JP5411744B2 - 警備システム - Google Patents

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Description

本発明は、家屋の庭などの監視エリアに侵入した移動体を監視し、不審者警報を行う警備システムに関する。
従来より、戸建住宅など監視対象の建物に各種センサを配置し、監視エリアに侵入した移動体を検出して、侵入異常の発生を周囲に警報を発したり、監視センタなどへ通報したりする警備システムが利用されている。このような警備システムでは、正規のユーザによる入場を誤って侵入異常と判定しないために、監視エリアにユーザが出入りする都度、警備システムを操作して監視状態をセットあるいは解除する必要がある。監視エリアから退出する際には監視状態セットの操作を行い、監視エリアに進入するときに再び監視状態解除の操作を行う。
一方、利便性を高めるためにユーザに無線タグを持たせ、センサが監視エリア内に移動体を検知した場合であっても、無線タグを検知していればその移動体はユーザと認識して侵入異常と判定しないようにした警備システムが提案されている。
特開2005−182340号公報
上記の警備システムでは、ユーザが無線タグを常備することを前提とし、無線タグの有無によってユーザであるか否かを判別する。したがって、例えばユーザが無線タグを所持し忘れて外出した場合には、帰宅の際にこのユーザを誤って侵入者と判定してしまうことになる。
そこで、本発明は、ユーザによる無線タグの所持忘れを効果的に抑制することで、利便性が高い警備システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の警備システムは、監視対象の建物を利用するユーザに識別端末を所持させ、建物周囲の監視エリアに進入した人物が前記識別端末を所持しているか否かに基づき不審者判定を行う警備システムであって、所定の警告表示を出力する警告手段と、前記監視エリア内における移動体の位置を検知する移動体検知手段と、前記監視エリア内の移動体が所持する前記識別端末を非接触で検知する第一の識別端末検知手段と、前記移動体検知手段にて検知した移動体について、前記第一の識別端末検知手段にて当該移動体が所持する前記識別端末を検知できない場合に、前記移動体検知手段にて検知した当該移動体の位置に基づいて当該移動体が不審者であるか否かの判定処理を実行するとともに、前記移動体検知手段にて前記建物から前記監視エリアへ進入した移動体を検知し、且つ、前記第一の識別端末検知手段にて当該移動体が所持する前記識別端末を検知できない場合に、前記識別端末の所持を喚起する警告表示を前記警告手段から出力させる監視処理手段と、前記ユーザが前記移動体検知手段にて検知した移動体を来訪者として確認した旨の操作を行う操作手段と、前記操作手段にて操作が行われた前記移動体が前記監視エリアから前記建物に進入した場合に前記建物内に来訪者ありとして管理する在室管理手段と、を有し、前記監視処理手段は、前記在室管理手段にて前記建物内に来訪者ありとして管理している場合は前記警告表示を行わない、ことを特徴とする。
上記構成の警備システムは、以下のように動作する。監視エリアの外側領域から監視エリアに進入した人物が識別端末を所持していない場合は、その人物について不審者判定処理を行う。例えば、その人物の存在あるいは滞留を検知した段階で不審者と判定する。建物から出て監視エリアに進入した人物は、ユーザや来訪者など不審者ではないため、識別端末を所持していなくとも不審者扱いしない。しかし、識別端末を持たずに出たユーザが、一旦監視エリアの外に出た後に再び建物へ戻る際に誤報が発生しないように、識別端末の所持を督促する警告を行う。
かかる構成によれば、ユーザが識別端末を所持し忘れて監視エリアを離れてしまうことを抑制することができ、ユーザの進入による誤報を防止することができる。また、識別端末を持たずにユーザが建物から出る行為を検出して警告を行うため、不要な警告を行うことなく、効果的に識別端末の所持を励行することができる。延いては、ユーザの利便性が高い警備システムを提供可能である。
また、かかる構成によれば、建物から出た人物がユーザであるか来訪者であるかを認識し、警告の要否を適切に判定することができる。よって、来訪者には警告を行わず、ユーザに対してのみ警告を実行することができる。ユーザの在室状況に応じて警告表示の要否を判定し、建物内にユーザが在室しているときに警告を行うことも可能である。また、在室者の有無ではなく、在室者の人数(ユーザの在室人数または/および来訪者の在室人数)を管理してもよい。
また、上記構成において、更に、前記建物内の出入口付近に存在する前記識別端末を検知する第二の識別端末検知手段を有し、前記監視処理手段は、前記在室管理手段にて前記建物内に来訪者ありとして管理しており、且つ、前記第二の識別端末検知手段にて前記識別端末を検知している場合は、前記警告表示を行わない。
かかる構成によれば、建物から出た人物がユーザであるか来訪者であるかを、より適切に識別可能とし、警告の要否を適切に判定することができる。
また、上記構成において、在室者の管理は、移動体検知手段による建物あるいは監視エリアへの出入検知に基づいて行う。また、識別端末の所持/非所持の判定と連携して、ユーザの出入とユーザ以外の来訪者の出入とを判別する。
本発明によれば、ユーザによる識別端末の所持忘れを効果的に抑制し、利便性が高い警備システムを提供することができる。
