JP3804324B2 - 多波長外部グレーティングレーザアレイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多波長外部グレーティングレーザアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
波長多重通信の実用化のためには、精密に波長が制御された異波長レーザアレイが必要である。異波長レーザアレイには高速信号を伝送する能力も兼ね備えていなければならない。
【0003】
この種の異波長レーザアレイとして1)活性領域内にグレーティング構造を有する分布帰還型レーザ(DFBレーザ)、2)活性領域の外側にグレーティングを設けた分布反射型レーザ(DBRレーザ)、3)レーザの出射側前方にグレーティング付き導波路(ファイバグレーティングあるいは導波路グレーティング)を配置させた、いわゆる外部共振器付きレーザ等が検討されている。
【0004】
この中で、3)の外部共振器付きレーザは図14に示すように、比較的簡単な構成で波長制御性及び安定性に優れたレーザとして注目され始めてきた。
【0005】
図14は外部共振器付きレーザの概念図である。
【0006】
外部共振器付きレーザファイバは、ファイバグレーティング53を半導体光増幅器50の外部に設けた構成を有している。レーザ共振器は半導体光増幅器50の後端面(図では左側の端面)に形成された高反射膜(反射率約80%)51と、ファイバグレーティング53の等価的反射面57とで形成されている。共振器長はLで表される(加藤他:ファイバグレーティング外部共振器型多波長レーザアレイ、信学技法OPE97−1,1997−05,pp.1〜6)。
【0007】
この外部共振器付きレーザファイバの構成では、ファイバグレーティング53のコア54及びクラッド55の屈折率の温度依存性が半導体の屈折率の温度依存性よりも小さいため、発振波長の温度依存性が小さいという特徴を有する。
【0008】
なお、同図において、半導体光増幅器の前端面(図では右側の端面)は低反射膜52(反射率<0.3%)がコーティングされると共に、ファイバグレーティング53の先端には先球加工部56が形成され、半導体光増幅器50とファイバグレーティング53との光結合効率を高くするように構成され、ファイバグレーティング53の他方の端面から矢印58方向に高出力の光が取り出される。
【0009】
図15は図14に示した外部共振器付きレーザファイバに用いられる半導体光増幅器の概略構造図である。
【0010】
この半導体光増幅器は、埋め込み型半導体光増幅器であり、InP(n+ )基板61上に下部クラッド層としてのInP(n)クラッド層62が積層され、このInP(n)クラッド層62上に略矩形断面形状を有する活性層63が積層され、この活性層63上に上部クラッド層としてのInP(p)クラッド層64及びInGaAsPコンタクト層65が順次積層され、これら活性層63、InP(p)クラッド層64及びInGaAsPコンタクト層65の幅方向両側部にInP(p)埋め込み層66及びInP(n)埋め込み層67が順次積層された構造を有している。
【0011】
InGaAsPコンタクト層65及びInP(n)埋め込み層67の上面を覆うように上部電極68が設けられ、InP(n+ )基板1の下には下部電極60が設けられている。また、半導体光増幅器50の前端面には低反射膜52が設けられ、後端面には高反射膜51が設けられている。
【0012】
図16はファイバグレーティング外部共振型多波長レーザアレイの拡散分解斜視図である。
【0013】
このファイバグレーティング外部共振型多波長レーザアレイは、光スターカプラ75の出力に波長が異なる4波長(λ1 、λ2 、λ3 、λ4 )の光信号を同時に光出力76として出力させるようにしたものである。
【0014】
すなわち、このファイバグレーティング外部共振型多波長レーザアレイは、半導体光増幅器50をアレイ状に配置した半導体光増幅器アレイ71からのそれぞれの光信号をレンズアレイ72を通してファイバグレーティングアレイ73内のそれぞれにファイバグレーティング内に伝搬させ、その後、シングルモードファイバアレイ74を通して4入力1出力の光スターカプラ75のそれぞれの入力端へ入射させ、出力端から4波長同時発振した光出力76を取り出すようにしたものである。
【0015】
図17は図16に示した半導体光増幅器アレイの外観斜視図である。
【0016】
半導体光増幅器アレイ71は、4個の半導体光増幅器からなり、各半導体光増幅器には端子69−1〜69−4にしきい値電流よりも大きな順方向電流Ik1 〜Ik4 が注入されることにより、各出力端から光出力78−1〜78−4が出力される。
