JP2006043067A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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【課題】 吸収体の肌へのフィット性に優れており、構造が比較的簡易で安価に製造可能な使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】 本発明の使い捨ておむつ1は、吸収体4の長手方向の側縁に切込部44が形成されており、切込部44と重なるように弾性部材63が配設されている。切込部44は弾性部材63によって閉鎖される。切込部44は、好ましくは後身頃に形成されており、吸収体4の長手方向の両端縁のうちの近い方に向かって延びるように形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、使い捨ておむつに関する。
使い捨ておむつの吸収体は、おむつの製造工程においては、平面的な形状をなしており、おむつ使用時に、各部の弾性部材の収縮作用により立体的な形状とされるのが一般的である。しかし、立体的な形状となる際に、吸収体に不規則なシワが生じて、吸収体の肌へのフィット性が悪化することがある。特に、股下領域に充分な吸収容量を確保するために、吸収体の幅を比較的大きめにした場合に、吸収体の肌へのフィット性の悪化の程度が大きい。
特開昭61−171919号公報(特許文献1)には、両側の長辺部と両端の短辺部とからなるナプキン本体の長辺部に、適宜の間隔で複数の切込部を形成することにより、長辺部の中間部に変形容易な変形部を形成した生理用ナプキンが記載されている。しかし、切込部を形成するのみでは、着用者の動きによって変形部が不規則に変形して設計通りに変形しない。また、切込部の存在により漏れ防止性能を低下させる恐れがある。
また、特許3020003号公報(特許文献2)には、複数本の吸収性パッドを、平らな支持体表面に互いに間隔を置いて並べて配置し、これらの吸収性パッドを、予め伸張された弾性部材を用いて相互に接続することにより、立体的に湾曲した形状の吸収体とする技術が記載されている。しかし、この使い捨ておむつは、構造が複雑であり、加工性にも劣る。
特開昭61−171919号公報 特許3020003号公報
従って、本発明の目的は、吸収体の肌へのフィット性に優れており、構造が比較的簡易で安価に製造可能な使い捨ておむつを提供することにある。
本発明は、吸収体の長手方向の側縁に切込部が形成されており、自然状態で前記切込部が閉じるように、弾性部材が配設されている使い捨ておむつを提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の使い捨ておむつは、吸収体の切込部を弾性部材で閉じることにより、吸収体シワの発生を抑制しつつ、吸収体を立体形状に保持することができる。その結果、本発明の使い捨ておむつは、吸収体の肌へのフィット性に優れており、また、構造が比較的簡易で安価に製造可能である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
図1〜3に示す使い捨ておむつ1は、成人用のパンツ型おむつであり、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及び液保持性の吸収体4を備え、着用時に着用者の腹側に配される腹側領域A、背側に配される背側領域B及びこれらの間に位置する股下領域Cを有し、腹側領域Aの両側縁部A1,A1と背側領域Bの両側縁部B1,B1とがヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段により接合されて、一対のサイド接合部23,23、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6が形成されている。
おむつ1は、図2及び図3に示すように、吸収性本体10と、該吸収性本体10の外面(着用者とは反対側に向けられる面)側に位置して該吸収性本体10を固定している外装体20とからなる。吸収性本体10は、縦長の形状を有しており、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を具備する。吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3間に挟持固定されている。吸収性本体10の長手方向の左右両側には、一対の立体ガード7が形成されている。吸収性本体10は、その長手方向を、展開且つ伸張状態(図2に示す状態)におけるおむつ長手方向に一致させて、外装体20の中央部に公知の接合手段(接着剤等)により接合されている。
ここで、展開且つ伸長状態とは、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。腹側領域の両側縁部と背側領域の両側縁部とが互いに接合されているパンツ型おむつの場合は、サイド接合部を引き剥がして(サイド接合部がない場合は着用者の左右側部に位置するおむつ側部を切断して)、おむつを展開状態とし、その展開状態のおむつを、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。本明細書に記載の各部の寸法や角度等は、特に説明しない限り、展開且つ伸長状態のおむつについて測定する。
