JP5538963B2 - 非常通報装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に開示された技術では、あらゆる不審者の画像を予め準備することはできないので、装置に画像が記憶されていない人物が不審な行動を取ったり、強盗などを行っても検出することができない。
なお、非常通報装置が店舗に設置された場合、正規利用者は、例えば、非常通報装置1が設置された店舗の店員またはオーナーであり、非正規利用者は、例えば、その店舗に来店した客である。また、非常通報装置がオフィスビルに設置された場合、正規利用者は、例えば、そのオフィスビル内のオフィスに勤務する者あるいはオフィスビルの管理者であり、非正規利用者は、例えば、オフィスビル内のオフィスへの訪問者である。
例えば、非常通報装置1がコンビニエンスストアまたはスーパーマーケット等の店舗の来訪者を監視する場合、撮像部2は、レジ付近、あるいは商品棚の間の通路を撮影範囲に含むよう、天井または店舗内の壁の上方に、撮影方向をやや下方へ向けた状態で取り付けられる。さらに、撮像部2は、撮像部2の撮影範囲に、出入口が含まれるように取り付けられてもよい。また、非常通報装置1がオフィスビルの屋内の通行人を監視する場合、撮像部2は、例えば廊下の天井あるいは壁の上方に、撮影方向をやや下方へ向けた状態で取り付けられる。さらに撮像部2は一つに限られず、複数存在してもよい。
記憶部4は、半導体メモリ、磁気記録媒体及びそのアクセス装置及び光記録媒体及びそのアクセス装置のうちの少なくとも一つを有する。そして記憶部4は、非常通報装置1を制御するためのコンピュータプログラム、各種パラメータ及びデータなどを記憶する。また記憶部4は、予め非常通報装置1に登録された正規利用者の非常行動カウンタ、及び、非常通報装置1に登録された非正規利用者の不審行動カウンタ及び顔画像などを記憶する。なお、非常行動カウンタ及び不審行動カウンタの詳細については、異常行動検知部6の関連する構成要素とともに説明する。
そのために、異常行動検知部6は、そのプロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールとして、人物領域検出部61、顔向き検出部62、顔照合部63、非常行動検出部64、不審行動検出部65、不審人物登録部66及び通報部67を有する。
なお、異常行動検知部6が有するこれらの各部は、独立した集積回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成されてもよい。
以下、異常行動検知部6の各部について詳細に説明する。
あるいは、人物領域検出部61は、予め定めたテンプレートを用いて監視画像とのテンプレートマッチングを行い、そのテンプレートマッチングの結果として得られた一致度が所定値以上となった領域を、人物領域として抽出するようにしてもよい。また、人物領域検出部61は、監視画像と、監視領域内に人物等の移動物体が存在しない状態で撮影された基準画像との差分を行い、その差分値が所定値以上となる画素が連結した差分領域を抽出する。そして人物領域検出部61は、差分領域が人物に相当すると考えれるサイズ及び形状を有している場合、その差分領域を人物領域として抽出してもよい。人物領域の抽出処理としては、既に種々の方法が知られるところであり、ここでの説明は省略する。
図2に、人物の顔向きを規定するための正規直交座標系を示す。この正規直交座標系(X,Y,Z)では、原点Oは顔向きの推定対象となる人物200の頭部の略中心に設定される。またZ軸を、その人物200の頭部と撮像部2とを結ぶ直線とする。そしてX軸は、原点Oを通り、Z軸と直交する垂直方向の直線に設定される。同様にY軸は、原点Oを通り、Z軸と直交する水平方向の直線に設定される。
この座標系において、人物200の顔向きは、人物200が撮像部2を直視した状態(すなわち、人物200が顔の正面を撮像部2に対向させている状態)を正対状態とした場合のヨー角ψとピッチ角θの組(ψ,θ)で表される。ヨー角ψは、正対状態における人物200の顔向きに対する、左右方向の回転角(すなわち、Z軸を基準とした、YZ平面内での回転角)を表す。またピッチ角θは、正対状態における人物200の顔向きに対する、上下方向の回転角(すなわち、Z軸を基準とした、XZ平面内での回転角)を表す。以下では、ヨー角ψ、ピッチ角θを、ラジアン単位で表し、それぞれ、右向き方向または下向き方向を正とする。
