JP3803783B2 - 粉粒体気力輸送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、噴流の動圧を輸送動力源とする粉粒体気力輸送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック成形品の射出成形機などでは、供給される原材料を一時貯蔵するための材料ホッパが、その上部に設けられているが、このような材料ホッパに、原材料であるプラスチックペレットなどの粉粒体を供給するのに、噴流の動圧を輸送動力源とする粉粒体気力輸送装置が用いられている。
【0003】
図3は、噴流の動圧を輸送動力源とする噴流手段の輸送原理を説明する概念図である。
この噴流手段120は、ノズル121、フィーダ122、デフューザ123で構成されている。ノズル121から、高圧空気を噴出させると、その噴流に引かれて周囲の空気がデフューザ123の方へ流れるため、フィーダ122の部分が低圧になり、これを利用してフィーダ122にある粉粒体などの材料を吸い込み輸送する。輸送に必要な圧力は、ノズル121から噴出する空気の運動エネルギーの一部であって、これが粉粒体などの材料を加速し、さらにデフューザ123で輸送に必要な圧力に変わる。
【0004】
このようなノズル121からの空気の噴出速度は、音速が限界であるため、デフューザ123における圧力上昇にも限界があり、粉粒体などの材料と輸送空気との混合比や輸送距離が制限され、比較的短距離の軽輸送にしか利用できない。
しかし、機械的な駆動部分を有しない、輸送先に一定の圧力があっても輸送可能である点などから、プラスチックペレットなどの粉粒体の短距離の気力輸送には、好適に用いられている。
【0005】
粉粒体の気力輸送に、噴流の動圧を輸送動力源として用いる場合の条件は以下の通りである。
a)噴流を発生させるために必要な圧力は、一般に用いられている空気圧縮機で発生できるものでよく、ゲージ圧力で、10〜500kPaである。この時に、発生する噴流の速度は、音速の0.3倍から1倍の速度に達する。
【0006】
b)噴流の噴出する部分の断面積は、輸送管断面積の1/10以下が望ましい。例えば、図3において、ノズル121の先端内径をDn、輸送管の内径をDuとすると、
πDn2/4 < (πDu2/4)/10 → Dn < Du/√10
とするのがよい。
【0007】
c)噴流は、図3のように管軸中心から、噴出させてもよいし、または、管壁から噴出させてもよい。
d)供給される噴流の空気量は、大気圧換算で、輸送管を流れる空気の空気量より必ず少なくなる。通常、噴流の空気量は、輸送管内の輸送空気量の1/2〜1/10となる。
【0008】
つまり、式で表すと、噴流空気量をQ1、輸送空気量をQ3として、
Q1 = Q3/2 〜 Q3/10 (式1)
という関係が成り立つ。なお、ここでの説明では、単に、空気量というときは、大気圧換算したものをいう。
図4は、このような噴流手段を用いた従来の粉粒体気力輸送装置の一例を示す概略構成図である。
【0009】
この粉粒体気力輸送装置110は、上述したような噴流手段120と、輸送管130、射出成形機Aにもうけられた輸送先材料ホッパ140、粉粒体mを捕集した後の輸送空気を排気する排気口150と、その排気口150に設けられた排気フィルタ160、輸送元材料タンク170、そのタンク170の大気への開口部に設けられた吸気フィルタ180から構成される。
【0010】
粉粒体気力輸送装置110において、輸送元材料タンク170に貯蔵された粉粒体mは、噴流手段120によって噴出される高圧の噴流空気(空気量:Q1)によって、大気から吸気フィルタ180を介して取り込まれた清浄な伴送空気(空気量:Q2)と共に吸引され、噴流空気と伴送空気を合わせた輸送空気(空気量:Q3)によって、輸送先の材料ホッパ140まで輸送される。
【0011】
材料ホッパ140では、適当な捕集手段(不図示)によって、あるいは、特別な捕集手段なしに、粉粒体mのみが、材料ホッパ140に供給され、輸送空気は、排気口150から排気され、排気フィルタ160において、粉粒体mに含まれる微粉成分(不図示)を捕集した後に、外気に排気しており、排気空気量Q4は、輸送空気量Q3と等しくなる。
【0012】
