JP2005078228A - 個人認証装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の認証対象者を同時に認証することが可能な認証装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 複数の重量測定ユニット1−1〜1−nによって構成される重量測定床10を複数の認証対象者が通過すると、各重量センサ部11R,11Lによる測定結果がコントローラ2を介して時間情報と共に情報処理装置3に通知される。情報処理装置3は、各人称対象者を分離し、重心移動等の歩行データを求め、記憶されているデータと比較し、一致すれば認証許可を与える。また全ての認証対象者の歩行データが一致せずとも特定の人物が許可されたり、特定人数以上の人が許可されれば全員を許可とするように構成することも出来る。
【選択図】 図3

Description

本発明は、個人認証についての技術に関し、更に詳しくは、人間の歩行動作による認証技術に関する。
指紋、声紋、虹彩等、個人の持つ身体的特徴等から個人を特定する個人認証の技術としては様々なものが現在研究されているが、そのうちの1つとして、人間の歩行動作を検出、解析して個人認証に用いるものがある。
一例として挙げる特許文献1に開示されている方法では、認証対象者を圧力センサの上を歩かせ、人間の歩行動作による2次元の圧力分布を一定時間間隔で取得して、時系列圧力分布画像を求め、これから歩行の特徴を表すパラメータを検出し、これをその人間の歩行動作の特徴を示すパラメータとして表示している。
特開平9−91437号公報(図1、図2等)
しかしながら、指紋、声紋、虹彩等の身体的特徴を利用した認証を行う場合には、認証対象者が、指紋センサー、マイク、カメラレンズ等の入力装置の設置されている場所を探して自分の指、口、目などをこれらの入力装置に接触させるか近づける等の特定の動作を行う必要があり非常にわずらわしかった。また、これらの入力装置は、一度に一人づつしか入力処理を行うことができないため、複数の人の認証を行う場合には、順番待ちのために時間がかかってしまうという問題点があった。従来の歩行動作による個人認証においても、一人の人間を対象にしており、複数の人間の認証は考慮されておらず、また、歩行動作を検出する検出装置の設置場所や設置状態に関しても考慮されていなかったので上記問題点を解決することはできなかった。
本発明は、歩行動作のような人間が通常行う動作であり、複数の人からのデータを一度に素早く取得することが容易な身体的特徴を利用して、複数の人間の認証を容易かつ素早く行うことのできる認証装置及びプログラムを提供することを課題とする。
上記問題点を解決する為、本発明による認証装置は、記憶手段、取得手段、比較手段及び認証手段を備える。
記憶手段は、複数の人の認証データを記憶する。
取得手段は、複数の認証対象者それぞれから身体的特徴を示すデータ、例えば歩行時の体重移動に基づくものを取得する。
比較手段は、前記取得手段が取得した身体的特徴を示すデータと、前記記憶手段に記憶されている認証データを比較する。
認証手段は、前記比較手段による比較の結果、規定数以上の人数が認証許可されたとき、前記複数の認証対象者全てに認証許可を与える。
認証手段による許可の条件としては、例えば、前記記憶手段は、前記複数の人各々が所属するグループを示す情報を前記身体的特徴データと関連付けて記憶し、前記比較手段は、前記記憶手段内の前記身体的特徴データの内、認証対象者の属するグループと同一のグループのものと比較し、前記認証手段は、前記複数の認証対象者の中に特定値以上の人数が前記グループに属する人であると認証されるときに、前記複数の認証対象者全ての人に認証許可を与える。
または、前記複数の認証対象者の中に、前記記憶手段に記憶されている前記身体的特徴データとの一致の度合いが第1の規定値より高い認証対象者が第1の規定数よりも多くいる場合、或いは、前記一致の度合いが前記第1の規定値より低い第2の規定値より高い認証対象者が第1の規定数より大きい第2の規定数よりも多くいる場合に、認証手段は、前記複数の認証対象者全てに認証許可を与える。