図3を参照しつつ、顔の向きと顔特徴点の関係について説明する。図3(a)は、対象人物が撮像部2の方を向いている場合(すなわち、正対状態である場合)の対象人物の顔画像310を示す。一方、図3(b)は、対象人物が撮像部2に対して顔を背けている場合の対象人物の顔画像330を示す。図3(a)に示すように、対象人物が撮像部2に対して顔の正面を向けている場合、鼻の頂点である鼻尖点311は、顔の正中線320上に存在する。また、左右の目尻312、313、左右の口角点314、315なども観察することができる。
顔向き検出部62は、頭部領域から顔特徴点が抽出されると、3次元形状モデルについて、所定の回転量、並進量または拡大/縮小率にしたがってその顔向きを調整し、撮像部2の結像光学系の像面と平行な面に仮想的に投影して、その面上における3D顔特徴点の位置を求める。そして顔向き検出部62は、頭部領域から抽出された各顔特徴点と、投影された3D顔特徴点のうちの対応する特徴点との位置ずれ量の総和を求める。顔向き検出部62は、回転量、並進量または拡大/縮小率を変更して、上記の手順を繰り返し、位置ずれ量の総和が最小となるときの3次元形状モデルの顔の向きを求める。そして顔向き検出部62は、その3次元形状モデルの顔の向きから、上記のヨー角ψとピッチ角θの組(ψ,θ)を求めることができる。この場合においても、顔向きは正面向きを基準として特徴点の位置関係から算出されるのであって、すなわち正面を向いた顔からの特徴点のずれ量といえる。
なお、顔向き検出部62は、頭部領域から抽出された各顔特徴点を3次元空間内へ投影した後、3次元形状モデル上の3D顔特徴点との位置ずれ量が最小となるよう、3次元形状モデルに回転、拡大/縮小などの処理を行って、その3次元形状モデルの顔の向きを決定してもよい。
顔向き検出部62は、顔の向きを表すヨー角ψ、ピッチ角θの値を求めると、それらを顔向き情報として対応する人物情報に関連付けて、記憶部4に記憶する。
なお、直視度LSが無限大に近い値となることを防止するために、ヨー角ψ及びピッチ角θが所定の下限値(例えば、0.1ラジアン)以下となる場合には、非常行動検出部64は、ヨー角ψ及びピッチ角θをその下限値に設定して、直視度LSを求めてもよい。
顔向き検出部62は、算出したカメラ直視度を、対応する人物情報に関連付けて記憶部4に記憶する。
顔照合部63は、頭部領域に写っている人物が何れかの正規利用者であると判定すると、その頭部領域の画像データを含む人物情報にその正規利用者の識別コードを関連付ける。同様に、顔照合部63は、頭部領域に写っている人物が既に登録されている非正規利用者の何れかであると判定すると、その頭部領域の画像データを含む人物情報にその非正規利用者の識別コードを関連付ける。また、顔照合部63は、頭部領域に写っている人物が、何れの正規利用者及び非正規利用者でもないと判定すると、その頭部領域の画像データを含む人物情報に、未登録の非正規利用者であることを示すフラグを関連付ける。
ここで、非常行動とは、強盗の発生など、一刻の猶予も無く警察または警備会社の監視センタへ通報することを要する異常事態において取られる正規利用者の行動である。この非常行動は、非常通報装置1にて予め指定された行動であり、本実施形態では、非常行動の一例として、正規利用者が一定期間にわたって撮像部2を直視することとする。
非常行動カウンタは、正規利用者が非常行動に相当する行為を行った回数を監視画像の枚数単位で表す値であり、初期値は0に設定される。非常行動検出部64は、直視度が所定の閾値以上であれば、記憶部4に記憶されている、その正規利用者に対応する非常行動カウンタの値を1インクリメントする。一方、非常行動検出部64は、正規利用者が撮像部2から顔を背けると、その正規利用者に対する非常行動カウンタの値をリセットとして0に戻す。
ここで、不審行動とは、非常行動とは異なり、非正規利用者の行為であり、直ちに警察などへ通報する必要はないが、まもなく犯罪行為に至りかねない行動をいう。一例として、撮像部2が監視領域内の何処に設置されているかを確認すべく、非正規利用者が撮像部2に対して一瞥を繰り返す行動を不審行動とする。このような行動は、例えば、非正規利用者が万引きを企てる際に、万引きが発覚しないよう撮像部2が監視領域である店舗内の何処に設置されているかを確認する際、あるいは、近い将来において強盗などの不正行為を行おうとするにあたり、事前に店舗内の様子を下見する際に行われる。
