JP3803859B2 - 光コネクタのリセプタクル - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、光ファイバコネクタに係り、より詳細には、一端又は両端に光ファイバコネクタを受け入れるアダプタのようなリセプタクルに係る。
【０００２】
【従来の技術】
光ファイバケーブルを終端すると共に、光ファイバケーブルを他の光ファイバケーブル又は他の光ファイバ送信装置に容易に接続するために、種々様々な設計の光ファイバコネクタが使用されている。典型的な光ファイバコネクタは、その内部に光ファイバを取り付けてセンタリングするためにフェルールを備えている。このフェルールは、セラミックのような材料で形成される。コネクタのフェルールホルダ又は他のハウジング部品がフェルールを包囲し、これは、成形プラスチックのような材料で形成される。ハウジング又はフェルールホルダ内にはスプリングが配置され、フェルールが前方にスプリングバイアスされて、相手コネクタの別のファイバ取付フェルールに係合する。
【０００３】
一対の光ファイバコネクタ、又はコネクタと別の光ファイバ送信装置は、挿入ロスを低くするためにファイバをセンタリングするアダプタ内でしばしば嵌合される。このアダプタは、カプセル化されたファイバ同士が端−端接続するようにコネクタ同士を結合する。アダプタは、直結部品であってもよいし、パネルやバックプレーンや回路板等の開口に取り付けるように設計されてもよい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
電気コネクタに電気導体を終端する場合とは異なり、光ファイバコネクタに光ファイバを終端する場合には、「アクティブ」な光ファイバコネクタのファイバ端が露出される状態が生じたときに種々の問題が発生する。その典型的な状態は、アダプタの一端にある一方の光ファイバコネクタが、他方の「アクティブ」な光ファイバコネクタをアダプタに残したまま取り外されたときに生じる。
【０００５】
特に、露出されたファイバ端は、悪い環境条件によってダメージを受けることがあり、そして埃やゴミがたまると、ファイバの光伝達特性が損なわれることになる。別の非常に重大な問題は、アクティブな光ファイバの露出端からの危険な光ビームから操作者の目を保護することである。例えば、保護されていないリセプタクルやアダプタから出る危険な光ビームによって操作者の目がダメージを受けることがある。
【０００６】
これまで、ダストカバー、エンドキャップ又はスプリング負荷されたシャッターを使用して、アダプタの開放端を閉じ、それにより、露出したファイバ端を覆って、ファイバ端を悪い環境条件から保護すると共に、ファイバ端からの光エネルギーがアダプタから放出されるのを防止している。このようなスプリング負荷されたシャッターは、アダプタの開放端付近に枢着され、開放端を閉じたり開いたりするように枢着回転することができる。シャッター部材は、それが閉じたときにコネクタ／アダプタ組立体の光学軸を横切って延びる。シャッター部材は、挿入された光ファイバコネクタが係合すると、光学軸から離れてその開放状態へと枢着回転することができる。
【０００７】
このような枢着型シャッターは、アダプタの外側又は内側に取り付けることができる。多くの場合に、シャッターは、周囲にスペースがないために、開放状態へと外方へ揺動するようにアダプタの外側に取り付けることができない。内側に取り付けるシャッターは、光ファイバコネクタ、アダプタ等が非常に小型の組立体であることを考慮すれば、アダプタハウジング内に組み立てることが非常に困難であるという点で問題がある。本発明は、リセプタクルハウジング内、例えば、アダプタハウジング内にシャッターを取り付けるための独特な構造を提供することにより、これらの問題を解消することに向けられる。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の目的は、光学軸に沿って光ファイバコネクタを受け入れるための新規で且つ改良されたリセプタクルを提供することである。
本発明のリセプタクルは、光学軸に沿って挿入される光ファイバコネクタを受け入れるための少なくとも１つの開放端を有するハウジングを備えている。この開放端を囲み四周を閉塞する四つの側壁の一壁に開口が設けられる。シャッター部材はこの開口を通して取り付けられ、光学軸に近づいたり離れたりして開放端を閉じたり開いたりするように枢着回転される。
【０００９】
上記開口は、ハウジングの側壁に形成される。開口には、ハウジングと別体の取付プレートが嵌合され、この取付プレートは、開口をほぼ閉じるサイズにされる。シャッター部材は、取付プレートに枢着され、取付プレートが上記開口に嵌合されたときハウジング内に配置される。
