JP4173769B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、肌に対してやさしい風合いを有し、かつ高い防漏性を有する立体ガードを備えた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、吸収性物品は漏れ防止性能を高める目的で、着用者の肌に向かって起立する立体ガードを吸収体の側部に沿って配する技術が数多く提案されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1、2には、弾性部材をシート部材に伸長状態で接着固定することによってギャザーを形成し、股下部から排泄物が漏れるのを防ぐために立体ガードと肌の間の隙間を生じさせないようにすることに関する技術が開示されている。
しかし、従来の立体ガードは、弾性部材のシート部材への固定を強固なものとするために、比較的多量の接着剤が使用されており、そのため、着用者の肌に優しい感触を与えるという観点からは改良の余地があった。
また、特許文献3には、自由端と固定端との間に中空部を複数設け、各中空部内に弾性部材を配置したバリヤカフスが記載されている。このバリヤカフスにおいては、中空部内を弾性部材が移動してバリヤカフスの身体に対するフィット性が悪化したり、隣接する中空部間を仕切るシール部の存在により、身体に与える感触が悪くなる恐れがある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−250201号公報
【特許文献2】
特開昭63−12705号公報
【特許文献3】
国際公開WO95/07063
【0005】
従って、本発明の目的は、着用者の肌にやさしい感触を与え、かつ排泄物や体液が漏れ難い吸収性物品及びそのような吸収性物品の製造に好ましく用いられる立体ガード用伸縮部材の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、背側部、股下部及び腹側部を有し、着用者肌面側に起立する立体ガードを吸収体の側部に沿って備える吸収性物品であって、前記立体ガードは、立体ガード用シートに弾性部材が伸長状態で固定されて形成されており、前記背側部又は前記腹側部に、前記弾性部材が前記立体ガード用シートに、前記股下部におけるよりも強く接着された強接着部を有する吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
また、本発明は、背側部、股下部及び腹側部を有する吸収性物品の立体ガード形成用いられる立体ガード用伸縮部材の製造方法であって、立体ガード用シートを連続的に搬送しつつ、該立体ガード用シートにおける、前記背側部及び/又は腹側部に対応する部位に接着剤を間欠的に塗工する工程、弾性部材を連続的に搬送しつつ該弾性部材に連続的又は間欠的に接着剤を塗工する工程、及び前記弾性部材の接着剤塗工部が前記立体ガード用シートにおける前記股下部に対応する部位に少なくとも配されるようにして、該弾性部材を該立体ガード用シート上に固定する工程を具備する立体ガード用伸縮部材の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態としての使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示されるように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在する液保持性の吸収体4を有しており、実質的に縦長に形成されている。使い捨ておむつ1は、長手方向に順に背側部A、股下部B及び腹側部Cを有している。背側部A、股下部B及び腹側部Cは、使い捨ておむつを長手方向に3等分して各々1/3の領域に区分したときの各領域であり、中央に位置する股下部Bの前後に背側部A及び腹側部Cが位置している。背側部Aの左右両側縁にはファスニングテープ8が設けられ、腹側部Cの外表面側には、それを止着するランディングテープ部(図示せず)が設けられている。
