JP3801294B2 - 連結装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1被連結部材にオス部材を設け、第2被連結部材に前記オス部材が入込み可能なメス部材を設け、前記オス部材を前記メス部材に挿入することにより、前記第1被連結部材と前記第2被連結部材とを互いに連結自在に構成し、前記オス部材が前記メス部材に挿入されるに伴って、前記オス部材の先端部が拡径される拡径機構を設け、前記メス部材に、拡径された前記オス部材の外面と当接して前記オス部材の抜け出しを阻止する抜止面を設けた連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の連結装置は、例えば図11および図12に示すごとく、被連結部材がトンネルを形成するシールドセグメントであって、これらセグメントどうしを連結するのに用いられる。
連結に際しては、既に設置された一方のセグメントに設けたメス部材4に対し、新たに連結する他方のセグメントに設けたオス部材3を挿入する。その後、前記オス部材3が前記メス部材4に所定深さまで挿入されると、前記オス部材3と前記メス部材4とに亘って設けられた拡径機構Eによって前記オス部材3が拡径され、オス部材3が前記メス部材の抜止面28と当接して、前記オス部材3と前記メス部材4とを連結固定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図11に示すごとく、前記メス部材4の抜止面28と前記拡径機構Eである芯部材26との間隔dが狭い場合には、前記オス部材3の拡径可能部5が、これら抜止面28と芯部材26との間に侵入することができない。この場合には、前記拡径可能部5が座屈したり、あるいは、前記拡径可能部5が薄く変形したりして、前記オス部材3と前記メス部材4とが適切に連結できないおそれが生じる。
一方、図12に示したごとく、前記メス部材4の抜止面28と前記拡径機構Eである芯部材26との間隔dが広過ぎる場合には、前記オス部材3の拡径変形が終了した状態で、前記拡径可能部5の外面と前記抜止面28との間に隙間が残存する。この場合、双方のセグメントに引張力が作用すると、前記隙間の分だけ双方のセグメントは容易に離間することとなり不都合が生じる。
【0004】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、安定した連結性能を発揮し得る連結装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(構成1)
本発明の特徴構成は、請求項1に記載したごとく、拡径機構を、メス部材の内部に設けられていて、挿入されるオス部材の先端部の内部に嵌入して当該先端部を拡径させる芯部材と、前記オス部材の挿入に際して、予め設定した荷重が加わった場合に変形し、前記芯部材の外面と前記メス部材の抜止面との間隔を拡大する変形部材とを備えて構成した点にある。
(作用・効果)
本構成のごとく、前記芯部材の外面と前記メス部材の抜止面との間隔が拡大可能であれば、当該間隔を前記オス部材の先端部の厚みよりも狭く作製しておいても、前記オス部材を確実に挿入することができる。
しかも、前記拡径機構は一定荷重で変形するものであるから、前記オス部材は、前記芯部材の外面および前記メス部材の抜止面から略一定の挟圧力を受けながら、前記メス部材の内部に侵入することとなる。よって、前記オス部材と前記メス部材との連結が終了した状態で、両者の間には一切のガタが残存せず、強固な連結部を構成することができる。
また、前記オス部材は一定の力で挟持されているから、連結終了後に前記オス部材と前記メス部材との間に引張力が作用したとしても、両者が離間する機会が極めて少ない。
さらに、前記拡径機構を備えた結果、前記間隔の製作誤差を厳しく管理する必要がなくなり、前記連結装置の製作の手間を省くこともできる。
【0006】
(構成2)
本発明の連結装置は、請求項2に記載したごとく、前記変形部材を、前記オス部材の挿入方向において、前記芯部材と前記メス部材との間に介装された略円筒状の金属部材とし、前記メス部材の内部に挿入された前記オス部材が、前記芯部材に対して前記オス部材の挿入方向に沿う押圧力を与えることで、前記変形部材が面外変形するものとして構成することができる。