或いは、前記記憶手段は、前記複数の人各々がマスタであるか否かを示す情報を前記身体的特徴データと関連付けて記憶し、前記認証手段は、前記マスタである人が認証されたとき、前記複数の認証対象者全てに認証許可を与える。
本発明による別形態の認証装置は、複数の認証対象者の歩行に対する特徴を示すデータを同時に測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果から、前記各認証対象者の重心移動のパターンを取得する手段と、予め記憶されている認証データと前記各認証対象者の重心移動のパターンを比較し、両者が同一人物のものであると認識されると、前記各認証対象者に認証許可を与える認証手段と、を備える。この形態の場合、前記測定手段は、例えば板の両端に荷重センサを設けたユニットを複数並べた構成である。
また、本発明は認証処理を行なう情報処理装置で実行されるプログラムもその範囲に含む。
本発明によれば、取得手段が複数の認証対象者の身体的特徴を示すデータを用いて認証を行ない、規定数以上の人数が認証許可されたとき、前記複数の認証対象者全てに認証許可を与えるので、複数の認証対象者を同時に処理することが出来る。
本発明によれば、複数の認証対象者からの身体的特徴データを一度に素早く取得して認証を行なうことが出来るので、従来のように一人ずつ順番に認証を行なう場合に比して、認証にかかる時間を短縮することが出来る。また認証を受ける側は、認証のための動作を意識的に行う必要がなく、会話をしながら通路を歩くなど、通常動作の中で自然に認証処理が完了するので、認証対象者に特別な負担をかけることがない。また重量測定床を通路内に隠蔽して設置すれば、認証対象者に対して知られることなく認証処理を行なうことが出来る。
また複数の認証対象者の認証判定を総合的に行っているため、例えば、同じグループの中にあまり身体的特徴のない人や未登録の人が含まれている場合でも、容易かつ確実に認証を行うことが出来る。
以下に本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、複数の認証対象者を同時に重量測定床10上を通過させ、その歩行動作の特徴量を抽出して認証処理を行なう。
図1(a)は、本実施形態で用いる重量測定床を構成する重量測定ユニットの構成原理を示す図で、同図(b)はその俯瞰図である。本実施形態では、この重量測定ユニットを並べた重量測定床上に複数の認証対象者を同時に歩行させ、その歩行動作から個人認証を行なう。
同図の重量測定ユニット1は、2つの重量センサ部11(11R,11L)及び板部12より構成されている。
重量センサ部11は、板部12に新たに加わった重量を検出し、電気信号として出力する重量センサで、板部12に加わった重量に比した電流値を不図示の信号線から出力する。板部12は床板を構成する縦数cm〜数10cm、横2〜3mの横長の板で、たわみや曲がりが少ない鉄板や木板によって構成される。この板部12上に認証対象者の足裏が乗るとその重量が横方向の両端に設けられた重量センサ部11によって計測される。
図2は、図1に示した重量測定ユニット1によって構成される重量測定床10の構成を示す図である。この重量測定床10上を認証対象者が歩くことにより、その歩行動作の特徴点を抽出して認証処理を行なう。重量測定床10は、図2に示すように複数(同図ではn個)の重量測定ユニット1を5m程度並べて構成される。
認証対象者が重量測定床10を歩くと、その足裏が乗っている重量測定ユニット1の重量センサ部11が重さの変化を検出して重さに対応する電流値を出力し、認証対象者の足の位置が板部12の縦幅の単位で検出される。
図3は、本実施形態におけるシステムの全体構成を示す図である。
本システムは、重量測定床10が信号線4によってコントローラ2に接続されている。また、コントローラ2は、RS−232C等の通信路5によって情報処理装置3と接続されており、コントローラ2からは、定周期で重量測定床10による測定結果が情報処理装置3に送られる。そして、情報処理装置3は、重量測定床10による測定結果から、認証対象者に対する認証処理を行なう。
