JP4086576B2 - 立位での装着が容易なおむつ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、おむつ装着の際に、ファスニングテープの付け直しや仮止めを簡単に行うことができ、様々な装着方法、特に立位で容易に装着することのできるおむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、使い捨ておむつとして、ファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつと、予めパンツ型に形成されたパンツ型の使い捨ておむつとが知られており、展開型の使い捨ておむつは、新生児から使用できることや、製造コストが安いこと等から、最も一般的に用いられている。
【0003】
しかし、従来の展開型使い捨ておむつは、静かに仰向けに寝ている状態(以下、寝位ともいう)の被装着者(赤ちゃん等)に対しては容易に装着できるが、活動が活発になった幼児期の頃は、おむつ交換をするために寝位で静止していることは少なく、また、寝位になることさえ嫌がる場合も多く、そのような場合に寝位で装着するのは非常に大変である。特に寝位での装着を嫌がったりする場合、例えば、はいはいをして逃げ回ったりする場合には、その装着が容易ではない。そのような子供に対しては四つんばいや立っている状態(以下、立位ともいう)で装着を試みることになるが、従来のおむつでは、この場合も装着は容易ではない。
その一つの要因としては、従来の一般的な展開型使い捨ておむつは、寝位状態の被装着者に対して、その腹側においてファスニングテープをランディングゾーンに止着し装着するように設計されており、それ以外の方法で装着することが困難であるということが挙げられる。例えば、立ち上がった状態の被装着者に対して装着(以下、立位装着ともいう)したり、寝位又は立位の被装着者に対して、その背側でファスニングテープをランディングゾーンに止着して装着することは困難である。
また、他の原因としては寝位での装着の場合では、おむつは被装着者の背中と床(若しくは寝具)などの間に挟まれ、被装着者の荷重により装着位置から移動しにくい状態となっているのに対し、立位での装着の場合では、おむつはどこにも固定されていないために、装着者自身がおむつを装着位置から動かないように保持しながら、装着を行わなければならないことが挙げられる。
このような状況で、親はパンツ型のおむつを使用することを検討しはじめるが、つかまり立ちが始まったばかりのような乳幼児では立って脚を上げることが難しいので、結局パンツ型おむつを使うことを挫折してしまう。
【0004】
また、従来の展開型使い捨ておむつにおいては、着用中の負荷や幼児のいたずらによるファスニングテープの外れ等、装着者(親等)の意図しない外れを防止するために、最初の係合止着時から強い係合力が得られるようになっている。
そのため、ファスニングテープをランディングゾーン上の不適切な位置に係合止着させてしまった場合に、そのファスニングテープを、適切な位置に付け直すべく引き剥がすには、強い力が必要であり、ファスニングテープを強い力で引っ張ると、装着途中のおむつに意図しない変形が生じて、更に装着が面倒になる。特に、このタイプのおむつで立位での装着を試みると、ファスニングテープはランディングゾーン上の不適切な位置に係合止着しがちであり、しかも幼児は逃げようとするので適正な位置へ係合止着し直すことはより困難となる。
【0005】
また、一対のファスニングテープ同士間を収縮させることで、装着時のフィット性を向上させたおむつもあるが、ファスニングテープ同士間の伸長応力が大きく、実際の装着の際には伸びにくいものが多かった。そのようなおむつでは伸張させるために大きな引っ張り力が必要で、装着作業中にそのような力で引っ張ると装着途中のおむつに意図しない変形が生じて、更に装着が面倒になる。特に、立位の装着ではおむつを装着状態に維持する手段がないために顕著である。
【0006】
従って、本発明の目的は、おむつ装着の際に、ファスニングテープ同士間を容易に伸張させることができると共にファスニングテープの付け直しや仮止めが容易であり、特に立位で装着する場合の装着性及びモレ性能に優れた、立位での装着が容易な使い捨ておむつを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備え、長手方向の一方の部位の両側縁部にファスニングテープが設けられ、他方の部位の外表面に、前記ファスニングテープが機械的に係合するランディングゾーンが設けられ、一対の前記ファスニングテープ間に、おむつ幅方向に弾性伸縮する伸縮部が形成され、おむつ長手方向に沿って立体ギャザーが設けられているおむつであって、前記伸縮部は、弾性伸縮性を有する部分をおむつから切り出して自然に収縮させた状態における、おむつ幅方向の長さが40mm以上であり、前記ファスニングテープ間を、おむつ幅方向の最大伸張幅の95%まで伸張させたときの引張荷重が100〜500gfであり、前記ファスニングテープは、機械的ファスナーのオス部材からなる止着部を有し、前記ランディングゾーンは、前記裏面シートの外表面側に、織布、不織布又は編み物からなるランディングテープを固定して形成されており、前記ランディングゾーンには、加圧のみのエンボス加工、ヒートエンボス加工、又は超音波エンボス加工が施されており、且つ前記裏面シートの外表面と前記ランディングテープとの間が部分的に接合されており、前記ファスニングテープを前記ランディングゾーンに係合止着した状態で、剪断方向に、前記ファスニングテープ間を最大伸張幅まで伸張させたときの引張荷重となるように引っ張り、その引っ張り状態を解除した後に測定した係合力が、剪断方向に引っ張らない以外は同様にして測定した係合力よりも大きく、前記立体ギャザーは100%以上の伸張率で配されており、該立体ギャザーを、おむつから切り出した状態で伸張させたとき、おむつ配設状態における伸長率(%)から30%減じた伸長率として定義される実効伸張率における引張荷重が20〜120gfであり、伸長率が20%から前記実効伸長率までの間の引張荷重増加率が1.0(gf/%)以下である立位での装着が容易なおむつを提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備えている。使い捨ておむつ1は、展開型の使い捨ておむつであり、長手方向の中央部に股下部Aを有し、長手方向における該股下部Aの両側に第1部B及び第2部Cを有している。そして、長手方向の一方の部位である第1部Bの両側縁部にファスニングテープ5,5が設けられ、他方の部位である第2部Cの外表面にファスニングテープ5,5を機械的に係合するランディングゾーン53が設けられている。
股下部Aは、着用時に着用者(被装着者)の股下部(股間部)に配される部位である。本実施形態における第1部B及び第2部Cは、その何れか一方が着用者の背側に配され他方が着用者の腹側に配される。
【0009】
使い捨ておむつ1は、股下部Aの両側縁が円弧状に形成されており、全体として、長手方向中央部が括れた砂時計状の形状を有している。
表面シート2は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向中央部に配されている。裏面シート3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の両側縁41,41及び両端縁42a,42bから外方に延出しており、それらの延出部において互いに接合されている。裏面シート3の長手方向の両側部は、表面シート2の両側縁から幅方向外方に延出している。
【0010】
使い捨ておむつ1における長手方向の両側には、一対の立体ギャザー6,6がそれぞれおむつの長手方向に沿って形成されている。各立体ギャザー6は、弾性部材61を有する立体ギャザー形成用のシート材62を、表面シート2の両側縁の外方から内方に亘るように配設して形成されている。各シート材62は、吸収体4の側縁41と後述するレッグ部弾性部材9との間において、長手方向に亘って直線状に表面シート2上に固定されており、その直線状の固定部が立体ギャザー6の固定端64となっている。各シート材62は、前記固定端64よりも幅方向外方に位置する部分が表面シート2又は裏面シート3上に固定されており、また、おむつの長手方向両端部近傍における該固定端64よりもおむつ幅方向中央側に位置する部分は表面シート2上に固定されている。各シート材62の立体ギャザー6には、その自由端63と略平行に複数本の糸状の弾性部材61が配設されている。
【0011】
使い捨ておむつ1における第1部Bのウエスト部Dには、ウエスト部弾性部材71が配設されてウエスト伸縮部7が形成されており、また、第1部Bの胴回り部Eの両側部には、それぞれ複数本の胴回り部弾性部材81が配設されて一対のサイド伸縮部(幅方向に弾性伸縮する伸縮部)8が形成されている。一対のサイド伸縮部8,8は、何れも、一対のファスニングテープ5,5間に形成されている。
【0012】
ウエスト部Dは、着用時に着用者の腰回りに配される部分であり、おむつの長手方向の両端部分を構成している。本実施形態のおむつ1においては、第1部B及び第2部Cそれぞれにおけるウエスト部Dに、ウエスト部弾性部材71が配設されてウエスト伸縮部7が形成されている。各ウエスト部弾性部材71は、おむつの幅方向に亘って伸張状態で配設されている。尚、ウエスト部弾性部材71は、帯状の形態を有し、ウエスト部Dにおける裏面シート3と表面シート2又は前記シート材62との間に挟持固定されている。
【0013】
第1部Bの胴回り部Eは、図2に示すように、使い捨ておむつ1を、その各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態(緊張状態)とし、第1部B側を上側、第2部C側を下側と考えた場合に、ウエスト部弾性部材71が配された部位よりも下方に位置し且つ股下部(着用時に着用者の股下に配される部分で、左右両側縁が脚廻りに沿わせるように凹状に形成されている部分)Aより上方に位置する部分である。
各サイド伸縮部8おける複数本の胴回り部弾性部材81は、長手方向に所定の間隔を置いて、それぞれ幅方向に亘って略平行に配されている。
【0014】
