JP2013032682A - 建築用杭及び該建築用杭を用いる建築用杭の施工方法 - Google Patents

建築用杭及び該建築用杭を用いる建築用杭の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は強い支持力を安定提供できると共に、半田付けを使用しなくても地上建物や他の建築用杭と強固に繋ぎ合うことができる建築用杭及び該建築用杭を用いる施工方法を提供する。
【解決手段】上下延伸する中心軸Lを有し、少なくとも1端に開口212がある管状に形成され、管内に少なくとも1つの強化ユニット22が固定されている杭体21を備えている建築用杭であって、強化ユニット22は、中心軸Lと直交すると共に、両端がそれぞれ杭体21の管壁211内に挿し込まれて固定されている金属棒221を有することを特徴とする建築用杭及び該建築用杭を用いる建築用杭の施工方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は建築用杭及び該建築用杭を用いる建築用杭の施工方法に関し、特に、強い支持力を安定提供できる建築用杭及び該建築用杭を用いる建築用杭の施工方法に関する。
従来の建築用杭は、例えば図1に示されているように、柱状に形成されて土の中に挿入され、上端側が地面に露出して地上の建物と接続するための複数本の接続用鉄筋100を有している。
また、建築地の地盤状況によっては非常に長大な杭が必要とされるが、そのような長大な杭は工場で製造してから建築地に搬送することが不可能な場合がある。従って、従来では2本またはそれ以上の杭を繋ぎ合わせる方法を採用している。
繋ぎ合わせるために作成された従来の杭1は、例えば図示のように、コンクリートで作成された管体11内に、該管体11の延伸方向(上下方向)に沿って延伸する複数本の強化鉄筋12が該管体11の周縁方向に並んで埋め込まれており、そして管体11の端部に接続用の金属リング13が固定されている。1本目の管体11のほぼ全体を土の中に挿入してから2本目の管体11をその上にそれぞれが有する金属リング13が当接するように同軸に重ね、そして当接している金属リング13を半田付けで繋ぎ合わせた後、2本目の管体11をも土の中に挿入し、それから膨張コンクリート101を管体11の管内に注入して一体化する方法を使用している。
蕭 文達、"土木施工学 第六章 基椿工程"、[online]、2007年10月12日、朝陽科技大学、[2011年11月17日検索]、インターネット〈URL:http://www.cyut.edu.tw/~wdshiau/teach/land/CH6.pdf〉
しかしながら、従来の杭接続方法では上下同軸に重なって配置された杭を半田付けで繋ぎ合わせるが、半田付けの品質は現場における半田付け作業員の技量によるところが多く、半田付けの品質が悪ければ杭全体の寿命、そして建物の安全性に悪い影響をもたらすことになる。
また、半田付けは金属を使用するので、土の中に埋め込まれていても土の中にある水分や酸性物質に腐食される恐れがあって、同じく建物の安全性に悪影響をもたらす。
更に、管体11内に注入されるコンクリートと管体11との一体化に働く力がコンクリートと管体11との間の粘着力または摩擦抵抗のみなので、地上建物から強い荷重が掛かったり、地震などによる揺れがあったり、あるいは材料の経年劣化が生じたりすると、コンクリートが管体11から外れるようになり、コンクリートが管体11から外れると杭全体が提供できる支持力が弱化してしまう可能性が大である。
従って、本発明は半田付けを使用しなくても、地上建物や他の建築用杭と強固に繋ぎ合え、充填されたコンクリートが外力などによって正当位置からはずれることが起きにくく、支持力を確実に提供できる建築用杭及び該建築用杭を用いる施工方法を提供する。
上記目的を達成すべく、本発明は、上下延伸する中心軸を有し、少なくとも1端に開口がある管状に形成され、管内に少なくとも1つの強化ユニットが固定されている杭体を備えている建築用杭であって、前記強化ユニットは、前記中心軸と直交すると共に、両端がそれぞれ前記杭体の管壁内に挿し込まれて固定されている金属棒を有することを特徴とする建築用杭を提供する。
上記建築用杭において、前記強化ユニットは、上下に重なって前記中心軸で十字に交差してる2本の前記金属棒を有していることが好ましい。
上記建築用杭において、前記強化ユニットを複数備えており、各前記強化ユニットが有する前記金属棒は、他の強化ユニットが有する前記金属棒と上下に対応した位置にあるように構成されたことが好ましい。
