JP3804783B2 - 立位での装着が容易なおむつ - Google Patents
立位での装着が容易なおむつ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3804783B2 JP3804783B2 JP2002218965A JP2002218965A JP3804783B2 JP 3804783 B2 JP3804783 B2 JP 3804783B2 JP 2002218965 A JP2002218965 A JP 2002218965A JP 2002218965 A JP2002218965 A JP 2002218965A JP 3804783 B2 JP3804783 B2 JP 3804783B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diaper
- crotch
- width
- rate
- longitudinal direction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
- Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、立位での装着性に優れ、しかも吸収性能及び漏れ防止性能に優れた、展開型の使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、使い捨ておむつとして、ファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつと、予めパンツ型に形成されたパンツ型の使い捨ておむつが知られており、展開型の使い捨ておむつは、新生児から使用できることや、製造コストが安いこと等から、最も一般的に用いられている。
【0003】
従来の一般的な展開型使い捨ておむつは、着用者(赤ちゃん等)が仰向けに寝ている状態で装着(以下、寝位装着ともいう)するように設計されており、立ち上がった状態の着用者(赤ちゃんや幼児等)に対して装着すること(以下、立位装着ともいう)は容易ではない。
即ち、従来の使い捨ておむつを寝位で装着する場合には、両側縁部に一対のファスニングテープが設けられている側が、着用者の背中によって床に押しつけられて動かないため、ランディングソーンが設けられている側を、着用者の腹部に容易に押し当てることができ、しかも、ファスニングテープが自然にランディングソーンの比較的近傍に位置するため、一対のファスニングテープそれぞれをランディングソーンに止着するのも容易である。これに対して、立位で装着する場合には、両側縁部に一対のファスニングテープが設けられている側が、床によって支持されずに不安定な状態にあるため、ファスニングテープが設けられている側と、ランディングソーンが設けられている側の両方を、手で所定の状態に保持しながら、ファスニングテープの止着作業を行う必要があり、このような作業を親等が一人で行うのは難しい。
【0004】
また、従来のおむつは、所要の吸収性能や漏れ防止性能を確保するために、おむつ股下部の幅が比較的広めに設計されている。従来のおむつのように、寝位装着する場合には、両脚を左右に大きく開いた状態で装着できるので、おむつ股下部の幅が広くても装着性にさほど影響しないが、立位装着では、両脚を左右に大きく開かせることができないため、おむつ股下部の幅が広いと、両脚間におむつを挿入すること自体が困難となり、ただちに装着性の悪化につながってしまう。また、単におむつ股下部の幅を狭くしたのでは、おむつ本来の吸収性能や漏れ防止性能が悪化してしまう。
【0005】
従って、本発明の目的は、立位での装着性に優れ、しかも吸収性能及び漏れ防止性能に優れた、展開型の使い捨ておむつを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備えたおむつであって、立つこと又ははいはいができる幼児用のおむつであり、長手方向の一方の部位の両側縁部にファスニングテープが設けられ、他方の部位の外表面に、前記ファスニングテープを止着するランディングゾーンが設けられており、前記一方の部位の胴回り部の両側部に、おむつ幅方向に弾性伸縮するサイド伸縮部が形成され、該一方の部位の胴回り部のおむつ幅方向中央部には、おむつ幅方向に伸縮する伸縮部が形成されておらず、前記胴回り部を、おむつ幅方向に伸張させたときの、最大伸張時の伸張率から30%を減じた伸張率における引張荷重が80〜500gfであり、股下部の最小幅部分の股間幅が100〜240mmであり、前記股下部の前記吸収体が配された領域の曲げ剛性が3〜25gf/50mmであり、長手方向の両側に、一対の立体ギャザーが、各々弾性部材を配設することによって形成されており、前記立体ギャザーは100%以上の伸張率で配されており、該立体ギャザーをおむつ非固定状態で伸張させたとき、おむつ配設状態における伸長率(%)から30%減じた伸長率として定義される実効伸張率における引張荷重が20〜120gfであり、伸長率が20%から前記実効伸長率までの間の引張荷重増加率が1.0(gf/%)以下である、立位での装着が容易なおむつを提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備えている。使い捨ておむつ1は、幼児用の展開型の使い捨ておむつであり、長手方向の中央部に股下部Aを有しており、長手方向における該股下部Aの前後に、両側縁部に一対のファスニングテープ5が設けられた第1部(長手方向の一方の部位)B及び外表面にファスニングテープ5を止着するランディングゾーン51が設けられた第2部(他方の部位)Cを有している。股下部Aは、着用時に着用者(被装着者)の股下部(股間部)に配される。
【0008】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、股下部Aの両側縁が円弧状に形成されており、全体として、長手方向中央部が括れた砂時計状の形状を有している。