同図のシステムでは、コントローラ2はタイマを供え、各重量センサ部11との間の信号線を流れる電流値の変化量から、その重量測定ユニット1の各重量センサ部11R,11Lそれぞれに加わっている重さを求めると、一定時間毎にこの測定値にデータ作成時刻若しくは測定時刻を示す時刻データを付して情報処理装置3に送信する。
また重量測定床10を構成するn個の重量測定ユニット1−1〜1−nにはそれぞれ識別番号が付されており、この識別番号によって各重量測定ユニット1による測定値を管理する。そして各重量測定ユニット1−1〜1−nの重量センサ部11による測定値を、この識別番号と対応させたデータ形式で情報処理装置3に送信する。
図4は、コントローラ2から情報処理装置3に送られるデータのデータ形式の一例を示す図である。
同図では、コントローラ2からの送信データには、先頭にデータ作成時刻を示す時刻データ41があり、それに続いて、各重量センサ部11R,11Lによる測定値42が格納されている。時刻データ41は、測定日時を100分の1秒単位で示したキャラクタデータで年(4桁)、月(2桁)、日(2桁)、時(2桁)、分(2桁)、秒(4桁)のyyyymmddhhmmssss形式と成っている。また測定値42は、重量測定ユニット1の識別番号順に重量測定ユニット1の2つの重量センサ部11R,11Lによる各測定値をグラム単位で表わした6桁の値がキャラクタデータとして格納されており、これを受け取った情報処理装置3はその格納位置からその測定値がどの重量測定ユニット1のどの重量センサ部11による測定値かを認識する。同図の例では、時刻データ41として2002年7月1日13時7分25.24秒を表わすデータが、また重量センサ部11L−1,11R−1,・・・による測定値として12345グラム,2345グラム,・・・を表わすデータが送信データとしてコントローラ2から情報処理装置3に送信されている。
コントローラ2は、一定時間毎にこのような形式のデータを、RS232C等の通信路5を介して情報処理装置3へ非同期に送信する。尚、重量センサ部11による測定誤差に対する処理は、コントローラ2によって行なわれる。コントローラ2は、誤差を考慮して測定値が重量0と判断されるとき、情報処理装置3に送るデータとして真に0の値を送信する。
情報処理装置3はRS232Cのポートを監視してコントローラ2からデータが送られてきたことを検出すると、送信されてきたデータのフォーマット解析して、データ作成時刻を示すデータと全重量センサ部11による測定値のデータを取得する。そして情報処理装置3は、このデータから、後述するように認証対象者の重心の移動、歩幅、荷重変動を示すパラメータを求め、これを登録済みのパラメータと比較することにより個人認証を行なう。
図5は、情報処理装置3のシステム構成を示す図である。
同図において、情報処理装置3は、CPU31、表示部32、入力部33、入力装置34、記憶部35、通信部36及びセンサ接続部37を備え、これらがバス38によって接続されを相互にデータの授受が行なえる構成となっている。
CPU31は、中央演算処理装置であり、CPU31が記憶部34のプログラム記憶領域341内のプログラムを実行することにより、認証処理を実現する。RAM32は、ランダムアクセスメモリで、CPU31が実行するプログラムの一部が記憶されるプログラム領域321や作業領域322が展開される。表示部33は、情報処理装置3を操作するオペレータに種々の情報を出力するモニタやプリンタ等である。入力部34は、オペレータが入力指示を行なう為のもので、キーボードやポインティングデバイス等により構成される。記憶部35は、ROMやハードディスク等によって構成される不揮発性の記憶ユニットで、CPU31が実行するプログラムが格納されているプログラム記憶領域351、プログラム実行時に用いられる各種データが記憶されているデータ記憶領域352等を含む。またこの記憶部35には、認証に用いる歩行パラメータが登録される。通信部36は、ネットワーク回線と接続して、情報のやり取りを行なう為のものである。センサ接続部37は、コントローラ2から送信されてくるデータの受信処理を司る部分で、通信ポート等を備えている。