本実施形態の警備システムの全体システム構成図である。 警備システムの監視対象の建物への設置環境、および建物の外周に設定された監視エリアの一例を示す図である。 センサ端末の概略構成を示す図である。 監視端末の概略構成を示す図である。 監視端末で管理される在室データの一例を示す図である。 監視処理部おける不審者検知処理の動作を示すフローチャートである。 不審者検知処理おける権限設定処理の動作を示すフローチャートである。 不審者検知処理おける来訪判定処理の動作を示すフローチャートである。 不審者検知処理おけるタグ忘れ判定処理の動作を示すフローチャートである。 監視処理部おける不審者検知処理の動作を示すフローチャートである。 監視処理部おける移動方向判定処理の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る警備システムの好適な実施形態として、戸建家屋の敷地を監視エリアとし、監視エリアへ進入した不審者を検知して異常警報する警備システムを例に、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本実施形態の警備システムの構成及び動作を概略的に説明する。図1は、本実施形態の警備システムの全体システム構成を示す図である。また図2は、監視対象の建物への警備システムの設置環境、および建物の外周に設定された監視エリアの一例を示す図である。
警備システム1は、家屋の周囲に設置され、監視エリア10である敷地内の少なくとも一部分を監視対象とする少なくとも1台のセンサ端末2と、家屋内に設置され、各センサ端末2と無線または有線による通信を可能な監視端末3とを含んで構成される。
また、警備システム1には、ユーザなど特定の人物が所持する識別端末である無線タグ4が含まれる。無線タグ4は、センサ端末2と無線通信可能な、所謂RFIDタグを用いる。この無線タグ4は、センサ端末2から質問信号を受信すると、内蔵するメモリに記憶された無線タグ4の識別コードを含む応答信号を返信する。
センサ端末2は、監視エリアに進入した人物を検知するとともに、監視エリア10に存在する無線タグ4を検知し、その検知結果を監視端末3へ通知する。監視端末3は、センサ端末2から通知された検知結果に基づいて、監視エリア10に進入した人物が不審者か否かを判定する。そして監視端末3は、監視エリア10に進入した人物が不審者であると判定すると、公衆通信回線を介して監視センタに設置されたセンタ装置5へ、不審者が検知されたことを示す異常通報を行う。
図2の例では、警備システム1の監視エリア10は、監視対象の建物である家屋外周の敷地全体に設定されている。建物外周の各面にセンサ端末2を設置し、監視エリア10全体を監視できるようにする。また、建物内部に監視端末3が設けられる。なお監視端末3は、壁掛けなど固定設置の端末でもよく、ユーザが携帯可能な可搬型の端末であってもよい。
警備システム1は、監視エリア10の外側に隣接する監視外のエリアは敷地外エリアとして、監視エリア10と区別して管理する。また、建物に相当するエリアは屋内エリアとして、監視エリア10及び敷地外エリアと区別して管理する。屋内エリアはユーザなど建物内への立ち入りが許可された者のみが進入できるエリアであり、敷地外エリアから屋内エリアへ移動する際に通過する領域に監視エリアを設定する。図2に示した例では、建物の外周全域に監視エリア10を設定しているが、敷地内のうち、少なくとも建物の出入口から敷地外の出入口までの領域を含む建物外周の一部領域のみを監視エリアに設定してもよい。
監視端末3は、監視エリア10に進入した人物に対して、無線タグ4の検知結果などに基づいて権限情報を設定し、その人物が不審者か否かを判定する監視警報処理を実行する。権限情報は、監視エリア10への立ち入りの許可レベルを表す情報であり、本実施形態では、「許可者」「一時許可者」「非許可者」の3種類の権限を用いる。
許可者の権限は、無線タグ4を所持する人物に与えられ、監視エリア10内および屋内エリアへの無制限の立ち入りが認められる。そのため、無線タグ4は、例えば警備システム1が監視対象とする戸建家屋の住人などのユーザが所持する。
一時許可者の権限は、無線タグ4を所持しない人物に対して一時的に与えられ、一定の期間あるいは一旦敷地外エリアに退場するまでの間、監視エリア10内および屋内エリアに立ち入ることが許される。一定期間だけ許容する場合は、敷地の通用口から建物の出入口までを移動するのに十分な時間とする。一時許可者の権限は、ユーザが入場を認めた来訪者に対して与えられるか、あるいは、屋内から出てきた人物(退館しようとする人物)に対して与えられる。
非許可者の権限は、許可者および一時許可者のいずれにも該当しない人物に付与される。非許可者は、監視エリア10内および屋内エリアへの進入は認められず、不審者あるいは侵入者として異常判定される対象となる。なお、設備メーターの検針員などの敷地への立ち入りを考慮し、短時間であれば監視エリア10への進入を許容し、それを超える滞留が生じた場合に不審者と見なされる。
以下、本実施形態の警備システム1について、具体的な構成及び動作を説明する。
まず、センサ端末2の構成について、図を参照して説明する。図3は、センサ端末2の概略構成を示す図である。
センサ端末2は、センサ21、タグリーダ22、カメラ23、マイク24、記憶部25、電源部26、域内通信部27、スピーカ28、制御部29を含んで構成される。
