JP3804693B2 - 排熱回収システム - Google Patents
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- Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コジェネレーションシステムなどに用いるために、ガスエンジンやディーゼルエンジンの冷却ジャケットといったエンジン冷却部と排熱回収用熱交換器とを冷却水循環配管を介して接続するとともに、排熱回収用熱交換器に、温水吸収式冷凍機や給湯設備や暖房装置などの排熱回収負荷を循環ポンプを介装した負荷側循環配管を介して接続し、排熱回収用熱交換器よりも冷却水循環配管の下流側において、冷却水循環配管に、三方弁とバイパス配管とから構成されるような放熱量変更手段を備えた放熱用熱交換器を設け、かつ、放熱量変更手段よりも下流側で、冷却水循環配管に、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度を測定する冷却水温度センサを設け、その冷却水温度センサで測定される冷却水の温度に基づいて放熱量変更手段を作動するように構成した排熱回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
上述のような排熱回収システムでは、通常、冷却水温度センサで測定される冷却水の温度が設定温度になるように放熱量変更手段を作動するフィードバック側制御手段を備え、エンジン冷却部に供給される冷却水の温度が設定温度になるように、放熱用熱交換器に分配供給する冷却水の量を制御している。これにより、冷却ジャケット内の冷却水の温度が上昇しすぎてエンジン保護回路が作動し、エンジンを自動的に停止する、いわゆるエンジントリップが発生することを回避できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような排熱回収システムでは、例えば、温水吸収式冷凍機が急に停止するなどのように排熱需要量が急激に減少するとか、循環ポンプが故障等によって停止して排熱回収ができなくなるといった、排熱回収量が急激に減少する異常事態が発生する。
【0004】
しかしながら、従来例では、後流に三方弁などを介して水温を下げるための放熱用熱交換器を設けていても、上述のような異常事態の発生に伴い、排熱回収用熱交換器を経た冷却水循環配管での水温が急上昇すると制御遅れのために放熱用熱交換器で熱が十分奪われず、冷却水の温度が設定温度よりもオーバーシュートし、高温の冷却水がエンジンに戻ってエンジンがトリップする。
【0005】
そのため、オーバーシュートによる最大温度を見込んで設定温度を低くしている。ところが、通常時においてエンジン冷却部から取り出される冷却水の温度が低くなってしまい、排熱回収効率が低下する欠点があった。
【0006】
そこで、排熱回収用熱交換器から出た冷却水の温度を入口温度センサで測定し、その測定した温度に基づいて三方弁などの放熱量変更手段を作動するフィードフォワード制御を行い、早期に放熱量変更手段を作動してオーバーシュートを防止するものが提案されている。
【0007】
フィードフォワード制御を行う場合、入口温度センサによって冷却水の温度を測定する箇所と、冷却水循環配管側から放熱用熱交換器側に流れ込む箇所とが近い場合には制御遅れを生じ、排熱回収量が急激に減少したときに、放熱用熱交換器側に流されなかった高温のままの冷却水がエンジン冷却部に戻されてオーバーシュートを生じる問題があった。
【0008】
また、制御遅れが生じないような位置に入口温度センサを設けた場合、排熱回収量が急激に減少したときには対応できるが、逆に、排熱回収量が減少している状態から、温水吸収式冷凍機の運転が再開されるなどのように排熱回収量が増大したときには、入口温度センサによって冷却水の温度が低下したことを感知して放熱量変更手段を作動し、放熱用熱交換器での放熱量を急激に減少してしまうと、一部の冷却水が放熱用熱交換器で放熱されずに高温のままでエンジン冷却部に戻されてオーバーシュートを生じる問題があった。
【0009】
そこで、このような問題を解消するため、入口温度センサで測定された低温の冷却水が放熱量変更手段で制御される箇所に到達するに必要な時間を算出し、その時間だけ、放熱用熱交換器での放熱を継続することが考えられた。
【0010】
このような冷却水が放熱量変更手段で制御される箇所に到達するに必要な時間は、配管の内径とそこを流れる冷却水の流速とから算出される。ところが、配管の内径は、使用に伴って、配管の内周面にスケールが付着するなど、経年変化して流動抵抗が大になる可能性がある。
【0011】
このようなことから、長期にわたって適切に遅れ時間を設定することが困難であり、また、制御の遅れ時間を制御構成に組み込むためにコストアップを招く欠点があり、更なる改善が望まれていた。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明の排熱回収システムは、制御遅れの問題発生を合理的に抑制するとともに、経年変化に影響されずに、排熱回収量の急激な変動に起因するオーバーシュートの発生を防止できるようにすることを目的とし、また、請求項2に係る発明の排熱回収システムは、排熱回収再開時における動作遅れに起因して制御が不安定になることを回避できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、上述のような目的を達成するために、エンジン(1) のエンジン冷却部と排熱回収用熱交換器(6) とを冷却水循環配管(5) を介して接続するとともに、排熱回収用熱交換器(6) に、循環ポンプ(7) を介装した負荷側循環配管(8) を介して排熱回収負荷(9),(10)を接続し、排熱回収用熱交換器(6) よりも冷却水循環配管(5) の下流側で、冷却水循環配管(5) に、放熱量変更手段(16)を備えた放熱用熱交換器(18)を設け、かつ、放熱量変更手段(16)よりも下流側で、冷却水循環配管(5) に、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度を測定する冷却水温度センサ(19)を設け、その冷却水温度センサ(19)で測定される冷却水の温度に基づいて放熱量変更手段(16)を作動するように構成した排熱回収システムにおいて、負荷側循環配管(8) の排熱回収負荷(9),(10)よりも下流側に設けられて、そこを流れる負荷側循環水の温度を測定する負荷側循環水温度センサ(20)と、その負荷側循環水温度センサ(20)で測定される負荷側循環水の温度と第1の設定温度とを比較して負荷側循環水の温度が第1の設定温度以上のときに放熱信号を出力する排熱回収量検出手段(22)と、負荷側循環配管(8) に設けられて、負荷側循環水の流動状態が所定の流動状態かそれ以外の異常流動状態かを検出して異常流動状態の検出に伴って放熱信号を出力する流動状態検出手段(21)と、前記放熱信号に基づいて、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が第2の設定温度よりも低くなるまで放熱信号を出力させるホールド手段(27)と、前記放熱信号に応答して、放熱量変更手段(16)の弁開度を、エンジン(1) が定格運転し、かつ、排熱回収負荷(9),(10)の排熱需要が零のときに放熱用熱交換器(18)に供給すべき冷却水量を流す弁開度よりも小さい開度に予め設定した設定弁開度になるように制御出力を出すフィードフォワード側制御手段(28)と、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度に基づいて、その測定温度が高くなるほど放熱量が増大するように放熱量変更手段(16)を制御する制御出力を出すフィードバック側制御手段(24)とを備え、フィードフォワード側制御手段(28)からの制御出力とフィードバック側制御手段(24)からの制御出力とを加算した制御出力によって放熱量変更手段(16)を制御するように構成する。
各要素に括弧[( )]書きで付した番号は、理解を容易にするため、図1、図2および図7を参照して付与した。請求項に記載の発明は各番号を除いたものである。例えば、排熱回収負荷(9),(10)との記載は、排熱回収負荷は単数[例(9) ]でも複数[例(9),(10)]でもよいことを意味する。
【0014】
排熱回収負荷としては、温水吸収式冷凍機や給湯設備や暖房装置などが用いられる。
【0015】
また、請求項2に係る発明の排熱回収システムは、上述のような目的を達成するために、請求項1に係る発明の排熱回収システムにおけるホールド手段(27)を、負荷側循環水温度センサ(20)による負荷側循環水の測定温度がその設定温度(Ta)よりも低くなり、かつ、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度がその設定温度(Tb)よりも低くなるまで放熱信号を出力させるように構成する。
【0016】
【作用】
請求項1に係る発明の排熱回収システムの構成によれば、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要量が急激に減少し、負荷側循環水の温度が急激に上昇して第1の設定温度を越えると、それを負荷側循環水温度センサ(20)が感知して放熱信号を出力する。また、循環ポンプ(7) の故障によって負荷側循環水が流動しないなどの異常流動状態が発生したときには、そのことを流動状態検出手段(21)により検出して放熱信号を出力する。
そのような放熱信号に基づいてホールド手段(27)から放熱信号を出力し、放熱信号に応答して、フィードフォワード側制御手段(28)により、最大放熱量よりは小さい値に設定した設定放熱量になるように放熱量変更手段(16)を作動する制御出力を出し、全量よりは少ない量の冷却水を放熱用熱交換器(18)に供給する状態にする。
一方、フィードバック側制御手段(24)では、冷却水温度センサ(19)の測定温度に基づき、その測定温度が高くなれば、放熱用熱交換器(18)に供給する量が多くなるように、逆に、測定温度が低くなれば、放熱用熱交換器(18)に供給する量が少なくなるようにそれぞれ放熱量変更手段(16)を作動する制御出力を出す。そして、フィードフォワード側制御手段(28)からの制御出力とフィードバック側制御手段(24)からの制御出力とを加算したシステム全体の制御出力によって放熱量変更手段(16)を作動する。
【0017】