次に情報処理装置3内で行なわれる、重量センサ部11による測定値から認証処理に用いられる各種データを抽出する抽出処理について説明する。以下の説明では、認証対象者が重量測定床10の上を歩いたときに情報処理装置3へ送られる1組のデータをその歩行動作に関する歩行パラメータとする。
情報処理装置3では、歩行パラメータから以下の手順で、認証処理に用いる、認証対象者の重心の位置の移動、歩幅、荷重変動を示す歩行パラメータを抽出し、既に登録されてる歩行パラメータと比較することによって認証を行なう。
歩行者が、重量測定床10を一回歩行することによって得られる、その歩行者による歩行動作の特徴を示すパラメータを歩行パラメータとする。本実施形態では、歩行パラメータは、歩行者の歩幅を示す歩幅データ、重心位置の移動を示す重心移動データ、荷重変動を示す荷重変動データから構成されている。尚歩行パラメータは、ここに示す歩幅、重心位置、荷重変動の3つを示すデータの組み合わせに限定されるものではなく、認証対象者の歩行動作の特徴を表わし認証に用いることの出来るものであれば、これらの中の2つのデータであっても、これら3つの内のいくつかと他の要素を示すデータの組み合わせ、これら以外の他の要素を示すデータの組み合わせ等でも良い。
図6は、重心の位置を求める原理を説明する図である。
認証対象者が重量測定床10上を歩行すると、歩行中のある瞬間、左足又は右足が乗っている重量測定ユニット1の重量センサ部11は、0でない値を計測する。図6に示される重量センサ部60L,60Rの内、黒マル●で示された61R,61Lは認証対象者の左右の足裏63によって荷重が加わったものであり、白マル○で示された62R,62Lは荷重が加わっていないものである。荷重がかかっている重量測定ユニット61R,61Lの位置から進行方向(以下Y軸方向)の位置が特定できる。
また同一の重量測定ユニット1の2つの重量センサ部61R,61Lには、足裏が乗った位置と床部12の両端に設けられている重量センサ部61R,61Lまでの距離に基づいた荷重がそれぞれに加わる。このことから横方向(以下X軸方向)の位置が特定できるので、荷重のかかっている重量センサ部61R,61Lの位置の位置ベクトルの加重平均を計算することにより重心の位置64が求まり、また重量センサ部11の値の合計により重心にかかっている重量が求まる。
上述した手順により求めた重心の位置64、及び重心に加わる重量から、これらに対する時間の関数をそれぞれ求める。
図7は図6で求めた重心の位置の移動をプロットしたものである。同図は、重心の横方向と縦方向の位置をX軸及びY軸として、時間の経過による重心位置の移動をプロットして示している。
同図では、図6で求めた重心の位置をマル印72で示してあり、その内黒マル印で示したものは局所的に最大あるいは最小値を取っている点を示している。また曲線71は時間の流れを考慮しつつそれらを滑らかにつないだものである。
同図において、水平方向左側(X軸負方向)の変位が最大になる点(例えば同図の点72a(t=t0))から次の水平方向左側の変位が最大になる点(例えば同図の点72b(t=t1))までを1歩行単位とする(通常の2歩に該当する)と、重量測定床10の長さを約5m、歩幅の最大幅を1mとしても、通常一回の歩行で3歩行単位以上のデータが得られる。
また1歩行単位分の歩幅(2歩分)は、1歩行単位のデータのY軸方向の変位量により求まる。重量測定床10を一度歩いて得られる複数の1歩行単位のY軸方向の変位量のデータを平均したものをその歩行に対する「歩幅データ」とする。
次に1歩行単位づつの重心移動のデータを線形変換して正規化する。ここでは、1歩行単位のデータに対して時間tの区間をt=[0,1]、水平方向Xの変位xの区間をx=[0,1]、水平進行方向Yの変位yの区間をy=[0,1]になるように線形に変換する。この処理を1歩行単位データの正規化と呼ぶ。図8に正規化した1歩行単位のデータを示す。
図8には、1歩行単位データを正規化したデータが曲線81−1〜81−3として描かれている。
この曲線81各々は、実際には図9(a)に示すような各時間tに対する変位x,yのデータの組である。この曲線を用いて、時間tを適当な間隔毎(この場合は0.05刻み)に変位x,yのデータに対して適当な補間を行なうことにより、予め指定した時間(この場合はt=0から1まで)に対する変位x,yの値を求めることができる。