表面シート2は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向中央部に配されている。裏面シート3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の両側縁41,41及び両端縁42a,42bから外方に延出しており、それらの延出部において互いに接合されている。裏面シート3の長手方向の両側部は、表面シート2の両側縁から幅方向外方に延出している。
【0009】
本使い捨ておむつ1における長手方向の両側には、一対の立体ギャザー6,6及び一対のレッグギャザー7,7が、各々弾性部材を配設することによって形成されている。
より詳細には、一対の立体ギャザー6は、それぞれ、弾性部材61を有する立体ギャザー形成用のシート材62を、表面シート2の両側縁の外方から内方に亘るように配設して形成されている。各シート材62は、吸収体4の側縁41と後述するレッグ部弾性部材71との間において、ヒートシール、接着剤等の公知の接合手段により、おむつ長手方向に亘って直線状に表面シート2上に固定されており、その直線状の固定部により立体ギャザー6の固定端64が形成されている。各シート材62は、前記固定端64よりも幅方向外方に位置する部分が表面シート2又は裏面シート3上に固定されており、また、おむつの長手方向両端部近傍における該固定端64よりもおむつ幅方向中央側に位置する部分が表面シート2上に固定されている。各立体ギャザー6に配設された弾性部材61は、それぞれ糸状の形態を有し、各立体ギャザー6の自由端63と略平行に複数本配されている。
【0010】
一対のレッグギャザー7は、おむつ幅方向における、立体ギャザー6,6の固定端64の位置よりも更に外側に、複数本のレッグ部弾性部材71,71を、略直線状に配設して形成されている。
前記弾性部材61及び前記レッグ部弾性部材71は、何れも使い捨ておむつ1の長手方向に沿って配設されており、また、第1部Bと第2部Cとの間に亘って配設されている
【0011】
本使い捨ておむつ1における第1部Bのウエスト部Dには、ウエスト部弾性部材81が配設されてウエスト伸縮部8が形成されており、また、第1部Bの胴回り部Eの両側部には、それぞれ複数本の胴回り部弾性部材91が配設されて、おむつ幅方向に弾性伸縮する一対のサイド伸縮部9,9が形成されている。一対のサイド伸縮部9,9は、何れも一対のファスニングテープ5,5同士間に位置する領域に形成されている。
【0012】
ウエスト部Dは、着用時に着用者の腰回りに配される部分であり、おむつの長手方向の両端部分を構成している。ウエスト部は、ウエスト端縁11,12から股下方向20mmまでの領域である。本実施形態のおむつ1においては、第1部B及び第2部CそれぞれにおけるウエストDに、ウエスト部弾性部材81が配設されてウエスト伸縮部8が形成されている。
【0013】
第1部Bの胴回り部Eは、図1に示すように、使い捨ておむつ1を、その各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態(緊張状態)とし、第1部B側を上側、第2部C側を下側と考えた場合に、前記ウエスト部D(ウエスト端縁11から20mmの領域)よりも下方に位置し且つ股下部(着用時に着用者の股下に配される部分で、左右両側縁が脚廻りに沿わせるように凹状に形成されている部分)Aより上方に位置する部分である。胴回り部Eの両側部は、胴回り部Eにおける、おむつ長手方向の両側部に位置する部分である。各サイド伸縮部9おける複数本の胴回り部弾性部材91は、長手方向に所定の間隔を置いて、それぞれ幅方向に亘って略平行に配されている。
【0014】
胴回り部弾性部材91は、少なくとも吸収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向外方の部位に弾性伸縮性が発現されるように伸張状態で固定されており且つ該吸収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向内方の部位における少なくとも中央部には配設されていない。また、各胴回り部弾性部材91は、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を備え、股下部A、第1部B及び第2部Cを有する本体部分10におけるシート間に固定されている。具体的には、第1部Bの幅方向に亘って配された2枚の柔軟な固定用シート間に挟持固定された状態で配されており、2枚の該固定用シートは、裏面シート3又は吸収体4と、表面シート2又は前記シート材62との間に接着固定されている。各胴回り部弾性部材91のおむつ幅方向内方側の端部は、吸収体4の両側縁41の位置よりも幅方向内側に若干入る程度の位置にあり、吸収体4の幅方向中央部から左右両側縁41,41の近傍にかけての領域には、胴回り部弾性部材91が配されていない。即ち、胴回り部Eのおむつ幅方向中央部には、幅方向に弾性伸縮する伸縮部が形成されていない。
【0015】
本使い捨ておむつ1は、股下部Aの最小幅部分の股間幅W1(図2参照)が100〜240mmである。股間幅Wは、図1に示すように、使い捨ておむつ1を平面状に拡げた状態(緊張状態)において、股下部Aの両側縁同士間の距離をおむつ幅方向に沿って測定する。
前記最小幅部分の股間幅W1が100mm未満であると、装着作業中に、起立状態の着用者の両脚間に使い捨ておむつを保持させることが難しくなると共に必要な吸収性能や漏れ防止性能を確保できなくなる恐れがあり、240mm超であると、立位での装着性と着用中の装着感を悪化させる恐れがある。最小幅部分の股間幅W1は、寝位及び立位での装着性、特に、立位時の装着し易さの観点から好ましくは100〜230mm、特に好ましくは120〜200mmである。
【0016】