(作用・効果)
本構成のごとく、前記変形部材を略円筒状とし、その軸芯方向から押圧力を加える構成にすれば、形状そのものが単純である等の理由から、その変形性状を把握し易い。よって、個々の変形部材の変形特性を均一化することが容易である。また、当該変形部材を金属で構成すれば、金属が有する塑性変形能を有効に利用できるから、求める変形性状をより忠実に前記変形部材に付与することも可能となる。
【0007】
(構成3)
さらに、本発明の連結装置は、請求項3に記載したごとく、前記変形部材の壁面に対し、当該壁面から突出すると共に前記変形部材の周方向に延設したフランジ部を、少なくとも一つ形成して構成することができる。
(作用・効果)
例えば、前記フランジ部を前記変形部材の軸芯方向中央部に形成すれば、二つの筒状部分を前記フランジ部の両側に直列に配置した構成になる。この場合には、夫々の筒状部分が、順次、面外変形を生じさせることとなり、一定荷重Pを発生させる変形範囲を広げることができる。よって、前記間隔を設定する際の自由度がより広くなって好都合である。
尚、前記フランジの数、位置を適宜設定すれば、前記変形部材に任意の変形特性を付与することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の連結装置は、例えば、トンネル等を構築する際に用いられるダクタイルセグメントやスチールセグメント、あるいは、コンクリートセグメント(これらを総称して「セグメント」という)をトンネル軸芯方向およびトンネル周方向に多数連結する場合などに用いる。以下の実施形態においては、ダクタイルセグメントを用いた例を示す。
【0009】
(概 要)
本発明の連結装置は、図1から図5に示すごとく、既に設置されている第1被連結部材Aである第1セグメント1の一側面に設けたオス部材3と、新たに接続する第2被連結部材Bである第2セグメント2の他側面に設けたメス部材4とで構成される。
前記第1セグメント1と前記第2セグメント2とを連結する際には、両者を押し付けて前記オス部材3を前記メス部材4の内部に挿入させ、前記オス部材3の先端部に設けた拡径可能部5を拡径変形させることにより前記メス部材4と係合させる。
図3から図5に示すごとく、本発明の連結装置においては、前記オス部材3を取り囲む状態の囲繞部Cを前記第1セグメント1に形成し、一方、前記第2セグメント2には、前記囲繞部Cに挿入自在であって、その内部に前記オス部材3を挿入させることが可能な前記メス部材4を設けてある。即ち、前記オス部材3を前記囲繞部Cで取囲む構成にして、前記オス部材3を他物との衝突による損傷等から保護し、前記第1セグメント1等の運搬性・作業性を向上させている。
前記囲繞部Cの開口部周辺には、前記メス部材4が挿入し易いように傾斜面C1を設けておくとよい。
また、本実施形態においては、特に、前記メス部材4を前記第2セグメント2に対して移動可能に構成している。これにより、セグメントどうしの連結作業が容易に行なえるうえ、前記第1セグメント1と前記第2セグメント2との間に作用する剪断力の許容範囲も大きくすることができる。この点に関する詳細な説明は後に述べる。
【0010】
前記オス部材3および前記メス部材4をセグメントに取付けるには、図2に示すごとく、前記オス部材3の取付け位置近傍にあたる前記第1セグメント1の周壁部の肉厚、および、前記メス部材4の取付け位置近傍にあたる前記第2セグメント2の周壁部の肉厚は、他の周壁部分の肉厚に比べて大きく形成しておくと良い。本構成にすることで、前記オス部材3と前記メス部材4とを押付け連結する際に、第1セグメント1の周壁部、および、第2セグメント2の周壁部が面外変形するのを阻止するから、前記オス部材3と前記メス部材4とが確実に連結されない事態が生じるのを防止することができる。
また、当該肉厚を増大させるのに加えて、あるいは、肉厚を増大させる代わりに、図10に示すごとく、前記囲繞部Cの背面側、および、前記メス部材4を取付けた周壁部の背面側にリブ等を設けて前記面外変形を阻止するものであってもよい。
【0011】
(オス部材)
前記オス部材3の詳細について説明する。
