JP3801725B2 - フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際し、先羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次走行させ、それらによって形成されるスリットによってフィルムを露光するようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、一眼レフカメラの小型化及び高性能化についての要求が大きいことから、それに伴って、この種のフォーカルプレンシャッタにおいては小型化と高速化が要求されている。ところで、フォーカルプレンシャッタは、周知のように、フィルム面の直前位置に配置されるものであることから、カメラの小型化のためには、重畳位置(露光開口から退いて重畳した位置)において羽根群の占める平面スペースを、出来るだけ小さくて済むようにするのが効果的である。しかし、そのようにするためには、各羽根群の羽根の枚数を増やさなければならないことから、展開位置(露光開口を覆っている位置)における羽根同志の重なり面の数が増えてしまい、羽根群全体の重量が大きくなってしまう。そのため、従来通りの駆動力によって従来通りの最高速度を得るようにするためには、羽根を軽量化しなければならなくなる。
【0003】
他方、シャッタの高速化を図るためには、駆動力(ばね力)を大きくするか羽根を軽量化しなければならない。しかしながら、駆動力をこれまで以上に大きくすることは、安定した性能を得なければならないという観点からも、極めて困難な情勢にある。従って、高速化の要求に対応するためにも、やはり羽根の軽量化が重要になってくる。そして、羽根を軽量化するということは、材質面の改善を考慮しないとすれば、各羽根の平面積を小さくするか、厚さを薄くするということである。
【0004】
ところが、各羽根の平面積を小さくすると、展開状態における羽根同志の重なり面積が小さくなってしまい、それらの間から漏光し、カメラの不使用時においてフィルムを感光させてしまうことがある。他方、各羽根の厚さを余り薄くすると、カメラの携帯時における振動等によって羽根が撓んでしまうことがあり、そこから漏光して、やはりフィルムを感光させてしてしまうことがある。更に、羽根を余り薄くした場合には、羽根相互間の重なり面を全面的に密接させるように製作するのが難しく、どうしても局部的に隙間が生じてしまい、上記のような振動等が起きなくとも、同様な事態が生じ易くなる。このように、シャッタの小型化と高速化を図ろうとすると、いずれにしてもカメラの不使用時における羽根相互間からの漏光対策が重要になってくる。
【0005】
このような漏光の原因となる光は、カメラ内、特にミラーボックス内で乱反射し、想像できないような角度で、シャッタの露光開口に入ってくる。そして、その漏光は、上記した羽根相互間で生じるものに限らず、各羽根群の支持構成、ひいてはシャッタの全体構成によって生じることもあり、どちらかというと、そちらの原因による漏光の方が大きい場合がある。漏光によって生じるフィルムの感光は、それらの各原因によって生じる漏光の総合した光によって行われるものであるから、羽根相互間以外から入ってくる光を効果的に抑えることができれば、羽根相互間から入ってくる光については或る程度許されるということにもなるわけである。極言すれば、羽根相互間以外から入ってくる光を効果的に抑えることができれば、シャッタの小型化と高速化が容易になるとも言えるわけである。
【0006】
そこで、羽根相互間から入ってくる場合も含めて、露光開口内に入ってきたどのような光を問題にしなければならないのかを、図11〜図13に示した従来例の構成で説明する。尚、図11は従来例を透視的に描いた平面図である。図12及び図13は、いずれも図11のC−C線断面図であり、図12は図11と同じセット状態を、図13はレリーズ後の状態を示したものである。
【0007】
先ず、この従来例の構成から説明するが、図11〜図13に示された構成は、後述する本発明の実施例の構成と一部の部材の形状が異なるだけであるため、各符号は実施例の符号と同じにしてある。従って、ここでは最小限必要な構成を中心にして説明することにし、その他の詳しい構成説明は実施例の説明に譲ることにする。図12に示すように、シャッタ地板1には、所定の間隔を空けて中間板12と補助地板23が取り付けられており、シャッタ地板1と中間板12によって形成されている空間領域が先羽根群4の羽根室であり、中間板12と補助地板23によって形成されている空間領域が後羽根群13の羽根室となっている。
【0008】
また、シャッタ地板1,中間板12,補助地板23には夫々開口部1a,12a,23aが形成されていて、周知のようにそれらの合成によってシャッタユニットとしての長方形の露光開口が形成されている。そして、補助地板23には、上下位置に遮光壁23m,23nが形成されていて、遮光壁23nには緩衝部材24が取り付けられている。更に、先羽根群4は二つのアーム5,6に5枚の羽根7,8,9,10,11を枢支して構成されており、図12においてアーム5,6はシャッタ地板1側に配置されている。従って、先羽根群4のスリット形成羽根は羽根7ということになる。
【0009】
同様にして、後羽根群13は二つのアーム14,15に5枚の羽根16,17,18,19,20を枢支して構成されているが、図12においてアーム14,15は補助地板23側に配置されているので、後羽根群13のスリット形成羽根は羽根16になる。そして、このような構成のシャッタユニットは、カメラ内において、シャッタ地板1をレンズ側に、補助地板23をフィルム25側にして、カメラボディー26に取り付けられている。
【0010】
上記したように、図12はシャッタのセット状態を示し、図13はレリーズ直後の状態を示しているが、これらの図には主な光の進路を矢印で示してある。図12はセット状態であるから、先羽根群4は展開状態となって露光開口を覆っており、後羽根群13は重畳されて上方位置に格納されている。このような状態においては、上記したようにアーム5,6がシャッタ地板1側に存在するので羽根11は中間板12と密接状態に近い状態になっているが、羽根7とシャッタ地板1との間は密接させることが不可能である。従って、上記した各羽根の相互の重なり部から入射してくる光のほかに、シャッタ地板1と各羽根の間から入射してくる光に対しても配慮しなければならない。
【0011】