また、本発明は上記建築用杭を使用し、前記杭体の延伸方向に沿って複数の接続用鉄筋それぞれの一端部を前記杭体の開口端から該杭体の管内に挿し込んだ後に、生コンクリートを前記杭体の管内に注入して、前記生コンクリートの固化で前記杭体と前記強化ユニットと前記接続用鉄筋とを一体化させることを特徴とする建築用杭の施工方法をも提供する。
上記建築用杭の施工方法は、2本の前記杭体を用意してそれぞれ上杭体と下杭体とし、前記下杭体の前記開口から前記下杭体の延伸方向に沿って、前記一端部が前記下杭体の管内に入り込み且つ該一端部の反対側にある他端部が下杭体の前記開口から露出するように、複数の接続用鉄筋を前記下杭体に挿し込んでから、前記複数の接続用鉄筋の前記他端部が前記上杭体の管内に入り込み且つ前記上杭体の開口端と前記下杭体の開口端とが向かい合うように、前記上杭体を前記下杭体に上下同軸に重ねた後に、生コンクリートを前記杭体の管内に注入して、前記生コンクリートの固化で前記上杭体と前記下杭体と前記強化ユニットと前記接続用鉄筋とを一体化させるように行うことができる。
また、上記建築用杭の施工方法において、前記下杭体として上端が開口し、下端が封止され且つ前記下端の先端が尖るように形成された前記杭体を使用することができる。
上記構成により、本発明の建築用杭は、杭体の中心軸と直交すると共に、両端がそれぞれ前記杭体の管壁内に挿し込まれて固定されている金属棒を有する強化ユニットが固定されているので、杭体の管内にコンクリートが注入されて固化すると、固化したコンクリートを、それと杭体との間の粘着力または摩擦抵抗のみでなく、杭体から強化ユニットを介して伝わる保持力をも用いて杭体と強く一体化させることができる。
次に、この建築用杭を使用する本発明の施工方法では、コンクリートは、本発明の強化ユニットを有する建築用杭の杭体の管内に注入されて固化するので、固化した後、強化ユニットの介在によって杭体と強く一体化することができる。
前記一体化の強まることにより、地上建物から強い荷重が掛かったり、地震などによる揺れがあったりしても、固化したコンクリートは杭体からはずれることなく、常に強化ユニットと共に杭体と一体になって地上建物を支持するので、従来より遥かに高い許容支持力及び建物全体の構造強度を提供することができる。
また、上下の杭体の接合は、半田付け法でなく、コンクリートと接続用鉄筋との間の一体化によるので、腐食による経年劣化が起こらない。
従来の建築用杭の一例の縦断面図である。 本発明の建築用杭の第1の実施形態の縦断面図である。 図2と同じ建築用杭の横断面図である。 本発明の建築用杭の第2の実施形態の縦断面図である。 本発明の建築用杭の第3の実施形態の縦断面図である。 本発明の建築用杭を使用する本発明の建築用杭の施工方法が示される説明図である。 本発明の建築用杭の施工方法の応用例が示される説明図である。
以下では各図面を参照しながら、本発明の建築用杭及び該建築用杭を用いる建築用杭の施工方法について詳しく説明する。
図2は本発明の建築用杭の縦断面図であり、図3は同じ建築用杭の横断面図である。
図2に示されているように、本発明の建築用杭の第1の実施形態は、上下延伸する中心軸Lを有し、上下両端共に開口212を有する管状に形成され、それら2つの開口近くの管内にそれぞれ3つの強化ユニット22が固定されている杭体21を備えている。
各強化ユニット22は、それぞれ杭体21の開口212の近くに配置されており、いずれも2本の金属棒221を有している。各強化ユニット22が有する2本の金属棒221は、それぞれ中心軸Lと直交すると共に、互いに上下に重なって中心軸Lで十字に交差し、両端がそれぞれ杭体21の管壁211内に挿し込まれて固定されている。また、各強化ユニット22が有する2本の金属棒221は、他の強化ユニット22が有する2本の金属棒221の真上または真下に配置され、上下対応位置にあるようになっているので、図3の横断面図では1つの強化ユニット22が有する十字交差の2本の金属棒221のみが示され、他の強化ユニット22が有する金属棒221は図示の強化ユニット22によって遮られている。
この実施形態において、開口212近くに配置された各強化ユニット22の間の距離は25cmであり、各強化ユニット22が有する金属棒221は直径が19mmで高い引張強度を持つ鉄筋である。各鉄筋の断面積は2.84cmであり、降伏強度fyは4200kg/cmである。無論実際に使用される鉄筋はこれに限らず、必要に応じて他種類の強化材を使用することができる。