外装体20は、図3に示すように、おむつの外表面(着用者とは反対側に向けられる面)を形成している外層シート21と、該外層シート21に隣接してその内側に積層接着された内層シート22とを具備し、これら両シート間に、後述する各部の弾性部材51,61,62,63,64,71が、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いて伸張状態で固定されている。
おむつ1においては、腹側領域A及び背側領域Bそれぞれにおけるウエスト部D1,D2に、それぞれ複数本のウエスト弾性部材51が、それぞれおむつ幅方向に沿って配されている。これらのウエスト弾性部材51により、ウエスト開口部5の開口周縁部に、実質的にその全周に亘るウエストギャザーが形成されている。
また、腹側領域A及び背側領域Bそれぞれにおける胴回り部E1,E2には、それぞれ複数本の胴回り弾性部材71が、それぞれおむつ幅方向に沿って配されている。胴回り弾性部材71は、図2に示すように、おむつ幅方向の左右に分割されているものと、幅方向の左右で連続したものとがあり、吸収体4の長手方向の両端縁それぞれより股下領域C側に配されている胴回り弾性部材71は、おむつ幅方向の左右に分割されている。
成人用のおむつにおいて、ウエスト部D1,D2とは、腹側領域A及び背側領域Bそれぞれにおけるウエスト端縁50A,50Bから股下領域C方向に50mmまでの領域であり、胴回り部E1,E2とは、腹側領域A及び背側領域Bそれぞれにおける、前記ウエスト部D1,D2よりも更に股下領域C方向に位置する領域である。腹側領域A及び背側領域Bとは、腹側及び背側において一対のレッグ開口部6、6の上端部65、65の位置よりも上方に位置する領域である。また、股下領域Cとは、一対のレッグ開口部6、6の上端部65、65の位置よりも下方に位置する領域である。ウエスト回り領域Dは、背側領域Bのウエスト部D1と腹側領域Aのウエスト部D2とを合わせた領域であり、胴回り領域Eは、背側領域Bの胴回り部E1と腹側領域Aの胴回り部E2とを合わせた領域である。
また、左右のレッグ部60には、第1及び第2のレッグ弾性部材61,62が配されており、これらのレッグ弾性部材61,62により、レッグ開口部6それぞれの開口周縁部に、実質的にその全周に亘って実質的に連続するレッグギャザーが形成されている。
吸収体4は、図2に示すように、おむつ長手方向と同方向に長い形状を有しており、該吸収体の長手方向の一端が背側領域Bに位置し他端が腹側領域Aに位置している。吸収体4の長手方向の両側縁41,41は、図2に示すように、股下領域Cにおいては外装体の両側縁の形状に沿った概略形状を有している。
吸収体4の両側縁には切込部44、45が形成されている。好ましくは、前記吸収体4の長手方向の両側縁41それぞれから、該吸収体4の長手方向の両端縁42,43のうちの近い方に向かって延びる切込部44,45が形成されている。「両端縁部42,43のうちの近い方」とは、個々の切込部について、その切込部に近い方という意味である。また、「両端縁42,43のうちの近い方に向かって延びる」とは、近い方の端縁に向かって延びる場合と、近い方の端縁の延長線に向かって延びる場合の両者が含まれる。
本おむつ1においては、おむつ幅方向に延びる中心線CLを(図2参照)を境にして前身頃Aと後身頃Bに区分したときの後身頃Bに、前記吸収体の長手方向の両側縁のうちの近い方向に向かって延びるように切込部44(以下、第1の切込部ともいう)が形成されている。後身頃Bは加齢に伴う変形(臀部の頬がこける等の身体形状変形)が大きいため、前身頃Aに比べ後身頃Bに前記切込部44を形成させる方が効果的である。おむつ幅方向に延びる中心線CLとは、展開且つ伸張状態における、おむつの長手方向の全長を2等分する線である。
第1の切込部44は、図2に示すように、股下領域Cを、前記中心線CLを境にして、背側股下部CBと腹側股下部CAに区分したときの背側股下部CBに形成されている。第1の切込部44の一端部44aは、背側股下部CBにおける側縁41に開口し、該切込部44の他端部44bは、背側領域Bに存する吸収体4の長手方向端縁42の方向に向かって延びている。背側股下部CBとは、股下領域Cに含まれ、かつ、中心線CLと、背側端部方向の一対のレッグ開口部6、6の上端部65、65に囲まれた領域である。腹側股下部CAとは、股下領域Cに含まれ、かつ、中心線CLと、腹側端部方向の一対のレッグ開口部6、6の上端部65、65に囲まれた領域である。
本おむつ1においては、前身頃Aにも切込部45(以下、第2の切込部ともいう)が形成されている。
第2の切込部45は、腹側股下部CAに形成されており、その一端部は、腹側股下部CAにおける側縁41に開口し、該切込部45の他端部は、腹側領域Aに存する吸収体4の長手方向端縁43の方向に向かって延びている。
第1の切込部44の長さL(図4参照)は、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし臀部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させる観点から20〜120mmであることが好ましく、より好ましくは30〜80mmである。