本実施の形態においては、図3から図5に示すごとく、前記第1セグメント1に第1凹部6を形成し、当該第1凹部6の周壁をもって前記囲繞部Cを構成する。当該囲繞部Cは、例えば、前記第1セグメント1を鋳造する際に、鋳込み成形することができる。
前記オス部材3は、前記第1凹部6の最奥部から突出するように設け、前記第1凹部6の深さを、前記オス部材3の突出長さよりも深く形成してある。これにより、前記オス部材3の先端が前記第1凹部6内に引退するから、前記オス部材3の保護が確実となる。
本構成によって、前記第1セグメントの連結面7を突出部材のない平滑面にできるから、トンネルを掘削する際に、既設されたセグメントの当該連結面7をシールドマシンのジャッキ反力受部として何ら支障なく使用することができる。
【0012】
前記オス部材3の全体形状は略円筒状を呈する。その一端は、前記メス部材4に挿入して拡径される拡径可能部5をなし、他端は、前記第1セグメント1に取付けるためのオス側胴部8をなす。前記オス側胴部8の外面にはオス側ネジ部9が形成してある。オス部材3は、一般の鋼材を用いて構成してもよいし、アルミニウムあるいは銅等の変形が容易な材料によっても構成することができる。
一方、前記第1凹部の底部10にはオス側取付穴11を形成してあり、前記オス側胴部8を前記オス側取付穴11に挿入させた後、オス側ナット部材12を前記オス側ネジ部9に螺着して、前記オス部材3を前記第1セグメント1に取付ける。
前記オス側胴部8と前記拡径可能部5との境界位置には、前記オス部材3の長手方向に垂直な面であって、前記オス側胴部8の方向を向くオス側段部13が形成されている。前記オス側取付穴11への前記オス側胴部8の挿入は、前記オス側段部13が、前記第1凹部の底部10の表面に当接するまで行う。これにより、前記底部10の表面からの前記オス部材3の突出長さが決定される。
尚、前記オス部材3を前記第1セグメント1に取付けるには、この他に、嵌入、溶接など種々の方式を用いることができる。
【0013】
前記拡径可能部5には、図3に示すごとく、前記オス部材3の長手方向に沿った複数条のスリット14を形成し、前記オス部材3をその周方向に分割した状態に形成してある。これにより、前記拡径可能部5の拡径が容易となる。
図示は省略するが、前記オス部材3の外形は、何れの部位の外径も略等しい略円筒形状である。この構成によれば、前記メス部材4への挿入が比較的容易であり、かつ、挿入後、前記オス部材3を、後述する前記メス部材4の内面と当接させるべく前記拡径可能部5の外面が略円錐状になるまで拡径させる際の角度を小さくできる。
前記拡径可能部5の外面5Aおよび内面5Bは、例えば、複数の細かな凹凸を設ける等して粗面に形成するとよい。当該構成であれば、後述するごとく、前記オス部材3と前記メス部材4との連結程度を強固にすることができる。
前記オス部材3の先端部外面には、前記メス部材4への挿入を容易にすべく、先細状のオス部材先端傾斜面15を形成してある。
【0014】
(メス部材)
次に、前記メス部材4の詳細を以下に説明する。
前記メス部材4は、図3から図5に示すごとく、前記第2セグメント2に形成された第2凹部16に設けられている。ただし、前記メス部材4は、前記第2セグメントの連結面17より突出した状態となっている。
前記メス部材4を前記第2凹部16に設けるのは、前記第1セグメント1と前記第2セグメント2との間に作用する剪断力の許容範囲を高めるためである。つまり、連結部に何らかの剪断力が作用しても、前記メス部材4は、前記連結面17の延出方向に沿って所定距離だけ移動し、その後、前記メス部材4の外周面が前記第2凹部16と当接するから、前記メス部材4は、その最大外径部分で前記剪断力に対抗できる。よって、従来の前記オス部材3のみによって剪断力に対抗する構造に比べて、より大きな連結強度を発揮することができる。
【0015】
前記メス部材4はメス部材底部18を有する略筒状であり、当該メス部材底部18には、融通穴19が形成されている。
前記メス部材4は、前記融通穴19を貫通する取付ボルトDによって、前記第2セグメント2に取付けられる。つまり、前記取付ボルトDを、前記融通穴19と、前記第2セグメント2に形成されたメス側取付穴20とを貫通させ、前記第2セグメント2の裏面側で、前記取付ボルトDの外面に形成した取付ボルトネジ部21にメス側ナット部材22を螺着する。