上記のように構成された建築用杭は、各強化ユニット22が有する金属棒221の許容せん断応力を保守的に評価してfyの0.4倍として算出すると1680kg/cmであり、発明者は各強化ユニット22が有する2本の金属棒221はそれぞれ9.53トン(2.84cm×1680kg/cm×2)の許容せん断応力を提供できると予想し、よってこの実施形態において計6つの強化ユニット22が合わせて提供できる許容せん断応力は114トンと算出できる。この数値は図1に示される従来の杭1においてコンクリートで作成された管体11と膨張コンクリート101との間の摩擦力により提供される許容せん断応力を遥かに上回るので、本発明の建築用杭は従来より遥かに高い許容支持力及び建物全体の構造強度を提供することができる。
また、本発明の建築用杭の第2及び第3の実施形態は、図4及び図5に示されているように、上端のみ開口212を有し、下端が封止されて先端213が尖るように形成されることも可能である。
図4に示されている第2の実施形態における尖った先端213は中心軸L上にあり、そして図5に示されている第3の実施形態における尖った先端213は一側(図示では右側)寄りに形成されている。
ちなみに、本発明の建築用杭の杭体21に固定される強化ユニット22は、例えば図5に示されている第3の実施形態のように、1つのみ設置することも可能である。
図6及び図7では上記建築用杭を使用する本発明の建築用杭の施工方法が示されている。
本発明の建築用杭の施工方法は、まず図6(a)に示されているように、例えば図4に示されている第2の実施形態の建築用杭の杭体21を使用し、各強化ユニット22の下側に止め板5を取り付けてから、杭体21を地面Gから土中に垂直に挿し込んで、上端の開口212及び開口212の近くにある上端部215が地面Gから露出するように設置する。
続いて図6(b)に示されているように、杭体21の延伸方向、即ち垂直方向に沿って複数の接続用鉄筋3を、それぞれの上端部32が開口212の上側に露出すると共に、下端部31が開口212を経て杭体21の管内で止め板5に当接するまで杭体21に挿入して仮固定する。
各接続用鉄筋3の仮固定が完了した後に、図6(c)に示されているように、生コンクリート4を開口212から杭体21の管内に注入して、生コンクリート4の固化で杭体21と各強化ユニット22と杭体21内に挿し込まれた各接続用鉄筋3とを一体化させる。
このように行われる本発明の建築用杭の施工方法は、水平方向で延伸する各強化ユニット22の金属棒221と、垂直方向で延伸する杭体21及び接続用鉄筋3を、固化したコンクリートで強く一体化することができると共に、土中に挿しこまれている杭の上端一部分を打ち壊すことによって地上建物と接続する鉄筋を露出させるという従来では必要であった杭頭処理も行う必要がなくなる。
次いで、図7を用いて本発明の建築用杭の施工方法のもう1つの応用例について詳しく説明する。この応用例は、図2、図3に示された第1の実施形態の杭体21を複数用いてそれらを繋ぎ合わせる方法である。
杭体を繋ぎ合わせてより長い建築用杭を形成するので、少なくとも2本の杭体21を用意し、それぞれ下杭体21aと上杭体21bとする。まずは図7(a)に示されているように、下杭体21aの開口212を上に配し、各強化ユニット22の下側に止め板5を取り付けてから、上端の一部のみが地面から露出するように、下杭体21aを土中に打ち込み、そして下杭体21aの開口212から、下杭体21aの延伸方向(垂直方向)に沿って、複数の接続用鉄筋3を、下端部31が下杭体21aの管内で止め板5に当接し且つ上端部32が下杭体21aの該開口から露出するように、下杭体21aに挿し込んで仮固定する。
続いて、図7(b)に示されているように、各接続用鉄筋3の上端部32が上杭体21bの管内に入り込み且つ上杭体21bの開口端と下杭体21aの開口端とが向き合うように、上杭体21bを下杭体21aに上下同軸に重ねる。
続いて、図7(c)に示されているように、生コンクリート4を繋ぎ合わせた下杭体21aと上杭体21bの管内に注入して、生コンクリート4の固化で下杭体21aと上杭体21bと各強化ユニット22と各接続用鉄筋3とを一体化させてから、上杭体21bをも土中に打ち込む。
ちなみに、この杭体を繋ぎ合わせる建築用杭の施工方法は、まず接続用鉄筋3が仮固定されている下杭体21aを一定の深さまで土中に打ち込んでから上杭体21bを設置して生コンクリート4で一体化させ、それから下杭体21aと上杭体21bとを共に土中に打ち込む順番になっているが、これに限らず、例えば土中に打ち込む前に生コンクリート4で一体化させたり、あるいは下杭体21aと上杭体21bとを共に土中に打ち込んでから生コンクリート4で一体化させたりするなどの順番を採用することも可能である。