第2の切込部45の長さは、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし下腹部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させる観点から10〜100mmであることが好ましく、より好ましくは15〜50mmである。
第1の切込部44の長さLは以下の方法で測定する。切込部44により形成された開口部44aに接線44Aを引く。接線44A上で、かつ2接点44A'、44A''からの距離が等しくなる点を中点44A'''とする。中点44A'''と切込部44により形成された先端部44bとを結んだ距離を切込部44の長さLとする(図4参照)。第2の切込部45の長さについても同様である。なお、開口部44a付近の形状によって複数の接線が引ける場合には、2接点間の距離が最も短くなる接線を用いて長さLを測定する。
第1の切込部44は、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし臀部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させる観点から、その長手方向中心線44c(図4参照;中点44A'''と切込部先端部44bとを結んだ直線)と吸収体4の長手方向中心線46とのなす角度のうち鋭角の角度θ1(図4参照)が45〜80°であることが好ましく、より好ましくは45〜60°である。
第2の切込部45は、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし下腹部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させる観点から、その長手方向中心線44cと、吸収体4の長手方向中心線46とのなす角度のうち鋭角の角度θ1〔図4参照〕が、5〜30°であることが好ましく、より好ましくは10〜25°である。臀部と腹部の形状の違いを考慮すると、吸収体のフィット性向上、装着感向上の観点から、第1の切込部の前記角度θ1の値が第2の切込部の前記角度θ1の値よりも大きいことが好ましい。
第1の切込部44は、切込部を閉じた際にシワの発生が少ないことから、それぞれ、吸収体4の側縁41側の開口部44aから先端部44bに向かうに従って漸次幅が減少する形状であることが好ましく、特に本実施形態におけるように、平面視して略V字状であることが好ましい。第2の切込部45についても同様である。
第1の切込部44は、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし臀部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させる観点から、開口部44a側の開口幅W(図4参照)が20〜120mmであることが好ましく、より好ましくは30〜80mmである。開口部44a側の開口幅W(図4参照)とは、開口部44aに引いた接線44A上の2接点44A’、44A”間の最短距離をいう。第2の切込部45についても同様である。
本実施形態のおむつ1は、図1に示すように、自然状態とされた時に第1及び第2の切込部44,45が閉じるように、切込部閉鎖用の弾性部材63,64が配設されている。
詳細には、図2及び図4に示すように、第1の切込部44を閉鎖させるための弾性部材63が第1の切込部44と交差するように配されており、また、第2の切込部45を閉鎖させるための弾性部材64が、第2の切込部45と交差するように配されている。交差とは直接交わる場合以外に、他の部材が介在し、間接的に交わる場合も含む。
「切込部が閉じるように」とは、自然状態で、完全あるいはほぼ完全に閉じる場合に限られず、側縁間の距離が短くなる場合も含まれる。
切込部閉鎖用の弾性部材63を配することにより、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし臀部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させることができ、優れた装着感が得られる。
切込部閉鎖用の弾性部材64を配することにより、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし下腹部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させることができ、優れた装着感が得られる。
吸収体を肌に密着させるという吸収体のフィット性の観点、及び、ゴム接着用接着剤の肌当接面への染み出しによる肌トラブルの防止の観点から、弾性部材63,64は、おむつの厚み方向において、吸収体4よりも外側(非肌当接面側)に配されていることが好ましい。本実施形態における弾性部材63,64は、外装体20を構成する両シート21,22間に、接着剤を介して伸張状態で固定されており、また、弾性部材63,64は、それぞれ、複数本配されていることが好ましく、2本〜8本がより好ましく、2本〜5本が更に好ましい。図示の例においては、弾性部材63,64がそれぞれ2本略平行に配されているが、一本又は3本以上を配することもできる。
