JP3801737B2 - ゴム補強用の集束スチールコード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のタイヤやコンベヤベルト等の補強用として、特にタイヤベルト部のゴム補強用として好適な集束スチールコードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤやコンベヤベルト等のゴム補強用スチールコードとして、複数本のスチール素線を波形状又はスパイラル状に形成して、このスチール素線を異なるピッチや形状にして撚り合わせないで一平面内に並列し、各スチール素線の全体にラッピングワイヤを巻き付けて束ねた偏平形状の集束スチールコードは、例えば本出願人により提案された特開平7−145578号公報、特開平7−157986号公報などにおいて公知である。
【0003】
この集束スチールコードは、各スチール素線を波形状又はスパイラル状に形成して並列し、ラッピングワイヤを巻き付ける比較的に簡単な工程により能率良く高精度に製造して低コストで提供され、優れたゴム浸透性を有し、スチール素線の撚り合わせやコード偏平化等による素線特性の低下が防止され、各スチール素線がコード芯線として格別に干渉しないで個別に同様なゴム補強機能を発揮することができる。
さらに、ラッピングワイヤによってコード形状が程よく保形され、2元方向(長径方向と短径方向)で異なる耐曲げ強度を有する偏平コードとなり、ゴム補強条件への対応性を有しゴム内に精度良く埋設されるなどの特徴がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のゴム補強用の集束スチールコードは、前記のような優れた特徴を備えているが、ラッピングワイヤにより複数本のスチール素線を束ねて保形しているので、ラッピングワイヤによりスチール素線が局部的に擦損されて耐久性低下の一因になっている。コードを緩く束ねると保形性能が低下するなどその擦損の防止には限界がある。また、横断偏平形状や2元方向の耐曲げ強度をさらに多様化してゴム補強条件への対応性を高める必要があるなどの課題がある。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するために開発されたものであり、その目的とする処は、スチール素線の擦損が効果的に低減され、かつ、耐曲げ強度に格別なバラツキが生じず、ゴム補強性能、信頼性とともに耐久性を向上し、汎用性を高めたゴム補強用の集束スチールコードを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、波形状又はスパイラル状に形成した複数本のスチール素線を撚り合わせないで一平面内に並列し、スチール素線の全体にラッピングワイヤを巻き付けて束ねたゴム補強用の集束スチールコードにおいて、スチール素線の炭素含有量をC1wt%とすると、ラッピングワイヤの炭素含有量C2wt%を0.05≦C1−C2≦0.40に構成し、各スチール素線を異なる位相ピッチにして組み合わせるとともに、各スチール素線の波付けをコード長径方向又はコード短径方向に指向させて一平面内に並列したことを特徴としている。
【0007】
本発明の前記ゴム補強用の集束スチールコードは、スチール素線の炭素含有量をC1wt%とラッピングワイヤの炭素含有量C2wt%を0.05≦C1−C2≦0.40の関係に構成して、ラッピングワイヤを適度の軟質材にしているので、スチール素線の擦損が効果的に低減される。各スチール素線を異なる位相ピッチにして組み合わせているため、波形状又はスパイラル状に形成された各スチール素線の相互間にゴムが浸入する適度の隙間が形成されて素線相互の擦損が効果的に低減される。さらにまた、各スチール素線の波付けをコード長径方向又はコード短径方向に指向させて一平面内に並列しているので、集束スチールコードの耐曲げ強度に格別なバラツキが生じない。
【0008】
さらに、前記のゴム補強用の集束スチールコードは、ラッピングワイヤにより束ねて保形され、横断偏平形状及び2元方向(長径方向、短径方向)の耐曲げ強度がさらに多様化されているため、タイヤベルト部のゴム内に精度良く平行に揃えて埋設され、タイヤベルト部のゴム補強条件に精度良く対応した優れたゴム補強性能、信頼性が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の第1実施例、図2に第2実施例、図3に第3実施例、図4に第4実施例、図5に第5実施例、図6に第6実施例、図7に第7実施例、図8に第8実施例、図9にゴム補強用の集束スチールコードの一製造装置、図10に伸び−荷重の比較特性図を示している。