センサ21は、監視エリア10内に進入した人物の位置を検知する人体検知センサであり、例えばレーザー測距センサを用いることができる。レーザー測距センサは、予め設定された走査範囲(例えば180度)にわたり、レーザー光を水平方向に所定の角度ステップ(例えば0.1度単位)で走査し、そのレーザー光の反射光を検出して、例えばTime−of−Flight法によりレーザー光を反射した物体までの距離を測定する。センサ21は、一定周期で走査範囲全体を走査し、1走査周期分の測定した距離と走査角度とを対応付けた測距データを得る。そして取得した測距データを制御部29へ伝送する。
なおセンサ21は、レーザーを水平方向及び垂直方向に2次元に走査し、走査方向と測定距離からなる3次元データを得るよう構成してもよい。また、測距方法に関しては、公知の様々な方法を採用すればよく、例えば、位相差方式や三角測量方式などが利用できる。
タグリーダ22は、監視エリア10内に存在する人物が所持する無線タグ(識別端末)を検出する。所謂RFIDシステムの質問器に相当し、所定範囲の検知エリアに対して質問信号を送出するとともに、無線タグからの応答信号を受信して解析し、応答信号に含まれる無線タグの識別コードを抽出する。そして抽出したデータを制御部29へ伝送する。タグリーダ22は、常時あるいは定期的に駆動させてもよく、制御部29からの指示に基づくタイミングで駆動させてもよい。ここで、本警備システムはセンサ21の検知情報とタグリーダ22の検知情報とを用いて監視エリア10への進入者がユーザであるか否か判別するため、センサ21が人物を検知する範囲とタグリーダ22が無線タグを検知する範囲とを略一致させて設定する。
カメラ23は、所定の周期で監視エリア10内の所定領域を撮影し、画像を生成する。カメラ23の撮影範囲は、同じセンサ端末2のセンサ21による検知エリアを包含する範囲とする。例えば、図2の例では、カメラ23の撮像画角を180度としてセンサ21の走査方向と合わせる。
マイク24は、センサ端末2の周囲の音を集音し、集音データを制御部29へ伝送する。
記憶部25は、例えば、不揮発性の半導体メモリなどを有し、センサ端末2で利用されるプログラムや、センサ端末2の識別コード各種の情報を記憶する。
電源部26は、センサ端末2の動作電源を供給する手段である。商用電源を変換して直流電源を供給する変換アダプタ、或いはリチウム電池などの2次電池を用いる。
域内通信部27は、監視端末との通信を実行するための通信インタフェースである。例えば、Bluetooth(登録商標)や特定小電力無線通信などの短距離無線通信、IEEE802.11に代表される無線LAN規格に則った通信モジュールを採用できる。なお、監視端末と信号線により接続し、有線通信を行うよう構成してもよい。
スピーカ28は、監視エリア10に対して警告音や音声を発生する手段である。制御部29による指示に応じて、ブザーや警告ガイダンスなどの警告音や、センタ装置5から受信した音声データを出力する。
制御部29は、MPU等で構成され、各部を統括制御する機能を担う。また、制御部29は、監視端末との通信を制御し、センサ21から伝送された1走査周期分の測距データを、センサ端末2の識別コードとともに域内通信部27を介して監視端末へ送信する。また、タグリーダ22による無線タグの検知結果(識別コードを含む)を、センサ端末2の識別コードとともに監視端末へ送信する。さらに制御部29は、監視端末から画像要求信号を受信すると、カメラ23を駆動させ、撮影された画像を監視端末へ送信する。監視端末から音声要求信号を受信すると、マイク24により集音された音声データを監視端末へ送信する。
次に、監視端末の構成について、図を参照して説明する。図4は、監視端末の概略構成を示す図である。
監視端末は、スピーカ31、モニタ32、操作部33、電源部34、域内通信部35、外部通信部36、記憶部37、監視処理部38を含んで構成される。
スピーカ31は、建物内にいるユーザに対して各種の報知を行う手段である。例えば、監視エリア10へユーザ以外の人物が進入した際、その旨を音声ガイダンスによってユーザに報知する。
モニタ32は、スピーカ31と併せて屋内にいるユーザに対して各種の報知を行う手段である。例えば、監視エリア10へユーザ以外の人物が進入した際、センサ端末2から送信された撮影画像を表示する。また、モニタ32は、ユーザが為すべき各種操作に関するガイド情報を表示する。
操作部33は、例えば複数の操作ボタンよりなる。ユーザは、操作部33を介して、インターホン呼び出しを行った人物が敷地内へ進入することを許容するための進入許可操作を行う。またユーザは、監視エリア10に進入した人物の画像を確認して、不審者であることを確認した場合は不審者通報操作を行い、家族など他のユーザであることを確認した場合にはユーザ確認操作を行う。
なお、操作部33とモニタ32とは、タッチパネルディスプレイとして一体的に構成させてもよい。
電源部34は、監視端末の動作電源を供給する手段である。商用電源を変換して直流電源を供給する変換アダプタ、或いはリチウム電池などの2次電池を用いる。
域内通信部35は、センサ端末2との間で通信を実行するための通信インタフェースであり、センサ端末2の域内通信部27と同一の通信方式を採用する。
外部通信部36は、監視センタに設けられたセンタ装置5との間で、公衆通信網を介して通信を実行するための通信インタフェースである。センタ装置5との間で画像や音声をリアルタイム送信可能であることが望ましく、光通信などのブロードバンド回線を利用可能な有線通信モジュールや、例えばWimax(登録商標)やXGP(登録商標)に代表される高速無線通信規格に則った通信モジュールが適用される。