また通報部67は、不審行動検出部65により、非正規利用者が不審行動を取ったことが検知されると警報を発する。例えば、通報部67は、出力部5を介して、スピーカまたはモニタ(図示せず)などに、不審者が監視領域内にいることを知らせる警告音声またはメッセージを出力したり、正規利用者が所持する無線端末を鳴動させる。また、警告音声または警告メッセージは、例えば、正規利用者のみが知り得る特定の音声またはメッセージとすることができる。
先ず、異常行動検知部6は、撮像部2からインターフェース部3を介して監視画像を取得する(ステップS101)。そして異常行動検知部6は、監視画像を異常行動検知部6の人物領域検出部61へ渡す。
人物領域検出部61は、監視画像上で人物が写っている人物領域を抽出し、さらにその人物領域から人の頭部に相当する頭部領域を抽出する(ステップS102)。そして人物領域検出部61は、監視画像上に頭部領域が存在するか否か判定する(ステップS103)。監視画像上に頭部領域が存在しなければ、異常行動検知部6は、ステップS101〜S103の処理を繰り返す。一方、監視画像上に頭部領域が存在する場合、人物領域検出部61は、監視画像からその頭部領域を切り出し、その頭部領域を表す画像データを含む人物情報を作成して記憶部4に記憶する。
その人物が正規利用者であれば、異常行動検知部6の非常行動検出部64は、カメラ直視度が所定の閾値以上か否かの判定結果に基づいて、その正規利用者が撮像部2を直視しているか否か判定する(ステップS107)。その正規利用者が撮像部2を直視していれば、非常行動検出部64は、その正規利用者に対応する非常行動カウンタの値を1インクリメントする(ステップS108)。一方、その正規利用者が撮像部2を直視していなければ、非常行動検出部64は、その正規利用者に対応する非常行動カウンタの値を0にリセットする(ステップS109)。
ステップS108またはS109の後、非常行動検出部64は、非常行動カウンタの値が非常行動閾値以上か否か判定する(ステップS110)。非常行動カウンタの値が非常行動閾値未満であれば、異常行動検知部6はステップS101以降の処理を繰り返す。
一方、非常行動カウンタの値が非常行動閾値以上であれば、非常行動検出部64は、その正規利用者が非常行動を取っていると判定する。そして異常行動検知部6の通報部67は、出力部5を介して監視センタ装置へ非常通報する(ステップS111)。そして異常行動検知部6は、ステップS101以降の処理を繰り返す。
ステップS114またはS115の後、不審行動検出部65は、不審行動カウンタの値が不審行動閾値以上か否か判定する(ステップS116)。不審行動カウンタの値が不審行動閾値未満であれば、異常行動検知部6はステップS101以降の処理を繰り返す。
一方、不審行動カウンタの値が不審行動閾値以上であれば、不審行動検出部65は、その非正規利用者が不審行動を取っていると判定する。そして異常行動検知部6の通報部67は、出力部5を介してスピーカ、モニタまたは正規利用者が所持する無線端末へ警告メッセージを送信する(ステップS117)。
なお、異常行動検知部6は、ステップS102にて一つの監視画像から複数の頭部領域を検出した場合、各頭部領域について、ステップS104以降の処理を実行する。
また、異常行動検知部6は、一旦不審者発見の警告を行った場合、不審者とされた非正規利用者の識別コード、顔画像及び不審行動カウンタを、不審行動テーブルから削除してもよい。あるいは、異常行動検知部6は、不審者とされた非正規利用者の不審行動カウンタを0にリセットし、その後、所定の時間(例えば、10分間)が経過するまで、不審行動カウンタの加算が行われないようにしてもよい。
さらに、不審行動検出部65は、偶然に撮像部2を何回か直視しただけの非正規利用者の行動を不審行動として誤検出することを防止するために、登録された非正規利用者が所定の解除期間にわたって撮像部2から顔を背けると、その非正規利用者の登録を削除してもよい。この場合、不審行動検出部65は、非正規利用者が撮像部2から顔を背けたと判定される最初の時刻もその非正規利用者の識別コードに関連付けて記憶部4に記憶しておく。なお、不審行動検出部65は、直視度が、非正規利用者が撮像部2を直視しているとの判定に用いる上記の閾値未満であれば、その非正規利用者は撮像部2から顔をそむけていると判断する。また解除期間は、例えば、3分間とすることができる。
この場合、非常行動検出部は、何れかの正規利用者が撮像部を直視している期間が所定の期間(例えば、3秒間)よりも長ければ、その正規利用者が非常行動を取っていると判定してもよい。
