JP3803796B2 - 成形スナックの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスナックの製造法、就中所謂混練法による製造法に関し、更に詳しくは一定の形状を有し、食感に優れたスナック製品を簡便に得る製造法に関する。
【0002】
【従来技術】
スナック製品は種類も多く、その製造法も多岐に亙っている。その中で、成形スナックは、基本的に何らかの方法でスナック生地を調製して成形し、場合によっては適度な水分まで予備乾燥後、焼成又は油揚げして脱水すると共に所望の膨化度の製品とされる。
【0003】
その際の生地の調製法としては、▲1▼米菓に代表されるように蒸練して澱粉質をα−化して生地を調製し、成形する(以下蒸練法と略称する)、▲2▼加圧加熱(通常エクストルーダー又は蒸煮装置を用いる)して澱粉質の一部又は全部をα−化して生地を調製し、成形する(以下加圧加熱法と略称する)、▲3▼成形ポテトチップスに代表される製造法で、原材料に加水して混練し、圧延してシート状にした後、成形する(以下混練法と略称する)、などにより製造されている。
【0004】
これら従来の各種成形スナックの製造法の内、蒸練法は生地が裁断して成形できるまで硬化するのに時間を要するし、加圧加熱法は加圧加熱できる特殊な装置を必要とするなどの難点があって、製造工程の簡便さからは混練法が有利である。
【0005】
混練法の場合、作業性の上から混練物はシート状に圧延するに適した物理的性状、即ち、粘着性が弱く、圧延ロールで容易にシートが形成できる性質を有していることが必要であり、この製造法では主原料として粘着性の弱いポテトフレーク、ポテトグラニュールを使用したスナックが主体になっているのもこの為である。しかし、本質的にこのような粘着性の弱い主原料を用いた生地は、膨化性が悪く、得られる製品は成形ポテトチップスに見られるようにポリポリした硬い食感になって口溶けも悪くなる。
【0006】
一般的に軽くてサクサクした食感は、膨化を良くすることによって得られ、成形法のスナックに於ても膨化性の良いα−化澱粉を使用する方法が提案されている。例えば、ポテトフレーク、αワキシースターチ、ショートニングを用いた膨化ポテトスナックの製造法(特開昭60−168361号)、α化モチ澱粉、生澱粉及び油脂を用いた中空スナック(特開昭60−83537号)、α化澱粉、ショートニング、調味料、グリセリン脂肪酸エステル、必要に応じて生澱粉を用いた中空スナック(特開昭61−265049号)などが提案されている。
【0007】
これらは膨化し易い、或は膨潤力の大きい未処理澱粉のα−化澱粉を用いて中空になるように膨化させる方法である。このようなα−化澱粉は粘着性が強いので、この調節に生の澱粉、油脂、乳化剤などの添加が必須である。このため、食感、風味がこれらの影響を受け、このようなα−化澱粉を用いると膨化の不均一、火膨れなどを起こし易くなる。また、ここに示されているのは何れも中空スナックで、中空という形状に特徴を持たせていることから、成形スナックの中でも別タイプのスナックと認識されている。
【0008】
また、特開昭54−132278号では、混練法類似の方法にて未処理澱粉のα化澱粉粉末を基質にし、本質的に粘着性を抑止する物質を添加していないが、この方法は謂わば蒸練して生地を調製する方法の蒸煮を省略することを目的とし、生地を成形するには48時間程度冷蔵する必要がある(実施例の一つに冷蔵しない例も示されているが、この場合、ホーレン草が粘着性の調整剤になっている)。
【0009】
一方、米菓は一部に加圧加熱法で生地を調製しているが、一般的には蒸練法に従って製造されていて、混練法で製造される例は殆ど見られない。これは伝統的製造法が固定化している他に、例えば特開昭54−132278号の寒梅粉の例に見られるように、粘着性が強くなって成形するには冷蔵保存して固化させる必要があるなどの煩雑さがあって、混練法の優位性がなくなることが主因で、この問題が製品の風味、食感に影響を与えることなく解決できれば、簡便な米菓の製造法となり得る。
【0010】
上述するように、従来の混練法による成形スナックの製造法では、作業性の点から主原料に粘着性を生じ難い原料を用いるのが主体になっている。この場合食感的には硬くて口溶けの悪いものになるし、粘着性を生じ易い原料を使用する場合には粘着性を抑制する物質を必要とし、従来用いられていたこれらの物質は何れも最終製品の風味、食感に強く影響を与えていた。これらが改善できれば、好みに応じて広い範囲の原料を用いて、簡便に風味、食感の優れた成形スナックを製造することが可能になる。