前記融通穴19の内径は、前記取付ボルトDの胴部23の外径より大きく設定する。この両者の差の範囲内で、前記メス部材4は前記取付ボルトDの周りに融通移動可能である。
前記取付ボルトDにあっては、前記取付ボルトネジ部21の両端部のうち前記取付ボルトDのヘッド部24側の端部に取付ボルト段部25を形成してある。つまり、前記取付ボルト胴部23の外径より前記取付ボルトネジ部21の外径を小さく設定してある。本構成であれば、前記メス側ナット部材22を前記取付ボルトネジ部21に螺合させるに際し、前記メス側ナット部材22が前記取付ボルト段部25に当接した位置で、前記メス側ナット部材22の螺進が阻止される。
この結果、前記取付ボルトのヘッド部24と前記第2セグメント2の表面との間隔が一定長さに設定される。この設定長さを、例えば、前記メス部材底部18の厚みよりやや小さく設定しておけば、前記メス部材4は、前記第2セグメント2にガタなく取付けられ、かつ、所定の剪断力が作用した場合には、前記第2セグメント2に対して前記連結面の方向に摺動自在に取付けられることとなる。
【0016】
本構成により、前記第1セグメント1と前記第2セグメント2との連結作業が円滑に行える。即ち、セグメントに対する前記オス部材3あるいは前記メス部材4の取付誤差や、前記第1セグメント1に対する前記第2セグメント2の位置設定誤差が存在しても前記メス部材4が移動可能であるから両者の挿入が容易になる。
また、前記メス部材4が移動可能であれば、他物との衝突時においても、前記メス部材4が移動して衝撃を緩和するから変形防止効果がさらに高まるという利点も生じる。
尚、前記取付ボルト段部25については、取付ボルト胴部23の外径と取付ボルトネジ部21の外径とを等しく形成して、前記取付ボルト段部25を形成しないものであってもよい。この場合には、前記メス側ナット部材22の締結力を加減することで、前記メス部材4を前記連結面17の延出方向に沿って移動可能に且つガタなく取り付けることは可能である。
さらに、本実施形態においてはメス部材4を移動可能に構成したが、もう一方のオス部材3を移動可能に構成してもよい。この場合には、前記オス側胴部8の外径を前記オス側取付穴11の内径よりも小さく構成し、前記オス側ナット部材12の締結力を加減しておく。
【0017】
(拡径機構及び連結操作)
図3〜図5に示すごとく、前記ヘッド部24の先端には、前記拡径可能部5を拡径させる拡径機構Eを設けてある。当該拡径機構Eは、芯部材26と変形部材27とからなる。
【0018】
当該芯部材26は、前記オス部材3を前記メス部材4の内部に挿入するに際し、前記拡径可能部5の内部に進入して、前記拡径可能部5を拡径させるものである。
前記芯部材26は、例えば、前記変形部材27と略一体の関係となるように構成しておき、前記ヘッド部24の先端に接着剤或いは粘着テープ等で固定しておく。ただし、当該接着は強固に行う必要はない。即ち、オス部材3とメス部材4との連結程度を強固にするためには、オス部材3とメス部材4との連結が終了したのちはオス部材3と芯部材26等とを略一体化させ、連結後にオス部材3とメス部材4との間に引張力が作用した場合には、芯部材26および変形部材27が前記ヘッド部24の先端から離脱するように構成した方が、オス部材3の縮径を阻止するのに効果的だからである。
また、前記オス部材3の軸芯と前記メス部材4の軸芯とが位置ずれしている状態でオス部材3をメス部材4に挿入する場合にも、芯部材26および変形部材27が前記ヘッド部24の先端から離脱自在であると好都合である。つまり、オス部材3の先端部がメス部材4に挿入されると、その瞬間に、メス部材4は前記連結面17の延出方向に沿って移動する。この結果、メス部材4の軸芯と前記芯部材26の軸芯との位置がずれる。しかし、芯部材26等が前記ヘッド部24から容易に離脱するのであれば、オス部材3の挿入に際して、芯部材26の軸芯は再びメス部材4の軸芯と一致することとなって何ら障害は生じない。
【0019】
前記芯部材26の外面29は、前記芯部材26の押込み方向に窄まった円錐状に構成してある。これにより、前記芯部材26が前記拡径可能部5の内部に押込まれる際に、前記拡径可能部5の拡径が容易になる。