本実施形態における胴回り部弾性部材81は、少なくとも吸収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向外方の部位に弾性伸縮性が発現されるように伸張状態で固定されており且つ該吸収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向内方の部位における少なくとも中央部には配設されていない。また、各胴回り部弾性部材81は、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を備え、股下部A、第1部B及び第2部Cを有する本体部分10におけるシート間に固定されている。具体的には、第1部Bの幅方向に亘って配された2枚の柔軟な固定用シート間に挟持固定された状態で配されており、2枚の該固定用シートは、裏面シート3と、表面シート2又は前記シート材62との間に接着固定されている。各胴回り部弾性部材8のおむつ幅方向内方側の端部は、吸収体4の両側縁41の位置よりも幅方向内側に若干入る程度の位置にあり、吸収体4の幅方向中央部から左右両側縁41,41の近傍にかけての領域には、胴回り部弾性部材81が配されていない。
【0015】
尚、本使い捨ておむつ1における長手方向の両側それぞれには、複数本のレッグギャザー形成用のレッグ部弾性部材9,9が、おむつ長手方向に沿って直線状に配設されている。
【0016】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、ファスニングテープ5をランディングゾーン53に係合止着した状態で、剪断方向に、ファスニングテープ間を最大伸張幅まで伸張させたときの引張荷重、即ち100〜500gfの荷重となるように引っ張り、その引っ張り状態を解除した後に測定した係合力(以下、剪断力負荷後の係合力ともいう)が、剪断方向に引っ張らない以外は同様にして測定した係合力、即ち、ファスニングテープ5をランディングゾーン53に係合止着し、剪断方向に引っ張ることなく測定した係合力(以下、剪断力非負荷時の係合力ともいう)よりも大きい。ファスニングテープ間を最大伸張幅まで伸張させたときの引張荷重については、後述する。
【0017】
ここで、剪断力負荷後の係合力及び剪断力非負荷時の係合力は、それぞれ以下のようにして測定される。
【0018】
〔剪断力負荷後の係合力〕
使い捨ておむつから、ファスニングテープ5と、ランディングゾーン53を切り出す。ランディングゾーン53は、図3(a)に示すように、その両側に位置する部分も含め、それが設けられている部分の厚み方向の全体を切り出す。
ファスニングテープ5は、図3(b)及び(c)に示すように、おむつ本体部分10の側縁端54(テープ突出部の端)からおむつ幅方向中央側に20mmまでに亘る部分で且つテープ突出部のおむつ長手方向最大幅W1の範囲内に位置する部分〔図3(b)中の斜線部〕を含めて切り出す。
ファスニングテープ5には、測定しやすいように、図3(c)に示すように、おむつ本体側とは反対側の係合しない部分に、テンシロンのチャックに挟みやすいようにテープ(50mm程度)55を貼り付けることが好ましい。
【0019】
切り出したランディングゾーン53は、図3(d)に示すように、幅50mm、長さ130mm、重さ100gの平らな支持板56に該支持板を巻きこむように固定し、さらに中央部を幅20mmのテープ57で固定する。
ランディングゾーン53が固定された支持板56を、ランディングゾーンの面が水平となるように水平な支持台上に設置し、その上にファスニングテープ5を、おむつの状態で止着する場合と同様の向きとなるように載置し、加圧して十分に係合させる。係合方法の具体的な手段として、例えば、ランディングゾーンにファスニングテープを載置し、その上から、ファスニングテープを完全に覆う様な重りを、ファスニングテープ面積1cm2当たりに掛る重量が100〜300gとなるように載せ1分間静置する方法が挙げられる。
【0020】
次いで、ファスニングテープ53が係合止着した状態の、ランディングゾーン53が固定された支持板56を、図3(e)に示すように、水平な支持台に載置固定し、その状態において、ファスニングテープのおむつ本体側にあたる端部をクリップ58に挟み、該クリップからファスニングテープとは反対側に水平に延出させた紐の向きを、滑車59を介在して重力方向に変え、所定重量(引っ張り荷重)の重りをつるして、ファスニングテープ5とランディングゾーン53の係合面に剪断をかける。即ち、支持台に固定されたランディングゾーンとファスニングテープの係合面に平行な方向に剪断力(引っ張り応力)が生じる。所定の荷重、即ち、重りの重さにおいて、つりあいのとれた状態で1分間その状態を維持する。
【0021】
次いで、剪断力を加えた後のサンプルを、図3(f)に示すような形で、テンシロン試験機(オリエンテック社製、型番RTC−1150A)にセットする。自然状態の上部チャック中央位置がファスニングテープの止着部(係合部)51のおむつ本体側の端部位置と合うようにセットする。ファスニング部初期チャック間T〔図3(f)参照〕は任意でよいが、50〜70mmが好ましい。そして、クロスヘッド速度300mm/minで剥離試験を行う。初期荷重点を5gfの地点とし、そこからチャック間距離が70mm拡大するまでの間の荷重積分値を係合力とする。10回測定し、その内最大値と最小値の各1個を除いた8点の平均値をその荷重における係合力とした。
