以下、図面を参照して本発明の監視システム、制御装置、及び管理方法に係る実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図1は、本実施形態に係る監視システム1を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る監視システム1は、複数の第1検知装置10と、第2検知装置20と、制御装置30と、複数の制御対象装置40とを備える。監視システム1は、監視対象者Mを監視する。
複数の第1検知装置10はそれぞれ、対応する第1位置P1に第1検知対象M1が存在するか否かを検知して、その検知した結果(第1検知結果)を示す第1信号S1を出力する。第1位置P1はそれぞれ互いに異なる位置に設定される。第1検知対象M1は監視対象者Mであり、第1位置P1は、典型的には、監視対象者Mが比較的長い時間居続ける位置に設定される。
本実施形態において、第1検知装置10は、監視対象者Mの体重を支持する物品に設けられる。具体的には、本実施形態において、監視システム1は3つの第1検知装置10a~10cを備える。第1検知装置10aは、監視対象者Mが使用するベッド51に設けられる。第1検知装置10bは、監視対象者Mが使用する椅子52に設けられる。第1検知装置10cは、監視対象者Mが使用する座布団53に設けられる。ベッド51、椅子52、及び座布団53は、互いに異なる部屋に配置されることが好ましい。但し、ベッド51、椅子52、及び座布団53のうちの少なくとも2つが同じ部屋に配置されてもよいし、ベッド51、椅子52、及び座布団53の全てが同じ部屋に配置されてもよい。
また、本実施形態において、第1検知装置10は、圧力センサを有するマット状部材を含む。圧力センサは、圧力を検知する。第1検知装置10aのマット状部材は、ベッド51の寝台上に配置される。第1検知装置10bのマット状部材は、椅子52の座面に配置される。第1検知装置10cのマット状部材は、座布団53の内部に配置される。第1検知装置10の圧力センサが圧力を検知していない場合、第1信号S1は、対応する第1位置P1に監視対象者Mが存在しないことを示す。本実施形態において、第1信号S1は無線信号であり、第1検知装置10は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に準じた無線通信により、第1信号S1を制御装置30へ送信する。
第2検知装置20は、第1位置P1と異なる第2位置P2において第2検知対象M2の特徴を検知して、その検知した結果(第2検知結果)を示す第2信号S2を出力する。本実施形態において、第2信号S2は無線信号であり、第2検知装置20は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に準じた無線通信により、第2信号S2を制御装置30へ送信する。
第2検知対象M2は、監視対象者M(第1検知対象M1)と一致する場合もあれば、監視対象者M(第1検知対象M1)と一致しない場合もある。換言すると、第2検知対象M2の特徴が監視対象者M(第1検知対象M1)の特徴と一致する場合もあれば、第2検知対象M2の特徴が監視対象者M(第1検知対象M1)の特徴と一致しない場合もある。
第2位置P2は、第1位置P1と異なる位置である限り、監視システム1の使用目的に応じて任意の位置に設定可能である。例えば、第2位置P2は、監視対象者Mが一人で居ることが望ましくない位置に設定される。本実施形態において、第2位置P2は、住居の玄関(出入り口)である。第2位置P2が住居の玄関である場合、監視システム1は、監視対象者Mが住居から外出しようとしていることを検知することができる。
本実施形態において、第2検知装置20は、第1検知装置10と同様に、圧力センサを有するマット状部材を含む。第2検知装置20のマット状部材は、玄関の床面に配置される。
第2検知装置20は、第2検知対象M2の特徴として、第2検知対象M2が第2検知装置20のマット状部材を通過する際にマット状部材を踏む回数を検知する。具体的には、第2検知対象M2が第2検知装置20のマット状部材を通過する際にマット状部材を踏む度に、第2検知装置20の圧力センサは圧力を検知する。したがって、圧力センサは、第2検知対象M2がマット状部材に荷重を加えた回数を示す信号を出力する。したがって、第2信号S2は、第2検知対象M2が第2検知装置20のマット状部材を踏んだ回数を示す。換言すると、第2信号S2は、第2検知対象M2の特徴として、第2検知対象M2が第2検知装置20のマット状部材を通過するために要した歩数を示す。以下、第2検知対象M2が第2検知装置20のマット状部材を通過するために要した歩数を、「第2検知対象M2の歩数」と記載する場合がある。
