表面に付着した感光体表面に擦りつける。
シート状感光体表面に塗布する場合はアルミドラム上にシート状感光体を貼り付けて塗布した。感光体はアルミニウム蒸着を施した75μmポリエチレンテレフタレートフィルムのアルミニウム膜上に下式(1)で示されるアゾ顔料2.5重量部とポリビニルブチラール樹脂1重量部とからなる約0.2μmの電荷発生層、該層上に下式(2)で示されるαフェニルスチルベン化合物8重量部とZタイプポリカーボネート樹脂10重量部とからなる電荷輸送層20μmを積層したシート状積層型感光体を用いた。
【0018】
【化1】
Figure 0003805142
【化2】
Figure 0003805142
【0019】
感光体を80mmφアルミニウムドラム21表面に貼り付け、前記尿素化合物成形体を取り付けた尿素化合物塗布ユニット50にセットし、アルミニウムドラム21を50回転させて尿素化合物を感光体上面に塗布した。
【0020】
次に静電特性測定装置(川口電機製作所製EPA8100)を用いて、この感光体に1000rpmで帯電と露光の繰り返しを所定時間行ってコロナ放電処理した後、感光体表面の親水性物質形成程度の代用特性として、純水に対する接触角(θ)の測定を行った。
【0021】
次に図1に示した画像形成装置を用いて下記の如く、常温、常湿環境下で感光体にコロナ放電処理を行い、25℃、40−60%RH環境下、30℃、90%RH環境下でコロナ放電処理前後の感光体を用いて画像評価を行った。
感光体8は直径80mm、長さ300mm、厚さ1mmのアルミニウム製円筒状管上に酸化チタン粉末と熱硬化性樹脂とからなる厚さ3μmの下引き層、前式(1)のアゾ顔料2.5重量部とポリビニルブチラール樹脂1重量部からなる厚さ0.2μmの電荷発生層、前式(2)のαフェニルスチルベン8重量部とZタイプポリカーボネート樹脂10重量部とからなる厚さ30μmの電荷輸送層からなる積層型感光体を用いた。この感光体は前記尿素化合物塗布装置にてドラムを50回転させN−ブチル−N′−ステアリル尿素を塗布したものである。
【0022】
次に感光体表面にスコロトロンチャージャーで−800Vの帯電、白色光露光で−20Vの光減衰を3000回繰り返し、ドラム感光体にコロナ放電処理を行った。
コロナ放電処理の感光体に1のスコロトロン帯電器で−800Vの帯電を行い、2の画像情報に対応して変調された780nmの半導体レーザ光を露光し、露光部位を−50Vとし、感光体上に静電潜像を形成した。
現像はキャリアーと負帯電トナーとからなる2成分現像剤を用いて反転現像を行った。
コロナ転写方式で、紙上にトナー画像を転写した。転写はコロトロン帯電器に+4.5KV印加し、画像転写された記録紙は6のロール定着器で定着した。
【0023】
残留トナーのクリーニングと感光体表面への尿素化合物の塗布はクリーニングユニット5を用いて実施した。
20−25℃、40−60%RH環境下、30℃、90%RH環境下ともに画像流れのない良好なプリントが得られた。
プリント終了後の感光体の感光層の厚みは摩耗がほとんどなく30μmであった。
【0024】
実施例2
N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)の代わりにN−フェニル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)(日本化成社製ハクリーンSPH)を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0025】
比較例1
尿素化合物質を感光体表面に塗布しない以外は実施例1と同様に実施した。
【0026】
比較例2
尿素化合物の代わりにステアリン酸亜鉛粉末を実施例1と同様に成形したバーを用いて、感光体表面にステアリン酸亜鉛を塗布しながら実施例1と同様に実施した。
【0027】
実施例1、2、比較例1、2のコロナ放電による接触角変化の結果を図3に、画像評価結果を表1に示す。尿素化合物を塗布しない感光体はコロナ放電によって急激に表面が親水性になり、高湿度環境下で画像流れが発生する(比較例1)。
従来、感光体表面の離型性を改良するために用いられているステアリン酸亜鉛は親水性防止効果はあるものの効果が少なく、高湿環境下で画像ボケが発生する(比較例2)。
本発明感光体は親水性防止効果が高く、常温湿度、高温湿度環境下で画像ボケ、画像流れ共に発生せず、感光体の長寿命化が計れた(実施例1、2)。
【0028】
【表1】
Figure 0003805142
【0029】
実施例3
N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)粉末(日本化成社製ハクリーンSB)を用いて実施例1と同様にして尿素化合物成形体を作成した。この尿素化合物成形体をセットした図2に示す尿素化合物塗布機能付きのクリーニングユニット50を図1に略図を示した複写試験機のクリーニング装置5の代わりに取り付け、複写装置内で尿素化合物を感光体表面に塗布しながら、20−25℃、55−70%RH環境下で連続3000枚のプリントを行った後、30℃、90%RH環境下で10枚のプリントを行うサイクルを10回繰り返して、画像評価を行った。
【0030】
感光体は直径80mm、長さ300mm、厚さ1mmのアルミニウム製円筒状管上に実施例1と同じ下引き層、電荷発生層、電荷輸送層からなる積層型感光体を用いた。プリント前の感光体の感光層の膜厚は30μmであった。
感光体にスコロトロン帯電器1で−800Vの帯電を行い、書き込み光源2の画像情報に対応して変調された780nmの半導体レーザを露光し、露光部電位を−50Vとし、感光体上に静電潜像を形成した。現像はキャリアーと負帯電トナーとからなる2成分現像剤を用いて反転現像を行った。コロナ転写方式で、紙上にトナー画像を転写した。転写はコロトロン帯電器1に+4.5KV印加し、画像転写された記録紙はロール定着器6で定着した。転写後の感光体表面の残留電荷は図示しないACコロナ除電器を用いて除電を行った。
【0031】
残留トナーのクリーニングと感光体表面への尿素化合物の塗布は尿素化合物塗布機能付きのクリーニングユニット50を用いて実施した。クリーニングは主にウレタンゴム製のブレード51を感光体の回転に対してカウンター方向に設置し感光体に押し当てることでおこなった。クリーニングブレードは感光体の摩耗を極力少なくするようにブレード圧を設定した。
