JP3803716B2 - 金属製型枠パネル及び該型枠パネルを用いた型枠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製の型枠パネルとこの金属製型枠パネルを用いた型枠とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
躯体コンクリートの立面を構成する型枠の堰板として、合板製の型枠パネルとは異なり、コンクリートの硬化後に解体・除去することなく放置して、埋め殺しにする、いわゆる「捨てパネル」と呼ばれる省力化を図った金属製型枠パネルが用いられることがある(例えば特願平4−50910号公報等参照)。
【0003】
図16は、この種、金属製型枠パネル50を用いて型枠を構築する状況を示したもので、捨てコンを打って形成した基礎スラブ51上へ、鉄筋52を配筋して骨組み53を組み立てると共に、この骨組み53の両側位置へ支持レール54を平行に敷設し、これら支持レール54へ型枠パネル50を建て込む。そして、図17に示すように両端部に雄ねじ部56を有したセパレータ57を、型枠パネル50相互間へ架設して、コンクリートの打設圧力に耐えるようにする。
【0004】
上記セパレータ57には、雄ねじ部56よりも内側となる部分に、ワッシャ等より成るパネル止め片58が軸移動不能な状態で嵌め付けられており、型枠パネル50には、セパレータ57の雄ねじ部56は挿通するがパネル止め片58は不通にする丸孔59が、所定間隔で、予め形成されている。
従って、上記したセパレータ57の架設は、まず、型枠パネル50相互間の骨組み53内へその上方からセパレータ57をくぐらせるようにして入れ、その軸方向を型枠パネル50の面方向と直交させるようにさせながら、雄ねじ部56を両側の型枠パネル50における丸孔59へ差し込むようにする。そして、各丸孔59から型枠パネル50の外方へ突出した雄ねじ部56へフォームタイ60を螺合する。
【0005】
この後は、フォームタイ60の上側へ横パイプ61を沿わせると共に、これらフォームタイ60及び横パイプ61に抱き合わせ金具62を嵌め付け、最後にフォームタイ60に対してクサビ63を打ち込む。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
セパレータ57の架設時には、上記のように型枠パネル50相互間に既に骨組み53が組み立てられているため、この骨組み53が邪魔となり、セパレータ57の架設が非常に困難で面倒なものとなっていた。
なお、この種、金属製型枠パネル50では、コンクリートの打設時において、セパレータ57の架設に用いなかった丸孔59からコンクリートが漏れ出ることになり、コンクリートに多少なりとも無駄が生じる点や、仕上がりがやや見苦しくなる点等に関して、難点があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、所定間隔で対向立設させた金属製型枠パネル相互間へセパレータの架設が簡単且つ迅速に行えるようにした金属製型枠パネル及び該型枠パネルを用いた型枠を提供することを目的とする。
本発明はまた、コンクリートの無駄を可及的に防止できると共に、綺麗な仕上がりにできるようにした金属製型枠パネル及び該型枠パネルを用いた型枠を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発明に係る金属製型枠パネルでは、セパレータの架設に用いる孔が、セパレータの軸部両端寄りに設けられたパネル止め片を挿通可能な大口部を有している。従って、この大口部を使えば、セパレータを型枠パネルの表側から裏側へも、また裏側から表側へも、自在に突き通すことができる。すなわち、型枠パネルを所定間隔で対向立設させて型枠を構築しようとする場合に、両型枠パネルに対する一方の外側、即ち、型枠外方から、両型枠パネルを串刺しするようなかたちでセパレータを他方の外側へ突き通すことができるものである。
【0009】