一方、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収が再開されたときや排熱需要量が増大したときには、そのことを、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が第2の設定温度よりも低くなることによって判断し、それに基づいてホールド手段(27)の作用を解除し、フィードフォワード側制御手段(28)からの制御出力だけでは放熱用熱交換器(18)に冷却水が供給されないが、冷却水温度センサ(19)による測定温度に基づいてフィードバック側制御手段(24)からの制御出力が加算され、冷却水温度センサ(19)による測定温度が第2の設定温度を越えないように、放熱量変更手段(16)を作動する。
【0018】
より詳述すれば、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要が安定していて、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度変化が小さいときには、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度に基づくフィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分が有効に作用して放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御する。
【0019】
例えば、温水吸収式冷凍機の運転が停止されるなど、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要量が急激に減少したときとか、循環ポンプ(7) の故障によって負荷側循環水が流動しないなどの異常流動状態が発生して結果として排熱回収ができなくなったときには、そのことを、循環水温度センサ(20)で測定される負荷側循環水の温度が第1の設定温度を越えることや流動状態検出手段(21)が異常流動状態を検出することにより、排熱回収用熱交換器(6) の二次側で早く感知し、ホールド手段(27)の作用により、必要量を放熱するために必要な冷却水量の全量ではなく、予め設定したある程度の量(設定量)の冷却水を放熱用熱交換器(18)に供給し、急激に温度が高くなった冷却水をエンジン冷却部に戻すことを回避するとともに、温度が上昇していない冷却水を必要以上に放熱用熱交換器(18)に供給して必要以上に低温の冷却水をエンジン冷却部に戻すことを抑制し、かつ、設定量を越える範囲では、フィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御する。
【0020】
また、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収が再開されたり、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要が安定状態に移行すると、その時点よりも遅らせて、前述したようにホールド手段(27)の作用を解除し、冷却水温度センサ(19)による測定温度に基づくフィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分の作用により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御する。
【0021】
また、請求項2に係る発明の排熱回収システムの構成によれば、ホールド手段(27)による作用の解除を、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が設定温度よりも低くなることに加えて、負荷側循環水温度センサ(20)による負荷側循環水の測定温度が設定温度よりも低くなることに基づいて行う。例えば、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収の再開に際し、排熱回収用熱交換器(6) に、最初は、排熱回収負荷(9),(10)側に残存していた低温の循環水が流れ、次いで、排熱回収負荷(9),(10)を経た循環水が流れるものの、排熱回収負荷(9),(10)での動作遅れがある場合に、その動作遅れの間に排熱回収負荷(9),(10)を経た循環水の温度は低くなっていない。このため、冷却水温度センサ(19)が最初の低温の冷却水を感知することに基づいてホールド手段(27)による作用を解除すると、その直後に動作遅れに起因した高温の冷却水がエンジン冷却部に流れ込むが、本案により、冷却水温度センサ(19)が最初の低温の冷却水を感知したときに負荷側循環水温度センサ(20)で動作遅れに起因した高温の循環水を感知していれば、ホールド手段(27)による作用が解除されず、放熱用熱交換器(18)への供給状態が継続され、動作遅れに起因した高温の冷却水がエンジン冷却部に流れ込むことを回避できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る排熱回収システムの第1実施例を示すブロック図であり、ガスエンジン1に、伝動クラッチ2を介して発電機3が連動連結されている。
【0024】
ガスエンジン1のエンジン冷却部の出口と入口とにわたって、第1のポンプ4を介装した冷却水循環配管5を介して排熱回収用熱交換器6が接続されている。排熱回収用熱交換器6に、循環ポンプ7を介装した負荷側循環配管8が接続され、その負荷側循環配管8に、排熱回収負荷としての温水吸収式冷凍機9と給湯設備10それぞれが、互いに並列に送り配管11aおよび戻り配管11b、ならびに、温水供給量を調整する三方弁12を介して接続されている。更に、温水吸収式冷凍機9に、第2のポンプ13を介装した冷房用配管14を介して冷房装置15が接続され、エンジン冷却によって発生する排熱を冷房や給湯の熱源として利用するように構成されている。
【0025】
また、冷却水循環配管5の排熱回収用熱交換器6よりも下流側に、放熱量変更手段としての三方弁16とバイパス配管17とを介して放熱用熱交換器18が接続されている。三方弁16は放熱用熱交換器18への入口側に設けても良い。
【0026】
冷却水循環配管5の三方弁16との接続箇所よりも下流側に、エンジン冷却部に供給される冷却水の温度を測定する冷却水温度センサ19が設けられている。また、負荷側循環配管8の給湯設備10に対する三方弁12よりも下流側に、そこを流れる排熱回収後の負荷側循環水の温度を測定する負荷側循環水温度センサ20と、負荷側循環水の流動状態の有無を検出して負荷側循環水の流動が停止したときに放熱信号を出力するフロースイッチ21が設けられている。
【0027】
負荷側循環水温度センサ20には、排熱回収量検出手段としてのコンパレータ22が接続され、そのコンパレータ22において、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1と第1の温度設定器23(図2参照)から入力される第1の設定温度Taとを比較し、負荷側循環水の温度T1が設定温度Ta以上になったときに放熱信号を出力するように構成されている。
【0028】
前述したフロースイッチ21では、負荷側循環水が流れているか流れていないか、換言すれば、循環ポンプ7が停止しているかどうかを判別しているが、例えば、フロースイッチ21に代えて流速センサを設け、その流速センサによって測定される負荷側循環水の流速と設定速度とをコンパレータで比較し、負荷側循環水の流速が設定速度よりも遅くなったときに放熱信号を出力するように構成し、循環ポンプ7の停止に加えて負荷側循環配管8での洩れ等による流速低下をも検出できるように構成しても良く、要するに、負荷側循環水の流動状態を検出して所定の流動状態かそれ以外の異常流動状態かを検出して異常流動状態の検出に伴って放熱信号を出力するように構成するものであれば良く、フロースイッチ21や、流速センサとコンパレータとから成るものなどをして流動状態検出手段と総称する。
【0029】
前記冷却水温度センサ19にはフィードバック側制御手段24が接続され、このフィードバック側制御手段24において、冷却水温度センサ19による冷却水の測定温度に基づいて比例微分積分制御(PID制御)し、その測定温度が高くなるほど放熱量が増大するように三方弁16を制御する制御出力を出すようになっている。詳述すれば、冷却水温度センサ19による冷却水の測定温度の変化に応じた制御出力を出し、上昇側に変化したときには三方弁16を開くように、すなわち、放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を増加するように、逆に、下降側に変化したときには三方弁16を閉じるように、すなわち、放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を減少するようになっている。
【0030】
前記冷却水温度センサ19、フロースイッチ21およびコンパレータ22それぞれにマイクロコンピュータ25が接続されている。マイクロコンピュータ25には、比較手段26とホールド手段27とフィードフォワード側制御手段28とが備えられている。
【0031】
比較手段26では、冷却水温度センサ19から入力される測定冷却水温度T2と第2の温度設定器29から入力される第2の設定温度Tbとを比較し、測定冷却水温度T2が第2の設定温度Tb以下になったときにホールド手段27にホールド解除信号を出力し、ホールド手段27からの後述する放熱信号の出力を禁止するようになっている。
【0032】
ホールド手段27では、フロースイッチ21およびコンパレータ22それぞれからの放熱信号に基づいて、比較手段26からホールド解除信号を受けるまで、すなわち、冷却水温度センサ19による冷却水の測定温度T2が第2の設定温度Tb以下になるまで放熱信号を出力させるようになっている。
【0033】
フィードフォワード側制御手段28では、ホールド手段27からの放熱信号に応答して、三方弁16の弁開度を、ガスエンジン1が定格運転し、かつ、温水吸収式冷凍機9および給湯設備10の排熱需要が零のときに放熱用熱交換器18に供給すべき冷却水量を流す弁開度よりも小さい予め設定した設定弁開度になるように、例えば、30%などの制御出力を出すようになっている。
【0034】
前記フィードバック側制御手段24からの制御出力とフィードフォワード側制御手段28からの制御出力とを制御出力加算手段30に入力して加算し、その両者の加算した制御出力を制御出力加算手段30から三方弁16のドライバ31に出力し、加算した制御出力に対応した開度が得られるように三方弁16の開度を制御するように構成されている。
【0035】