記憶部37は、例えば、不揮発性の半導体メモリなどを有し、監視端末で利用される各種の情報やプログラムを記憶する。また記憶部37は、監視対象の建物への入場が許可されたユーザが所持する無線タグの識別コードを記憶する。さらに、監視エリア10に移動体が存在しない状態で各センサ端末2のセンサ21が測定した基準測距データを記憶する。
また、記憶部37は、監視エリア10の配置等を示すマップ情報、監視エリア10内で検知した人物に関する追跡データ、建物内に存在する人物に関する在室データ、センサ端末2のカメラ23が撮影した画像を記録した蓄積画像データを記憶する。
マップ情報は、監視エリア10、屋内エリア、敷地外エリアの配置関係を示すデータであり、例えば2次元座標データとして表される。
例えばマップ情報は、図2に示したような監視エリア10の情報を、監視エリア10の左下の角位置を原点とする2次元座標で表現される。監視エリア10は、その外辺の座標により敷地外エリアとの境界が規定され、内辺の座標により屋内エリア(建物)との境界が規定される。そして、外辺で囲まれた領域のうち、建物との境界となる内辺で囲まれた領域を除いた領域を、監視エリア10の範囲とする。さらにマップ情報には、敷地内への通用口(敷地外エリアから監視エリアへの出入口)、建物の出入口、勝手口および窓などの位置を含ませてもよい。
またマップ情報には、監視処理部38が各センサ端末2のセンサ21による測距データから監視エリア10内で検知された物体の位置を算出するために必要な情報として、各センサ端末2のセンサ21による測距データと監視エリア10内の各位置との対応を示すデータが含まれる。各センサ端末2の識別コード、監視エリア10における各センサ端末2の設置位置を表す座標、各センサ端末2のセンサ21の走査範囲の基準方向(例えば、走査範囲の中心方向)などである。
追跡データは、監視エリア10内で検知した人物が存在する場合、その人物に対して設定される情報である。追跡データの詳細については後述する。
在室データは、建物内に在室しているユーザおよび来訪者の人数等を示す情報である。図5は、在室データの一例を示す図である。図5(a)は、各ユーザの在室/不在を管理するデータであり、各ユーザが所持する無線タグの識別コードに対応して管理される。また、各ユーザに対して、監視エリア10にユーザ以外の人物が進入した場合にその人物が不審者であるか否かを、画像を見て判断する確認権限の有無が設定される。確認権限は、例えば、不審者であるか否かの判断や適切な対応が困難と思われる子供を権限無しとし、誤った判断により不審者の検出漏れが生じないようにする。不審者の確認処理については後述する。図5(b)は、建物内に在室中であるユーザの人数および無線タグを所持していない来訪者の人数を管理するデータである。図5の例では、ID02およびID04のユーザ2名が在室中であり、さらに来訪者1名が在室している状況である。この在室データは、監視処理部38によって随時更新される。
蓄積画像データは、センサ端末2のカメラ23で撮影された画像を記録したものであり、監視処理部38の制御によって、監視エリア10内に検知した不審者(あるいは不審者の候補)を撮影した画像が記録される。
監視処理部38は、MPU等で構成され、各部を統括制御する機能を担う。監視処理部38は、各センサ端末2から受信した測距データ及び無線タグの識別コード、記憶部37の各種データに基づいて、監視エリア10にいる人物を検知するとともに、その人物が不審者であるか否か判定する。
監視処理部38は、各センサ端末2から受信した測距データを記憶部37に記憶されている基準測距データと比較し、所定以上の距離変化が生じている方向(走査角度)を抽出し、測定距離に応じて予め定められた所定以上の連続性(例えば一般的な人のサイズ)を持った距離変化方向群を、監視エリア10に進入した人物として検出する。そして、記憶部37に記憶されているマップ情報と、そのセンサ端末2の設置位置座標およびセンサ21の走査範囲の基準方向と、検出した人物にかかる代表測定データ(例えば、距離変化方向群の中心の走査方向および測定距離とする)とから、監視エリア10内の人物の位置(すなわち、マップ情報上の位置座標)を算出する。なお、この位置の算出は、単なる座標系の変換演算により行えるので、その詳細説明は省略する。
図6〜図11は、監視処理部38により実行される監視警報処理の動作を示すフローチャートである。
監視処理部38は、測距データに基づき監視エリア内に人物を検知した場合、図6〜図10に示されたフローチャートにしたがって、検知した人物ごとに不審者検知処理を実行する。この不審者検知処理は、所定周期ごとに入力される測距データから人物が検出される度に、検出した人物ごとに実行される。
まず監視処理部38は、検知された人物が既に追跡中の人物か否か判定する(S102)。追跡中の人物か否かの判定は、公知の様々なトラッキング処理のいずれかを利用することができる。例えば、処理対象の走査周期の測距データから抽出した着目人物の位置と、1つ前の走査周期の測距データから抽出された人物の位置とを比較し、その距離が人の移動可能速度と推定される所定距離以下であれば、両人物は同一人物と判定する。また、1走査周期前に検知された人物に対応付けられた無線タグの識別コードを、現走査周期においても検出できていることを同一人物か否かの判定条件に加えてもよい。
監視処理部38は、1走査周期前の測距データに着目人物と同一の人物が存在しないと判定した場合、着目人物は追跡中の人物ではなく新たに監視エリアに出現した人物であると認識する。そして、着目人物に対し、他の追跡中の人物とは異なる人識別コードを割り当て、該人物の追跡を開始する(S104)。