弾性部材63、64は、立体形状とされた時に切込部が確実に閉鎖されるようにする観点から、それぞれ閉鎖しようとする切込部44,45との交差角度(交差部に生じる二つの角度のうち小さい方の角度)θ2(図4参照,切込部44ととの交差角度のみ図示)が45〜90°であることが好ましく、より好ましくは60〜90°である。弾性部材63,64それぞれにおいて、交差角度θ2が2つある場合には、弾性部材63,64それぞれにおいて、少なくとも一つの前記交差角度θ2が前記条件を満たせば良い。ただし、切込部の閉鎖性を向上させる観点から、弾性部材63,64それぞれにおいて、2つの交差角度θ2が存在し、かつ、前記2つの交差角度θ2が前記条件を満たすことが最も好ましい。
本おむつ1における弾性部材63は、一端部63aが背側領域Bに配されており、他端部63b近傍が、背側股下部CBにおいて吸収体4と重なるように配されている。弾性部材63の一端部63aは、背側領域Bにおける両側縁部B1,B1に位置していることが好ましい。弾性部材63の吸収体と重なる部分は、接着剤やヒートシール等の公知の接合手段により直接、又は他のシートを介在させて間接的に吸収体4に固定されていることが好ましい。
弾性部材63を、このように配することで、おむつの臀部に対するフィット性を向上させることができ、特に着用者の起立時に着用者の臀部から腰にかけて生じ易い、おむつの弛みを防止でき、装着感及び外観を一層向上させることができる。
弾性部材63は、吸収体を横断して連続した状態で配されていても良いが、本実施形態におけるように、左右に分割(分離)された状態で配されていることが、吸収体4のシワに起因する装着性の低下、肌トラブルの誘発及び吸収体の幅縮みによる防漏効果の低減を防止する観点から好ましい。
尚、弾性部材63,64は、上述したウエスト弾性部材51、レッグ弾性部材61,62及び胴回り弾性部材71とは別に設けられている。また、弾性部材63の他端部63bは、背側股下部CBに位置している。
おむつ1は、ウエスト回り領域D及び胴回り領域Eがそれぞれ周方向に弾性伸縮性を有している。
ウエスト回り領域D及び胴回り領域Eは、それぞれ、前身頃及び後身頃の双方において弾性伸縮性を有することが、活動時に発生したシワが、着用時の肌に擦れて不快の原因になることを防止する観点から好ましい。
本発明のおむつが、パンツ型のおむつである場合、以下の要件(1)〜(4)を満たすことが好ましい。
(1)胴回り領域Eは、おむつの幅方向に荷重10Nとなるまで伸張させた後、荷重10N時の長さと自然長との中間の長さまで収縮させた時点の荷重(以下、胴回り荷重ともいう)が0.5〜2.0Nである。
(2)ウエスト回り領域Dは、おむつの幅方向に荷重10Nとなるまで伸張させた後、荷重10N時の長さと自然長との中間の長さまで収縮させた時点の荷重(以下、ウエスト回り荷重ともいう)が3.0〜5.0Nである。
(3)ウエスト回り荷重(a)に対する前記胴回り荷重(b)の比(b/a)が0.50以下である。
(4)一対のレッグ開口部6,6間に位置する領域P2(図5参照;後述)の面積が150〜300cm2である。
従来、複数の弾性部材を周方向に配設して胴回りギャザーを形成したパンツ型おむつが知られている。このような使い捨ておむつにおいて、胴回りギャザーによる過度の締め付けによる不都合(下腹部の圧迫感等)を防止するには、締め付け力を低減すれば良いが、その場合には、おむつのズレ落ちが生じやすくなる。
パンツ型おむつにおいて、上記要件(1)〜(4)を満たすことにより、おむつのズレ落ちを防止しつつ、胴回り荷重を低めに設定することができ、それにより、胴回りの締め付け過ぎを防止して装着感の一層の向上を図ることができる。しかも単に胴回り荷重を低めに設定する以上のゆったり感を胴回りから下腹部にかけての範囲に持たせることができることができ、切込部及び切込部閉鎖用の弾性部材により吸収体のシワによる違和感が防止されることとも相俟って、おむつ全体としての装着感が向上する。
上述した各要件について、より詳細に説明する。
〔上記要件(1)について〕
胴回り荷重を0.5N以上にすることで、着用時にお腹回りに発生したシワが、活動時にズボン等の重ねて着用される衣類により着用者の肌に擦れて不快の原因となることを防止でき、2.0N以下とすることで、お腹回りの締め付け力を低減して、着用者(特に高齢者)にゆったりとした快適な装着感を与えることができる。ズレ落ちの発生やシワによる不快感の発生を防止しつつ、着用者にゆったりとした快適な装着感を一層向上させる観点から、胴回り荷重は0.5〜1.3Nであることがより好ましい。
〔上記要件(2)及び(3)について〕
ウエスト回り荷重を3.0N以上とすると共に前記荷重比(b/a)を0.5以下とすることにより、胴回り荷重を低減させることによるズレ落ち防止力の低下をウエスト回り荷重の締め付け力で充分に補うことができ、活動時におむつのズレ落ちが生じにくくなる。また、ウエスト回り荷重を5.0N以下とすることにより、必要以上に着用者のウエスト回りを締め付けることがなくなり、過度の締め付けにより苦しさを感じたり、血行が妨げられる等の不都合が生じにくくなる。ズレ落ちの発生を防止しつつ、ゆったりとした良好な装着感を得る観点から、ウエスト回り荷重は3.5〜4.5Nであることがより好ましい。
〔上記要件(4)について〕