次に、上記構成による制御動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1と冷却水温度センサ19で測定される冷却水温度T2とを入力して(S1)、負荷側循環水の温度T1と第1の設定温度Taと比較する(S2)。ここで、負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Ta以上のときには放熱信号をホールド手段27に出力する(S3)。
【0036】
ステップS2において、負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Taよりも低いときにはステップS4に移行し、流動状態かどうか、すなわち、循環ポンプ7が停止しているかどうかを判断する。ここで、循環ポンプ7が停止していると判断したときには、ステップS3に移行して放熱信号をホールド手段27に出力し(S3)、一方、循環ポンプ7が停止していないと判断したときには、所定の排熱回収が行われている状態であるために、ステップS1に戻す。
【0037】
放熱信号をが出力された後には、冷却水温度T2と第2の設定温度Tbとを比較する(S5)。ここで、冷却水温度T2が第2の設定温度Tb以下でないとき、すなわち、冷却水温度T2が第2の設定温度Tbよりも高いときには放熱信号をフィードフォワード側制御手段28に出力し(S6)、フィードフォワード側制御手段28から制御出力加算手段30に30%の制御出力を出す(S7)。
【0038】
次いで、制御出力加算手段30において、フィードフォワード側制御手段28からの制御出力にフィードバック側制御手段24からの制御出力を加算し(S8)、その加算した制御出力をドライバ31に出して(S9)からステップS1に戻す。これにより、ドライバ31を通じて、加算した制御出力に対応した開度が得られるように三方弁16を制御する。
【0039】
ステップS5において、冷却水温度T2が第2の設定温度Tb以下になったときには、ステップS10に移行してホールド手段27にホールド解除信号を出力し、フィードフォワード側制御手段28から制御出力加算手段30に15%(この制御出力は三方弁16のデッドバンド内にあり、実際には放熱用熱交換器18に冷却水は供給されない)の制御出力を出して(S11)からステップS8に移行する。
【0040】
以上の構成により、温水吸収式冷凍機6や給湯設備7での排熱需要が安定していて、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度変化が小さいときには、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2に基づくフィードバック側制御手段24からの制御出力の加算分が有効に作用して放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を制御する。
【0041】
例えば、循環ポンプ7が故障などにより停止されたり、温水吸収式冷凍機9の運転が急に停止されたりして排熱回収量が急激に減少したときには、そのことを負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Ta以上になるか、フロースイッチ21で流動停止状態を検出するかにより感知し、ホールド手段27の作用により、フィードフォワード側制御手段28から制御出力加算手段30に30%の制御出力を出し、必要量を放熱するために必要な冷却水量の全量ではなく、予め設定したある程度の量(設定量)の冷却水を放熱用熱交換器18に供給し、急激に温度が高くなった冷却水をエンジン冷却部に戻すことを回避するとともに、温度が上昇していない冷却水を必要以上に放熱用熱交換器18に供給して必要以上に低温の冷却水をエンジン冷却部に戻すことを抑制し、かつ、設定量を越える範囲では、フィードバック側制御手段24からの制御出力の加算分により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が第2の設定温度Tbを越えないように放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を制御する。
【0042】
また、循環ポンプ7の再起動や温水吸収式冷凍機9の運転が再開されるなど、排熱回収負荷での排熱回収が再開されると、そのことをエンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が第2の設定温度Tb以下になり、かつ、負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Taよりも低くなるとともに流動停止状態でないことにより判断し、排熱回収の再開時点よりも遅らせてホールド手段27の作用を解除してフィードフォワード側制御手段28から制御出力加算手段30に15%の制御出力を出し、冷却水温度センサ19によって測定される、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2に基づくフィードバック側制御手段24からの制御出力を加算し、その加算した制御出力によりエンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が第2の設定温度Tbを越えないように放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を制御する。
【0043】
次に、上記第1実施例による動作につき、図4、図5および図6のグラフを用いて説明する。
図4は、温水吸収式冷凍機9や給湯設備10での排熱需要の変化に伴う、給湯設備10からの出口温度(A1で示す)および放熱用熱交換器18からの出口温度(B1で示す)[両温度それぞれを真温度と縦軸に表示する]の経時的変化を示すグラフである。なお、この真温度は、通常の装置に組み込まれる直径10mmの白金測温抵抗体に代えて計測専用の直径2mmの白金測温抵抗体を用いて測定した。
【0044】
図5は、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1および冷却水温度センサ19によって測定されるエンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2[両温度それぞれを制御用センサー温度と縦軸に表示する]の経時的変化を示すグラフであり、図6の真温度に比べてセンサ自体の応答特性の遅れによってややズレを生じるとともに滑らかな変化になり、かつ、低温になっているが、充分追随していることがわかる。
【0045】
図6は、両センサ19,20の測定温度に基づく制御出力の経時的変化を示すグラフである。
排熱需要が安定している状態では、フロースイッチ21による流動状態の検出と、負荷側循環水温度センサ20によって測定される第1の設定温度Ta未満の負荷側循環水の温度T1とに基づく、フィードフォワード側制御手段28からの15%の制御出力(A2で示す)に、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2に基づくフィードバック側制御手段24からの制御出力(B2で示す)を加算した制御出力(Cで示す)を出して三方弁12の開度を制御し、図5に示すように、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2は、第2の設定温度Tb(例えば、80℃)に近い状態に維持される。
【0046】
排熱需要が安定している状態から、例えば、循環ポンプ7が停止したり、温水吸収式冷凍機9の運転が急に停止されるといったように排熱回収が急激に減少した場合(図4にP1で示す)、図5に示すように、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1が上昇するが、第1の設定温度Ta(例えば、80℃)を越えるに伴い、放熱信号をホールド手段27に出力してホールド状態になるとともにホールド手段27からフィードフォワード側制御手段28に放熱信号を出力し、図6に示すように、フィードフォワード側制御手段28から30%の制御出力を出してホールド状態に移行する。ホールド状態に移行すると、30%の制御出力にエンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2に基づくフィードバック側制御手段24からの制御出力を加算し、その加算された制御出力Cにより三方弁12を開閉する。これらの結果、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2は、所定温度(約80℃)に維持される。
【0047】
一方、例えば、循環ポンプ7が再起動されたり、温水吸収式冷凍機9の運転が再開されるなどにより排熱回収需要が急激に増大すると、図4および図5に示すように、先ず、排熱回収用熱交換器6に低温の負荷側循環水が流れ込み、真温度A1および負荷側循環水温度センサ20で測定される冷却水の温度T1が急激に低下する。この影響が、放熱用熱交換器18の出口の真温度B1および冷却水温度センサ19の測定温度T2それぞれに、測定位置の距離を冷却水が流れる時間tだけ遅れて現れる。冷却水温度センサ19の測定温度T2が第2の設定温度Tb以下になると、ホールド手段27にホールド解除信号を出力してホールドを解除し、図6に示すように、フィードフォワード側制御手段28からの制御出力A2が15%に戻され、これにフィードバック側制御手段24からの制御出力B2を加算した制御出力Cによって三方弁16を制御し、放熱用熱交換器18に流される冷却水の量を減少し、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が必要以上に低下することを回避する。その後、排熱需要が安定するに伴い、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が所定温度(約80℃)に維持されるようになる。
【0048】
図7は、本発明に係る排熱回収システムの第2実施例の要部を示すブロック図であり、第1実施例と異なるところは次の通りである。
すなわち、第1実施例におけるコンパレータ22および比較手段26それぞれからの比較出力がAND回路32に入力され、そのAND回路32からの出力がホールド解除信号としてホールド手段27に入力されるようになっている。
【0049】