本実施形態のおむつ1は、背側部Aを、着用者の背中側に配して着用することができると共に背側部Aを着用者の腹側に配して着用することもできる。
【0009】
吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3により挟持・固定されており、吸収体の周縁部におけるウエスト部5の一方とレッグ部6には、おむつ着用者に各部位をフィットさせるためのウエスト部弾性部材51及びレッグ弾性部材61が配設されている。
【0010】
使い捨ておむつ1の長手方向左右両側には、それぞれ立体ガード7が形成されている。各立体ガード7は、立体ガード用シート72に弾性部材71が伸長状態で固定されて形成されている。詳細には、図2に示すように、立体ガード用シート72が、表面シート2の両側縁の外方から内方に亘るように配設されており、立体ガード用シート72は、そのおむつ幅方向内側の縁部から所定幅の部分が折り返されて2層構造となった部分を有している。本実施形態においては、前記2層構造部分を構成する、立体ガード用シート72の折り返し部分72aとその折り返し部分72aを除く該シート72の他の部分72bとの間に弾性部材71が伸張状態で固定されて、弾性伸縮するギャザーを備えた立体ガード7が形成されている。尚、弾性部材71を挟む両側のシートは、本実施形態におけるように一枚のシートを折り返して形成した2枚のシートであっても良いが、不連続(別体)の2枚のシートであっても良い。
【0011】
本実施形態における立体ガード用シート72は、ヒートシール、接着剤等の公知の接合手段により、おむつ長手方向に亘って直線状に表面シート2上に固定されており、その直線状の固定部により立体ガード7の固定端73が形成されている。前記シート72は、固定端73よりも幅方向外方に位置する部分が表面シート2又は裏面シート3上に固定されており、また、おむつの長手方向両端部7a,7aにおける該固定端73よりもおむつ幅方向中央側に位置する部分が表面シート2側に伏倒されて固定されている〔図2(b)参照〕。
【0012】
本実施形態における弾性部材71は、股下部Bの長手方向全域に亘り伸縮性を発現するように伸長状態で配設固定されている。したがって、股下部においては立体ガード全体が着用者肌側に向かって起立するようになっている。尚、本実施形態では、弾性部材71の長手方向両端部は背側部A及び腹側部Cに存在して、股下部Bでの立体ガード7の起立性を確実にしている。立体ガード7は、着用時に長手方向の一側縁側が起立可能な部分であり、図1中に71aで示す部分と71b,71bで示す両部分とからなる。尚、本実施形態のおむつ1は左右対称の構成である。
【0013】
立体ガード7は、背側部A、股下部B及び腹側部Cのそれぞれにおいて、弾性部材71が立体ガード用シート72に接着固定されており、図1に示すように、背側部A及び腹側部Cのそれぞれに、その弾性部材71が、股下部Bにおけるよりも強く立体ガード用シート72に接着固定された強接着部71b,71bを有している。
より詳細には、立体ガード7は、背側部A及び腹側部Cそれぞれにおける、股下部B側からそれぞれの領域に若干入り込んだ部位に強接着部71b,71bを有しており、これら両強接着部71b,71bにおいて弾性部材71が相対的に強く接着固定されている一方、両強接着部71b,71b同士間の領域71aにおいては、その全域に亘って、前記両強接合部71b,71bそれぞれにおけるよりも相対的に弱い接着力で接着固定されている。
【0014】
弾性部材71を、強接着部71bにおいて、股下部Bにおけるよりも強く立体ガード用シート72に接着固定する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)強接着部に用いる接着剤として、股下部に用いる接着剤とは種類の異なる、相対的に接着力の強い接着剤を用いる方法。
ここで、接着剤の種類が異なるとは、主要な接着成分が異なる場合が挙げられる。尚、本発明において強接着部又は股下部に用いる接着剤としては、各種公知の接着剤が挙げられ、例えばスチレン系(SEBS系、SBS系、SIS系)ホットメルト、オレフィン系ホットメルト等が挙げられる。強接着部に用いる接着剤と股下部に用いる接着剤との組み合わせの一例としては、強接着部にスチレン系ホットメルト接着剤を用い、股下部にオレフィン系ホットメルト接着剤を用いる。