第2検知装置20は更に、第2検知対象M2の特徴として、第2検知対象M2が第2検知装置20のマット状部材を通過する際にマット状部材に加えた荷重を検知する。具体的には、第2検知装置20の圧力センサが出力する信号は、第2検知対象M2がマット状部材に加える荷重を示す。典型的には、第2検知装置20の圧力センサが出力する信号は、第2検知対象M2がマット状部材に加える荷重に対応する変位量を示す。第2検知対象M2がマット状部材に加える荷重は、第2検知対象M2の重さに対応する。したがって、第2信号S2は、第2検知対象M2の特徴として、歩数に加えて、第2検知対象M2の重さを示す。
制御装置30は、第1信号S1が示す情報と第2信号S2が示す情報とに基づいて、複数の制御対象装置40のそれぞれに対し所定の動作の実行を指示する。具体的には、制御装置30は、第1信号S1が示す情報と第2信号S2が示す情報とに基づいて、第2検知対象M2が第1検知対象M1(監視対象者M)と一致するか否かを判定する。そして、第2検知対象M2が第1検知対象M1と一致すると判定した場合に、複数の制御対象装置40のそれぞれに対して所定の動作の実行を指示する。制御装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータであり得る。あるいは、制御装置30は、サーバーであってもよい。
続いて図1を参照して、複数の制御対象装置40について説明する。本実施形態において、複数の制御対象装置40は、電気錠40aと、音発生装置40bと、情報処理端末40cとを含む。
電気錠40aは、玄関の扉に設置される。電気錠40aが開錠すると、玄関の扉の開閉が自在となり、電気錠40aが施錠されると、玄関の扉の開閉ができなくなる。本実施形態において、電気錠40aは無線LAN(Local Area Network)に接続する。具体的には、電気錠40aは、無線LANモジュールを備える。
制御装置30は、第1信号S1が示す情報と第2信号S2が示す情報とに基づいて、電気錠40aに対し施錠状態への遷移を指示する。具体的には、制御装置30は、第2検知対象M2が第1検知対象M1(監視対象者M)と一致すると判定した場合に、電気錠40aを施錠する。この結果、監視対象者Mの外出を防止することができる。
音発生装置40bは、例えばベル、ブザー又はインターホンのような音を発生させる装置である。本実施形態において、音発生装置40bは無線LANに接続する。具体的には、音発生装置40bは、無線LANモジュールを備える。
制御装置30は、第1信号S1が示す情報と第2信号S2が示す情報とに基づいて、音発生装置40bに音を発生させる。具体的には、制御装置30は、第2検知対象M2が第1検知対象M1(監視対象者M)と一致すると判定した場合に、音発生装置40bに音を発生させる。この結果、監視対象者Mの同居者に、監視対象者Mが外出しようとしていることを知らせることができる。例えば、音発生装置40bとしてインターホンを使用した場合、インターホンが鳴ると監視対象者Mの同居者が玄関に向かう可能性が高い。したがって、監視対象者Mの外出を防止できる可能性が高くなる。
情報処理端末40cは、ユーザーに情報を提示する。情報処理端末40cは、例えばスマートフォンのようなユーザーが携帯する端末であり、無線LANに接続する。制御装置30は、第1信号S1が示す情報と第2信号S2が示す情報とに基づいて、情報処理端末40cに所定の情報を提示させる。
具体的には、制御装置30は、第2検知対象M2が第1検知対象M1(監視対象者M)と一致すると判定した場合に情報処理端末40cを制御する。例えば、制御装置30は、情報処理端末40cが備えるディスプレーに所定のメッセージを表示させてもよいし、情報処理端末40cから音を発生させてもよいし、情報処理端末40cを振動させてもよい。所定のメッセージは、例えば、監視対象者Mが外出しようとしていることを示す。情報処理端末40cは、監視対象者Mの同居者が携帯する端末であることが好ましい。これにより、監視対象者Mの同居者に、監視対象者Mが外出しようとしていることを知らせることができる。