【0022】
〔剪断力非負荷時の係合力〕
剪断力負荷後の係合力の測定に用いた使い捨ておむつと同一構成の使い捨ておむつからファスニングテープとランディングゾーンを切り出す。
ランディングゾーンとファスニングテープとを剪断力負荷後の係合力の測定と同様にして加圧係合させ、剪断力を加えない以外は、剪断力負荷後の係合力の測定と同様の剥離試験を行い係合力を測定する。
【0023】
本実施形態の使い捨ておむつは、弱い力でおむつの幅方向に伸張させることが可能であるので立位での装着が極めて容易である。しかもファスニングテープに剪断力が加わると係合力が大きくなることから、剪断力が加わる前の係合力が小さく設計できるので、おむつ装着の際に、ファスニングテープの付け直しや仮止めを極めて容易に行うことができ、様々な装着方法で容易に装着することができる。
【0024】
即ち、ファスニングテープに剪断力が加わった後(すなわち着用中の運動によっておむつ幅方向に力が加わった後)には一対のファスニングテープ間が伸張した状態となり大きな係合力が発現するため、この係合力により意図しないファスニングテープの外れを防止する一方、ファスニングテープの剪断力非負荷時の係合力を、従来の使い捨ておむつよりも弱くすることができる。
そして、この剪断力非負荷時の係合力を弱く設計することにより、おむつを装着する際に、ファスニングテープを手で持ちながらランディングゾーンに付けたとしても容易に剥がすことができるため、ファスニングテープの付け直しや仮止めを容易に行うことができるので、付け直しや仮止めを行いながら装着作業を行うことにより、使い捨ておむつを様々な装着方法で容易に装着することができるのである。
【0025】
特に、本実施形態の使い捨ておむつ1は、寝位及び立位の何れの状態の被装着者(赤ちゃん等)に対しても容易に装着できる。従来の展開型使い捨ておむつにおいては、立位と寝位とで被装着者の体型が変化することによる腹囲(腹部の周長)の変化等によって、立位における装着が寝位における装着に比べて格段に困難であったが、本実施形態の使い捨ておむつ1においては、被装着者の腹囲が大きく変化する場合においても、上述の通り、ファスニングテープの付け直しや仮止めを行うことによって、おむつの装着が容易である。
【0026】
ところで、従来の展開型おむつで単に幅方向の伸張応力を本発明におけるのと同様な程度に小さくすることは、ファスニングテープ部の係合力を弱めてしまうことになり、装着後のファスニングテープの外れが生じたりすることが多くなって、おむつが脱落してしまう危険性が高くなってしまう。加えて、幅方向の伸張応力を小さくし、かつ立体ギャザーの伸張率を大きくすることは、装着時におむつが下方へズレ落ちてしまう現象を誘発し、おむつが型崩れし隙間が発生するなど、フィット性及びモレ性能の観点から採用し得るものではなかった。また、従来の寝位で装着するタイプのおむつではそのような構成のおむつを採用する必要性もなかったので当業者は検討する必要性もなかった。従って,従来のおむつでを立位で装着しようとしても非常に困難なものであった。本発明では、展開型おむつを立位でも装着しようとする発想に基づき検討したところ、意外にもファスニングテープの係合力を本発明の範囲としてファスニングテープ間の引張荷重を本発明のようなものとし、かつ低モジュラスの立体ギャザーを高伸長率で配することで、立位での装着性が容易で、しかもおむつの基本的性能である漏れ防止性能が向上したおむつを実現することができた。これは、本発明においてはファスニングテープ間が幅方向に小さい伸張応力で伸張可能となっており、ファスニングテープ部が立位での装着で必要な仮止め機能を有し、また、装着時の不必要な剥れを防ぐとことができなお且つ、本発明の特定の性質を有する立体ギャザーにより、モレ性能の向上が図られるためであると考えられる。
【0027】
更に、本実施形態の使い捨ておむつ1は、第1部Bを着用者の背側に位置させ、ファスニングテープ5,5を着用者の腹側にてランディングゾーン53に止着する装着方法(以下、腹側装着ともいう)で使用できるのみならず、第1部Bを着用者の腹側に位置させ、ファスニングテープ5,5を着用者の背側にてランディングゾーン53に止着する装着方法(以下、背側装着ともいう)でも使用できる。図4(a)には、使い捨ておむつ1を、立ち上がった状態の被装着者(幼児)に、腹側装着にて装着した状態が示されており、図4(b)には、同おむつ1を、立ち上がった状態の被装着者(幼児)に、背側装着にて装着した状態が示されている。
【0028】
再剥離の容易さと装着時に外れない程度の止着力を得る観点から、剪断方向にファスニングテープ同士間の最大伸張幅まで伸張させたときの引張荷重、即ち100〜500gfの荷重となるまで引っ張り測定した剪断力負荷後の係合力は、何れの荷重となるまで引っ張り測定した場合においても、30〜70gfの範囲内、特に35〜60gfの範囲内であることが好ましく、また、剪断方向に引っ張らずに測定した前期剪断力非負荷時の係合力は5〜20gf、特に7〜15gfであることが好ましい。
【0029】