尿素化合物の感光体表面への塗布は以下のごとく行った。
尿素化合物の成形体54を図示しないアルミニウム板に両面テープで貼り付けクリーニングユニットに設置した。尿素化合物の成形体54に表面に溝をつけたステンレス製の掻き取りバー53を接触させ、更に表面にナイロン製の毛を植毛したブラシローラー52に接触させた。バーを回転させて54から掻き取った尿素化合物微粉末を同じく回転するブラシローラー52によって感光体表面に付着させた。20−25℃、40−60%RH環境下、30℃、90%RH環境下ともに画像流れのない良好なプリントが得られた。
プリント終了後の感光体の感光層の厚みは摩耗がほとんどなく30μmであった。
【0032】
実施例4
N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)の代わりにN−フェニル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)(日本化成社製ハクリーンSPH)を用いた以外は実施例3と同様に実施した。20−25℃、55−70%RH環境下で連続3000枚のプリントを行った後、30℃、90%RH環境下で10枚のプリントを行うサイクルを10回繰り返した後の感光体の感光層の厚みは摩耗がほとんどなく30μmであった。
【0033】
実施例5
N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NHCONHC)の代わりにヘキサメチレンビスステアリル尿素(C1837NHCONH)(CH(日本化成社製ハクリーンSH)を用い電気炉の温度を180℃に設定した以外は実施例3と同様に実施した。
20−25℃、55−70%RH環境下で連続3000枚のプリントを行った後、30℃、90%RH環境下で10枚のプリントを行うサイクルを10回繰り返した後の感光体の感光層の厚みは摩耗がほとんどなく30μmであった。
【0034】
比較例3
尿素化合物の代わりにステアリン酸亜鉛粉末を実施例3と同様に成形したバーを用いて、感光体表面にステアリン酸亜鉛を塗布しながら実施例3と同様にプリントテストを行った。20−25℃、55−70%RH環境下で連続3000枚のプリントを行った後、30℃、90%RH環境下で10枚のプリントを行うサイクルを10回繰り返した後の感光体の感光層の厚みは摩耗がほとんどなく30μmであった。
【0035】
比較例4
尿素化合物を感光体表面に塗布しない以外は実施例3と同様の条件でプリントした。20−25℃、55−70%RH環境下では3000枚連続プリントで画像流れ、地肌汚れのない良好な画像であったが、その後、30℃、90%RHでの画像評価テストでは画像流れが発生した。
上述の実施例3−5、比較例3,4の結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003805142
上表中、Kは1,000を示す。
【0037】
【効果】
1.感光体表面に長鎖アルキル基を有する尿素化合物を設けることで、感光体表面の親水性化を防止し、特に高温湿度下での画像ぼけ、画像流れのない高精細な画像を得ることが出来、感光体寿命を向上できる。
2.積層型感光体の表面に長鎖アルキル基を有する尿素化合物を含有させることで、画像ぼけ、画像流れの発生しない長寿命の感光体を提供できる。
3.表面に長鎖アルキル基を有する尿素化合物を含有した感光体を用いることで画像ぼけ、画像流れのない画像形成装置を提供できる。
4.装置内にて長鎖アルキル基を有する尿素化合物を感光体表面に付着することで画像ぼけ、画像流れのない画像をより安定に供給でき、感光体の長寿命化が計れる画像形成装置が提供できる。
5.表面に長鎖アルキル基を有する尿素化合物を含有した感光体を用いることで画像ぼけ、画像流れのない鮮明な画像を安定に形成できる画像形成方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真装置の概略図である。
【図2】尿素化合物塗布装置の概略図である。
【図3】コロナ放電による感光体表面に純水に対する接触角の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 帯電手段
2 書き込み光源
3 現像装置
4 転写装置
5 クリーニング装置
6 定着装置
7 記録体
8 光導電性感光体
21 ドラムまたはシート状感光体貼り付け用ドラム
50 尿素化合物塗布機能付きクリーニングユニット
51 ウレタンゴム製ブレード
52 ナイロン繊維植毛ブラシローラー
53 ステンレス製掻き取りバー
54 尿素化合物成形体

Claims (3)

  1. 感光体上に帯電と露光により静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成し、該トナー画像を記録体に転写する手段を有する画像形成装置において、該感光体は予め最表面層に長鎖アルキル基含有尿素化合物が付着された感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 感光体上に帯電と露光により静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成し、該トナー画像を記録体に転写する手段を有する画像形成装置において、感光体表面に長鎖アルキル基含有尿素化合物を塗布する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 感光体上に帯電と露光により静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成し、該トナー画像を記録体に転写する画像形成方法において、予め最表面層に長鎖アルキル基含有尿素化合物が付着された感光体を用いること、及び/または感光体表面に長鎖アルキル基含有尿素化合物を塗布する手段を有することを特徴とする画像形成方法。
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