そのようにして求めた時間tに対する水平方向の変位xと垂直方向の変位yの値の関係を示したものが図9(b)に示す表である。
この図9(b)の表は1歩行単位のデータに対して1つ作成されるので、複数の歩行単位に関してこの表を作り対応する値を平均すると図9(b)と同じ形式のデータが得られる。
こうしてこの歩行から得られた図9(b)に表として示すデータを、その歩行に対する「重心移動データ」とする。
次に時間に対する荷重の変化を示すデータを求める。このデータは、重心移動データを求めたのと同様に、1歩行単位の荷重の変化を正規化し、これを複数の歩行単位に対して平均化した後に、補間することにより求める。これを歩行に対する「荷重変動データ」とする。
図10に荷重変動データを示す。同図では時間T、荷重Wを[0,1]の範囲で正規化し、時間Tが0.05間隔になるように補間した複数の1歩行単位のデータを平均した値が稼動変動データとして示している。
図11は、歩行パラメータを示す図である。
本実施形態の例では、歩行パラメータは、人が重量測定床10上を1回歩行することで得られる上述した歩幅データ111、重心位置データ112及び荷重変動データ113から成り、この歩行パラメータをその歩行者個人の歩行動作の特徴を示す認証用データとして、情報処理装置3内に記憶、登録する。そして認証処理を行なうときは、認証対象者が重量測定床10を歩くことによって得られる歩行パラメータと、情報処理装置3内に登録されている歩行パラメータを比較して、同一人物であるかどうかの判断を行なう。
図12は、情報処理装置3に歩行パラメータを登録する際の登録処理を示すフローチャートである。同図の処理は、CPU31が記憶部34内のプログラムを実行することにより実現される。
登録処理が開始されると、ステップS1として、CPU31は表示部32に案内表示を行なう等、オペレータに、認証対象とするグループを特定するグループ番号または個人の指定入力を入力部33から行なわせる。またこのとき登録者がマスタか一般かを示すマスタ情報をも入力させる。
この状態でCPU31は、センサ接続部37を監視し、ポートに重量センサ部11によって計測された測定値がコントローラ2から送られてくるのを待つ(ステップS2、N)。
重量測定床10を歩行者が歩き、コントローラ2から図4に示したような各重量センサ部11による測定値のデータが送られてくると(ステップS2,Y)、ステップS3としてCPU31は、記憶部34に時刻データに対応させて各重量センサ部11からの測定値(荷重データ)を所定時間分記録する。
次にステップS4として、CPU31はステップS3で記録した荷重データを記憶部34から参照し、各時刻における、各重量測定ユニット1毎の重心位置を算出する。そしてステップS5として重心位置の移動パターンを抽出し、一歩行単位について正規化された歩行単位データを取得する。
そして、ステップS6として取得した歩行単位データを指定されたグループ番号または個人と対応付けて記憶部34に記憶、登録し、処理を終了する。
図13は、情報処理装置3の記憶部34に登録される登録データの例を示す図である。
同図では、登録グループ番号、マスタ情報、登録個人番号及び登録歩行単位データが記憶部34に記憶されている。
これらのうち登録グループ番号は、その登録者が所属する会社や部署等のグループを識別する識別番号(グループに属さない個人の場合は個人であることを示す番号、同図では(個人)で示す)、登録個人番号はその登録者個人を識別する識別番号である。またマスタ情報は、その登録者がマスタであるか一般であるかを示す情報で、認証処理を行なうときに重量測定床10を通過して認証を受けた複数の人の中にマスタである人がいる場合、たとえ他の人が未認証であっても全て認証され、許可されたものとして処理(ゲートをオープンする等)する。登録歩行単位データは、認証処理に用いる図11に示したような歩行パラメータへのリンク情報(同図では(a)〜(h)で示す)を示す。
図12に示したような登録処理においては、図13のような登録データを登録し、同時に登録される各登録者に対応する歩行パラメータを登録歩行単位データでリンクして対応付ける。
次に本実施形態における認証処理について説明する。