また、本実施形態のおむつ1は、一対のファスニングテープ5,5間に存在する伸縮部の収縮状態の幅が40mm以上であり、特に好ましくは60〜100mmである。伸縮部の収縮状態の幅とは、弾性伸縮性を有する部分をおむつから切り出して自然に収縮させた状態における、おむつ幅方向の長さ(おむつ幅方向に対応する方向の長さ)を意味し、本実施形態においては、各サイド伸縮部を切り出し、それぞれについて測定した収縮状態の幅(おむつ幅方向の長さ)の合計値である。また、本実施形態のおむつ1は、一対のファスニングテープ5,5同士間をおむつ幅方向に最大伸長幅の95%まで伸長させたときの引張荷重が100〜500gfである。尚、最大伸長幅とは、おむつ本体の幅を最大現伸長させたときのファスニングテープ固定端間のことである。即ち、幅方向に配された弾性部材の伸長を全て開放したときにとりうるおむつ本体の最大幅である。
かかる構成により、剪断力負荷後の係合力を剪断力非負荷時の係合力より大きくすることができ、また、おむつを装着する際に、ファスニングテープを引っ張ることにより、一対のファスニングテープ間の伸縮部を容易に伸張させることができる。
【0030】
上記ファスニングテープ5,5は、機械的ファスナーのオス部材からなる止着部(係合用鈎部又は張り出し部を先端に有する係合突起が面状に多数配設された止着部)51を有し、突起形状、数などを調整することにより、本発明の所望の効果を発揮できるものであれば特に限定されない。
また、ランディングゾーン53は、上述したファスニングテープ5,5を機械的に係合止着させ得るもので、裏面シート3の外表面側に、織布、不織布又は編み物からなるランディングテープを固定して形成されている。
【0031】
上記ファスニングテープとランディングゾーンとからなる係合止着部の剪断力負荷後の係合力を剪断力非負荷時の係合力より大きくすることは、それぞれを形成する部材
1)ファスニングテープ部の止着部に配された係合突起の形状、突起の高さ、配列形状、及び単位面積中の突起の数等、また、止着部及びファスニングテープ部の構成部材
2)ランディングゾーンに配された構成部材の素材繊維、太さ、形状、接合方法(織布や編み物の場合、編み方、間隔等)、
を適宜調整し達成することが可能であるが、さらに
(1)ランディングゾーン53に、加圧のみ行う方法(エンボス)、加圧及び加熱を行う方法(ヒートエンボス等)、又は、加圧及び超音波(超音波エンボス)処理を行う方法の処理を施し、また、
(2)ランディングゾーン53に配されているランディングテープと裏面シート3との外表面との接合を部分的とする(例えば、スパイラル状、ジグザグ状、ストライプ状に接着させる)。
【0032】
また、着用時に腹囲の変化や必要以上の引っ張りに対して生じる剪断方向への荷重により、係合が自然に解除されることを防止する観点から、ファスニングテープをランディングゾーンに係合止着した状態で、両者の係合状態が解除されるまで剪断方向に引っ張ったときの最大荷重は2000gf以上であることが好ましい。この最大荷重は、剪断力非負荷時の係合力の測定方法と同様の方法で、両者の係合状態が解除されるまで剪断方向に引っ張り、引っ張り開始から係合解除までの間で最も荷重(応力)が高くなったところの値である。
【0033】
また、本使い捨ておむつ1における立体ギャザー6は、低モジュラスの弾性部材を高伸張率で配することで、高伸長率に形成されている。立体ギャザー6は、使い捨ておむつ1に100%以上の伸張率、好ましくは100〜300%の伸張率、特に好ましくは130〜200%の伸張率で配設されている。おむつ配設状態(おむつに配設されている状態)の立体ギャザー6の伸張率が100%未満であると、装着時に立体ギャザーの先端部の起立性が損なわれ、立位での装着時などで、立体ギャザーの先端部を股間部に誘導する際に、立体ギャザーが倒れてしまったり、被装着者の肌にあたり、折れ曲がったりし、正しく装着することが難しくなる。また、被装着者の姿勢が変化した場、立体ギャザーの先端部が被装着者の肌との間に隙間が生じ排泄物が漏れる可能性が大きくなる。前記伸張率が300%超であると、一対のファスニングテープ5,5間(の領域)のおむつ幅方向における伸縮物性との釣り合いがとれず、着用時に必要以上にズレ落ちてしまったりし、被着用者とおむつとの間に隙間を生じさせモレを誘発することがある。また、場合によっては、おむつが丸まってしまい、装着が困難になる。さらに、立位での装着ではおむつが股間部に挿入されたときに、テープ部を止着するまでもなくおむつがズレ落ちてしまい、装着が非常に難しい。また、装着できたとしても、既にズレ落ちた状態に装着されてしまい、装着が非常に難しい。また、装着できたとしても、既にズレ落ちた状態に装着され、フィット性や漏れ性能の低下にもつながる。
【0034】
おむつ配設状態における立体ギャザー6の伸張率は以下のようにして測定される。
〔おむつ配設状態の伸長率〕
おむつ長手方向の中央部に位置する部分が含まれるようにおむつから立体ギャザーを切り出し、最大に伸張させた時点での区間をH、その後伸張を開放し、自然状態、即ち、切り出したギャザーが自然に縮んだ状態において測定した区間Hの長さhとしたとき、下記式(1)で表される。
