JP3154777U - 金属製型枠パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】所定間隔で対向立設する金属製型枠パネルの間へのセパレータの架設が簡単かつ迅速に行える金属製型枠パネルを提供する。【解決手段】本金属製型枠パネルは、躯体コンクリートの立面を構成する型枠の堰板として用いる金属製型枠パネルであって、互いに離間した複数のセパレータ架設用の、略菱形の孔が設けられ、該略菱形の孔に、軸心の回りに回転自在に支持されたセパレータ軸部の両端寄りに設けられ、該略菱形の孔の縁に内接する多角形または異形を呈した係止片が脱着可能に係止され、前記略菱形の孔に、該孔の使用時に型枠内方へ折曲可能に、前記略菱形の孔の縁の上部から延設された前記略菱形の孔と同形の盲蓋が設けられたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本考案は、金属製型枠パネルに関する。
躯体コンクリートの立面を構成する型枠の堰板として、特許文献1に示されるように、合板製の型枠パネルとは異なり、コンクリートの硬化後に解体・除去することなく放置して、埋め殺しにする、いわゆる「捨てパネル」と呼ばれる省力化を図った金属製型枠パネルが用いられている。
従来の、金属製型枠パネルは、捨てコンを打って形成した基礎スラブ上へ、鉄筋を配筋して骨組みを組み立てると共に、この骨組みの両側位置へ支持レールを平行に敷設し、これら支持レールへ型枠パネルを建て込む。そして、両端部に雄ねじ部を有したセパレータを、型枠パネル相互間へ架設して、コンクリートの打設圧力に耐えるようにする。
上記セパレータには、雄ねじ部よりも内側となる部分に、ワッシャ等より成る円形のパネル止め片が軸移動不能な状態で嵌め付けられており、型枠パネルには、セパレータの雄ねじ部は挿通するが円形のパネル止め片は不通にする丸孔が、所定間隔で、予め形成されている。
従って、上記したセパレータの架設は、まず、型枠パネル相互間の骨組み内へその上方からセパレータをくぐらせるようにして入れ、その軸方向を型枠パネルの面方向と直交させるようにさせながら、雄ねじ部を両側の型枠パネルにおける丸孔へ差し込む。そして、各丸孔から型枠パネルの外方へ突出した雄ねじ部へフォームタイを螺合する。
この後は、フォームタイの上側へ横パイプを沿わせると共に、これらフォームタイおよび横パイプに抱き合わせ金具を嵌め付け、最後にフォームタイに対してクサビを打ち込む。
しかしながら、セパレータの架設時には、上記のように型枠パネル相互間に既に骨組みが組み立てられ、セパレータを対向する型枠パネルの間から取り付ける際に、この骨組みが邪魔になるので、対向する型枠パネルの間から作業者がセパレータを架設するのが非常に困難で面倒なものとなっていた。
また、金属製型枠パネルでは、コンクリートの打設時に、セパレータの架設に用いなかった丸孔からコンクリートが漏れ出ることになり、コンクリートに多少なりとも無駄が生じる点や、仕上がりがやや見苦しくなる点等に関して、難点があった。
本考案は、かかる事情に鑑みて、所定間隔で対向立設する金属製型枠パネルの間へのセパレータの架設が簡単かつ迅速に行える金属製型枠パネルの提供を目的とする。
本考案はまた、型枠パネルからはみ出すことによるコンクリートの無駄を防止できるとともに、基礎コンクリートを綺麗に仕上げることができる金属製型枠パネルの提供を目的とする。
本考案の金属製型枠パネルは、躯体コンクリートの立面を構成する型枠の堰板として用いる金属製型枠パネルであって、互いに離間した複数のセパレータ架設用の、略菱形の孔が設けられ、該略菱形の孔に、軸心の回りに回転自在に支持されたセパレータ軸部の両端寄りに設けられ、該略菱形の孔の縁に内接する多角形または異形を呈した係止片が脱着可能に係止され、前記略菱形の孔に、該孔の使用時に型枠内方へ折曲可能に、前記略菱形の孔の縁の上部から延設された前記略菱形の孔と同形の盲蓋が設けられたことを特徴とする。
また、前記係止片が、前記略菱形の孔と相似形かつ、わずかに小さい略菱形を呈することが好ましい。
本考案の金属製型枠パネルによれば、金属製型枠パネルを所定間隔で対向立設させたときのセパレータの架設が極めて簡単かつ迅速に行える。また、略菱形の孔に対して盲蓋を設けることにより、打設コンクリートの漏れ出しによる無駄を防止でき、また基礎コンクリートを綺麗に仕上げることができる。
以下、添付図面を参照し、本考案の金属製型枠パネルを詳細に説明する。
図1および2を参照すると、本考案の金属製型枠パネル(以下、単にパネルという)1は、躯体コンクリートの立面を構成する型枠の堰板として用いられ、亜鉛等でメッキされた金属板を素材として、当該パネル面から突出する補強リブ2、3が設けられている。各補強リブ2、3は、パネル1の使用状態における縦方向(図1中上下方向)に沿って、その全長にわたり設けられている。