同様に、不審行動検出部も、所定の単位時間ごとにその所定の単位時間内に一度でも不審行動が検出されたら、不審行動カウンタをインクリメントしてもよい。そして不審行動検出部も、何れかの非正規利用者が撮像部を直視している期間が所定の期間(例えば、3秒間)よりも長ければ、その非正規利用者が不審行動を取っていると判定してもよい。
不審行動検出部は、特定の非正規利用者に対する不審行動カウンタが不審行動閾値以上となったとき、その非正規利用者が不審行動を取ったと判定する。なお、不審行動閾値は、一定期間にわたって連続して非正規利用者が撮像部に対して顔を背けていることに対応する値であり、例えば、5分間に撮影される監視画像の枚数とすることができる。
また、所定の閾値は、正規利用者が撮像部を直視しているか否かの判定に用いられる閾値と同じ値、例えば4に設定される。
この場合、人物領域検出部は、監視画像から目の領域及び瞳の領域を抽出する。目の領域及び瞳の領域の抽出は、例えば、上記の顔特徴点抽出方法の何れかを用いて実行できる。
虹彩に基づいて監視画像に写っている人物が正規利用者または登録されている非正規利用者か否か判定する場合、記憶部は、正規利用者あるいは登録された非正規利用者の顔画像の代わりに、正規利用者またはその非正規利用者の瞳の画像を記憶する。そして異常行動検知部は、虹彩の照合を行う照合部を顔照合部の代わりに有し、その照合部は、監視画像から抽出された瞳領域と、記憶部に記憶されている正規利用者または非正規利用者の瞳画像とのパターンマッチングを行って一致度を算出する。そして照合部は、一致度の最大値が所定の閾値以上であれば、監視画像に写っている人物はその最大一致度に対応する正規利用者または非正規利用者と判定する。一方、照合部は、一致度の最大値が所定の閾値未満であれば、監視画像に写っている人物は何れの正規利用者でもなく、登録されている非正規利用者でもないと判定する。
なお、非常行動検出部及び不審行動検出部は、例えば、特開平06−6786号公報に開示されているような、他の視線検出方向を用いて、正規利用者または非正規利用者の視線方向を判定してもよい。
さらに、非常行動検出部と不審行動検出部が、互いに異なる種類の情報を用いて非常行動及び不審行動を検出してもよい。例えば、非常行動検出部が、正規利用者の顔の向きによって非常行動を検出し、不審行動検出部が、視線の方向によって不審行動を検出してもよい。
また、非常通報装置は、正規利用者が非常行動を取ったことのみを検知対象とする場合、不審行動検出部及び不審行動登録部を有さなくてもよい。
このように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
2 撮像部
3 インターフェース部
4 記憶部
5 出力部
6 異常行動検知部
61 人物領域検出部
62 顔向き検出部
63 顔照合部
64 非常行動検出部
65 不審行動検出部
66 不審人物登録部
67 通報部
Claims (2)
- 監視領域を撮影した監視画像を順次生成する撮像部と、
予め登録されている正規利用者の顔画像及び前記正規利用者でない非正規利用者の顔画像を記憶する記憶部と、
前記監視画像において人物の顔が写っている頭部領域と前記正規利用者の顔画像及び前記非正規利用者の顔画像とを照合することにより、前記監視画像に写っている人物が前記正規利用者または前記非正規利用者かを判定する照合部と、
前記頭部領域に写っている人物の顔の向きを検出する顔向き検出部と、
時系列に連続して撮影された2以上の所定数の前記監視画像のそれぞれから抽出された頭部領域に写っている人物の顔の向きが前記撮像部に対して正面を向いており、かつ、当該人物が前記正規利用者であると判定された場合、当該人物が非常行動を取ったと判定する非常行動検出部と、
時系列に撮影された複数の前記監視画像のうち、前記頭部領域に写っている人物の顔の向きが前記撮像部に対して正面を向いており、かつ、当該人物が前記非正規利用者であると判定された監視画像の数が2以上の所定回数に達すると、当該人物が不審行動を取ったと判定する不審行動検出部と、
前記非常行動検出部が前記非常行動を取ったと判定すると非常通報し、前記不審行動検出部が前記不審行動を取ったと判定すると警告を発する通報部と、
を有することを特徴とする非常通報装置。 - 前記顔向き検出部は、前記顔の向きから前記人物が前記監視画像において正面顔となる方向に向いている度合いを表す直視度を算出し、
前記非常行動検出部は、前記直視度が所定の閾値以上であると前記人物の顔の向きが前記撮像部に対して正面向きとする、請求項1に記載の非常通報装置。
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