以上、図1を参照して説明したように、本実施形態によれば、第1位置P1に監視対象者Mが存在するか否かを示す情報と、第2検知対象M2の特徴が監視対象者Mの特徴と一致するか否かを示す情報とに基づいて、第2検知対象M2が監視対象者Mであるか否かを判定することができる。したがって、圧力センサのような検知できる情報が少ない検知装置を使用した場合であっても、誤報の発生を抑制することができる。
続いて図1及び図2を参照して、本実施形態に係る第1検知装置10の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る第1検知装置10の構成を示す図である。図2に示すように、第1検知装置10は、圧力センサ11と、制御部12と、送信部13とを備える。
圧力センサ11は、図1を参照して説明したように、圧力を検知する。本実施形態において、圧力センサ11はマット状であり、マット状部材の内部に配置される。
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサを備える。また、制御部12は、例えばRAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)のような半導体メモリーを備える。制御部12は、半導体メモリーに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)を実行して、数値計算や情報処理、機器制御のような様々な処理を行う。制御部12は、典型的にはマイクロコンピュータである。本実施形態において、制御部12は、圧力センサ11の出力に基づいて、図1を参照して説明した第1信号S1を送信部13に送信させる。
送信部13は、無線信号(第1信号S1)を送信する。詳しくは、制御部12は、圧力センサ11の出力に基づいて、デジタル信号を生成する。デジタル信号は、圧力センサ11が圧力を検知しているか否かを示す。デジタル信号は送信部13に入力される。送信部13は、デジタル信号を無線信号に変換して、制御装置30に送信する。送信部13は、例えば近距離無線通信モジュールを含む。
以上、第1検知装置10の構成について説明した。なお、本実施形態において、第2検知装置20は第1検知装置10と同様の構成を有するため、第2検知装置20の構成の説明は省略する。
続いて図1及び図3を参照して、制御装置30の構成を説明する。図3は、本実施形態に係る制御装置30の構成を示す図である。図3に示すように、制御装置30は、操作部31と、表示部32と、受信部33と、通信部34と、制御部35と、記憶部36とを備える。
操作部31は、ユーザーによって操作されて、ユーザーからの指示を受け付ける。操作部31は、ユーザーの操作に応じた信号を制御部35に出力する。操作部31は、例えばハードキーを含み得る。あるいは、操作部31は、タッチセンサを含み得る。タッチセンサは、表示部32の表示面に重畳される。本実施形態において、操作部31は、監視対象者Mの特徴(歩数情報61、及び体重情報62)を登録するための操作を受け付ける。また、操作部31は、第1検知装置10、第2検知装置20、及び制御対象装置40を登録するための操作を受け付ける。制御装置30は、登録された第1検知装置10から送信される第1信号S1を受け付ける。同様に、登録された第2検知装置20から送信される第2信号S2を受け付ける。また、制御装置30は、登録された制御対象装置40との間で通信を行う。
表示部32は、各種画面を表示する。本実施形態において、表示部32は、第1検知装置10、第2検知装置20、及び制御対象装置40を登録するための画面を表示する。また、監視対象者Mの特徴(歩数情報61、及び体重情報62)を登録するための画面を表示する。表示部32は、例えば、液晶ディスプレー又は有機EL(electroluminescence)ディスプレーのようなディスプレーを含む。なお、タッチセンサが表示部32の表示面に重畳される場合、表示部32は、タッチパネルとして機能する。
受信部33は、第1検知装置10の各々から送信される無線信号(第1信号S1)と、第2検知装置20から送信される無線信号(第2信号S2)とを受信する。受信部33は、例えば近距離無線通信モジュールを含む。図1を参照して説明したように、第1信号S1は、監視対象者M(第1検知対象M1)が第1位置P1に存在するか否かを示し、第2信号S2は、第2位置P2において検知された第2検知対象M2の特徴を示す。