ところで、シャッタ地板1と各羽根の間から入射してくる光に対しては、図11において開口部1aの上下方向に向けて入射してくる光を考慮しておけば、漏光による感光防止が一応可能となる。即ち、図11において開口部1aの右方向に向けてシャッタ地板1の内側に入射しようとする光は、後述する実施例の説明から分かるように、各羽根7,8,9,10,11の先端が先羽根用押さえ板2と中間板12の間に挟まれているので、入射しにくくなっている。また、開口部1aの左方向に向けてシャッタ地板1の内側に入射した光は、フィルム面に達する可能性が比較的少ない。その理由は、開口部1aの左縁部からシャッタ地板1の左端までの距離が大きいので、その間で反射を繰り返すことによって減衰され、最終的にフィルム面に向けて到達する光は問題視しなくて良い程度になっているからである。
【0012】
そのため、このセット状態において問題となるのは、シャッタ地板1と各羽根の間から開口部1aの上下方向に向けて入射してくる光と、先羽根群4の羽根相互間から入射してくる光ということになる。勿論、その他から入射してくる光も無いわけではないが、主としてそれらの光を問題視しなければいけないということである。図12に示すように、シャッタ地板1とスリット形成羽根7の間から開口部1aの上方向へ向けて入射した光は、遮光壁23mによって反射され、一部は中間板12の開口部12aからフィルム面に達し、また、他の一部は中間板12の上方から後羽根群の羽根室に侵入して、フィルム面に達することになる(後羽根群のアーム7,8は羽根16と補助地板23の間に配置されているので、羽根16と補助地板23の間の隙間は比較的大きい)。
【0013】
更に、シャッタ地板1と羽根11の間から開口部1aの下方向へ向けて入射した光は、緩衝部材24によって反射され、また緩衝部材24を備えていない場合には遮光壁23nによって反射され、中間板12の下方から後羽根群の羽根室に侵入してフィルム面に達することになる。他方、上記の場合よりは僅かな漏光であるが、カメラに振動が加わった場合には、羽根相互間から上方へ向けて入射しフィルム面に達することになる。セット状態においては、これらの光を含めた合計の光を対象に漏光対策を立てることになる。
【0014】
次に、図13によって、レリーズ直後の状態について説明する。周知のように、最近では、撮影終了後、直ちにフィルムが巻き上げられ、同時にシャッタもセットされてしまうカメラが多くなってきたので、このような状態における漏光対策を考えなくても良いようになってきてはいるが、シャッタの設計上においては、カメラ側の仕様に関係なく、漏光対策を講じておく必要がある。図13から分かるように、開口部1aの上方向へ向けて入射した光は、遮光壁23mによって反射されて中間板12の上方から後羽根群の羽根室に侵入し、フィルム面に達する。
【0015】
また、開口部1aの下方向へ向けて入射した光は、中間板12の開口部12aから後羽根群の羽根室に侵入し、緩衝部材24又は遮光壁23nによって反射されてフィルム面に達することになる。他方、カメラに振動が加わった場合には、後羽根群13の羽根相互間から上方へ向けて入射しフィルム面に達することになる。そして、漏光対策は、これらの光を含めた合計の光を対象にして行うことになる。そこで、従来は、このようにしてシャッタユニット内に入射した光が、出来るだけフィルム面に達しないようにするために、部品の寸法精度及び組立精度を良くし、且つ羽根室内の構成部品の全てに反射防止塗装を施している。
【0016】
尚、上記の従来例においては、図12において、中間板12の上下端と、補助地板23の遮光壁23m,23nとの間に意図的に隙間が設けられているが、これは、説明するまでもなく、周知の目的のために、中間板12が図12の左右方向に僅かに移動できるように構成されているからである。しかし、シャッタによっては、中間板12が左右へ移動できないように構成したものもある。従って、そのような構成のシャッタにおいては、中間板12の上下端と、補助地板23の遮光壁23m,23nとの間には、原則として隙間が生じないように設計されている。しかし、製作上、完全に隙間がないようにすることは極めて困難であるため、そのような構成のシャッタにおいても、中間板12の上下端からの漏光対策が講じられていると好都合である。従って、本発明は、そのような構成のシャッタをも対象にしている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
シャッタ地板の開口部からシャッタユニット内に入射した光は、種々の経路を経て反射を繰り返し、減衰されてフィルム面に達する。そして、漏光によるフィルム面の感光はそれらの総計の光によって行われる。そのため、本来は、それらの経路を全て完全に遮断することが理想であるが、そのようなことは極めて困難である。また、逆の見方をすれば、完全に遮断できなくても、無視できる程度に減衰されていれば問題がないということも言える。そこで、上記した従来例のように、シャッタ地板と補助地板の間に中間板を配置し、個別に二つの羽根室を設けるように構成したシャッタにおいては、中間板の開口部を通ってフィルム面に達する光と、図12において中間板の上下位置から入りフィルム面に達する光とを、或る程度のレベルにまで抑制できるようにすることが必要になる。従来は、そのために、部品精度,組立精度を上げることによって光の通過する間隙を極力小さくしたり、構成部品の全てに高価な反射防止塗装を施して光を極力吸収するようにして対策を講じていたため、それらの加工が極めて面倒であってコストアップの要因になっていた。
【0018】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、シャッタ地板と補助地板の間に中間板を配置し、個別に二つの羽根室を設けるように構成したシャッタにおいて、主として中間板の形状を工夫することによって、従来以上に大きな漏光防止効果を得られるようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明におけるフォーカルプレンシャッタは、各々開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられておりカメラ内において一方をレンズ側にし他方をレンズとは反対側にして配置される二つの地板と、前記各開口部と共に長方形の露光開口を構成するための開口部が形成されており前記二つの地板の間に配置されていて該二つの地板との間に夫々羽根室を形成する中間板と、複数の羽根を有していて前記羽根室の一方に配置されており露光作動時には前記露光開口を覆っている展開位置から該露光開口の一対の長辺を横切る方向へ作動し該露光開口から退いた重畳位置まで移動する先羽根群と、複数の羽根を有していて前記羽根室の他方に配置されており露光作動時には前記先羽根群と同じ方向へ作動して前記露光開口から退いている重畳位置から該露光開口を覆った展開位置まで移動する後羽根群とを備えており、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿う二つの外周部に前記羽根室の両方を覆う遮光壁が各々設けられており、前記中間板には、前記他方の地板に設けられた遮光壁の近傍位置に前記長辺の長さ方向に沿うようにして該長辺の長さと略同じかそれ以上に長い少なくとも一つの折曲形状をした遮光壁が、前記羽根室の一方を覆うようにして形成されているようにする。
