JP4086674B2 - 立位での装着が容易なおむつ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、立位及び寝位の何れの状態においても装着し易い使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、使い捨ておむつとして、ファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつと、予めパンツ型に形成されたパンツ型の使い捨ておむつとが知られており、展開型の使い捨ておむつは、新生児から使用できることや、製造コストが安いこと等から、最も一般的に用いられている。
【0003】
従来の一般的な展開型使い捨ておむつは、被装着者(赤ちゃん等)が仰向けに寝ている状態(以下、寝位ともいう)で装着するように設計されている。このため、静かに仰向けに寝ている状態の被装着者に対しては容易に装着できるが、活動が活発になった幼児期の頃は、おむつ交換をするために寝位で静止していることは少なく、また、寝位になることさえ嫌がる場合も多く、そのような場合に寝位で装着するのは非常に大変である。特に寝位での装着を嫌がったりする場合、例えば、はいはいをして逃げ回ったりする場合には、その装着が容易ではない。そのような子供に対しては四つんばいや立っている状態(以下、立位ともいう)で装着を試みることになるが、従来のおむつでは、この場合も装着は容易ではない。
【0004】
立位での装着が難しい理由としては、立位と寝位とで被装着者の体型が変化し、被装着者の腹囲(腹部の周長)が、立位の状態では寝位の状態におけるよりも大きくなることが挙げられる。例えば、幼児の場合、大きい場合には5cm程度も腹囲が変化する。このことから、立位での装着を容易とするために、ファスニングテープ同士間の幅(即ちおむつの幅)を広くして、腹囲の変化に対応できるようにすることも考えられるが、その場合には、寝位での装着の際に、ファスニングテープ同士間の幅が広すぎて左右のファスニングテープ同士が交差する等の不都合が生じる。
また、他の原因としては寝位での装着の場合では、おむつは被装着者の背中と床(若しくは寝具)などの間に挟まれ、被装着者の荷重により装着位置から移動しにくい状態となっているのに対し、立位での装着の場合では、おむつはどこにも固定されていないために、装着者自身がおむつを装着位置から動かないように保持しながら、装着を行わなければならないことが挙げられる。
このような状況で、親はパンツ型のおむつを使用することを検討しはじめるが、つかまり立ちが始まったばかりのような乳幼児では立って脚を上げることが難しいので、結局パンツ型おむつを使うことを挫折してしまう。結局、親は逃げようとして暴れる子供を押さえ付けながら寝かせておむつ替えをしなければならなかった。
要するに、立位及び寝位の何れ状態においても充分に装着し易い使い捨ておむつは、未だ提供されていない。
【0005】
従って、本発明の目的は、立位及び寝位の何れの状態においても装着し易い使い捨ておむつを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備え、長手方向の一方の部位の両側縁部にファスニングテープが設けられており、該一方の部位の胴回り部における両側部に、おむつ幅方向に弾性伸縮するサイド伸縮部が形成されており、おむつ長手方向の両側に立体ギャザーが形成されているおむつであって、股下部における前記吸収体が配されている領域である吸収体配設領域に、おむつ幅方向の曲げ剛性(JIS K7171に準拠して測定)が25gf/50mm以下の領域を有しており、前記吸収体配設領域には、おむつ幅方向の曲げ剛性が高い高剛性領域と、おむつ幅方向の曲げ剛性が該高剛性領域より低い低剛性領域とが、おむつ幅方向に交互に且つそれぞれおむつ長手方向に延びて形成されており、該低剛性領域が、前記曲げ剛性が25gf/50mm以下の領域であり、前記高剛性領域は、おむつ幅方向の中央部と、該中央部からおむつ幅方向に離間した左右の2カ所に形成されており、前記低剛性領域は、おむつ幅方向の中央部に形成された前記高剛性領域と前記左右の2カ所に形成された前記高剛性領域との間、及び前記左右の2カ所に形成された前記高剛性領域それぞれよりも更におむつ幅方向の外方にそれぞれ形成されており、前記立体ギャザーは100%以上の伸長率で配されており、該立体ギャザーを、おむつから切り出した状態で伸長させたとき、おむつ配設状態における伸長率(%)から30%減じた伸長率として定義される実効伸長率における引張荷重が20〜120gfであり、伸長率が20%から該実効伸長率までの間の引張荷重増加率が1.0(gf/%)以下である立位での装着が容易なおむつを提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。
先ず、本発明の実施形態である使い捨ておむつを理解する上での参考となる参考形態の 使い捨ておむつ1について説明する。
使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備えている。使い捨ておむつ1は、展開型の使い捨ておむつであり、長手方向の中央部に股下部Aを有し、長手方向における該股下部Aの両側に第1部B及び第2部Cを有している。そして、長手方向の一方の部位である第1部Bの両側縁部にファスニングテープ5,5が設けられ、他方の部位である第2部Cの外表面にファスニングテープ5,5を止着するランディングゾーン53が設けられている。
股下部Aは、着用時に着用者(被装着者)の股下部(股間部)に配される部位である。使い捨ておむつ1における第1部B及び第2部Cは、その何れか一方が着用者の背側に配され他方が着用者の腹側に配される。
【0008】
使い捨ておむつ1は、股下部Aの両側縁が円弧状に形成されており、全体として、長手方向中央部が括れた砂時計状の形状を有している。
