JP3803620B2 - 光学用ウレタン樹脂よりなるプラスチックレンズ - Google Patents

光学用ウレタン樹脂よりなるプラスチックレンズ Download PDF

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光樹 岡崎
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博之 山下
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はイソシアナート化合物と活性水素化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂に関する。
特に、着色が少なく全光線透過率が高く、しかも光学歪みの無い光学用ウレタン樹脂に関し、さらに該樹脂からなる無色透明均質性を要求されるプラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は既にイソシアナート化合物と活性水素化合物を反応させて得られるプラスチックレンズ用樹脂、その樹脂からなるレンズ及びそのレンズの製造法に関し多数の出願を行っている(特開平1−295201、同1−302202、同2−153302、同2−295202、同2−802、同2−167330等)が、上記発明に使用されるイソシアナート化合物は、そのイソシアナト基の示す高い反応性の為に不安定で着色あるいは自己重合による白濁を起こし易い欠点を有する。その為、着色及び重合を抑制する安定剤の添加が必要不可欠であった。
【0003】
すでに、イソシアナート化合物の安定剤として種々の化合物が知られており、代表的な安定剤は、2,6−ジターシャリ−ブチル−p−クレゾール(USP 3,715,381)等のフェノール類、トリフェニルホスファイト(特公昭45−33438)等の亜リン酸エステルなどである。
【0004】
その他にも、尿素類、カーバメート類、酸アミド類(特公昭45−7044、特開昭50−36546)、過塩素酸やトリフルオロメタンスルホン酸等の酸性物質(DEP. 2837770)、二酸化炭素や二酸化イオウ(USP 3,247,236)、有機アミン類(特開昭50−101344)、酸クロリド(特開昭63−179917)、シロキサン(BEP. 858921)、有機スズ化合物(EP 203874)、アシルイソシアナート化合物(特公昭48−3825)等多数の安定剤が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、イソシアナート化合物と活性水素化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂の黄色度と全光線透過率及び光学的均質性に対するイソシアナート化合物の安定剤による影響に関しては全く認識されていなかった。
【0006】
イソシアナート化合物自体の経時変化による着色及び重合は公知安定剤の添加によりかなり抑制され得る。しかし、イソシアナート化合物自体は無色透明でも活性水素化合物と反応して得られるウレタン樹脂の黄色度及び全光線透過率は安定剤の種類によって異なることが判った。
また、得られるウレタン樹脂の光学歪みの有無にもイソシアナート化合物の安定剤が影響を与えることが判った。
したがって、特に無色透明均質性を要求されるプラスチックレンズ等の光学材料の製造においては、イソシアナート化合物の安定剤の選択が極めて重要な課題となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、無色透明で光学歪みのない光学用ウレタン樹脂を得るに好適なイソシアナート化合物の安定剤を鋭意検討し、安定剤としてフェノール類が添加されたイソシアナート化合物と、活性水素化合物を反応させて得られるウレタン樹脂は黄色度が小さく全光線透過率が高く、しかも光学歪みが無いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち発明はポリイソシアナート化合物及びイソチオシアナト基を有するイソシアナート化合物から成る群より選ばれる1種又は2種以上のイソシアナート化合物と、ポリオール化合物、ポリチオール化合物及びヒドロキシチオール化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の活性水素化合物とを、(NCO+NCS)/(OH+SH)官能基モル比0.5〜3.0の割合で反応させて光学用ウレタン樹脂を製造するに際して、フェノールを除くフェノール類を10〜5000ppm添加されたイソシアナート化合物を使用することを特徴とするウレタン樹脂の色相、全光線透過率、光学歪みの改良方法に関する。
【0009】
また本発明は、フェノール類が10〜5000ppm添加されたポリイソシアナート化合物及びイソチオシアナト基を有するイソシアナート化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のイソシアナート化合物と、ポリオール化合物、ポリチオール化合物及びヒドロキシチオール化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の活性水素化合物とを、(NCO+NCS)/(OH+SH)官能基モル比0.5〜3.0の割合で反応させて得られる光学用ウレタン樹脂に関するものである。
【0010】
更に本発明は、フェノール類が10〜5000ppm添加されたポリイソシアナート化合物及びイソチオシアナト基を有するイソシアナート化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のイソシアナート化合物(但し、キシリレンジイソシアナートを除く)と、ポリオール化合物、ポリチオール化合物及びヒドロキシチオール化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の活性水素化合物とを、(NCO+NCS)/(OH+SH)官能基モル比0.5〜3.0の割合で反応させて得られる光学用ウレタン樹脂よりなるプラスチックレンズ、並びにフェノールを除くフェノール類が10〜5000ppm添加されたキシリレンジイソシアナートと、ポリオール化合物、ポリチオール化合物及びヒドロキシチオール化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の活性水素化合物とを、NCO/(OH+SH)官能基モル比0.5〜3.0の割合で反応させて得られる光学用ウレタン樹脂よりなるプラスチックレンズに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明でいうフェノール類とはフェノール性水酸基を有する化合物であり、具体的にはフェノール及びクレゾール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ターシャリブチルフェノール、ヘキシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−ターシャリブチル−p−クレゾール、グアヤコール、オイゲノール等の置換フェノール類、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ターシャリブチルカテコール、ピロガロール等の多価フェノール類、ビフェノール、ジメチルビフェノール等のビフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、メチレン−ビス(メチル−ターシャリブチルフェノール)、チオ−ビス(メチル−ターシャリブチルフェノール)等のビスフェノール類、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類が挙げられる。また、これらのフッ素、塩素、臭素置換体も有効である。これらのフェノール類のなかではフェノールが好ましく、黄色度並びに全光線透過度の優れた光学歪みの無い目的物が得られる。