【0011】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、成形スナックの混練法による製造法に於て、主原料に粘着性を生じ易いα−化澱粉質を用いても作業上の支障を生じず、しかも主原料に用いたα−化澱粉質の風味を損なわず、サクサクして口溶けの良い食感を有する成形スナックを提供せんとするにある。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
かかる現状に鑑み、上述の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、主原料としてα−化澱粉質と特定の冷水膨潤澱粉を特定量用いることにより、本発明の課題が解決できることを見いだして本発明を完成した。
【0013】
即ち、本発明は、成形スナックの製造に際して、主原料として、α−化澱粉質50〜95重量部と、膨潤度が5〜45で且つ溶解度が17重量%以下である冷水膨潤澱粉5〜50重量部を用いた成形スナックの製造法に係り、好ましくはα−化澱粉質がα−化穀粉80〜100重量部とα−化澱粉0〜20重量部からなり、更に好ましくはα−化澱粉質がα−化米粉である。またこの際、冷水膨潤澱粉は馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、糯種澱粉から選ばれる一種又は2種以上を原料とするものであることが好ましい。
【0014】
【発明の作用並びに構成】
本発明で成形スナックとは、主原料にα−化澱粉質を用い、水を加えて混練し、圧延して成形し、予備乾燥するかせずに焼成又は油ちょうして仕上げ乾燥して得られる一定の形状を有するスナックを指称し、その形状は所望によって決めることができる。
【0015】
本発明で用いるα−化澱粉質は、馬鈴薯、甘藷などのいも類を蒸して澱粉質をα−化し、乾燥したポテトグラニュール、ポテトフレーク、α−化乾燥甘藷やトーモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、米などの穀類をα−化して乾燥したもの、及び各種のα−化澱粉から選ばれる一種又は二種以上である。これらの中でも本発明の特徴をより生かせる点で、粘着性を生じ易くて従来混練法では主原料に使用されることが少なかった、α−化穀粉にα−化澱粉を併用するか併用せずに、更にはα−化穀粉としてα−化米粉を選択するのが好ましい。
【0016】
これらα−化澱粉質は、それ自身が食し得る程度にα−化された乾燥品であればよく、その形状は粉末、顆粒、フレーク状などを問わず、これらを含めた言葉として、穀類のα−化品をα−化穀粉、米のα−化品をα−化米粉と呼称する。また、その製造法も限定されず、特にα−化米粉の場合、米粒の状態で蒸し、乾燥して粉砕する、更にこれを煎るなどの処理をしたものなど種々の方法で製造されているが、これら従来から知られている何れのものも包含する。また、α−化澱粉は未処理澱粉又は加工澱粉をα−化処理して冷水で膨潤ないしは溶解する澱粉の中で、本発明の冷水膨潤澱粉の要件を満たさないものを指称し、その原料の種類、酸化、エーテル化、エステル化など他の処理の有無を問わない。
【0017】
これら本発明で用いるα−化澱粉質の中で、α−化澱粉は最も膨化性に優れるが、それ自体には風味がない。従って、副材料で好みの風味を付与したい場合には有用であるが、主原料の風味を生かす上からは、概ね用いるα−化澱粉質の30重量%以下、好ましくは20重量%以下に止めるのが好ましい。この範囲でα−化澱粉の膨化性を生かして、最終製品の膨化の程度を調節するのに有効である。
【0018】
本発明で用いる冷水膨潤澱粉は、膨潤度が5〜45、溶解度が17重量%以下である特性を有する澱粉を指称し、この特性を有する澱粉は何れも使用することができる。また、必ずしも一種でこの範囲にある必要はなく、二種以上を合わせてこの範囲になるものも使用できる。膨潤度が5未満の冷水膨潤澱粉では、食感的に粉っぽさが見られるようになるし、45を越えて大きくなると粘着性を抑止する効果が劣る。また、溶解度が17重量%を越えて大きくなると、粘着性を抑止する効果に劣ると共にサクサクして口溶けの良い食感が得られなくなってくる。