【0017】
ここで、各半導体光増幅器の間には光の干渉を低減させるために溝77が形成されている。
【0018】
図18は図16に示した半導体光増幅器アレイの光出力特性を示した図であり、横軸が波長を示し、縦軸が光強度を示している。
【0019】
同図より4つの波長λ1 、λ2 、λ3 、λ4 の光信号が出力されていることがわかる。
【0020】
図19は図16及び図17に示した半導体光増幅器アレイの各半導体光増幅器へ注入する電流Ik1 〜Ik4 と、光スターカプラ75の出力端へ出力される光出力との関係を示す図であり、横軸は電流を示し、縦軸は光出力を示している。
【0021】
ch1〜ch4は波長λ1 〜λ4 に対応する光出力特性を示したものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のファイバグレーティング外部共振器型多波長レーザアレイには以下のような問題がある。
【0023】
(1) 図18に示した特性曲線の底部に小さなピーク79−1〜79−7が生じ、所望波長の光出力と非所望波長の光出力との比で表されるサイドモード抑圧比は28〜30dB程度であり、DFBレーザの値(約50dB)に比して低い。このサイドモード抑圧比の劣化原因は、各半導体光増幅器の前端面の低反射膜52の残留反射の影響で後端面の高反射膜51との間に生じた半導体光増幅器のファブリーペローモードが重なって生じたものである。
【0024】
(2) 図19に示した特性曲線に見られるように、電流に対して光出力が不連続に変化する現象、いわゆるキンクが発生していることである。これもファブリーペローモードの影響によるものである。
【0025】
(3) 半導体光増幅器アレイ71は埋め込み型構造で構成されているので、製造プロセスが複雑で、かつ、高価である。そのため、アレイ自体も非常に高価である。
【0026】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、サイドモード抑圧比の低下とキンクの発生を抑えた低コストの多波長外部グレーティングレーザアレイを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイは、基板上に形成されレーザ発振によって発光する複数の発光素子からなる発光素子アレイと、該発光素子アレイの一方の端面にそれぞれ光学的に結合されると共にそれぞれ所望の波長を選択的に各発光素子に反射するグレーティングを有する光導波路アレイとを備えた多波長外部グレーティングレーザアレイであって、上記発光素子アレイは、スラブ状の下部クラッド層の形成された化合物半導体からなる基板上にスラブ状の活性層及び所定のリッジ幅を有する略矩形断面形状の上部第1クラッド層が順次形成され、上部第1クラッド層の上に該上部第1クラッド層のリッジ幅より狭いリッジ幅を有する略矩形断面形状の上部第2クラッド層及びコンタクト層が所定の間隔で隙間を隔ててアレイ状に形成され、該隙間が酸化層及び光吸収剤を部分的に含んだポリマ層で埋め込まれ、該光吸収剤を部分的に含んだポリマ層内に部分的に除去された空隙が形成され、上記コンタクト層の上に上部電極が形成され、上記基板の裏面に下部電極が設けられ該下部電極と上記上部電極との間にしきい値以上の電流が流れるように構成されると共に、上記発光素子アレイの他方の端面に、各発光素子の活性層内を伝搬する光の光強度分布を覆うように部分的に高反射膜が形成されているものである。
【0028】
上記構成に加え本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの各発光素子の他方の端面は、高反射膜が形成されていない部分に低反射膜が形成されているのが好ましい。
【0030】
上記構成に加え本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの発光素子アレイの両端面は、10°以内の角度に斜めに形成されているのが好ましい。
【0033】
上記構成に加え本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの上部第1及び第2クラッド層は一方の端面から他方の端面にわたって折れ線状あるいは曲線状に形成されているのが好ましい。
【0034】
上記構成に加え本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの下部クラッド層と上記活性層との間に、屈折率が下部クラッド層の屈折率より高く活性層の屈折率より低いバッファ層が設けられているのが好ましい。
【0039】