【0012】
これらフェノール類はイソシアナート化合物に対し10〜5000ppm添加するのが良く、10ppm未満ではイソシアナート化合物自体の安定性が悪くウレタン樹脂の全光線透過率が低くなり、5000ppmを越えるとイソシアナート化合物自体の着色及びウレタン樹脂の着色をかえって促進する傾向があり好ましくない。
【0013】
本発明に使用されるイソシアナート化合物はポリイソシアナート化合物及びイソチオシアナト基を有するイソシアナート化合物からなる群より選ばれる。
ポリイソシアナート化合物としては、例えばエチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、オクタメチレンジイソシアナート、ノナメチレンジイソシアナート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカントリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテル−α,α’−ジイソシアナート、リジンジイソシアナートメチルエステル、リジントリイソシアナート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチリレントリイソシアナート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン、イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアナート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ビス(4−イソシアナト−n−ブチリデン)ペンタエリスリトール、ダイマ酸ジイソシアナート、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2,5(または6)−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン等の脂肪族ポリイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ナフタリンジイソシアナート、メチルナフタレンジイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ビベンジル−4,4’−ジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポリメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアナート)、ナフタリントリイソシアナート、ジフェニルメタン2,4,4’−トリイソシアナート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアナート、4−メチル−ジフェニルメタン−3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアナート、フェニルイソシアナトメチルイソシアナート、フェニルイソシアナトエチルイソシアナート、テトラヒドロナフタレンジイソシアナート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアナート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、1,3−プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、ベンゾフェノンジイソシアナート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、ジベンゾフランジイソシアナート、カルバゾールジイソシアナート、エチルカルバゾールジイソシアナート、ジクロロカルバゾールジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナートが挙げられる。
【0014】
また、硫黄原子を含有するポリイソシアナート化合物としては、例えばチオジエチレンジイソシアナート、チオジプロピルジイソシアナート、チオジヘキシルジイソシアナート、ジメチルスルフォンジイソシアナート、ジチオジメチルジイソシアナート、ジチオジエチルジイソシアナート、ジチオジプロピルジイソシアナート等の含硫脂肪族イソシアナート、ジフェニルスルフィド−2,4’−ジイソシアナート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアナート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナートジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルフェニル)スルフィド、4,4’−メトキシフェニルチオエチレングリコール−3,3’−ジイソシアナートなどのスルフィド結合を有する芳香族イソシアナート、ジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアナート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6’−ジイソシアナート、4,4’−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアナート、3,3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4’−ジイソシアナート、4,4’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3’−ジイソシアナートなどのジスルフィド結合を有する芳香族イソシアナート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアナート、ベンジディンスルホン−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタンスルホン−4,4’−ジイソシアナート、4−メチルジフェニルスルホン−2,4’−ジイソシアナート、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアナート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトベンジルジスルホン、4,4’−ジメチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアナート、4,4’−ジ−tert−ブチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアナート、4,4’−メトキシフェニルエチレンスルホン−3,3’−ジイソシアナート、4,4’−ジシクロジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアナートなどのスルホン結合を有する芳香族イソシアナート、4−メチル−3−イソシアナトフェニルスルホニル−4’−イソシアナトフェノールエステル、4−メトキシ−3−イソシアナートフェニルスルホニル−4’−イソシアナトフェノールエステルなどのスルホン酸エステル結合を有する芳香族イソシアナート、4−メチル−3−イソシアナトフェニルスルホニルアニリド−3’−メチル−4’−イソシアナート、ジフェニルスルホニル−エチレンジアミン−4,4’−ジイソシアナート、4,4’−メトキシフェニルスルホニル−エチレンジアミン−3,3’−ジイソシアナート、4−メチル−3−イソシアナトフェニルスルホニルアニリド−4−メチル−3’−イソシアナートなどのスルホン酸アミド結合を有する芳香族イソシアナート、チオフェン−2,5−ジイソシアナート等の含硫複素環化合物、その他1,4−ジチアン−2,5−ジイソシアナートなどが挙げられる。
【0015】
さらに、イソチオシアナト基を有するイソシアナート化合物としては、例えば1−イソシアナト−3−イソチオシアナトプロパン、1−イソシアナト−5−イソチオシアナトペンタン、1−イソシアナト−6−イソチオシアナトヘキサン、イソチオシアナトカルボニルイソシアナート、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトシクロヘキサンなどの脂肪族化合物、1−イソシアナト−4−イソチオシアナトベンゼン、4−メチル−3−イソシアナト−1−イソチオシアナトベンゼンなどの芳香族化合物、2−イソシアナト−4,6−ジイソチオシアナト−1,3,5−トリアジンなどの複素環式化合物、さらには4−イソシアナト−4’−イソチオシアナトジフェニルスルフィド、2−イソシアナト−2’−イソチオシアナトジエチルジスルフィド等のイソチオシアナト基以外にも硫黄原子を含有する化合物等が挙げられる。
【0016】
また、これらイソシアナート化合物の塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換化合物、さらにはこれらのビュウレット化反応生成物、トリメチロールプロパンとのアダクト反応生成物、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等もまた使用できる。これらはそれぞれ単独で用いることも、また二種類以上を混合して用いてもよい。
【0017】
本発明に使用される活性水素化合物は、ポリオール化合物、ポリチオール化合物及びヒドロキシチオール化合物より選ばれる。ポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、1,2−メチルグルコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロース、ジグリペロール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン−ジメタノール、ビシクロ〔4,3,0〕−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカンジオール、ビシクロ〔4,3,0〕ノナンジメタノール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカノール、スピロ〔3,4〕オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1’−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクトース等の脂肪族ポリオール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテル)等の芳香族ポリオール、ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオール、エポキシ樹脂等の高分子ポリオールの他にシュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、酢酸、プロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、β−オキソシクロヘキサンプロピオン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、3−ブロモプロピオン酸、2−ブロモグリコール、ジカルボキシシクロヘキサン、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、ブロモフタル酸などの有機酸と前記ポリオールとの縮合反応生成物、前記ポリオールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物、アルキレンポリアミンとエチレンオキサイドや、プロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物、さらには、ビス−〔4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔4−(4−ヒドロキシシクロヘキシロキシ)フェニル〕スルフィド、ビス−〔2−メチル−4−(ヒドロキシエトキシ)−6−ブチルフェニル〕スルフィドおよびこれらの化合物に水酸基当たり平均3分子以下のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが付加された化合物、ジ−(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス−(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルフィド、テトラキス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(商品名ビスフェノールS)、テトラブロモビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールS、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオエチル)−シクロヘキサンなどの硫黄原子を含有したポリオール等が挙げられる。
【0018】
また、ポリチオールとしては、例えば、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、ビシクロ〔2,2,1〕ペプタ−exo−cis−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプトコハク酸(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン)等の脂肪族ポリチオール、