【0019】
かかる冷水膨潤澱粉は、澱粉を適度に架橋した後にα−化することによって得られる。膨潤度のみが上述の範囲になる冷水膨潤澱粉は、糊化し難い澱粉、例えば小麦澱粉、コーンスターチなどをα−化澱粉にすることによっても得られるが、これらの場合は溶解度が上限を逸脱して本発明の効果が得られなくなってくる。
【0020】
膨潤度と溶解度の両者が所定範囲にある冷水膨潤澱粉を得るには、原料となる澱粉の種類に合わせて適度に架橋して架橋澱粉とした後にα−化することが必要である。
【0021】
架橋澱粉はトリメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、オキシ塩化リン、アジピン酸などの常用の架橋剤を用いて常法に従って澱粉を架橋することにより得られる。その際の原料澱粉は、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、糯米澱粉、緑豆澱粉など何れも用い得るが、好ましくは元来アミロース含量が少なくて膨潤し易い澱粉である馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、糯種澱粉から選ばれる一種又は二種以上を用いると、所望の膨潤度と溶解度が得られ易くて好ましい。尚、ここで糯種澱粉とは糯米澱粉、ワキシーコーンスターチ、ワキシーソルガム、糯小麦澱粉などの糯種の澱粉を指称する。
【0022】
架橋澱粉の架橋の程度は、所望の膨潤度、溶解度が得られるように、用いる澱粉の種類、架橋と他の加工を組み合わせるかどうかなどによって調節する。この調節は反応させる架橋剤の量で行うことができる。一般的に架橋の程度を強くすると、膨潤度と溶解度は小さくなる。また、澱粉をエーテル化やエステル化すると、溶解度のわりに膨潤度が大きくなるので、例えば小麦澱粉やコーンスターチのように、それ自体では膨潤度が小さくて溶解度が大になる原料を用いる場合には、エーテル化やエステル化して膨潤度が大きくなるようにする一方で架橋すると、両者の調節が可能となる。
【0023】
本発明の冷水膨潤澱粉は、所定の膨潤度と溶解度を有することが必須であるが、逆にこの特性を有する限りに於て架橋以外の加工、例えば漂白処理、酸化処理、酸処理、エーテル化処理、エステル化処理など通常加工澱粉の製造に用いられている加工手段を用いて加工したものでもよい。また、場合によっては上述するようにこれらの加工を組み合わせることによって望ましい所定の特性が得られ易くなる。尚、エーテル化処理やエステル化処理とは、プロピレンオキサイドや無水酢酸、酢酸ビニール、無水コハク酸、無水オクテニルコハク酸など常用のエーテル化剤やエステル化剤で澱粉を常法に従って処理することを意味する。
【0024】
このようにして得た架橋澱粉をα−化して本発明の冷水膨潤澱粉は得られる。α−化する方法は特に限定されず、通常行われている方法、例えば水の存在下でドラムドライヤーやエクストルーダーを用いて加熱糊化して乾燥する方法、或は加熱糊化した後噴霧乾燥するなどの方法でα−化して乾燥する。α−化は十分に行われている方が食感的にザラツキを生じなくて好ましく、少なくともα−化度が80%になるようにα−化されていることが望ましい。
【0025】
尚、本発明で述べる膨潤度と溶解度は、冷水に於ける膨潤度と溶解度を意味し、以下の方法によって測定される。
【0026】
<膨潤度、溶解度>
乾燥物換算で試料1.0gを25℃の水100mlに分散し、30分間25℃の恒温槽の中でゆるやかに撹拌した後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、ゲル層と上澄層に分ける。次いでゲル層の重量を測定し、これをAとする。次に重量測定したゲル層を乾固(105℃、恒量)して重量を測定し、これをBとし、A/Bで冷水膨潤度を表す。また、ここで得た上澄層の容量及び上澄層に含まれる全糖量をフェノールー硫酸法で測定して冷水溶解度を算出する。
【0027】