次いで監視処理部38は、センサ端末2から受信した無線タグの識別コードに基づき、人識別コードを割り当てた着目人物に対して権限設定処理を行う(S106)。
図7は、図5のS106における権限設定処理の動作を示すフローチャートである。監視処理部38は、センサ端末2が監視エリア内に無線タグを検知しているか否か判定する(S202)。無線タグが存在せず無線タグの識別コードが受信できない場合は、着目人物に対する権限情報として非許可者を設定する(S204)。一方、登録された何れかの識別コードが受信された場合は、次に、他の追跡中の人物に割り当て済みの無線タグではないか確認する(S206)。ここでは、検出された無線タグの識別コードが、他の追跡中の人物の追跡コード内に格納された無線タグの識別コードと一致するかを判定する。検出された全ての無線タグの識別コードが割り当て済みの無線タグの識別コードであれば、着目人物は無線タグを所持していないと見なし、権限情報を非許可者とする(S204)。未割り当ての識別コードがあれば、着目人物が無線タグを所持していると見なし、着目人物に対して該識別コードを割り当てるとともに(S208)、権限情報として許可者を設定する(S210)。
S106の権限設定処理を終えると、監視処理部38は、着目人物に対して追跡データを設定する(S108)。追跡データは、「人識別コード」「無線タグの識別コード」「権限情報」「着目人物の位置履歴」「出現時刻」「タグ忘れフラグ」などの情報を含む。
このうち、人識別コード、無線タグの識別コード、権限情報は、上記処理にて割り当てたものを設定する。権限情報は、後述の処理で一時許可者に修正され得る。着目人物の位置履歴は、最新の検出位置が随時追記され、移動軌跡として管理する。この位置履歴には、各位置での測定時刻も含まれる。また、出現時刻は、監視エリア内に着目人物が最初に検知されたときの時刻とする。タグ忘れフラグは、ユーザが建物から出た際に無線タグを所持し忘れた場合にこれを判別し、ONされる。タグ忘れ判定については後に詳述する。
追跡データを設定した後、監視処理部38は、追跡データを参照して着目人物がユーザである許可者か否か判定する(S110)。追跡データにおける権限情報が許可者である場合、あるいは無線タグの識別コードが書き込まれている場合に、着目人物が許可者とする。
着目人物が許可者の場合は、処理対象の測距データから抽出した該着目人物に対する不審者検知処理を終了する。着目人物が非許可者の場合は(S110のNo)、着目人物が敷地外エリアから監視エリアへ進入したのか、屋内エリアから監視エリアへ進入したのか判定する(S112)。
例えば、着目人物の現在の位置座標に関し、監視エリアと敷地外エリアとの境界を形成する位置座標との最短距離、監視エリアと屋内エリアとの境界を形成する位置座標との最短距離を算出し、いずれの距離が短いかによって判定する。敷地外エリアとの距離が屋内エリアとの距離より小さければ敷地外エリアからの進入、敷地外エリアとの距離が屋内エリアとの距離以上であれば屋内エリアからの進入であると判断する。なお、屋内エリアとの最短距離は、建物の出入口の位置座標との距離としてもよい。
着目人物が敷地外エリアから監視エリアへ進入したと判定した場合(S112のYes)、屋内にいるユーザに対してその旨を報知するべく、モニタ32およびスピーカ31を作動させる(S114)。モニタ32には、着目人物を検知したセンサ端末2のカメラ23で撮影した画像を表示させる。敷地外から進入した人物は、覗きや不法侵入を企む不審者である可能性があるが、一方で、ユーザを尋ねてきた来訪者や設備メーターの検針員など、不審者ではない可能性もある。そのため、監視処理部38は、着目人物が不審者でないことをユーザに確認させるべく、次の来訪判定処理を行う(S116)。
図8は、図5のS116における来訪判定処理の動作を示すフローチャートである。監視処理部38は、記憶部37の在室データを参照し、進入者の確認権限を持つユーザが在室中であるか否か判定する(S302)。在否情報が在室を示すユーザがいない場合、および在室を示すユーザの権限情報が無である場合は、進入者の確認権限を持つユーザが不在であると認識する。確認権限を持つユーザが不在の場合は(S302のNo)、進入した着目人物が不審者である可能性を考慮し、センサ端末2に画像要求信号を送信してカメラ23による撮影画像を取得し、センタ装置5へ確認要請を行うとともに撮影画像や音声をリアルタイムに送信する(S304)。確認要請を受けた監視センタは、駐在する監視員がその人物の動きに不審な点がないか確認する。また、監視処理部38は、取得した撮影画像を蓄積画像データとして記録する。
在否情報が在室を示すユーザが存在し、且つ、そのユーザの中に確認権限を有する者がいれば(S302のYes)、確認権限を持つユーザが在室中と認識し、続いて、進入報知処理の後、一定時間以内に操作部33を介してユーザによる通報操作が為なされたか否か判定する(S306)。通報操作が為された場合は、上記同様にセンタ装置5へ確認要請を行う(S304)。なお、この場合はユーザによる監視要請の意思が強いことに鑑み、確認要請とは区別して非常通報である旨を明示してもよい。