認証処理は、情報処理装置3において、登録されている歩行パラメータと新たに重量測定床10を歩いた認証対象者の歩行パラメータを比較することによって行なわれる。
尚本実施形態では、複数の人間が同時に重量測定床10を歩行した場合にも対処しており、この場合には重量センサ部11によって計測された荷重データは、複数の人間によるものである。よってこの場合にはこれらから個々の認証対象者の歩行パラメータを求めなければ成らないが、この処理については後述する。
二つの歩行パラメータがあるときそれらが同一人物の歩行による歩行パラメータか否かを判定するために、以下のように歩行パラメータの比較を行なう。
歩行パラメータPは3つの要素、歩幅データW、重心移動データG、荷重変動データVから構成されるが、このことをP=(W,G,V)と表わす。
二つの歩行パラメータP1=(W1 ,G1 ,V1 ),P2=(W2 ,G2 ,V2 )があるときP1とP2の距離を以下のように定める。
まず歩幅データの距離Dw を
Dw =|W1 −W2
とする。また重心移動データの距離DG
Figure 2005078228
とし(X,Yは重心の水平方向及び進行方向の位置)、荷重変動データの距離Dvを
Figure 2005078228
とする。そしてこのDw ,DG ,DV から歩行パラメータ間の距離Dp を
Dp =αww+αGG+αVV
とし、この歩行パラメータ間の距離Dp が特定値より小さいとき、両者は同一人物と認証する。
尚上式においてnはデータ数であり、図11の場合は、n=21となる。またαw、αG、αVは統計的に定められた定数、Xa,b ,Ya,b ,Va,b は「歩行パラメータPaのN=bのときのX(若しくはY,V)の値」を意味する。
図14は、認証処理における情報処理装置3の動作を示すフローチャートである。同図の処理は、CPU31が記憶部34内のプログラムを実行することにより実現される。
認証処理は、重量測定床10を通過する1乃至複数の認証対象者から得られる歩行パラメータと、既に登録されている登録者の歩行パラメータを比較し、距離が予め定められた値より小さい場合、登録されている個人と同一人物であると認証して認証許可を与え、入り口のゲートをオープンする等の処理を行なう。
認証処理が開始されると、CPU31は、センサ接続部37を監視し、ポートに重量センサ部11によって計測された測定値がコントローラ2から送られてくるのを待つ(ステップS11、N)。そしてコントローラ2から図4に示したような測定値のデータが送られてくると(ステップS11,Y)、ステップS12として時刻データに対応させて各重量センサ部11からの測定値(荷重データ)を記録する。そして認証に必要な十分な量のデータが蓄積されるまでステップS11〜S13の処理を繰り返す(ステップS13、N)。
ステップS13において、十分な量のデータが蓄積されたと判断すると(ステップS13、Y)、CPU31は、各時刻において、まず各重量測定ユニット1毎での重心位置を算出する(ステップS14)。次に、複数の人数に対応する為、ステップS15として重心位置の同じ重量測定ユニット1が足裏のサイズ分連続している個所を検出する。そして検出された複数の足裏の位置分布及び時刻毎の変化により各足裏を各個人毎に分離する(ステップS16)。このステップS14,S15,S16の処理により複数の人間それぞれを分離し、以降の処理において、分離した夫々に対して歩行パラメータを求めて、認証を行なう。
ステップS17では、ステップS16で分離された各個人毎に、重心位置の移動パターンを抽出し、1歩行単位について正規化した歩行単位データを取得する。そして各個人の歩行パラメータと登録されている複数の歩行パラメータを比較し、十分に距離の近い、即ち同一人物と認識できるほど十分に一致度の高いものを見つける(ステップS18)。
次にステップS19として、ステップS18で十分に一致度が高いと認識された登録者の中にマスタ情報がマスタとして登録されているものがあるかどうかを調べ、認証対象者にマスタとして登録されている人がいると判断された場合(ステップS19、Y)、たとえ中に未認証の人がいても、マスタである人と共にいる全ての人を認証したものとしてステップS23に処理を移す。