本発明に於ては主原料として上述のα−化澱粉質50−95重量部と冷水膨潤澱粉5−50重量部、好ましくはα−化澱粉質としてα−化穀粉にα−化澱粉を用いるか用いずに、更に好ましくはα−化穀粉としてα−化米粉を主原料に用いることにより、作業上何ら支障を生じず、風味、食感に優れた成形スナックが得られる。冷水膨潤澱粉の使用量が5重量部未満では、粘着性を調節する機能が不足して作業性に難点を生じてくると共にサクサクした食感が得られなくなってくるし、50重量部を越えて多くなると、風味が欠けてくると共に軽くなり過ぎて安物ぽくなる難点を生じてくる。
【0028】
本発明に於ては、主原料以外は特別限定されるところはなく、通常の方法に従うことができる。即ち、主原料及び所望により添加される副材料を混合し(副材料は適宜練り水に溶解又は分散させて添加しても良い)、適量の練り水(適度なドウが形成される量で主原料100重量部に対し通常40〜70重量部)を加えて混練してドウを形成し、これを圧延ロールで約0.5〜1.5mm程度の厚さに圧延した後、適宜裁断或は型抜きして望まれる形状、例えば円形、ハート型、スティック状などに成形する。これを予備乾燥して水分調整をするか又はせずに、焼成又は油ちょうして製品とする。
【0029】
本発明に於て副材料は、必要に応じて適宜用いることができる。副材料としてはトレハロース、エリスリトール、キシリトール、ソルビット、砂糖、マルトース、マルチトール、澱粉分解物、還元澱粉分解物などの糖質、食塩、醤油、コンソメ、グルタミン酸ソーダ、核酸調味料、各種肉類、魚貝類抽出調味料などの調味成分、くるみ、カシューナッツ、アーモンドなどのナッツ類、ゴマ、ヒマワリの種などの種子類、ペパー、シナモン、ガーリック、唐辛子、しその葉などの香辛料、ゴボウ、ホーレン草、ニンジンなどの野菜類の他、チーズ、チョコレート、乾燥肉、乾燥魚貝類、各種香料などが挙げられるが、これらに限らず所望に応じて他のもの、例えば生理機能の付与や栄養素強化が望まれる場合にはそれぞれの機能を有する成分である各種食物繊維、各種オリゴ糖、多価不飽和脂肪酸、ペプチド類、配糖体類、ビタミン類、コリン、ポリフェノール類、ミネラルなどを添加することもできる。
【0030】
これら副材料は、主原料に添加して混合し、水を加えて混練してドウを形成せしめても良いし、添加する水に溶解或は分散して主原料に添加することもできるし、主原料を混練中に添加することもできる。また、生地の表面に、或は焼成又は油ちょう後その表面に塗布或は振りかけて添加することもできる。
【0031】
また、本発明に於ては冷水膨潤澱粉が生地形成時の粘着性抑制効果を有するので、特別他の粘着性を抑制する物質の添加を必要とはしないが、別の目的、例えばバターの風味が所望、焼成で油ちょうの風味を持たせたいなどでバターやサラダ油などの油脂を添加すること、或は製品の白さを強調する上で米澱粉などの生澱粉を用いること、食感の調整にレシチンなどの乳化剤を用いることを否定するものではない。
【0032】
本発明に依れば、混練法による成形スナックの製造法でα−化米粉などの粘着性を生じ易いα−化澱粉質を主原料に用いることが可能になると共に、得られた成形スナックはサクサクして口溶けの良い食感を有する製品が得られる。しかもα−化澱粉質と共に主原料に用いる冷水膨潤澱粉は、α−化澱粉質の風味を損なわず、風味の良好な製品が得られる。
【0033】
以下に参考例、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。尚、参考例、実施例で部は重量部、%は重量%を表す。
【0034】
【参考例1】
水120部に硫酸ソーダ10部を溶解し、これにタピオカ澱粉100部を分散させたスラリーを2点調製し、3%苛性ソーダ水溶液でpH11.1−11.4に維持しながらトリメタリン酸ソーダを1.5部(試料No.1)と0.3部(試料No.2)加えて41℃で10時間処理した後、塩酸で中和し、水洗してから濃度35%のスラリーとし、ドラムドライヤーを用いて糊化すると共に乾燥し、粉砕して試料No.1及び2の冷水膨潤澱粉を得た。それらの物性値を表1に示す。
【0035】
【参考例2】
参考例1に於て、タピオカ澱粉を糯米澱粉に替え、トリメタリン酸ソーダの添加量を0.035部にした他は同様に処理して試料No.3の冷水膨潤澱粉を得た。その物性値を表1に示す。
【0036】
【参考例3】