表面シート2は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向中央部に配されている。裏面シート3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の両側縁41,41及び両端縁42a,42bから外方に延出しており、それらの延出部において互いに接合されている。裏面シート3の長手方向の両側部は、表面シート2の両側縁から幅方向外方に延出している。
【0009】
使い捨ておむつ1における長手方向の両側には、一対の立体ギャザー6,6がそれぞれおむつの長手方向に沿って形成されている。各立体ギャザー6は、弾性部材61を有する立体ギャザー形成用のシート材62を、表面シート2の両側縁の外方から内方に亘るように配設して形成されている。各シート材62は、吸収体4の側縁41と後述するレッグ部弾性部材9との間において、長手方向に亘って直線状に表面シート2上に固定されており、その直線状の固定部が立体ギャザー6の固定端64となっている。各シート材62は、前記固定端64よりも幅方向外方に位置する部分が表面シート2又は裏面シート3上に固定されており、また、おむつの長手方向両端部近傍における該固定端64よりもおむつ幅方向中央側に位置する部分は表面シート2上に固定されている。各シート材62の立体ギャザー6には、その自由端63と略平行に複数本の糸状の弾性部材61が配設されている。
【0010】
使い捨ておむつ1における第1部Bのウエスト部Dには、ウエスト部弾性部材71が配設されてウエスト伸縮部7が形成されており、また、第1部Bの胴回り部Eにおける両側部には、それぞれ複数本の胴回り部弾性部材81が配設されて一対のサイド伸縮部(幅方向に弾性伸縮する伸縮部)8が形成されている。一対のサイド伸縮部8,8は、何れも、一対のファスニングテープ5,5同士間に位置する領域に形成されている。
【0011】
ウエスト部Dは、着用時に着用者の腰回りに配される部分であり、おむつの長手方向の両端部分を構成している。ウエスト部は、ウエスト端縁11,12から股下方向20mmまでの領域である。本参考形態のおむつ1においては、第1部B及び第2部CそれぞれにおけるウエストDに、ウエスト部弾性部材71が配設されてウエスト伸縮部7が形成されている。各ウエスト部弾性部材71は、おむつの幅方向に亘って伸長状態で配設されている。尚、本参考形態のおむつ1におけるウエスト部弾性部材71は、それぞれ発泡ウレタンからなり、帯状の形態を有している。ウエスト部弾性部材71は、ウエスト部Dにおける裏面シート3と表面シート2又は前記シート材62との間に挟持固定されている。
【0012】
第1部Bの胴回り部Eは、図2に示すように、使い捨ておむつ1を、その各部の弾性部材を伸長させて平面状に拡げた状態(緊張状態)とし、第1部B側を上側、第2部C側を下側と考えた場合に、前記ウエスト部D(ウエスト端縁11から20mm幅の領域)よりも下方に位置し且つ股下部(着用時に着用者の股下に配される部分で、左右両側縁が脚廻りに沿わせるように凹状に形成されている部分)Aより上方に位置する部分である。
各サイド伸縮部8おける複数本の胴回り部弾性部材81は、長手方向に所定の間隔を置いて、それぞれ幅方向に亘って略平行に配されている。
【0013】
本参考形態のおむつ1における胴回り部弾性部材81は、少なくとも吸収体4の長手方向両側縁41,41の位置よりも幅方向外方の部位に弾性伸縮性が発現されるように伸長状態で固定されており且つ該吸収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向内方の部位における少なくとも中央部には配設されていない。また、各胴回り部弾性部材81は、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を備え、股下部A、第1部B及び第2部Cを有する本体部分10におけるシート間に固定されている。具体的には、第1部Bの幅方向に亘って配された2枚の柔軟な固定用シート間に挟持固定された状態で配されており、2枚の該固定用シートは、裏面シート3と、表面シート2又は前記シート材62との間に接着固定されている。各胴回り部弾性部材8のおむつ幅方向内方側の端部は、吸収体4の両側縁41の位置よりも幅方向内側に若干入る程度の位置にあり、吸収体4の幅方向中央部から左右両側縁41,41の近傍にかけての領域には、胴回り部弾性部材81が配されていない。
【0014】
尚、本使い捨ておむつ1における長手方向の両側それぞれには、複数本のレッグギャザー形成用のレッグ部弾性部材9,9が、おむつ長手方向に沿って直線状に配設されている。
【0015】
本参考形態のおむつ1は、股下部Aにおける吸収体4が配されている領域に、おむつ幅方向の曲げ剛性が25gf/50mm以下の領域R1,R1を有している。
より具体的には、股下部Aにおける吸収体4が配されている領域は、その一部(図3中、斜線を付した部分)R1,R1が該領域の他の部位R2よりも低剛性(柔軟)になされており、その低剛性(柔軟)な部位(以下、低剛性領域ともいう)R1,R1は、おむつ幅方向の曲げ剛性が25gf/50mm以下である。
ここで、股下部Aにおける、吸収体4が配されている領域(以下、吸収体配設領域ともいう)とは、使い捨ておむつ1を、図2に示すように平面状に拡げた状態(緊張状態)において平面視(俯瞰視)したときに、厚み方向の内部(上下面間)に吸収体4が存在する領域である。
本参考形態のおむつ1における低剛性領域R1,R1は、図3に示すように、吸収体4が配されている領域における、おむつ長手方向の両側部に、それぞれ長手方向に延びるように形成されている。
【0016】
低剛性領域R1の前記曲げ剛性の下限値は、吸収体配設領域が装着時に股間部で排泄物を捕集できる程度の幅及び空間を有すること及びそれらを維持しようとする最低限の復元力を発揮させる観点、また、立位での装着時において股間部に挿入したおむつを引き上げた時におむつ自身が被装着者の股間部に適合しずれ落ちず、テープの止着を容易にする装着補助の観点から3gf/50mm、好ましくは5gf/50mm程度である。装着容易性と装着後のフィット性及びモレ性能とを両立させる観点から、低剛性領域R1の前記曲げ剛性は3〜25gf/50mm、特に5〜20gf/50mmであることが好ましい。