パネル1の使用状態において、対向するパネル1の一方のパネル1の補強リブ2は、他方のパネル1の方向へ突出し、型枠外方側に溝部4が形成させる。溝部4には、セパレータ5(図5参照)を架設するのに用いられる、互いに離間した複数のセパレータ架設用の、略菱形の孔6が設けられている。
当該略菱形の孔6には、軸心AX(図5参照)の回りに回転自在に支持されたセパレータ5の軸部5aの両端寄りに設けられ、該略菱形の孔6の縁6aに内接する多角形または異形を呈した係止片7が、脱着可能に係止される。すなわち、対向するパネル1の一方のパネルの外側から、セパレータ5を挿入し、セパレータ5をセパレータ5の軸心AX回りに回転させることにより係止片7がパネル1に脱着可能に係止される。係止片7は、その中央部に雌ねじが切られ、雄ねじ部5bが設けられたセパレータ5の軸部5aに取り付けられる。なお、係止片7は、セパレータ5の軸部5aに溶接等により固定することもでき、特に係止片7のセパレータ5への取付方法は限定されることはない。
係止片7の形状は、図3(a)〜(o)に示されるように、種々の形状を採用することができる。係止片7は、図3(a)に示すような、略菱形の孔6と相補的な関係にある、略菱形の孔6よりわずかに小さい相似形の略菱形の形状や、図3(b)に示すような略菱形の孔6の縁6aに内接する上下方向に長い長方形状の係止片7や、図3(c)に示すような上下方向に長い長方形の上下にそれぞれ三角形が組み合わされた上下に長い六角形状の係止片7であってもよい。また、図3(d)に示すように上下方向に長い長方形の長辺が外側に膨出した形状や、図3(e)に示すような上下方向に長い長方形の左右の長辺にそれぞれ長方形が組み合わされた十字型の係止片7や、図3(f)に示す、略菱形の孔6の縁6aに内接する三角形であってもよい。また、図3(g)に示すような楕円の長軸に沿って半分に切断し、その切断された側に三角形を組み合わせたものであってもよく、図3(h)に示すような図3(a)の略菱形の係止片7の上下部分のそれぞれから三角形がカットされた六角形状であってもよく、図3(i)に示すような長方形の上下側にそれぞれ波型形状の異形部分を設けたものであってもよい。図3(j)の係止片7は、上下方向に長い長方形の長辺を波型形状としたものであり、図3(k)の係止片7は、台形を2つ組み合わせた形状であり、図3(l)の係止片7は、長方形のそれぞれの辺を内方に湾曲した形状である。図3(m)の係止片7は、全体が異形を呈しており、略菱形の孔6の縁6aに内接し、図3(n)の係止片7は、複数の突出部を備え、縁6aに内接する多角形であり、図3(o)の係止片7は、略H字状の多角形である。
上記図3(a)〜(o)に示した形状は、あくまでも例示に過ぎず、略菱形の孔6の縁6aに内接する多角形または異形を呈していれば、特に上記形状に限定されるものではない。すなわち、本考案は、セパレータ5の係止片7を、パネル1の略菱形の孔6に挿入することができ、セパレータ5の軸心AXを中心に回転させることにより、略菱形の孔6に挿入された係止片7が略菱形の孔6から抜け出ないようにするものである。なお、本考案において異形とは、不規則な波型形状、部分楕円、部分円を含む概念である。また、本考案において内接とは、完全に接する必要はなく、わずかなクリアランスを許容するものである。
つぎに、本考案のパネル1の使用状態を図4および図5に示す。捨てコンを打って形成した基礎スラブ(図示せず)上へ、鉄筋9を配筋して骨組みを組み立てると共に、当該骨組みの両側位置へ支持レール10を平行に敷設し、これら支持レール10へパネル1を建て込むまでの手順は、従来と同じである。
つぎに、対向立設状態にあるパネル1における一方の外側、即ち、図5(a)に示すように、型枠外方から、パネル1の略菱形の孔6に対して、両パネル1を串刺しするようなかたちで、盲蓋8をセパレータ5の軸部5aにより押し開けながら、セパレータ5を他方の外側へ突き通す。
セパレータ5の係止片7を略菱形の孔6に通したのち、図5(b)の状態からセパレータ5の軸心AXを中心に90度程度回転させる(図5(c)参照)。セパレータ5を回転させると、係止片7は、略菱形の孔6から抜け出ることがなくなり、この状態からセパレータ5の軸部5aに設けられた雄ねじ部5bにフォームタイ11を取り付けて外側から固定し、セパレータ5の固定が完了する。このように、本考案によれば、セパレータ5を対向するパネル1の内側から組み立てられた鉄筋9をかいくぐりながらセパレータ5を取り付ける必要がなくなり、対向するパネル1の外側から容易に取り付けることができる。
また、図2および図5に示すように、略菱形の孔6には、盲蓋8を設けるのが好適である。この盲蓋8は、略菱形の孔6の加工を打ち抜きで行うことにより、略菱形の孔6内へ残置形成させたもので、略菱形の孔6よりわずかに小さい相似形をしている。そして、盲蓋8は、略菱形の孔6の縁6aの上側部分でパネル面との接続部8aが設けられている。