前記領域P2の面積を上記特定の範囲とすることにより、胴回り荷重を上記の範囲に設定する以上に、着用者の胴回りから下腹部にかけての範囲にゆったり感を持たせることができる。この効果は、加齢に伴って腹部が著しく増大した高齢者、特に高齢女性について顕著である。前記領域P2の面積は300〜700cm2であることがより好ましく、特に好ましくは400〜600cm2である。領域P2の面積を150cm2 以上、特に300cm2にすることにより、吸収体の配置面積を充分にとることができ、また、下腹部の過度の露出を防止して高齢者の嗜好に適合させることができる。
〔胴回り荷重の測定方法〕
おむつから胴回り領域Eを、腹側領域Aと背側領域Bとが連結されたリング状の状態のまま切り取り、これをサンプルとする。このサンプルを、水平な面上に、背側領域の外面が、該水平な面に当接するように載置し、かつ、押え付け、自然に収縮した状態における該サンプルの両端部間(左右のサイド接合部23同士間)の長さを測定して自然長とする。自然長は、サンプルの上縁部と下縁部との間を2等分する中央線に沿って測定する。
そして、テンシロン引っ張り試験機〔(株)オリエンテック社製、「RTC−1150A」〕のチャック間に固定し、更に、チャック間を10mm縮めてサンプルを弛ませ、その時の荷重をゼロとする。その後速度300mm/minで、おむつ幅方向と同じ方向に荷重が10Nとなるまで伸張させ、次いで、チャックの移動方向を逆にして同じ速度で荷重ゼロとなるまで収縮させる。
そして、荷重10Nとなるまで伸張させたときのサンプル長を強伸張時長とし、収縮(戻り)過程における、該強伸張時長と前記自然長との中間の長さ〔(強伸張時長−自然長)/2〕となった時点の荷重を、胴回り荷重とする。
〔ウエスト回り荷重の測定方法〕
おむつからウエスト回り領域Dを、腹側領域Aと背側領域Bとが連結されたリング状の状態のまま切り取り、これをサンプルとする以外は、上述した胴回り荷重の測定方法と同様にして測定する。
本おむつ1は、図6に示すように、おむつ幅方向に延びる中央線CLにより区分される前記前身頃Fと前記後身頃Gとを、前記表面シート2側の面同士を面接させて重ね合わせた状態において、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積(c)と、前身頃Aにおける、一対のレッグ開口部6,6間に位置する領域P2の面積(d)との比(c/d)が0.30〜0.75、特に0.35〜0.50であることが好ましい。尚、前記面積(c)は、各レッグ開口部について測定する。前身頃Aにおける、一対のレッグ開口部6,6間に位置する領域P2とは、前身頃Aにおいて、一対のレッグ開口部6,6と、おむつ幅方向に伸びる中心線CL、一対のレッグ開口部6、6の上端部65、65を結んだ線、とで囲まれた領域を指す。
各領域P1,P2の面積(後述するその他の寸法等も同様)を測定する際には、前身頃A又は後身頃Bにおけるレッグ開口部間にギャザーにより弾性伸縮性が付与されている場合には、該ギャザーを設計寸法まで引き延ばした状態として測定する。
前記比(c/d)を0.30以上とすることにより、装着感が一層確実に向上し、前記比(c/d)を0.75以下とすることにより、吸収体の配置面積を充分確保することができ、また、下腹部の露出の程度が小さくなり高齢者の嗜好に適合させることもできる。更に、0.30〜0.75の範囲内とすることで、レッグ開口部に対する脚の挿通性を向上させることもできる。
装着感を一層確実に向上させ、また、吸収性能の確保や高齢者の嗜好への適合を一層確実に防止する観点から、各レッグ開口部6の開口縁部6A,6Bに囲まれた各領域P1の面積(c)は90〜250cm2、特に120〜200cm2であることが好ましい。
また、同様の観点から、両レッグ開口部6,6間の最小幅W1(図5参照)の値は100〜200mm、特に120〜180mmであることが好ましい。
本実施形態のおむつ1は、一対のレッグ開口部6,6間の幅が最小となる部位66、66が、中心線CLから腹側に35〜140mm離間した位置に存在している。即ち、本実施形態のおむつ1は、図2に示すように、レッグ開口部6形成用の凹欠部60の形状を、後身頃Gよりも前身頃Fを大きく切り欠いた形状としてあり、一対のレッグ開口部6,6間の幅が最小となる部位66,66が、前身頃Aに位置しており、おむつ幅方向に延びる中心線CLから前記幅が最小値を示す部位66,66までの距離L1(図2参照)が35〜140mmである。
斯かる構成により、装着感を一層確実に向上させることができる。尚、前記幅が最小値を示す部位66,66が、おむつ長手方向に幅を有し領域として存在する場合、その幅を2等分する線(おむつ幅方向に延びる線)までの距離を、おむつ幅方向に延びる中心線CLからの離間距離L1とする。
また、本実施形態のおむつ1は、胴回り領域Eの自然長に対するウエスト回り領域Dの自然長の比(前者/後者)が0.70〜1.00である。ウエスト回り領域Dの自然長と胴回り領域Eの自然長とを比較的近い値に設定することによりウエスト回り領域Dに不自然なシワが発生することを防止できる。即ち、視力の低下した高齢者は、不自然なシワが多く生じていると、視覚の混乱によりウエスト開口部を認識しにくくなる場合があるが、自然長差を抑えて不自然なシワの発生を防止することで、このような問題の発生を防止することができる。