上記構成に加え本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイのポリマ層の上に金属膜が形成されているのが好ましい。
【0040】
上記構成に加え本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイのポリマ層として、ポリイミドあるいはフッ素を含んだポリイミドが用いられるのが好ましい。
【0041】
本発明によれば、発光素子アレイの他方の端面(後端面)に形成された高反射膜がそれぞれの発光素子の活性層内を伝搬する光の強度分布を覆っている。所望の光の伝搬する活性層以外の領域に漏れて伝搬する、いわゆる非所望光(不要光)に対しては、高反射膜が形成されていないので、後端面からの反射はほとんどなくなる。すなわち、非所望光が後端面で反射するのを抑えることにより、サイドモード抑圧比の低下やキンクの発生を大幅に低減させることができる。
【0042】
また、各発光素子内の活性層を一方の端面(前端面)から他方の端面(後端面)にわたって曲線状(あるいは折れ線状)に形成することにより、活性層以外の領域内へ漏れ込んで伝搬する非所望光の後端面での反射を低減させることができる。
【0043】
さらに、リッジ型構造の発光素子アレイ構成とすることにより、より低コストで製造することができると共に、非所望光の伝搬を抑え、低減させることができる。
【0044】
また、リッジ構造の発光素子アレイのそれぞれの発光素子間に非所望光の伝搬を抑える光吸収剤の含有や導波路構造を採用することによって、サイドモード抑圧比の低下やキンクの発生を抑えることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0046】
図1は本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの一実施の形態を示す上面図である。
【0047】
この多波長外部グレーティングレーザアレイは、四つの異なる波長λ1 、λ2 、λ3 、λ4 の光信号をそれぞれのファイバグレーティング8−1、8−2、8−3、8−4から矢印13−1、13−2、13−3、13−4方向に出力するレーザアレイである。このレーザアレイの特徴は発光素子アレイの構造にある。以下に図面を用いて構造及び動作について説明する。
【0048】
1は図示しない基板上に形成されレーザ発振によって発光する複数(図では4個であるが限定されない)の発光素子からなる発光素子アレイである。発光素子アレイ1の一方の端面(前端面、図では右側の端面)には低反射膜(反射率≦0.5%)3がコーティングされており、各発光素子から出射された光が先端に先球加工部10−1、10−2、10−3、10−4を有するファイバグレーティング8−1、8−2、8−3、8−4にそれぞれ光学的に結合されるように入射端面として作用する。
【0049】
発光素子アレイ1の他方の端面(後端面、図では左側の端面)には高反射膜(反射率75〜90%)2−1、2−2、2−3、2−4が形成されているが、高反射膜2−1〜2−4は、各発光素子の活性層内を伝搬する光の強度分布の95%以上を覆うように配置されて形成されている。各活性層以外の領域(クラッド層や基板等)を伝搬している非所望光に対しては、後端面7で高反射を生じさせないように高反射膜の形成されていない領域4−1、4−2、4−3、4−4、4−5が設けられた構成である。
【0050】
このように、後端面7に高反射膜の形成されていない領域4−1、4−2、4−3、4−4、4−5を設けることにより、非所望光の後端面7からの反射を抑え、サイドモード抑圧比の低下を低減することができ、光出力特性のキンクも低減させることができる。すなわち、矢印13−1方向に進む波長λ1 の光出力は、後端面7に形成した高反射膜2−1と、ファイバグレーティング8−1の等価的反射面57−1とで形成されたレーザ共振器で発振することにより得られる。
【0051】
高反射膜の形成されていない領域4−1や領域4−2と、等価的反射面57−1との間ではレーザ共振器はほとんど構成されないので、たとえレーザ共振器が構成されたとしてもその光出力は極めて小さく無視することができ、矢印13−1方向の光出力にはほとんど含まれない。
【0052】
同様に、矢印13−2方向に進む波長λ2 の光出力は後端面7に形成された高反射膜2−2と、ファイバグレーティング8−2の等価的反射面57−2とで形成されるレーザ共振器で発振することにより得られる。また、矢印13−3方向に進む波長λ3 の光出力は、後端面7に形成された高反射膜2−3と、ファイバグレーティング8−3の等価的反射面57−3とで形成されるレーザ共振器で発振することにより得られる。さらに、矢印13−4方向に進む波長λ4 方向に進む波長λ4 の光出力は、後端面7に形成された高反射膜2−4と、ファイバグレーティング8−4の等価的反射面57−4とで形成されるレーザ共振器で発振することにより得られる。