【0015】
(2)弾性部材71と立体ガード用シート72との接着に用いる接着剤の、該弾性部材の単位長さ当たりの重量が、股下部Bよりも強接着部71bにおいて高くなるようにする方法。
具体的には、弾性部材71には連続的に接着剤を塗布し、かつ立体ガード用シート72のおむつ背側部A及び腹側部Cに相当(対応)する部位に別途接着剤を塗布する方法が挙げられる。
(3)上記(1)の方法と上記(2)の方法とを併用する方法。
【0016】
背側部A及び腹側部Cのそれぞれに、弾性部材71が、股下部Bにおけるよりも強く立体ガード用シート72に接着固定された強接着部71b,71bを有しており、股下部Bを含む、強接着部71b,71b間の領域71aにおいては相対的に弱い接着力となっている。
このため、股下部Bを含む前記領域71aには、強い接着力による細かく強いギャザーが形成されず、大きなギャザーが形成される傾向にあり、着用者の肌に対して優しく当接する。また、硬さが減じられることにより、柔らかい風合いが得られる。これらの効果は前記(2)の方法を採用することによってより顕著となる。その一方で、強接着部71bにおいては、弾性部材71が立体ガード用シート72に強固に固定されているため、着用時又は着用中に立体ガード7が伸縮しても、強接着部71b,71b間の領域71aにおいて弾性部材71が立体ガード用シート72から剥離することが効果的に防止される。このため、立体ガード7の着用者への良好な当接性が着用中安定に保たれ、排泄物の漏れも良好に防止される。
【0017】
肌に対するやさしい感触と防漏性の維持の観点から、強接着部71bにおける接着剤の坪量が2〜20g/m2で、股下部Bにおける接着剤の坪量が1〜5g/m2であることが好ましい。
【0018】
また、前記(2)の方法を用いる場合には、強接着部における立体ガード7での接着剤坪量が2〜20g/m2であり、股下部Bにおいては弾性部材71の単位長さ当たりの接着剤重量が0.005〜0.04g/mであることが、同様の理由から好ましい。
【0019】
接着剤の坪量は、立体ガードの単位面積中に含まれる接着剤の重量であり、以下のようにして測定することができる。
図5に示すように、立体ガード7の長手方向の各領域71b,71a,71bから、弾性部材71が接着固定されている部分を含み且つ該各弾性部材71が立体ガード用シート72に接着された状態のままの所定幅のサンプル切り出して、重量W1を測定する。各サンプルを、接着剤が溶解可能な有機溶剤(クロロホルム、トルエン等)で洗浄し接着剤を洗い流す。その後弾性部材、立体ガード用シートを取り出して有機溶剤を蒸発させた後、サンプルの重量W2を測定する。重量W2とW1の差(W2−W1)をサンプル中の接着剤の重量とし、これをサンプルの面積で除して坪量(g/m2)を算出する。このとき、切り出す部位の立体ガード幅は各サンプルで同じとする。各サンプルの幅は、強接着部における接着剤塗工領域の幅(隣接する弾性部材間に接着剤が塗工されていない部分がある場合には該部分も含めた幅)とする。
また、弾性部材の単位長さ当たりの接着剤の重量を測定するには、立体ガード7から、弾性部材が接着されている部分のみ(若干近傍の立体ガード用シート部材を含むことは許容する)を切り出し、上述と同じ測定方法によって行う。
【0020】
本発明の吸収性物品の製造方法を、その好ましい実施形態を示して説明する。
本実施形態の製造方法においては、以下のようにして立体ガード用伸縮部材を製造する。
【0021】