【0010】
図中、1a〜1cは横断円形のスチール素線、11a〜11cは楕円や長円等の横断偏平形状のスチール素線、2は横断円形のラッピングワイヤ、12は楕円や長円等の横断偏平形状のラッピングワイヤ、Pはスチール素線に形成した波形状又はスパイラル状のピッチ、αはスチール素線の間に形成された隙間、X−Xはコード長径方向、Y−Yはコード長手方向又はコード中心線、Z−Zはコード短径方向、21はスチール素線のガイドロール、22はスチール素線の波付け装置、23はガイドロール、24はスチール素線の位相調整ロール、25はガイドロール、26はラッピングワイヤの供給ホビン、27はラッピングワイヤの繰出ロール、28は整形ロールである。
【0011】
図示の実施例は、波形状又はスパイラル状に形成した複数本のスチール素線1a〜1c又は11a〜11cを異なるピッチ位相(必要に応じスチール素線の波形状やスパイラル状を異なる形状、ピッチ)にして撚り合わせないで一平面X,Y内に並列して、スチール素線の全体にラッピングワイヤ2又は12を巻き付けて束ねたゴム補強用の集束スチールコードにおいて、スチール素線1a〜1c又は11a〜11cの炭素含有量をc1wt%とすると、ラッピングワイヤ2又は12の炭素含有量c2wt%を0.05≦c1−c2≦0.40に構成されている。
【0012】
さらに詳述すると、スチール素線1a〜1c、11a〜11cは、比較的に高い炭素含有量のスチール線材を、複数段階で横断円形(スチール素線1a〜1c−図1ないし4参照)又は横断偏平形状(スチール素線11a〜11c−図5ないし8参照)の細径に伸線加工し、必要に応じブラスメッキ等した比較的に硬質で細径のスチール素線になっている。
具体的には用途に応じ比較的に高い炭素含有量0.82wt%や0.86wt%又は0.92wt%、線径0.10〜0.50mmφの比較的に高硬度で細径のスチール線材が適用される。さらに、このスチール素線は、適宜の手段(図9に示す波付け装置22等)により波形状又はスパイラル状(図示省略)に形成して、この2〜5本を相互に撚り合わせないで一平面X,Y内に並列して、ラッピングワイヤ2又は12によって束ねられる。
【0013】
また、ラッピングワイヤ2、12は、比較的に低い炭素含有量のスチール線材を複数段階で横断円形(ラッピングワイヤ2−図1,2、図7,8参照)又は横断偏平状(ラッピングワイヤ12−図3ないし6参照)の細径に伸線加工し、必要に応じブラスメッキ等した比較的に軟質のスチール線材からなっている。
また、スチール素線の炭素含有量をc1wt%とすると、ラッピングワイヤ2又は12の炭素含有量c2wt%を0.05≦c1−c2≦0.40に構成する。即ち、スチール素線の炭素含有量c1に比べラッピングワイヤの炭素含有量c2が0.05〜0.40wt%程度低く、スチール素線に比べ適度の小径又は同等径とし比較的に軟質で細径のスチール線材を適用し、適宜の手段(図9参照等)により複数本のスチール素線の全体に1本又は2本を巻き付けて束ねる。
【0014】
図9に示すコード製造装置の一実施例について説明すると、比較的に高い炭素含有量のスチール素線(図示例は3本)1a〜1c又は11a〜11cは供給ボビン(図示省略)から矢示のように所定の速度で繰り出され、この各スチール素線は、ガイドロール21を経て対の波付け装置22によりコード長径方向X−X又はコード短径方向Z−Z(図示省略)に指向されて同様な形状、ピッチPに波付けされた後、ガイドロール23を経て位相調整ロール24により異なる長さ経路で移送して適度に異なるピッチP位相とし(コード長手方向Y−Y)、ガイドロール25により各スチール素線1a〜1c又は11a〜11cを異なるピッチ位相で再び一平面(X,Y)に並列して移送する。
【0015】
さらに、比較的に低い炭素含有量のラッピングワイヤ2又は12は、供給ホビン26から繰り出され、繰出ロール27によりコード中心線Y−Y(コード長手方向)の周囲で旋回され並列して移送中のスチール素線の周囲に繰り出され、波付けして並列された各スチー素線の全体に所定のピッチで巻き付けられて集束スチールコードに形成される。
さらに、この集束スチールコードは、図示のような整形ロール28(長径及び短径方向の対ロール群)によりコード形状(長径側及び短径側)が整形28され、実施例の集束スチールコードに高能率で精度良く製造され巻取ボビン(図示省略)に巻き取られる。
【0016】
