JP3803508B2 - 入退室確認装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば老人ホームの徘徊者の入退室を確認するような入退室確認装置に関し、さらに詳しくは予め登録された人間の顔情報に応じて入退室を確認する入退室確認装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、監視用の撮像カメラで撮影する場合、天井に撮像カメラを吊下げ、この撮像カメラで例えば店舗内の状況を撮影し、その撮影した画像をモニタリングしている。
【0003】
このような撮像カメラは少設置台数で店舗内の全体を監視できるように上方から斜め下方に向けて撮影していることが多い。このため、人物の動きは検出できるが、各々の人間の顔の表情や特徴が捉えられないことが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これは、人間が歩行するとき水平方向か、やや斜め下方に顔を向ける傾向があり、また髪の毛が額にかかっている場合、あるいは帽子を被っている場合に、人間の重要な識別要素となる目、鼻、口などの特徴部分が隠れやすいことが原因している。
【0005】
また、撮像カメラで捉えた顔情報を用いてコンピュータにより照合する場合は、顔の高さ位置より上方から捉えた顔情報は特徴量が少なく、照合確認し難い不十分な情報となっていた。
【0006】
また、歩行者は進行方向を直視しているとは限らず、左右どちらかを向いていることが頻繁であり、これを1台の撮像カメラで撮影した場合に、顔の特徴量を表す目、鼻、口などの部分が完全に写らないことがある。
【0007】
そこでこの発明は、複数の撮像カメラを用いて撮像した顔画像情報から最も顔らしいと判定した顔画像情報を選択し、該顔画像情報を登録情報と照合し、この照合結果に基づいて人間の入退室を確認する入退室確認装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、人間の顔を撮像する撮像カメラと、人間の顔画像情報を登録情 報として予め登録しておく記憶手段と、前記撮像カメラで撮像した人間の顔画像情報を登録情報と照合し、その照合結果に基づいて人間の入退室を確認する制御手段とを備えた入退室確認装置であって、前記撮像カメラを複数で構成し、前記記憶手段に、該複数の撮像カメラのそれぞれの方向から撮像した顔画像情報を予め登録し、前記制御手段で、前記複数の撮像カメラを用いて撮像した顔画像情報から顔の特徴となる目、鼻、口の位置を検出して最も顔らしいと判定した顔画像情報を選択し、この選択した最も顔らしい顔画像情報を、該顔画像情報の撮像方向と同じ方向から撮像した登録情報と照合し、この照合結果に基づいて人間の入退室を確認するよう構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の作用及び効果】
この発明によれば、複数の撮像カメラを用いて撮像した顔画像情報の1つを登録情報と照合し、この照合結果に基づいて人間の入退室を確認する場合は、複数の取得した顔画像情報から顔の特徴となる目、鼻、口の位置を検出して最も顔らしいと判定した顔画像情報を選択し、この選択した最も顔らしい顔画像情報を同方向から撮像した登録情報と照合するため精度のよい入退室確認ができる。
【0010】
前記目、鼻、口の位置を検出した場合、これらの目、鼻、口の位置が求まれば、必然的に顔らしい顔特有の形が決まる。このため、最も顔らしい画像を選択すれば、通行者が誰であるかを正確に特定できる。
【0011】
一例として、室の出入口を通行者が退室することを両側の撮像カメラが撮像した場合、通行者の特徴となる目、鼻、口…などの位置を正確に検出して、最も顔らしさは一方の撮像カメラで取得した顔画像情報か、他方の撮像カメラで取得した顔画像情報かの顔らしさの比較を行い、最も顔らしいと判定した撮像カメラ側の顔画像情報を照合判定に用いる。そして、この最も顔らしいと判定した撮像カメラ側の顔画像情報と、同方向から撮像して予め登録されている同じ向きの登録情報とを比較照合すれば、通行者が誰であるかを正確に特定できる。
【0012】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。図面は老人ホームの徘徊者の入退室をゲート管理するゲート装置を示し、図1に示すように、このゲート装置11は室12の出入口13の両側に第1撮像カメラ14と、第2撮像カメラ15とを配設して入退室状況を監視している。
【0013】