従って、従来とは異なり、型枠パネル相互間へセパレータを入れるときに骨組みとの干渉を回避させるべく、複雑にくぐらせるようにしたり、その後に、セパレータの軸方向を型枠パネルの面方向と直交させるときの骨組みとの干渉に手間がかかったりすることがなくなる。そして、上記大口部には、セパレータの軸部は挿通可能であるが上記パネル止め片は不通とする小口部を、互いに連通するようなかたちで形成させている。従って、上記のように両型枠パネルへ串刺し状に突き通したセパレータは、パネル止め片よりも外側となる両端部、即ち、雄ねじ部が含まれている軸部を小口部へ嵌めるようにして移動させることができる。このようにすれば、両側のパネル止め片がそれぞれの型枠パネルにおける小口部の開口部まわりに引っ掛かるので、セパレータは軸方向移動が阻止された状態になる。
【0010】
そして、上記のように大口部及び小口部を有したセパレータ架設用孔(以下、「セパ孔」と言う)に、盲蓋が設けられているのである。
この盲蓋は、セパ孔が不使用時のとき、即ち、セパ孔へセパレータを通していないときには、セパ孔の開口内に嵌まった状態(塞いだ状態)にあり、セパ孔の使用時、即ち、セパ孔へセパレータを通すときに必要に応じて型枠内方へ折曲可能となっている(開放できる)。従って、型枠内へコンクリートを打設する場合に、不使用状態のセパ孔等からコンクリートが漏れ出るということは可及的に防止される。
【0011】
この盲蓋は、セパ孔の開口縁に対してどの部位で接続するものであってもよい。即ち、大口部側の開口縁でパネル面との接続部を形成させる場合でもよいし、小口側の開口縁でパネル面との接続部を形成させる場合でもよい。ただ、この接続部は、パネル使用状態において、セパ孔の上側となる開口縁へ位置付けるようにするのが好適である。
【0012】
なぜなら、接続部をこのような配置にすると、盲蓋を型枠内方へ折曲させたときに、盲蓋は接続部を頂部としてその斜め下方へ傾くようになり、この傾きの下、即ち、傘下部分にセパ孔が位置付けられる状態となる。また、セパ孔へセパレータを突き通した場合、斜め状態となった盲蓋の下縁部は、セパレータの軸上に当接して支持されるようになる。このようなことから、型枠に対してコンクリートを打設する場合、盲蓋は、いわゆる「雨返し用の庇」的な作用を奏し、コンクリートを型枠パネルの内面から離す方向へ弾かせるので、セパ孔からのコンクリートの漏れは一層、防止されることになる。
【0013】
セパ孔において、パネル使用状態で大口部を上側とするか小口部を上側とするかは、特に限定されるものではない。しかし、小口部を上側とする場合等では、大口部から小口部へセパレータを移動させたとしても、例えばセパレータを手で押さえておくか、又はパネル外方へ突出したセパレータの雄ねじ部に対して直ぐにフォームタイを螺合させるかしないと、セパレータは下側の大口部へ落下移動してしまうことになる。
【0014】
そこで、このような場合には、大口部と小口部との連通間に対し、その連通部分の開口幅をセパレータの軸径よりも若干幅狭にするように張出部を設けておくとよい。即ち、大口部から小口部へセパレータを移動させるには、張出部を通過させる時点で無理嵌めをさせることになり、このため、一旦、小口部へ嵌まったセパレータは、張出部が邪魔となり、勝手に大口部へ戻ってしまうということがない。
【0015】
なお、セパ孔において、パネル使用状態の上側を大口部、下側を小口部とする場合には、上記張出部が不要であることは言うまでもない。このようにすることが、セパレータを大口部から小口部へ移動させることを軽快にできる点で、好適であることは明らかである。ところで、金属製型枠パネルでは、その使用状態における上下方向が限定されていないもの、例えば季節や天候等に応じて上下方向を変えるように構成されたもの等がある。このような場合、セパ孔には、上記のように大口部と小口部との連通部分に張出部を設ける構造も有効であるが、大口部を中央としその上下両側に小口部を設けるという構造を採用することも可能である。この構造であれば、張出部の不要化が可能である。従って、型枠パネルにおける使用状態の上下に関係なく、セパレータを大口部から小口部へ移動させることが軽快にできることになる。
【0016】
本発明に係る型枠は、上記のような金属製型枠パネルを用いて構築したものであるが、この場合の型枠パネルは、そのパネル面に、型枠内方へ向けて突出して型枠外方側に溝部を形成させる補強リブが設けられたものとなっている。また、この補強リブによる溝部の溝底に対応してセパ孔が配置されているものとなっている。