この微粉成分は、プラスチックなどの射出成形機に供給される原料である粉粒体に、強化材や熱安定剤などの添加成分として付加されているもので、これも原料として不可欠のものである。しかし、気力輸送を用いる場合、これら微粉成分は、排気に含まれて浮遊するので、回収して再利用するため、また、外気にそのまま排出するのは好ましくないこともあって、排気フィルタ160で捕集するものである。したがって、この排気で捕集される微粉成分を見越して、当初から供給する粉粒体の微粉成分の量を設定している。
【0013】
ところで、噴流空気量Q1、伴送空気量Q2、輸送空気量Q3、排気空気量Q4の間には、以下のような関係がある。
Q3=Q1+Q2 (式2)
Q4=Q3=Q1+Q2 (式3)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の粉粒体気力輸送装置では、輸送空気量Q3を全量排気していたが、この排気空気には、まだ、次の輸送に利用し得る圧力を残存させているので、省エネルギーの点から、その有効利用が望まれていた。
また、全量排気しているので、排気空気量Q4が輸送空気量Q3と等しくなり、それを排気フィルタ160で濾過するため、対象空気量に従って、フィルタ160も大きくする必要があったし、全量排気に伴う余分の微粉成分の追加量もそれに見合った多い量となっていた。
【0015】
さらに、排気フィルタ160は、輸送先の排気部に設けられ、この位置は、射出成形機Aの上に設けられた材料ホッパ140の上部となり、高い位置となるので、フィルタのメンテナンスが困難であり、捕集した微粉成分の回収、再利用の支障ともなっていた。
本発明は、噴流の動圧を輸送動力源とする粉粒体気力輸送装置において、その噴流の特性を効果的に利用し、圧力損失が少なく、また、微粉成分の歩留まりがよく、回収のし易い排気フィルタを可能とする粉粒体気力輸送装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の粉粒体気力輸送装置は、噴流の動圧を利用して輸送先材料ホッパに貯留された粉粒体材料を、輸送先ホッパに気力輸送する輸送管を、輸送元材料タンクと輸送先タンクとの間に設けるとともに、両者間に輸送空気を還流させる還流管を設けた粉粒体気力輸送装置において、噴流生成のための噴流手段と、上記還流管によって還流された輸送空気の過剰、不足分を調整する内圧調整手段とを上記輸送元材料タンクに設け、この内圧調整手段は、前記輸送元材料タンクに開口形成された排気口と、上記還流管とで構成され、上記還流管は、その先端を上記輸送元材料タンク内で上記噴流手段の吸出口付近に開口させた構造にしている。
【0017】
従来は、輸送先で粉粒体を捕集した後は、輸送先で輸送空気を全量排気し、その排気空気を濾過していた。このときの排気空気量は、噴流生成のために供給される噴流空気量と、それに伴う伴送空気量との合計である。この排気空気は、また、一定の利用し得る圧力を残存させているが、従来は、敢えて、その再利用を考慮せず、全量を排気していた。また、この噴流空気と伴送空気からなる輸送空気は、輸送先で大気に排出され、一方、輸送元では、噴流空気は外部から強制的に供給され、伴送空気は、噴流空気の吸引力により外気から吸気しており、輸送空気の流れは、輸送元から輸送先への一方向であった。
【0018】
この発明は、この全量排気を見直し、その排気空気を輸送元に還流させるようにして、その排気空気に残存する圧力を積極的に、次の噴流輸送に有効利用し、全体として省エネルギーを図るものである。したがって、還流管によって還流された輸送空気の過剰分だけでなく、不足分をも内圧調整手段によって調整できるようにしている。ただし、主として、噴流空気量に相当する供給された過剰空気分のみは、適宜排出しないと、この還流型式の閉鎖管路系の内部圧力が上昇し、噴流効果が生成されないので、過剰空気分のみを排気するようにする。しかし、噴流を利用する場合、従来例のd)で説明したように、噴流空気量は輸送空気量の1/2〜1/10となり、噴流空気量にほぼ等しくなる排気空気量も、従来に比べ、1/2〜1/10となり、省エネルギー効果が大きい。
【0019】
このように、排気空気を輸送元に還流させると、噴流による輸送ができないように思われるが、発明者は、実験により、十分、粉粒体を輸送できることを確かめている。
また、輸送管と還流管とで閉鎖管路系を形成するので、排気口を設ける位置が、輸送先に限られず、機器設計の自由度が増す。
【0020】