所要の吸収性能や漏れ防止性能、良好な装着感を確保しつつ、起立状態の着用者の両脚間におむつが良好に保持されるようにする観点から、股下部Aの股間幅Wは、図1に示すように、おむつ長手方向の50mm以上の長さに亘って100〜240mmの範囲内であることが好ましく、特に、股下部Aの最小幅部分からおむつ長手方向にそれぞれ25mm以上の長さに亘って上記の範囲内であることが好ましい。また、上記範囲は100〜230mmであると立位時の装着し易さがより向上するので好ましい。
本実施形態の使い捨ておむつにおいては、おむつを長手方向に2等分する中央線CL(図1参照)上において股下部の幅(股間幅)が最も狭くなっている。このように、股下部の最小幅部分は、おむつ長手方向の略中央部に存することが好ましい。
【0017】
また、本使い捨ておむつ1は、股下部Aにおける、吸収体4が配された領域の剛性(おむつ幅方向の曲げ剛性)が3〜25gf/50mmであり、好ましくは5〜20gf/50mmである。
前記剛性が3gf/50mm未満であると、装着作業中に、起立状態の着用者の両脚間に使い捨ておむつを保持させることが難しくなり、また、吸収性材料の量が少なくなるため、必要な吸収性能や漏れ防止性能を確保できなくなる恐れがある。前記剛性が25gf/50mm超であると、着用者の両脚間に使い捨ておむつをスムーズに挿入できなくなったり、着用中の装着感を悪化させる恐れがある。
【0018】
ここで、股下部Aにおける、吸収体4が配された領域(以下、吸収体配設領域ともいう)とは、使い捨ておむつ1を、図1に示すように平面状に拡げた状態(緊張状態)において平面視(俯瞰視)したときに、厚み方向の内部(上下面間)に吸収体4が存在する領域である(図2中にRで示す)。
吸収体配設領域の剛性は、股下部Aの少なくともおむつ長手方向の50mm以上の長さにわたる剛性が上記範囲内である必要があり、特に股下部Aの最小幅部分からおむつ長手方向にそれぞれ25mm以上の長さにおいて上記範囲内であることが好ましい。
【0019】
ここで、吸収体配設領域の剛性は、以下のようにして測定される。
〔曲げ剛性の測定方法〕
測定にはテンシロン試験機〔(株)オリエンテック社製のRTC−1150A〕を用い、JIS規格K7171法(プラスチック−曲げ特性の試験方法)に準拠して測定を行う(R1=5.0±0.1mm、R2=5.0±0.2mm一定)。
試験片をエッジスパン間Lを50mmとした支持台の両エッジ間に渡すように置き、試験片に僅かに接するように圧子先端部を配置する。ロードセル5kg(レンジ200gf)、速度30mm/minの条件で、圧子を降下させ、荷重−たわみ曲線を得る。得られた曲げ応力の最大値を曲げ剛性値(gf/50mm)とする。
尚、試験片はギャザーを除去したおむつから、測定に影響するような折り目、しわ等が含まれないように表面材から裏面材までの構成部材を含めておむつの長手方向50mm、幅方向80mmの長方形の大きさに切り出す。曲げ剛性値の単位の50mmとは試験片の短辺の長さであり、試験時の圧子でたわませた試験片の幅である。
【0020】
試験片は、剛性を測定しようとする部位の幅が50mm超の場合には、その幅の全体を切り出す。剛性を測定しようとする部位の幅が50mm以下の場合には、その部位が含まれるように切り出し、両エッジ間に該部位の少なくとも一部が位置するように置く。
例えば、吸収体配設領域のおむつ幅方向の両端部の他の部位より低剛性の幅50mm以下の領域がある場合、測定片は、その低剛性の領域を長手方向の一端部に含むように切り出し、その低剛性の領域の一端が一方のエッジ上に位置し、他端がエッジ間に位置するようにセットする。この場合、前記圧子は、エッジ間の中央部において、その低剛性領域意外の部位を押圧することになる場合もあるが、得られる荷重の最大値は、主として低剛性の領域の剛性に依存するため、そのようにして得られた荷重の最大値を、その低剛性の領域の曲げ剛性値(gf/50mm)とする。
また、吸収体配設領域からおむつ幅方向の幅が50mm超の試験片を切り出し、該試験片について上述のようにして求めた荷重の最大値が25gf/50mm超である場合には、吸収体配設領域に、おむつ幅方向の幅が50mm以上で且つおむつ幅方向の曲げ剛性が25gf/50mm超の領域がある。
【0021】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、上述した構成を有するため、例えば下記方法により、立位状態の着用者に対して容易に装着することができる。
先ず、図3(a)又は図3(b)に示すように、おむつ股下部Aが着用者の股下部(股間部)に位置するように、使い捨ておむつを、起立状態の着用者の両脚間に挿入する。そのように挿入された使い捨ておむつは、上記範囲内で規定された股間幅と吸収体の剛性により、股間に挿入されたおむつが引き上げ易く、しかも引き上げた状態が保たれるため、そのように使い捨ておむつを保持させた状態において、一対のファスニングテープ5,5を、ランディングゾーン51に止着する。
【0022】
本実施形態の使い捨ておむつによれば、おむつ股下部の幅及び股下部の剛性を上述した特定の範囲としてあるため、使い捨ておむつを立位状態の着用者の両脚間にスムーズに挿入して引きあげることができると共に、挿入した使い捨ておむつが両脚間に安定に保持される。従って、その状態でファスニングテープを容易にランディングゾーンに止着することができる。また、胴回り部のファスニングテープ間がサイド伸縮部が伸びるので上記テープを止着する際ずれることなく寝位の装着同様高い位置での装着が可能になる。
単におむつ股下部の幅を小さくすること及び股下部の剛性を柔らかくすることの工夫のみでは、おむつに要求される基本的性能である吸収性能や漏れ防止性能が維持されなくなる恐れがあるが、本発明のおむつにおいては、一対のサイド伸縮部を配することによって立位装着の場面において顕著に良好な装着性を実現しつつ、おむつの基本性能である漏れ防止性能を高めることができた。すなわち本発明においては一対のサイド伸縮部材によって着用者に対するフィット性を高めてあるので、吸収体にシワやヨレを生じにくく、吸収体の吸収性能を最大限に発揮させることができるうえに、ズレ落ちにくいので股間部にスキマが生じることがない。そのため、股下部の幅及び股下部の剛性を上記の範囲内としても、充分な吸収性能や漏れ防止性能が得られる。本実施形態の使い捨ておむつは、このようにして、立位での装着に優れ、しかも吸収性能及び漏れ防止性能に優れた使い捨ておむつとなっている。装着作業中に、着用者の両脚間に安定に保持され、たとえ手を離しても脱落しないようにする観点から、おむつの重量は20〜40gであることが好ましい。