【0017】
このような場合、セパ孔に対してセパレータを突き通すと、型枠外方へ突出するセパレータの雄ねじ部は、上記補強リブによる溝部から更に外方へ突出することになる。そのため、この雄ねじ部にフォームタイを螺合させても、フォームタイをパネル外面へ当接できない、即ち、届かないことになる。そこで、補強リブによる溝部内へ溝埋めスペーサを設けることが考えられるが、本発明では、この溝埋めスペーサを更に有効に利用して、セパ孔における少なくとも大口部を封鎖させるようにしている。従って、コンクリートの打設時において、その漏れだしを完全に防止できることになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図2乃至図4は、本発明に係る金属製型枠パネル1を示している。この型枠パネル1は、亜鉛等でメッキされた金属板を素材として、そのパネル面の表裏両面へ向けてそれぞれ突出する補強リブ2,3を設けたものである。各補強リブ2,3は、パネル使用状態の縦方向に沿ってその全長にわたり設けられている。
【0019】
そして、各補強リブ2,3のうち、パネル使用状態において型枠内方とされる方向へ突出することにより、型枠外方側に溝部5を形成させるようになる補強リブ2には、その溝底5aに、セパレータ57(図1参照)を架設するのに用いる孔、即ち、セパ孔7が、互いに所定間隔で複数設けられている。また、この補強リブ2相互によって挟まれたパネル面には、横長の通気孔8が、セパ孔7と同じ配置間隔で複数設けられている。
【0020】
なお、上記セパレータ57には、従来と同じものを用いる。従って、軸部57aの両端部に雄ねじ部56が設けられていると共に、これら雄ねじ部56よりも内側となる部分に、ワッシャ等より成るパネル止め片58が軸移動不能な状態(但し、所定範囲内で少しの軸移動は許容されている)で嵌め付けられている。
上記セパ孔7は、大口部10とこの下側に連通する小口部11とを有して鍵孔状の開口形状に形成されている。大口部10は、セパレータ57におけるパネル止め片58の外径hよりも径大となる内径Hを有している。従って、この大口部10を使えばセパレータ57を型枠パネル1の表裏方向へ通り抜けさせることができる。
【0021】
また、小口部11は、セパレータ57における軸部57aの直径dよりも径大であるが、上記パネル止め片58の外径hよりは径小となる内径Dを有している。従って、この小口部11に対しては、セパレータ57の軸部57a、即ち、雄ねじ部56を挿通させることはできるが、上記パネル止め片58を挿通させることはできない。
【0022】
この型枠パネル1を用いて型枠を構築する状況を図5に示す。
捨てコンを打って形成した基礎スラブ51上へ、鉄筋52を配筋して骨組み53を組み立てると共に、この骨組み53の両側位置へ支持レール54を平行に敷設し、これら支持レール54へ型枠パネル1を建て込むまでの手順は、従来と同じである。
【0023】
次に、対向立設状態にある型枠パネル1における一方の外側、即ち、型枠外方から、セパ孔7の大口部10に対して、両型枠パネル1を串刺しするようなかたちでセパレータ57を他方の外側へ突き通す。
そして、手前側の型枠パネル1において大口部10内へパネル止め片58を嵌め入れた状態とし、相手側の型枠パネル1では、図1に示すように大口部10から雄ねじ部56が突出し且つパネル止め片58は通り抜けていない状態とした時点で、セパレータ57を水平状態のまま下方へ移動させる。これにより、セパレータ57におけるパネル止め片58から雄ねじ部56までに至る両側の軸部57aが、それぞれ、セパ孔7の小口部11へ嵌まるようになる。また、両側のパネル止め片58が各型枠パネル1における小口部11の開口部まわりに引っ掛かるので、セパレータ57は軸方向移動が阻止されることになる。
【0024】
なお、このようなセパレータ57の突き刺し作業を容易化するため、型枠の両方の外側にそれぞれ作業者を配して、この二人の作業者が共同して作業を進めるようにするのがよい。また、セパレータ57を突き刺す場合の手前側となる方の雄ねじ部56に、予め、フォームタイ60を軽くねじ込んでおくと、作業が一層容易となる。