請求項2に記載の粉粒体気力輸送装置は、内圧調整手段は、前記輸送元材料タンクに開口形成された排気口と、上記還流管とで構成され、上記還流管は、その先端を、噴流手段の吸出口付近に開口させ、さらにその吸出口に至る途中で分岐させて、上記排気口付近で開口する排気開口を有した分岐管を形成した構造にしている。したがって、再利用する空気と、排気との吐出割合を強制的に分配できる。
【0021】
請求項3に記載の粉粒体気力輸送装置は、請求項2において、前記分岐管には、上記還流空気の上記噴流手段の吸出口と上記分岐管の排出開口とからの吸気、排気の割合を調整する調整手段を更に設けている。したがって、再利用する空気と、排気との排出吸気割合は調整手段で調整するようにしている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の粉粒体気力輸送装置の一例の全体構成を示す概略構成図、図2は、その要部の詳細を示す外観正面図である。
この粉粒体気力輸送装置1は、従来例と同様な噴流手段2と、輸送管3、射出成形機Aにもうけられ、粉粒体捕集手段(不図示)を有する輸送先材料ホッパ4、粉粒体捕集後の輸送空気を輸送元へ還流させる還流管5、輸送元材料タンク6、そのタンク6の上部に設けられた排気口7、その排気口7からの排気から微粉成分などを捕集する排気フィルタ8から構成されている。それぞれの部分について、従来例と同様のものについては、詳しい説明は省略し、相違する部分についてのみ、詳しく説明する。
【0027】
噴流手段2は、従来例で説明した噴流手段120と同様な構成のものであるが、噴流の動圧を輸送動力源とするものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、図3で説明したようなノズルを管軸中心部に設けるものでなく、管の内周壁面に管軸方向に一定角度に傾斜させてノズルを数箇所もうけ、管軸を中心とするスパイラル噴流を生成するような方式のものであってもよい。
【0028】
輸送先材料ホッパ4は、従来例に比べ、それ自身には、粉粒体m捕集後の輸送空気を排出する排出口や、排気フィルタを設けず、その輸送空気を輸送元材料タンク6に還流する還流管5を設けている点が相違する。
還流管5は、輸送先材料ホッパ4から伸び出して輸送元材料タンク6に達し、さらに伸びて、輸送元材料タンク6内で、調整弁53を介して、吸出口64付近に開口している還流開口52まで達している。調整弁53には分岐が設けられ、その分岐は、タンク6内の上部で、排気口7付近に開口する排気開口51に達している。調整弁53には、連接棒54が設けられ、この連接棒54の先端は、タンク6の外部に伸び出しており、その先端には調整弁53の分配を調整する調整レバー55が設けられている。
【0029】
輸送元材料タンク6は、図2で詳しく示しているように、架台61、タンク本体62、タンク蓋63、吸出口64、点検蓋65で構成されている。架台61は、タンク本体62などを支えるもので、下部にはキャスタ66が設けられ、タンク6全体を、希望の位置に移動させることができる。タンク本体62とタンク蓋63は、ステンレス鋼など、その内部に充填する粉粒体に悪影響を与えず、かつ、構造体として、充填材料を支持しえる強度を有した材料で製されおり、タンク蓋63はタンク本体62を密閉することができる。
【0030】
吸出口64は、タンク本体62の下部に設けられ、タンク本体62と同じ材料で製された筒状体で、その下部から斜め上方に伸び、その端部には噴流手段2が設けられている。噴流手段2によって、噴流が供給されると、この吸出口64付近に負圧が生じ、それに伴い、タンク本体62の吸出口64付近の粉粒体mと還流空気のうち必要な量が伴送空気として吸い出され、輸送管3に送りこまれる。点検蓋65は、タンク本体62の下部開口を密閉するためのもので、通常は密閉状態であるが、吸出口64付近を点検するために、取り外すことができるようになっている。
【0031】
このタンク本体62には、先に説明したように、タンク蓋63を貫通して、還流管5が入り込んでいるが、この実施例では、還流管5の主要部は、フレキシブルチューブで構成され、その端部が、このタンク蓋63に突設されている継手部56に嵌まり込むようになっている。
排気口7は、タンク蓋63に設けられ、その出口側には、その排気から微粉成分を捕集する排気フィルタ8が設けられている。
【0032】
このような構成の粉粒体気力輸送装置1においては、粉粒体mの気力輸送は以下のように行われる。