前記のコード製造装置において、波付け装置22の配置を変えたり、複数の波付け装置をスチール素線ごとに使用して波付けを行ない、各スチール素線の波形状やピッチを異なるものにすることができる。また、各スチール素線をガイドしてこのまわりを回転する従来のスパイラル形成の手段により各スチール素線を個別にスパイラル状に形成する製造の態様にすることもできる(図示省略)。繰出ロール27は、スチール素線の波付けやスパイラルのピッチP、移送速度に対応して旋回制御され、図示のように各スチール素線のピッチPと同様な巻付ピッチで巻き付けたり、例えばピッチPに対し巻付ピッチを2倍長にして巻き付けるなどの調整が容易になっている。
【0017】
図1に示す集束スチールコードは(第1実施例)、比較的に高い炭素含有率c1wt%で横断円形のスチール素線1a〜1c(3本)と、スチール素線の炭素含有率c1wt%よりも0.05〜0.40wt%低い炭素含有率c2wt%で横断円形のラッピングワイヤ2(1本)によって構成され、各スチール素線1a〜1cを同様な形状とピッチPでコード長径方向X−Xに指向させて波付けした後、各スチール素線を適度に異なるピッチP位相(コード長手方向Y−Y)に配置して一平面X,Y内に並列するとともに、スチール素線1a〜1cの全体にラッピングワイヤ2を巻き付けて束ねた偏平コードになっている。
【0018】
第1実施例の集束スチールコードは、前記のように構成され各スチール素線1a〜1cを波形状に形成して並列し、ラッピングワイヤ2を巻き付ける比較的に簡単な工程により能率良く高精度に製造して低コストで提供でき、スチール素線の間に適度の隙間αが形成されて優れたゴム浸透性を有し、スチール素線の撚り合わせやコード偏平化等による素線特性の低下が防止され、各スチール素線がコード芯線として格別に干渉されないで個別に同様なゴム補強機能を効果的に発揮する。
【0019】
また、スチール素線の径や本数、波付けの形状等で横断偏平状や2元方向の耐曲げ強度が多様化されてゴム補強条件に対応される。さらに、スチール素線1a〜1cの炭素含有量c1wt%に対しラッピングワイヤ2の炭素含有量c2wt%を0.05〜0.40wt%程度低い適度の軟質材としているので、各スチール素線の擦損が効果的に低減される。従ってまた、ラッピングワイヤ2によって比較的に強く束ねることができ、束ねた直後にコード外形状を偏平状に精度良く整形28して、コードの保形性能を高めスチール素線のバラツキが防止される。
【0020】
また、各スチール素線1a〜1cの波付けを同様にコード長径方向X−Xに指向させて一平面X,Y内に並列しているので、図1Bに示すように偏平度(長径サイズ/短径サイズの比率)とともに2元方向の耐曲げ強度差(長径方向X−X/短径方向Z−Z)が比較的に大きく構成されている。
【0021】
図2に示す集束スチールコードは(第2実施例)、第1実施例に比べ各スチール素線1a〜1cの波付けを同様にコード短径方向Z−Zに指向させ一平面X,Y内に並列した構造に特徴を有し、その他の構成は基本的に第1実施例と同様になっている。
従って、基本的には第1実施例と同様な作用、効果を有し、図2Bに示すように偏平度とともに2元方向の耐曲げ強度差が著しく小さい構成になっている。
【0022】
図3に示す集束スチールコードは(第3実施例)、第1実施例のラッピングワイヤ2に代えてスチール素線1a〜1cと同様な材質で楕円又は長円等の横断偏平形状のラッピングワイヤ12を使用して、横断円形のスチール素線1a〜1cを束ねた構成に特徴を有し、その他の構成は基本的に第1実施例と同様になっている。
従って、基本的には第1実施例と同様な作用、効果を有し、横断偏平形状のラッピングワイヤ12により各スチール素線1a〜1cとの接触面積を広くして擦損を効果的に低減している。また、必要に応じラッピングワイヤ12を、さらにスチール素線の炭素含有率c1wt%よりも0.05〜0.40wt%低い炭素含有率c2wt%の材質にして、各スチール素線の擦損を効果的にさらに低減している。図3Bに示すように偏平度及び2元方向の耐曲げ強度差は第1実施例と同様に構成される。
【0023】
図4に示す集束スチールコードは(第4実施例)、第3実施例に比べ各スチール素線1a〜1cの波付けを同様にコード短径方向Z−Zに指向させ一平面X,Y内に並列した構造に特徴を有し、その他の構成は基本的に第3実施例と同様になっている。従って、基本的には第1実施例と同様な作用、効果を有し、図4Bに示すように偏平度とともに2元方向の耐曲げ強度差は第2実施例と同様に著しく小さい構成になっている。
【0024】