更に、リセプタクルは、シャッター部材を閉位置に向かってバイアスするためにシャッター部材と取付プレートとの間に作動的に関連されたスプリングを備えている。かくて、取付プレート、シャッター部材、及びスプリングを含む自蔵型シャッター組立体を設けることができる。取付プレートは、ここでは、取付プレートに形成された少なくとも１つの取付ポストをハウジングの取付穴にプレスフィットすることによりハウジングの開口にプレスフィットされるものとして説明する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
ダブルエンドアダプタ１０として実施される本発明のリセプタクルは、２部分ハウジング１２と、シャッター組立体１４とを備えている。本発明は、ここではアダプタとして説明するが、本発明の概念は、光ファイバコネクタ又は他の光ファイバ送信装置を光学軸に沿って受け入れるための種々のリセプタクルに等しく適用することができる。それ故、「光ファイバコネクタ」という用語は、一般的な意味で、種々の光ファイバ送信装置を含むものとする。
【００１１】
このような理解のもとで、ハウジング１２は、断面がほぼ長方形であり、第１の長方形ハウジング部分１６及び第２の長方形ハウジング部分１８を備え、これらは、第１ハウジング部分１６の複数のラッチアーム２０を、第２ハウジング部分１８の複数のラッチボス２２にラッチ係合することにより接続される。図１及び図２に最も良く示されたように、第１ハウジング部分１６は、その両側に一対のラッチアーム２４を備え、これらラッチアームは、リセプタクル１０が取り付けられる適当な構造体にラッチ係合する。図３に最も良く示すように、両ハウジング部分１６、１８は、内部整列シリンダボス２６を備え、これは、カプセル化された光ファイバが光学軸２８に沿って端−端接続されるように一対の光ファイバコネクタの突出フェルールを受け入れる。第１ハウジング部分１６は、矢印Ａ（図３）の方向に第１光ファイバコネクタを受け入れるための開放端３０を有し、そして第２ハウジング部分１８は、矢印Ｂの方向に第２即ち相手の光ファイバコネクタを受け入れるための開放端３１を有する。
【００１２】
本発明によれば、シャッター組立体をリセプタクルハウジングの内部に取り付ける独特の構成が提供される。既に述べたように、内部シャッターは、小型の光ファイバリセプタクル内に組み立てることが極めて困難である。特に、光ファイバコネクタを受け入れるリセプタクルの開放端を通してシャッターを組み立てることは困難である。一般に、本発明は、リセプタクルハウジングの開放端から離れた開口を通してリセプタクルの内部にシャッターを取り付けるようにする。
【００１３】
特に、図２及び図３に示すように、２部分ハウジング１２の第１ハウジング部分１６は、シャッター組立体１４を取り付けるための開口３２を含む。より詳細には、シャッター組立体１４は、自蔵型の組立体で、取付プレート３４と、この取付プレートに枢着されたシャッター部材３６と、このシャッター部材を閉位置に向かってバイアスするためのコイルスプリング３８と、シャッター組立体１４をリセプタクルハウジング１２の開口３２内に容易に取り付けるための複数の取付ポスト４０とを備えている。
【００１４】
開口３２はほぼ長方形であり、シャッター組立体１４の取付プレート３４は、開口３２内に嵌合されて開口３２をほぼ閉じるサイズ及び形状にされる。開口３２の一対の角３２ａ、及び取付プレート３４の一対の角３４ａは、シャッター組立体１４が間違った方向で開口３２内に嵌合されるのを防止するために、傾斜されている。
シャッター部材３６は、取付プレート３４から突出する一対のピボットジャーナル４４に受け入れられるシャッター部材の一対のピボットシャフト４２により取付プレート３４に枢着される。シャッター部材３６及び取付プレート３４は、プラスチック材料で作ることができ、そしてピボットシャフト４２及びピボットジャーナル４４は、これらの部品と各々一体的に成形される。
【００１５】
一般的に、シャッター組立体１４をハウジング１２の開口３２内にプレスフィットするための手段が設けられる。より詳細には、取付ポスト４０が、開口３２の内側に設けられた第１ハウジング部分１６の複数の取付穴４６（図２及び図３）内にプレスフィットされる。取付ポスト４０は、取付プレート３４と一体成形することができる。図３に最も良く示すように、シャッター部材３６は、枢着されていて、光学軸２８に対して開放端３０をほぼ閉じるように枢着回転される。図３に実線で示すように、シャッター部材３６は、図示された閉位置にあるときに光学軸２８を横切って延びる。シャッター部材３６は、矢印Ａの方向に挿入された光ファイバコネクタが係合するときには、破線位置に向かって光学軸から枢着回転される。