通報操作がない場合、着目人物を検知した時点より所定時間以前から進入報知を行った後の一定時間が経過するまでの間に、操作部33を介してユーザによる進入許可操作が為されたか否か判定する(S308)。着目人物が監視エリアに進入する前にインターホン呼出し、来訪者がいることをユーザが確認した旨の操作(進入許可操作)をしていれば、着目人物は監視エリアへの進入が認められた者と見なす。或いは、ユーザが進入報知を確認し、着目人物が友人等の来訪者であることを確認した旨の操作(進入許可操作)をしていれば、着目人物は監視エリアへの進入が認められた者と見なす。更には、ユーザが進入報知を確認し、着目人物が家族など他のユーザであること確認する操作(進入許可操作)をしていれば、着目人物は無線タグを所持し忘れているユーザ(許可者)であると見なす。
監視処理部38は、進入許可操作が為されており(S308のYes)、それが来客者確認の操作であると判定した場合(S310のNo)、着目人物の追跡データを更新し、権限情報を一時許可者に設定する(S312)。進入許可操作がユーザ確認の操作であると判定した場合は、着目人物の権限情報を許可者に書き換えるとともに(S314)、在室データを更新し、タグ忘れ外出ユーザ数を1減少させる(S316)。
監視処理部38は、上記の来訪判定処理を実行した後、処理対象の着目人物に対する不審者検知処理を終了する。
また、監視処理部38は、図6のS112において、着目人物が屋内から監視エリアへ進入したと判定した場合は(S112のNo)、建物内に在室していた来訪者の退場であるか、無線タグを所持し忘れて外出しようとするユーザであるかを判別するべく、次のタグ忘れ判定処理を実行する(S118)。
図9は、図6のS118におけるタグ忘れ判定処理の動作を示すフローチャートである。監視処理部38は、記憶部37の在室データを参照し、建物内に在室中の来訪者がいるか否か判定する(S402)。在室来訪者数が1以上の場合は、来訪者の退場行為である可能性があるため、続いて、玄関付近に無線タグを所持したユーザがいるか否か判定する(S404)。この判定は、玄関付近を検知範囲とする玄関リーダ6(図2参照)が無線タグを検知しているか否かを確認することにより行う。玄関付近にユーザがいる場合は(S404のYes)、着目人物はユーザに見送られて退場する来訪者であると見なす。そして、着目人物に関する追跡データの権限情報を一時許可者に設定する(S406)。一方、在室中の来訪者がいない場合(S402のNo)、および玄関付近にユーザがいない場合は(S404のNo)、在室中のユーザが無線タグを所持せずに退場していると見なす。そして、着目人物に関する追跡データのタグ忘れフラグをONするとともに(S408)、「タグを持ってお出かけください」などのタグ忘れ警告ガイダンスを監視端末あるいはセンサ端末2のスピーカ28を介して音声出力する(S410)。また、着目人物の権限情報を一時許可者に設定する(S412)。
このように、無線タグを持たない人物が建物から出てきた際に、ユーザによるタグ所持忘れを当該ユーザに警告し、確実に無線タグを所持して外出するよう促す。また、無線タグを所持していなくても、来訪者の退場である場合にはタグ忘れ警告ガイダンスを行わないため、来訪者に警告することによって不快感を与えずにすむ。
監視処理部38は、S118のタグ忘れ判定処理を実行した後、処理対象の着目人物に対する不審者検知処理を終了する。
一方、監視処理部38は、図6のステップ102において、現走査周期の測距データから抽出した着目人物が、既に追跡中の人物であると判定した場合(S102のYes)、その人物に関する追跡データを更新する(S120)。具体的には、最新の測定データに基づき、着目人物の位置座標および測定時刻を位置履歴に追加する。
監視処理部38は、着目人物の追跡データを更新すると、続いて該着目人物が許可者あるいは一時許可者であるか否かを判定する(S122)。許可者または一時許可者である場合は、監視エリア内での移動が許可されているため、処理対象の着目人物に対する不審者検知処理を終了する。
着目人物が非許可者であると判定した場合(S122のNo)、着目人物が監視エリアに侵入して不正を企む不審者であるか否かを判別するべく、着目人物が監視エリア内に滞留しているか否か判定する(S124)。監視処理部38は、追跡データ中の出現時刻からの経過時間(滞留時間)が不審者判定の基準となる時間を超えていれば、監視エリアに滞留していると判定する。この基準時間は、設備メーターの検針員などが一時的に監視エリアに滞留する際に必要な時間より長い時間に設定する。
監視エリア内において着目人物が何らかの不審行動(例えば、ピッキング、覗きなど)を為し、この基準時間を超えて監視エリアに滞留していると判定した場合は(S124のYes)、不審者異常警報処理を実行する(S126)。例えば、センサ端末2のスピーカ28から不審者警告メッセージ(例えば「不審者発見!直ちに敷地外へ立ち去ってください!」)を出力する。また、監視端末のモニタ32及びスピーカ31を駆動して、建物内に在室するユーザに不審者が検知されたことを報知する。さらに、着目人物の位置を撮影範囲に持つセンサ端末2のカメラ23の撮影画像を取得し、モニタ32に表示するとともに、記憶部37に蓄積画像データとして記録する。これとともに、ユーザによる操作部33を介した通報操作に応じて、監視センタのセンタ装置5へ不審者通報を行い、センサ端末2のカメラ23及びマイク24が取得した画像及び音声データをセンタ装置5へ送信する。なお、ユーザによる通報操作がなくとも監視センタへ不審者通報を行ってもよい。