そして、その動作において、図8のフローチャートに示すように、第1実施例におけるステップS5とステップS10との間に、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Ta未満かどうかを判断するステップS5Aを介装し、冷却水温度センサ19によって測定される、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が第2の設定温度Tb以下になり、かつ、負荷側循環水温度センサ20で測定される冷却水の温度T1が第1の設定温度Ta未満になったときにステップS10に移行してホールド解除信号を出力するようになっている。ステップS5Aにおいて、負荷側循環水温度センサ20で測定される冷却水の温度T1が第1の設定温度Ta以上と判断したきには、ホールド解除信号を出力せずにステップS6に移行するようになっている。他の構成ならびに動作は第1実施例と同じであり、その説明は省略する。
【0050】
次に、この第2実施例による特徴的動作につき、図9のタイムチャートを用いて説明する。
すなわち、温水吸収式冷凍機9の運転が再開されるなどにより排熱回収需要が急激に増大し、図9の(a)に示すように、最初に温水吸収式冷凍機9の戻り配管11b内の低温の循環水が排熱回収用熱交換器6に流れ込んで負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1が急激に低下するが、次いで、温水吸収式冷凍機9で実際に排熱が回収された循環水が流れ込む前に、温水吸収式冷凍機9での動作遅れなどに起因して排熱が回収されない高温の冷却水が流れるような場合、図9の(b)に示すように、時間遅れtを持って冷却水温度センサ19の測定温度T2も同様に変化する。
【0051】
このような事態を生じる場合、前述した第1実施例では、このときに冷却水温度センサ19の測定温度T2が第2の設定温度Tb以下になるに伴ってホールド状態を解除していたのであるが、その後に、前述したように排熱が回収されない高温の冷却水が流れて、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が高くなってオーバーシュートを生じる問題がある。そこで、この第2実施例では、図9の(c)に示すように、冷却水温度センサ19の測定温度T2が第2の設定温度Tb以下になっただけではホールド状態を解除できず、温水吸収式冷凍機9で実際に排熱が回収され、負荷側循環水温度センサ20で測定される循環水の温度T1も第1の設定温度Ta未満になってからホールド状態を解除し、前述の問題を回避できるようにしている。
【0052】
放熱用熱交換器18に流す冷却水流量を変更する放熱量変更手段としては、三方弁16に代えて、例えば、バイパス配管17と、2本のバイパス配管17,17を接続した箇所で挟まれた冷却水循環配管5部分とに個別に流量調整弁を設け、両流量調整弁を互いに連動させて放熱用熱交換器18に流す冷却水流量を変更するように構成するものでも良い。
【0053】
また、上記実施例では、ホールドする設定放熱量を得る上でのフィードフォワード側制御手段28からの制御出力を30%に設定しているが、この値は排熱回収システムに用いられる温水吸収式冷凍機9の容量や三方弁16などに応じて適宜設定すれば良く、通常25〜35%程度である。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の排熱回収システムによれば、排熱回収用熱交換器(6) の二次側配管である負荷側循環配管側に負荷側循環水温度センサ(20)と流動状態検出手段(21)とを設け、循環ポンプ(7) の故障などによって負荷側循環水の流動に異常を検出したときとか、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要量が急激に減少して温度が急激に上昇した循環水を負荷側循環水温度センサ(20)で感知したときに放熱信号を出力し、それに基づいてホールド手段(27)から放熱信号を出力し、その放熱信号に応答して、フィードフォワード側制御手段(28)から、全量よりも少ない所定量の冷却水を放熱用熱交換器(18)に供給するように最大放熱量よりも小さい値に設定した設定放熱量になる制御出力を出力させる。
【0055】
一方、フィードバック側制御手段(24)からは、冷却水温度センサ(19)の測定温度に基づき、その測定温度が高くなれば、放熱用熱交換器(18)に供給する量が多くなるように、逆に、測定温度が低くなれば、放熱用熱交換器(18)に供給する量が少なくなるようにそれぞれ制御出力を出力させ、フィードフォワード側制御手段(28)とフィードバック側制御手段(24)の両者の加算所定した制御出力によって放熱量変更手段(16)を作動する。そして、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収が再開されると、そのことを、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が設定温度よりも低くなることによって判断し、それに基づいてホールド手段(27)の作用を解除し、冷却水温度センサ(19)による測定温度に基づく、フィードバック側制御手段(24)からの制御出力が有効に作用して放熱量変更手段(16)を作動し、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように制御する。
【0056】
すなわち、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要が安定していて、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度変化が小さいときには、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度に基づくフィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分が有効に作用して放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御する。
【0057】
例えば、循環ポンプ(7) が停止されたり、温水吸収式冷凍機の運転が急に停止されるなど、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収量が急激に減少したときには、必要量を放熱するために必要な冷却水量の全量ではなく、予め設定したある程度の量(設定量)の冷却水を放熱用熱交換器(18)に供給する。これにより、急激に温度が高くなった冷却水をエンジン冷却部に戻すことを回避するとともに、温度が上昇していない冷却水を必要以上に放熱用熱交換器(18)に供給して必要以上に低温の冷却水をエンジン冷却部に戻すことを抑制できる。また、設定量を越える範囲では、フィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を良好に制御できる。
【0058】
更に、循環ポンプ(7) が再起動されたり、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収が再開されると、フィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分の作用により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御するから、配管内を流れる冷却水の時間遅れを考慮する場合のように、配管の内周面へのスケール付着といった経年変化に影響されずに済み、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収量の増大に起因するオーバーシュートの発生を良好に防止できるようになった。
【0059】
また、請求項2に係る発明の排熱回収システムによれば、それぞれ、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収の再開に際し、排熱回収負荷(9),(10)側に残存していた低温の循環水を負荷側循環水温度センサ(20)が感知しても、ホールド手段(27)による作用が解除されず、放熱用熱交換器(18)への供給状態を継続できるから、排熱回収負荷(9),(10)での動作遅れに起因した高温の冷却水がエンジン冷却部に流れ込むことを回避でき、制御の安定性を向上できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排熱回収システムの第1実施例を示すブロック図である。
【図2】マイクロコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】動作説明に供するフローチャートである。
【図4】真温度の経時的変化を示すグラフである。
【図5】入口温度センサおよび冷却水温度センサによる測定温度の経時的変化を示すグラフである。
【図6】制御出力の経時的変化を示すグラフである。
【図7】本発明に係る排熱回収システムの第2実施例の要部を示すブロック図である。
【図8】動作説明に供する要部のフローチャートである。
【図9】動作説明に供する要部のタイムチャートである。
【符号の説明】
1…ガスエンジン
5…冷却水循環配管
6…排熱回収用熱交換器
7…循環ポンプ
8…負荷側循環配管
9…排熱回収負荷としての温水吸収式冷凍機
10…排熱回収負荷としての給湯設備
16…放熱量変更手段を構成する三方弁
17…放熱量変更手段を構成するバイパス配管
18…放熱用熱交換器
19…冷却水温度センサ
20…負荷側循環水温度センサ
21…フロースイッチ
22…排熱回収量検出手段としてのコンパレータ
24…フィードバック側制御手段
27…ホールド手段
28…フィードフォワード側制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、コジェネレーションシステムなどに用いるために、ガスエンジンやディーゼルエンジンの冷却ジャケットといったエンジン冷却部と排熱回収用熱交換器とを冷却水循環配管を介して接続するとともに、排熱回収用熱交換器に、温水吸収式冷凍機や給湯設備や暖房装置などの排熱回収負荷を循環ポンプを介装した負荷側循環配管を介して接続し、排熱回収用熱交換器よりも冷却水循環配管の下流側において、冷却水循環配管に、三方弁とバイパス配管とから構成されるような放熱量変更手段を備えた放熱用熱交換器を設け、かつ、放熱量変更手段よりも下流側で、冷却水循環配管に、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度を測定する冷却水温度センサを設け、その冷却水温度センサで測定される冷却水の温度に基づいて放熱量変更手段を作動するように構成した排熱回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