上述の第1撮像カメラ14及び第2撮像カメラ15は、室12の出入口13の両側に設置された各々のカメラ搭載台16…に画像取得可能に内蔵され、その画像取得角度を徘徊老人やナース等の通行者17の顔高さより下方の位置から斜め上方に向けて設定している。これにより、やや斜め下を向いた俯き傾向にある通行者17の顔の表情や目・鼻・口…などの特徴を明確に捉えることができる。
【0014】
また、通行者17が帽子等の被り物をしていたり、垂れた髪の毛によって上方からは見えないことがあるが、このような場合も斜め下方から撮像することによって顔情報を正確に捉えることができる。
【0015】
さらに、両側の撮像カメラ14,15から1つの顔情報を別の角度から取得できるため、豊富な顔情報が得られ、特に左右どちらかを向いているような場合でも、一側の撮像カメラが顔の特徴量を的確に捉えることができる。
【0016】
また、通行者17の顔情報を取得する際、目、鼻、口…などの各部分及び顔全体の形状や大きさ、髪型、眼鏡の有無、色、皺、化粧度合い等の本人固有の顔情報を取得する。この取得した顔情報を通行者17の照合要素に用い、これを通行者17の予め登録した登録情報と照合して、入退室毎に確認するように設定している。
【0017】
図2はゲート装置11の監視システムを示し、両側の撮像カメラ14,15で取得した画像情報はナースセンタの監視装置21に導かれ、ここで入退室状態が監視されて老人ホームの特定の徘徊者が出入口13より退出すると認めた場合は、その旨を警報装置22に出力してナースコールし、これに基づいて直ちにナースによる適切な処置を行う。
【0018】
この場合、監視装置21は監視画像や各種データを表示する表示器21aと各種データを入力する入力装置21bとを有するパーソナルコンピュータを用いて構成し、ここに予め登録者の各顔情報23…を登録設定しておき、撮像カメラ14,15で撮像した通行者17の顔画像情報と監視装置21の登録情報とを照合することにより、通行者17を判定し、このときに照合した判定結果に基づいて通行許容・通行規制処置を施す。例えば、徘徊者が退出することを検知したときは、これに基づいて警報用のブザーを鳴らしたり、ナースに知らせてスピーカから音声案内したり、あるいはナースにより人為的に介護処置させる。
【0019】
図3はゲート装置11の制御回路ブロック図を示し、CPU31はROM32に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データをRAM33で読出し可能に記憶する。
【0020】
画像処理装置34は、両側の撮像カメラ14,15から顔画像を取得したとき、この取得した双方の顔画像情報から最も顔らしいと判定した一方の顔画像情報を選択したり、双方の顔画像情報を合成して照合可能な顔画像を生成する。このようにして得られた顔画像情報の特徴量と、予め登録した登録者の特徴量とを比較照合して確認する。
【0021】
ことに、通行者は進行方向を直視しているとは限らず、左右どちらかを向いていることがよくあり、このような場合に左右から顔画像を取得することによって顔の特徴量を見逃すことなく、目、鼻、口などの特徴部分を完全に捉えることができる。
【0022】
このように構成されたゲート装置11の照合処理動作を図4のフローチャートを参照して説明する。今、室12の出入口13を通行者17が退室することを両側の撮像カメラ14,15が撮像したとき、通行者17の左右からそれぞれ横顔の画像データが得られる。これに基づいて、CPU31はその特徴となる目、鼻、口…などから顔の位置を正確に検出して左右からの顔の特徴量を抽出する(ステップn1〜n4)。この抽出された顔特徴量と、予め登録された特徴量とを比較照合して、最も顔らしさは一方の撮像カメラで取得した画像か他方の撮像カメラで取得した画像かを判定し(ステップn5〜n6)、顔らしさの比較判定結果が第1撮像カメラ側で取得した顔画像であれば、この第1撮像カメラ側で取得した顔画像を、その撮像方向からの登録画像と照合する(ステップn7)。
【0023】
第2撮像カメラ側で取得した顔画像であれば、同様に第2撮像カメラ側で取得した顔画像を、その撮像方向からの登録画像と照合する(ステップn8)。
【0024】
また、照合判定に不適な画像の場合は、双方の画像を合成して正面方向の顔画像を作成し、この合成した正面の顔画像を登録画像と照合する(ステップn9〜n10)。
【0025】
ところで、左右の2台の撮像カメラ14,15を用いることから監視すべき徘徊者と、それ以外のナース等の介護者とを識別する管理性能を高めることができる。
【0026】
例えば、図5に示すように、徘徊者17aが退出する場合は注意力が欠落して出入口13をそのまま直進して通過する傾向にあるため、両側の撮像カメラ14,15からは左右の横面顔の顔画像がそれぞれ取得され、これに基づいて退出者が徘徊者17aであることが容易に判明し、照合精度が高まる。