尚、上述した使い捨ておむつの装着方法によれば、使い捨ておむつが立位状態の着用者の両脚間に安定に保持された状態で、ファスニングテープをランディングゾーンに止着できるため、おむつの装着作業が容易である。
【0023】
本発明のおむつにおいては、長手方向の一方の部位(第1部B)の胴回り部Eを、おむつ幅方向に伸張させたときの、最大伸張時の伸張率から30%を減じた伸張率における引張荷重(引張力)(以下、胴回り部Eの引張荷重ともいう)が、80〜500gfであり,150〜400gfであることが好ましい。当該範囲であると、立位での装着の際におむつが下方へずれ落ちることを効果的に防止できると共に、装着時には着用者の腹部等の変化に追従し易いため、ずれ落ち防止とともにおむつと着用者の体の間に隙間を作ることを防げるので、漏れを防止することができる。
【0024】
胴回り部Eの引張荷重は、それぞれ以下のようにして測定される。
〔胴回り部Eの引張荷重〕
おむつから、胴回り部Eの弾性部材が配されている部位のおむつ幅方向に亘る全体〔本実施態様においては、第1部Bにおけるウエスト端縁11から20mmまでの領域よりも下方で、且つ左右のファスニングテープの固定端間(おむつ両側縁端間)に存在する領域〕を切り出し、テンシロン引張り試験機〔型番:RTA−100、(株)オリエンテック社製〕を用いて、おむつ幅方向に対応する方向に伸張させる。
初期チャック間距離は、第1部の幅方向の自然長(弾性部材を伸長させない自然状態における長さ,初期長)から50mmを減じた長さとし、サンプルの両端部をそれぞれチャックに挟む。次いで、クロスヘッド移動速度300mm/minの条件で、サンプルを最大伸張幅(第1部から弾性部材を排除し、該胴回り部を収縮させないようにして測定した第1部Bにおける胴回り部の幅)まで伸長させる。最大伸張時の伸長率P(%)は、〔(最大伸張幅−初期長)/初期長〕×100で求められる。そして、最大伸張時の伸張率Pから30%を減じた伸張率(P−30)%における引張荷重(引張力)を求める。
【0025】
胴回り部の弾性部材としては、650dtex以下の糸状弾性体や、帯状の弾性体を使用することができる。ただ、胴回り部はサイド伸縮部によって着用者にフィットさせるので、強い押し当て感がなく、かつずれ落ちを確実に防止しなければならない。このような観点から、太さは200〜600dtexの糸状弾性部材が好ましい。また、該弾性部材は予め2枚のシート間に挟まれて固定されて形成された弾性伸縮シートを、おむつの本体部分に貼り付けた構成であることが好ましい。というのは、細い弾性部材を使用すると押し付け感が減じるのだが、シートに対する接着固定が難しいという問題があるので、当該構成とすることで、装着時に不意な力でサイド伸縮部が引張られても弾性部材が剥がれて抜けないようにすることが確実となるからである。
【0026】
本実施形態の使い捨ておむつ1における立体ギャザー6は、低モジュラスの弾性部材を高伸張率で配して形成してある。立体ギャザー6は、使い捨ておむつ1に100%以上の伸張率、好ましくは100〜300%の伸張率、特に好ましくは130〜200%の伸張率で配設されている。
おむつ配設状態(おむつに配設されている状態)の立体ギャザー6の伸張率が100%未満であると、装着時に立体ギャザーの先端部の起立性が損なわれ、立位での装着時などで、立体ギャザーの先端部を股間部に誘導する際に、立体ギャザーが倒れてしまったり、被装着者の肌にあたり、折れ曲がったりし、正しく装着することが難しくなる。また、被装着者の姿勢が変化した場合、立体ギャザーの先端部が被装着者の肌との間に隙間が生じ排泄物が漏れる可能性が大きくなる。前記伸張率が300%超であると、場合によっては、おむつが丸まってしまい、装着が困難になる。とくに立位での装着ではおむつが股間部に挿入されたときに、テープ部を止着するまでもなくおむつがズレ落ちてしまい、装着が非常に難しい。また、装着できたとしても、既にズレ落ちた状態に装着されてしまい、装着が非常に難しい。また、装着できたとしても、既にズレ落ちた状態に装着され、フィット性や漏れ性能の低下にもつながる。
【0027】
おむつ配設状態における立体ギャザー6の伸張率は以下のようにして測定される。
〔おむつ配設状態の伸長率〕
おむつ長手方向の中央部に位置する部分が含まれるようにおむつから立体ギャザーを切り出し、最大に伸張させた時点での区間をH、その後伸張を開放し、自然状態、即ち、切り出したギャザーが自然に縮んだ状態において測定した区間Hの長さhとしたとき、下記式(1)で表される。
伸張率(%)=(H―h)/h ×100 (1)
自然状態での長さhは、平らな面を持つ板などの上で負荷をできるだけかけずにギャザーによる凹凸を最小限にして測定する。区間Hとしては200mm程度設けることが好ましい。
【0028】
また、立体ギャザー6は、おむつ非固定状態(おむつに固定されていない状態、即ちおむつから立体ギャザーを切り出した状態をいう)で伸張させたとき、おむつ配設状態における伸張率(%)から30%減じた伸張率(おむつ配設状態伸長率−30%)で定義される実効伸長率における引張荷重が20〜120gf、好ましくは50gf〜100gfであり、伸張率が20%から前記実効伸張率までの間の引張り荷重増加率が1.0(gf/%)以下、好ましくは0.7(gf/%)以下である。
実効伸張率、即ちおむつ配設状態の伸張率(%)から30%減じた地点で評価する意味は、伸張率(%)に対する立体ギャザーの荷重曲線、すなわち伸張応力を測定する際、それ以上の伸張率では構成部材の伸張荷重が含まれることが多く、ギャザーとしての物性値以上の荷重曲線となりやすく、正味のギャザーの物性ではないためである。