先ず、図3に示すように、立体ガード用シート原反70を所定方向(図中の矢印方向)に連続的に搬送しつつ、該原反70における、おむつの背側部Aに対応する部位A’及びおむつの腹側部Cに対応する部位C’に、それぞれ第1の接着剤75,76を間欠的に塗工する。第1の接着剤75,76の間欠塗工は、原反70の流れ方向に接着剤を連続的に塗工した後に、その接着剤の連続的な塗工部上に重ねるようにして行っても良い。間欠塗工に先立ち接着剤を塗工しておく方法は、特に、油剤を含む弾性部材やタルクが付着している天然ゴム製の弾性部材を用いる場合にシート材に対する接着力を効果的に高められるため好ましい。尚、前記油剤としては、シリコン系油剤、炭化水素系油剤、およびそれらの混合物等が挙げられ、油剤を含む弾性部材の形成素材としては、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0022】
また、立体ガード用シート原反70に固定すべき、立体ガード形成用の弾性部材71を連続的に搬送しつつ、原反70に重ねていない状態の弾性部材71に対して連続的又は間欠的に第2の接着剤77を塗工する。弾性部材71に対する第2の接着剤77の塗工は、各種公知の方法により行うことができるが、例えばコームガン9が好ましく用いられる。
そして、第2の接着剤77を塗工した弾性部材71を、その接着剤塗工部78が立体ガード用シート原反70における、おむつ股下部Bに対応する部位B’に少なくとも配されるように立体ガード用シート原反70上に配置し、次いで、該原反70の一側縁から所定幅の部分を折り返して、その折り返し部72aとその折り返し部72aが重ねられる部位72bとの間に弾性部材71を固定する。尚、折り返し部72aの先端部79は、所望によりヒートシール等により固定しても良い。
【0023】
このようにして得られる立体ガード用伸縮部材7’は、個々のおむつに対応する所定形状に切断すると共に、第1接着剤の塗布部がそれぞれ背側部A及び腹側部Cに位置するようにおむつの他の構成部材に固定することにより、上述した構成の使い捨ておむつ1を効率的に製造することができる。この製造例においては、図3に示すように、第2接着剤の塗工部78が、第1接着剤75,76の塗工部間に亘っている。
尚、このような製造方法に用いる第1及び第2接着剤は、同じ種類でも異なる種類のものであっても良い。第1接着剤の塗工に先立ち塗布する接着剤と第1接着剤との間についても同様である。
【0024】
本発明のおいて、強接着部71b,71bを設ける部位は、弾性部材71の両端部が位置する部位に限られない。例えば、本実施形態のおむつ1においては、弾性部材71が、強接着部71b,71bよりも更におむつ長手方向の外方まで延びており、その延在部分は立体ガード用シート72に固定されずに実質的に伸張状態が解除されている。
また、背側部A又は腹側部Cにおいて所定以上の起立性を要しない場合,極端には股下部Bにおいてのみ伸縮性を必要とする場合の設計においては、背側部A及び腹側部Cの長手方向ほぼ全域にわたって弾性部材71を配し、かつ背側部A及び腹側部Cの股下部Bよりの領域のみで弾性部材を接着固定しても、股下部Bにおいては上述の効果が得られる。
【0025】
本実施形態においては、立体ガード7は、背側部A及び腹側部Cにおいておむつ幅方向内側に伏倒して接着固定したが、おむつ幅方向外側に伏倒して接着固定しても構わない。しかし、漏れ防止性能の点からは内側に倒して固定した形態が好ましい。
【0026】
また、後述するように弾性部材71を股下部Bにおいて比較的弱く接着することを容易にして上述した効果を得られること、及び、あらゆる装着状態において立体ガード7の起立性を確実なものとしつつ肌への装着感を良好なものとするために、立体ガード7は、低モジュラスのものを高伸張率で配設してあることが好ましい。具体的には、以下の通りである。
【0027】
立体ガード7は、使い捨ておむつ1に100%以上の伸張率(おむつ配設状態における伸長率)で配設されていることが好ましく、特に100〜300%の伸張率、とりわけ130〜200%の伸張率で配設されていることが好ましい。おむつ配設状態における立体ガード7の伸長率は以下のようにして測定される。
【0028】
〔おむつ配設状態の伸長率〕
おむつ長手方向の中央部に位置する部分が含まれるようにおむつから立体ガード(固定端と自由端との間の帯状部分)7を切り出し、最大に伸張させた時点(図1に示すおむつ配設状態における長さまで伸張させた時点)での、長手方向に離間した2地点間の区間Hの長さをH、その後伸張を開放し、自然状態、即ち、切り出した立体ガードが自然に縮んだ状態において測定した前記区間Hの長さhとしたとき、下記式(1)で表される。