通信部34は、制御対象装置40のそれぞれと無線で通信を行う。本実施形態において、通信部34は無線LANモジュールを含み、無線LANに接続する。通信部34は、制御部35から出力されるデジタル信号を無線信号に変換して、制御対象装置40に送信する。制御部35から出力されるデジタル信号は、指示情報を示す。指示情報は、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示する情報である。
制御部35は、例えばCPU又はMPUのようなプロセッサを備える。また、制御部35は、例えばRAM、及びROMのような半導体メモリーを備える。制御部35は、半導体メモリーに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)を実行して、数値計算や情報処理、機器制御のような様々な処理を行う。制御部35は、例えばマイクロコンピュータであり得る。
制御部35は、第1検知装置10から送信される無線信号(第1信号S1)が示す情報と、第2検知装置20から送信される無線信号(第2信号S2)が示す情報とに基づいて、指示情報を生成する。具体的には、制御部35は、第1信号S1と第2信号S2とに基づいて、第2検知対象M2が第1検知対象M1(監視対象者M)と一致するか否かを判定する。そして、第2検知対象M2が第1検知対象M1と一致すると判定した場合に、指示情報を生成する。
記憶部36は、監視対象者Mの特徴を示す情報を記憶する。本実施形態において、記憶部36は、監視対象者Mの特徴を示す情報として、歩数情報61及び体重情報62を記憶する。記憶部36は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)又はフラッシュメモリーのような半導体メモリーを含み得る。あるいは、記憶部36は、例えばHDD(Hard Disk Drive)のようなストレージデバイスを含んでもよい。なお、記憶部36は、歩数情報61及び体重情報62に関連付けて、監視対象者Mの人物情報を記憶してもよい。人物情報は、例えば、祖父又は祖母等の親等を示す情報(親族関係の遠近を示す情報)である。
歩数情報61は、監視対象者Mが第2検知装置20のマット状部材を通過するために要する歩数を示す。体重情報62は、監視対象者Mの体重を示す。以下、監視対象者Mが第2検知装置20のマット状部材を通過するために要する歩数を、「監視対象者Mの歩数」と記載する場合がある。
歩数情報61及び体重情報62は、第2検知装置20の設置時に、実際に監視対象者Mにマット状部材を通過してもらうことによって取得する。なお、好ましくは、体重情報62は、体重の範囲を示す。体重の範囲は、監視対象者Mの体重を中心に所定の上下幅を有する。具体的には、体重情報62は、「監視対象者Mの体重-Xkg」以上「監視対象者Mの体重+Ykg」以下の範囲を示し得る。「Xkg」及び「Ykg」の各値は、監視システム1の利用者が任意に設定してもよい。
続いて図1~図4を参照して、制御装置30の制御部35が実行する処理について説明する。図4は、本実施形態に係る制御装置30の制御部35が実行する処理を示すフローチャートである。制御部35が記憶する制御プログラム(コンピュータプログラム)は、制御部35(コンピュータ)に図4に示す処理を実行させる。
図4に示す処理は、第2検知装置20が第2検知対象M2を検知すると開始する。具体的には、第2検知対象M2が第2検知装置20の圧力センサに圧力を加えると、図4に示す処理が開始される。
制御装置30の制御部35は、第2検知装置20が第2検知対象M2を検知すると、第1判定処理(ステップS11)と、第2判定処理(ステップS12)とを実行する。
第1判定処理(ステップS11)は、第1検知対象M1(監視対象者M)が第1位置P1に存在するか否かを判定する処理である。具体的には、制御部35は、3つの第1検知装置10a~10cのそれぞれから出力される第1信号S1に基づいて、第1位置P1のいずれかに第1検知対象M1(監視対象者M)が存在するか否かを判定する。
第2判定処理(ステップS12)は、第2位置P2において検知した第2検知対象M2の特徴を判定する処理である。具体的には、制御部35は、第2信号S2に基づいて、第2検知対象M2の特徴が監視対象者Mの特徴と一致するか否かを判定する。本実施形態では、第2検知対象M2が第2検知装置20のマット状部材を通過する際にマット状部材に圧力を加えた回数が、歩数情報61と一致するか否かを判定する。更に、制御部35は、第2信号S2に基づいて、第2検知対象M2の重さが体重情報62と一致するか否かを判定する。詳しくは、体重情報62が示す体重の範囲に第2検知対象M2の重さが含まれるか否かを判定する。