【0021】
また、本発明のフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記他方の地板に形成された二つの遮光壁のうち、少なくとも一方の遮光壁には、前記羽根室側の面に反射防止シートが貼られているようにする。
また、本発明のフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記中間板には、前記長辺の長さ方向に沿うようにして該長辺の長さと略同じかそれ以上に長い突出部が、前記レンズ側の地板に向けて、該長辺の少なくとも一方の近傍位置に形成されているようにする。
【0022】
また、本発明のフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記他方の地板は、その開口部の周縁部のうち前記長辺と略平行となる周縁部の少なくとも一方が、前記中間板側に向けて斜めに張り出してから反対に羽根室外側へ向けて斜めに張り出すようにして形成されているようにする。
また、本発明のフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿うようにして前記長辺の長さと略同じかそれ以上に長い突出部が、前記長辺の少なくとも一方の辺の近傍位置に、前記中間板に向けて形成されているようにする。
【0023】
また、上記の目的を達成するために、本発明のフォーカルプレンシャッタは、各々開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられておりカメラ内において一方をレンズ側にし他方をレンズとは反対側にして配置される二つの地板と、前記各開口部と共に長方形の露光開口を構成するための開口部が形成されており前記二つの地板の間に配置されていて該二つの地板との間に夫々羽根室を形成する中間板と、複数の羽根を有していて前記羽根室の一方に配置されており露光作動時には前記露光開口を覆っている展開位置から該露光開口の一対の長辺を横切る方向へ作動し該露光開口から退いた重畳位置まで移動する先羽根群と、複数の羽根を有していて前記羽根室の他方に配置されており露光作動時には前記先羽根群と同じ方向へ作動して前記露光開口から退いている重畳位置から該露光開口を覆った展開位置まで移動する後羽根群とを備えており、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿う二つの外周部に前記羽根室の両方を覆う遮光壁が各々設けられており、前記中間板には、前記長辺の長さ方向に沿うようにして該長辺の長さと略同じかそれ以上に長い突出部が、前記レンズ側の地板に向けて、該長辺の少なくとも一方の近傍位置に形成されているようにする。
【0024】
また、上記の目的を達成するために、本発明のフォーカルプレンシャッタは、各々開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられておりカメラ内において一方をレンズ側にし他方をレンズとは反対側にして配置される二つの地板と、前記各開口部と共に長方形の露光開口を構成するための開口部が形成されており前記二つの地板の間に配置されていて該二つの地板との間に夫々羽根室を形成する中間板と、複数の羽根を有していて前記羽根室の一方に配置されており露光作動時には前記露光開口を覆っている展開位置から該露光開口の一対の長辺を横切る方向へ作動し該露光開口から退いた重畳位置まで移動する先羽根群と、複数の羽根を有していて前記羽根室の他方に配置されており露光作動時には前記先羽根群と同じ方向へ作動して前記露光開口から退いている重畳位置から該露光開口を覆った展開位置まで移動する後羽根群とを備えており、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿う二つの外周部に前記羽根室の両方を覆う遮光壁が各々設けられており、前記他方の地板に形成された前記開口部の周縁部のうち前記長辺と略平行となる周縁部の少なくとも一方が、前記中間板側に向けて斜めに張り出してから反対に羽根室外側へ向けて斜めに張り出すようにして形成されているようにする。
【0025】
更に、上記の目的を達成するために、本発明のフォーカルプレンシャッタは、各々開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられておりカメラ内において一方をレンズ側にし他方をレンズとは反対側にして配置される二つの地板と、前記各開口部と共に長方形の露光開口を構成するための開口部が形成されており前記二つの地板の間に配置されていて該二つの地板との間に夫々羽根室を形成する中間板と、複数の羽根を有していて前記羽根室の一方に配置されており露光作動時には前記露光開口を覆っている展開位置から該露光開口の一対の長辺を横切る方向へ作動し該露光開口から退いた重畳位置まで移動する先羽根群と、複数の羽根を有していて前記羽根室の他方に配置されており露光作動時には前記先羽根群と同じ方向へ作動して前記露光開口から退いている重畳位置から該露光開口を覆った展開位置まで移動する後羽根群とを備えており、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿う二つの外周部に前記羽根室の両方を覆う遮光壁が各々設けられており、且つ前記長辺の長さ方向に沿うようにして前記長辺の長さと略同じかそれ以上に長い突出部が、前記長辺の少なくとも一方の辺の近傍位置に、前記中間板側に向けて形成されているようにする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図8に示した第1実施例と、図9に示した第2実施例と、図10に示した第3実施例によって説明する。尚、図1は第1実施例のセット状態を透視的に描いた平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。また、図3は第1実施例のレリーズ後の状態を透視的に描いた平面図であり、図4は図3のB−B線断面図である。更に、図5〜図8は、いずれも第1実施例を構成している部品又は羽根群の平面図であり、図1において概ね表面側から配置されている順に、図5(a),図5(b),図5(c),図6(a),図6(b),図7(a),図7(b),図7(c),図8(a),図8(b)として示したものである。図9は第2実施例のセット状態を第1実施例の図2と同様に切断して視た断面図であり、図10も同様にして切断して視た第3実施例の断面図である。
