JP2004057416A - 立位での装着が容易なおむつ - Google Patents

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Haruko Toyoshima
豊島 晴子
Yasuyuki Okuda
奥田 泰之
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Abstract

【課題】立位での装着性に優れ、しかも充分な吸収性能及び漏れ防止性能を有する、立位装着容易な展開型の使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】長手方向の一方の部位Bの両側縁部それぞれにファスニングテープ5が設けられており、該一方の部位の胴回り部Eにおける少なくとも両側部に、おむつ幅方向に弾性伸縮する伸縮部9,9が形成されており、吸収体4は、架橋繊維を含有しており、股下部Aの股間幅の最小値W1が100〜240mmの範囲内であり、股下部の股間幅の最小値W1と、前記一方の部位のおむつ全幅W2との比率(W1/W2)が30〜67%である、立位での装着が容易な使い捨ておむつ。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立位及び寝位での装着性に優れ、しかも充分な吸収性能及び漏れ防止性能を有する、立位装着容易な展開型の使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、使い捨ておむつとして、ファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつと、予めパンツ型に形成されたパンツ型の使い捨ておむつが知られており、展開型の使い捨ておむつは、新生児から使用できることや、製造コストが安いこと等から、最も一般的に用いられている。
【0003】
従来の一般的な展開型使い捨ておむつは、着用者(赤ちゃんや幼児等)が仰向けに寝ている状態で装着(以下、寝位装着ともいう)するように設計されており、立ち上がった状態の幼児等に対して装着すること(以下、立位装着ともいう)は容易ではない。
即ち、従来の展開型使い捨ておむつは、所要の吸収性能や漏れ防止性能を確保するために、おむつ股下部の幅が比較的広めに設計されている。従来のおむつを寝位装着する場合には、両脚を左右に大きく開いた状態で装着できるので、おむつ股下部の幅が広くても装着性にさほど影響しないが、立位装着では、両脚を左右に大きく開かせることができないため、おむつ股下部の幅が広いと、両脚間におむつを挿入すること自体が困難となり、ただちに装着性の悪化につながってしまう。また、単におむつ股下部の幅を狭くしたのでは、おむつ本来の吸収性能や漏れ防止性能が悪化してしまう。
【0004】
従って、本発明の目的は、立位及び寝位での装着性に優れ、しかも充分な吸収性能及び漏れ防止性能を有する、立位での装着が容易な展開型の使い捨ておむつを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備えたおむつにおいて、長手方向の一方の部位の両側縁部それぞれにファスニングテープが設けられており、該一方の部位の胴回り部における少なくとも両側部に、おむつ幅方向に弾性伸縮する伸縮部が形成されており、前記吸収体は、架橋繊維を含有しており、股下部の股間幅の最小値が、100〜240mmの範囲内であり、股下部の股間幅の最小値W1と、前記一方の部位のおむつ全幅W2との比(W1/W2)が0.30〜0.70である、立位での装着が容易なおむつを提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備えている。使い捨ておむつ1は、幼児用の展開型の使い捨ておむつであり、長手方向の中央部に股下部Aを有しており、長手方向における該股下部Aの前後に、左右両側縁部に一対のファスニングテープ5が設けられた第1部(長手方向の一方の部位)B及び外表面にファスニングテープ5を止着するランディングゾーン51が設けられた第2部Cを有している。股下部Aは、着用時に被装着者(着用者)の股下部(股間部)に配される。
【0007】
本実施形態のおむつ1は、股下部Aの両側縁が凹状(円弧状)に形成されており、全体として、長手方向中央部が括れた砂時計状の形状を有している。