伸張率(%)=(H―h)/h ×100 (1)
自然状態での長さhは、平らな面を持つ板などの上で負荷をできるだけかけずにギャザーによる凹凸を最小限にして測定する。区間Hとしては200mm程度設けることが好ましい。
【0035】
また、立体ギャザー6は、おむつ非固定状態(おむつに固定されていない状態、即ちおむつから立体ギャザーを切り出した状態をいう)で伸張させたとき、おむつ配設状態における伸張率(%)から30%減じた伸張率(おむつ配設状態伸長率−30%)で定義される実効伸長率における引張荷重が20〜120gf、好ましくは50gf〜100gfであり、伸張率が20%から前記実効伸張率までの間の引張り荷重増加率が1.0(gf/%)以下、好ましくは0.7(gf/%)以下である。
実効伸張率、即ちおむつ配設状態の伸張率(%)から30%減じた地点で評価する意味は、伸張率(%)に対する立体ギャザーの荷重曲線、すなわち伸張応力を測定する際、それ以上の伸張率では構成部材の伸張荷重が含まれることが多く、ギャザーとしての物性値以上の荷重曲線となりやすく、正味のギャザーの物性ではないためである。
また、おむつ装着時におむつはU字形状に湾曲し、その中に配された立体ギャザーはおむつのU字形状の外周より小さいU字状の軌線となるため、おむつ配設状態の伸張率まで伸張することはほとんどないために、おむつ配設状態の伸張率から減じた地点で評価することは実質的な装着状態での立体ギャザーの挙動を表すには妥当な地点であるといえる。
【0036】
〔おむつ非固定状態の伸張特性〕
実効伸長率における引張荷重、及び引張荷重増加率は、以下のようにして求められる。
おむつ1から、立体ギャザー(固定端と自由端との間の帯状部分)6を切り出して試験片とし、該試験片を、テンシロン引っ張り試験機〔(株)オリエンテック社製、RTC−1150A〕のチャック間に固定して長手方向に、速度300mm/min、ロードセル5kgの条件で伸張させ、その伸張過程における伸張率及び対応する引張荷重をプロットして、伸張率及び引張荷重の関係曲線〔横軸;伸長率(%),縦軸;引張荷重(gf),図5参照〕を得る。
【0037】
得られた関係曲線から、伸張率が20%のときと実効伸張率のときの各々の引張荷重の値を読み取る。また、伸張率が20%から実効伸張率までの関係曲線の勾配、即ち〔引張荷重(実効伸張率時)−引張荷重(20%時)〕/〔実効伸張率(%)−20%〕を算出し、その値を、伸張率が20%から実効伸張率までの間の引張荷重増加率(gf/%)とする。
尚、試験片は、おむつ長手方向の中央部に位置する部分が含まれるように切り出し、また、自然状態、即ち切り出したギャザーが自然に縮んだ状態で、平らな面を持つ板などの上で、負荷をできるだけかけずにギャザーを平らにした場合の長さが少なくとも70mm以上となるように切り出す。好ましくは、おむつ配設状態の伸張率を測定した後のものを使用する。伸張開始時の試験片の初期長(自然状態における長さ,伸張率0%)は50mmとし、該試験片をおむつに配設された状態における伸張率となるまで伸張させる。
【0038】
実効伸張率における引張荷重が20gf未満であると、装着時に立体ギャザーの先端部の起立性が損なわれ、立位での装着時などで立体ギャザーの先端部を股間部に誘導する際に立体ギャザーが倒れてしまったり、被装着者の肌にあたり折れ曲がってしまったりし、正しく装着することが難しくなる。また、被装着者の姿勢が変化した場合立体ギャザーの先端部が被装着者の肌との間に隙間が生じ排泄物がモレる可能性が大きくなる。たとえ、立体ギャザーの先端部が被装着者の肌に隙間なく接している場合でも、立体ギャザーとしての締め付け力が弱いために、排泄物を立体ギャザー間内に閉じ込めようとする隠蔽力が弱く、ギャザー先端部を押しのけて排泄物が外側に移動する可能性も大きくなり、漏れ防止効果として有効であるとはいえない。
実効伸張率における引張荷重が120gf超であると、おむつを展開する時の力が大きく展開しにくいおむつとなり、寝かせてあお向けで装着する場合などでは装着性が悪くなる。また、装着後のおむつの処理についてもおむつが丸まろうとする力が強いため操作性が悪くなる。
【0039】
また、立位での装着では、おむつが股間部に挿入されたときに、テープ部を止着するまでもなくおむつが丸まったり、ズレ落ちてしまったりして装着が難しい。
これらは本発明のようにおむつ配設時の伸張率が大きくなると生じる課題であり、展開時に伸張された立体ギャザーが伸張を開放するように縮もうとして生じ、結果的におむつを丸めてしまう現象である。したがって、本発明では伸張応力をある程度小さくすることで、縮もうとする挙動に対する力を小さくし、縮もうとする現象を遅延させたり、縮んだものを展開するときに必要な力を小さくすることで、装着者の装着性を悪化させないことを達成した。特におむつ配設時の伸張率が同じ条件では伸張応力が支配因子であり、伸張応力が小さいほど伸びやすく、扱いやすいおむつとなる。120gfを超えない程度であれば装着者はおむつを展開するときに容易に展開でき、操作性も損なわないといえる。
【0040】