【0027】
先ず、第1実施例の構成を、図1及び図2と、図5〜図8を用いて説明する。シャッタ地板1の略中央部には開口部1aが形成されており、四隅には夫々カメラへ取り付けるための孔1bが形成されている。また、シャッタ地板1の左方には二つの円弧状の孔1c,1dが形成されている。更に、このシャッタ地板1には、軸1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1mが立設されている。そして、図5(a)から分かるように、これらの軸のうち軸1f,1h,1i,1j,1k,1mは背面側に立設されているが、軸1e,1gは表裏に貫通しており、表面側の直径が背面側の直径よりも大きくなるように形成されている。
【0028】
本実施例における各部材は、上記したシャッタ地板1の背面側において各軸に取り付けられているので、以下、原則として、シャッタ地板1の近くに配置されているものから順に詳細に構成を説明するが、その前に、全体の骨格を説明しておく。シャッタ地板1の背面側には、図2及び図4に示すように、夫々所定の間隔を空けて、中間板12と補助地板23が順に取り付けられており、中間板12と補助地板23にも上記開口部1aと類似の形状をした開口部12a,23aが形成されている。そして、通常は、それらの三つの開口部の合成によって、シャッタユニットとしての露光開口が、光軸を中心にして長方形に形成されるが、本実施例においては、実質上、開口部1aがその露光開口を規制している。また、本実施例の場合には、シャッタ地板1と中間板12の間に形成された空間領域が先羽根群4の羽根室となり、中間板12と補助地板23の間に形成された空間領域が後羽根群13の羽根室となっている。そして、このようなシャッタユニットをカメラに組み付けた場合には、シャッタ地板1がレンズ側になり、補助地板23がフィルム側となる。
【0029】
そこで、先ず、シャッタ地板1の軸1m,1kには、図5(b)に示す先羽根用押さえ板2が、孔2a,2bを嵌合させており、その後、軸1kにのみ図5(c)に示す間座3が嵌合されている。そして、それらは、いずれも各軸に対して軸方向に可動となっている。図6(a)に示すように、先羽根群4は、基本的には二つのアーム5,6と、それらに夫々枢支された5枚の羽根7,8,9,10,11で構成されており、このうち羽根7がスリット形成羽根となっている。また、アーム5,6は、シャッタ地板1に立設された軸1e,1fに回転可能に取り付けられており、アーム5には孔5aが形成されている。
【0030】
アーム5の孔5aには、周知のように、図示していない先羽根用駆動部材の作動ピンが嵌合するようになっている。即ち、先羽根用駆動部材は、シャッタ地板1の表面側において、軸1eに回転可能に取り付けられており、その作動ピンが上記した円弧状の孔1cを貫通して孔5aに嵌合するようになっている。従って、先羽根用駆動部材が先羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転されると、その作動ピンによってアーム5を時計方向に回転させる。そのため、各羽根7,8,9,10,11を介してアーム6も時計方向へ回転し、各羽根7,8,9,10,11が重畳されつつ開口部1a、即ち露光開口の下方へ作動するようになっている。
【0031】
次に、図6(b)に示したように、略中央部に開口部12aを形成した中間板12が、孔12b,12c,12dを軸1j,1k,1mに嵌合させることによってシャッタ地板1に取り付けられている。従って、先羽根群4は、全体としては、シャッタ地板1と中間板12との間の空間領域に配置されているものの、厳密に言えば、各羽根7,8,9,10,11の先端(図6(a)の右端)だけは、先羽根用押さえ板2と中間板12との間で作動することになる。
【0032】
また、この中間板12の上下端には、遮光壁12e,12fが設けられているが、図2,図4から分かるように、遮光壁12eはシャッタ地板1側に、遮光壁12fは補助地板23側に折り曲げられ、二つの空間領域を夫々覆うようになっている。即ち、遮光壁12e,12fは、各羽根群4,13が展開状態にあるとき、光軸よりみて各スリット形成羽根のある側の端部で各空間領域を覆うようになっている。更に、開口部12aの上下近傍位置には、図2,図4から分かるように、シャッタ地板1側に向けて突出部12g,12hが設けられている。そして、これらの遮光壁12e,12f及び突出部12g,12hは、露光開口、即ちシャッタ地板1に形成されている開口部1aの一対の長辺と略平行であって且つ該長辺よりも長く形成されている。
【0033】
中間板12の背面側には後羽根群13が配置されている。この後羽根群13も、基本的には上記した先羽根群4と同じ構成をしており、図7(a)に示すように、二つのアーム14,15と、それらに夫々枢支された5枚の羽根16,17,18,19,20で構成されており、このうち羽根16がスリット形成羽根となっている。また、アーム14,15は、シャッタ地板1に立設された軸1g,1hに回転可能に取り付けられており、アーム14には孔14aが形成されている。図示していない後羽根用駆動部材は、シャッタ地板1の表面側において、軸1gに回転可能に取り付けられ、その作動ピンが円弧状の孔1dを貫通して孔14aに嵌合している。従って、後羽根用駆動部材が後羽根用駆動ばねによって時計方向へ回転されると、その作動ピンによってアーム14を時計方向に回転させ、各羽根16,17,18,19,20を展開させつつ下方へ作動させて開口部1a、即ち露光開口を覆うようになっている。
【0034】