【0017】
本参考形態のおむつ1は、前記吸収体配設領域に、おむつ幅方向の長さW3(図3参照)が50mm以上で且つおむつ幅方向の曲げ剛性が25gf/50mm超の領域(以下、高剛性領域ともいう)R2を有している。
高剛性領域R2の前記曲げ剛性は、装着容易性と装着時の形状保持性の観点から、上限は60gf/50mmであることが好ましく、特に30〜50gf/50mmであることが好ましい。
【0018】
立位での装着性を向上させる観点から、各低剛性領域R1の幅W1(図3参照)は、吸収体配設領域の幅W2(図3参照)の15〜50%であることが好ましく、左右の低剛性領域R1,R1の合計幅は、吸収体配設領域の幅W2の30〜100%であることが好ましい。他方、左右の低剛性領域R1,R1同士間に存在する高剛性領域R2の幅W3(図3参照)は前記幅W2の0〜70%であることが好ましい。また、前記幅W2は、股間部の吸収性能及び立位での装着時において股間部に挿入したおむつを引き上げた時におむつ自身が被装着者の股間部に適合しズレ落ちず、テープの止着を容易にする装着補助の観点から70mm以上であることが好ましく、装着容易性及び装着後の被装着者の股間部へのフィット性の観点から150mm以下であることが好ましい。前記幅W3は、狭い方が良く0〜80mmであることが好ましい。
【0019】
ここで、低剛性領域R1及び高剛性領域R2それぞれの、おむつ幅方向の曲げ剛性は、以下のようにして測定される。
〔曲げ剛性の測定方法〕
測定にはテンシロン試験機〔(株)オリエンテック社製のRTC−1150A〕を用い、JIS規格K7171法(プラスチック−曲げ特性の試験方法)に準拠して測定を行う(R1=5.0±0.1mm、R2=5.0±0.2mm)。
試験片をエッジスパン間Lを50mmとした支持台の両エッジ間に渡すように置き、試験片に僅かに接するように圧子先端部を配置する。ロードセル5kg(レンジ200gf)、速度30mm/minの条件で、圧子を降下させ、荷重−たわみ曲線を得る。得られた曲げ応力の最大値を曲げ剛性値(gf/50mm)とする。
試験片はギャザーを除去したおむつから、測定に影響するような折り目、しわ等が含まれないように表面材から裏面材までの構成部材を含めておむつの長手方向50mm、幅方向80mmの長方形の大きさに切り出す。曲げ剛性値の単位中の50mmは試験片の短辺の長さであり、試験時の圧子でたわませた試験片の幅である。試験片は、その長辺を、一方のエッジから他方にエッジに亘る方向に一致させて、両エッジ間に架け渡す。
【0020】
試験片は、剛性を測定しようとする部位の幅が50mm超の場合には、その幅の全体を切り出す。剛性を測定しようとする部位の幅が50mm以下の場合には、その部位が含まれるように切り出し、両エッジ間に該部位の少なくとも一部が位置するように置く。
例えば、吸収体配設領域のおむつ幅方向の両端部に他の部位より低剛性の幅50mm以下の領域がある場合、測定片は、その低剛性の領域を長手方向の一端部に含むように切り出し、その低剛性の領域の一端が一方のエッジ上に位置し、他端がエッジ間に位置するようにセットする。この場合、前記圧子は、エッジ間の中央部において、その低剛性領域以外の部位を押圧することになる場合もあるが、得られる荷重の最大値は、主として低剛性の領域の剛性に依存するため、そのようにして得られた荷重の最大値を、その低剛性の領域の曲げ剛性値(gf/50mm)とする。
また、吸収体配設領域からおむつ幅方向の幅が50mm超の試験片を切り出し、該試験片について上述のようにして求めた荷重の最大値が25gf/50mm超である場合には、吸収体配設領域に、おむつ幅方向の幅W3(図3参照)が50mm以上で且つおむつ幅方向の曲げ剛性が25gf/50mm超の領域がある。
【0021】
本参考形態のおむつ1における低剛性領域R1は、吸収体配設領域に配されている吸収体4の一部の構成を他の部位の構成と異ならせること、より具体的には、吸収体4の一部における坪量を他の部位における坪量よりも小さくすることにより形成されている。
【0022】
吸収体の一部における坪量を他の部位における坪量よりも小さくする方法としては、例えば(1)上部吸収層及び下部吸収層からなる2層構造の吸収体の一部に、上部又は下層吸収層からなる1層構造の低坪量の部位を設ける方法、(2)繊維をネット上に吸引堆積させて所定形状の繊維集合体からなる吸収体を製造するに際し、その一部に堆積させる繊維量を他の部位に堆積させる繊維量よりも少なくする方法、(3)多層積層吸収層で一層もしくは数層が配されていない部位を設ける方法、(4)多構成物の積層吸収層で1つもしくは数種類の構成物が配されていない部位を設ける方法等が挙げられる。
これらの方法の中でも、上記(1)の方法が上部吸収層及び下部吸収層を各々独立して構成でき、吸収性能や坪量を任意に比較的容易に設定できる点から好ましい。
【0023】
尚、低剛性領域の形成方法としては、更に、吸収体4にスリットを配する方法、吸収体4に吸収層を分割して配する方法、エンボス等の処理を施す方法、圧縮弾性を有する繊維を配するもしくは混入する方法、吸収体4に接着剤(ホットメルト)を配さない方法、おむつの構成部材数を少なくする方法等を用いることもできる。
【0024】
本使い捨ておむつ1における立体ギャザー6は、低モジュラスのものを高伸長率で配してある。
立体ギャザー6は、使い捨ておむつ1に100%以上の伸長率、好ましくは100〜300%の伸長率、特に好ましくは130〜200%の伸長率で配設されている。
