JP6688069B2 - 柱の接合構造、及び、それを用いた建造物の構築方法 - Google Patents
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Description
そのため、下柱の外周部に応力が集中し、上柱側からの荷重を下柱へ効率よく伝達することができないという問題があった。
を下柱へ効率よく伝達することが可能な柱の接合構造、及び、それを用いた建造物の構築方法を提供することにある。
前記上柱と前記下柱の外周部を接合するテーパー部材を備え、そのテーパー部材の内部には、内部側伝達部材が配設されているとよい。
すなわち、上柱側からの荷重は、下柱の外周部のみならず内部側にも伝達されることになり、下柱の一部に応力が集中するのを回避して、上柱側からの荷重を下柱へ効率よく伝達することができる。
このように、上柱側からの荷重は、上述したテーパー部材や内部側伝達部材のみならず、硬化性充填材や鉄筋コンクリートによっても下柱側へ伝達されるので、上柱側からの荷重を下柱側へきわめて効率よく伝達することが可能となる。
〔1〕本発明の第1特徴構成は、横断面での大きさが異なる下柱と上柱とを接合する柱の接合構造であって、
前記上柱と前記下柱の外周部を接合するテーパー部材を備え、そのテーパー部材の内部には、内部側伝達部材が配設され、
鉄骨鉄筋コンクリート造の前記下柱の上方部分の鉄筋の上方に鉄筋を接続し、その鉄筋及び前記テーパー部材が隠れるように、当該鉄筋と前記テーパー部材の上方まで、前記下柱のコンクリート部分の上方に連続させてコンクリートを打設し、前記テーパー部材の外周に鉄筋コンクリートが配設されている点にある。
〔2〕本発明の第2特徴構成は、前記テーパー部材の外周の鉄筋コンクリートは、それの外周面が前記下柱の外周面と面一となる状態で配設されている点にある。
〔3〕本発明の第2特徴構成は、前記内部側伝達部材は、前記テーパー部材の対向する内壁部に亘って前記テーパー部材の内部空間を複数の空間に区画する状態で配設され、前記内部側伝達部材の上端が、前記テーパー部材の前記上柱側の端面より下方に位置している点にある。
〔4〕本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれかに記載の柱の接合構造を用いた建造物の構築方法であって、
既存の建造物の鉄筋鉄骨コンクリート造の柱の下方部分を残して上方部分を切断して除去し、残存する既存の前記柱の下方部分を前記下柱とし、その下柱の上方部分のコンクリートを剥離除去して前記下柱の上方部分の前記鉄筋を露出させ、その前記下柱の上に、その下柱の横断面より小さな横断面を有する新たな前記上柱を前記接合構造にて接合し、前記下柱の上に新たな建造物を構築する点にある。
本発明は、例えば、既存の建造物において、各柱の下方部分を残して上方部分を切断して除去し、図1及び図5に示すように、残存する既存の下柱1上に、その下柱1の横断面より小さな横断面を有する新たな上柱2を接合し、既存の下柱1上に新たな建造物を構築する場合などに適用される。
この実施形態では、図1及び図2に示すように、下柱1が、横断面視において、一辺の長さをL1とし中心部にクロスH型鋼3を備え、周囲に多数の鉄筋4を備えたほぼ正方形の中実の鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の柱である。上柱2は、横断面視において、一辺の長さをL2とし下柱1の横断面の面積より小さな面積を有するほぼ正方形の鋼管からなる鉄骨造(S造)の柱である。そして、この下柱1と上柱2とが、両柱1、2の外周部を接合するテーパー部材5を介在し、必要に応じて鋼板製の下板6と上板7を介在させた状態で接合される。
このテーパー部材5の内部には、上柱2側からの荷重を下柱1側へ伝達するための内部側伝達部材8が、例えば、鋼材などで形成されて配設されている。この内部側伝達部材8は、下柱1のクロスH型鋼3のウェブ3b上に配置可能なように、横断面視でウェブ3bとほぼ同一形状の十字状に形成されるとともに、図4から明確なように、正面視において、その上端がテーパー部材5の上柱2側の端面5bより下方に位置するように形成され、互いに対向するテーパー部材5の内壁部に亘って、かつ、互いに対向する内壁部に溶接されて配設されている。