前記芯部材26の外面29には、例えば、周方向に延出する複数の溝部或いは凸部を設けることができる。本構成であれば、前記拡径可能部5の内面5Bとの摩擦力が向上して、前記芯部材26は前記拡径可能部5によって確実に把持されることとなる。この結果、オス部材3に対して、メス部材4から引き抜く方向に外力が付加された場合でも、前記拡径可能部5は芯部材26の存在によって縮径することがなく、オス部材3の引き抜きが有効に阻止されることとなる。
尚、芯部材26および変形部材27は、必ずしも前記ヘッド部24に固定しておく必要はない。例えば、芯部材26等がメス部材4の内部で位置保持され、オス部材3の挿入・連結が確実に行われるものであれば、芯部材26等を単にメス部材4の内部に配置しておくだけでもよい。
また、前記芯部材26および前記拡径可能部5は、上記の形状に限られるものではない。例えば、前記芯部材26が単なる半球状であったり、前記拡径可能部5が前記スリット14等を有しない完全に一体の円筒であってもよい。要するに、前記拡径可能部5が前記芯部材26の作用によって拡径し、芯部材26を確実に把持できるものであれば、前記拡径可能部5および前記芯部材26は何れの形状であってもよい。
【0020】
前記芯部材26と前記変形部材27との略一体化は、例えば、以下のように行う。
前記変形部材27は、図6、図7に示すごとく略円筒状に構成する。図6は、両端部が開口したものであり、図7は、一方の端部が底部を有するものであるが、何れの構成であってもよい。ただし、接着等により変形部材27を前記ヘッド部24に取り付けることを考慮すると、芯部材26に対する変形部材27の取り付けは、図3に示すごとく、前記ヘッド部24の側に底部を有する状態となるようにするのが望ましい。
変形部材27の材質としては、普通鋼材等の各種金属等が適用可能である。
前記変形部材27は、前記芯部材26に取り付けるが、その際には、例えば、前記芯部材26に設けた凹部26Aに対して前記変形部材27を嵌入させるとよい。当該構成であれば、オス部材3の挿入に際し、変形部材27が面外変形する過程で、前記オス部材3及び前記芯部材26の軸芯に対して変形部材27の軸芯が一致した状態を維持できるから変形部材27の圧縮変形が適切な状態下で行われる。よって、変形部材27に設計通りの変形特性を発揮させることができる。尚、芯部材26に対する変形部材27の取り付けは、変形部材27が変形に際して芯部材26から位置ずれしないものであれば、接着で取付けるなど何れの方法を用いてもよい。
【0021】
前記メス部材4の内部には、拡径された前記拡径可能部5の外面と当接して、前記オス部材3が前記メス部材4から抜出るのを阻止する抜止面28が形成してある。
前記抜止面28は、前記オス部材3の挿入方向、即ち、前記メス部材4の奥部に向かって拡径した円錐状となっている。つまり、拡径された前記拡径可能部の外面5Aと当接し、前記オス部材3の抜出しを阻止するものである。
当該抜止面28にも、例えば周方向に延出する複数の溝部或いは凸部を設けておけば、前記拡径可能部の外面5Aとの摩擦力が向上して、オス部材3の抜け止めを有効に阻止することができる。
【0022】
図3に示すごとく、連結前の状態においては、前記芯部材26の外面29と前記抜止面28との間隔は、前記拡径可能部5の厚みよりもやや小さく設定してある。しかし、以下に示すごとく、前記変形部材27の変形機構により前記オス部材3と前記メス部材4とは適切な連結状態を実現することが可能である。
ここで、先ず、前記変形部材27の変形特性について説明する。
例えば、図6に示した形状の変形部材27が有する変形特性を図9中に実線で示す。前記変形部材27を、軸芯X方向に圧縮すると、初期の段階においては、前記変形部材27は単に前記軸芯X方向に圧縮変形するに留まる。図9中、原点0からa点までの段階である。
そして、前記変形部材27に加わる荷重Pがa点に達した段階で、当該変形部材27は面外変形を生じ始める。その後、しばらく押圧を続けても、前記変形部材27に加わる荷重Pは増加せず、面外変形のみが進行する。これが、図9中、a点からb点の段階である。