伸張率(%)=(H―h)/h ×100 (1)
自然状態での長さhは、平らな面を持つ板などの上で負荷をできるだけかけずにギャザーによる凹凸を最小限にして測定する。区間の前記長さHとしては200mm程度設けることが好ましい。
【0029】
また、立体ガード7は、おむつ非固定状態(おむつに固定されていない状態、即ちおむつから立体ガードを切り出した状態をいう)で伸張させたとき、おむつ配設状態における伸張率(%)から30%減じた伸張率(おむつ配設状態伸長率−30%)で定義される実効伸長率における引張荷重が20〜120cN、特に50cN〜100cNであることが好ましく、伸張率が20%から前記実効伸張率までの間の引張荷重増加率が1.0(cN/%)以下、特に0.7(cN/%)以下であることが好ましい。
【0030】
実効伸張率、即ちおむつ配設状態の伸張率(%)から30%減じた地点で評価する意味は、伸張率(%)に対する立体ガードの荷重曲線、すなわち伸張応力を測定する際、それ以上の伸張率では構成部材の伸張荷重が含まれることが多く、立体ガードとしての物性値以上の荷重曲線となりやすく、正味の立体ガードの物性ではないためである。
また、おむつ装着時におむつはU字形状に湾曲し、その中に配された立体ガードはおむつのU字形状の外周より小さいU字状の軌線となるため、おむつ配設状態の伸張率まで伸張することはほとんどないために、おむつ配設状態の伸張率から減じた地点で評価することは実質的な装着状態での立体ガードの挙動を表すには妥当な地点であるといえる。
【0031】
〔おむつ非固定状態の伸張特性〕
実効伸長率における引張荷重、及び引張荷重増加率は、以下のようにして求められる。
おむつ1から、立体ガード(固定端と自由端との間の帯状部分)7を切り出して試験片とし、該試験片を、テンシロン引っ張り試験機〔(株)オリエンテック社製、RTC−1150A〕のチャック間に固定して長手方向に、速度300mm/min、ロードセル5kgの条件で伸張させ、その伸張過程における伸張率及び対応する引張荷重をプロットして、伸張率及び引張荷重の関係曲線〔横軸;伸長率(%),縦軸;引張荷重(cN),図4参照〕を得る。尚、図4中、曲線▲1▼が好ましい立体ガードの関係曲線の例である。
【0032】
得られた関係曲線から、伸張率が20%のときと実効伸張率のときの各々の引張荷重の値を読み取る。また、伸張率が20%から実効伸張率までの関係曲線の勾配、即ち〔引張荷重(実効伸張率時)−引張荷重(20%時)〕/〔実効伸張率(%)−20%〕を算出し、その値を、伸張率が20%から実効伸張率までの間の引張荷重増加率(cN/%)とする。
尚、試験片は、おむつ長手方向の中央部に位置する部分が含まれるように切り出し、また、自然状態、即ち切り出した立体ガードのギャザーが自然に縮んだ状態で、平らな面を持つ板などの上で、負荷をできるだけかけずに立体ガードを平らにした場合の長さが少なくとも70mm以上となるように切り出す。好ましくは、おむつ配設状態の伸張率を測定した後のものを使用する。伸張開始時の試験片の初期長(自然状態における長さ,伸張率0%)は50mmとし、該試験片をおむつに配設された状態における伸張率となるまで伸張させる。
【0033】
立体ガード形成用の弾性部材71は、従来公知のものが使用できるが、低モジュラスのものを使用することが上述の低モジュラスの立体ガード7を得ることができるので好ましい。
【0034】
また、立体ガード用シート72の基材としては、撥水性の不織布が好ましい。また、一部若しくは全体を液不透過性のフィルム材との複合材とし、肌と接触する面に不織布を配する構造とすることもできる。
【0035】
また、表面シート2,裏面シート3、吸収体4、ウエスト部弾性伸縮部材51及びレッグ弾性伸縮部材61の材料としては各種周知のものを使用することができる。