また、おむつ装着時におむつはU字形状に湾曲し、その中に配された立体ギャザーはおむつのU字形状の外周より小さいU字状の軌線となるため、おむつ配設状態の伸張率まで伸張することはほとんどないために、おむつ配設状態の伸張率から減じた地点で評価することは実質的な装着状態での立体ギャザーの挙動を表すには妥当な地点であるといえる。
【0029】
〔おむつ非固定状態の伸張特性〕
実効伸長率における引張荷重、及び引張荷重増加率は、以下のようにして求められる。
おむつ1から、立体ギャザー(固定端と自由端との間の帯状部分)6を切り出して試験片とし、該試験片を、テンシロン引っ張り試験機〔(株)オリエンテック社製、RTC−1150A〕のチャック間に固定して長手方向に、速度300mm/min、ロードセル5kgの条件で伸張させ、その伸張過程における伸張率及び対応する引張荷重をプロットして、伸張率及び引張荷重の関係曲線〔横軸;伸長率(%),縦軸;引張荷重(gf),図5参照〕を得る。
【0030】
得られた関係曲線から、伸張率が20%のときと実効伸張率のときの各々の引張荷重の値を読み取る。また、伸張率20%から実効伸張率までの関係曲線の勾配、即ち〔引張荷重(実効伸張率時)−引張荷重(20%時)〕/〔実効伸張率(%)−20%〕を算出し、その値を、伸張率が20%から実効伸張率までの間の引張荷重増加率(gf/%)とする。
尚、試験片は、おむつ長手方向の中央部に位置する部分が含まれるように切り出し、また、自然状態、即ち切り出したギャザーが自然に縮んだ状態で、平らな面を持つ板などの上で、負荷をできるだけかけずにギャザーを平らにした場合の長さが少なくとも70mm以上となるように切り出す。好ましくは、おむつ配設状態の伸張率を測定した後のものを使用する。伸張開始時の試験片の初期長(自然状態における長さ,伸張率0%)は50mmとし、該試験片をおむつに配設された状態における伸張率となるまで伸張させる。
【0031】
実効伸張率における引張荷重が20gf未満であると、装着時に立体ギャザーの先端部の起立性が損なわれ、立位での装着時などで立体ギャザーの先端部を股間部に誘導する際に立体ギャザーが倒れてしまったり、被装着者の肌にあたり折れ曲がってしまったりし、正しく装着することが難しくなる。また、被装着者の姿勢が変化した場合立体ギャザーの先端部が被装着者の肌との間に隙間が生じ排泄物がモレる可能性が大きくなる。たとえ、立体ギャザーの先端部が被装着者の肌に隙間なく接している場合でも、立体ギャザーとしての締め付け力が弱いために、排泄物を立体ギャザー間内に閉じ込めようとする隠蔽力が弱く、ギャザー先端部を押しのけて排泄物が外側に移動する可能性も大きくなり、漏れ防止効果として有効であるとはいえない。
実効伸張率における引張荷重が120gf超であると、おむつを展開する時の力が大きく展開しにくいおむつとなり、寝かせてあお向けで装着する場合などでは装着性が悪くなる。また、装着後のおむつの処理についてもおむつが丸まろうとする力が強いため操作性が悪くなる。
【0032】
また、立位での装着では、おむつが股間部に挿入されたときに、テープ部を止着するまでもなくおむつが丸まったり、ズレ落ちてしまったりして装着が難しい。
これらは本発明のようにおむつ配設時の伸張率が大きくなると生じる課題であり、展開時に伸張された立体ギャザーが伸張を開放するように縮もうとして生じ、結果的におむつを丸めてしまう現象である。したがって、本発明では伸張応力をある程度小さくすることで、縮もうとする挙動に対する力を小さくし、縮もうとする現象を遅延させたり、縮んだものを展開するときに必要な力を小さくすることで、装着者の装着性を悪化させないことを達成した。特におむつ配設時の伸張率が同じ条件では伸張応力が支配因子であり、伸張応力が小さいほど伸びやすく、扱いやすいおむつとなる。120gfを超えない程度であれば装着者はおむつを展開するときに容易に展開でき、操作性も損なわないといえる。
【0033】
引張荷重増加率は小さいほうが好ましく、装着されたおむつの立体ギャザーが肌へ密着し、漏れを防止しようとする力が装着者の姿勢の変化や様々な装着方法により大きく変わらない。また、装着時においてもおむつを展開するときに急激な力の変化がなく、展開時に装着者が感じるギャザーの重量感(いわゆる)重たさがなく、扱いやすいため、寝位・立位ともに装着性が向上できる。
したがって、引張荷重増加率を、伸長率の単位増加量当たりの引張荷重の増加量として計算した場合、引張荷重増加率は、伸長率が0%超から実効伸張率までの総ての地点で1.0(gf/%)以下であることが好ましい。しかしながら、一部の区間では1.0(gf/%)超になる場合がある。そのような区間が伸張率0〜20%程度の部分である場合に、実質的に上述の効果を有するものは本発明の主旨から逸脱するものではない。とはいえこの区間においての引張荷重増加率としての上限は2.0(gf/%)までであることが好ましい。
このような観点から、ここでは、伸張率が20%から実効伸張率までの間の引張荷重増加率を規定している。
【0034】
本実施形態の使い捨ておむつ1によれば、吸収体配設領域の一部分が低剛性領域R1となっており、且つ低モジュラスの立体ギャザー6を高伸張率で配してあるため、寝位での装着のみならず、立位で装着する際にも極めて装着性に優れている。しかも、本実施形態の使い捨ておむつ1によれば、今回高伸長率低モジュラスギャザーを導入することにより、ギャザーの起立性が上がるのでヨレたとしても空間がしっかり保たれてモレを防止できたことから、モレ性能と装着性の向上が同時に実現できた。
したがって、モレ性能を維持しながら、おむつを装着する際に、立位時の狭い股間部におむつがスムーズに入り込み、立位で装着する場合であっても寝位の装着位置と変わらない位置におむつを装着することができるため、立位での装着性を向上させることができる。また、立位での装着性を向上させるに伴って、第1部の幅方向の伸縮幅や第1部の幅を極端に大きくする必要もなく、寝位での装着性を損なうこともない。