【0053】
なお、図1において、5−1〜5−4は発光素子アレイ1の各発光素子に順方向の電流を注入するための上部電極、11−1〜11−4はファイバグレーティング8−1〜8−4のコア、12−1〜12−4はファイバグレーティング8−1〜8−4のクラッド、9−1〜9−4はファイバグレーティング8−1〜8−4のグレーティング部である。
【0054】
発光素子アレイ1の前端面6及び後端面7は、2〜10°の範囲の角度で斜めに形成され、両端面6、7からの不要な反射光が発光素子アレイ1内やファイバグレーティング8−1〜8−4内に伝搬するのを抑えるようになっている。
【0055】
図2は本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの他の実施の形態を示す上面図である。
【0056】
図1に示した実施の形態との相違点は、発光素子アレイ1の後端面7の高反射膜の形成されていない領域4−1〜4−5からの不要な反射をできるだけ抑えるため、低反射膜(反射率≦0.5%)3−1〜3−5が領域4−1〜4−5に設けられた点である。
【0057】
このような領域4−1〜4−5からの不要な反射を抑えることにより、非常に純度の高い発振波長の光出力を各ファイバグレーティング8−1〜8−4から出力させることができる。
【0058】
図3は本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの他の実施の形態を示す上面図である。
【0059】
図2に示した実施の形態との相違点は、発光素子アレイ1内の各発光素子の前端面6と後端面7との間の光路が折れ線状、すなわち一直線状にならないように形成されている点である。光路は直線部14−1、14−2と、斜め直線部14−3とで構成されており、発光効率及び消光比が向上されている。このレーザアレイの詳細については後述する。なお、図1から図3に示した発光素子アレイ1は図17に示したような埋め込み型構造の他に、リッジ型構造にも適用できる。
【0060】
図13は本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの他の実施の形態を示す上面図である。
【0061】
この多波長外部グレーティングレーザアレイは、異なる四つの波長λ1 、λ2 、λ3 、λ4 の光信号を出力するレーザアレイである。
【0062】
図1〜図3に示した実施の形態との相違点は、ファイバグレーティングアレイ8−1〜8−4の代わりに、導波路型グレーティングアレイ29を用いた点にある。この導波路型グレーティングアレイ29は、例えば石英系ガラス導波路で実現することができる。すなわち、石英系ガラス導波路のコア31−1〜31−4にGeを添加したSiO2 ガラスを用い、クラッド32にGeとFとを添加したSiO2 ガラスを用い、ガラス導波路に位相シフトマスクを通してエキシマレーザ光を照射することにより、グレーティング部9−1〜9−4を形成したものを用いる。ファイバ30−1〜30−4は通常のシングルモードファイバである。
【0063】
【実施例】
図4から図12は本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイに用いられるリッジ型構造の発光素子アレイの具体的な実施例を示す図である。
【0064】
図4(a)は本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイに用いられるリッジ型構造の発光素子アレイの前端面側から見た断面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線断面図である。
【0065】
この発光素子アレイは、InP(n+ )基板18上に、スラブ構造のInP(n)下部クラッド層(以下「下部クラッド層」という)19、活性層20(InGaAsP)、InP(p)上部第1クラッド層(以下「上部第1クラッド層」という)21を順次積層し、上部第1クラッド層21上に略矩形断面形状のInP(p)上部第2クラッド層(以下「上部第2クラッド層」という)22とInGaAsPコンタクト層23とが形成され、上部第1クラッド層21の露出面と、上部第2クラッド層22及びInGaAsPコンタクト層23の側面を、SiO2 層24とポリイミド膜25とで覆った構成を有している。
【0066】