一方、着目人物が監視エリア内に滞留していると認められない場合(S124のNo)、すなわち滞留時間が基準時間未満であれば、着目人物は不審者の可能性があるものの、現時点においては不審者と断定することはできない。次いで監視処理部38は、着目人物が、ユーザと共に監視エリアへ同行進入したか否か判定する(S128)。例えば、記憶部37に記憶されている追跡データを参照し、監視エリア内にユーザ(許可者)が存在するかを調べる。そして監視エリア内にユーザがいる場合、そのユーザと着目人物の追跡データを比較参照する。ユーザが敷地外エリアから進入しており、且つ、その出現時刻が着目人物の出現時刻とほぼ同時であれば、同行進入と判断する。なお、両者の出現位置がほぼ同位置であることを条件に加えてもよい。
監視処理部38は、着目人物がユーザと同行進入していると判定した場合(S128のYes)、権限情報を一時許可者に設定する(S130)。同行進入ではないと判定した場合は、着目人物の権限情報を非許可者のまま、処理対象の測距データに関する不審者検知処理を終了する。
ところで、監視エリア内の人物が監視エリアから退出し、建物内あるいは敷地外へ移動すると、センサ端末2のセンサ21が人物を検知できなくなる。そこで監視処理部38は、一定期間以上、更新されていない追跡データがある場合、以下に示す移動方向判定処理を実行し、人物が敷地外へ移動したのか建物内へ移動したのかを判別して各種の処理を行う。一定期間は、例えば、センサ端末2のセンサ21による1走査周期、あるいは複数走査周期に相当する期間とする。
図11は、移動方向判定処理の動作を示すフローチャートである。
監視処理部38は、未更新の追跡データを検出すると、その追跡データにかかる着目人物の現在位置(最後に更新された位置)に基づき、屋内エリアへ移動したのか、敷地外エリアへ移動したのかを識別する(S502)。この判定は、図6のS112における監視エリアへの進入方向の判定と同様に行えばよく、消失直前の位置(追跡データ上の最新の位置)について、屋内エリアとの境界との距離および敷地外エリアとの距離を算出し、敷地外エリアとの距離が屋内エリアとの距離より小さければ敷地外エリアへの移動(敷地外への退場)、敷地外エリアとの距離が屋内エリアとの距離以上であれば屋内エリアへの移動(建物内への入場)であると判断する。
そして監視処理部38は、着目人物の出現時の位置との関係から、その移動方向が監視エリアに進入する前の移動元エリアに引き返したものか否か判定する(S504)。例えば、屋内エリアから監視エリアへ進入した人物が再び屋内エリアへ移動した場合、或いは敷地外エリアから進入した人物が再び敷地外エリアへ移動した場合、引き返し移動であると判定する。
引き返し移動と判定した場合(S504のYes)、着目人物の追跡データ中にタグ忘れ防止フラグが設定されているか否かを判定する(S506)。フラグがOFFの場合は、建物内から一旦出たユーザ或いは来訪者が再度建物内に入場しただけであり、特段の不審な点、および在室者の人数に変更が生じないため、このまま移動方向判定処理を終了する。フラグがONの場合は、タグを所持せずに建物から出たユーザが再び建物内に入場したと推定されるため、タグ忘れフラグを解除した上で移動方向判定処理を終了する(S508)。このときも、在室者数には変化が生じないため、在室データを更新する必要はない。
一方、引き返し移動ではないと判定した場合は(S504のNo)、屋内エリアから敷地外エリアへの移動であったか、敷地外エリアから屋内エリアへの移動であったかを判定する(S510)。着目人物が敷地外エリアへ移動したと判定した場合は、着目人物が許可者であるか否か判定する(S512)。そして、許可者の場合はユーザが外出したものと認識し、追跡データ中の無線タグの識別コードに対応するユーザの在室データを、在室から不在に更新する。同時に、在室データにおける在室ユーザ数を1減少させ、移動方向判定処理を終了する(S520)。
着目人物が許可者でない場合は(S512のNo)、追跡データ中にタグ忘れフラグが設定されているか否か判定する(S514)。タグ忘れフラグがOFFの場合は、来訪者による退場行為と見なし、在室データにおける在室来訪者数を1減少させる(S516)。一方、タグ忘れフラグがONの場合は、無線タグを所持せずにユーザが外出してしまったと認識し、在室データにおけるタグ忘れ外出ユーザ数を1増加させるとともに(S518)、在室ユーザ数を1減少させる(S520)。
また、着目人物が屋内エリアへ移動したと判定した場合は(S510のYes)、着目人物が許可者であるか否か判定する(S522)。許可者であれば、追跡データ中の無線タグの識別コードに対応するユーザの在室データを、不在から在室に更新する。同時に、在室データにおける在室ユーザ数を1増加させる(S524)。許可者でない場合は、次に着目人物が一時許可者であるか否か判定する(S526)。一時許可者であるときは、在室データにおける在室来訪者数を1増加させ、移動方向判定処理を終了する(S528)。
一方、着目人物が非許可者の場合は(S526のNo)、権限なき不審者による建物内への侵入行為であると認識し、侵入異常警報処理を実行する(S530)。このとき、監視処理部38は直ちに監視センタのセンタ装置5へ侵入異常を通報する。また、センサ端末2のスピーカ28、監視端末のモニタ32及びスピーカ31を駆動して、建物内外に対して、侵入異常が発生した旨を報知する。さらに、着目人物の侵入位置を撮影範囲に持つセンサ端末2のカメラ23の撮影画像や記憶部37の蓄積画像データを、監視センタのセンタ装置5へ送信してもよい。
上記の移動方向判定処理が終了した後、追跡データは、追跡データ中の現在位置を移動先のエリアを示す位置データに更新し、管理用データとして保存するとよい。管理用データが不要な場合は、移動方向判定処理の終了時に追跡データを消去してもよい。ただし、侵入異常と判定した追跡データについては、異常が復旧するまでは侵入者追跡データとして保持しておくのが望ましい。