【0025】
このようにして対向立設状態にある型枠パネル1相互間へセパレータ57を架設保持させた後は、型枠パネル1から突出するセパレータ57の軸部57aに、溝埋めスペーサ15を嵌める。この溝埋めスペーサ15は、図6に示すように補強リブ2によって形成される溝部5を埋めて、金属製型枠パネル1の厚さを、木製型枠パネル(図示略)等に匹敵したものとさせるためのものである。
【0026】
すなわち、セパレータ57は、一般に木製型枠パネルを対象として製造されているので、セパレータ57の雄ねじ部56は、補強リブ2による溝部5から更に外方へ突出することになる。従ってもし、この溝埋めスペーサ15を用いない場合には、雄ねじ部56へフォームタイ60を螺合させても、フォームタイ60がパネル外面、即ち、溝底5aまで届かなくなり、型枠パネル1の立設状態は、フォームタイ60の螺合後にもグラグラしたままとなって、その後の作業が非常に面倒なものになるのである。
【0027】
このようにセパレータ57に対し、型枠パネル1から突出する部分へ溝埋めスペーサ15の嵌め付け及びフォームタイ60の螺合を完了させた後は、図18に関して説明したのと同様に、フォームタイ60の上側へ横パイプ61を沿わせると共に、これらフォームタイ60及び横パイプ61に抱き合わせ金具62を嵌め付け、最後にフォームタイ60に対してクサビ63を打ち込む。
【0028】
このようにして構築された型枠に対してコンクリートを打設すると、セパ孔7の大口部10は、型枠パネル1の外側から溝埋めスペーサ15によって封鎖された状態にある。従って、このセパ孔7からコンクートが漏れだすということはない。
図7及び図8に示すように、セパ孔7には、盲蓋17を設けるのが好適である。この盲蓋17は、セパ孔7の加工を打ち抜きで行うことにより、セパ孔7内へ残置形成させたもので、大口部10及び小口部11にそれぞれ対応する相似形をしている。そして、大口部10の開口縁に対して、パネル使用状態の上側となる部分でパネル面との接続部18が設けられている。
【0029】
従って、セパ孔7へセパレータ57を通さないときには、セパ孔7は盲蓋17によって塞がれた状態となる。そのため、コンクリートの打設時に、セパ孔7からコンクリートが過度に漏れ出すのを防止できる。ただし、盲蓋17は大口部10や小口部11よりも一回り小され、これらを閉塞した状態でも若干のスリットが形成されるようになっているので、セパ孔7が盲蓋17で閉塞されても当該セパ孔7の余剰水の排出口としての機能は確保される。
【0030】
また、セパ孔7へセパレータ57を通す場合には、型枠の外方となる側、即ち、補強リブ2による溝部5の溝底5aから盲蓋17を押し込んで、接続部18を折曲させるようにすることにより、セパレータ57の突き刺しが可能になる。
盲蓋17を型枠内方へ折曲させたとき、盲蓋17は接続部18を頂部としてその斜め下方へ傾くようになる。そして、この盲蓋17の下側となるセパ孔7に対してセパレータ57を突き刺すと、その軸部57aの上面に盲蓋17の下縁部が支持されるかたちとなる。そのため、コンクリートの打設時には、盲蓋17が、いわゆる「雨返し用の庇」的な作用を奏し、コンクリートを型枠パネルの内面から離す方向へ弾かせるようになる。従って、セパ孔7からの過度のコンクリートの漏れはより確実に防止されることになる。
【0031】
なお、盲蓋17の接続部18は、図9及び図10に一例を示すようにセパ孔7の開口縁におけるどの位置へ設けるようにしてもよい。即ち、図9に示すものでは、小口部11の開口縁に対して、パネル使用状態の下側となる部分でパネル面との接続部18が設けられている。また図10に示すものでは、大口部10の開口縁に対して横側に接続部18が設けられている。
【0032】
また、盲蓋17は、セパ孔7の開口形状全体に対する相似形とすることが限定されるものではなく、例えば図11に示すように大口部10だけを塞ぐような形で形成することもできる。
セパ孔7において、パネル使用状態に対する大口部10及び小口部11の配置関係は、種々に変更できるものであり、例えば図12に示すように大口部10を下側で小口部11を上側とすることや、図示は省略するが大口部10と小口部11とを横並び状にすること等も可能である。