なお、第1判定処理(ステップS11)及び第2判定処理(ステップS12)の実行順序は入れ替えることが可能である。
制御部35は、第1判定処理及び第2判定処理を実行すると、第1判定処理の判定結果と第2判定結果の判定結果とに基づいて、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示するか否かを決定する(ステップS13)。具体的には、第1判定処理の判定結果と第2判定結果の判定結果とに基づいて、第2検知対象M2が第1検知対象M1(監視対象者M)と一致するか否かを判定する。そして、第2検知対象M2が第1検知対象M1と一致しないと判定した場合、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示しないことを決定する。一方、第2検知対象M2が第1検知対象M1と一致すると判定した場合、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示することを決定する。
制御部35は、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示しないことを決定した場合(ステップS13のNo)、図4に示す処理を終了する。一方、制御部35は、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示することを決定した場合(ステップS13のYes)、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示して(ステップS14)、図4に示す処理を終了する。具体的には、制御部35は、電気錠40a、音発生装置40b、及び情報処理端末40cを制御して、所定の動作を実行させる。詳しくは、制御部35は、電気錠40aを施錠する。また、制御部35は、音発生装置40bに音を発生させる。更に制御部35は、情報処理端末40cを制御して、例えば所定のメッセージを表示させる。
以上、図1~図4を参照して説明したように、本実施形態によれば、監視対象者Mの2つの特徴(歩数情報61及び体重情報62)を用いて、第2検知対象M2の特徴が監視対象者Mの特徴と一致するか否かを判定する。したがって、監視対象者Mの1つの特徴を用いる場合と比べて、第2検知対象M2が監視対象者Mであるか否かを判定する精度を向上させることができる。
続いて図1~図3、及び図5を参照して、制御装置30の制御部35が実行する処理の他の例について説明する。図5は、本実施形態に係る制御装置30の制御部35が実行する処理の他の例を示すフローチャートである。制御部35が記憶する制御プログラム(コンピュータプログラム)は、制御部35(コンピュータ)に図5に示す処理を実行させてもよい。
図5に示す処理は、第2検知装置20が第2検知対象M2を検知すると開始する。具体的には、第2検知対象M2が第2検知装置20の圧力センサに圧力を加えると、図5に示す処理が開始される。
第2検知装置20が第2検知対象M2を検知すると、制御部35は、3つの第1検知装置10a~10cから出力される第1信号S1に基づいて、第1位置P1のいずれかに第1検知対象M1(監視対象者M)が存在するか否かを判定する(ステップS21)。
制御部35は、第1位置P1のいずれかに第1検知対象M1が存在すると判定した場合(ステップS21のYes)、図5に示す処理を終了する。一方、制御部35は、第1位置P1のいずれにも第1検知対象M1が存在しないと判定した場合(ステップS21のNo)、第2検知対象M2の特徴が第1検知対象M1(監視対象者M)の特徴と一致するか否かを判定する(ステップS22)。
詳しくは、制御部35は、第2信号S2に基づいて、第2検知対象M2の特徴を取得する。具体的には、第2検知対象M2の歩数及び重さを取得する。そして、制御部35は、第2検知対象M2の歩数が歩数情報61と一致するか否かを判定する。また制御部35は、第2検知対象M2の重さが体重情報62と一致するか否かを判定する。詳しくは、体重情報62が示す体重の範囲に第2検知対象M2の重さが含まれるか否かを判定する。