【００１６】
更に、図３に実線で示した閉位置に向かってシャッター部材３６をバイアスするために、シャッター部材３６と取付プレート３４との間にはスプリング３８（図１）が作動的に関連される。このスプリングは、シャッター部材３６のピボットシャフト４２の１つを取り巻くコイルスプリングである。コイルスプリング３８の一端は、取付プレート３４の内側のチャンネル５０（図１）内に捕獲され、そしてコイルスプリング３８の反対端５２（図２）は、シャッター部材３６の背面をバイアスし、コイルスプリング３８を負荷状態に維持して、シャッター部材３６をその閉位置に向かってバイアスする。
【００１７】
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸脱せずに種々の変更がなされ得ることが当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】 一対の光ファイバコネクタを受け入れるためのリセプタクルであって、本発明によるシャッター組立体を含み、図示明瞭化のために、このシャッター組立体をリセプタクルから取り外して示した斜視図である。
【図２】 リセプタクルを下から見た斜視図で、図示明瞭化のために、シャッター組立体をリセプタクルから取り外して示した図である。
【図３】 シャッター組立体を取り付けた状態のリセプタクルの軸方向断面図である。

Claims (8)

1. 光学軸（２８）に沿って光ファイバコネクタを受け入れるためのリセプタクル（１０）において、
   上記光学軸（２８）に沿って挿入される光ファイバコネクタを受け入れる開放端（３０）及びこの開放端を囲み四周を閉塞する四つの側壁の一壁に設けられた開口（３２）を有するハウジング（１２）と、
   上記開口（３２）を閉じるサイズに形成され該開口（３２）に嵌合される上記ハウジング（１２）と別体の取付プレート（３４）と、
   該取付プレート（３４）に枢着されたシャッター部材（３６）であって、該取付プレート（３４）が上記開口（３２）に嵌合されたとき、上記ハウジング（１２）内で上記光学軸（２８）に近付いたり離れたりして上記開放端（３０）を閉じたり開いたりするよう枢着回転されるシャッター部材（３６）と
   を備えたことを特徴とする光コネクタのリセプタクル（１０）。
2. 上記取付プレート（３４）を上記開口（３２）にプレスフィットする手段（４０、４６）を備えた請求項１に記載の光コネクタのリセプタクル。
3. 上記プレスフィット手段は、取付プレート（３４）に形成された少なくとも１つの取付ポスト（４０）と、これをプレスフィットするようにハウジング（１２）に形成された取付穴（４６）とを含む請求項２に記載の光コネクタのリセプタクル。
4. 上記シャッター部材（３６）を閉位置に向かってバイアスするようにシャッター部材（３６）と取付プレート（３４）との間に作動的に関連されたスプリング（３８）を備えた請求項１に記載の光コネクタのリセプタクル。
5. 光学軸（２８）に沿って光ファイバコネクタを受け入れるためのリセプタクル（１０）において、
   上記光学軸（２８）に沿って挿入される光ファイバコネクタを受け入れる開放端（３０）及びこの開放端を囲み四周を閉塞する四つの側壁の一壁に設けられた開口（３２）を有するハウジング（１２）と、
   自蔵型シャッター組立体（１４）とを備え、
   該自蔵型シャッター組立体は、上記開口（３２）に嵌合される上記ハウジング（１２）と別体の取付プレート（３４）と、この取付プレート（３４）に枢着され該取付プレート（３４）が上記開口（３２）に嵌合されたとき上記光学軸（２８）に近付いたり離れたりして上記開放端（３０）を閉じたり開いたりするように枢着回転されるシャッター部材（３６）と、このシャッター部材（３６）を閉位置に向かってバイアスするようにシャッター部材（３６）に作動的に関連されたスプリング（３８）とを含むことを特徴とする光コネクタのリセプタクル（１０）。
6. 上記取付プレート（３４）は、上記開口（３２）をほぼ閉じるサイズにされる請求項５に記載の光コネクタのリセプタクル。
7. 上記取付プレート（３４）を上記開口（３２）にプレスフィットする手段（４０、４６）を備えた請求項５に記載の光コネクタのリセプタクル。
8. 上記プレスフィット手段は、取付プレート（３４）に形成された少なくとも１つの取付ポスト（４０）と、これをプレスフィットするようにハウジング（１２）に形成された取付穴（４６）とを含む請求項７に記載の光コネクタのリセプタクル。

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