【0033】
ただ、図12に示すように小口部11を上側にすると、大口部10から小口部11へセパレータ57を移動させた後、これを手で押さえておかないと、セパレータ57が大口部10へ落下してしまい、その後の作業がやや面倒になるおそれがある。そこで、大口部10と小口部11との連通間に張出部20を設けておくとよい。
【0034】
このような張出部20を設けておくことにより、大口部10から小口部11への連通部分の開口幅は、セパレータ57の軸径(図4中に示したd寸法)よりも若干幅狭になるので、一旦、小口部11へセパレータ57を移動させると、張出部20が邪魔となってセパレータ57が大口部10へ戻るのを防止できることになる。
【0035】
なお、図12において張出部20は、大口部10と小口部11との連通部分の両側縁から対向状に突出したものを示してあるが、一方側縁にだけ設けるようにしてもよい。
図14及び図15は、型枠パネル1の他の実施形態を示しており、このパネル1が上記型枠パネル1と異なる点は、コンクリートが硬化時に収縮するのを利用して、当該パネル1を躯体側に密着させるサブリブ25を備える点にある。
【0036】
すなわち、この型枠パネル1は、パネル使用状態において型枠内方とされる方向へ突出することにより、型枠外方側に溝部5を形成させるようになる補強リブ2の相互隣接間に対して、この補強リブ2と同方向へ突出する複数本のサブリブ25が設けられている。
これらサブリブ25も、上記補強リブ2と同様、型枠外方側に、型枠パネル1の縦方向全長にわたる溝部26を形成させるようになっているとともに、このサブリブ25はその平面形状が蟻足状となっている。すなわち、パネル面に対し、型枠内方へ突出する程、その左右方向の幅寸法が大きくなっている。
【0037】
従って、この型枠パネル1を用いて型枠を構築し、この型枠にコンクリートを打設した場合、このコンクリートが硬化するのに伴って生じる収縮力(図16中に白抜き矢符で示す)は、サブリブ25の幅方向両外方の傾斜面をコンクリート側へ引き寄せる力となって型枠パネル1に伝わる。
このため、コンクリートの硬化が進んでも、コンクリート肌に対する型枠パネル1の密着状態が維持されるようになり、このことは、コンクリートが硬化した後の型枠パネル1の剥離防止力を高めるうえで有益である。従って、高強度で且つ耐震性に優れた躯体コンクリートが得られる。
【0038】
このサブリブ25は、型枠パネル1として、コーナー使用タイプとされるもの等に対して設けると、特に有益である。なぜなら、コーナー部では、コンクリートの硬化収縮作用が、コーナー側面に応じた交差する二方向で同時に生じることになり、型枠パネル1に対して生じる剥離作用がそれだけ複雑で且つ大きくなるためである。
【0039】
なお、コーナー使用タイプの型枠パネル1は、図示は省略するが、パネル面に対して、所定長さを有する縦方向のスリット状切れ目が、ミシン目状に点在的に形成されたもので、このミシン目状のものが複数本、横方向に平行に設けられている。従って、現場に応じて、所望するミシン目部分で型枠パネル1を折り曲げることができるようになっている。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、セパレータのパネル止め片を挿通可能な大口部と、セパレータの軸部は挿通可能であるが上記パネル止め片は不通とする小口部とを互いに連通させて成るセパレータ架設用の孔(セパ孔)を金属製型枠パネルに対して設けているので、この金属製型枠パネルを所定間隔で対向立設させたときの相互間へセパレータを架設することが極めて簡単且つ迅速に行える。
【0041】
また、上記セパ孔に対して盲蓋を設けたり、セパ孔の外側へ当接する溝埋めスペーサを利用してセパ孔を封鎖したりすることにより、打設コンクリートの漏れだしによる無駄を可及的に防止でき、また綺麗な仕上がりが得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る型枠パネルに対してセパレータを架設する状況を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る型枠パネルの一部を示す正面図である。