【0035】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、おむつを長手方向に2等分する中央線CL(図1参照)の両側の飽和吸収容量、即ち中央線CLの両側に位置する両部分F,Gの飽和吸収容量の比(部分F/部分G)が45/55〜55/45であり、そのため、第1部Bを着用者の腹側に位置させ、ファスニングテープ5,5を着用者の背側にてランディングゾーン51に止着する装着方法(以下、背側装着ともいう)で装着した場合においても尿漏れが生じない。
即ち、本実施形態の使い捨ておむつ1は、第1部Bを着用者の背側に位置させ、ファスニングテープ5,5を着用者の腹側にてランディングゾーン51に止着する装着方法(以下、腹側装着ともいう)で装着できるのみならず、前記背側装着でも容易に装着することができ、何れの場合においても漏れが生じない。装着の向きを問わずに尿漏れが生じないようにする観点から、前記飽和吸収容量の比(部分F/部分G)は48/52〜52/48であることが好ましく、両部分の飽和吸収容量は、両者の差が小さい程好ましい。図3(a)は、立ち上がった状態の着用者(幼児)に腹側装着する様子、図3(b)は、立ち上がった状態の着用者(幼児)に背側装着する様子が示されている。
【0036】
ここで、おむつの長手方向中央線CLの両側の飽和吸収容量は、以下のようにして測定される。
〔飽和吸収容量の測定方法〕
先ず、おむつ1を、その長手方向を2等分する中央線CLで、幅方向に切断する。
次いで、立体ギャザー及びレッグギャザーを切除する。更に、胴回り部に配された伸縮部を切断する。但し、吸収層の構造が破壊又は切断されることがないように留意する。容器から水平に取り出せるように加工した金網に切断したおむつを載せ、金網ごと重量を測定する。予め側面下部に溶液を排出する開口部を設けた容器内に金網ごとおむつを入れ、0.9重量%の生理食塩水を吸収体が完全に浸漬するように注入する。このときに、おむつの切断端部からポリマー等が脱落しないように注入速度を調節する。完全浸漬後30分放置する。その後、排出開口部を下側にして容器ごと10度傾け、排出開口部を開き、容器内の溶液を排出する。排出が完全に終了するまで30分放置し、その後、容器から金網ごとおむつを取り出し、金網ごとの重量を測定する。「試験終了後の重量」−「試験開始前の重量」からおむつの吸収量を算出し、この値を飽和吸収量(g)とする。
【0037】
本実施形態の使い捨ておむつ1における各部の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4、及び立体ギャザー形成用のシート材62、ランディングゾーン51形成用のランディングテープ等の形成材料としては、従来、使い捨ておむつに用いられている各種公知の材料を特に制限なく用いることができる。
【0038】
ファスニングテープ5は、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部を有するものでも、粘着剤を塗布して形成した粘着部を有するものでも良い。また、裏面シート3の外表面側を係合性に富む素材により形成し、それをランディングゾーン51として利用することもできる。
【0039】
立体ギャザー形成用の弾性部材61、レッグ部弾性部材71、ウエスト部弾性部材81及び胴回り部弾性部材91としては、それぞれ各種公知の弾性部材を用いることができ、例えば、各弾性部材の形態としては、糸状のもの(糸ゴム等)、所定幅の帯状のもの(平ゴム等)、薄膜状のもの等を挙げることができ、弾性部材の形成素材としては、天然ゴムの他、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等を挙げることができる。
【0040】
以上、本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、上記実施形態におけるウエスト部Dには、帯状のウエスト部弾性部材81が配設されてウエスト伸縮部8が形成されているが、これに代えて、図4に示すように、複数本の糸状の弾性部材81を両サイドに亘るように配設することによって、ウエスト伸縮部8を形成することもできる。この場合、複数本の弾性部材は、柔軟なシート材等に固定し、複合伸縮部材として配設することもできる。
本発明の使い捨ておむつは、成人用の使い捨ておむつであっても良いが、幼児(ベビー)用の使い捨ておむつ、特におむつ換えを嫌がる幼児に適している。
【0041】
【実施例】
〔実施例1〕
図1に示す形態の使い捨ておむつを複数枚製造した。
そのおむつは胴回り部左右2箇所に配されているサイド伸縮弾性部材の幅=9cm、股下部の最小幅部分の股間幅W=220mmであり、股下部の吸収体が配された領域の曲げ剛性が20gf/50mmであった。尚、サイド伸縮部の弾性部材は太さ560dtexの糸状弾性部材を使用した。前記胴回り部Eの引張荷重は300gfであった。
【0042】
また、このおむつは、股下部の股間幅が、おむつ長手方向の50mm以上の長さに亘って100〜240mmの範囲内であり、おむつの重量が25gであり、おむつを長手方向に2等分する中央線の両側の飽和吸収容量の比(部分Fの容量/部分Gの容量)が49/51であった。
【0043】
〔比較例1〕
比較例として、胴回り部にサイドの伸縮が無く、股下部の最小幅部分の股間幅W=255mmであり、剛性が40gf/50mmのおむつを製造した。
【0044】
〔比較例2〕
実施例1のおむつにおいて、股下部の吸収体が配された領域の曲げ剛性を40gf/50mmとした以外は同じ構成のおむつを作成した。
【0045】
尚、図5は、おむつ非固定状態における立体ギャザーの伸張率と伸張応力(荷重)との関係を示すグラフであり、曲線▲1▼は実施例1及び比較例1,2のおむつ、曲線▲2▼は市販のおむつの一般的なものにおける各立体ギャザーの伸縮特性を示す曲線である。実施例1の立体ギャザーは、おむつ配設状態における伸長率が110%であり、実効伸長率(110-30%)での引張荷重が48gf、20%から実効伸長率までの間の引張荷重増加率が0.5であった。