おむつ配設状態(おむつに配設されている状態)の立体ギャザー6の伸長率が100%未満であると、装着時に立体ギャザーの先端部の起立性が損なわれ、立位での装着時などで、立体ギャザーの先端部を股間部に誘導する際に、立体ギャザーが倒れてしまったり、被装着者の肌にあたり、折れ曲がったりし、正しく装着することが難しくなる。また、被装着者の姿勢が変化した場合、立体ギャザーの先端部が被装着者の肌との間に隙間が生じ排泄物が漏れる可能性が大きくなる。前記伸長率が300%以下であると、おむつが丸まることを防げるので装着し易い。特に、立位での装着ではおむつが股間部に挿入された時にテープが止着するまでの間おむつがずれ落ち難いために、おむつが正規な位置に、よれないように装着し易い。このため、フィット性と漏れ防止性能が良好である。
【0025】
おむつ配設状態における立体ギャザー6の伸長率は以下のようにして測定される。
〔おむつ配設状態の伸長率〕
おむつ長手方向の中央部に位置する部分が含まれるようにおむつから立体ギャザーを切り出し、最大に伸長させた時点(図2に示すおむつ配設状態における長さまで伸長させた時点)での、離間した2地点間の区間Hの長さをH、その後伸長を開放し、自然状態、即ち、切り出したギャザーが自然に縮んだ状態において測定した前記区間Hの長さhとしたとき、下記式(1)で表される。
伸長率(%)=(H―h)/h ×100 (1)
自然状態での長さhは、平らな面を持つ板などの上で負荷をできるだけかけずにギャザーによる凹凸を最小限にして測定する。区間の前記長さHとしては200mm程度設けることが好ましい。
【0026】
また、立体ギャザー6は、おむつ非固定状態(おむつに固定されていない状態、即ちおむつから立体ギャザーを切り出した状態をいう)で伸長させたとき、おむつ配設状態における伸長率(%)から30%減じた伸長率(おむつ配設状態伸長率−30%)で定義される実効伸長率における引張荷重が20〜120gf、好ましくは50gf〜100gfであり、伸長率が20%から前記実効伸長率までの間の引張荷重増加率が1.0(gf/%)以下、好ましくは0.7(gf/%)以下である。
実効伸長率、即ちおむつ配設状態の伸長率(%)から30%減じた地点で評価する意味は、伸長率(%)に対する立体ギャザーの荷重曲線、すなわち伸長応力を測定する際、それ以上の伸長率では構成部材の伸長荷重が含まれることが多く、ギャザーとしての物性値以上の荷重曲線となりやすく、正味のギャザーの物性ではないためである。
また、おむつ装着時におむつはU字形状に湾曲し、その中に配された立体ギャザーはおむつのU字形状の外周より小さいU字状の軌線となるため、おむつ配設状態の伸長率まで伸長することはほとんどないために、おむつ配設状態の伸長率から減じた地点で評価することは実質的な装着状態での立体ギャザーの挙動を表すには妥当な地点であるといえる。
【0027】
〔おむつ非固定状態の伸長特性〕
実効伸長率における引張荷重、及び引張荷重増加率は、以下のようにして求められる。
おむつ1から、立体ギャザー(固定端と自由端との間の帯状部分)6を切り出して試験片とし、該試験片を、テンシロン引っ張り試験機〔(株)オリエンテック社製、RTC−1150A〕のチャック間に固定して長手方向に、速度300mm/min、ロードセル5kgの条件で伸長させ、その伸長過程における伸長率及び対応する引張荷重をプロットして、伸長率及び引張荷重の関係曲線〔横軸;伸長率(%),縦軸;引張荷重(gf),図6参照〕を得る。
【0028】
得られた関係曲線から、伸長率が20%のときと実効伸長率のときの各々の引張荷重の値を読み取る。また、伸長率が20%から実効伸長率までの関係曲線の勾配、即ち〔引張荷重(実効伸長率時)−引張荷重(20%時)〕/〔実効伸長率(%)−20%〕を算出し、その値を、伸長率が20%から実効伸長率までの間の引張荷重増加率(gf/%)とする。
尚、試験片は、おむつ長手方向の中央部に位置する部分が含まれるように切り出し、また、自然状態、即ち切り出したギャザーが自然に縮んだ状態で、平らな面を持つ板などの上で、負荷をできるだけかけずにギャザーを平らにした場合の長さが少なくとも70mm以上となるように切り出す。好ましくは、おむつ配設状態の伸長率を測定した後のものを使用する。伸長開始時の試験片の初期長(自然状態における長さ,伸長率0%)は50mmとし、該試験片をおむつに配設された状態における伸長率となるまで伸長させる。
【0029】
実効伸長率における引張荷重が20gf未満であると、装着時に立体ギャザーの先端部の起立性が損なわれ、立位での装着時などで立体ギャザーの先端部を股間部に誘導する際に立体ギャザーが倒れてしまったり、被装着者の肌にあたり折れ曲がってしまったりし、正しく装着することが難しくなる。また、被装着者の姿勢が変化した場合立体ギャザーの先端部が被装着者の肌との間に隙間が生じ排泄物がモレる可能性が大きくなる。たとえ、立体ギャザーの先端部が被装着者の肌に隙間なく接している場合でも、立体ギャザーとしての締め付け力が弱いために、排泄物を立体ギャザー間内に閉じ込めようとする隠蔽力が弱く、ギャザー先端部を押しのけて排泄物が外側に移動する可能性も大きくなり、漏れ防止効果として有効であるとはいえない。
実効伸長率における引張荷重が120gf超であると、おむつを展開する時の力が大きく展開しにくいおむつとなり、寝かせてあお向けで装着する場合などでは装着性が悪くなる。また、装着後のおむつの処理についてもおむつが丸まろうとする力が強いため操作性が悪くなる。
【0030】
また、通常立位での装着では、おむつが股間部に挿入されたときに、テープ部を止着するまでもなくおむつが丸まったり、ズレ落ちてしまったりして装着が難しい。
これらは本発明のようにおむつ配設時の伸長率が大きくなると生じる課題であり、展開時に伸長された立体ギャザーが伸長を開放するように縮もうとして生じ、結果的におむつを丸めてしまう現象である。したがって、本発明では引張り荷重をある程度小さくすることで、縮もうとする挙動に対する力を小さくし、縮もうとする現象を遅延させたり、縮んだものを展開するときに必要な力を小さくすることで、装着者の装着性を悪化させないことを達成した。特におむつ配設時の伸長率が同じ条件では伸長応力が支配因子であり、伸長応力が小さいほど伸びやすく、扱いやすいおむつとなる。120gfを超えない程度であれば装着者はおむつを展開するときに容易に展開でき、操作性も損なわないといえる。