尚、胴回り領域E及びウエスト回り領域Dそれぞれの自然長は、おむつから上述した胴回り荷重又はウエスト回り荷重の測定方法と同様にして各領域をそれぞれ切り出し、各サンプルについて、その上縁部と下縁部との間を2等分する中央線に沿って自然長を測定する。
本おむつ1における弾性部材61、71は、吸収体の左右に分割配置されており、何れの弾性部材61,71も、吸収体4の少なくとも幅方向中央部においては弾性伸縮性を発現していない。本発明のおむつは、吸収体4の幅方向中央部には、該吸収体4の長手方向の全長にわたって弾性部材が配されていないことが好ましい。吸収体を横断して弾性部材が存在すると、吸収体の幅が弾性部材の収縮力により狭くなり、歩行時の活動によって、吸収体の位置が着用者の排泄部の位置からずれて漏れを発生させる恐れが生じる。吸収体4の幅方向中央部に弾性部材を配さないことで、吸収体の幅を広く維持してこのような不都合を防止することができる。前記切込部閉鎖用の弾性部材のおむつ幅方向中央側の端部同士の離間距離が、おむつ全幅の1/5〜3/5であることが好ましい。
上述した実施形態の使い捨ておむつにおける各部の形成材料について説明する。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、立体ガード7、外層シート21及び内層シート22等の形成材料としては、従来の使い捨ておむつ等において用いられている各種の材料を用いることができる。例えば、吸収体4としては、親水性繊維の集合体又はこれに高吸水性ポリマーを保持させてなるもの等を用いることができる。このような吸収体としては、パルプ繊維の積繊物やパルプ繊維と高吸水性ポリマーとの混合積繊物等を用いることができるが、このような積繊物に、アセテートトウなどの繊維を含ませたり、このような積繊物と紙や不織布等を組み合わせて吸収体とすることもできる。本実施形態における切込部44,45は、吸収体4の構成材料である親水性繊維の集合体の一部を切り欠いて形成してある。吸収体4は、親水性繊維の集合体又はこれに高吸水性ポリマーを保持させてなる吸収性コアの表面を、液透過性の薄紙や不織布で被覆してあるものであっても良く、切込部が閉鎖した状態は、切込部を挟んで相対向する吸収性コアの部分同士が直接接触していても良いし、薄紙や不織布を介在した状態で互いに密着していても良い。
前記弾性部材51,61,62,71,63、64の形成材料としては、使い捨ておむつ等に用いられる各種公知の弾性材料を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等の伸縮性の素材を広く用いることができ、例えば形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状、マルチフィラメントタイプ等の、糸状や紐状のもの、或いは帯状のもの等を用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されない。
本発明の使い捨ておむつは、成人用のパンツ型おむつ、特に高齢者用に適しているが、幼児用のパンツ型おむつに適用することもできる。幼児用のおむつの場合には、ウエスト回り領域Dは、ウエスト開口部の開口周縁端から30mm下方までの領域とする。更に、いわゆるテープ止めタイプのおむつに適用することもできる。
第2の切込部(切込部)は、省略可能である。ノッチ閉鎖用の弾性部材63,64は、吸収体の側縁側のノッチの端部近傍に、該ノッチと交差しないように配されていても良い。
<実施例1>
外装体形成用の外層及び内層シートとして何れも不織布を用いて、上記実施形態のおむつ1と同様の構成を有するおむつを製造した。
製造したおむつについて、切込部の有無、切込部の位置、切込部閉鎖用弾性部材の構成、切込部閉鎖用弾性部材と切込部の交差角度、ウエスト回り荷重、胴回り荷重、一対のレッグ開口部間の幅W1の最小値、該最小値を示す部位のおむつ下端部からの離間距離(腹側方向への離間距離)L1、前記領域P1の面積c(左右の平均値,左右各別の値もほぼ同じ)、前記領域P2の面積d、前記比(c/d)等を測定して表1に示した。
<比較例1〜4>
切込部の有無、切込部の位置、切込部閉鎖用弾性部材の構成、切込部閉鎖用弾性部材と切込部の交差角度、胴回り荷重、一対のレッグ開口部間の幅W1の最小値、該最小値を示す部位のおむつ下端部からの離間距離(腹側方向への離間距離)L1、及び前記領域P1の面積c(左右の平均値,左右各別の値もほぼ同じ)、前記領域P2の面積d、前記比(c/d)が表1に示す通りである使い捨ておむつを製造した。
比較例1は、前身頃及び後身頃において切込部閉鎖用弾性部材が配設されていないことのみが実施例1との違いであり、それ以外は実施例1と同様の構成を有する使い捨ておむつである。
比較例2は、前身頃及び後身頃において切込部が配設されていないことのみが実施例1との違いであり、それ以外は実施例1と同様の構成を有する使い捨ておむつである。
比較例3は、前身頃及び後身頃において切込部及び切込部閉鎖用弾性部材が配設されていないことのみが実施例1との違いであり、それ以外は実施例1と同様の構成を有する使い捨ておむつである。
比較例4は、胴回り荷重、一対のレッグ開口部間の幅W1の最小値、該最小値を示す部位のおむつ下端部からの離間距離(腹側方向への離間距離)L1、及び前記領域P1の面積c(左右の平均値,左右各別の値もほぼ同じ)、前記領域P2の面積d、前記比(c/d)が実施例1と異なる以外は、実施例1と同様の構成を有する使い捨ておむつである。