水120部に硫酸ソーダ20部を溶解し、3.5%苛性ソーダ水溶液を30部加え、これに馬鈴薯澱粉100部を分散させたスラリーを2点調製し、プロピレンオキサイド2部及びトリメタリン酸ソーダ0.055部(試料No.4)、プロピレンオキサイド2部及びトリメタリン酸ソーダ0.015部(試料No.5)を夫々に加えて42℃で22時間処理した後、塩酸で中和し、水洗してから参考例1に従ってドラムドライヤーで処理して試料No.4及び5の冷水膨潤澱粉を得た。その物性値を表1に示す。また、市販のコーンスターチを同様にドラムドライヤーで処理したものを試料No.6としてその物性を表1に示す。
【0037】
【実施例1】
α−化した粳米粉(「ライススターH2D」松谷化学工業(株)社製)と試料No.1〜6の冷水膨潤澱粉を主原料にして、下記処方にて米菓スナックを製造した。
【0038】
<配合割合>
(A)粉体配合
α−化粳米粉 75部
冷水膨潤澱粉(試料No.1〜6) 25部
粉末醤油 2部
(B)練り水配合
上白砂糖 5部
食塩 0.7部
重曹 0.4部
水 60部
【0039】
ミキサーに(A)に記載の材料を投入して混合し、(B)に記載の材料を練り水に溶解して加え、混捏してドウ状の生地を調製し、これをローラーで1.1mm厚のシートに圧延し、円形状に型抜きして成形し、水分9.5%に乾燥後250℃で焼成して粳米粉をベースにしたスナックを得た。これを下記の評価基準に従って評価した結果を表1に示す。尚、対照例には冷水膨潤澱粉に替えて生澱粉(小麦澱粉)を用いた。
【0040】
【0041】
【表1】
【0042】
【実施例2】
実施例1に於て、冷水膨潤澱粉として試料No.3を用い、主原料であるα−化澱粉質と冷水膨潤澱粉の使用割合(部)を表2に示す通りにした他は同様にして成形スナックを製造し、同様に評価してその結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【実施例3】
α−化澱粉質としてポテトフレークとα−化ワキシーコーンスターチ(「マツノリンA」松谷化学工業(株)社製)を、冷水膨潤澱粉として試料No.4を用い、下記配合割合で焼成ポテトスナックを製造した。製造は実施例1に準じ、0.85mmに圧延して円形に型抜きし、水分10.3%に乾燥後、250℃で40秒焼成した。尚、「TK−16」は澱粉分解物(松谷化学工業(株)社製)である。
【0045】
【0046】
得られた本発明のポテトスナックは、形状が一様で焼き色も良く、サクサクした食感を有して口溶けが良く、ポテト風味に優れていた。また、その製造時の作業性に何ら問題は見られなかった。一方、対照例は生地調製時、粘着性を生じて圧延、成形が困難であると共に一定の形状にし難く、焼成品は火膨れ、焼きむらが見られて一様な製品が得られなかった。
【0047】
【実施例4】
α−化澱粉質にα−化糯米粉(「ライススターRC」松谷化学工業(株)社製)60部、「マツノリンA」10部、試料No.2の冷水膨潤澱粉30部を主原料に用い、これらを混合したところに、サラダオイル5部を加えて十分に混練し、食塩0.4部、グルタミン酸ソーダ0.3部、「リポタイド」(武田薬品工業(株)社製)0.02部、香辛料適量を水58部に溶解乃至は分散して加えて混捏してドウ状の生地を調製し、これをローラーで1.3mmに圧延し、正方形に型抜きして成形し、これを水分9.5%に乾燥後焼成してサラダかけ風米菓スナックを得た。
【0048】
得られた製品は、形状が一様で焼き色も良く、サクサクした食感を有して口溶けが良く、米粉風味に優れていて、その製造時の作業性に於ても何ら問題は見られなかった。
Claims (5)
- 成形スナックの製造に際し、主原料としてα−化澱粉質50〜95重量部と膨潤度が5〜45で、且つ溶解度が17重量%以下である冷水膨潤澱粉5〜50重量部を用いることを特徴とする成形スナックの製造法。
- α−化澱粉質がα−化穀粉80〜100重量%とα−化澱粉0〜20重量%からなる請求項1に記載の成形スナックの製造法。
- α−化穀粉がα−化米粉である請求項2に記載の成形スナックの製造法。
- 冷水膨潤澱粉が馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、糯種澱粉から選ばれる一種又は二種以上を原料としたものである請求項1に記載の成形スナックの製造法。
- 成形スナックの製造法として、所謂混練法を採用した請求項1に記載の成形スナックの製造法。
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