【0027】
これに対し、図6に示すように、介護者17bが退出する場合は、事前に一方の撮像カメラ14を見ながら退出するように知らせておけば、一方の撮像カメラ14から指定された正面顔の顔画像が得られる。これに基づいて、退出者が介護者17bであることが自動的に判明して照合精度が高まる。
【0028】
したがって、これらの横面顔と正面顔とから識別段階で徘徊者17aと介護者17bとを明瞭に区別でき、照合判定精度の向上及びその判定を促進することができる。
【0029】
さらに、撮像カメラの位置がズレて照合性能が低下する恐れがあるが、これに対しては、図7に示すように、最初に取得した正規の画像71と、後に撮像位置が少しズレた位置ズレ画像72とを重ね合わせて重合した重合画像73として画像取得する。これにより、撮像カメラの位置ズレに対応した調整が行え、照合性能の劣化を抑制することができる。
【0030】
上述のように、出入口を入退室する通行者の顔を撮像カメラで撮像する際、撮像カメラの撮像方向を顔高さより下方の位置から上方に向けて撮像するため、やや斜め下を向いた俯き傾向の通行者の顔の表情や目・鼻・口などの特徴を明確に捉えて撮像することができる。また、通行者が水平方向を向いていても帽子等の被り物をしていたり、垂れた髪の毛によって上方からは見えないことがあり、このような場合も下方から顔情報を正確に写すことができる。したがって、予め登録された登録者の顔情報と照合する場合も、斜め下方から捉えた顔の特徴量が確実に得られるため照合精度が高まり、照合信頼性が向上する。このため、通行者の顔の特徴量を正確に捉えて、的確なゲート制御ができる。
【0031】
また、撮像カメラを通路の側方に配置した場合は、側方から撮像した顔情報を得ることができるため、撮像カメラの方を見る人と、見ない人とに応じた識別に適した情報として照合できる。
【0032】
さらに、複数の撮像カメラを用いた場合は、複数の撮像カメラから顔情報を取得できるため豊富な顔情報が得られ、照合精度が一層向上する。特に、左右どちらかを向いているような場合には、必ず一つの撮像カメラが顔の特徴量を的確に写すことができる。
【0033】
この発明と、上述の一実施例の構成との対応において、この発明の撮像カメラは、実施例の第1撮像カメラ14と第2撮像カメラ15とに対応し、以下同様に、人間は、通行者17、徘徊者17a及び介護者17bに対応し、
入退室確認装置は、室12の出入口13を監視する両撮像カメラ14,15と、その監視装置21、CPU31及び画像処理装置34に対応し、
記憶手段は、監視装置21に対応し、
制御手段は、CPU31及び画像処理装置34に対応するも、
この発明は、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、上述の一実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のゲート装置の撮像状態を示す概略斜視図。
【図2】この発明のゲート装置の監視システムを示す構成図。
【図3】この発明のゲート装置の制御回路ブロック図。
【図4】この発明のゲート装置の照合処理動作を示すフローチャート。
【図5】この発明のゲート装置の徘徊者の撮像状態を示す平面図。
【図6】この発明のゲート装置の介護者の撮像状態を示す平面図。
【図7】この発明のゲート装置の位置ズレ修正画面を示す説明図。
【符号の説明】
11…ゲート装置
12…室
13…出入口
14…第1撮像カメラ
15…第2撮像カメラ
16…カメラ搭載台
17…通行者
17a…徘徊者
17b…介護者
21…監視装置
22…警報装置
23…登録者の各顔情報
31…CPU
34…画像処理装置
Claims (1)
- 人間の顔を撮像する撮像カメラと、
人間の顔画像情報を登録情報として予め登録しておく記憶手段と、
前記撮像カメラで撮像した人間の顔画像情報を登録情報と照合し、その照合結果に基づいて人間の入退室を確認する制御手段とを備えた入退室確認装置であって、
前記撮像カメラを複数で構成し、
前記記憶手段に、該複数の撮像カメラのそれぞれの方向から撮像した顔画像情報を予め登録し、
前記制御手段で、前記複数の撮像カメラを用いて撮像した顔画像情報から顔の特徴となる目、鼻、口の位置を検出して最も顔らしいと判定した顔画像情報を選択し、この選択した最も顔らしい顔画像情報を、該顔画像情報の撮像方向と同じ方向から撮像した登録情報と照合し、この照合結果に基づいて人間の入退室を確認するよう構成した
入退室確認装置。
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