次に、シャッタ地板1の軸1mには、図7(b)に示す間座21が嵌合されており、その後、軸1m,1kに、図7(c)に示す後羽根用押さえ板22の孔22a,22bを嵌合させている。従って、後羽根群13の各羽根16,17,18,19,20の先端は、中間板12と後羽根用押さえ板22の間で作動することになる。そして、最後に、シャッタ地板1の軸1i,1j,1k,1mには、略中央部に開口部23aを形成した補助地板23が取り付けられている。
【0035】
この補助地板23の取り付け方は周知であるため、それに必要な詳細な構成を示していないが、軸1k,1mの先端近くには周面に環状の溝が形成されていて、軸1i,1jの先端面には軸方向に向けてネジ穴が形成されている。取り付けに際しては、補助地板23に形成されている瓢箪型の孔23b,23cの太い部分を軸1m,1kの先端部に挿入し、次に、補助地板23を左方へ移動させることによって孔23b,23cの細い部分を上記した環状溝に嵌合させ、最後に、図示していないビスを補助地板23に形成されている孔23d,23eに貫通させ、上記したネジ穴に螺合させるようにする。このようにして、補助地板23が取り付けられた状態においては、補助地板23に形成されている切欠き23f,23g,23h,23iが、シャッタ地板1の軸1g,1h,1f,1eに夫々嵌まりアーム14,15,6,5の抜け止めになる。尚、円弧状の孔23j,23kは、上記した各作動ピンの先端が当たらないようにするために形成されているものである。
【0036】
また、この補助地板23の上下端及び左右端には、遮光壁23m,23n,23p,23q,23rが、いずれもシャッタ地板1側に向けて折り曲げた形状にして設けられている。そのうち、遮光壁23m,23nは、図2,図4からも分かるように、中間板12の遮光壁12e,12fよりも外側となるようにして設けられており、遮光壁23nの上面には緩衝部材24(図8(a))が取り付けられている。また、開口部23aの下方近傍位置には、図2,図4から分かるように、中間板12側に向けて突出部23sが設けられている。そして、遮光壁23m,23n及び突出部23sは、露光開口、即ちシャッタ地板1に形成されている開口部1aの対向した一対の長辺と略平行であって且つ該長辺よりも長く形成されている。
【0037】
更に、この補助地板23の開口部23aを形成している周縁部には、折曲部23a1 ,23a2 ,23a3 ,23a4 が形成されている。図2及び図4から分かるように、本実施例のシャッタユニットは、フィルム25の前面位置でカメラボディー26に取り付けられるが、これらの折曲部23a1 ,23a2 ,23a3 ,23a4 は、いずれもフィルム25側に向けて斜めに張り出すようにして形成されており、しかも、そのうちの折曲部23a1 は、一旦中間板12側に向けて斜めに張り出した後に、フィルム25側に向けて張り出すように形成されている。
【0038】
尚、説明するまでもないことであるが、本実施例の構成部品は、緩衝部材24も含めて、全て表面が適度に粗面化され且つそこに通常の反射防止塗装が施されていて、光が当たるたびに吸収され、強さが減衰するようになっている。また、図2及び図4の断面図においては、説明の都合上、シャッタ地板1と補助地板23との間の寸法を故意に大きくしてあるが、実際には4mm程度以下のものである。従って、部材間の隙間も場所によっては作為的に大きくしてあるが、実際には目視で確認できない程度のものである。
【0039】
次に、本実施例の構成による漏光防止対策を中心にして、本実施例の作動を説明する。既に述べたように図1及び図2はシャッタのセット状態である。この状態において、シャッタ地板1とスリット形成羽根7の間から開口部1aの上方向へ向けて入射した光は、その殆どが中間板12の遮光壁12eによって反射されるが、断面が円弧状をした突出部12gに当たって方向を変えられ且つ散乱される。従って、全く関係ない方向へ反射されたり、また反射回数が増加することにより、中間板12の開口部12aを通過する光は極度に減衰され、問題視しなくて良い程度のものとなる。
【0040】
また、開口部1aの上方向へ向けて入射した光の一部は、シャッタ地板1と遮光壁12eの間を通って、補助地板23の遮光壁23mに当たり、遮光壁12eと遮光壁23mの間を通って後羽根群の羽根室に入射するものもあるが、遮光壁12eと遮光壁23mの間、羽根16と補助地板23の間などで反射を繰り返し、殆ど問題ない程度になってしまう。仮に問題となるような光が通過してきたとしても、折曲部23a1 に形成された斜面に当たり、実質的に問題がなくなってしまう。
【0041】
また、シャッタによっては補助地板23に遮光壁23mを設けていないものもあり、開口部1aに入射した光だけではなく、シャッタ地板1の上端とカメラボディー26の間から入ってきた光が後羽根群の羽根室内に入ってくる場合もあり得るが、そのような場合でも折曲部23a1 によって減光効果を発揮することが可能となる。また、先羽根群の羽根室内に入ろうとする光は、大部分が遮光壁12eによって阻止されるし、仮に遮光壁12eが設けられていない場合でも突出部12gによって反射されることになる。従って、本実施例においては、漏光防止精度を極度に良くするために、遮光壁12eと遮光壁23mを重ねて配置しているが、通常は、遮光壁23mに対向しているカメラボディー26の面にも反射防止塗装が施されているので、それらの遮光壁12e,23mのどちらか一方だけにしても良いし、カメラボディー26に対するシャッタユニットの組み付け構成の仕様次第では、両方共、設けなくて良い場合もあり得る。
【0042】
また、シャッタ地板1と羽根11の間から開口部1aの下方向へ向けて入射した光は、緩衝部材24によって反射され、また緩衝部材24を備えていない場合には遮光壁23nによって反射される。そして、その一部はシャッタ地板1と中間板12の間に戻ってくるが、突出部12hが形成されているために複雑な反射を行い、且つ羽根11と中間板12との間から入りにくいようになっている。他方、開口部1aの下方向へ向けて入射した光の一部が中間板12の下方から後羽根群13の羽根室内に侵入してくることがある。しかしながら、緩衝部材24又は遮光壁23nと遮光壁12fとの間で反射が繰り返されるので、殆ど問題がなくなっており、仮に遮光壁12fが設けられていなかったり、更に遮光壁23n及び緩衝部材24が設けられていなかったとしても、カメラボディー26に対するシャッタユニットの組み付け構成の仕様次第では、断面が円弧状をした突出部23sのみによって充分に減衰効果を上げることが可能である。