制御部35は、第2検知対象M2の特徴が第1検知対象M1(監視対象者M)の特徴と一致しないと判定した場合(ステップS22のNo)、すなわち、第2検知対象M2の歩数が歩数情報61と一致しないと判定するか、あるいは、第2検知対象M2の重さが体重情報62と一致しないと判定した場合、図5に示す処理を終了する。
一方、制御部35は、第2検知対象M2の特徴が第1検知対象M1(監視対象者M)の特徴と一致すると判定した場合(ステップS22のYes)、すなわち、第2検知対象M2の歩数が歩数情報61と一致し、かつ、第2検知対象M2の重さが体重情報62と一致すると判定した場合、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示して(ステップS23)、図5に示す処理を終了する。
なお、図5に示す処理において、ステップS21の処理及びステップS22の処理の実行順序は入れ替え可能である。
以上、図5に示す処理について説明した。図5に示す処理によれば、第1位置P1に監視対象者Mが存在せず、第2検知対象M2の特徴が監視対象者Mの特徴と一致する場合に、制御対象装置40に対して所定の動作の実行が指示される。したがって、第1位置P1に監視対象者Mが存在しないことを示す情報にのみ基づいて、制御対象装置40に所定の動作を実行させる場合と比べて、誤報の発生を抑制することができる。同様に、第2検知対象M2の特徴が監視対象者Mの特徴と一致することを示す情報にのみ基づいて、制御対象装置40に所定の動作を実行させる場合と比べて、誤報の発生を抑制することができる。
続いて図1~図3、及び図6を参照して、制御装置30の制御部35が実行する処理の更なる他の例について説明する。図6は、本実施形態に係る制御装置30の制御部35が実行する処理の更なる他の例を示すフローチャートである。制御部35が記憶する制御プログラム(コンピュータプログラム)は、制御部35(コンピュータ)に図6に示す処理を実行させてもよい。
図6に示す処理は、第1位置P1のいずれにも第1検知対象M1が存在しなくなると開始する。具体的には、3つの第1検知装置10a~10cから出力される第1信号S1の全てが、対応する第1位置P1に第1検知対象M1が存在しないことを示すと、図6に示す処理が開始される。
制御部35は、第1検知装置10の各々から出力された第1信号S1に基づいて、第1位置P1のいずれにも第1検知対象M1が存在しないと判定すると、特定の情報処理端末40cに対し所定の動作の実行を指示する(ステップS31)。具体的には、制御部35は、特定の情報処理端末40cに所定の情報を提示させる。所定の情報は、第1位置P1のいずれにも監視対象者Mが存在しないことを示す。なお、特定の情報処理端末40cは、制御装置30に予め登録されている。
制御部35は、特定の情報処理端末40cに対し所定の動作の実行を指示すると、第2検知装置20が第2検知対象M2の特徴を検知したか否かを判定する(ステップS32)。
制御部35は、第2検知装置20が第2検知対象M2の特徴を検知していないと判定すると(ステップS32のNo)、第1位置P1のいずれかに第1検知対象M1が存在するか否かを判定する(ステップS33)。
制御部35は、第1位置P1のいずれかに第1検知対象M1が存在すると判定すると(ステップS33のYes)、特定の情報処理端末40cに対し所定の動作の実行を指示して(ステップS34)、図6に示す処理を終了する。具体的には、制御部35は、特定の情報処理端末40cに所定の情報を提示させる。所定の情報は、第1位置P1のいずれかに監視対象者Mが存在することを示す。好適には、所定の情報は、監視対象者Mが存在する第1位置P1を示す。
一方、制御部35が、第1位置P1のいずれにも第1検知対象M1が存在しないと判定すると(ステップS33のNo)、処理はステップS32の処理に戻る。
制御部35は、第2検知装置20が第2検知対象M2の特徴を検知したと判定すると(ステップS32のYes)、第2検知対象M2の特徴が第1検知対象M1の特徴と一致するか否かを判定する(ステップS35)。
制御部35が、第2検知対象M2の特徴が第1検知対象M1の特徴と一致しないと判定した場合(ステップS35のNo)、処理はステップS33に移る。一方、制御部35が、第2検知対象M2の特徴が第1検知対象M1の特徴と一致すると判定した場合(ステップS35のYes)、制御部35は、制御対象装置40に対し所定の動作の実行を指示して(ステップS36)、図6に示す処理を終了する。