【図3】本発明に係る型枠パネルの一部を示す拡大平面図である。
【図4】本発明に係る型枠パネルに設けられるセパレータ架設用孔を拡大して示す正面図である。
【図5】本発明に係る型枠パネルを用いて型枠を構築する状況を示した側面図である。
【図6】本発明に係る型枠パネルに対するセパレータの固定部分(溝埋めスペーサの取付状況)を示す平面図である。
【図7】セパレータ架設用孔の第2実施形態を示す拡大正面図である。
【図8】図7のセパレータ架設用孔に対してセパレータを架設した状態を示す側面図である。
【図9】セパレータ架設用孔の第3実施形態を示す拡大正面図である。
【図10】セパレータ架設用孔の第4実施形態を示す拡大正面図である。
【図11】セパレータ架設用孔の第5実施形態を示す拡大正面図である。
【図12】セパレータ架設用孔の第6実施形態を示す拡大正面図である。
【図13】セパレータ架設用孔の第7実施形態を示す拡大正面図である。
【図14】金属製型枠パネルの他の実施形態を示す平面図である。
【図15】図14に示す型枠パネルを型枠内方側から示した斜視図である。
【図16】金属製型枠パネルを用いて構築した従来の型枠を一部破砕して示す斜視図である。
【図17】図16中で型枠パネルにセパレータを固定した部分を拡大して示す側断面図である。
【符号の説明】
1 型枠パネル
2 補強リブ
5 溝部
5a 溝底
7 セパレータ架設用孔(セパ孔)
10 大口部
11 小口部
15 溝埋めスペーサ
17 盲蓋
18 接続部
20 張出部
57 セパレータ
57a 軸部
58 パネル止め片
Claims (5)
- 躯体コンクリートの立面を構成する型枠の堰板として用いる金属製型枠パネルにおいて、
互いに所定間隔で複数のセパレータ架設用孔(7)が設けられており、各孔(7)は、セパレータ(57)の軸部両端寄りに設けられたパネル止め片(58)を挿通可能な大口部(10)と、セパレータ(57)の軸部(57a)は挿通可能であるが上記パネル止め片(58)は不通とする小口部(11)とが互いに連通して形成されており、
前記セパレータ架設用孔(7)には、該孔(7)の不使用時には開口内に嵌まり、該孔(7)の使用時には型枠内方へ折曲可能とされた盲蓋(17)が設けられていることを特徴とする金属製型枠パネル。 - 前記盲蓋(17)は、パネル使用状態においてセパレータ架設用孔(7)の上側となる開口縁でパネル面との接続部(18)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の金属製型枠パネル。
- 前記セパレータ架設用孔(7)には、大口部(10)と小口部(11)との連通間をセパレータ(57)の軸径よりも若干幅狭にする張出部(20)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の金属製型枠パネル。
- 前記セパレータ架設用孔(7)は、パネル使用状態において大口部(10)が中央となり該大口部(10)の上部及び下部の双方へ向けて小口部(11)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の金属製型枠パネル。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の金属製型枠パネルであって且つパネル面には型枠内方へ向けて突出して型枠外方側に溝部(5)を形成させる補強リブ(2)が設けられていると共に前記セパレータ架設用孔(7)が上記補強リブ(2)による溝部(5)の溝底(5a)に対応して配置された金属製型枠パネルに対し、パネル面の型枠外方から上記補強リブ(2)による溝底(5a)のセパレータ(57)固定部へ対応させて溝埋めスペーサ(15)を当接することで、該溝埋めスペーサ(15)によってセパレータ架設用孔(7)の少なくとも大口部(10)を封鎖させていることを特徴とする金属製型枠パネルを用いた型枠。
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