表面シート2は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向中央部に配されている。裏面シート3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の両側縁41,41及び両端縁42a,42bから外方に延出しており、それらの延出部において互いに直接又は間接的に接合されている。裏面シート3の長手方向の両側部は、表面シート2の両側縁から幅方向外方に延出している。
【0008】
本実施形態のおむつ1における長手方向の両側には、一対の立体ギャザー6,6及び一対のレッグギャザー7,7が形成されている。
より詳細には、一対の立体ギャザー6は、それぞれ、弾性部材61を有する立体ギャザー形成用のシート材62を、表面シート2の両側縁の外方から内方に亘るように配設して形成されている。各シート材62は、吸収体4の側縁41と後述するレッグ部弾性部材71との間において、ヒートシール、接着剤等の公知の接合手段により、おむつ長手方向に亘って直線状に表面シート2上に固定されており、その直線状の固定部により立体ギャザー6の固定端(図示せず)が形成されている。各シート材62は、前記固定端よりも幅方向外方に位置する部分が表面シート2又は裏面シート3上に固定されており、また、おむつの長手方向両端部近傍における該固定端よりもおむつ幅方向中央側に位置する部分が表面シート2上に固定されている。各立体ギャザー6に配設された弾性部材61は、それぞれ糸状の形態を有し、各立体ギャザー6の自由端63と略平行に複数本配されている。
【0009】
一対のレッグギャザー7は、おむつ幅方向における、立体ギャザー6,6の前記固定端の位置よりも更に外側に、複数本のレッグ部弾性部材71,71を、略直線状に配設して形成されている。
【0010】
本実施形態のおむつ1においては、第1部B(前記一方の部位)及び第2部Cそれぞれのウエスト部Dに、それぞれウエスト部弾性部材81が配設されてウエスト伸縮部8が形成されている。また、第1部Bの胴回り部Eにおける両側部には、それぞれ複数本の胴回り部弾性部材91が配設されて左右一対のサイド伸縮部(幅方向に弾性伸縮する伸縮部)9,9が形成されている。一対のサイド伸縮部9,9は、何れも、一対のファスニングテープ5,5間に形成されている。
【0011】
ウエスト部Dは、着用時に着用者の腰回りに配される部分であり、おむつの長手方向の両端部分を構成している。各ウエスト部弾性部材81は、おむつの幅方向に亘って伸張状態で配設されている。尚、ウエスト部弾性部材81は、帯状の形態を有し、ウエスト部Dにおける裏面シート3と表面シート2又は前記シート材62との間に挟持固定されている。
【0012】
第1部Bの胴回り部Eは、図1に示すように、使い捨ておむつ1を、その各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態(緊張状態)とし、第1部B側を上側、第2部C側を下側と考えた場合に、ウエスト部弾性部材81が配された部位よりも下方に位置し且つ股下部(着用時に着用者の股下に配される部分で、左右両側縁が脚廻りに沿わせるように凹状に形成されている部分)Aより上方に位置する部分である。
各サイド伸縮部9おける複数本の胴回り部弾性部材91は、長手方向に所定の間隔を置いて、それぞれ幅方向に亘って略平行に配されている。
尚、本発明においては、胴回り部Eに、おむつ幅方向中央部を横断するように胴回り部弾性部材が配設されることによって、左右両側部に亘る弾性伸縮部が形成されていても良いが、その胴回り部弾性部材とウエスト伸縮部に配された弾性部材とが形態的に区別できないような場合(両者とも、紐ないし糸状で、太さも同じような場合)には、長手方向の端縁(ウエスト端縁)11から股下方向20mm迄の領域をウエスト部Dとし、それより股下部側を胴回り部Eとする。
【0013】
本実施形態のおむつ1における胴回り部弾性部材91は、少なくとも吸収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向外方の部位に弾性伸縮性が発現されるように伸張状態で固定されており且つ該吸収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向内方の部位における少なくとも中央部には配設されていない。また、各胴回り部弾性部材91は、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を備え、股下部A、第1部B及び第2部Cを有する本体部分10におけるシート間に固定されている。具体的には、第1部Bの幅方向に亘って配された2枚の柔軟な固定用シート間に挟持固定された状態で配されており、2枚の該固定用シートは、裏面シート3と、表面シート2又は前記シート材62との間に接着固定されている。各胴回り部弾性部材9のおむつ幅方向内方側の端部は、吸収体4の両側縁41の位置よりも幅方向内側に若干入る程度の位置にあり、吸収体4の幅方向中央部から左右両側縁41,41の近傍にかけての領域には、胴回り部弾性部材91が配されていない。