【0043】
他方、カメラに振動が加わった場合には、羽根相互間から光が漏れることがあるが、そのような光は、全体的には上方へ向けて入射することになる。しかしながら、その殆どは、断面が円弧状の突出部12gによって反射され、突出部12gの上方位置で反射を繰り返し、フィルムに影響を与えるような光が容易には中間板12の開口部12aに入ってこないことになる。また、一部の光が直接開口部12aに入ってくるが、それは、従来と同様に、補助地板23の開口部23aの周縁に形成されている折曲部の斜面によって反射されたりして、その他の隙間から入ってきた光との総計の光によっても実害を及ぼすようなことがない。
【0044】
このようなセット状態において、レリーズが行われると、図1において、先ず、図示していない先羽根用駆動部材が先羽根用駆動ばねによって、軸1eで時計方向へ回転され、その作動ピンがアーム5を時計方向へ回転させる。それによって先羽根群4の各羽根7,8,9,10,11は重畳されつつ下方へ走行し、露光開口、即ち開口部1aを開いていく。他方、先羽根群4が作動してから所定時間後に、図示していない後羽根用駆動部材が後羽根用駆動ばねによって始動する。そのため、後羽根群13は、アーム14の孔14aに嵌合している作動ピンによって作動され、各羽根16,17,18,19,20を展開させつつ下方へ走行し、最終的には露光開口を閉鎖して図3及び図4に示す状態となる。
【0045】
既に述べたように、最近では、このような状態に長く留まらせておくようにしたカメラは少ない。しかしながら、本実施例は、このような状態に長く留まらせておいても、フィルム面には実害を及ぼさない。即ち、開口部1aから入射し、上方向へ向けて入射した光は、遮光壁12eと遮光壁23mの間を通って後羽根群の羽根室に入射することになるが、遮光壁12eと遮光壁23mの間などで反射を繰り返し、殆ど問題ない程度になってしまう。また、後羽根群の羽根室に入射したものも、折曲部23a1 に形成された二つの斜面のうち、補助地板23から中間板12側に張り出すようにして形成された斜面に当たり、総体的には全く問題がなくなってしまう。
【0046】
また、中間板12と羽根16の間から開口部12aの下方向へ向けて入射した光の一部は、先ず遮光壁12fに反射されたあと、突出部23sに反射されるなどしてその都度減衰され、また、他の一部は、最初に突出部23sに反射されてから遮光壁12fに反射されるなどして減衰される。そのため、羽根16の下方から侵入し、フィルム面に害を及ぼす可能性はない。図4において、突出部23sの形成位置を、羽根16の作動に干渉しない範囲で、羽根16に近付ければ一層効果的となる。また、仮に、遮光壁12fが設けられていなくても、突出部23sが設けられていれば、通常の場合には問題がない。尚、セット状態の場合と異なり、レリーズ直後の状態においては、先羽根群4は重畳状態にあるので、シャッタ地板1と羽根7の間、又は中間板12と羽根11の間からの漏光については、問題にする必要がない。仮に、緩衝部材24が設けられておらず、そのスペースに空間ができていたとしても、その場合には、図2のセット状態において、上方から後羽根群13の羽根室に入っていく光の場合と同等であり、全く問題はない。
【0047】
他方、カメラに振動が加わった場合には、光は、セット状態の場合と同様に、総体的には羽根相互間から上方へ向けて入射することになるが、その殆どは、直接、羽根20の上方へ向けて進み、一部は折曲部23a1 に反射されて、やはり羽根20の上方へ進む。そして、時によっては該上方部で充分に減衰されずに開口部23aに向けて進行してくる場合があるかもしれないが、そのような場合があっても、折曲部23a1 に形成された二つの斜面のうち、補助地板23から中間板12側に張り出すようにして形成された斜面が、それらの一部を該上方部へ反射するので、総体的には全く問題がなくなってしまう。
【0048】
次に、フィルムの巻き上げに連動してシャッタのセット作動が行われる。このセット作動は、通常、先羽根群4を先に作動させ、スリット形成羽根7が、後羽根群13のスリット形成羽根16と所定量だけ重なったあとに、後羽根群13を作動させるようにして行われる。そのため、セット作動中に、二つのスリット形成羽根7,16の間からは殆ど漏光せず、また僅かに漏光しても、セット作動が短時間に行われるので、フィルム25に対して有害な感光を生じさせるようなことがない。このようにしてセット作動終了後は、図示していない先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とが、その位置に保持され、各構成部材は、図1及び図2の状態になる。
【0049】
尚、上記の実施例においては、図1において、折曲部23a1 の二つの斜面のうち中間板12側に張り出した斜面と、遮光壁12e,12f,23m,23nと、突出部12g,12h,23sとの左右方向の長さを、いずれも、露光開口(実施例においては開口部1a)を規制している四辺のうち各羽根群4,13の作動方向と交差している一対の辺(長辺)の長さよりも長くなるように形成しているが、漏光防止効果をより良く得ようとするためには、少なくともその長さを、該対向辺と略同じ長さにするか、本実施例のように長めに形成することが好ましい。また、上記の実施例においては、中間板12の遮光壁12fが、補助地板23側に曲げたようにして形成されているが、それをシャッタ地板1側に曲げたようにして形成しても差し支えない。その場合には、緩衝部材24を設ける意味がなくなるから、先羽根群の停止には周知の他の制動部材や緩衝部材を関与させることになる。
【0050】
次に、本発明の第2実施例を、図9を用いて説明する。尚、本実施例は、第1実施例の構成と一部の構成が異なるだけであるから、第1実施例の場合と同一の部材,部位には同一の符号を付け、それらについての詳細な説明を省略する。本実施例の構成が、第1実施例の場合と異なるのは、第1実施例における中間板12の遮光壁12eが、シャッタ地板1側に曲げたようにして形成されているのに対して、本実施例における遮光壁12e′が補助地板23側に曲げたようにして形成されていることと、補助地板23の遮光壁23mの内側(下側)に反射防止シート27が接着されていることである。そして、反射防止シート27の一例としては、通常、ミラーボックスの内面に貼られている植毛紙が好適である。
【0051】