以上、図6に示す処理について説明した。図6に示す処理によれば、第1位置P1のいずれにも監視対象者Mが存在しない状態になると、特定の情報処理端末40cが所定の情報を提示する。したがって、監視対象者Mの外出を未然に防止できる可能性が高くなる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
例えば、本発明の実施形態では、監視システム1が3つの第1検知装置10を備えたが、監視システム1は、第1検知装置10を少なくとも1つ備えればよい。
また、本発明の実施形態では、監視システム1が1つの第2検知装置20を備えたが、監視システム1は、複数の第2検知装置20を備えてもよい。この場合、複数の第2検知装置20はそれぞれ、互いに異なる第2位置P2において第2検知対象M2の特徴を検知する。第2位置P2はそれぞれ、監視対象者Mが一人で居ることが望ましくない位置に設定する。
また、監視対象者Mの特徴として、監視対象者Mの歩数情報61及び体重情報62が用いられたが、監視対象者Mの特徴は、歩数情報61及び体重情報62に限定されない。例えば、監視対象者Mの特徴として、監視対象者Mがマット状部材を通過するために要する時間を用いてもよいし、監視対象者Mの歩き方の癖を用いてもよい。歩き方の癖は、第2検知装置20の圧力センサの出力から取得することができる。具体的には、第2検知対象M2の歩行時の重心が体の中心線から左右のいずれかにずれている場合、左足でマット状部材を踏んだ際に圧力センサから出力される信号の特性は、右足でマット状部材を踏んだ際に圧力センサから出力される信号の特性と異なる。したがって、圧力センサの出力から、歩き方の癖を取得することができる。
また、本発明の実施形態では、監視対象者Mの2つの特徴を用いたが、監視対象者Mの1つの特徴を用いてもよいし、監視対象者Mの3つ以上の特徴を用いてもよい。
また、本発明の実施形態では、制御装置30が無線LANを介して電気錠40a及び音発生装置40bを制御したが、制御装置30は、ケーブルを介して電気錠40a及び音発生装置40bを制御してもよい。
また、本発明の実施形態では、制御装置30が無線LANを介して情報処理端末40cを制御したが、制御装置30は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に準じた無線通信により、情報処理端末40cを制御してもよい。あるいは、制御装置30は、クラウドサーバーのような外部のサーバーを介して情報処理端末40cを制御してもよい。例えば、制御装置30は、無線LANを介して情報処理端末40cを制御できなかった場合に、外部のサーバーを介して情報処理端末40cを制御してもよい。
また、本発明の実施形態では、通知を行う制御対象装置40として、音発生装置40b、及び情報処理端末40cが使用されたが、通知を行う制御対象装置40は、通知を行うことができる限り、特に限定されない。通知を行うことができる制御対象装置40として、例えば、固定電話機が使用されてもよい。
また、本発明の実施形態では、監視システム1が3つの制御対象装置40を備えたが、監視システム1は、制御対象装置40を少なくとも1つ備えればよい。
また、本発明の実施形態において、歩数情報61は一定値を示したが、歩数情報61は、一定値に限定されない。例えば、歩数情報61は、歩数の範囲を示してもよい。歩数の範囲は、例えば「監視対象者Mの歩数」以上を示してもよいし、「監視対象者Mの歩数」以上「監視対象者Mの歩数+Z歩」以下を示してもよい。「Z歩」の値は、監視システム1の利用者が任意に設定してもよい。
また、本発明の実施形態において、第1検知装置10は制御装置30に第1信号S1を無線で送信したが、第1検知装置10は、制御装置30に第1信号S1をケーブルを介して送信してもよい。同様に第2検知装置20も、制御装置30に第2信号S2をケーブルを介して送信してもよい。
また、本発明の実施形態では、監視対象者Mが一人で居ることが望ましくない位置として住居の玄関を例示したが、監視対象者Mが一人で居ることが望ましくない位置は、住居の玄関に限定されない。監視対象者Mが一人で居ることが望ましくない位置は、例えば、監視対象者Mにとって危険な場所又はその近辺を含む。例えば、第2位置P2は、浴室の扉の前に設定されてもよいし、ベランダに設定されてもよいし、ベランダの出入り口となる窓の前に設定されてもよいし、階段の上り口又は下り口に設定されてもよい。浴室は、監視対象者Mが滑って転倒する危険性がある場所である。ベランダは、監視対象者Mが転落する危険性がある場所である。階段は、監視対象者Mが足を踏み外して転倒する危険性がある場所である。