【0036】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、上述した実施形態においては一つの立体ガードに配された複数本の弾性部材7の何れもが立体ガード用シートに同様の態様で固定されていたが、複数本の弾性部材7の内の一部の弾性部材のみが、上記実施形態において説明した態様で立体ガード用シートに固定されていても良い。
また、本発明の吸収性物品は、使い捨ておむつに限定されるものではなく、ナプキン、生理用ショーツ等にも適用可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、着用者の肌に優しい感触を与え、かつ排泄物や体液が漏れ難いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを平面状に拡げた状態を示す平面図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつの部分断面図であり、図2(a)は図1のX−X線断面図、図2(b)は図1のY−Y線断面図である。
【図3】図3は、本発明の吸収性物品の製造に好ましく用いられる立体ガード用伸縮部材の製造方法の一例を説明するための図である。
【図4】図4は、おむつ非固定状態における立体ガードの伸張率と伸張応力(荷重)との関係を示すグラフである
【図5】図5は、立体ガードの各部における接着剤の坪量の測定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ウエスト部
6 レッグ部
7 立体ガード
71 弾性部材
72 立体ガード用シート
A 背側部
B 股下部
C 腹側部
Claims (5)
- 背側部、股下部及び腹側部を有し、着用者肌面側に起立する立体ガードを吸収体の側部に沿って備える吸収性物品であって、
前記立体ガードは、立体ガード用シートに弾性部材が伸長状態で固定されて形成されており、前記背側部及び前記腹側部に、前記弾性部材が前記立体ガード用シートに前記股下部におけるよりも強く接着された強接着部を有し、
前記強接着部は、前記立体ガードの起立可能な部分に形成されており、
前記股下部における前記弾性部材と前記立体ガード用シートとの固定は、該弾性部材側に塗工された接着剤によって固定されており、前記強接着部における前記弾性部材と前記立体ガード用シートとの固定は、該立体ガード用シート側に塗工された接着剤によって固定されており、
前記弾性部材は、前記強接着部それぞれより更におむつ長手方向の外方に、前記立体ガード用シートに固定されずに実質的に伸張状態が解除されている延在部分を有している吸収性物品。 - 前記強接着部における前記接着剤の坪量が2〜20g/m2であり、前記股下部における前記接着剤の坪量が1〜5g/m2である請求項1記載の吸収性物品。
- 前記弾性部材と前記立体ガード用シートとの接着に用いた接着剤の、該弾性部材の単位長さ当たりの重量が、前記股下部よりも前記強接着部において高い請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記強接着部における前記接着剤の坪量が2〜20g/m2であり、前記股下部における前記接着剤の前記弾性部材の単位長さ当たりの重量が0.005〜0.04g/mである請求項3記載の吸収性物品。
- 背側部、股下部及び腹側部を有する吸収性物品の立体ガード形成用いられる立体ガード用伸縮部材の製造方法であって、
立体ガード用シートを連続的に搬送しつつ、該立体ガード用シートにおける、前記背側部及び/又は腹側部に対応する部位に接着剤を間欠的に塗工する工程、
弾性部材を連続的に搬送しつつ該弾性部材に連続的又は間欠的に接着剤を塗工する工程、及び
前記弾性部材の接着剤塗工部が前記立体ガード用シートにおける前記股下部に対応する部位に少なくとも配されるようにして、該弾性部材を該立体ガード用シート上に固定する工程を具備し、
前記立体ガード用シートに接着剤を間欠的に塗工する工程は、該立体ガード用シートの搬送方向に接着剤を連続的に塗工した後に、該接着剤の連続的な塗工部上に接着剤を重ねて塗工する立体ガード用伸縮部材の製造方法。
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