【0014】
本実施形態のおむつ1における吸収体4は、架橋繊維を含む繊維集合体を主体として構成されている。
吸収体4に用いる架橋繊維としては、個別化された架橋繊維、即ち、繊維内に化学架橋結合を有するもの(以下、個別化された架橋繊維ともいう)が好ましい。架橋させる繊維の種類としては、パルプ・レーヨン等が挙げられるが、特にパルプ等のセルロース繊維が好ましい。
個別化された架橋繊維から作られる吸収体構造は、一般的に、架橋されていない繊維から作られた吸収体構造と比較して、湿潤時及び乾燥時において高い弾性回復性を示す。
【0015】
個別化された架橋繊維の製造方法は、特に制限されるものではないが、例えば特許3247386号公報に記載に乾燥架橋法、水溶液架橋法、非水溶液架橋法として記載された方法が挙げられる。
乾燥架橋法は、例えば米国特許第3,224,926号に記載された方法であり、架橋剤でセルロース乾燥ラップをスプレーし、機械的作用により繊維を離解し、繊維が実質的に個別の状態にある間に高温で繊維を乾燥して架橋を行わせることにより架橋繊維を得る方法である。乾燥架橋法による繊維は、一般的に架橋結合により大変堅くなっており、それから作られる吸収体構造は、相対的に高い弾性回復性を示す。
水溶液架橋法は、例えば米国特許第3,241,553号に記載された方法であり、架橋剤と触媒を含む水溶液中で繊維を架橋させることにより架橋繊維を得る方法である。
非水溶液架橋法は、例えば米国特許第4035147号に記載された方法であり、繊維を膨潤させるのには不充分な量の水を含む実質的に非水溶液において、架橋剤と触媒を脱水された非膨潤繊維に接触させることにより架橋繊維を得る方法である。
【0016】
セルロース繊維に繊維内架橋結合を形成させるための架橋剤としては、例えばホルムアルデヒド及び/又はホルムアルデヒド付加生成物、ジアルデヒド架橋剤、ポリカルボン酸等が挙げられる。架橋剤の例は、例えば上述した特許3247386号公報に記載されている。
【0017】
吸収体4に用いられる繊維集合体は、個別化された架橋繊維のみからなるものでも良いし、個別化された架橋繊維以外の繊維を含むものでも良い。個別化された架橋繊維の割合は、繊維集合体中の繊維総量に対して、重量基準で10%以上、特に15〜25%であることが好ましい。
【0018】
また、吸収体4に用いられる繊維集合体は、高吸水性ポリマーを保持したものでも良い。その場合の高吸水性ポリマーの存在形態は、繊維集合体の繊維同士間に保持させた形態、複数の繊維集合体からなる層間にサンドイッチした形態等が挙げられる。繊維集合体は、解繊したパルプの形態であることが好ましく、また、不織布の形態であっても良い。
【0019】
本発明のおむつ1は、股下部Aの股間幅Wの最小値(図1参照)が100〜240mmであり、好ましくは100〜230mm、特に好ましくは100〜200mmである。最小幅部分の股間幅W1が240mm以上であると、着用者の両脚間に使い捨ておむつをスムーズに挿入できなくなったり、着用中の装着感を悪化させる恐れがあり、100mm以下であると、装着作業中に、起立状態の着用者の両脚間に使い捨ておむつを保持させることが難しくなると共に必要な吸収性能や漏れ防止性能を確保できなくなる恐れがある。本実施形態のおむつ1においては、おむつをその長手方向に2等分する中央線CL(図1参照)上において股下部の股間幅Wが最も狭くなっており、また、股下部Aの最小幅部分からおむつ長手方向にそれぞれ25mm以上の長さに亘って、股下部の股間幅Wが100〜240mmの範囲内である。
股下部の股間幅Wは、図1に示すように、使い捨ておむつ1を平面状に拡げた状態(緊張状態)において、股下部Aの両側縁同士間の距離をおむつ幅方向に沿って測定する。
【0020】
また、おむつ長手方向の少なくとも50mmの長さに亘って股間幅Wが100〜240mm(特に100〜230mm)の領域があると、立位での装着し易さと着用中の装着感が向上するので好ましい。特に、おむつ長手方向の100mm以上の長さに亘っていること好ましい。
【0021】
また、実施形態のおむつ1は、股下部Aの最小幅部分の股間幅(股間幅Wの最小値)W1(図1参照)と第1部B(前記一方の部位)のおむつ全幅W2(図1参照)との比(W1/W2)が0.30〜0.70、好ましくは0.40〜0.60である。