従って、略菱形の孔6へセパレータ5を通さないときには、略菱形の孔6は盲蓋8によって塞がれた状態となる。そのため、コンクリートの打設時に、略菱形の孔6からコンクリートが過度に漏れ出すのを防止できる。また、盲蓋8は略菱形の孔6よりも一回り小さく、略菱形の孔6を閉塞した状態でも若干のスリットが形成されるようになっているので、略菱形の孔6が盲蓋8で閉塞されても当該スリットがコンクリートの余剰水の排出口として機能する。
また、略菱形の孔6へセパレータ5を通す場合には、パネル1の外方となる側、即ち、補強リブ2による溝部4の溝底から盲蓋8を押し込んで、接続部8aを折曲させるようにすることにより、セパレータ5の突き刺しが可能になる。
盲蓋8をパネル1の内方へ折曲させたとき、盲蓋8は接続部8aを頂部としてその斜め下方へ傾くようになる。そして、この盲蓋8をセパレータ5で突き刺すと、接続部8aを中心として盲蓋8が対向するパネル1の方向に回転し、コンクリートの打設時には、盲蓋8が、いわゆる「雨返し用の庇」的な作用を奏し、コンクリートを対向するパネル1の内側方向へ弾かせるようになり、略菱形の孔6からのコンクリートの漏れはより確実に防止できる。
なお、盲蓋8の接続部8aは、略菱形の孔6の縁6aのどの位置へ設けるようにしてもよい。また、盲蓋8は、略菱形の孔6の開口形状全体に対する相似形とすることが限定されるものではない。
なお、コーナー使用タイプの型枠パネル1は、パネル面に対して、所定長さを有する縦方向のスリット状切れ目12が、ミシン目状に点在的に形成されたもので、このミシン目状のものが複数本、横方向に平行に設けられている。従って、現場に応じて、所望するミシン目部分でパネル1を折り曲げることができるようになっている。
1 パネル
2、3 補強リブ
4 溝部
5 セパレータ
5a 軸部
5b 雄ねじ部
6 略菱形の孔
6a 縁
7 係止片
8 盲蓋
9 鉄筋
10 支持レール
11 フォームタイ
12 スリット状切れ目
2、3 補強リブ
4 溝部
5 セパレータ
5a 軸部
5b 雄ねじ部
6 略菱形の孔
6a 縁
7 係止片
8 盲蓋
9 鉄筋
10 支持レール
11 フォームタイ
12 スリット状切れ目
Claims (2)
- 躯体コンクリートの立面を構成する型枠の堰板として用いる金属製型枠パネルであって、
互いに離間した複数のセパレータ架設用の、略菱形の孔が設けられ、該略菱形の孔に、軸心の回りに回転自在に支持されたセパレータ軸部の両端寄りに設けられ、該略菱形の孔の縁に内接する多角形または異形を呈した係止片が脱着可能に係止され、前記略菱形の孔に、該孔の使用時に型枠内方へ折曲可能に、前記略菱形の孔の縁の上部から延設された前記略菱形の孔と同形の盲蓋が設けられたことを特徴とする金属製型枠パネル。 - 前記係止片が、前記略菱形の孔と相似形かつ、わずかに小さい略菱形を呈することを特徴とする請求項1記載の金属製型枠パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009005757U JP3154777U (ja) | 2009-08-12 | 2009-08-12 | 金属製型枠パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009005757U JP3154777U (ja) | 2009-08-12 | 2009-08-12 | 金属製型枠パネル |
Publications (1)
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JP3154777U true JP3154777U (ja) | 2009-10-22 |
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Family Applications (1)
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JP2009005757U Expired - Fee Related JP3154777U (ja) | 2009-08-12 | 2009-08-12 | 金属製型枠パネル |
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2009
- 2009-08-12 JP JP2009005757U patent/JP3154777U/ja not_active Expired - Fee Related
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