上述のような排熱回収システムでは、通常、冷却水温度センサで測定される冷却水の温度が設定温度になるように放熱量変更手段を作動するフィードバック側制御手段を備え、エンジン冷却部に供給される冷却水の温度が設定温度になるように、放熱用熱交換器に分配供給する冷却水の量を制御している。これにより、冷却ジャケット内の冷却水の温度が上昇しすぎてエンジン保護回路が作動し、エンジンを自動的に停止する、いわゆるエンジントリップが発生することを回避できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような排熱回収システムでは、例えば、温水吸収式冷凍機が急に停止するなどのように排熱需要量が急激に減少するとか、循環ポンプが故障等によって停止して排熱回収ができなくなるといった、排熱回収量が急激に減少する異常事態が発生する。
【0004】
しかしながら、従来例では、後流に三方弁などを介して水温を下げるための放熱用熱交換器を設けていても、上述のような異常事態の発生に伴い、排熱回収用熱交換器を経た冷却水循環配管での水温が急上昇すると制御遅れのために放熱用熱交換器で熱が十分奪われず、冷却水の温度が設定温度よりもオーバーシュートし、高温の冷却水がエンジンに戻ってエンジンがトリップする。
【0005】
そのため、オーバーシュートによる最大温度を見込んで設定温度を低くしている。ところが、通常時においてエンジン冷却部から取り出される冷却水の温度が低くなってしまい、排熱回収効率が低下する欠点があった。
【0006】
そこで、排熱回収用熱交換器から出た冷却水の温度を入口温度センサで測定し、その測定した温度に基づいて三方弁などの放熱量変更手段を作動するフィードフォワード制御を行い、早期に放熱量変更手段を作動してオーバーシュートを防止するものが提案されている。
【0007】
フィードフォワード制御を行う場合、入口温度センサによって冷却水の温度を測定する箇所と、冷却水循環配管側から放熱用熱交換器側に流れ込む箇所とが近い場合には制御遅れを生じ、排熱回収量が急激に減少したときに、放熱用熱交換器側に流されなかった高温のままの冷却水がエンジン冷却部に戻されてオーバーシュートを生じる問題があった。
【0008】
また、制御遅れが生じないような位置に入口温度センサを設けた場合、排熱回収量が急激に減少したときには対応できるが、逆に、排熱回収量が減少している状態から、温水吸収式冷凍機の運転が再開されるなどのように排熱回収量が増大したときには、入口温度センサによって冷却水の温度が低下したことを感知して放熱量変更手段を作動し、放熱用熱交換器での放熱量を急激に減少してしまうと、一部の冷却水が放熱用熱交換器で放熱されずに高温のままでエンジン冷却部に戻されてオーバーシュートを生じる問題があった。
【0009】
そこで、このような問題を解消するため、入口温度センサで測定された低温の冷却水が放熱量変更手段で制御される箇所に到達するに必要な時間を算出し、その時間だけ、放熱用熱交換器での放熱を継続することが考えられた。
【0010】
このような冷却水が放熱量変更手段で制御される箇所に到達するに必要な時間は、配管の内径とそこを流れる冷却水の流速とから算出される。ところが、配管の内径は、使用に伴って、配管の内周面にスケールが付着するなど、経年変化して流動抵抗が大になる可能性がある。
【0011】
このようなことから、長期にわたって適切に遅れ時間を設定することが困難であり、また、制御の遅れ時間を制御構成に組み込むためにコストアップを招く欠点があり、更なる改善が望まれていた。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明の排熱回収システムは、制御遅れの問題発生を合理的に抑制するとともに、経年変化に影響されずに、排熱回収量の急激な変動に起因するオーバーシュートの発生を防止できるようにすることを目的とし、また、請求項2に係る発明の排熱回収システムは、排熱回収再開時における動作遅れに起因して制御が不安定になることを回避できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、上述のような目的を達成するために、エンジン(1) のエンジン冷却部と排熱回収用熱交換器(6) とを冷却水循環配管(5) を介して接続するとともに、排熱回収用熱交換器(6) に、循環ポンプ(7) を介装した負荷側循環配管(8) を介して排熱回収負荷(9),(10)を接続し、排熱回収用熱交換器(6) よりも冷却水循環配管(5) の下流側で、冷却水循環配管(5) に、放熱量変更手段(16)を備えた放熱用熱交換器(18)を設け、かつ、放熱量変更手段(16)よりも下流側で、冷却水循環配管(5) に、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度を測定する冷却水温度センサ(19)を設け、その冷却水温度センサ(19)で測定される冷却水の温度に基づいて放熱量変更手段(16)を作動するように構成した排熱回収システムにおいて、負荷側循環配管(8) の排熱回収負荷(9),(10)よりも下流側に設けられて、そこを流れる負荷側循環水の温度を測定する負荷側循環水温度センサ(20)と、その負荷側循環水温度センサ(20)で測定される負荷側循環水の温度と第1の設定温度とを比較して負荷側循環水の温度が第1の設定温度以上のときに放熱信号を出力する排熱回収量検出手段(22)と、負荷側循環配管(8) に設けられて、負荷側循環水の流動状態が所定の流動状態かそれ以外の異常流動状態かを検出して異常流動状態の検出に伴って放熱信号を出力する流動状態検出手段(21)と、前記放熱信号に基づいて、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が第2の設定温度よりも低くなるまで放熱信号を出力させるホールド手段(27)と、前記放熱信号に応答して、放熱量変更手段(16)の弁開度を、エンジン(1) が定格運転し、かつ、排熱回収負荷(9),(10)の排熱需要が零のときに放熱用熱交換器(18)に供給すべき冷却水量を流す弁開度よりも小さい開度に予め設定した設定弁開度になるように制御出力を出すフィードフォワード側制御手段(28)と、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度に基づいて、その測定温度が高くなるほど放熱量が増大するように放熱量変更手段(16)を制御する制御出力を出すフィードバック側制御手段(24)とを備え、フィードフォワード側制御手段(28)からの制御出力とフィードバック側制御手段(24)からの制御出力とを加算した制御出力によって放熱量変更手段(16)を制御するように構成する。
各要素に括弧[( )]書きで付した番号は、理解を容易にするため、図1、図2および図7を参照して付与した。請求項に記載の発明は各番号を除いたものである。例えば、排熱回収負荷(9),(10)との記載は、排熱回収負荷は単数[例(9) ]でも複数[例(9),(10)]でもよいことを意味する。
【0014】
排熱回収負荷としては、温水吸収式冷凍機や給湯設備や暖房装置などが用いられる。
【0015】
また、請求項2に係る発明の排熱回収システムは、上述のような目的を達成するために、請求項1に係る発明の排熱回収システムにおけるホールド手段(27)を、負荷側循環水温度センサ(20)による負荷側循環水の測定温度がその設定温度(Ta)よりも低くなり、かつ、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度がその設定温度(Tb)よりも低くなるまで放熱信号を出力させるように構成する。
【0016】
【作用】
請求項1に係る発明の排熱回収システムの構成によれば、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要量が急激に減少し、負荷側循環水の温度が急激に上昇して第1の設定温度を越えると、それを負荷側循環水温度センサ(20)が感知して放熱信号を出力する。また、循環ポンプ(7) の故障によって負荷側循環水が流動しないなどの異常流動状態が発生したときには、そのことを流動状態検出手段(21)により検出して放熱信号を出力する。
そのような放熱信号に基づいてホールド手段(27)から放熱信号を出力し、放熱信号に応答して、フィードフォワード側制御手段(28)により、最大放熱量よりは小さい値に設定した設定放熱量になるように放熱量変更手段(16)を作動する制御出力を出し、全量よりは少ない量の冷却水を放熱用熱交換器(18)に供給する状態にする。
一方、フィードバック側制御手段(24)では、冷却水温度センサ(19)の測定温度に基づき、その測定温度が高くなれば、放熱用熱交換器(18)に供給する量が多くなるように、逆に、測定温度が低くなれば、放熱用熱交換器(18)に供給する量が少なくなるようにそれぞれ放熱量変更手段(16)を作動する制御出力を出す。そして、フィードフォワード側制御手段(28)からの制御出力とフィードバック側制御手段(24)からの制御出力とを加算したシステム全体の制御出力によって放熱量変更手段(16)を作動する。
【0017】
一方、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収が再開されたときや排熱需要量が増大したときには、そのことを、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が第2の設定温度よりも低くなることによって判断し、それに基づいてホールド手段(27)の作用を解除し、フィードフォワード側制御手段(28)からの制御出力だけでは放熱用熱交換器(18)に冷却水が供給されないが、冷却水温度センサ(19)による測定温度に基づいてフィードバック側制御手段(24)からの制御出力が加算され、冷却水温度センサ(19)による測定温度が第2の設定温度を越えないように、放熱量変更手段(16)を作動する。
【0018】
より詳述すれば、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要が安定していて、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度変化が小さいときには、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度に基づくフィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分が有効に作用して放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御する。
【0019】
