JP3801259B2 - 搬送コンテナ用ビーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送コンテナ内に掛け渡される搬送コンテナ用ビームに関する。
【0002】
【従来の技術】
トラックなどの車輌に搭載される箱形の搬送コンテナにおいては、搬送コンテナ内部を上下に区切り、上部にも荷物やパレットを積載する等のため、所定の高さで搬送コンテナの側面を形成する内壁間にビームが掛け渡されている。そして、このビームは、通常、断面略四角形の管材からなる本体管部を有すると共に、各種搬送コンテナの大きさに適合させるため、また、長年の使用により搬送コンテナがたわんで中央部が膨らんだりした場合に対応するため、本体管部の各端部付近には外方に突出可能なアジャスタ部材が収納されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにこの種のビームには、アジャスタ部材が設けられているのが通常である。また、アジャスタ部材は、突出範囲を規制するために、長手方向に沿って形成された長孔に本体管部内に設けられたピン部材が挿入されているが、アジャスタ部材は本体管部に対し、この長孔とピン部材とよる係合だけで支持されているだけである。すなわち、アジャスタ部材は、本体管部を僅かにでも斜めにすれば容易に飛び出すように設けられている。
【0004】
しかしながら、この種のビームは、所定の荷重に耐えられるよう、本体管部の断面の一辺が60〜90mm程度、厚みが3〜5mm程度で成形されているため、重さが約10kg程度ある。このため、ビームを搬送コンテナ内に配設する際、これを水平に保持しつつ配設することは極めて困難であり、少しでも斜めにするとビームを取り付ける前にアジャスタ部材が本体管部の各端部から外方に飛び出してしまうことがある。その結果、既に搬送コンテナ内に積載されている荷物にアジャスタ部材が衝突して傷を与えたりすることがある。また、ビームの取り付け前にアジャスタ部材が飛び出してしまうと、アジャスタ部材も含めたビームの全長が搬送コンテナの幅以上となって搬送コンテナ内での取扱いがますます不便になる。
【0005】
本発明は上記した課題を解消するためになされたものであり、搬送コンテナへの取り付け前に傾斜させたりしてもアジャスタ部材が飛び出さない一方、適切な取付位置では所定の外力を加えることで容易にアジャスタ部材を突出させることができる搬送コンテナ用ビームを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため本発明の搬送コンテナ用ビームは、搬送コンテナ内に掛け渡される搬送コンテナ用ビームにおいて、
本体管部に収納されるアジャスタ部材と、
該アジャスタ部材に、長手方向に沿って形成される長孔と、
該長孔に挿通され、かつ前記本体管部に固定されるピン部材と、
該ピン部材を挟持可能である挟持部を有し、かつ端部が前記アジャスタ部材に固定される線状のばね部材とを有し、
前記アジャスタ部材に対し、前記本体管部から引き出す方向に所定以上の外力を付与することにより、前記ピン部材が前記ばね部材の挟持部から脱して、前記アジャスタ部材が前記本体管部から引き出されることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
【0008】
図1〜図3は本発明の第1の実施形態にかかる搬送コンテナ用ビームを示し、本体管部1、アジャスタ部材2、ストッパ部材3を有して構成される。
【0009】
本体管部1は、断面略長方形の鋼製の管材からなり、その長さは搬送コンテナの幅よりも短い程度で形成されている。
【0010】
アジャスタ部材2は、本体管部1の両端付近の内部のそれぞれに収納される。なお、図面では、説明の都合上、本体管部1としては一方の端部1a付近だけを、アジャスタ部材2としては、この一方の端部1a付近に収納されているものだけを示している。このアジャスタ部材2は、本体管部1の長さの約1/3〜約1/5程度の長さを有し、断面略コ字状に形成された2枚の鋼材21,22を背中合わせにし、常態において本体管部1の端部1aから突出している外端部2aに係合部23が設けられている。より具体的には、該係合部23は平板で、搬送コンテナ(図示せず)の側面を形成する内壁に同じ高さで対向して設けられ、長手方向に沿って複数の孔を有するトラックレール等の被係合部材(図示せず)に係合可能な形状に形成され、一部が2つの鋼材21,22間に挟持されて配設され、複数のボルト25が貫通されて鋼材21,22と共に一体的に固定されている。本実施の形態ではこの係合部23の突出端23aには段差が形成されており、この段差部が被係合部材に形成されている孔内に押しつけられるようにして係合するため、突出端23aは、ばね部材23bにより常に外方に付勢されている。