また、ステップS19で認証対象者の中にマスタとして登録されている人がいない場合ステップS19、N)、ステップS20として重量測定床10を通過して認証を行なった全ての人がいずれかの登録者と十分高い一致度かどうかを調べ、全ての人が高い一致度を示して認証されれば(ステップS20、Y)、それらの人全てを認証したものとしてステップS23に処理を移す。
またステップS20で、全員が認証されなければ(ステップS20、N)、ステップS21として、図13に示した登録データの登録グループ番号から一致度の最も高い人のグループを特定し、他の人のそのグループにおける歩行単位データとの一致度を調べる。その結果、一致度が所定数以上であり、登録者と認証された人が所定数以上いれば(ステップS22、Y)、全ての人を認証したものとしてステップS19に処理を移し、またそうでなければ(ステップS22、N)、ステップS11に戻して、認証を最初からやり直す。
ステップS23では、分離された全ての人に対応する荷重が検出されなくなるか、あるいは新たな人に対する荷重が検出されるまでの間、ゲートをオープンさせた後処理をステップS11に戻す。
このように本処理では、複数の認証対象者を同時に認証を行なうことが出来るので、従来のように一人ずつ認証を行なう場合に比して、認証にかかる時間を短縮することが出来る。また認証を受ける側は、一人ずつ重量測定床を通過する等一人一人が特徴を認識させる為の特定意の行動を順番に取る必要はなく、会話をしながら等普通の通路を歩く場合と同じように通過すれば良いので、認証対象者に特別な負担をかけることがない。また重量測定床を通路内に隠蔽して設置すれば、認証対象者に対して知られることなく認証処理を行なうことが出来る。
また複数の認証対象者の中に、マスタとして特別な登録がされている人が含まれていれば全員を認証されたものとして処理する、或いは複数の認証対象者の所属するグループを特定し、各グループ毎に異なった認証の規準を与える等、複数の人間に対して同時に認証処理を行なうことによって様々なバリエーションの認証処理を実現することが出来る。
更に特定のグループに属する複数の人がいっしょに行動することを利用して、一人一人から得られる身体的特徴データでは認識制度を向上させることが難しいような場合でも、複数の人から得られる身体的特徴を示すデータを総合的に判断して、グループ全体として認証することによって認証精度を向上させる構成としても良い。
尚上記例では、重量測定床は、床の両端に重量センサを設けたものを複数並べた構成としていたが、このようなものに限定されるものではなく、他の構成、例えばセンサを格子状に敷き詰めたものを床に敷く構成としても良い。
また複数の認証対象者を全てに認証許可を与える条件は、例として上記したもののみに限られるものではなく、例えば少数だが認証データと高い一致度を示す人がいたとき、全ての人が特定値以上の一致度を示したとき等、他の条件によるものでも良い。
本実施形態で用いる重量測定床を構成する重量測定ユニットの構成原理を示す図である。 重量測定床の構成を示す図である。 本実施形態におけるシステムの全体構成を示す図である。 コントローラから情報処理装置に送られるデータのデータ形式の一例を示す図である。 情報処理装置のシステム構成を示す図である。 重心の位置を求める原理を説明する図である。 重心の位置の移動をプロットした図である。 正規化した1歩行単位の重心の位置の変位を示すデータを曲線として示す図である。 1歩行単位の重心の位置の変位を示すデータを時間と変位の組みとして示す図である。 荷重変動データを示す図である。 歩行パラメータを示す図である。 歩行パラメータを登録する際の登録処理を示すフローチャートである。 登録データの例を示す図である。 認証処理の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 重量測定ユニット
2 コントローラ
3 情報処理装置
4 信号線
5 通信路
11 重量センサ部
12 板部
31 CPU
32 表示部
33 入力部
34 入力装置
35 記憶部
36 通信部
37 センサ接続部
38 バス

Claims (9)