例えば、温水吸収式冷凍機の運転が停止されるなど、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要量が急激に減少したときとか、循環ポンプ(7) の故障によって負荷側循環水が流動しないなどの異常流動状態が発生して結果として排熱回収ができなくなったときには、そのことを、循環水温度センサ(20)で測定される負荷側循環水の温度が第1の設定温度を越えることや流動状態検出手段(21)が異常流動状態を検出することにより、排熱回収用熱交換器(6) の二次側で早く感知し、ホールド手段(27)の作用により、必要量を放熱するために必要な冷却水量の全量ではなく、予め設定したある程度の量(設定量)の冷却水を放熱用熱交換器(18)に供給し、急激に温度が高くなった冷却水をエンジン冷却部に戻すことを回避するとともに、温度が上昇していない冷却水を必要以上に放熱用熱交換器(18)に供給して必要以上に低温の冷却水をエンジン冷却部に戻すことを抑制し、かつ、設定量を越える範囲では、フィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御する。
【0020】
また、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収が再開されたり、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要が安定状態に移行すると、その時点よりも遅らせて、前述したようにホールド手段(27)の作用を解除し、冷却水温度センサ(19)による測定温度に基づくフィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分の作用により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御する。
【0021】
また、請求項2に係る発明の排熱回収システムの構成によれば、ホールド手段(27)による作用の解除を、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が設定温度よりも低くなることに加えて、負荷側循環水温度センサ(20)による負荷側循環水の測定温度が設定温度よりも低くなることに基づいて行う。例えば、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収の再開に際し、排熱回収用熱交換器(6) に、最初は、排熱回収負荷(9),(10)側に残存していた低温の循環水が流れ、次いで、排熱回収負荷(9),(10)を経た循環水が流れるものの、排熱回収負荷(9),(10)での動作遅れがある場合に、その動作遅れの間に排熱回収負荷(9),(10)を経た循環水の温度は低くなっていない。このため、冷却水温度センサ(19)が最初の低温の冷却水を感知することに基づいてホールド手段(27)による作用を解除すると、その直後に動作遅れに起因した高温の冷却水がエンジン冷却部に流れ込むが、本案により、冷却水温度センサ(19)が最初の低温の冷却水を感知したときに負荷側循環水温度センサ(20)で動作遅れに起因した高温の循環水を感知していれば、ホールド手段(27)による作用が解除されず、放熱用熱交換器(18)への供給状態が継続され、動作遅れに起因した高温の冷却水がエンジン冷却部に流れ込むことを回避できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る排熱回収システムの第1実施例を示すブロック図であり、ガスエンジン1に、伝動クラッチ2を介して発電機3が連動連結されている。
【0024】
ガスエンジン1のエンジン冷却部の出口と入口とにわたって、第1のポンプ4を介装した冷却水循環配管5を介して排熱回収用熱交換器6が接続されている。排熱回収用熱交換器6に、循環ポンプ7を介装した負荷側循環配管8が接続され、その負荷側循環配管8に、排熱回収負荷としての温水吸収式冷凍機9と給湯設備10それぞれが、互いに並列に送り配管11aおよび戻り配管11b、ならびに、温水供給量を調整する三方弁12を介して接続されている。更に、温水吸収式冷凍機9に、第2のポンプ13を介装した冷房用配管14を介して冷房装置15が接続され、エンジン冷却によって発生する排熱を冷房や給湯の熱源として利用するように構成されている。
【0025】
また、冷却水循環配管5の排熱回収用熱交換器6よりも下流側に、放熱量変更手段としての三方弁16とバイパス配管17とを介して放熱用熱交換器18が接続されている。三方弁16は放熱用熱交換器18への入口側に設けても良い。
【0026】
冷却水循環配管5の三方弁16との接続箇所よりも下流側に、エンジン冷却部に供給される冷却水の温度を測定する冷却水温度センサ19が設けられている。また、負荷側循環配管8の給湯設備10に対する三方弁12よりも下流側に、そこを流れる排熱回収後の負荷側循環水の温度を測定する負荷側循環水温度センサ20と、負荷側循環水の流動状態の有無を検出して負荷側循環水の流動が停止したときに放熱信号を出力するフロースイッチ21が設けられている。
【0027】
負荷側循環水温度センサ20には、排熱回収量検出手段としてのコンパレータ22が接続され、そのコンパレータ22において、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1と第1の温度設定器23(図2参照)から入力される第1の設定温度Taとを比較し、負荷側循環水の温度T1が設定温度Ta以上になったときに放熱信号を出力するように構成されている。
【0028】
前述したフロースイッチ21では、負荷側循環水が流れているか流れていないか、換言すれば、循環ポンプ7が停止しているかどうかを判別しているが、例えば、フロースイッチ21に代えて流速センサを設け、その流速センサによって測定される負荷側循環水の流速と設定速度とをコンパレータで比較し、負荷側循環水の流速が設定速度よりも遅くなったときに放熱信号を出力するように構成し、循環ポンプ7の停止に加えて負荷側循環配管8での洩れ等による流速低下をも検出できるように構成しても良く、要するに、負荷側循環水の流動状態を検出して所定の流動状態かそれ以外の異常流動状態かを検出して異常流動状態の検出に伴って放熱信号を出力するように構成するものであれば良く、フロースイッチ21や、流速センサとコンパレータとから成るものなどをして流動状態検出手段と総称する。
【0029】
前記冷却水温度センサ19にはフィードバック側制御手段24が接続され、このフィードバック側制御手段24において、冷却水温度センサ19による冷却水の測定温度に基づいて比例微分積分制御(PID制御)し、その測定温度が高くなるほど放熱量が増大するように三方弁16を制御する制御出力を出すようになっている。詳述すれば、冷却水温度センサ19による冷却水の測定温度の変化に応じた制御出力を出し、上昇側に変化したときには三方弁16を開くように、すなわち、放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を増加するように、逆に、下降側に変化したときには三方弁16を閉じるように、すなわち、放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を減少するようになっている。
【0030】
前記冷却水温度センサ19、フロースイッチ21およびコンパレータ22それぞれにマイクロコンピュータ25が接続されている。マイクロコンピュータ25には、比較手段26とホールド手段27とフィードフォワード側制御手段28とが備えられている。
【0031】
比較手段26では、冷却水温度センサ19から入力される測定冷却水温度T2と第2の温度設定器29から入力される第2の設定温度Tbとを比較し、測定冷却水温度T2が第2の設定温度Tb以下になったときにホールド手段27にホールド解除信号を出力し、ホールド手段27からの後述する放熱信号の出力を禁止するようになっている。
【0032】
ホールド手段27では、フロースイッチ21およびコンパレータ22それぞれからの放熱信号に基づいて、比較手段26からホールド解除信号を受けるまで、すなわち、冷却水温度センサ19による冷却水の測定温度T2が第2の設定温度Tb以下になるまで放熱信号を出力させるようになっている。
【0033】
フィードフォワード側制御手段28では、ホールド手段27からの放熱信号に応答して、三方弁16の弁開度を、ガスエンジン1が定格運転し、かつ、温水吸収式冷凍機9および給湯設備10の排熱需要が零のときに放熱用熱交換器18に供給すべき冷却水量を流す弁開度よりも小さい予め設定した設定弁開度になるように、例えば、30%などの制御出力を出すようになっている。
【0034】
前記フィードバック側制御手段24からの制御出力とフィードフォワード側制御手段28からの制御出力とを制御出力加算手段30に入力して加算し、その両者の加算した制御出力を制御出力加算手段30から三方弁16のドライバ31に出力し、加算した制御出力に対応した開度が得られるように三方弁16の開度を制御するように構成されている。
【0035】
次に、上記構成による制御動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1と冷却水温度センサ19で測定される冷却水温度T2とを入力して(S1)、負荷側循環水の温度T1と第1の設定温度Taと比較する(S2)。ここで、負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Ta以上のときには放熱信号をホールド手段27に出力する(S3)。
【0036】
ステップS2において、負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Taよりも低いときにはステップS4に移行し、流動状態かどうか、すなわち、循環ポンプ7が停止しているかどうかを判断する。ここで、循環ポンプ7が停止していると判断したときには、ステップS3に移行して放熱信号をホールド手段27に出力し(S3)、一方、循環ポンプ7が停止していないと判断したときには、所定の排熱回収が行われている状態であるために、ステップS1に戻す。
【0037】
放熱信号をが出力された後には、冷却水温度T2と第2の設定温度Tbとを比較する(S5)。ここで、冷却水温度T2が第2の設定温度Tb以下でないとき、すなわち、冷却水温度T2が第2の設定温度Tbよりも高いときには放熱信号をフィードフォワード側制御手段28に出力し(S6)、フィードフォワード側制御手段28から制御出力加算手段30に30%の制御出力を出す(S7)。
【0038】