b点に達すると前記面外変形は座屈に転じ、前記変形部材27に加わる荷重Pはc点までやや急激に低下する。
c点で前記変形部材27の変形は略終了し、この後、押圧を続けても圧縮変形は生じないから、荷重Pのみが増加する。
【0023】
本発明においては、前記変形部材27が有する変形特性のうち、a点からb点までの特性を利用する。
そのために、連結前の状態においては、前記抜止面28と前記外面29との間隔dは前記拡径可能部5の厚みtよりも狭く設定しておく。
前記オス部材3を前記メス部材4に挿入していくと、図4に示すごとく、前記拡径可能部5が、前記メス部材4と前記芯部材26とに当接した状態となる。この状態から更に前記拡径可能部5を押圧することで前記変形部材27が圧縮変形し、その結果、前記芯部材26が前記メス部材4の内部に引退して、前記間隔dが前記拡径可能部5の挿入を許容するまで広がる。
この段階で、前記変形部材27が、図9で示したa点からb点までの状態にあればよい。この状態であれば、前記変形部材27は、前記芯部材26に対して略一定の反力を与えることになり、つまり、前記抜止面28と前記芯部材26の外面29とが、前記拡径可能部5を一定の力で挟持することになるからである。よって、前記間隔dを設定する場合には、前記拡径可能部5が挿入可能になるまでに要する前記変形部材27の圧縮変形量が、図9でのa点からb点までの範囲に納まるように留意する必要がある。
そのためには、前記間隔dを正確に仕上げることとしてもよいし、前記変形部材27の材質・形状等を適宜選択して、前記a点からb点までのストロークを長く確保して対処してもよい。
上記の実施形態では、前記変形部材27を図6のような形状に構成したが、本構成であれば、形状そのものが単純であるから、個々の変形部材27の変形特性を均一化することが容易である。しかも、連結部材の一部として組込む際に、部材設計の自由度が増す。さらに、当該変形部材27を金属で構成すれば、金属が有する塑性変形能を有効に利用できるから、求める変形性状を前期変形部材27に付与することも容易である。
【0024】
以上の挿入過程を経て双方のセグメントどうしの連結が終了した状態を図5に示す。この状態では、前記拡径可能部5は、前記抜止面28と前記外面29とによって適度な圧力で挟持されており、ガタ等も残存していない。よって、双方のセグメント間に引張り方向の外力が作用した場合等でも、セグメント間に目開きが生じ難い良好な連結状態を得ることができる。
【0025】
[別実施形態]
〈1〉 前記変形部材27は、上記の実施形態において使用したものの他、図8に示すように、前記変形部材27の壁面に対し、前記壁面から突出すると共に前記変形部材27の周方向に延設したフランジ部30を有するものであってもよい。つまり、前記フランジ部30によって、複数の筒状部分を直列に配置した構造にする。
この変形部材27の変形特性を図9中に破線で示す。この構造の場合には、連接した筒状部分が、順次、面外変形を生じさせることとなり、一定荷重Pが発生する変形範囲をa点からb’点に亘る範囲までに広げることができる。よって、前記間隔dを設定する際の自由度がより広くなって好都合である。
尚、前記変形部材27に設ける前記フランジ部30は、軸芯X方向中央部の一つに限られるものではなく、前記軸芯X方向の複数の位置に設けることが可能である。即ち、前記フランジ部30の数を変更することで、一定荷重P下で前記変形部材27が変形するストロークを任意に設定することが可能となる。また、前記フランジ部30は、必ずしも全周に亘って形成する必要はなく、前記変形部材27の周方向において一部にだけ形成するものであってもよい。さらに、当該フランジ部30は、前記変形部材27の外周面に設けてもよいし、内周面に設けてもよい。
このように当該フランジ部30の数、形状を適宜選定することで、前記変形部材27に任意の変形特性を付与することが可能となる。
【0026】
〈2〉 前記オス部材3および前記メス部材4をセグメントに取付けるには、図2のごとく、前記オス部材3の取付け位置近傍にあたる前記第1セグメント1の周壁部の肉厚、および、前記メス部材4の取付け位置近傍にあたる前記第2セグメント2の周壁部の肉厚を増大させるのに加えて、あるいは、肉厚を増大させる代わりに、図10に示すごとく、前記囲繞部Cの背面側、および、前記メス部材4を取付けた周壁部の背面側にリブ等を設けて前記面外変形を阻止するものであってもよい。