本実施例は、このような構成にしたことによって、先羽根群4の羽根室内において、反射防止シート27の面が、第1実施例における遮光壁12eの面よりも僅かとはいえ上方位置になり、また、反射防止シート27を植毛紙にした場合には、非常に反射回数が増大し且つ反射方向が多岐になるので、光の吸収,散乱が顕著となり、減衰効果が大きくなる。また、そこで反射された光の一部が、反射防止シート27と遮光壁12e′との間に入り込むが、それらの間で反射を繰り返すことによって殆ど問題がないようになってしまう。従って、それらの間を通って後羽根群13の羽根室内に入ってくる光については無視することが可能になる。
【0052】
更に、本発明の第3実施例を、図10を用いて説明する。本実施例は、第1実施例及び第2実施例の構成と一部の構成が異なるだけであるから、第1実施例及び第2実施例の場合と同一の部材,部位には同一の符号を付け、それらについての説明を省略する。本実施例の構成が、第2実施例の場合と異なるのは、補助地板23に遮光壁23mが形成されていないことと、植毛紙等の反射防止シート27′がカメラボディー26に貼られており、シャッタ地板1と補助地板23の上端が、その反射防止シート27′に接触させていることである。
【0053】
このように、カメラによっては、内部に反射防止シート27′を貼るようにしたものがあるので、その場合には、遮光壁23mが形成されていなくても第2実施例の場合と同じ効果を発揮させることができ、且つ遮光壁23mの厚さ分だけシャッタの上下寸法を小さくすることが可能になる。また、本実施例においては、中間板12の遮光壁12e′が、補助地板23側に曲げたようにして形成されているが、これを、第1実施例の遮光壁12eのように、シャッタ地板1側に曲げたようにして形成しても差し支えない。そして、そのようにした場合には、先羽根群4の作動に影響を与える心配がないことから、本実施例の遮光壁12e′の位置よりも僅かに下方位置に形成することが可能となり、その分だけ、更に、シャッタの上下寸法を小さくすることが可能になる。
【0054】
尚、上記の各実施例は、各羽根群4,13が、露光作動時に下方へ走行する形式のシャッタとして示したが、本発明は、露光作動時に、逆に上方へ走行する形式のシャッタにも適用することができる。また、上記の各実施例において、二つの地板1,23と中間板12は、夫々、金属製であっても合成樹脂製であっても差し支えない。更に、上記の各実施例においては、先羽根群4が、レンズ側の羽根室、即ち、シャッタ地板1と中間板12との間に配置されているが、フィルム側の羽根室、即ち、中間板12と補助地板23との間に配置されているタイプのシャッタにも適用することが可能である。そして、その場合には、露光開口の二つの長辺のうち先羽根群4が展開していく方向(セット方向)の長辺の近傍位置において、該長辺と略平行となるようにして、中間板に、フィルム側に突き出た突出部を形成すると好適である。
【0055】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、特に部材を増やすことなく、既存の部材の形状を工夫するだけで、全体の漏光量を抑制することができるので、フォーカルプレンシャッタの小型化,高速化にとって極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のセット状態を透視的に描いた平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】第1実施例のレリーズ後の状態を透視的に描いた平面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】第1実施例を構成している一部の部品の平面図であり、図1において表面側から順に配置されている三つの部品を、図5(a),図5(b),図5(c)として示したものである。
【図6】第1実施例を構成している羽根群と部品の平面図であり、図1において、図5(c)に示した部品の背面側に配置されている順に図6(a),図6(b)として示したものである。
【図7】第1実施例を構成している羽根群と部品の平面図であり、図1において、概ね、図6(b)に示した部品の背面側に配置されている順に図7(a),図7(b),図7(c)として示したものである。
【図8】第1実施例を構成している一部の部品の平面図であり、図1において、図7(c)に示した部品の背面側に配置されている二つの部品を、図8(a),図8(b)として示したものである。
【図9】第2実施例のセット状態を第1実施例の図2と同様に切断して視た断面図である。
【図10】第3実施例のセット状態を第1実施例の図2と同様に切断して視た断面図である。
【図11】従来例のセット状態を透視的に描いた平面図である。
【図12】図11のC−C線断面図であり、図11同様セット状態を示したものである。
【図13】図11のC−C線断面図であり、レリーズ後の状態を示したものである。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a,12a,23a 開口部
1b,1c,1d,2a,2b,5a,12b,12c,12d,14a,23b,23c,23d,23e,23j,23k 孔
1e,1f,1g,1h,1i,1j,1k,1m 軸
2 先羽根用押さえ板
3,21 間座
4 先羽根群
5,6,14,15 アーム
7,8,9,10,11,16,17,18,19,20 羽根
12 中間板
12e,12e′,12f,23m,23n,23p,23q,23r遮光壁
12g,12h,23s 突出部
13 後羽根群
22 後羽根用押さえ板
23 補助地板
23a1 ,23a2 ,23a3 ,23a4 折曲部
23f,23g,23h,23i 切欠き
24 緩衝部材
25 フィルム
26 カメラボディー
27,27′ 反射防止シート

Claims (8)