次いで、制御出力加算手段30において、フィードフォワード側制御手段28からの制御出力にフィードバック側制御手段24からの制御出力を加算し(S8)、その加算した制御出力をドライバ31に出して(S9)からステップS1に戻す。これにより、ドライバ31を通じて、加算した制御出力に対応した開度が得られるように三方弁16を制御する。
【0039】
ステップS5において、冷却水温度T2が第2の設定温度Tb以下になったときには、ステップS10に移行してホールド手段27にホールド解除信号を出力し、フィードフォワード側制御手段28から制御出力加算手段30に15%(この制御出力は三方弁16のデッドバンド内にあり、実際には放熱用熱交換器18に冷却水は供給されない)の制御出力を出して(S11)からステップS8に移行する。
【0040】
以上の構成により、温水吸収式冷凍機6や給湯設備7での排熱需要が安定していて、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度変化が小さいときには、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2に基づくフィードバック側制御手段24からの制御出力の加算分が有効に作用して放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を制御する。
【0041】
例えば、循環ポンプ7が故障などにより停止されたり、温水吸収式冷凍機9の運転が急に停止されたりして排熱回収量が急激に減少したときには、そのことを負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Ta以上になるか、フロースイッチ21で流動停止状態を検出するかにより感知し、ホールド手段27の作用により、フィードフォワード側制御手段28から制御出力加算手段30に30%の制御出力を出し、必要量を放熱するために必要な冷却水量の全量ではなく、予め設定したある程度の量(設定量)の冷却水を放熱用熱交換器18に供給し、急激に温度が高くなった冷却水をエンジン冷却部に戻すことを回避するとともに、温度が上昇していない冷却水を必要以上に放熱用熱交換器18に供給して必要以上に低温の冷却水をエンジン冷却部に戻すことを抑制し、かつ、設定量を越える範囲では、フィードバック側制御手段24からの制御出力の加算分により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が第2の設定温度Tbを越えないように放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を制御する。
【0042】
また、循環ポンプ7の再起動や温水吸収式冷凍機9の運転が再開されるなど、排熱回収負荷での排熱回収が再開されると、そのことをエンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が第2の設定温度Tb以下になり、かつ、負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Taよりも低くなるとともに流動停止状態でないことにより判断し、排熱回収の再開時点よりも遅らせてホールド手段27の作用を解除してフィードフォワード側制御手段28から制御出力加算手段30に15%の制御出力を出し、冷却水温度センサ19によって測定される、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2に基づくフィードバック側制御手段24からの制御出力を加算し、その加算した制御出力によりエンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が第2の設定温度Tbを越えないように放熱用熱交換器18に供給する冷却水の量を制御する。
【0043】
次に、上記第1実施例による動作につき、図4、図5および図6のグラフを用いて説明する。
図4は、温水吸収式冷凍機9や給湯設備10での排熱需要の変化に伴う、給湯設備10からの出口温度(A1で示す)および放熱用熱交換器18からの出口温度(B1で示す)[両温度それぞれを真温度と縦軸に表示する]の経時的変化を示すグラフである。なお、この真温度は、通常の装置に組み込まれる直径10mmの白金測温抵抗体に代えて計測専用の直径2mmの白金測温抵抗体を用いて測定した。
【0044】
図5は、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1および冷却水温度センサ19によって測定されるエンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2[両温度それぞれを制御用センサー温度と縦軸に表示する]の経時的変化を示すグラフであり、図6の真温度に比べてセンサ自体の応答特性の遅れによってややズレを生じるとともに滑らかな変化になり、かつ、低温になっているが、充分追随していることがわかる。
【0045】
図6は、両センサ19,20の測定温度に基づく制御出力の経時的変化を示すグラフである。
排熱需要が安定している状態では、フロースイッチ21による流動状態の検出と、負荷側循環水温度センサ20によって測定される第1の設定温度Ta未満の負荷側循環水の温度T1とに基づく、フィードフォワード側制御手段28からの15%の制御出力(A2で示す)に、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2に基づくフィードバック側制御手段24からの制御出力(B2で示す)を加算した制御出力(Cで示す)を出して三方弁12の開度を制御し、図5に示すように、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2は、第2の設定温度Tb(例えば、80℃)に近い状態に維持される。
【0046】
排熱需要が安定している状態から、例えば、循環ポンプ7が停止したり、温水吸収式冷凍機9の運転が急に停止されるといったように排熱回収が急激に減少した場合(図4にP1で示す)、図5に示すように、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1が上昇するが、第1の設定温度Ta(例えば、80℃)を越えるに伴い、放熱信号をホールド手段27に出力してホールド状態になるとともにホールド手段27からフィードフォワード側制御手段28に放熱信号を出力し、図6に示すように、フィードフォワード側制御手段28から30%の制御出力を出してホールド状態に移行する。ホールド状態に移行すると、30%の制御出力にエンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2に基づくフィードバック側制御手段24からの制御出力を加算し、その加算された制御出力Cにより三方弁12を開閉する。これらの結果、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2は、所定温度(約80℃)に維持される。
【0047】
一方、例えば、循環ポンプ7が再起動されたり、温水吸収式冷凍機9の運転が再開されるなどにより排熱回収需要が急激に増大すると、図4および図5に示すように、先ず、排熱回収用熱交換器6に低温の負荷側循環水が流れ込み、真温度A1および負荷側循環水温度センサ20で測定される冷却水の温度T1が急激に低下する。この影響が、放熱用熱交換器18の出口の真温度B1および冷却水温度センサ19の測定温度T2それぞれに、測定位置の距離を冷却水が流れる時間tだけ遅れて現れる。冷却水温度センサ19の測定温度T2が第2の設定温度Tb以下になると、ホールド手段27にホールド解除信号を出力してホールドを解除し、図6に示すように、フィードフォワード側制御手段28からの制御出力A2が15%に戻され、これにフィードバック側制御手段24からの制御出力B2を加算した制御出力Cによって三方弁16を制御し、放熱用熱交換器18に流される冷却水の量を減少し、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が必要以上に低下することを回避する。その後、排熱需要が安定するに伴い、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が所定温度(約80℃)に維持されるようになる。
【0048】
図7は、本発明に係る排熱回収システムの第2実施例の要部を示すブロック図であり、第1実施例と異なるところは次の通りである。
すなわち、第1実施例におけるコンパレータ22および比較手段26それぞれからの比較出力がAND回路32に入力され、そのAND回路32からの出力がホールド解除信号としてホールド手段27に入力されるようになっている。
【0049】
そして、その動作において、図8のフローチャートに示すように、第1実施例におけるステップS5とステップS10との間に、負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1が第1の設定温度Ta未満かどうかを判断するステップS5Aを介装し、冷却水温度センサ19によって測定される、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度T2が第2の設定温度Tb以下になり、かつ、負荷側循環水温度センサ20で測定される冷却水の温度T1が第1の設定温度Ta未満になったときにステップS10に移行してホールド解除信号を出力するようになっている。ステップS5Aにおいて、負荷側循環水温度センサ20で測定される冷却水の温度T1が第1の設定温度Ta以上と判断したきには、ホールド解除信号を出力せずにステップS6に移行するようになっている。他の構成ならびに動作は第1実施例と同じであり、その説明は省略する。
【0050】
次に、この第2実施例による特徴的動作につき、図9のタイムチャートを用いて説明する。
すなわち、温水吸収式冷凍機9の運転が再開されるなどにより排熱回収需要が急激に増大し、図9の(a)に示すように、最初に温水吸収式冷凍機9の戻り配管11b内の低温の循環水が排熱回収用熱交換器6に流れ込んで負荷側循環水温度センサ20で測定される負荷側循環水の温度T1が急激に低下するが、次いで、温水吸収式冷凍機9で実際に排熱が回収された循環水が流れ込む前に、温水吸収式冷凍機9での動作遅れなどに起因して排熱が回収されない高温の冷却水が流れるような場合、図9の(b)に示すように、時間遅れtを持って冷却水温度センサ19の測定温度T2も同様に変化する。
【0051】