【0031】
引張荷重増加率は小さいほうが好ましく、装着されたおむつの立体ギャザーが肌へ密着し、漏れを防止しようとする力が装着者の姿勢の変化や様々な装着方法により大きく変わらない。また、装着時においてもおむつを展開するときに急激な力の変化がなく、展開時に装着者が感じるギャザーの重量感(いわゆる重たさ)がなく、扱いやすいため、寝位・立位ともに装着性が向上できる。
したがって、引張荷重増加率を、伸長率の単位増加量当たりの引張荷重の増加量として計算した場合、引張荷重増加率は、伸長率が0%超から実効伸長率までの総ての地点で1.0(gf/%)以下であることが好ましい。しかしながら、一部の区間では1.0(gf/%)超になる場合がある。そのような区間が伸長率0〜20%程度の部分である場合に、実質的に上述の効果を有するものは本発明の主旨から逸脱するものではない。とはいえこの区間においての引張荷重増加率としての上限は2.0(gf/%)までであることが好ましい。
このような観点から、本発明では、伸長率が20%から実効伸長率の間の引張荷重増加率を規定している。
【0032】
本参考形態の使い捨ておむつ1によれば、吸収体配設領域の一部分が低剛性領域R1となっており、且つ低モジュラスの立体ギャザー6を高伸長率で配してあるため、寝位での装着のみならず、立位で装着する際にも極めて装着性に優れている。
即ち、従来の展開型使い捨ておむつにおいては、被装着者(赤ちゃん等)に寝位で装着する場合には、該被装着者の両脚を左右に大きく拡げることができるため、おむつの装着は比較的容易である。しかし、立位で装着する場合には、両脚を大きく拡げるような体位をとらせることは困難であるため、必然的に股間部の幅(両脚間の幅)が狭くなり、その狭い股間部に、沢山の構成部材からなる使い捨ておむつを挿入して装着することになる。これが要因であると推定されるが、立位で装着する場合には、おむつの装着位置が寝位で装着する場合に比べて下方にずれた位置となる場合が殆どであり、装着位置が下方にずれることにより、被装着者の仮想的な腹囲(腹部の周長)が長くなる。従来の使い捨ておむつにおいては、立位と寝位とで被装着者の体型が変化することによる腹囲(腹部の周長)の変化に加えて、このように装着位置のずれによる仮想的な腹囲(腹部の周長)の変化が生じるため、立位における装着は寝位における装着に比べて一層困難であった。
上述の観点から幅方向の剛性を柔らかくしていくと装着性はよくなると考えられるが、そのように配したおむつでは股間部が必要以上にヨレてしまい、モレ易くなってしまう。したがって、幅方向に関して柔らかくしようということは考えにくい。
これに対して、本参考形態の使い捨ておむつ1によれば、今回高伸長率低モジュラスギャザーを導入することにより、ギャザーの起立性が上がるのでヨレたとしても空間がしっかり保たれてモレを防止できたことから、モレ性能と装着性の向上が同時に実現できた。
したがって、モレ性能を維持しながら、おむつを装着する際に、立位時の狭い股間部におむつがスムーズに入り込み、立位で装着する場合であっても寝位の装着位置と変わらない位置におむつを装着することができるため、立位での装着性を向上させることができる。また、立位での装着性を向上させるに伴って、第1部の幅方向の伸縮幅や第1部の幅を極端に大きくする必要もなく、寝位での装着性を損なうこともない。
【0033】
本発明の立体ギャザーは、そこに配する弾性部材が全体で、少なくとも伸長率20%から実効伸長率までの引張り荷重増加率が1.0(gf/%)以下で、実効伸長率での引張り荷重が20〜120gfとなるものを、不織布製シートに接着固定する方法等によって得ることができる。ここで「全体で」とは、立体ギャザーに複数本弾性部材を配する場合には、「複数本の合計として」という意味である。立体ギャザー用弾性部材としては、糸状のもの(糸ゴム等、好ましくは太さ450dtex以下)、所定幅の帯状のもの(平ゴム等、好ましくは太さと厚みの比が0.1〜1のもの)、薄膜状のもの等を挙げることができ、弾性部材の形成素材としては、天然ゴムの他、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等を挙げることができる。また、弾性部材を複数本立体ギャザーに配する場合には、各弾性部材における少なくとも伸長率20%から実効伸長率までの引張り荷重増加率が0.5(gf/%)以下で、実効伸長率での引張り荷重が5〜50gfのものを使用することが好ましい。
【0034】
更に、本参考形態の使い捨ておむつ1によれば、胴回り部弾性部材81が、上述したように、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を備えた本体部分10におけるシート間に一体的に固定されているため、本体部分10に所要の弾性伸縮性を付与することができると共に、本体部分10に別体の弾性伸縮材を連結した構成を有するもの(例えば特表平9−507409や特開平6−63077に記載のもの)とは異なり、例えば、はいはいで逃げる子供に対して急いで止着する場合などにファスニングテープ5を強く引っ張っても伸縮部が破損する恐れがない。このため、従来のように着用者を仰向けにした状態で第1部を着用者の背側に位置させ、ファスニングテープ5,5を腹側でランディングゾーン53に止着する方法(以下、腹側装着という)だけではなく、背側でファスニングテープ5,5をランディングゾーン53に止着する方法(以下、背側装着という)でも着用させ易いという効果も奏される。
【0035】
本参考形態の使い捨ておむつ1は、おむつを長手方向に2等分(全長を2等分)する中央線CL(図2参照)の両側の飽和吸収容量、即ち中央線CLの両側に位置する両部分F,Gの飽和吸収容量の比(部分F/部分G)が45/55〜55/45であるので、背側装着した場合においても尿漏れが生じない。
即ち、本参考形態の使い捨ておむつ1は、腹側装着できるのみならず、前記背側装着でも容易に装着することができ、何れの場合において漏れが生じない。装着の向きを問わずに尿漏れが生じないようにする観点から、前記飽和吸収容量の比(部分F/部分G)は48/52〜52/48であることが好ましく、両部分の飽和吸収容量は、両者の差が小さい程好ましい。尚、図4には、立ち上がった状態の被装着者(幼児)に、使い捨ておむつ1を背側装着した状態が示されている。
【0036】
ここで、おむつの中央線CLの両側の飽和吸収容量は、以下のようにして測定される。
〔飽和吸収容量の測定方法〕
先ず、おむつ1を、その長手方向を2等分する中央線CLで幅方向に切断する。そして、立体ギャザー及びレッグギャザーを切断して除去する。更に、胴回り部に配された伸縮部を切断する。但し、吸収層の構造が破壊又は切断されることがないように留意する。容器から水平に取り出せるように加工した金網に、切断したおむつを載せ、金網ごと重量を測定する。予め側面下部に溶液を排出する開口部を設けた容器内に金網ごとおむつを入れ、排泄開口部を閉じ、0.9重量%の生理食塩水を吸収体が完全に浸漬するように注入する。この時、おむつの切断端部からポリマー等が脱落しないように注入速度を調節する。完全浸漬後30分放置する。その後、排出開口部を下側にして容器ごと10度傾け、排出開口部を開き、容器内の溶液を排出する。排出が完全に終了するまで30分放置し、その後、容器から金網ごとおむつを取り出し、金網ごと重量を測定する。「試験終了後の重量」−「試験開始前の重量」からおむつの吸収量を算出し、この値を飽和吸収量(g)とする。
【0037】
また、本参考形態のおむつ1においては、各サイド伸縮部8は、収縮状態の幅〔おむつから切り出して自然に収縮させた状態における、おむつ幅方向の長さ(おむつ幅方向に対応する方向の長さ)をいう。以下、「収縮状態の幅」ともいう。〕が20mm以上、好ましくは20〜100mmであり、一対のファスニングテープ5,5間を、おむつ幅方向に伸長させたときの伸長中間点における引張荷重が30〜300gfである。尚、引張荷重の測定においては、両ファスニングテープを把持し、両テープ間(第1部の両側端縁間)を自然状態の幅からその最大伸長幅の95%となるまで伸長させ、引張荷重は最大伸長幅と自然状態の幅の中間点で得られた荷重値とする。
サイド伸縮部8の収縮状態の幅を20mm以上とすることにより、装着が容易になる。特に立位での装着時及び背側装着時におけるテープをランディング部に止着することが容易となる。また、被装着者の腹部(胴回り部の変化に追従でき、適度な締め付け力を維持できる。
ファスニングテープ同士間の伸長中間点での伸長応力を、30gf以上とすることにより、胴回り部への適度なフィット感を提供し、装着後のズレ落ちやおむつの型崩れの防止、隙間の発生を抑制し、隙間からの漏れを防止し、また、着衣などがおむつ内に進入するのを防止する効果が得られる。300gf以下とすることにより、被装着者が着用時に窮屈に感じない適度な締め付け力とすることができる。また、ある程度の力で伸縮部が伸長できるため装着が容易となる。特に立位での装着時やはいはいで逃げる子どもの背側装着時におけるテープ部をランディング部に止着することが容易となる。
【0038】
尚、立位及び寝位での装着性、特に立位での装着性を向上させる観点から、股下部の最小幅W4(図2参照)は100〜240mm、特に120〜230mm、とりわけ120〜220mmが好ましく、左右両側のレッグ部弾性部材9,9同士間の最大幅W5(図2参照)は90〜230mm、特に100〜220mm、とりわけ100〜200mmが好ましい。左右の立体ギャザー6の自由端63同士間の幅W6(図2参照)は100mm以下、特に80mm以下であることが、着用者の両脚間に挿入し易く、おむつを引き上げ易いため好ましい。各立体ギャザーの幅W7(図2参照)は25〜60mmであることが好ましい。
通常の寝位での装着だけを考えれば、排泄ポイントに近い股下部の股間幅を狭くすることは、排泄物の漏れを誘引する恐れがあるし、第一、股間幅がある程度広くとも装着性にはさしたる影響はない。従って、通常は股間幅を狭くしようとは考えないところであろう。しかし本発明者らは、はいはいから歩行するまでの過渡期である、つかまり立ちやつたい歩きをするような子供に対して、立ったままで、しかも脚を上げなくても装着できるようなおむつの必要性を見出し、装着しやすさのために股間幅を狭くすることを考えたのである。そして、装着中の排泄物の漏れを防止するために、低モジュラスの立体ギャザーを採用し、立位での装着性と、立位装着後の漏れにくさを両立することに成功したのである。
【0039】
次いで、本参考形態の使い捨ておむつ1における各部の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3、立体ギャザー形成用の弾性部材61及びシート材62、ランディングゾーン53形成用のランディングテープ等の形成材料としては、従来、使い捨ておむつに用いられている各種公知の材料を特に制限なく用いることができる。
吸収体4としては、繊維集合体からなるものや、繊維集合体及び高吸水性ポリマーからなるもの等が用いられる。繊維集合体の形態としては、各種製法による不織布や繊維ウエブが挙げられる。高吸水性ポリマーを用いる場合、そのポリマーの存在態様は、繊維集合体の繊維間隙に分散されて保持されていても良いし、繊維材料からなる不織布や繊維ウエブ間にサンドイッチされて保持されていても良い。尚、繊維集合体、又は繊維集合体及び高吸水性ポリマーからなる吸収体は、台紙や液透過性の不織布からなる柔軟な被覆シートで被覆されていることが好ましい。
【0040】
また、ファスニングテープ5は、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部を有するものでも、粘着剤を塗布して形成した粘着部を有するものでも良い。但し、粘着部の場合には、逃げる子供などに対して、おむつを逆向きに装着(背側装着)する際に、親や介護者等の手に粘着部が着くことによって装着不可能ないし著しく困難になる場合があるが、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部のように、ランディングゾーン53に機械的に係合する止着部を有するものは、そのような心配がないので、特に背側装着に際して好ましい。その場合、裏面シート3の外表面側を不織布等の係合性に富む素材により形成し、該不織布等の一部を、ランディングゾーン53として利用することもできる。
【0041】
ウエスト部弾性部材71、胴回り部弾性部材81及びレッグ部弾性部材9としては、それぞれ各種公知の弾性部材を用いることができ、例えば、各弾性部材の形態としては、糸状のもの(糸ゴム等)、所定幅の帯状のもの(平ゴム等)、薄膜状のもの等を挙げることができ、弾性部材の形成素材としては、天然ゴムの他、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等を挙げることができる。
尚、ウエスト部弾性部材71は、所定幅の帯状のものが好ましく、胴回り部弾性部材81は、糸状のものが好ましく、レッグ部弾性部材9は、平ゴム状のものが好ましい。また、糸状の胴回り部弾性部材81は、例えば、各サイド伸縮部8にそれぞれ3〜12本程度配設することが好ましい。
【0042】
図5は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつの要部を示す図である。
図5に示す本実施形態の使い捨ておむつは、上述した参考形態のおむつ1においては、低剛性領域R1が、前記吸収体配設領域における、おむつ長手方向の両側部に形成されていたが、これに代えて、低剛性領域R1が、図5に示すような態様で形成されている点において上述した参考形態のおむつ1と相違する。
図5示す実施形態の使い捨ておむつにおける吸収体配設領域には、低剛性領域R1が、図5に示すように、おむつ幅方向に亘って非連続的に形成されている。より具体的には、図5に示すように、おむつ幅方向の曲げ剛性が高い高剛性領域(図5中、斜線部に囲まれた縦長矩形状部分)と、おむつ幅方向の曲げ剛性が該高剛性領域より低い低剛性領域とが、おむつ幅方向に交互に且つそれぞれおむつ長手方向に延びて形成されており、該低剛性領域が、前記曲げ剛性が25gf/50mm以下の領域である低剛性領域R1である。
【0043】
以上、本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、上述した参考形態のおむつ1における第1部Bの胴回り部Eには、おむつ長手方向の両側部のみに伸縮部(サイド伸縮部8,8)が形成されていたが、おむつ長手方向の中央部にも両サイド伸縮部と連続又は非連続な伸縮部(幅方向に弾性伸縮する伸縮部)が形成されていても良い。
また、レッグ部弾性部材9は、おむつの長手方向の両側に、それぞれ股下部の側縁部に沿って円弧状に配しても良い。更に、各部の形状や各部材の配設態様等は適宜に変更可能である。
本発明の使い捨ておむつは、成人用の使い捨ておむつであっても良いが、幼児(ベビー)用の使い捨ておむつ、特におむつ換えを嫌がる幼児に適している。
【0044】
【実施例】
<参考例1>
図1〜図3に示す形態の使い捨ておむつを製造した。
製造した使い捨ておむつは、股下部の最小幅部分の股間幅(W4)、吸収体配設領域の幅(W2)、高剛性領域の幅(W3)の幅及び曲げ剛性、低剛性領域の幅(W3)及び曲げ剛性、おむつ配設状態における立体ギャザーの伸長率、引張荷重増加率、実効伸長率(おむつ配設時の立体ギャザーの伸長率―30%)における引張荷重、長手方向中央線CLの両側の飽和吸収容量の比(部分F/部分G)が、それぞれ表1に示す通りであった。立体ギャザー用の弾性部材としては帯状弾性部材2本を不織布シートに接着固定して配した。
尚、吸収体としては、上述した(1)の方法により、幅方向中央部に硬い部分が形成され幅方向両端部(長手方向両側部)に柔軟な部分が形成されたものを用いた。この使い捨ておむつについて、特に記載しない点については、後述する比較基準品と同様とした。
【0045】
<参考例2>
高剛性領域の幅(W3)及び曲げ剛性並びに低密度領域の幅(W1)及び曲げ剛性図1を、表1に示す通りに代えた以外は、参考例1と同様の構成の使い捨ておむつを製造した。
<参考例3,4>
全体が曲げ剛性の低い吸収体を用いて表1に示す吸収体配設領域を形成した以外は、参考例1と同様の構成の使い捨ておむつを製造した。
尚、参考例1,2,3のおむつは、第1部Bの胴回り部Eの幅方向所定伸長率における引張荷重が、第1部Bのウエスト部Dの幅方向の同じ伸長率の引張荷重よりも大きく、また、各サイド伸縮部の収縮状態の幅(おむつ幅方向の長さ)が40mm程度で、一対のファスニングテープ間を、おむつ幅方向に伸長させたときの伸長中間点における引張荷重が30〜150gfの範囲内であった。
【0046】
<比較基準品>
花王株式会社製の市販の展開型使い捨ておむつ(商品名;「メリーズ(モレないフィット のびちぢみギャザー)」,幼児用Mサイズ)を装着性評価のための比較基準品とした。この比較基準品の使い捨ておむつにおいては、この使い捨ておむつについて、参考例1の使い捨ておむつの各部に対応する部位の寸法や立体ギャザーの伸長特性等を表1に示した。尚、本比較基準品のファスニングテープ間を、おむつ幅方向に伸長させたときの伸長中間点における引張荷重は30〜150gfの範囲内であった。
【0047】
<比較例1>
吸収体として、幅方向中央部に硬い部分が形成され幅方向両端部(長手方向両側部)に柔軟な部分が形成されたものを用いた以外は、比較基準品と同様の構成を有する使い捨ておむつを製造した。
<比較例2>
吸収体として全域に硬い部分が形成されたものを用いた以外は比較基準品と同様の構成を有するおむつを製造した。
<比較例3>
参考例3において、胴回り部に胴回り部弾性部材を配設しない以外は、参考例3と同一構成の使い捨ておむつを製造した。
【0048】
図6は、おむつ非固定状態における立体ギャザーの伸長率と伸長応力(荷重)との関係を示すグラフであり、曲線〔1〕は参考例1,2,3、曲線〔2〕は比較基準品における各立体ギャザーの伸縮特性を示す曲線である。