輸送元材料タンク6に貯蔵された粉粒体mは、噴流手段2によって噴出される高圧の噴流空気(空気量:Q1)によって、還流管5によって還流された還流空気から分配吸引された伴送空気(空気量:Q2)と共に吸引され、噴流空気と伴送空気を合わせた輸送空気(空気量:Q3)によって、輸送先材料ホッパ4まで輸送される。
【0033】
材料ホッパ4では、適当な捕集手段によって、あるいは、特別な捕集手段なしに、粉粒体mのみが、材料ホッパ4に捕集、供給され、粉粒体m捕集後の輸送空気(空気量:Q3)は、微粉成分を含んだまま、還流管5によって、還流空気(空気量:Q3)として、輸送元材料タンク6に還流され、このうち、空気量Q2は、伴送空気として、その残存圧力とともに再利用され、その残りは、排気空気(空気量:Q5)として、排気口7より、排気フィルタ8で微粉成分(不図示)を捕集した後に、外気に排気される。
【0034】
したがって、この粉粒体気力輸送装置1においては、噴流空気量Q1、伴送空気量Q2、輸送空気量Q3、排気空気量Q5の間には、以下のような関係がある。
Q3=Q1+Q2 (式4)
Q5=Q3−Q2=Q1 (式5)
この式より解るように、従来例の排気空気量Q4(式3)に比べ、本発明における排気空気量Q5は、伴送空気量Q2の分だけ、少なくなっている。つまり、伴送空気量Q2は、次の伴送空気として、その残存圧力とともに、再利用されており、従来そのまま排気されていた伴送空気量Q2が有効利用され、省エネルギーが図られている。
【0035】
また、式5に示すように、本発明における排気空気量Q5は、噴流空気量Q1に等しく、これは、従来例の排気空気量Q4(=Q3)の1/2から1/10となっている。したがって、上記の省エネルギー効果も大きく、この点は、式1に示されているように、噴流空気量Q1は、輸送空気量Q3に対して、かなり少なくでも、十分に輸送効果をもつという、噴流の動圧を輸送動力源として用いる噴流手段の特性を巧みに利用したものである。
【0036】
さらに、排気空気量Q5が、従来例の排気空気量Q4に比べて、大幅に小さくなるので、その排気空気を対象とする排気フィルタ8も、従来の排気フィルタ160に比べ、大幅に小さくすることができ、装置を小型化することができるとともに、排気空気から回収すべき微粉成分の量も少なくなり、その分、前もって粉粒体mに含むべき微粉成分の追加量も少なくて済み、材料の歩留まりが向上する。
【0037】
また、排気フィルタ8は、輸送元材料タンク6の上部に設けられているので、その設置位置は低く、捕集された微粉成分を簡単に回収し、再利用することができる。さらに、ここでは、取り扱いの点より、排気口7と排気フィルタ8が輸送元材料タンク6に設置されている場合を示したが、他の条件の要請があれば、排気口と排気フィルタは、還流管と輸送元のどの部分に設けてもよく、条件に合わせた設置をすることができ、装置設計の自由度が増す。
【0038】
また、ここでは、排気口7は、輸送元材料タンク6、輸送管3、輸送先材料ホッパ4、還流管5などで構成される管路系の内圧が、外部から供給される噴流空気の影響によって、大気圧より高くなることを前提として、内部の圧力、つまり、過剰空気を外気へ排気するものとして捕らえている。しかし、部分的、あるいは、状況によっては、この排気口7は、上記管路系の内圧が大気圧に対して負圧になる場合には、外気から必要に応じて、伴送空気を吸引する働きをするものでもある。つまり、この排気口7は、内圧調整手段として機能しているものである。
【0039】
こうして、上記管路系の内圧が、正圧の場合はもちろん、負圧となる場合でも、内圧調整手段として機能する排気口7を設けることによって、噴流手段の正常な働きを保証することができる。また、外気を吸入する場合には、排気フィルタ8は、外気の粉塵などを捕集して、管路系に侵入することを防止する役割を果たし、かつ、排気時に捕集した微粉成分は、粉粒体mへ逆流して、再利用される。
【0040】
還流管5のタンク6の内部の部分に設けられた調整弁53は、調整レバー55をタンク6の外部から調整することによって、還流空気(空気量:Q3)の全量を吸出口64付近の還流開口52に吐出させることができる。
この場合に、その還流空気量Q3のうち必要量が、伴送空気(空気量:Q2)として噴流空気に伴って吸引され、輸送管3に送りこまれる。残余の空気量、つまり、Q3−Q2=Q1は、排気口より排気されるが、この場合、その残余空気は、タンク6の下部から、貯留された粉粒体mの間を通過した後に、上部に達し、排気口7から排気される。これは、排気開口51や調整弁53を設けず、単純に、還流管5の先端を吸出口64付近に開口させた場合に相当するが、このようにすると、単純な構造で、還流空気の有効利用ができる。