この発光素子アレイは、各InGaAsPコンタクト層23の上部に設けられた上部電極5−1〜5−4と、下部電極17との間に順方向の注入電流を流すことによって各発光素子から光出力を矢印P1〜P4方向に出力させるようにしたものである。各発光素子内の光は各略矩断面形状の上部第2クラッド層22−1〜22−4の真下の活性層20内に閉じ込められて伝搬し、後端面7に形成されたそれぞれの高反射膜2−1〜2−4で反射され、前端面6に形成された低反射膜3を通って矢印P1 、P2 、P3 、P4 方向に出力され、ファイバグレーティングに導かれる。
【0067】
ここで、高反射膜2−1〜2−4は上部第2クラッド層22の真下の活性層20内を伝搬する光のみを反射させるように限られた領域に形成されている。また、略矩形断面形状の上部第2クラッド層22−1〜22−4は、前端面6から後端面7にわたって一直線状に形成されておらず、スポットサイズ変換部16−1、直線部14−1、S字状曲線部15及び直線部14−2で構成されている。
【0068】
これは、前端面6側に配置されたファイバグレーティング8−1〜8−4の各コア11−1〜11−4からの光が活性層20内に結合され、上部第2クラッド層22のパターンに沿うように活性層20内を伝搬し、各高反射膜2−1〜2−4で反射させることによってサイドモード抑圧比を向上させるために構成したものである。すなわち、ファイバグレーティング8−1〜8−4の各クラッド12−1〜12−4内を伝搬した光が活性層20内を伝搬し、高反射膜2−1〜2−4で反射され、不要なレーザ発振を起こさせないようにするために構成したものである。また、活性層の長さが長くなることによる低電流での発振を実現することが可能となる。前端面6側のスポットサイズ変換部16−1はファイバグレーティングとの光結合効率を向上させるために設けたものである。さらに、後端面7側の直線部14−2は、高反射膜2−1〜2−4での反射効率を向上させ、反射した際の活性層20内への光の閉じ込め効率を向上させ、モードの乱れを生じさせないために直線状としたものである。
【0069】
ここで、W1 の値は上記理由により大きい方が好ましい。
【0070】
図5(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、図5(b)は図5(a)のB−B線断面図である。
【0071】
本発光素子アレイは、ポリイミド膜中に光吸収剤を分散させたポリイミド膜26を用いることにより、上部第2クラッド層22−1〜22−4の真下の活性層以外の領域の活性層内やクラッド層内、基板内等を伝搬する不要光を減衰させるようになっている。
【0072】
図6(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、図6(b)は図6(a)のC−C線断面図である。
【0073】
本発光素子アレイは、図2に示したように、後端面7の高反射膜の形成されていない領域4−1〜4−5に低反射膜3−1〜3−5を形成した構成を有している。なお、同図6(a)、(b)においてW1 +W2 の値はファイバの直径(125μm)よりも大きい値になるようにするのが好ましく、W1 の値もできるだけ大きい値(>10μm)が好ましい。
【0074】
図7(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、図7(b)は図7(a)のD−D線断面図である。
【0075】
本発光素子アレイは、上部第2クラッド間のポリイミド膜中に光吸収剤を含んだポリイミド膜26−1〜26−3を設けた構成を有している。
【0076】
図8(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、図8(b)は図8(a)のE−E線断面図である。
【0077】
本発光素子アレイは、上部第2クラッド層間のポリイミド膜に空隙27−1〜27−3を設け、各発光素子間の光学的干渉を低減するようにした構成を有している。
【0078】
図9(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、図9(b)は図9(a)のF−F線断面図である。
【0079】
本発光素子アレイは、上部第2クラッド層22−1〜22−4の真下の活性層内への光の閉じ込め性を向上させるため、上部第1クラッド層21も略矩形断面形状としたものである。
【0080】
ここで、上部第2クラッド層22−1〜22−4の幅bに対し、上部第1クラッド層21の幅aをできるだけ小さく、かつ幅bの値に接近するように選ぶ程、活性層内への光の閉じ込め性が向上し、高反射膜2−1〜2−4の形成領域も小さくすることができ、不要な波長での発振を抑えることができる。
【0081】