前記比(W1/W2)が0.30未満であると、全巾と股間巾との差が大きいのでバランスが悪くおむつが股間に沿いにくく、前記比(W1/W2)が0.70超であると、寝位では股ぐりに沿いにくく、立位で装着する際は引き上げにくい。
【0022】
本実施形態のおむつ1によれば、股下部の幅を所定の長さに亘って狭くしてあるため、立位状態の幼児等における狭い股間部(両脚間の空間)にもおむつをスムーズに当てることができ、立位での装着性に優れている。この点、股下部の幅を単に狭くした場合には、吸収性能や漏れ防止性能が相当に悪化することが不可避であるが、上述したように、架橋繊維を含有する吸収体を用いると共にサイド伸縮部を形成してあるため、股間部を幅狭にしても股部からの尿漏れ防止性能が股間幅が広い従来のおむつと同等かそれ以上である。これは、乾燥時及び湿潤時の高い圧縮回復性を有する吸収体が尿を素早く吸収し、また、繰り返しの吸収性能も変わらず維持するので、尿が吸収しきれず表面を流れることがなく、股間の幅が狭くても股漏れが生じにくいためである。また、サイド伸縮部によって幅狭吸収体が、着用者の股下部(股間部)にフィットしてずれ落ちないために股にスキマが生じず便モレ性能においても効果的である。
【0023】
また、広いサイドフラップ部分にサイド伸縮部を設けたことで、装着操作時にはサイドフラップが適度に縮んでいるために持ちやすく、装着操作がし易い。しかも、装着中においてはサイドフラップが一定の幅をもって伸縮するのでフィット性が良い。
【0024】
胴周囲部の弾性部材としては、650dtex以下の糸状弾性体や、帯状の弾性体を使用することができる。ただ、胴回り部はサイド伸縮部によって着用者にフィットさせるので、強い押し当て感がなく、かつずれ落ちを確実に防止しなければならない。このような観点から、太さは200〜600dtexの糸状弾性部材が好ましい。また、該弾性部材は予め2枚のシート間に挟まれて固定されて形成された弾性伸縮シートを、おむつの本体部分に貼り付けた構成であることが好ましい。というのは、細い弾性部材を使用すると押し付け感が減じるのだが、シートに対する接着固定が難しいという問題があるので、当該構成とすることで、装着時に不意な力でサイド伸縮部が引張られても弾性部材が剥がれて抜けないようにすることが確実となるからである。
【0025】
また、本実施形態のおむつ1においては、第1部Bの胴回り部Eを、おむつ幅方向に伸張させたときの、最大伸張時の伸張率から30%を減じた伸張率における引張荷重(引張力)(以下、胴回り部Eの引張荷重ともいう)が、第1部Bのウエスト部Dについて同様にして求めた引張荷重(引張力)(以下、ウエスト部Dの引張荷重ともいう)よりも大きい。
胴回り部Eの引張荷重をウエスト部Dの引張荷重より大きくすることで、上述した効果が一層顕著に奏される。胴回り部Eの引張荷重は、80〜500gf、特に150〜400gfであることが好ましい、また、ウエスト部Dの引張荷重は50〜400gf、特に100〜300gfであることが好ましい。
【0026】
胴回り部Eの引張荷重及びウエスト部Dの引張荷重は、それぞれ以下のようにして測定される。
〔胴回り部Eの引張荷重〕
おむつから、胴回り部Eの胴回り部弾性部材が配されている部位のおむつ幅方向に亘る全体〔本実施態様においては、第1部Bにおけるウエスト端縁11から20mmまでの領域よりも下方で、且つ左右のファスニングテープの固定端間(おむつ両側縁端間)に存在する領域〕を切り出し、テンシロン引張り試験機〔型番:RTA−100、(株)オリエンテック社製〕を用いて、おむつ幅方向に対応する方向に伸張させる。
初期チャック間距離は、第1部の幅方向の自然長(弾性部材を伸長させない自然状態における長さ,初期長)から50mmを減じた長さとし、サンプルの両端部をそれぞれチャックに挟む。次いで、クロスヘッド移動速度300mm/minの条件で、サンプルを最大伸張幅(第1部から弾性部材を排除し、該胴回り部を収縮させないようにして測定した第1部Bにおける胴回り部の幅)まで伸長させる。最大伸張時の伸長率P(%)は、〔(最大伸張幅−初期長)/初期長〕×100で求められる。そして、最大伸張時の伸張率Pから30%を減じた伸張率〔(P−30)%〕における引張荷重(引張力)を求める。
〔ウエスト部Dの引張荷重〕
おむつから、第1部Bにおけるウエスト部のおむつ幅方向に亘る全体〔本実施形態においては、ウエスト端縁11から股下方向20mmに亘る領域で、且つ左右のファスニングテープの固定端間(おむつ両側縁端間)に存在する領域〕を切り出し、これを、おむつ幅方向に伸張させる以外は、上記の胴回り部Eの引張荷重の測定と同様にして測定する。
【0027】