図5に示す集束スチールコードは(第5実施例)、第3実施例のスチール素線1a〜1cに代えて同様な材質で楕円又は長円等の横断偏平形状のスチール素線11a〜11cを使用し、第3実施例のラッピングワイヤ12によって束ねた構成に特徴を有し、その他の構成は基本的に第3実施例と同様になっている。従って、基本的には第3実施例と同様な作用、効果を有し、横断偏平形状のラッピングワイヤ12(必要に応じスチール素線の炭素含有率に対し0.05〜0.40wt%低い炭素含有率)と同様な横断偏平形状の各スチール素線11a〜11cとの接触面積をさらに広くして擦損を効果的に低減している。
【0025】
図5Bに示すように各スチール素線11a〜11cの横断偏平形状の長径方向及び波付け方向をともにコード長径方向X−Xに指向させると、コード長径方向X−Xのサイズや同方向の耐曲げ強度が著しく増大し、コード短径方向Z−Zのサイズや同方向の耐曲げ強度が著しく減少して、偏平度や2元方向の耐曲げ強度差が大きく異なる構成になる。また、図5Cに示すように各スチール素線11a〜11cの横断偏平形状の長径方向をコード短径方向Z−Zに、この波付け方向をコード長径方向X−Xに指向させた構造にも構成され、コード短径方向Z−Zのサイズ及び同方向の耐曲げ強度が著しく増大して、偏平度及び2元方向の耐曲げ強度差が適度に異なる態様に構成される。
【0026】
図6に示す集束スチールコードは(第6実施例)、第5実施例に比べ図6Bに示すように各スチール素線11a〜11cの横断偏平形状の長径方向をコード長径方向X−Xに、この波付け方向をコード短径方向Z−Zに指向させた構成に特徴を有し、その他の構成は第5実施例と同様になっており、基本的には第5実施例と同様な作用、効果を有し、コード長径方向X−Xのサイズ及び同方向の耐曲げ強度や、コード短径方向Z−Zのサイズが適度に増大して、偏平度及び2元方向の耐曲げ強度差が第5実施例に比べさらに異なる構成になる。
又は、図6Cに示すように各スチール素線11a〜11cの横断偏平形状の長径方向及びこの波付け方向をともにコード短径方向Z−Zに指向させた構造にも構成され、コード短径方向Z−Zのサイズや同方向の耐曲げ強度が著しく増大して、偏平度及び2元方向の耐曲げ強度差がさらに異なる構成になる。
【0027】
図1ないし図6に示す実施例の他に、各スチール素線1a〜cや11a〜11cを従来の適宜手段でそれぞれスパイラル状に形成して一平面内X,Y内に並列して、スチール素線の全体にラッピングワイヤ2や12を巻き付けて束ね、前記の実施例のように各種の集束スチールコードに構成される(図示省略)。
この集束スチールコードは、基本的には前記の実施例と同様な作用、効果を有し、各スチール素線をスパイラル状に形成し一平面内に並列しているので、比較的にスチール素線の隙間が大きく形成され、この2元方向の耐曲げ強度及び強度差は比較的小さく、偏平度はスチール素線の本数やスパイラル径等で調整される。
【0028】
前記実施例の集束スチールコードの他に、第5実施例や第6実施例のラッピングワイヤ12に代えて第1実施例のような横断円形状のラッピングワイヤ2を使用して、図7や図8に示すような構造の集束スチールコード(第7実施例、第8実施例)とし、又は、各スチール素線を従来の適宜の手段でスパイラル状に形成して一平面内X,Y内に並列し、スチール素線の全体にラッピングワイヤ2や12を巻き付け束ねて保形した集束スチールコード(図示省略)に構成した実施例にすることもできる。
【0029】
前記のような各実施例の集束スチールコードは、タイヤベルト部のゴム補強として好適に使用される。即ち、前記のように複数本のスチール素線1a〜1c,11a〜11cを波形状やスパイラル状に形成して一平面内X,Y内に並列し、スチール素線の全体にラッピングワイヤ2又は12を巻き付け束ねて保形する。
前記のような偏平度及び2元方向の耐曲げ強度差が著しく多様化しているので、タイヤベルト部のゴム補強条件に対応させて所望の形状及びコード特性の集束スチールコードを選択し、そのタイヤベルト部のゴム内に揃えて埋設した集束スチールコード・ゴム複合体として適用され、これにより各種のタイヤ補強条件に対応した優れたゴム補強性能を発揮し、タイヤ性能を格段に高めるとともに耐久性が著しく高められる。
【0030】
各実施例の集束スチールコードを製造して荷重及び疲労試験をした。
図10に示す伸び−荷重の比較特性図は、横断円形のスチール素線を波形状に形成した試料イと、試料イのスチール素線(3本)を第1実施例のように横断円形のラッピングワイヤ2(スチール素線に対し0.05〜0.40wt%低い炭素含有量)で束ねた集束スチールコードを試料ロ、試料イのスチール素線(4本)を同様なラッピングワイヤで束ねた集束スチールコードを試料ハとした荷重試験の結果である。
【0031】