  1. 各々開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられておりカメラ内において一方をレンズ側にし他方をレンズとは反対側にして配置される二つの地板と、前記各開口部と共に長方形の露光開口を構成するための開口部が形成されており前記二つの地板の間に配置されていて該二つの地板との間に夫々羽根室を形成する中間板と、複数の羽根を有していて前記羽根室の一方に配置されており露光作動時には前記露光開口を覆っている展開位置から該露光開口の一対の長辺を横切る方向へ作動し該露光開口から退いた重畳位置まで移動する先羽根群と、複数の羽根を有していて前記羽根室の他方に配置されており露光作動時には前記先羽根群と同じ方向へ作動して前記露光開口から退いている重畳位置から該露光開口を覆った展開位置まで移動する後羽根群とを備えており、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿う二つの外周部に前記羽根室の両方を覆う遮光壁が各々設けられており、前記中間板には、前記他方の地板に設けられた遮光壁の近傍位置に前記長辺の長さ方向に沿うようにして該長辺の長さと略同じかそれ以上に長い少なくとも一つの折曲形状をした遮光壁が、前記羽根室の一方を覆うようにして形成されていることを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記他方の地板に形成された二つの遮光壁のうち、少なくとも一方の遮光壁には、前記羽根室側の面に反射防止シートが貼られていることを特徴とする請求項に記載のフォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記中間板には、前記長辺の長さ方向に沿うようにして該長辺の長さと略同じかそれ以上に長い突出部が、前記レンズ側の地板に向けて、該長辺の少なくとも一方の近傍位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォーカルプレンシャッタ。
  4. 各々開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられておりカメラ内において一方をレンズ側にし他方をレンズとは反対側にして配置される二つの地板と、前記各開口部と共に長方形の露光開口を構成するための開口部が形成されており前記二つの地板の間に配置されていて該二つの地板との間に夫々羽根室を形成する中間板と、複数の羽根を有していて前記羽根室の一方に配置されており露光作動時には前記露光開口を覆っている展開位置から該露光開口の一対の長辺を横切る方向へ作動し該露光開口から退いた重畳位置まで移動する先羽根群と、複数の羽根を有していて前記羽根室の他方に配置されており露光作動時には前記先羽根群と同じ方向へ作動して前記露光開口から退いている重畳位置から該露光開口を覆った展開位置まで移動する後羽根群とを備えており、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿う二つの外周部に前記羽根室の両方を覆う遮光壁が各々設けられており、前記中間板には、前記長辺の長さ方向に沿うようにして該長辺の長さと略同じかそれ以上に長い突出部が、前記レンズ側の地板に向けて、該長辺の少なくとも一方の近傍位置に形成されていることを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
  5. 前記他方の地板は、その開口部の周縁部のうち前記長辺と略平行となる周縁部の少なくとも一方が、前記中間板側に向けて斜めに張り出してから反対に羽根室外側へ向けて斜めに張り出すようにして形成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のフォーカルプレンシャッタ。
  6. 各々開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられておりカメラ内において一方をレンズ側にし他方をレンズとは反対側にして配置される二つの地板と、前記各開口部と共に長方形の露光開口を構成するための開口部が形成されており前記二つの地板の間に配置されていて該二つの地板との間に夫々羽根室を形成する中間板と、複数の羽根を有していて前記羽根室の一方に配置されており露光作動時には前記露光開口を覆っている展開位置から該露光開口の一対の長辺を横切る方向へ作動し該露光開口から退いた重畳位置まで移動する先羽根群と、複数の羽根を有していて前記羽根室の他方に配置されており露光作動時には前記先羽根群と同じ方向へ作動して前記露光開口から退いている重畳位置から該露光開口を覆った展開位置まで移動する後羽根群とを備えており、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿う二つの外周部に前記羽根室の両方 を覆う遮光壁が各々設けられており、前記他方の地板に形成された前記開口部の周縁部のうち前記長辺と略平行となる周縁部の少なくとも一方が、前記中間板側に向けて斜めに張り出してから反対に羽根室外側へ向けて斜めに張り出すようにして形成されていることを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
  7. 前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿うようにして前記長辺の長さと略同じかそれ以上に長い突出部が、前記長辺の少なくとも一方の辺の近傍位置に、前記中間板に向けて形成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のフォーカルプレンシャッタ。
  8. 各々開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられておりカメラ内において一方をレンズ側にし他方をレンズとは反対側にして配置される二つの地板と、前記各開口部と共に長方形の露光開口を構成するための開口部が形成されており前記二つの地板の間に配置されていて該二つの地板との間に夫々羽根室を形成する中間板と、複数の羽根を有していて前記羽根室の一方に配置されており露光作動時には前記露光開口を覆っている展開位置から該露光開口の一対の長辺を横切る方向へ作動し該露光開口から退いた重畳位置まで移動する先羽根群と、複数の羽根を有していて前記羽根室の他方に配置されており露光作動時には前記先羽根群と同じ方向へ作動して前記露光開口から退いている重畳位置から該露光開口を覆った展開位置まで移動する後羽根群とを備えており、前記他方の地板には、前記長辺の長さ方向に沿う二つの外周部に前記羽根室の両方を覆う遮光壁が各々設けられており、且つ前記長辺の長さ方向に沿うようにして前記長辺の長さと略同じかそれ以上に長い突出部が、前記長辺の少なくとも一方の辺の近傍位置に、前記中間板側に向けて形成されていることを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
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