図10(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、図10(b)は図10(a)のG−G線断面図である。
【0082】
本発光素子アレイは、図9(a)、(b)に示した上部第2クラッド層間のポリイミド膜に空隙27−1〜27−3を設けることにより、不要な反射光による発振をより抑圧するようにし、電流注入によって生じる熱的温度上昇による光出力特性のキンクを空隙による放熱効果で緩和させるようにしたものである。また、本発光素子アレイは、各発光素子間の光干渉も抑えるようになっている。
【0083】
図11(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、図11(b)は図11(a)のH−H線断面図である。
【0084】
本発光素子アレイは、上部第2クラッド層間のポリイミド膜25の上に金属膜28−1〜28−5を設け、各発光素子間の光干渉を低減させるようになっている。
【0085】
図12(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、図12(b)は図12(a)のI−I線断面図である。
【0086】
本発光素子アレイは、図8(a)、(b)に示した発光素子アレイの空隙27−1〜27−5上に金属膜28−2〜28−5を形成し、各発光素子間の光干渉をより低減させるようにしたものである。
【0087】
本発明は上記実施の形態や上記実施例に限定されない。レーザアレイはチャンネル(CH)数が4チャンネルの場合で説明したが、これ以外に2チャンネル、6チャンネル、8チャンネル、16チャンネル等の多波長グレーティングレーザアレイにも適用することができる。
【0088】
図4から図12に示した実施例において、下部クラッド層19と活性層20との間に、InPの屈折率3.163よりも高く、InGaAsPの活性層の屈折率3.375よりも低い値を有するバッファ層(屈折率3.2〜3.3)を設けることによって、スポットサイズ変換部16−1における幅方向及び厚さ方向の光強度分布を直線部14−1から前端面6にわたって徐々に拡大することができ、グレーティングファイバとの結合効率の改善と低偏波依存性を得ることができる。さらに、活性層あるいは上部第2クラッド層の形状はS字状ではなく、発光素子の前端面から後端面にわたって折れ線状であってもよい。
【0089】
以上において本発明によれば、
(1) サイドモード抑圧比の低下とキンク発生とを抑えることができ、DFBレーザのサイドモード抑圧比と同程度の値を実現することができる。
【0090】
(2) 所望の活性層以外を伝搬する不要光(非所望光)によるレーザ発振を十分小さく抑えることができるので、非常に純度の良い波長の光信号を取り出すことができる。
【0091】
(3) リッジ型構造の発光素子アレイ構成を用いることにより、低コストなレーザアレイを実現することができる。
【0092】
(4) 発光素子間の光干渉を小さくすることができるので、クロストークを小さく抑えることができる。
【0093】
(5) 発光素子アレイの後端面には、所望光に対してのみ反射させる高反射膜を設け、非所望光に対しては高反射膜が形成されていないので、後端面からの不要な反射を抑えることができ、不要なレーザ発振が生じにくい。さらに、高反射膜の形成されていない後端面に低反射膜を形成しておくことにより、不要なレーザ発振をより一層低減させることができ、高いサイドモード抑圧比とキンクの発生を抑えた高安定な多波長外部グレーティングレーザアレイを実現することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0095】
サイドモード抑圧比の低下とキンクの発生を抑えた低コストの多波長外部グレーティングレーザアレイの提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの一実施の形態を示す上面図である。
【図2】本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの他の実施の形態を示す上面図である。
【図3】本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの他の実施の形態を示す上面図である。