以上に説明したように、本発明の一実施形態にかかる警備システムは、無線タグのような識別端末を用いてユーザであることを識別し、建物周囲の監視エリアへの進入可否を判定する場合において、ユーザが無線タグを所持せず外出しようとする行為を検出し、無線タグの所持忘れをそのユーザに警告する。これにより、ユーザが無線タグを所持せず外出してしまうことを防ぐことができ、帰宅の際に監視エリアあるいは建物内に入場したユーザを不審者あるいは侵入者と誤って判定することを防止可能という効果を奏する。
また、建物内から出てきた無線タグを持たない人物が、ユーザであるのか、或いは建物内にいた来訪者であるのかを判別し、ユーザである場合に限って無線タグの所持忘れ警告を行う。このため、来訪者に不快感を与えることなく、ユーザへの無線タグの所持励行を実現することができる。
なお、以上には本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態のタグ忘れ判定処理について、在室中の来訪者の有無によらず、無条件にタグ忘れ警告ガイダンスを実行するよう構成してもよい。この場合、図9のフローチャートにおいて、S402〜S406の処理が省略され、図6のS112にて、無線タグを所持しない人物が屋内エリアから監視エリアに進入したと判定した場合に、タグ忘れ警告ガイダンスを実行する(S408〜412)。
また、上記実施形態のタグ忘れ判定処理について、玄関付近のユーザの有無によらず、来訪者がいる場合には無条件に警告しないよう構成してもよい。この場合、図9のフローチャートにおいて、S404の処理が省略され、在室中の来訪者がいない場合(S402のYes)にはタグ忘れ警告ガイダンスが実行される。そして、在宅中の来訪者がいる場合は(S402のYes)、警告を行うことなく着目人物を一時許可者に設定して処理を終了すればよい(S406)。
また、上記実施形態では、タグ忘れ警告ガイダンスを、監視端末のモニタやスピーカ、センサ端末のスピーカを介して報知する構成としたが、センサ端末に更にモニタを設け、或いは玄関先に別途モニタやスピーカを設け、これらモニタやスピーカを介してタグ忘れ警告ガイダンスを報知させてもよい。
さらに、上記実施形態において、センサ端末のセンサは、レーザー測距センサに限定されるものではなく、マイクロ波の反射波の変化を検知して移動体の位置を認識可能なマイクロ波センサなど、監視エリアに進入した人物及びその位置を検出可能な各種センサが適用可能である。また、画像変化を検知して移動体を検出可能な画像センサを用い、監視エリア内の人物の抽出処理を画像センサによって行うよう構成してもよい。この場合、簡易な測距センサ等を併用し、画像センサが抽出した変化領域内の少なくとも一点の位置について、測距センサによる計測距離を対応付けることで、監視エリアにおける人物の位置を特定できる。
また、各センサ端末が監視端末の監視処理部における処理の一部を担うように構成してもよい。例えば、各センサ端末が、監視エリア内の自端末の設置位置座標、センサの走査範囲の基準方向、マップ情報などを記憶し、センサによる測距データおよびこれらの情報に基づいて、監視エリア内の人物を検知し、その位置を特定する。そして監視端末に対し、監視エリア内に人物が検知されたことを示す検知信号、およびその人物の位置を送信する。
1 警備システム、2 センサ端末、3 監視端末、4 無線タグ、5 センタ装置、6 玄関リーダ

Claims (2)

  1. 監視対象の建物を利用するユーザに識別端末を所持させ、建物周囲の監視エリアに進入した人物が前記識別端末を所持しているか否かに基づき不審者判定を行う警備システムであって、
    所定の警告表示を出力する警告手段と、
    前記監視エリア内における移動体の位置を検知する移動体検知手段と、
    前記監視エリア内の移動体が所持する前記識別端末を非接触で検知する第一の識別端末検知手段と、
    前記移動体検知手段にて検知した移動体について、前記第一の識別端末検知手段にて当該移動体が所持する前記識別端末を検知できない場合に、前記移動体検知手段にて検知した当該移動体の位置に基づいて当該移動体が不審者であるか否かの判定処理を実行するとともに、前記移動体検知手段にて前記建物から前記監視エリアへ進入した移動体を検知し、且つ、前記第一の識別端末検知手段にて当該移動体が所持する前記識別端末を検知できない場合に、前記識別端末の所持を喚起する警告表示を前記警告手段から出力させる監視処理手段と、
    前記ユーザが前記移動体検知手段にて検知した移動体を来訪者として確認した旨の操作を行う操作手段と、
    前記操作手段にて操作が行われた前記移動体が前記監視エリアから前記建物に進入した場合に前記建物内に来訪者ありとして管理する在室管理手段と、
    を有し、
    前記監視処理手段は、前記在室管理手段にて前記建物内に来訪者ありとして管理している場合は前記警告表示を行わない、ことを特徴とする警備システム。
  2. 更に、前記建物内の出入口付近に存在する前記識別端末を検知する第二の識別端末検知手段を有し、
    前記監視処理手段は、前記在室管理手段にて前記建物内に来訪者ありとして管理しており、且つ、前記第二の識別端末検知手段にて前記識別端末を検知している場合は、前記警告表示を行わない、請求項1に記載の警備システム。
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