【0011】
また、アジャスタ部材2を形成する鋼材21,22には長手方向に沿って長孔24が形成されている。この長孔24は、アジャスタ部材2の突出範囲を規制するために設けられるものであり、この長孔24に本体管部1の長手方向に略直交するように貫通するピン部材11が挿通される。すなわち、ピン部材11が図2に示すように、長孔24内において最もアジャスタ部材2の係合部23寄りに位置しているときには、アジャスタ部材2が本体管部1内に最も多くの部分が収納されている状態であり、長孔24内において最もアジャスタ部材2の係合部23から離れたところに位置しているときは、アジャスタ部材2が最も突出している状態である。
【0012】
ストッパ部材3は、線状のばね部材を所定形状に加工してなる。具体的には、全体を略U字状に形成し、さらにその中央部よりも各端部寄りの位置を互いに接近するように屈曲して挟持部31を形成する。なお、互いに接近させた部分はピン部材11の挿入口31aとして機能する部分であり、ピン部材11の直径よりも小さな間隔となるように形成されている。また、各端部32,33は、アジャスタ部材2の適宜位置に固定されるが、本実施の形態では、2つの鋼材21,22を連結する複数のボルト25のうち、長孔24を挟んで配設した2つのボルト25にそれぞれ巻き付けて固定している。但し、長孔24における係合部23寄りの端部24a付近に挟持部31を位置させさえすれば、端部32,33の固定位置はこれに限定されるものではない。また、本実施の形態では、図1に示したように、係合部23を配設することにより形成される2つの鋼材21,22間の隙間26にストッパ部材3を配設しているが、これに限定されるものではない。例えば、鋼材21,22のいずれかの外面に沿って配設することもできるし、鋼材21,22の両方の外面に沿って2つ配設することもできる。
【0013】
本実施の形態によれば、常態において、すなわち、アジャスタ部材2を本体管部1内に収納した状態においては、ピン部材11が長孔24の係合部23側の端部24a付近に位置していることになるが、この際にはピン部材11がストッパ部材3の挟持部31によって挟持されている。従って、本体管部1を傾斜させたりしても、アジャスタ部材2が端部1aから飛び出すことはない。本実施の形態のビームを配設する場合には、搬送コンテナ内に取り付けられているトラックレール等の被係合部材間の所定位置に略水平に保持する。もちろん、この際、多少斜めになってもストッパ部材3の作用によりアジャスタ部材2が飛び出すことがないので作業者はビームの姿勢にそれほど注意を払う必要はない。作業者が、一方のアジャスタ部材2に対して本体管部1の外方に突出する方向に外力を加える。すなわち、アジャスタ部材2を把持して引き出す方向に力を加える。これにより、ピン部材11が挟持部31から脱し、図2の想像線で示すように相対的には長孔24における係合部23から離れた端部24b側に移動することになり、アジャスタ部材2が所定量引き出され、被係合部材に係合部23を係合させることができる。
【0014】
次に、図4〜6に基づき本発明の第2の実施の形態を説明する。この実施の形態ではストッパ部材3’として板ばねを用いている点で上記した第1の実施の形態と異なる。すなわち、このストッパ部材3’は、1本の板ばねをその略中央部3’aを挟んで対向するように折り曲げ、さらに、各折り曲げ部3’b,3’cの略半分の位置からそれぞれ外方に略山形に折り返し、その頂部3’d,3’eが本体管部1の側面にそれぞれ開口した孔部12,13内に没し、本体管部1の外面側に付勢するような弾性力が与えられている。また、このストッパ部材3’は、略中央部3’aをアジャスタ部材2の長孔24内において係合部23から離れた側の端部24bに係合させて、アジャスタ部材2を形成する鋼材21,22の外面に沿って折り曲げ部3’b,3’cが配設され、リベット3’fにより鋼材21,22に対して固定されている。なお、本体管部1の側面に形成される孔部12,13は、ストッパ部材3’の頂部3’d,3’eが係合したときにピン部材11が長孔24内において係合部23側の端部24aに位置するような個所、すなわち常態においてアジャスタ部材2が本体管部1内に収容される個所に設けられる。