引張荷重増加率は小さいほうが好ましく、装着されたおむつの立体ギャザーが肌へ密着し、漏れを防止しようとする力が装着者の姿勢の変化や様々な装着方法により大きく変わらない。また、装着時においてもおむつを展開するときに急激な力の変化がなく、展開時に装着者が感じるギャザーの重量感(いわゆる)重たさがなく、扱いやすいため、寝位・立位ともに装着性が向上できる。
したがって、引張荷重増加率を、伸長率の単位増加量当たりの引張荷重の増加量として計算した場合、引張荷重増加率は、伸長率が0%超から実効伸張率までの総ての地点で1.0(gf/%)以下であることが好ましい。しかしながら、一部の区間では1.0(gf/%)超になる場合がある。そのような区間が伸張率0〜20%程度の部分である場合に、実質的に上述の効果を有するものは本発明の主旨から逸脱するものではない。とはいえこの区間においての引張荷重増加率としての上限は2.0(gf/%)までであることが好ましい。
このような観点から、本発明では、伸張率が20%から実効伸張率の間の引張荷重増加率を規定している。
【0041】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、おむつを長手方向に2等分する中央線L(図2参照)の両側の飽和吸収容量、即ち中央線Lの両側に位置する両部分F,Gの飽和吸収容量の比(部分F/部分G)が45/55〜55/45であり、腹側装着及び背側装着の何れの装着方法で装着した場合においても尿漏れが生じない。装着の向きを問わずに尿漏れが生じないようにする観点から、飽和吸収容量の比(部分F/部分G)は48/52〜52/48であることが好ましく、両部分の飽和吸収容量は、両者の差が小さい程好ましい。
【0042】
ここで、おむつの中央線Lの両側の飽和吸収容量は、以下のようにして測定される。
〔飽和吸収容量の測定方法〕
先ず、おむつ1を、その長手方向を2等分する中央線Lで、幅方向に切断する。そして、立体ギャザー及びレッグギャザーを切除する。更に、胴回り部に配された伸縮部を切断する。但し、吸収層の構造が破壊又は切断されることがないように留意する。容器から水平に取り出せるように加工した金網に切断したおむつを載せ、金網ごと重量を測定する。予め側面下部に溶液を排出する開口部を設けた容器内に金網ごとおむつを入れ、該開口部を閉じ、0.9重量%の生理食塩水を吸収体が完全に浸漬するように注入する。このときに、おむつの切断端部からポリマー等が脱落しないように注入速度を調節する。完全浸漬後30分放置する。その後、排出開口部を下側にして容器ごと10度傾け、排出開口部を開き、容器内の溶液を排出する。排出が完全に終了するまで30分放置し、その後、容器から金網ごとおむつを取り出し、金網ごと重量を測定する。「試験終了後の重量」−「試験開始前の重量」からおむつの吸収量を算出し、この値を飽和吸収量(g)とする。
【0043】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、胴回り部弾性部材81が、上述したように、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を備えた本体部分10におけるシート間に一体的に固定されているため、本体部分10に所要の弾性伸縮性を付与することができると共に、本体部分10に別体の弾性伸縮材を連結した構成を有するもの(例えば特表平9−507409や特開平6−63077に記載のもの)とは異なり、例えば、はいはいで逃げる子供に対して急いで止着する場合などにファスニングテープ5を強く引っ張っても伸縮部が破損する恐れがない。
【0044】
本発明の立体ギャザーは、そこに配する弾性部材が全体で、少なくとも伸長率20%から実効伸長率までの引張り荷重増加率が1.0以下で、実効伸長率での引張り荷重が20〜120gfとなるものを、不織布製シートに接着固定する方法等によって得ることができる。ここで「全体で」とは、立体ギャザーに複数本弾性部材を配する場合には、「複数本の合計として」という意味である。立体ギャザー用弾性部材としては、糸状のもの(糸ゴム等、好ましくは太さ450dtex以下)、所定幅の帯状のもの(平ゴム等、好ましくは太さと厚みの比が0.1〜1のもの)、薄膜状のもの等を挙げることができ、弾性部材の形成素材としては、天然ゴムの他、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等を挙げることができる。また、弾性部材を複数本立体ギャザーに配する場合には、各弾性部材における少なくとも伸長率20%から実効伸長率までの引張り荷重増加率が0.5以下で、実効伸長率での引張り荷重が5〜50gfのものを使用することが好ましい。
【0045】
本実施形態の使い捨ておむつ1における各部の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4、立体ギャザー形成用の弾性部材61及びシート材62等の形成材料、弾性部材71,81,9としては、従来、使い捨ておむつに用いられている各種公知の材料を特に制限なく用いることができる。
【0046】
尚、ウエスト部弾性部材71は、所定幅の帯状のものが好ましく、胴回り部弾性部材81は、糸状のものが好ましく、レッグ部弾性部材9は、平ゴム状のものが好ましい。また、糸状の胴回り部弾性部材81は、例えば、各サイド伸縮部8にそれぞれ3〜12本程度配設することが好ましい。