図示から明らかなように、試料イに比べ試料ロの場合は伸びが約1/3、即ち荷重が3倍程度に、試料ハの場合は伸びが約1/4、即ち荷重が4倍程度となり、各スチール素線の特性が効果的に機能されている。さらに、周知の3ロール疲労試験をした結果、試料ロ及び試料ハの場合は、先に開発して提案した前記の集束スチールコードに比べ寿命つまり耐久性が1.10%〜1.20%程度に高められることを確認している。
また、横断偏平状のラッピングワイヤあるいはまた横断偏平状のスチール素線によって構成した場合も、スチール素線の擦損が効果的に低減されてラッピングワイヤによるコード保形力を高めることができるなど、同様に寿命つまり耐久性が高められる。さらに、他の各実施例についてもほぼ同様な寿命つまり耐久性の向上など、同様な作用、効果が得られることを確認している。
【0032】
図示の実施例は3本のスチール素線を1本のラッピングワイヤによって束ねた集束スチールコードの代表例のみ示しているが、本発明は、さらに2〜5本のスチール素線を1又は2本のラッピングワイヤによって束ねた集束スチールコードとして、さらに、各実施例の構成を組み合わせることによってさらなる多様な構成の集束スチールコードとしても適用される。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、波形状又はスパイラル状に形成した複数本のスチール素線を撚り合わせないで一平面内に並列し、スチール素線の全体にラッピングワイヤを巻き付けて束ねたゴム補強用の集束スチールコードにおいて、スチール素線の炭素含有量をC1wt%とラッピングワイヤの炭素含有量C2wt%の関係を、0.05≦C1−C2≦0.40に構成して、ラッピングワイヤを適度の軟質材にしているので、スチール素線の擦損が効果的に低減されることができ、また、各スチール素線を異なる位相ピッチにして組み合わせているため、波形状又はスパイラル状に形成された各スチール素線の相互間にゴムが浸入する適度の隙間が形成されて素線相互の擦損が効果的に低減される。さらにまた、各スチール素線の波付けをコード長径方向又はコード短径方向に指向させて一平面内に並列したことにより、集束スチールコードの耐曲げ強度を格別なバラツキが生じないで効果的に発揮することができ、総合的にゴム浸透性とともにゴム補強性能、信頼性、耐久性を著しく高めることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例を示すコード平面と部分横断面図(A)及び拡大横断面図(B)
【図2】 第2実施例を示すコード側面と部分横断面図(A)及び拡大横断面図(B)
【図3】 第3実施例を示すコード平面と部分横断面図(A)及び拡大横断面図(B)
【図4】 第4実施例を示すコード側面と部分横断面図(A)及び拡大横断面図(B)
【図5】 第5実施例を示すコード側面と部分横断面図(A)及び拡大横断面図(B)及び他の変形例を示す拡大横断面図(C)
【図6】 第6実施例を示すコード側面と部分横断面図(A)及び拡大横断面図(B)及び他の変形例を示す拡大横断面図(C)
【図7】 第7実施例を示すコード側面と部分横断面図(A)及び拡大横断面図(B)及び他の変形例を示す拡大横断面図(C)
【図8】 第8実施例を示すコード側面と部分横断面図(A)及び拡大横断面図(B)及び他の変形例を示す拡大横断面図(C)
【図9】 本発明の集束スチールコードの一製造装置を示す平面視構造図
【図10】 本発明の集束スチールコードコード伸び−荷重の比較特性図
【符号の説明】
1a〜1c、11a〜11c スチール素線
c1、c2 炭素含有量
X 長径方向
Y 短径方向
Claims (1)
- 波形状又はスパイラル状に形成した複数本のスチール素線を撚り合わせないで一平面内に並列し、スチール素線の全体にラッピングワイヤを巻き付けて束ねたゴム補強用の集束スチールコードにおいて、スチール素線の炭素含有量をC1wt%とすると、ラッピングワイヤの炭素含有量C2wt%を0.05≦C1−C2≦0.40に構成し、各スチール素線を異なる位相ピッチにして組み合わせるとともに、各スチール素線の波付けをコード長径方向又はコード短径方向に指向させて一平面内に並列することを特徴とするゴム補強用の集束スチールコード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19333597A JP3801737B2 (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | ゴム補強用の集束スチールコード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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