また、本発明の実施形態では、監視対象者Mが外出しようとしていることを検知するために、第2位置P2が住居の玄関に設定されたが、第2位置P2は、例えば門の内側に設定されてもよい。第2位置P2を門の内側に設定することにより、監視対象者Mが外出しようとしていることを検知することができる。
また、本発明の実施形態において、第2位置P2は、監視対象者Mが一人で居ることが望ましくない位置に設定されたが、第2位置P2は、監視対象者Mを監視することが困難な場所、換言すると、監視者の目の行き届かない場所に設定されてもよい。例えば、第2位置P2は、庭に設定されてもよい。
また、本発明の実施形態において、監視システム1は、住居に適用されたが、監視システム1は住居にのみ適用されるものではなく、病院、介護施設等の各種施設にも適用することができる。あるいは、監視システム1は集合住宅に適用することもできる。例えば監視システム1を集合住宅に適用する場合、第2位置P2は、例えば、集合住宅のエントランスに設定されてもよい。
また、監視システム1は、車両に搭乗している監視対象者Mの監視にも使用することができる。例えば、車両のシート又はフットレストに第1検知装置10を設置し、車両のドアの前のステップに第2検知装置20を設置することにより、監視対象者Mが車両の外に出ようとしていることを検知することができる。例えば介護用車両は、複数人の被介護者を順次乗車させながら移動する。あるいは、複数人の被介護者を順次降車させながら移動する。介護者は、介護用車両が訪問先に到着すると、介護用車両から降車して被介護者を迎えに行く。あるいは、被介護者を介護用車両から降車させて、被介護者の住居の玄関まで送り届ける。この間、車両に残っている他の被介護者を監視することができず、他の被介護者が車両から無断で降車してもそのことに気が付かないおそれがある。監視システム1を介護用車両に適用した場合、被介護者が車両から無断で降車しようとしていることを介護者に通知することが可能となる。
また、本発明の実施形態において、第1検知装置10は、圧力センサによって、第1検知対象M1が第1位置P1に存在するか否かを検知したが、第1検知対象M1が第1位置P1に存在するか否かを検知する機器は圧力センサに限定されない。例えば、第1検知装置10は、カメラ又は赤外線カメラのような撮像装置を備えてもよいし、赤外線センサを備えてもよい。
また、本発明の実施形態において、第2位置P2に配置されるマット状部材に第2検知装置20の圧力センサが設けられる構成について説明したが、第2位置P2に配置されるマット状部材に音発生装置40bが更に設けられてもよい。この場合、監視対象者Mが第2位置P2においてマット状部材を踏むと、マット状部材から音が発生する。その結果、監視対象者Mが外出を諦める可能性がある。なお、第2検知装置20が、制御装置30からの指令に応じて音を発生させる機能を有してもよい。換言すると、第2検知装置20が、音発生装置40bの機能を有してもよい。
また、本発明の実施形態において、第2検知装置20は圧力センサによって第2検知対象M2の特徴を検知したが、第2検知対象M2の特徴を検知するための機器は圧力センサに限定されない。例えば、第2検知装置20はカメラ又は赤外線カメラのような撮像装置を備えてもよいし、複数の赤外線センサを備えてもよい。例えば、第2位置P2を歩行する第2検知対象M2を赤外線カメラで撮影して、第2検知対象M2の特徴として第2検知対象M2の単位時間当たりの上下動の回数を検知してもよいし、複数の赤外線センサを鉛直方向に並べて、第2検知対象M2の特徴として第2検知対象M2の高さ(身長)を検知してもよい。
また、本発明の実施形態では、1つの第2検知装置20の検知結果から第2検知対象M2の特徴を判定したが、複数の第2検知装置20の検知結果から第2検知対象M2の特徴を判定してもよい。例えば、2つの第2検知装置20を間隔をあけて配置し、第2検知対象M2の特徴として、一方の第2検知装置20から他方の第2検知装置20に到達するまでにかかる時間を判定してよい。
また、本発明は、上記の実施形態において説明したコンピュータプログラム、及び、上記の実施形態において説明したコンピュータプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体にも適用され得る。