まず、図3に示すように、所定のフロアラインFL(図1参照)から上方に立設された既存の柱において、必要な下方部分を残して上方部分(図3において仮想線で示す)を切断除去し、残った下方部分を下柱1として、その下柱1の上方部分のコンクリートを必要な量だけ剥離除去し、クロスH型鋼3と鉄筋4の一部を露出させ、必要な場合には、鉄筋4の上方部分を切断除去する。
次に、図4に示すように、下柱1の上面(実際には、クロスH型鋼3の上端面)の上に下板6を載置し、その下板6とクロスH型鋼3とを溶接して接合し、下板6の上にテーパー部材5を載置する。テーパー部材5の載置に際しては、テーパー部材5の下柱1側の端面5aが、クロスH型鋼3のフランジ3a上に位置し、内部側伝達部材8が、クロスH型鋼3のウェブ3b上に位置するように載置して、テーパー部材5と下板6とを溶接して接合する。
次に、上柱2がテーパー部材5の上柱2側の端面5b上に位置するように、上柱2を上板7の上に載置し、上板7と上柱2を溶接して接合する。そして、図1に示すように、下柱1の鉄筋4の上方に新たな鉄筋10を接続するとともに、新たな鉄筋10を配筋し、テーパー部材5が完全に隠れるように、下柱1の上方部分のコンクリート除去部分を含めて上板7の上方までコンクリートを打設し、下柱1の外周とテーパー部材5の外周とに亘って鉄筋コンクリートを配設した状態で接合を完了する。
(1)先の実施形態では、下柱1としてクロスH型鋼3からなる鉄骨を備えたSRC造の柱を示したが、クロスH型鋼3以外にも、例えば、H型鋼、溝型鋼、山形鋼等の各種の型鋼やラチスで補強したものなど、各種形状の鉄骨を備えたSRC造の柱にも適用可能である。更に、SRC造の柱以外にも、例えば、鉄筋コンクリート造(RC造)の柱やコンクリート充填鋼管構造(CFT造)の柱などにも適用可能である。
同様に、上柱2に関しても、先の実施形態で示したS造の柱に限るものではなく、RC造、SRC造、CFT造の柱などでも適用可能である。
テーパー部材5に配設する内部側伝達部材8に関しては、先の実施形態のように、テーパー部材5の対向する内壁部に亘って配設するのが好ましいが、内壁部から中心部に向かって突出する状態で配設することも可能である。
2 上柱
5 テーパー部材
8 内部側伝達部材
9 硬化性充填材
Claims (4)
- 横断面での大きさが異なる下柱と上柱とを接合する柱の接合構造であって、
前記上柱と前記下柱の外周部を接合するテーパー部材を備え、そのテーパー部材の内部には、内部側伝達部材が配設され、
鉄骨鉄筋コンクリート造の前記下柱の上方部分の鉄筋の上方に鉄筋を接続し、その鉄筋及び前記テーパー部材が隠れるように、当該鉄筋と前記テーパー部材の上方まで、前記下柱のコンクリート部分の上方に連続させてコンクリートを打設し、前記テーパー部材の外周に鉄筋コンクリートが配設されている柱の接合構造。 - 前記テーパー部材の外周の鉄筋コンクリートは、それの外周面が前記下柱の外周面と面一となる状態で配設されている請求項1記載の柱の接合構造。
- 前記内部側伝達部材は、前記テーパー部材の対向する内壁部に亘って前記テーパー部材の内部空間を複数の空間に区画する状態で配設され、前記内部側伝達部材の上端が、前記テーパー部材の前記上柱側の端面より下方に位置している請求項1又は2記載の柱の接合構造
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の柱の接合構造を用いた建造物の構築方法であって、
既存の建造物の鉄筋鉄骨コンクリート造の柱の下方部分を残して上方部分を切断して除去し、残存する既存の前記柱の下方部分を前記下柱とし、その下柱の上方部分のコンクリートを剥離除去して前記下柱の上方部分の前記鉄筋を露出させ、その前記下柱の上に、その下柱の横断面より小さな横断面を有する新たな前記上柱を前記接合構造にて接合し、前記下柱の上に新たな建造物を構築する建造物の構築方法。
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JP2015254019A JP6688069B2 (ja) | 2015-12-25 | 2015-12-25 | 柱の接合構造、及び、それを用いた建造物の構築方法 |
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