【0015】
本実施の形態によれば、ストッパ部材3’の頂部3’d,3’eが本体管部1に形成した孔部12,13に係合している場合には、本実施の形態のビームを多少斜めにしてもアジャスタ部材2が飛び出すことはない。その一方、搬送コンテナの被係合部材間に略水平に保持してアジャスタ部材2を引き出す方向に所定の外力を加えれば、上記実施の形態と同様、ストッパ部材3’の頂部3’d,3’eの本体管部1の孔部12,13への係合が解除されて引き出すことができる。
【0016】
次に、図7〜図8に基づき本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態では、ストッパ部材3’’として、コイルスプリング3’’aと、連結線3’’bとから構成されるものを用いている。すなわち、コイルスプリング3’’aは一端がアジャスタ部材2の一方に取り付けられて本体管部1の内部に配設されており、連結線3’’bはこのコイルスプリング3’’aの他端と他方のアジャスタ部材2とを結んで配設されている。本実施の形態では、コイルスプリング3’’aの一端をアジャスタ部材2に直接取り付けているが、連結線3’’bを介して配設してもよいことはもちろんである。なお、コイルスプリング3’’aは、アジャスタ部材2を常態においてはピン部材11が長孔24内において係合部23寄りの端部に位置しているように、すなわち、アジャスタ部材2が本体管部1内に収納されているように、その一方、作業者がアジャスタ部材2を引き出す方向に外力を加えた場合には、比較的容易に引き出せる程度に、その張力が調整されている。
【0017】
本実施の形態によってもビームを多少傾斜させてもアジャスタ部材2は飛び出ず、作業者が引き出す方向へ外力を加えると容易に引き出すことができることは上記した各実施の形態と全く同様である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の搬送コンテナ用ビームによれば、アジャスタ部材にストッパ部材が設けられているため、搬送コンテナへの取り付け前に傾斜させたりしてもアジャスタ部材が飛び出さない一方、適切な取付位置では所定の外力を加えることで容易にアジャスタ部材を突出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態にかかる搬送コンテナ用ビームの一部を示す平面断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態にかかる搬送コンテナ用ビームの一部を示す平面断面図である。
【図5】 図4のC−C線断面図である。
【図6】 図4のD−D線断面図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態にかかる搬送コンテナ用ビームを示す平面断面図である。
【図8】 図7のE−E線断面図である。
【符号の説明】
1 本体管部
11 ピン部材
2 アジャスタ部材
24 長孔
3 ストッパ部材
3’ ストッパ部材
3’’ ストッパ部材

Claims (1)

  1. 搬送コンテナ内に掛け渡される搬送コンテナ用ビームにおいて、
    本体管部に収納されるアジャスタ部材と、
    該アジャスタ部材に、長手方向に沿って形成される長孔と、
    該長孔に挿通され、かつ前記本体管部に固定されるピン部材と、
    該ピン部材を挟持可能である挟持部を有し、かつ端部が前記アジャスタ部材に固定される線状のばね部材とを有し、
    前記アジャスタ部材に対し、前記本体管部から引き出す方向に所定以上の外力を付与することにより、前記ピン部材が前記ばね部材の挟持部から脱して、前記アジャスタ部材が前記本体管部から引き出されることを特徴とする搬送コンテナ用ビーム。
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