【0046】
〔装着のし易さの評価〕
実施例1と比較例1の装着テストをN=10で実施した。
実施例及び比較例の使い捨ておむつについて、立位での装着のし易さを評価した。装着方法は幼児モデルを立たせておいて、紙おむつのファスニングテープを着用者の腹側においてランディングゾーンに止着する方法(腹側装着)とした。その結果、10人中全ての人が立位での装着のし易さにおいて実施例1を支持した。
【0047】
〔モレにくさとズレ落ち量の評価(動的股モレ値の測定)〕
実施例及び比較例の使い捨ておむつを、腹側装着により幼児腰部モデル(立位で両脚を前後させる歩行運動及び股間部からの人工尿の注入が可能であり、形態的に幼児の腰部を模してあるモデル)に装着し、下記方法で動的股モレ値とズレ落ち量を測定した。その結果を表1に示した。
股モレ値とズレ落ち量の測定においては、先ず使い捨ておむつを上記の幼児モデルに装着し(腹側先端オヘソ位置)、150歩/分の歩行速度で5分間歩行運動させた。(立位)その後、歩行運動を停止し、チューブを介しておむつ5g/秒の速度で80gの人工尿を注入し、さらに5分間歩行運動を行なわせた。その時のオヘソからおむつ先端までのキョリをズレ落ち量とした。
その後、モデルを横寝にし、5g/秒の速度で40gの人工尿を注入し、40gの注入が終了した時点で漏れていないかを目視にてチェックした。漏れが生じていないものについては、更に40gの人工尿の注入を行ない、この様な操作を漏れるまで繰り返した。そして尿の漏れが観察された時点における人工尿の合計注入量を動的股モレ値とした。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、展開型の使い捨ておむつであり、立位での装着性に優れ、しかも吸収性能及び漏れ防止性能に優れている。本発明の使い捨ておむつの装着方法は、新規な展開型おむつの装着方法であり、立位状態の着用者に極めて容易に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつを、各部の弾性部材を伸張させ平面状に拡げた状態(緊張状態)を示す平面図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつの股下部の最小幅部分における断面(長手方向中央線CLに沿う断面)を示す模式断面図である。
【図3】図3(a)は、図1の使い捨ておむつを、立ち上がった状態の着用者(幼児)に腹側装着する様子、図3(b)は、図1の使い捨ておむつを、立ち上がった状態の着用者に背側装着する様子を示す図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態の使い捨ておむつの要部を示す平面図である。
【図5】図5は、おむつ非固定状態における立体ギャザーの伸張率と伸張応力(荷重)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ファスニングテープ
51 ランディングゾーン
9 サイド伸縮部
91 胴回り部弾性部材
Claims (5)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備えたおむつであって、
立つこと又ははいはいができる幼児用のおむつであり、
長手方向の一方の部位の両側縁部にファスニングテープが設けられ、他方の部位の外表面に、前記ファスニングテープを止着するランディングゾーンが設けられており、前記一方の部位の胴回り部の両側部に、おむつ幅方向に弾性伸縮するサイド伸縮部が形成され、該一方の部位の胴回り部のおむつ幅方向中央部には、おむつ幅方向に伸縮する伸縮部が形成されておらず、
前記胴回り部を、おむつ幅方向に伸張させたときの、最大伸張時の伸張率から30%を減じた伸張率における引張荷重が80〜500gfであり、
股下部の最小幅部分の股間幅が100〜240mmであり、
前記股下部の前記吸収体が配された領域の曲げ剛性が3〜25gf/50mmであり、
長手方向の両側に、一対の立体ギャザーが、各々弾性部材を配設することによって形成されており、
前記立体ギャザーは100%以上の伸張率で配されており、該立体ギャザーをおむつ非固定状態で伸張させたとき、おむつ配設状態における伸長率(%)から30%減じた伸長率として定義される実効伸張率における引張荷重が20〜120gfであり、伸長率が20%から前記実効伸長率までの間の引張荷重増加率が1.0(gf/%)以下である、立位での装着が容易なおむつ。 - 前記股下部の股間幅が、おむつ長手方向の50mm以上の長さに亘って100〜240mmの範囲内である請求項1記載のおむつ。
- おむつ重量が20〜40gである請求項1又は2記載のおむつ。
- 前記おむつを長手方向に2等分する中央線の両側の飽和吸収容量の比が45/55〜55/45である請求項1〜3何れか記載のおむつ。
- 請求項1記載のおむつの装着方法であって、
前記使い捨ておむつを、起立状態の着用者の両脚間に挿入し、引き上げることにより該使い捨ておむつを股間に保持させた状態で、一対の前記ファスニングテープを、前記ランディングゾーンに止着するおむつの装着方法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002218965A JP3804783B2 (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | 立位での装着が容易なおむつ |
KR1020030049794A KR101010884B1 (ko) | 2002-07-26 | 2003-07-21 | 입위에서의 장착이 쉬운 기저귀 |
EP03016541A EP1384460B1 (en) | 2002-07-26 | 2003-07-23 | Disposable diaper that is easy to put on a wearer in a standing position |