  1. 複数の人の身体的特徴データを記憶する記憶手段と、
    複数の認証対象者それぞれから身体的特徴データを取得する取得手段と、
    前記取得手段が取得した複数の身体的特徴データを、前記記憶手段に記憶されている身体的特徴データと比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較の結果、前記複数の身体的特徴データの全体に規定値以上の一致が認められたとき、前記複数の認証対象者全てに認証許可を与える認証手段と
    を備えることを特徴とする認証装置。
  2. 前記身体的特徴を示すデータは、歩行時の体重移動に基づくものであり、前記取得手段は、前記複数の認証対象者それぞれから前記身体的特徴データを、床に設けられた荷重センサによる測定値から一度にまとめて取得し、前記認証手段は、前記比較手段によって一度にまとめて取得された複数の身体的特徴データの比較を行った後に、その一度にまとめて取得された複数の身体的特徴データ全体としての認証判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
  3. 前記記憶手段は、前記複数の人各々が所属するグループを示す情報を前記身体的特徴データと関連付けて記憶し、前記比較手段は、前記記憶手段内の前記身体的特徴データの内、認証対象者の属するグループと同一のグループのものと比較し、前記認証手段は、前記複数の認証対象者の中に特定値以上の人数が前記グループに属する人であると認証されるとき、前記複数の認証対象者全ての人に認証許可を与えることを特徴とする請求項1又は2に記載の認証装置。
  4. 前記認証手段は、前記複数の認証対象者の中に、前記記憶手段に記憶されている前記身体的特徴データとの一致の度合いが第1の規定値より高い認証対象者が第1の規定数よりも多くいる場合、或いは、前記一致の度合いが前記第1の規定値より低い第2の規定値より高い認証対象者が第1の規定数より大きい第2の規定数よりも多くいる場合に、前記複数の認証対象者全てに認証許可を与えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の認証装置。
  5. 前記記憶手段は、前記複数の人各々がマスタであるか否かを示す情報を前記身体的特徴データと関連付けて記憶し、前記認証手段は、前記マスタである人が認証されたとき、前記複数の認証対象者全てに認証許可を与えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の認証装置。
  6. 複数の認証対象者の歩行に対する特徴を示すデータを同時に測定する測定手段と、
    前記測定手段による測定結果から、前記各認証対象者の重心移動のパターンを取得する手段と、
    予め記憶されている認証データと前記各認証対象者の重心移動のパターンを比較し、両者が同一人物のものであると認識されると、前記各認証対象者に認証許可を与える認証手段と、
    を備えることを特徴とする認証装置。
  7. 前記測定手段は、板の両端に荷重センサを設けたユニットを床の上に複数並べた構成であることを特徴とする請求項6に記載の認証装置。
  8. 認証処理を行なう情報処理装置で実行されるプログラムであって、
    複数の認証対象者それぞれから身体的特徴を示すデータを取得する機能と、
    前記取得手段が取得した身体的特徴を示すデータと、記憶されている認証データを比較する機能と、
    前記比較の結果、規定数以上の人数が認証許可されたとき、前記複数の認証対象者全てに認証許可を与える機能と、
    を実現するプログラム。
  9. 認証処理を行なう情報処理装置で実行されるプログラムであって、
    複数の認証対象者による歩行から得られる測定データから、該複数の認証対象者の重心移動のパターンを求める機能と、
    予め記憶されている認証データと前記重心移動のパターンを比較し、両者が同一人物のものであると認識されると、前記認証対象者に認証許可を与える機能と、
    を実現するプログラム。

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