本構成の場合にも、前記オス部材3と前記メス部材4とを押付け連結する際に、第1セグメント1の周壁部、および、第2セグメント2の周壁部が面外変形するのを阻止するから、前記オス部材3と前記メス部材4とが確実に連結されない事態が生じるのを防止することができる。
【0027】
尚、特許請求の範囲に、図面との対照を便利にするために符号を記すが、当該記入により本発明が添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連結装置の使用例を示す説明図
【図2】本発明に係る連結装置をセグメントに取付けた状態を示す平面図
【図3】本発明に係る連結装置の連結前の状態を示す縦断面図
【図4】本発明に係る連結装置の連結過程を示す縦断面図
【図5】本発明に係る連結装置を連結した後の状態を示す縦断面図
【図6】本発明の連結装置に用いる変形部材の一例を示す斜視図
【図7】本発明の連結装置に用いる変形部材の一例を示す斜視図
【図8】別実施形態に係る変形部材の一例を示す斜視図
【図9】本発明の連結装置に用いる変形部材が有する変形特性の一例を示す説明図
【図10】別実施形態に係る連結装置をセグメントに取付けた状態を示す平面図
【図11】従来の連結装置における連結過程の一例を示す縦断面図
【図12】従来の連結装置における連結後の状態の一例を示す縦断面図
【符号の説明】
3 オス部材
4 メス部材
26 芯部材
27 変形部材
28 抜止面
29 芯部材の外面
30 フランジ部
A 第1被連結部材
B 第2被連結部材
E 拡径機構
P 荷重
Claims (3)
- 第1被連結部材(A)にオス部材(3)を設け、第2被連結部材(B)に前記オス部材(3)が入込み可能なメス部材(4)を設け、
前記オス部材(3)を前記メス部材(4)に挿入することにより、前記第1被連結部材(A)と前記第2被連結部材(B)とを互いに連結自在に構成し、
前記オス部材(3)が前記メス部材(4)に挿入されるに伴って、前記オス部材(3)の先端部が拡径される拡径機構(E)を設け、
前記メス部材(4)に、拡径された前記オス部材(3)の外面と当接して前記オス部材(3)の抜け出しを阻止する抜止面(28)を設けてある連結装置であって、
前記拡径機構(E)が、
前記メス部材(4)の内部に設けられていて、挿入される前記オス部材(3)の先端部の内部に嵌入して当該先端部を拡径させる芯部材(26)と、
前記オス部材(3)の挿入に際して、予め設定した荷重(P)が加わった場合に変形し、前記芯部材(26)の外面(29)と前記メス部材(4)の抜止面(28)との間隔を拡大する変形部材(27)とを有する連結装置。 - 前記変形部材(27)が、前記オス部材(3)の挿入方向において、前記芯部材(26)と前記メス部材(4)との間に介装された略円筒状の金属部材であり、
前記メス部材(4)の内部に挿入された前記オス部材(3)が、前記芯部材(26)に対して前記オス部材(3)の挿入方向に沿う押圧力を与えることで、前記変形部材(27)が面外変形するものである請求項1に記載の連結装置。 - 前記変形部材(27)の壁面に対し、当該壁面から突出すると共に前記変形部材(27)の周方向に延設したフランジ部(30)を、少なくとも一つ形成してある請求項2に記載の連結装置。
Priority Applications (1)
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JP5197298B2 (ja) * | 2008-10-20 | 2013-05-15 | 株式会社三ツ知 | 連結具 |
-
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- 1997-03-10 JP JP05469397A patent/JP3801294B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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