本実施形態のおむつ1は、おむつを長手方向に2等分する中央線CL(図1参照)の両側の飽和吸収容量、即ち中央線CLの両側に位置する両部分F,Gの飽和吸収容量の比(部分F/部分G)が45/55〜55/45であり、そのため、第1部Bを着用者の腹側に位置させ、ファスニングテープ5,5を着用者の背側にてランディングゾーン51に止着する装着方法(以下、背側装着ともいう)で装着した場合においても尿漏れが生じない。
即ち、本実施形態の使い捨ておむつ1は、第1部Bを着用者の背側に位置させ、ファスニングテープ5,5を着用者の腹側にてランディングゾーン51に止着する装着方法(以下、腹側装着ともいう)で装着できるのみならず、前記背側装着でも容易に装着することができ、何れの場合において漏れが生じない。装着の向きを問わずに尿漏れが生じないようにする観点から、前記飽和吸収容量の比(部分F/部分G)は48/52〜52/48であることが好ましく、両部分の飽和吸収容量は、両者の差が小さい程好ましい。図2(a)には、立ち上がった状態の着用者幼児に腹側装着する様子、図2(b)には、立ち上がった状態の幼児に背側装着する様子が示されている。
【0028】
ここで、おむつの中央線CLの両側の飽和吸収容量は、以下のようにして測定される。
〔飽和吸収容量の測定方法〕
先ず、おむつ1をその長手方向を2等分する中央線CLで、幅方向に切断する。そして、立体ギャザー及びレッグギャザーを切断して除去する。更に、胴回りに配された伸縮部を切断して除去する。但し、吸収層の構造が破壊又は切断されることがないように留意する。容器から水平に取り出せるように加工した金網に切断したおむつを乗せ、金網ごと重量を測定する。あらかじめ側面下部に溶液を排泄する開口部を設けた容器内に金網ごとおむつを入れ、排泄開口部を閉じ、0.9wt%の生理食塩水を吸収体が完全に浸漬するように注入する。この時、おむつの切断端部からポリマー等が脱落しないように注入速度を調節する。完全浸漬後30分放置する。その後、排泄開口部を下側に容器ごと10度傾け、排泄開口部を開き、容器内の溶液を排出する。排出が完全に終了するまで30分放置し、その後、容器から金網ごとおむつを取り出し、金網ごと重量を測定する。「試験終了後の重量」−「試験開始前の重量」からおむつの吸収量が算出でき、この値を飽和吸収量(g)とする。
【0029】
本実施形態の使い捨ておむつ1における各部の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4、及び立体ギャザー形成用のシート材62、ランディングゾーン51形成用のランディングテープ等の形成材料としては、従来、使い捨ておむつに用いられている各種公知の材料を特に制限なく用いることができる。
【0030】
ファスニングテープ5は、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部を有するものでも、粘着剤を塗布して形成した粘着部を有するものでも良い。また、裏面シート3の外表面側を係合性に富む素材により形成し、それをランディングゾーン51として利用することもできる。
【0031】
立体ギャザー形成用の弾性部材61、レッグ部弾性部材71、ウエスト部弾性部材81及び胴回り部弾性部材91としては、それぞれ各種公知の弾性部材を用いることができ、例えば、各弾性部材の形態としては、糸状のもの(糸ゴム等)、所定幅の帯状のもの(平ゴム等)、薄膜状のもの等を挙げることができ、弾性部材の形成素材としては、天然ゴムの他、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等を挙げることができる。
【0032】
以上、本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、上記実施形態のおむつにおいては、中央線CL上において股下部の股間幅が最小となっているが、該中央線CLからおむつ長手方向の第1部B側又は第2部側に若干(例えば、中央線CLから第1部又は第2部側へおむつ長手方向長さの10%程度)偏倚した位置に股下部の最小幅部分が存在していても良い。また、股下部の最小幅部分が、おむつ長手方向にある程度の長さに亘って同じ幅で存在していても良い。
本発明の使い捨ておむつは、成人用の使い捨ておむつであっても良いが、幼児(ベビー)用の使い捨ておむつ、特におむつ換えを嫌がる幼児に適している。
【0033】
【実施例】
<実施例1>
図1に示す形態のおむつを作成した。胴回り部Eの引張荷重及びウエスト部Dの引張荷重(それぞれ最大伸張時の伸張率から30%減じた伸張率での引張荷重)を順に250gf、150gfとし、股間最小幅を220mm、W1/W2=0.69とした。