【0041】
一方、調整弁53を調整して、丁度、伴送空気として必要な量Q3が、還流開口52に、排気空気量Q5(=Q1)が、排気開口51に分配されるようにすると、排気空気は、紛粒体mの間を通過することなく、直接、排気口7に向うので、紛粒体mに含まれている微粉成分を伴って、排気することがなく、余分の微粉成分が不必要に排気フィルタ8に捕集されることがない。また、状況に合わせて、還流開口52、排気開口51に分配される還流空気を調整することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、請求項1に記載の粉粒体気力輸送装置によれば、従来、見過ごされていた排気空気に残存する圧力を積極的に、次の噴流輸送に有効利用でき、全体として省エネルギーを図ることができる。また、輸送管と還流管で閉鎖管路系を形成するので、排気口を設ける位置が、輸送先に限られず、機器設計の自由度が増す。
更に、内圧調整手段の排気口は、排気だけでなく、必要に応じて吸気も行うことができるので、管路系が大気圧に対して、正圧あるいは負圧のいずれかになる場合でも、噴流作用が好適に発揮される。
【0043】
請求項2に記載の粉粒体気力輸送装置によれば、内圧調整手段は、還流管の先端を、排気口付近と、噴流手段の吸出口付近に分配させているので、再利用する空気と、排気との吐出割合を強制的に分配することができる。
【0044】
請求項3に記載の粉粒体気力輸送装置によれば、請求項2において、排気口と、噴流手段の吸出口とに分配された排出、吸気の割合を調整手段を操作することで現場で調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉粒体気力輸送装置の一例の全体構成を示す概略構成図
【図2】本発明の粉粒体気力輸送装置の一例の要部の詳細を示す外観正面図
【図3】噴流の動圧を輸送動力源とする噴流手段の輸送原理を説明する概念図
【図4】噴流手段を用いた従来の粉粒体気力輸送装置の一例を示す概略構成図
【符号の説明】
A 射出成形機
m 粉粒体
1 粉粒体気力輸送装置
2 噴流手段
3 輸送管
4 輸送先材料ホッパ
5 還流管
51 排気開口
52 還流開口
53 調整弁
6 輸送元材料タンク
61 架台
62 タンク本体
63 タンク蓋
64 吸出口
65 点検蓋
66 キャスタ
7 排気口
8 排気フィルタ
Claims (3)
- 輸送先材料ホッパに貯留された粉粒体材料を、噴流の動圧を利用して輸送先ホッパに気力輸送する輸送管を、輸送元材料タンクと輸送先タンクとの間に設けるとともに、両者間に輸送空気を還流させる還流管を設けた粉粒体気力輸送装置において、
噴流生成のための噴流手段と、上記還流管によって還流された輸送空気の過剰、不足分を調整する内圧調整手段とを上記輸送元材料タンクに設け、
上記内圧調整手段は、前記輸送元材料タンクに開口形成された排気口と、上記還流管とで構成され、上記還流管は、その先端を上記輸送元材料タンク内で上記噴流手段の吸出口付近に開口させた構造にしていることを特徴とする粉粒体気力輸送装置。 - 輸送先材料ホッパに貯留された粉粒体材料を、噴流の動圧を利用して輸送先ホッパに気力輸送する輸送管を、輸送元材料タンクと輸送先タンクとの間に設けるとともに、両者間に輸送空気を還流させる還流管を設けた粉粒体気力輸送装置において、
噴流生成のための噴流手段と、上記還流管によって還流された輸送空気の過剰、不足分を調整する内圧調整手段とを上記輸送元材料タンクに設け、
上記内圧調整手段は、前記輸送元材料タンクに開口形成された排気口と、上記還流管とで構成され、上記還流管は、その先端を、噴流手段の吸出口付近に開口させ、さらにその吸出口に至る途中で分岐させて、上記排気口付近で開口する排気開口を有した分岐管を形成した構造にしていることを特徴とする粉粒体気力輸送装置。 - 請求項2において、
前記分岐管には、上記還流空気の上記噴流手段の吸出口と上記分岐管の排出開口とからの吸気、排気の割合を調整する調整手段を更に設けていることを特徴とする粉粒体気力輸送装置。
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