また、この杭体を繋ぎ合わせる建築用杭の施工方法は、2本の杭体の繋ぎ合わせに限らず、もっと多くの杭体を繋ぎ合わせてより長い1本の建築用杭を形成することも可能であり、そして最も上側にある杭体に図6に示された施工方法を応用して、地上建物と接続する接続用鉄筋を設置することも可能である。
このように、本発明の建築用杭の施工方法は、杭体同士の繋ぎ合わせにも応用することができる。本発明の建築用杭の施工方法を用いれば、半田付けをしなくても杭体を繋ぎ合わせることができるようになるので、杭体が繋がり合う強度は半田付けの品質に影響されず、そして金属材料を使用する強化ユニットや接続用鉄筋はすべてコンクリートにより包まれるので、土の中にある水分や酸性物質に腐食される恐れもなくなり、地面に建てられる建物の安全性を高めることができる。
上記構成により、本発明の建築用杭は強化ユニットを有するので、固化したコンクリートは強化ユニットの介在によって杭体と強く一体化するようになり、従って地上建物から強い荷重が掛かったり、地震などによる揺れがあったりしても固化したコンクリートは杭体からはずれることなく、強化ユニットと共に杭体と一体になって地上建物を支持するので、従来より遥かに高い許容支持力及び建物全体の構造強度を提供することができる。
また、本発明の該建築用杭を用いる建築用杭の施工方法は、半田付けでなく、コンクリートと接続用鉄筋との間の一体化により、地上建物や他の建築用杭と強固に繋ぎ合わせるので、腐食による経年劣化が起こらない。
1 杭
11 管体
12 強化鉄筋
13 金属リング
100 接続用鉄筋
101 膨張コンクリート
21 杭体
211 管壁
212 開口
213 先端
215 上端部
21a 下杭体
21b 上杭体
22 強化ユニット
221 金属棒
3 接続用鉄筋
31 下端部
32 上端部
4 生コンクリート
5 止め板
L 中心軸

Claims (6)

  1. 上下延伸する中心軸を有し、少なくとも1端に開口がある管状に形成され、管内に少なくとも1つの強化ユニットが固定されている杭体を備えている建築用杭であって、
    前記強化ユニットは、前記中心軸と直交すると共に、両端がそれぞれ前記杭体の管壁内に挿し込まれて固定されている金属棒を有することを特徴とする
    建築用杭。
  2. 前記強化ユニットは、上下に重なって前記中心軸で十字に交差している2本の前記金属棒を有していることを特徴とする
    請求項1に記載の建築用杭。
  3. 前記強化ユニットを複数備えており、
    各前記強化ユニットが有する前記金属棒は、他の強化ユニットが有する前記金属棒と上下対応位置にあることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の建築用杭。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の建築用杭を使用し、
    前記杭体の延伸方向に沿って複数の接続用鉄筋それぞれの一端部を前記杭体の開口端から該杭体の管内に挿し込んだ後に、
    挿し込んだ該一端部を前記強化ユニットが有するいずれか一本の前記金属棒に取り付けてから、
    生コンクリートを前記杭体の管内に注入して、前記生コンクリートの固化で前記杭体と前記強化ユニットと前記接続用鉄筋とを一体化させることを特徴とする
    建築用杭の施工方法。
  5. 2本の前記杭体を用意してそれぞれ上杭体と下杭体とし、
    前記下杭体の延伸方向に沿って複数の接続用鉄筋を、前記一端部が前記下杭体の管内に入り込み且つ前記一端部の反対側にある他端部が前記下杭体の前記開口から露出するように、前記下杭体の前記開口から挿し込んでから、
    複数の前記接続用鉄筋の前記他端部が前記上杭体の管内に入り込み且つ前記上杭体の開口端と前記下杭体の開口端とが向かい合うように、前記上杭体を前記下杭体に上下同軸に重ねた後に、
    生コンクリートを前記上杭体及び前記下杭体の管内に注入して、前記生コンクリートの固化で前記上杭体と前記下杭体と前記強化ユニットと前記接続用鉄筋とを一体化させることを特徴とする
    請求項4に記載の建築用杭の施工方法。
  6. 前記下杭体として上端が開口し、下端が封止され且つ該下端の先端が尖るように形成された前記杭体を使用することを特徴とする
    請求項5に記載の建築用杭の施工方法。
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