吸収体は、吸収性ポリマー/繊維成分(架橋繊維+パルプ繊維)=40/60重量比で、かつ全繊維重量に対して架橋繊維を17.5wt%含有するものとした。尚、おむつの他の構成部材は、花王株式会社製の市販のおむつ(メリーズ、もれないフィット)と同様とした。
<比較例1>
サイド伸縮部を設けない以外は、実施例1と同じにして、使い捨ておむつを作成した。
【0034】
実施例1及び比較例1の使い捨ておむつについて、立位の装着容易性・立位におけるズレ落ち・股漏れ性能を下記評価方法および評価基準で評価した。結果を表1に示した。
〔立位装着のし易さの評価〕
装着方法は幼児モデルを立たせておいて、紙おむつのファスニングテープを着用者の腹側においてランディングゾーンに止着する方法(腹側装着)とし、立位での装着のし易さを評価した。
(評価基準)
立位での装着においてずれることなくきちんとおへそ位置に装着できた場合、○とした。装着途中ずれておへそ下で止着せざるおえなくなった場合は×とした。
【0035】
〔モレにくさとズレ落ち量の評価(動的股モレ値の測定)〕
実施例及び比較例の使い捨ておむつを、腹側装着により幼児腰部モデル(立位で両脚を前後させる歩行運動及び股間部からの人工尿の注入が可能であり、形態的に幼児の腰部を模してあるモデル)に装着し、下記方法で動的股モレ値とズレ落ち量を測定した。
その結果を表1に示した。
股モレ値とズレ落ち量の測定においては、先ず使い捨ておむつを上記の幼児モデルに装着し(腹側先端オヘソ位置)、150歩/分の歩行速度で5分間歩行運動させた。(立位)その後、歩行運動を停止し、チューブを介しておむつ5g/秒の速度で80gの人工尿を注入し、さらに5分間歩行運動を行なわせた。その時のオヘソからおむつ先端までのキョリをズレ落ち量とした。
その後、モデルを横寝にし、5g/秒の速度で40gの人工尿を注入し、40gの注入が終了した時点で漏れていないかを目視にてチェックした。漏れが生じていないものについては、更に40gの人工尿の注入を行ない、この様な操作を漏れるまで繰り返した。そして尿の漏れが観察された時点における人工尿の合計注入量を動的股モレ値とした。
【0036】
【表1】
Figure 2004057416
【0037】
実施例1の使い捨ておむつは比較例1のおむつと比べ、立位での装着性に優れ、装着中のずれ落ち量及び股部からの尿漏れ(動的評価による)も良好なものであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、立位での装着性に優れ、しかも充分な吸収性能及び漏れ防止性能を有する、立位装着容易な展開型の使い捨ておむつを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつを、各部の弾性部材を伸張させ平面状に拡げた状態(緊張状態)を示す平面図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつを、立ち上がった状態の幼児に装着する様子を示す図であり、図2(a)は腹側装着する場合、図2(b)は背側装着する場合を示す図である。
【符号の説明】
1  使い捨ておむつ
2  表面シート
3  裏面シート
4  吸収体
5  ファスニングテープ
A  股下部
D  ウエスト部
E  胴回り部

Claims (3)

  1. 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を備えたおむつであって、
    長手方向の一方の部位の両側縁部それぞれにファスニングテープが設けられており、該一方の部位の胴回り部における少なくとも両側部に、おむつ幅方向に弾性伸縮する伸縮部が形成されており、
    前記吸収体は、架橋繊維を含有しており、
    股下部の股間幅の最小値が100〜240mmの範囲内であり、
    前記股下部の股間幅の最小値W1と、前記一方の部位のおむつ全幅W2との比(W1/W2)が0.30〜0.70である、立位での装着が容易なおむつ。
  2. 前記股下部の股間幅が、おむつの長手方向の少なくとも50mmの長さに亘って100〜240mmとなしてある請求項1記載の立位での装着が容易なおむつ。
  3. 前記一方の部位の胴回り部を、おむつ幅方向に伸張させたときの、最大伸張時の伸張率から30%を減じた伸張率における引張荷重が、該一方の部位のウエスト部について同様にして求めた引張荷重よりも大きい請求項1又は2記載の立位での装着が容易なおむつ。
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