【図4】(a)は本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイに用いられるリッジ型構造の発光素子アレイの前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図5】(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図6】(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【図7】(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【図8】(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図9】(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【図10】(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のG−G線断面図である。
【図11】(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のH−H線断面図である。
【図12】(a)は図4に示した発光素子アレイの変形例を示す前端面側から見た断面図であり、(b)は(a)のI−I線断面図である。
【図13】本発明の多波長外部グレーティングレーザアレイの他の実施の形態を示す上面図である。
【図14】外部共振器付きレーザの概念図である。
【図15】図14に示した外部共振器付きレーザファイバに用いられる半導体光増幅器の概略構造図である。
【図16】ファイバグレーティング外部共振型多波長レーザアレイの拡散分解斜視図である。
【図17】図16に示した半導体光増幅器アレイの外観斜視図である。
【図18】図16に示した半導体光増幅器アレイの光出力特性を示した図である。
【図19】図16及び図17に示した半導体光増幅器アレイの各半導体光増幅器へ注入する電流と、光スターカプラの出力端へ出力される光出力との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 発光素子アレイ
2−1〜2−4 高反射膜
3 低反射膜
8−1〜8−4 ファイバグレーティング
9−1〜9−4 グレーティング部
10−1〜10−4 先球加工部

Claims (7)

  1. 基板上に形成されレーザ発振によって発光する複数の発光素子からなる発光素子アレイと、該発光素子アレイの一方の端面にそれぞれ光学的に結合されると共にそれぞれ所望の波長を選択的に各発光素子に反射するグレーティングを有する光導波路アレイとを備えた多波長外部グレーティングレーザアレイであって、
    上記発光素子アレイは、スラブ状の下部クラッド層の形成された化合物半導体からなる基板上にスラブ状の活性層及び所定のリッジ幅を有する略矩形断面形状の上部第1クラッド層が順次形成され、上部第1クラッド層の上に該上部第1クラッド層のリッジ幅より狭いリッジ幅を有する略矩形断面形状の上部第2クラッド層及びコンタクト層が所定の間隔で隙間を隔ててアレイ状に形成され、該隙間が酸化層及び光吸収剤を部分的に含んだポリマ層で埋め込まれ、該光吸収剤を部分的に含んだポリマ層内に部分的に除去された空隙が形成され、上記コンタクト層の上に上部電極が形成され、上記基板の裏面に下部電極が設けられ該下部電極と上記上部電極との間にしきい値以上の電流が流れるように構成されると共に、上記発光素子アレイの他方の端面に、各発光素子の活性層内を伝搬する光の光強度分布を覆うように部分的に高反射膜が形成されていることを特徴とする多波長外部グレーティングレーザアレイ。
  2. 上記各発光素子の他方の端面は、高反射膜が形成されていない部分に低反射膜が形成されている請求項1に記載の多波長外部グレーティングレーザアレイ。
  3. 上記発光素子アレイの両端面は、10・以内の角度に斜めに形成されている請求項1または2に記載の多波長外部グレーティングレーザアレイ。
  4. 上記上部第1及び第2クラッド層は一方の端面から他方の端面にわたって折れ線状あるいは曲線状に形成されている請求項1から3のいずれかに記載の多波長外部グレーティングレーザアレイ。
  5. 上記下部クラッド層と上記活性層との間に、屈折率が下部クラッド層の屈折率より高く上記活性層の屈折率より低いバッファ層が設けられている請求項1から4のいずれかに記載の多波長外部グレーティングレーザアレイ。
  6. 上記ポリマ層の上に金属膜が形成されている請求項1からのいずれかに記載の多波長外部グレーティングレーザアレイ。
  7. 上記ポリマ層として、ポリイミドあるいはフッ素を含んだポリイミドが用いられている請求項1からのいずれかに記載の多波長外部グレーティングレーザアレイ。
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