<性能評価>
1、装着感(吸収体の肌へのフィット性)
各おむつを、形態的に高齢女性の腰部を模してある腰部モデルに、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置がウエスト(胴の最も細い位置での周長線上)に位置するように装着した。
また、予め、前記腰部モデルの肌表面上で、かつ、おむつ装着時に吸収体の切込部が当接する位置に、装着圧測定装置((株)エイエムアイ・テクノ製の接触圧測定器(AMI3037−2))に接続された受圧センサ(φ=15mmのエアパック)を配置し、固定する。
脱着を3回繰り返し計3回の測定を行ない、前身頃及び後身頃のそれぞれにおける装着圧の平均値を、前身頃の吸収体装着圧、及び後身頃の吸収体装着圧とした。結果を表1に示した。
前身頃及び後身頃の吸収体装着圧(上述の方法にて測定した装着圧をいう)は、0.35kPa以上2.0kPa以下が好ましく、0.40kPa以上1.2kPa以下がより好ましい。0.35kPa未満の場合は、吸収体装着圧の測定毎のばらつきが大きく安定した吸収体装着圧を達成できない。吸収体装着圧が安定しない場合には、体型の個人差や活動時の体型変化によっては吸収体の肌へのフィット性が著しく低下する恐れがあり好ましくない。0.10kPa以下の場合は、エアパックの厚みが吸収体装着圧の値に大きく影響しており、実際には吸収体が肌に接していない可能性がある。そのため、0.10kPa以下の場合は、吸収体装着圧のばらつきの大小に関わらず好ましくない。2.0kPaより大きい場合は、吸収体装着圧がウエスト回りや胴回りのおむつの装着圧を超え、不必要な強い刺激、不快感を着用者の肌に与えてしまうため好ましくない。一般的なパンツ型使い捨ておむつのウエスト回り及び胴回りのおむつの装着圧は、1.0〜2.0kPaの範囲内にある。
前身頃において、「前記腰部モデルの肌表面上で、かつ、おむつ装着時に吸収体の切込部が当接する位置」とは、ヒップ囲を形成する線上にあり、かつ腹側正中線から前記線に沿って60mm離れた点から、腹側正中線に平行にウエスト端縁50A方向に40mm離れた位置をいう。
後身頃において、「前記腰部モデルの肌表面上で、かつ、おむつ装着時に吸収体の切込部が当接する位置」とは、ヒップ囲を形成する線上にあり、かつ背側正中線から前記線に沿って60mm離れた位置をいう。
形態的に高齢女性の腰部を模してある腰部モデルの各部寸法は以下の通りである。ウエスト囲=760mm、ヒップ囲=867mm、ウエスト幅=252mm、ヒップ幅=324mm、臀部厚径=224mm、大腿囲=390mm、股下−前ウエスト間距離=255mm、股下−後ウエスト間距離=238mm、股下−臀部突出点間距離=48mm、股上前後の長さ=736mm。
「ウエスト囲」とは、胴の最も細い位置での周長をいう。
「ヒップ囲」とは、臀部突出点の高さでの水平周長をいう。
「ウエスト幅」とは、胴の最も細い位置の高さで左右体側間の水平距離をいう。
「ヒップ幅」とは、臀部の左右最外突出部間の水平距離をいう。
「臀部厚径」とは、臀部突出点から体幹前縁までの水平距離をいう。
「大腿囲」とは、臀溝より下の位置で大腿が最も太い部位の水平周長をいう。
「股下−前ウエスト間距離」とは、股の最上位にセルロイド版を水平に挟み、前ウエスト点からセルロイド版上面までの垂直距離をいう。
(「前ウエスト点」とは、ウエスト囲を形成する線と腹側正中線とが交差する点をいう)
「股下−後ウエスト間距離」とは、股の最上位にセルロイド版を水平に挟み、後ウエスト点からセルロイド版上面までの垂直距離をいう(「後ウエスト点」とは、ウエスト囲を形成する線と背側正中線とが交差する点をいう)。
「股下−臀部突出点間距離」とは、股の最上位にセルロイド版を水平に挟み、臀部突出点からセルロイド版上面までの垂直距離をいう。
「股上前後長」とは、メジャーを股にくぐらせて測った前後ウエスト点間の長さをいう。
また、前記腰部モデルの形状は左右対称となっている。
2)ズレ落ち防止性(歩行時)
各おむつを、立位で両脚を前後させる歩行運動が可能であり、形態的に成人女性の腰部を模してある可動式の腰部モデル(各部寸法は前述)に、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置がウエスト(胴の最も細い位置での周長線上)に位置するように装着した。その状態で100歩/分の歩行速度で5分間歩行運動をさせ、運動後に150ccの人口尿を注入して更に5分間歩行させ、その後更に150ccの人口尿を注入して5分間歩行させ、その歩行運動後に、ウエスト開口周縁端(上端縁)の位置が元の位置からズレた距離(ズレ落ち量)を測定した。結果を表1に示した。
Figure 2006043067
表1に示す評価結果から、本発明の実施例1は、比較例1〜4に比較し、吸収体の肌へのフィット性およびズレ落ち防止性に優れることがわかる。
比較例1の吸収体装着圧は前身頃及び後身頃において0.35kPa未満であり、実施例1に比べ吸収体が肌に充分フィットしていない。
比較例2の吸収体装着圧は前身頃及び後身頃において0.35kPa未満であり、実施例1に比べ吸収体が肌に充分フィットしていない。比較例2は比較例1、比較例3に比べると高い吸収体装着圧を示しているが、実施例1に比べると吸収体装着は低く、かつ測定値のばらつきが大きいため、体型の個人差や活動時の体型変化によっては吸収体の肌へのフィット性が著しく低下する恐れがある。