DE60305582T DE60305582T2 (de) | 2002-07-26 | 2003-07-23 | Im Stehen leicht anzuziehende Wegwerfwindel |
CNB031331262A CN1319501C (zh) | 2002-07-26 | 2003-07-24 | 站着容易穿戴的尿布 |
US10/626,547 US20040215161A1 (en) | 2002-07-26 | 2003-07-25 | Disposable diaper that is easy to put on a wearer in a standing position |
TW092120400A TWI246912B (en) | 2002-07-26 | 2003-07-25 | Disposable diaper that is easy to put on a wearer in a standing position |
CNU032758960U CN2707224Y (zh) | 2002-07-26 | 2003-07-25 | 站着容易穿戴的尿布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002218965A JP3804783B2 (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | 立位での装着が容易なおむつ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004057414A JP2004057414A (ja) | 2004-02-26 |
JP3804783B2 true JP3804783B2 (ja) | 2006-08-02 |
Family
ID=31939983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002218965A Expired - Lifetime JP3804783B2 (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | 立位での装着が容易なおむつ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3804783B2 (ja) |
-
2002
- 2002-07-26 JP JP2002218965A patent/JP3804783B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004057414A (ja) | 2004-02-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3808056B2 (ja) | 前後どちらからでも装着が容易なおむつ | |
JP3805236B2 (ja) | 使い捨ておむつ | |
JP3818969B2 (ja) | 前後どちらからでも装着が容易なおむつ | |
JP4086577B2 (ja) | 立位での装着が容易なおむつ | |
JP3592591B2 (ja) | 使い捨ておむつ | |
JP4515802B2 (ja) | ウエスト締結手段を有する着用物品 | |
JPH08502181A (ja) | 弾性臀部パネルを有する動的弾性特性を有する吸収性物品 | |
JPH06508280A (ja) | 伸長パネルを有する弾性ウエスト部を備えた吸収材 | |
KR101010884B1 (ko) | 입위에서의 장착이 쉬운 기저귀 | |
JP3804783B2 (ja) | 立位での装着が容易なおむつ | |
JP4086674B2 (ja) | 立位での装着が容易なおむつ | |
JP3801567B2 (ja) | 立位での装着が容易な幼児用おむつ | |
JP4282349B2 (ja) | 使い捨ておむつ | |
JP4086576B2 (ja) | 立位での装着が容易なおむつ | |
JP4229756B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP4173769B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP4212483B2 (ja) | 使い捨ておむつ | |
JP4471820B2 (ja) | 使い捨ておむつ | |
JP2002224160A (ja) | 使い捨ておむつ | |
TWI581776B (zh) | Disposable disposable diaper | |
JP7274354B2 (ja) | パンツ型吸収性物品 | |
JP2001333931A (ja) | 使い捨ておむつ | |
JP2004141499A (ja) | 立位での装着が容易なおむつ | |
JP2004057416A (ja) | 立位での装着が容易なおむつ | |
JP2004357950A (ja) | 使い捨ておむつ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050510 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050517 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050719 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060502 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060502 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3804783 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |