JP4086577B2 - 立位での装着が容易なおむつ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立位及び寝位の何れの状態においても装着し易い使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、使い捨ておむつとして、ファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつと、予めパンツ型に形成されたパンツ型の使い捨ておむつが知られており、展開型の使い捨ておむつは、新生児から使用できることや、製造コストが安いこと等から、最も一般的に用いられている。
【0003】
従来の一般的な展開型使い捨ておむつは、被装着者(赤ちゃん等)が仰向けに寝ている状態(以下、寝位ともいう)で装着するように設計されている。このため、静かに仰向けに寝ている状態(以下、寝位ともいう)の被装着者(赤ちゃん等)に対しては容易に装着できるが、活動が活発になった幼児期の頃は、おむつ交換をするために寝位で静止していることは少なく、また、寝位になることさえ嫌がる場合も多く、そのような場合に寝位で装着するのは非常に大変である。特に寝位での装着を嫌がったりする場合、例えば、はいはいをして逃げ回ったりする場合には、その装着が容易ではない。そのような子供に対しては四つんばいや立っている状態(以下、立位ともいう)で装着を試みることになるが、従来のおむつでは、この場合も装着は容易ではない。
【0004】
その一つの要因としては、従来の一般的な展開型使い捨ておむつは、寝位状態の被装着者に対して、その腹側においてファスニングテープをランディングゾーンに止着し装着するように設計されており、それ以外の方法で装着することが困難であるということが挙げられる。例えば、立ち上がった状態の被装着者に対して装着(以下、立位装着ともいう)したり、寝位又は立位の被装着者に対して、その背側でファスニングテープをランディングゾーンに止着して装着することは困難である。
また、他の原因としては寝位での装着の場合では、おむつは被装着者の背中と床(若しくは寝具)などの間に挟まれ、被装着者の荷重により装着位置から移動しにくい状態となっているのに対し、立位での装着の場合では、おむつはどこにも固定されていないために、装着者自身がおむつを装着位置から動かないように保持しながら、装着を行わなければならないことが挙げられる。
このような状況で、親はパンツ型のおむつを使用することを検討しはじめるが、つかまり立ちが始まったばかりのような乳幼児では立って脚を上げることが難しいので、結局パンツ型おむつを使うことを挫折してしまう。結局、親は逃げようとして暴れる子供を押さえ付けながら寝かせておむつ替えをしなければならなかった。
要するに、立位及び寝位の何れ状態においても充分に装着し易い使い捨ておむつは、未だ提供されていないのである。
【0005】
従って、本発明の目的は、立位及び寝位の何れの状態においても装着し易い、テープ止めタイプのおむつを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備え、長手方向の中央部に股下部を有し、該股下部の前後に、両側縁部に一対のファスニングテープが設けられた第1部及び外表面に該ファスニングテープを止着するランディングゾーンが設けられた第2部を有する、使い捨ておむつであって、前記股下部の幅方向中央部が曲げ剛性が30〜150gf/50mmの高剛性領域となっており、該高剛性領域には、その折曲を容易にする屈曲補助部が形成されており、前記屈曲補助部は、おむつを長手方向に2等分する中央線の前後に一対形成されており、一対の該屈曲補助部は、それぞれ、前記股下部に形成されており且つおむつ幅方向に延びるように形成されており、おむつ長手方向の両側に、一対の立体ギャザーがそれぞれおむつの長手方向に沿って形成され、該各立体ギャザーは、弾性部材を有する立体ギャザー形成用のシート材を前記表面シートの両側縁の外方から内方に亘るように配設して形成されており、前記弾性部材は、それぞれ、おむつの長手方向に沿って配設されており且つ第1部と第2部との間に亘って配設されている、立位での装着が容易なおむつを提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備えている。使い捨ておむつ1は、幼児用の展開型の使い捨ておむつであり、長手方向の中央部に股下部Aを有しており、長手方向における該股下部Aの前後に、両側縁部に一対のファスニングテープ5が設けられた第1部B及び外表面にファスニングテープ5を止着するランディングゾーン51が設けられた第2部Cを有している。股下部Aは、着用時に着用者(被装着者)の股下部(股間部)に配される部位である。
【0008】
使い捨ておむつ1は、股下部Aの両側縁が円弧状に形成されており、全体として、長手方向中央部が括れた砂時計状の形状を有している。
表面シート2は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向中央部に配されている。裏面シート3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の両側縁41,41及び両端縁42a,42bから外方に延出しており、それらの延出部において互いに接合されている。裏面シート3の長手方向の両側部は、表面シート2の両側縁から幅方向外方に延出している。
【0009】
本使い捨ておむつ1における長手方向の両側には、一対の立体ギャザー6,6がそれぞれおむつの長手方向に沿って形成されている。各立体ギャザー6は、弾性部材61を有する立体ギャザー形成用のシート材62を表面シート2の両側縁の外方から内方に亘るように配設して形成されている。各シート材62は、吸収体4の側縁41と後述するレッグ部弾性部材71との間において、長手方向に亘って直線状に表面シート2上に固定されており、その直線状の固定部が立体ギャザー6の固定端64となっている。各シート材62は、前記固定端64よりも幅方向外方に位置する部分が表面シート2又は裏面シート3上に固定されており、また、おむつの長手方向両端部近傍における該固定端64よりもおむつ幅方向中央側に位置する部分が表面シート2上に固定されている。各立体ギャザー6に配設された弾性部材61は、それぞれ糸状の形態を有し、各立体ギャザー6の自由端63と略平行に複数本配されている。
【0010】
また、本使い捨ておむつ1の幅方向における、一対の立体ギャザー6,6よりも更に外側には、それぞれレッグ部弾性部材71,71が、直線状に配設されてレッグギャザー7,7が形成されている。
前記弾性部材61及び前記レッグ部弾性部材71は、何れも使い捨ておむつ1の長手方向に沿って配設された弾性部材であり、第1部Bと第2部Cとの間に亘って配設されている
【0011】
尚、第1部B及び第2部Cのウエスト部Dには、ウエスト部弾性部材81が配設されてウエスト伸縮部8が形成されており、また、第1部Bの胴回り部Eの両側部には、それぞれ複数本の胴回り部弾性部材91が配設されて一対のサイド伸縮部9,9が形成されている。第1部Bの胴回り部Eは、図2に示すように、使い捨ておむつ1を、その各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態(緊張状態)とし、第1部B側を上側、第2部C側を下側と考えた場合に、ウエスト部弾性部材81が配された部位よりも下方に位置し且つ股下部(着用時に着用者の股下に配される部分で、左右両側縁が脚廻りに沿わせるように凹状に形成されている部分)Aより上方に位置する部分である。
【0012】
本使い捨ておむつ1においては、図2及び図3に示すように、股下部Aの幅方向中央部が、曲げ剛性30〜150gf/50mmの高剛性領域R1となっている。股下部Aの幅方向中央部に、曲げ剛性30gf/50mm以上の高剛性領域R1が存在しないと、おむつを装着する際に、おむつの立体形態を、装着性を向上させ得る所定の折曲形態に保持することができず、立位装着性を向上させることができない。また、高剛性領域R1の曲げ剛性が150gf/50mm超であると、股下部Aがゴワゴワする等、着用中の装着感が悪化してしまう。該高剛性領域の剛性は35〜100gf/50mm、特に40〜80gf/50mmであると、被装着者の姿勢変形に応じてある程度の変形追従でき、フィット性及びモレ性能を向上させるという効果も奏されるので好ましい。
【0013】
本使い捨ておむつにおいては、高剛性領域に屈曲補助部11,12が設けられている。即ち、図1及び図3に示すように、前記高剛性領域R1に、屈曲補助部11,12が、おむつを長手方向に2等分する中央線CLの前後それぞれに一対、幅方向に延びるように形成されている。屈曲補助部は、高剛性領域R1が、おむつ長手方向の所定部位で長手方向に容易に屈曲するようにするものであり、屈曲補助部を設けることにより、おむつを装着する際に、立位装着性を向上させ得る好ましい形態(折曲した形態)に、使い捨ておむつを確実に変形させることができ、立位装着性を確実に向上させることができる。
【0014】
本実施形態における屈曲補助部11(12)は、図4に示すように、高剛性領域R1における少なくとも吸収体4を、表面シート2側から厚み方向に加圧圧縮して形成されている。加圧圧縮の方法としては、加圧のみ行う方法、加圧及び加熱を行う方法(ヒートエンボス等)、加圧及び超音波(超音波エンボス等)処理を行う方法等の何れの方法を用いることもできるが、加圧及び加熱を行う方法、特にヒートエンボスによる方法が好ましい。また、加圧圧縮により屈曲補助部を形成する場合の加圧圧縮は、高剛性領域R1に、直線状の圧縮部を幅方向に延びるように形成しても良いし、間欠的に複数の圧縮部を幅方向に並ぶように形成しても良い。更に、高剛性領域を折り曲げて加圧等により折り癖を付け、折り癖の付いたその折り曲げ部を屈曲補助部とすることもできる。
【0015】
該高剛性領域(図3中の斜線部)R1は、股下部Aにおけるおむつ幅方向長さの最小値(以下、「最小幅」という)W1(図2及び図3参照)が5〜90mm、特に10〜70mmであることが好ましく、おむつ長手方向の長さL1(図3参照)が100〜400mm、特に150〜300mmであることが好ましい。
【0016】
前記最小幅W1が5〜90mmの範囲内であると、おむつを装着する際に、おむつの立体形態を装着性を向上させ得る所定の折曲形態に保持でき、また、股下部Aがゴワゴワする等、着用中の装着感が悪化させることもなく、立位で装着する時におむつを所定の装着位置まで引き上げやすいため、立位装着性をより一層向上させられるという理由で好ましい。
【0017】
また、前記長さL1が100〜400mmの範囲内であると、おむつを装着する際に、おむつの立体形態を装着性を向上させ得る所定の折曲形態に保持でき、着用者の身体形状に一致させやすく、おむつと着用者との間の隙間をなくし、フィット性を向上させられる。特にウエスト部の隠蔽性及び、着用者の姿勢変化等によるウエスト部の形状変化に対しても追従性を維持できるため、立位装着性をより一層向上させられるという理由で好ましい。
【0018】
尚、前記長さL1は、おむつ全長の60〜90%であることが好ましい。前記長さL1を、おむつ全長の60%以上の長さとすることにより、おむつを装着する際に、おむつの立体形態を、装着性を向上させ得る所定の折曲形態に保持することができ、90%以下とすることにより、着用時のフィット性を確保することができる。
【0019】
立位での装着性及び着用中の装着感を向上させる観点から、高剛性領域R1は、おむつを長手方向に2等分するおむつ長手方向中央線CLの前後のそれぞれ30mm以上の長さL2,L2(図3参照)に亘って、その幅W(図3参照)が5〜90mmの範囲内であることが好ましい。
また、立位での装着性及び着用中の装着感を向上させる観点から、高剛性領域R1は、図3に示すように、第1部Bと第2部Cとの間に亘って存在していることが好ましく、股下部Aの長手方向の全域に亘って、その幅W(図3参照)が5〜150mmの範囲内であることが好ましい。
【0020】
本実施形態の使い捨ておむつ1においては、図3に示すように、高剛性領域R1の左右両側に、前記吸収体4が配されている領域であって、曲げ剛性25gf/50mm以下の低剛性領域R2,R2が形成されている。低剛性領域R1,R1は、吸収体4が配されている領域における、おむつ長手方向の両側部に、それぞれ長手方向に延びるように形成されている。
斯かる低剛性領域R2,R2を設けることで、おむつの装着時に低剛性領域が適度に変形し易くなり、おむつを股下部に挿入し引き上げる操作が容易となり着用者の股間部の所定位置に着用しやすくなる。また、着用者の動きに対して吸収体配設領域が追従することが可能となり、フィット性が向上する。さらに、立体ギャザー及びレッグギャザー部と高剛性領域との緩衝部として機能し、各々の機能を有効に発揮させることができることからモレ性能が向上する。
尚、股下部Aにおける、吸収体4が配されている領域(以下、吸収体配設領域ともいう)とは、使い捨ておむつ1を、図1に示すように平面状に拡げた状態(緊張状態)において平面視(俯瞰視)したときに、厚み方向の内部(上下面間)に吸収体4が存在する領域である。
【0021】
股下部の最小幅W4(図2参照)は100〜250mmが好ましく、特に、100〜230mm、とりわけ120〜200mmとすると、立位及び寝位での装着性、特に立位での装着がし易くなるので好ましい。左右両側のレッグ部弾性部材7,7同士間の最大幅W5(図2参照)は90〜230mm、特に100〜220mm、とりわけ100〜200mmが好ましい。左右の立体ギャザー6の自由端63同士間の幅W6(図1参照)は100mm以下、特に80mm以下であることが、着用者の両脚間に挿入し易く、おむつを引き上げ易いため好ましい。各立体ギャザーの幅W7(図2参照)は25〜60mmであることが好ましい。また、立体ギャザーの固定端64と高剛性領域R1の端部の距離W8(図2参照)は、25mm以上であることが装着容易性とフィット性の観点から好ましい。
【0022】
ここで、低剛性領域R1及び高剛性領域R2それぞれの、おむつ幅方向の曲げ剛性は、以下のようにして測定される。
〔曲げ剛性の測定方法〕
測定にはテンシロン試験機〔(株)オリエンテック社製のRTC−1150A〕を用い、JIS規格K7171法(プラスチック−曲げ特性の試験方法)に準拠して測定を行う(R1=5.0±0.1mm、R2=5.0±0.2mm一定)。
試験片をエッジスパン間Lを50mmとした支持台の両エッジ間に渡すように置き、試験片に僅かに接するように圧子先端部を配置する。ロードセル5kg(レンジ200gf)、速度30mm/minの条件で、圧子を降下させ、荷重−たわみ曲線を得る。得られた曲げ応力の最大値を曲げ剛性値(gf/50mm)とする。
試験片はギャザーを除去したおむつから、測定に影響するような折り目、しわ等が含まれないように表面材から裏面材までの構成部材を含めておむつの長手方向50mm、幅方向80mmの長方形の大きさに切り出す。曲げ剛性値の単位の50mmとは試験片の短辺の長さであり、試験時の圧子でたわませた試験片の幅である。
【0023】
試験片は、剛性を測定しようとする部位の幅が50mm超の場合には、その幅の全体を切り出す。剛性を測定しようとする部位の幅が50mm以下の場合には、その部位が含まれるように切り出し、両エッジ間に該部位の少なくとも一部が位置するように置く。
例えば、吸収体配設領域のおむつ幅方向の両端部の他の部位より低剛性の幅50mm以下の領域がある場合、測定片は、その低剛性の領域を長手方向の一端部に含むように切り出し、その低剛性の領域の一端が一方のエッジ上に位置し、他端がエッジ間に位置するようにセットする。この場合、前記圧子は、エッジ間の中央部において、その低剛性領域意外の部位を押圧することになる場合もあるが、得られる荷重の最大値は、主として低剛性の領域の剛性に依存するため、そのようにして得られた荷重の最大値を、その低剛性の領域の曲げ剛性値(gf/50mm)とする。
また、吸収体配設領域からおむつ幅方向の幅が50mm超の試験片を切り出し、該試験片について上述のようにして求めた荷重の最大値が25gf/50mm超である場合には、吸収体配設領域に、おむつ幅方向の幅W3(図3参照)が50mm以上で且つおむつ幅方向の曲げ剛性が25gf/50mm超の領域がある。
【0024】
尚、股下部Aにおける吸収体配設領域の幅W2(図3参照)は、股下部Aからのモレ及び第1部Bと第2部Cからのモレを防止する観点から50〜250mmであることが好ましく、おむつ股下部の最小幅は、立位での装着性及び股下部からのモレを防止する観点から50〜130mmであることが好ましく、股下部の最小幅部分における、おむつ幅方向の最も内側に配されたレッグ部弾性部材71,71間の離間幅W3(図2参照)は立位での装着性及び股下部からのモレを防止する観点から180〜230mmであることが好ましい。
【0025】
本実施形態の使い捨ておむつ1においては、吸収体として、図2に示すように、上部吸収層43及び下部吸収層44からなる2層構造の部分と、上部吸収層43又は下層吸収層44からなる1層構造の部分とを有する吸収体4を用いることによって、高剛性領域R1及び低剛性領域R2,R2を形成してある。
【0026】
本実施形態の使い捨ておむつ1によれば、図5に示すように、前記弾性部材61,71の収縮力により、使い捨ておむつに、長手方向の一方の部位と他方の部位とを近づける力が働くこと、及び高剛性領域R1が所定の部位(屈曲補助部11,12)において屈曲することの相乗効果によって、例えば、おむつ長手方向の一方の部位(第1部B又は第2部C)を両手又は片手で起立した状態に保持したときに、他方の部位(第2部C又は第1部B)も自然に起立した状態(第1部Bの内表面と第2部Cの内表面とが概ね相対向した状態)となる。即ち、第1部B及び第2部Cの両方を同時に支持しなくても、使い捨ておむつが、長手方向において、凹状に屈曲ないし湾曲した形態となり、その状態が安定に保持される。そのため、使い捨ておむつ1は、図6に示すように、立位状態の被装着者の股間部に容易にあてがうことができる。しかも、被装着者の股間部にあてがった後においても、凹状に屈曲ないし湾曲した形態が安定に保持されると共に、ファスニングテープ5,5がランディングゾーン51の近くに位置するため、ファスニングテープ5,5の止着も容易である。
【0027】
現在、テープ止めおむつは折りたたまれた状態でパッケージされて販売されており、これを従来は、長手方向に広げてから着用者のおしりを載せるようにして使用するものであった。このため、おむつが長手方向に湾曲してしまうと着用しにくいため、おむつを広げても折り畳まれた状態に戻りにくいようにしていた。このような常識に反して本願発明ではおむつに高剛性領域を積極的に配し、かつおむつを長手方向に湾曲し易くするための屈曲補助手段まで設けている。これは、「テープ止めおむつを立位装着する」という新たな視点に基づいて初めて見出したものであり、当業界の常識を覆すものである。本願発明のように配することで、第1部B及び第2部Cの両方を同時に支持しなくても、使い捨ておむつが、長手方向において、凹状に屈曲ないし湾曲した形態となることが可能であり、保持手段がない立位での装着において、片側を支持することで仮想の保持部が形成できることから、立位での装着が格段に向上できる。
【0028】
本実施形態の使い捨ておむつ1における各部の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4、及立体ギャザー形成用のシート材62、ランディングゾーン51形成用のランディングテープ等の形成材料としては、従来、使い捨ておむつに用いられている各種公知の材料を特に制限なく用いることができる。
【0029】
ファスニングテープ5は、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部を有するものでも、粘着剤を塗布して形成した粘着部を有するものでも良い。また、裏面シート3の外表面側を係合性に富む素材により形成し、それをランディングゾーン51として利用することもできる。
【0030】
立体ギャザー形成用の弾性部材61、レッグ部弾性部材71、ウエスト部弾性部材81及び胴回り部弾性部材91としては、それぞれ各種公知の弾性部材を用いることができ、例えば、各弾性部材の形態としては、糸状のもの(糸ゴム等)、所定幅の帯状のもの(平ゴム等)、薄膜状のもの等を挙げることができ、弾性部材の形成素材としては、天然ゴムの他、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等を挙げることができる。
【0031】
以上、本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、吸収体配設領域の全体が高剛性領域R1となっていても良い。
図7は、本発明の他の実施形態の要部を示す図であり、高剛性領域R1が、おむつ長手方向中央線CLの前後のそれぞれ30mm以上の長さ(L2>30mm)に亘って一定の幅を有しており、その幅は5〜90mmの範囲内である。
本発明の使い捨ておむつは、成人用の使い捨ておむつであっても良いが、幼児(ベビー)用の使い捨ておむつ、特におむつ換えを嫌がる幼児に適している。
【0032】
【実施例】
<実施例1>
図1〜図4に示す形態の使い捨ておむつを製造した。
製造した使い捨ておむつは、股下部の幅方向中央部に高剛性領域、その両外側に低剛性領域を有している。この使い捨ておむつにおける、高剛性領域の曲げ剛性、最小幅(本実施例ではおむつ長手方向中央線上の幅,W1)及び長さ(L1)、低剛性領域の曲げ剛性及び最小幅(おむつ長手方向中央線上の幅,W4)等を、表1に示した。また、この使い捨ておむつは、長手方向中央線CLの前後のそれぞれ30mm以上の長さに亘って、その幅が5〜90mmの範囲内である。
また、屈曲補助部は加圧圧縮により高剛性領域R1に直線状の圧縮部を幅方向に延びるようにおむつ長手方向中央線の前後に一対形成した。
【0033】
<比較例1,2>
高剛性領域の曲げ剛性、最小幅(W1)及び長さ(L1)、低剛性領域の曲げ剛性及び最小幅(W4)等を、表1に示す通りに代えた以外は、実施例1と同様の構成を有する使い捨ておむつを製造した。
【0034】
【表1】
Figure 0004086577
【0035】
<性能評価(装着のし易さの評価)>
実施例及び比較例の使い捨ておむつについて、寝位状態及び立位状態の幼児に対する装着のし易さを評価した。装着方法は、第1部を着用者の背側に位置させ、ファスニングテープを着用者の腹側においてランディングゾーンに止着する方法(腹側装着)とした。
紙おむつを使用して子育てしている(していた)11名に、実施例及び比較例の使い捨ておむつを渡し、各使い捨ておむつについて、寝位及び立位での装着を行ってもらった。
寝位で装着した場合と立位で装着した場合のそれぞれについて、比較基準品との比較における装着容易性の優劣を、
○;比較基準品よりも装着しやすい。
△;比較基準品とほとんど変わらない。
×;比較基準品よりも装着しにくい。
の3段階で評価をしてもらった。
一番評価の多いものをそのおむつの評価とし、結果を表1に示した。
【0036】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、立位及び寝位の何れの状態においても装着し易いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつを、各部の弾性部材を伸張させ平面状に拡げた状態(緊張状態)を示す平面図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつの長手方向中央線CLに沿う断面を示す模式断面図である。
【図3】図3は、図1の使い捨ておむつの要部を示す平面図である。
【図4】図4は、屈曲補助部の断面構成を示す図(図1のX−X線断面図)である。
【図5】図5は、図1の使い捨ておむつの自然状態下の長手方向に沿う断面を示す模式断面図である。
【図6】図6は、図1の使い捨ておむつを、立ち上がった状態の幼児の股間部にあてがった状態を示す側面図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態としての使い捨ておむつを示す図(図3相当図)である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ファスニングテープ
6 立体ギャザー
61 立体ギャザー弾性部材(弾性部材)
7 レッグギャザー
71 レッグ部弾性部材(弾性部材)
R1 高剛性領域
A 股下部

Claims (5)

  1. 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備え、
    長手方向の中央部に股下部を有し、該股下部の前後に、両側縁部に一対のファスニングテープが設けられた第1部及び外表面に該ファスニングテープを止着するランディングゾーンが設けられた第2部を有する、使い捨ておむつであって、
    前記股下部の幅方向中央部が曲げ剛性が30〜150gf/50mmの高剛性領域となっており、該高剛性領域には、その折曲を容易にする屈曲補助部が形成されており
    前記屈曲補助部は、おむつを長手方向に2等分する中央線の前後に一対形成されており、一対の該屈曲補助部は、それぞれ、前記股下部に形成されており且つおむつ幅方向に延びるように形成されており、
    おむつ長手方向の両側に、一対の立体ギャザーがそれぞれおむつの長手方向に沿って形成され、該各立体ギャザーは、弾性部材を有する立体ギャザー形成用のシート材を前記表面シートの両側縁の外方から内方に亘るように配設して形成されており、前記弾性部材は、それぞれ、おむつの長手方向に沿って配設されており且つ第1部と第2部との間に亘って配設されている、立位での装着が容易なおむつ。
  2. 前記高剛性領域は、股下部におけるおむつ幅方向の長さの最小値が5〜90mmであり、かつ、おむつ長手方向の長さが100〜400mmである請求項1記載のおむつ。
  3. 前記高剛性領域は、おむつを長手方向に2等分するおむつ長手方向中央線の前後のそれぞれ30mm以上の長さに亘って、そのおむつ幅方向の長さが5〜90mmの範囲内である請求項1又は2記載のおむつ。
  4. 前記高剛性領域の左右両側に、前記吸収体が配されている領域であって、曲げ剛性25gf/50mm以下の低剛性領域が形成されている請求項1〜3の何れか記載のおむつ。
  5. 前記屈曲補助部は、少なくとも前記吸収体を、前記表面シート側から厚み方向に加圧圧縮して形成されている請求項1〜4の何れか記載のおむつ。
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