【0049】
【表1】
【0050】
1)装着のし易さの評価
参考例1〜3及び比較例1,2の使い捨ておむつについて、装着のし易さを評価した。装着方法は、第1部を着用者の背側に位置させ、ファスニングテープを着用者の腹側においてランディングゾーンに止着する方法(腹側装着)とした。
紙おむつを使用して子育てしている(していた)11名に、参考例、比較基準品及び比較例の使い捨ておむつを渡し、各使い捨ておむつについて、寝位及び立位での装着を行ってもらった。そして、寝位で装着した場合と立位で装着した場合のそれぞれについて、比較基準品との比較における装着容易性の優劣を、点数化して評価してもらった。
先ず、比較基準品の装着性を100点満点で評価をしてもらい、その後、それぞれのおむつについて同じく100点満点で評価をしてもらった。その点数から比較基準品の点数を差し引きしたものをそのおむつの装着容易性の点数とした。パネラー毎の装着容易性の点数の合計点をそのおむつの点数とした。この結果を表2に示した。
【0051】
2)動的ズレ性の評価(ズレ落ち量の測定)
使い捨ておむつを、可動式の幼児腰部モデル(立位で両脚を前後させる歩行運動が可能であり、形態的に幼児の腰部を模してあるモデル)に立位の状態で装着した。おむつは、おむつのウエスト縁端(上端縁)がモデル上端から70mm下方に位置(モデル腹囲42cm)するように装着し、ファスニングテープの先端部同士の間隔を13cmとした。
その状態で140歩/分の歩行速度で5分間歩行運動をさせ、その歩行運動後に、ウエスト縁端の位置が元の位置からズレた距離を測定し、ズレ落ち量とした。
装着方法は、腹側装着とし、比較基準品、参考例1〜3及び比較例1,2の各使い捨ておむつについて腹側装着時におけるズレ落ち量を測定した。その結果を表2に示した。
尚、比較例2については、股間部におむつがうまく適合しないため測定を中止した。
【0052】
【表2】
【0053】
また、比較基準品、参考例4及び比較例3の各使い捨ておむつについて、装着方法を背側装着に代えた以外は上述した腹側装着時のズレ落ち量の測定方法と同様にして、背側装着時におけるズレ落ち量を測定した。その結果を表3に示した。
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、立位及び寝位の何れの状態においても装着し易いものである。また、立位で装着した後の漏れ防止性能も高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の参考形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。
【図2】 図2は、図1の使い捨ておむつを、各部の弾性部材を伸長させ平面状に拡げた状態(緊張状態)を示す一部破断平面図である。
【図3】 図3は、図1の使い捨ておむつの要部を拡大して示す平面図である。
【図4】 図4は、図1の使い捨ておむつを、立ち上がった状態の幼児に、第1部Bを腹側に位置させて装着(背側装着)した状態を示す側面図である。
【図5】 図5は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつの要部を示す図である。
【図6】 図6は、おむつ非固定状態における立体ギャザーの伸長率と伸長応力(荷重)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ファスニングテープ
6 立体ギャザー
8 サイド伸縮部(伸縮部)
R1 低剛性領域(柔軟な部位)
A 股下部
B 第1部(長手方向の一方の部位)
C 第2部
Claims (4)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備え、長手方向の一方の部位の両側縁部にファスニングテープが設けられており、該一方の部位の胴回り部における両側部に、おむつ幅方向に弾性伸縮するサイド伸縮部が形成されており、おむつ長手方向の両側に立体ギャザーが形成されているおむつであって、
股下部における前記吸収体が配されている領域である吸収体配設領域に、おむつ幅方向の曲げ剛性(JIS K7171に準拠して測定)が25gf/50mm以下の領域を有しており、
前記吸収体配設領域には、おむつ幅方向の曲げ剛性が高い高剛性領域と、おむつ幅方向の曲げ剛性が該高剛性領域より低い低剛性領域とが、おむつ幅方向に交互に且つそれぞれおむつ長手方向に延びて形成されており、該低剛性領域が、前記曲げ剛性が25gf/50mm以下の領域であり、
前記高剛性領域は、おむつ幅方向の中央部と、該中央部からおむつ幅方向に離間した左右の2カ所に形成されており、前記低剛性領域は、おむつ幅方向の中央部に形成された前記高剛性領域と前記左右の2カ所に形成された前記高剛性領域との間、及び前記左右の2カ所に形成された前記高剛性領域それぞれよりも更におむつ幅方向の外方にそれぞれ形成されており、
前記立体ギャザーは100%以上の伸長率で配されており、該立体ギャザーを、おむつから切り出した状態で伸長させたとき、おむつ配設状態における伸長率(%)から30%減じた伸長率として定義される実効伸長率における引張荷重が20〜120gfであり、伸長率が20%から該実効伸長率までの間の引張荷重増加率が1.0(gf/%)以下である立位での装着が容易なおむつ。 - 前記各サイド伸縮部は、おむつから切り出して自然に収縮させた状態における、おむつ幅方向の長さが20mm以上であり、
前記ファスニングテープ間の領域を、おむつ幅方向に伸長させたときの伸長中間点における引張荷重が30〜300gfである請求項1記載のおむつ。 - 前記股下部の最小幅部分の股間幅が100〜240mmである請求項1又は2記載のおむつ。
- 前記おむつを長手方向に2等分する中央線の両側の飽和吸収容量の比が45/55〜55/45である請求項1〜3の何れか記載のおむつ。
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