このような事態を生じる場合、前述した第1実施例では、このときに冷却水温度センサ19の測定温度T2が第2の設定温度Tb以下になるに伴ってホールド状態を解除していたのであるが、その後に、前述したように排熱が回収されない高温の冷却水が流れて、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が高くなってオーバーシュートを生じる問題がある。そこで、この第2実施例では、図9の(c)に示すように、冷却水温度センサ19の測定温度T2が第2の設定温度Tb以下になっただけではホールド状態を解除できず、温水吸収式冷凍機9で実際に排熱が回収され、負荷側循環水温度センサ20で測定される循環水の温度T1も第1の設定温度Ta未満になってからホールド状態を解除し、前述の問題を回避できるようにしている。
【0052】
放熱用熱交換器18に流す冷却水流量を変更する放熱量変更手段としては、三方弁16に代えて、例えば、バイパス配管17と、2本のバイパス配管17,17を接続した箇所で挟まれた冷却水循環配管5部分とに個別に流量調整弁を設け、両流量調整弁を互いに連動させて放熱用熱交換器18に流す冷却水流量を変更するように構成するものでも良い。
【0053】
また、上記実施例では、ホールドする設定放熱量を得る上でのフィードフォワード側制御手段28からの制御出力を30%に設定しているが、この値は排熱回収システムに用いられる温水吸収式冷凍機9の容量や三方弁16などに応じて適宜設定すれば良く、通常25〜35%程度である。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の排熱回収システムによれば、排熱回収用熱交換器(6) の二次側配管である負荷側循環配管側に負荷側循環水温度センサ(20)と流動状態検出手段(21)とを設け、循環ポンプ(7) の故障などによって負荷側循環水の流動に異常を検出したときとか、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要量が急激に減少して温度が急激に上昇した循環水を負荷側循環水温度センサ(20)で感知したときに放熱信号を出力し、それに基づいてホールド手段(27)から放熱信号を出力し、その放熱信号に応答して、フィードフォワード側制御手段(28)から、全量よりも少ない所定量の冷却水を放熱用熱交換器(18)に供給するように最大放熱量よりも小さい値に設定した設定放熱量になる制御出力を出力させる。
【0055】
一方、フィードバック側制御手段(24)からは、冷却水温度センサ(19)の測定温度に基づき、その測定温度が高くなれば、放熱用熱交換器(18)に供給する量が多くなるように、逆に、測定温度が低くなれば、放熱用熱交換器(18)に供給する量が少なくなるようにそれぞれ制御出力を出力させ、フィードフォワード側制御手段(28)とフィードバック側制御手段(24)の両者の加算所定した制御出力によって放熱量変更手段(16)を作動する。そして、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収が再開されると、そのことを、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が設定温度よりも低くなることによって判断し、それに基づいてホールド手段(27)の作用を解除し、冷却水温度センサ(19)による測定温度に基づく、フィードバック側制御手段(24)からの制御出力が有効に作用して放熱量変更手段(16)を作動し、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように制御する。
【0056】
すなわち、排熱回収負荷(9),(10)での排熱需要が安定していて、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度変化が小さいときには、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度に基づくフィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分が有効に作用して放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御する。
【0057】
例えば、循環ポンプ(7) が停止されたり、温水吸収式冷凍機の運転が急に停止されるなど、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収量が急激に減少したときには、必要量を放熱するために必要な冷却水量の全量ではなく、予め設定したある程度の量(設定量)の冷却水を放熱用熱交換器(18)に供給する。これにより、急激に温度が高くなった冷却水をエンジン冷却部に戻すことを回避するとともに、温度が上昇していない冷却水を必要以上に放熱用熱交換器(18)に供給して必要以上に低温の冷却水をエンジン冷却部に戻すことを抑制できる。また、設定量を越える範囲では、フィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を良好に制御できる。
【0058】
更に、循環ポンプ(7) が再起動されたり、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収が再開されると、フィードバック側制御手段(24)からの制御出力の加算分の作用により、エンジン冷却部に戻される冷却水の温度が設定温度を越えないように放熱用熱交換器(18)に供給する冷却水の量を制御するから、配管内を流れる冷却水の時間遅れを考慮する場合のように、配管の内周面へのスケール付着といった経年変化に影響されずに済み、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収量の増大に起因するオーバーシュートの発生を良好に防止できるようになった。
【0059】
また、請求項2に係る発明の排熱回収システムによれば、それぞれ、排熱回収負荷(9),(10)での排熱回収の再開に際し、排熱回収負荷(9),(10)側に残存していた低温の循環水を負荷側循環水温度センサ(20)が感知しても、ホールド手段(27)による作用が解除されず、放熱用熱交換器(18)への供給状態を継続できるから、排熱回収負荷(9),(10)での動作遅れに起因した高温の冷却水がエンジン冷却部に流れ込むことを回避でき、制御の安定性を向上できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排熱回収システムの第1実施例を示すブロック図である。
【図2】マイクロコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】動作説明に供するフローチャートである。
【図4】真温度の経時的変化を示すグラフである。
【図5】入口温度センサおよび冷却水温度センサによる測定温度の経時的変化を示すグラフである。
【図6】制御出力の経時的変化を示すグラフである。
【図7】本発明に係る排熱回収システムの第2実施例の要部を示すブロック図である。
【図8】動作説明に供する要部のフローチャートである。
【図9】動作説明に供する要部のタイムチャートである。
【符号の説明】
1…ガスエンジン
5…冷却水循環配管
6…排熱回収用熱交換器
7…循環ポンプ
8…負荷側循環配管
9…排熱回収負荷としての温水吸収式冷凍機
10…排熱回収負荷としての給湯設備
16…放熱量変更手段を構成する三方弁
17…放熱量変更手段を構成するバイパス配管
18…放熱用熱交換器
19…冷却水温度センサ
20…負荷側循環水温度センサ
21…フロースイッチ
22…排熱回収量検出手段としてのコンパレータ
24…フィードバック側制御手段
27…ホールド手段
28…フィードフォワード側制御手段
Claims (2)
- エンジン(1) のエンジン冷却部と排熱回収用熱交換器(6) とを冷却水循環配管(5) を介して接続するとともに、前記排熱回収用熱交換器(6) に、循環ポンプ(7) を介装した負荷側循環配管(8) を介して排熱回収負荷を接続し、前記排熱回収用熱交換器(6) よりも前記冷却水循環配管(5) の下流側で、前記冷却水循環配管(5) に、放熱量変更手段(16)を備えた放熱用熱交換器(18)を設け、かつ、前記放熱量変更手段(16)よりも下流側で、前記冷却水循環配管(5) に、前記エンジン冷却部に戻される冷却水の温度を測定する冷却水温度センサ(19)を設け、その冷却水温度センサ(19)で測定される冷却水の温度に基づいて前記放熱量変更手段(16)を作動するように構成した排熱回収システムにおいて、
前記負荷側循環配管(8) の前記排熱回収負荷よりも下流側に設けられて、そこを流れる負荷側循環水の温度を測定する負荷側循環水温度センサ(20)と、
前記負荷側循環水温度センサ(20)で測定される負荷側循環水の温度と第1の設定温度とを比較して負荷側循環水の温度が第1の設定温度以上のときに放熱信号を出力する排熱回収量検出手段(22)と、
前記負荷側循環配管(8) に設けられて、負荷側循環水の流動状態が所定の流動状態かそれ以外の異常流動状態かを検出して異常流動状態の検出に伴って放熱信号を出力する流動状態検出手段(21)と、
前記放熱信号に基づいて、前記冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度が第2の設定温度よりも低くなるまで放熱信号を出力させるホールド手段(27)と、
前記放熱信号に応答して、前記放熱量変更手段(16)の弁開度を、前記エンジン(1) が定格運転し、かつ、前記排熱回収負荷の排熱需要が零のときに前記放熱用熱交換器(18)に供給すべき冷却水量を流す弁開度よりも小さい開度に予め設定した設定弁開度になるように制御出力を出すフィードフォワード側制御手段(28)と、
前記冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度に基づいて、その測定温度が高くなるほど放熱量が増大するように前記放熱量変更手段(16)を制御する制御出力を出すフィードバック側制御手段(24)とを備え、
前記フィードフォワード側制御手段(28)からの制御出力と前記フィードバック側制御手段(24)からの制御出力とを加算した制御出力によって前記放熱量変更手段(16)を制御するように構成したことを特徴とする排熱回収システム。 - 請求項1に記載のホールド手段(27)が、負荷側循環水温度センサ(20)による負荷側循環水の測定温度がその設定温度(Ta)よりも低くなり、かつ、冷却水温度センサ(19)による冷却水の測定温度がその設定温度(Tb)よりも低くなるまで放熱信号を出力させるものである排熱回収システム。
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