比較例3の吸収体装着圧は前身頃及び後身頃において0.35kPa未満であり、実施例1に比べ吸収体が肌に充分フィットしていない。
比較例4の吸収体装着圧は前身頃及び後身頃において0.35kPa以上2.0kPa以下の範囲内にあり、充分な吸収体装着圧を達成しているが、ズレ落ち量が実施例1に比べ悪化している。
実施例1および比較例1〜3の比較から、吸収体長手方向側縁の切込部および切込部閉鎖用弾性部材の両者が組み合わさることにより大幅に吸収体装着圧が改善し、充分な吸収体の肌へのフィット性が達成できることがわかる。また、実施例1および比較例4の比較から、本発明により、充分な吸収体装着圧を達成すると共に、胴回りから下腹部にかけてのゆったり感(胴周り荷重の低減)とズレ落ち防止性という相反する作用を同時に達成することでき、おむつ全体としての優れた装着感を達成できることがわかる。
図1は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつを、その後身頃側から見た状態を示す斜視図である。 図2は、図1の使い捨ておむつの展開且つ伸張状態を示す平面図である。 図3は、図2のX−X線断面図である。 図4は、図1の使い捨ておむつにおける、切込部部周辺を拡大して示す模式平面図である。 図5は、図1の使い捨ておむつを、前身頃と後身頃とを表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた平面状態として、前身頃側から見た図であり、前身頃の一部を破断してある。
符号の説明
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ウエスト開口部
6 レッグ開口部
10 吸収性本体
20 外装体
44 第1の切込部(切込部)
45 第2の切込部(切込部)
63,64 切込部閉鎖用の弾性部材
A 腹側領域
B 背側領域
C 股下領域


Claims (9)

  1. 吸収体の長手方向の側縁に切込部が形成されており、自然状態で前記切込部が閉じるように、弾性部材が配設されている使い捨ておむつ。
  2. 前記切込部は、前記使い捨ておむつを、おむつ幅方向に延びる中心線を境にして前身頃と後身頃に区分したときの後身頃に形成されており、前記吸収体の長手方向の両端縁のうちの近い方に向かって延びるように形成されている請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記弾性部材は、前記切込部と交差するように配されており、その交差角度が45〜90°である請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記弾性部材は、前記吸収体の左右両側にそれぞれ配されており、左右の各弾性部材は、一端部が背側領域に配されており、他端部が股下領域を背側股下部と腹側股下部とに区分したときの背側股下部において前記吸収体と重なるように配されている、請求項1〜3の何れか記載の使い捨ておむつ。
  5. ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ形の使い捨ておむつであり、
    ウエスト回り領域及び胴回り領域がそれぞれ周方向に弾性伸縮性を有しており、
    前記ウエスト回り領域を、おむつの幅方向に荷重10Nとなるまで伸張させた後、荷重10N時の長さと自然長との中間の長さまで収縮させた時点の荷重(a)が3.0〜5.0Nであり、
    前記胴回り領域を、おむつの幅方向に荷重10Nとなるまで伸張させた後、荷重10N時の長さと自然長との中間の長さまで収縮させた時点の荷重(b)が0.5〜2.0Nであり、
    前記ウエスト回り領域の前記荷重(a)に対する前記胴回り領域の前記荷重(b)の比(b/a)が0.50以下であり、
    前記使い捨ておむつを、おむつ幅方向に延びる中心線を境にして前身頃と後身頃に区分したときの前身頃における、一対の前記レッグ開口部間に位置する領域の面積が150〜700cm2である、請求項1〜4の何れか記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  6. 前記前身頃と前記後身頃とを、表面シート側の面同士を面接させて重ね合わせた状態において、前記各レッグ開口部の開口縁部に囲まれた各領域の面積(c)と、前記前身頃における、一対の前記レッグ開口部間に位置する領域の面積(d)との比(c/d)が0.30〜0.75である請求項5記載の使い捨ておむつ。
  7. 一対の前記レッグ開口部間の幅の最小値が100〜200mmである請求項5又は6記載の使い捨ておむつ。
  8. 前記胴回り領域の自然長に対する前記ウエスト回り領域の自然長の比が0.70〜1.00である請求項5〜7の何れか記載の使い捨ておむつ。
  9. 前記吸収体の幅方向中央部には、該吸収体の長手方向の全長にわたって弾性部材が配されておらず、前記弾性部材のおむつ幅方向中央側の端部同士の離間距離が、おむつ全幅の1/5〜3/5である請求項5〜8の何れか記載の使い捨ておむつ。

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