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール、また、2,5−ジクロロベンゼン−1,3−ジチオール、1,3−ジ(p−クロロフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、3,4,5−トリブロム−1,2−ジメルカプトベンゼン、2,3,4,6−テトラクロル−1,5−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン等の塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換芳香族ポリチオール、また、2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−エチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−モルホリノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−フェノキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−チオベンゼンオキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、2−チオブチルオキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン等の複素環を含有したポリチオール、さらには1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピル)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール、3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物等が挙げられる。
【0019】
また、ヒドロキシチオール化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グルセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、3,4−ジメルカプト−2−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニルスルホン、2−(2−メルカプトエチルチオ)エタノール、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトエタンモノ(サルチレート)、ヒドロキシエチルチオメチルートリス(メルカプトエチルチオ)メタン等が挙げられる。
【0020】
さらには、これら活性水素化合物の塩素置換体、臭素置換体のハロゲン置換体を使用してもよい。これらはそれぞれ単独で用いることも、また2種類以上を混合して用いてもよい。
これらイソシアナート化合物と活性水素化合物との使用割合は、(NCO+NCS)/(OH+SH)の官能基モル比が通常0.5〜3.0の範囲内、好ましくは0.5〜1.5の範囲内である。
【0021】
また、目的に応じて公知の鎖延長剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶染料、充填剤、内部離型剤等の種々の物質を添加してもよい。
反応速度を調整するために、ポリウレタンの製造において用いられる公知反応触媒を適宜に添加することもできる。
【0022】
本発明のプラスチックレンズ製造方法を具体的に述べれば、好ましくは1種または2種以上のイソシアナート化合物と1種または2種以上の活性水素化合物及び必要に応じて添加物、触媒等を混合したのち、モールド中に注入し重合させる。この際、通常注入前に脱泡操作をし、樹脂に泡が入るのを防ぐ。
【0023】
重合温度および時間はモノマーの種類、添加剤によっても異なるが、通常は−50℃〜200℃、好ましくは室温〜150℃、さらに好適には50〜120℃であり、また時間は通常0.5〜72時間である。また、重合したレンズは必要に応じアニールを行ってもよい。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
実施例1〜11
表1に示すフェノール類安定剤を添加した各種イソシアナート化合物と活性水素化合物を混合し減圧下に脱泡操作を行い、ガラスモールドとガスケットよりなる厚さ9mm、直径70mmのモールド中に注入し、室温から120℃まで徐々に昇温加熱し、48時間で硬化させた。重合後、モールドから離型し、得られた厚さ9mm平板樹脂の黄色度(JIS−K−7105の6.3)及び全光線透過率(JIS−K−7105の5.5)を測定した。また、東芝歪検査器(SVP−100)を使用し直交ニコル法により、光学歪みの有無を判定した。結果を表1に示した。
【0026】
比較例1〜21
表2に示すフェノール類以外の公知安定剤を添加した各種イソシアナート化合物を使用し、実施例と同様に平板樹脂の黄色度、全光線透過率、光学歪みの有無を測定した。結果を表2に示した。
【0027】
実施例3〜5と比較例1〜17並びに実施例2、6、7、8と比較例18〜21との対比から明らかなように、イソシアナート化合物の安定剤としてフェノール類を使用した場合には、イソシアナート化合物と活性水素化合物を反応して得られるウレタン樹脂の黄色度及び全光線透過率が優れており、しかも光学歪みが認められなかった。
【0028】
即ち、安定剤としてフェノール類が10〜5000ppm添加されたイソシアナート化合物と活性水素化合物を反応させて得られる本発明のウレタン樹脂は、フェノール類以外の安定剤が添加されたイソシアナート化合物と活性水素化合物とを反応させて得られる従来型のウレタン樹脂に比べ無色透明性に優れ、しかも光学歪みが無く、プラスチックレンズ等の光学材料として有用であることは明らかである。
【0029】
【表1】
Figure 0003803620
【0030】
【表2】
Figure 0003803620
【0031】
【表3】
Figure 0003803620
【0032】
【表4】
Figure 0003803620
【0033】
【表5】
Figure 0003803620
【0034】
【表6】
Figure 0003803620
【0035】
【発明の効果】
安定剤としてフェノール類が10〜5000ppm添加されたイソシアナート化合物と活性水素化合物を反応させて得られる光学用ウレタン樹脂は無色透明性に優れ、しかも光学歪みが無く、プラスチックレンズ等の光学材料として有用である。

Claims (3)

  1. フェノール類が10〜5000ppm添加されたポリイソシアナート化合物及びイソチオシアナト基を有するイソシアナート化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のイソシアナート化合物(但し、キシリレンジイソシアナートを除く)と、ポリオール化合物、ポリチオール化合物及びヒドロキシチオール化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上の活性水素化合物(但し、フェノール類を除く)とを、(NCO+NCS)/(OH+SH)官能基モル比0.5〜3.0の割合で反応させて得られる光学用ウレタン樹脂よりなるプラスチックレンズ。
  2. フェノール類がフェノールである請求項1のプラスチックレンズ。
  3. イソシアナート化合物が脂肪族ポリイソシアナートである請求項1のプラスチックレンズ。
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