【0047】
以上、本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態における第1部Bの胴回り部Eには、おむつ長手方向の両側部のみに伸縮部(サイド伸縮部8,8)が形成されていたが、おむつ長手方向の中央部にも両サイド伸縮部と連続又は非連続な伸縮部(幅方向に弾性伸縮する伸縮部)が形成されていても良い。
また、レッグ部弾性部材9は、おむつの長手方向の両側に、それぞれ股下部の側縁部に沿って円弧状に配しても良い。更に、各部の形状や各部材の配設態様等は適宜に変更可能である。
本発明の使い捨ておむつは、成人用の使い捨ておむつであっても良いが、幼児(ベビー)用の使い捨ておむつ、特におむつ換えを嫌がる幼児に適している。
【0049】
【発明の効果】
本発明のおむつは、おむつ装着の際に、ファスニングテープの付け直しや仮止めを簡単に行うことができ、様々な装着方法で容易に装着することができるものである。そして、装着後にはずれ落ちることが少なく、排泄物の漏れも確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつを、各部の弾性部材を伸張させ平面状に拡げた状態(緊張状態)を示す一部破断平面図である。
【図3】図3は、剪断力負荷後の係合力の測定方法を説明するための模式図である。
【図4】図4(a)は、図1に示す使い捨ておむつを、立ち上がった状態の被装着者(幼児)に、腹側装着にて装着した状態を示す図であり、図4(b)は、同おむつ1を、立ち上がった状態の被装着者(幼児)に、背側装着にて装着した状態を示す図である。
【図5】図5は、おむつ非固定状態における立体ギャザーの伸張率と伸張応力(荷重)との関係を示すグラフであり、グラフ中の曲線▲1▼が、本発明の好ましい立体ギャザーのものであり、曲線▲2▼は、従来のおむつの立体ギャザーのものである。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ファスニングテープ
53 ランディングゾーン(被着領域)
8 サイド伸縮部(おむつ幅方向に弾性伸縮する伸縮部)
A 股下部
B 第1部(長手方向の一方の部位)
C 第2部
Claims (5)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備え、長手方向の一方の部位の両側縁部にファスニングテープが設けられ、他方の部位の外表面に、前記ファスニングテープが機械的に係合するランディングゾーンが設けられ、一対の前記ファスニングテープ間に、おむつ幅方向に弾性伸縮する伸縮部が形成され、おむつ長手方向に沿って立体ギャザーが設けられているおむつであって、
前記伸縮部は、弾性伸縮性を有する部分をおむつから切り出して自然に収縮させた状態における、おむつ幅方向の長さが40mm以上であり、前記ファスニングテープ間を、おむつ幅方向の最大伸張幅の95%まで伸張させたときの引張荷重が100〜500gfであり、
前記ファスニングテープは、機械的ファスナーのオス部材からなる止着部を有し、前記ランディングゾーンは、前記裏面シートの外表面側に、織布、不織布又は編み物からなるランディングテープを固定して形成されており、
前記ランディングゾーンには、加圧のみのエンボス加工、ヒートエンボス加工、又は超音波エンボス加工が施されており、且つ前記裏面シートの外表面と前記ランディングテープとの間が部分的に接合されており、
前記ファスニングテープを前記ランディングゾーンに係合止着した状態で、剪断方向に、前記ファスニングテープ間を最大伸張幅まで伸張させたときの引張荷重となるように引っ張り、その引っ張り状態を解除した後に測定した係合力が、剪断方向に引っ張らない以外は同様にして測定した係合力よりも大きく、
前記立体ギャザーは100%以上の伸張率で配されており、該立体ギャザーを、おむつから切り出した状態で伸張させたとき、おむつ配設状態における伸長率(%)から30%減じた伸長率として定義される実効伸張率における引張荷重が20〜120gfであり、伸長率が20%から前記実効伸長率までの間の引張荷重増加率が1.0(gf/%)以下である立位での装着が容易なおむつ。 - 剪断方向に、前記ファスニングテープ間を最大伸張幅まで伸張させたときの引張荷重となるように引っ張り、その引っ張り状態を解除した後に測定した前記係合力が30〜70gfの範囲内である請求項1記載の立位での装着が容易なおむつ立位装着容易なおむつ。
- 剪断方向に引っ張らずに測定した前記係合力が5〜20gfである請求項1又は2記載の立位での装着が容易なおむつ。
- 前記ファスニングテープを前記ランディングテープに係合止着した状態で、両者の係合状態が解除されるまで剪断方向に引っ張ったときの最大荷重が2000gf以上である請求項1〜3の何れか記載の立位での装着が容易なおむつ。
- ウエスト伸縮部に配されている弾性部材が糸状弾性部材及びフィルム状弾性部材である請求項1〜4記載の何れか記載の立位での装着が容易なおむつ。
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