JP3801161B2 - 化粧建築板の製造方法 - Google Patents
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Description
ところが、バルブ開閉制御方式はインク滴噴射周波数に限界があり、走行する建築板に対して、解像度の高いフルカラー印刷を行なうことは困難である。そこで、紙へのフルカラー印刷に一般に使用されているピエゾ制御方式の印刷方法を、建築板に適用することが考えられる。
そして、上記インクドットの密度を変えることにより濃淡色調の階調表現を行っている(ドット密度制御法)。即ち、通常は紙面は白色であるため、淡色を表現する部分については、上記インクドットの密度を小さくして、下地である紙面の色、即ち白色をインクドット間に多く露出させることにより淡色を表現する。
しかし、このような白色の塗装を行う場合、どうしてもその後に律速の乾燥工程を必要とし、化粧建築板の生産効率を向上させることが困難となる。それ故、小ロット多品種生産への対応を可能とするインクジェット印刷の利点を充分に生かすことができない。
また、上記ロールコートやスプレー塗装には、エネルギーコストに加えて、多くの塗料を必要とするため、生産コストの大幅な低減も困難となる。
上記フルカラー印刷層を形成するに当っては、上記建築板の上記意匠面に、予め作成したフルカラー印刷データに従って、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの色相のカラーインクを着弾させてカラードットを形成すると共に、該カラードットを形成しない部分には、上記カラードットとの混色影響度の少ない色彩の補助インクを着弾させて補助ドットを形成し、
また、前後左右に隣合う4個の上記カラードット及び上記補助ドットの間の中央隙間には、上記補助インクを着弾させて上記補助ドットよりも径の小さい隙間補助ドットを形成し、
上記隙間補助ドットの形成と上記補助ドットの形成と上記カラードットの形成とは連続的に行い、
該補助ドットは、上記カラードットよりも大きく、
該カラードット及び上記補助ドットは、上記建築板の走行方向に直交する主走査方向と,上記建築板の走行方向である副走査方向とに配列され、
また、上記各カラーインク及び上記補助インクをそれぞれ噴射するノズルアレイは、上記建築板の全幅方向にわたって形成されると共に、主走査方向に配置されており、
上記補助インクを噴射する上記ノズルアレイは、上記カラーインクを噴射するノズルアレイに対して、副走査方向の上流側に配されており、
上記補助ドット用の補助インクを噴射する上記ノズルアレイのノズルと、上記カラーインクを噴射する上記ノズルアレイのノズルとは、副走査方向の同一ライン上に同一ピッチで形成されており、
上記隙間補助ドット用の補助インクを噴射するノズルアレイは、上記カラーインクを噴射する上記ノズルアレイのノズルと上記補助ドット用の補助インクを噴射するノズルアレイとが配列した副走査方向のラインの間に形成されており、
上記補助ドット用の補助インクを噴射する上記ノズルアレイのノズルは、上記カラーインクを噴射する上記ノズルアレイのノズルよりもノズル径が大きく、上記隙間補助ドット用の補助インクを噴射する上記ノズルアレイのノズルは、上記カラーインクを噴射する上記ノズルアレイのノズルよりもノズル径が小さいことを特徴とする化粧建築板の製造方法にある(請求項1)。
上記化粧建築板の製造方法においては、上記カラードットを形成しない部分に上記補助ドットを形成する。これにより、上記建築板の意匠面を、上記カラードットと補助ドットとによって埋め尽くすことができ、上記建築板自体の色彩等の下地の色彩が意匠面に現れることを防ぐことができる。それ故、予め作成した上記フルカラー印刷データに基づく色柄模様を、上記意匠面に正確に発現させることができる。即ち、所望の色調のフルカラー印刷を上記意匠面に正確に行うことができる。
また、上記補助ドットは上記のごとくインクジェット印刷によって形成するため、ロールコートやスプレー塗装などの塗装に比べ、インクの量も極端に少なくすることができる。それ故、生産コストを大幅に低減することができる。
この場合には、上記フルカラー印刷データに基づく色柄模様を、より正確な色調で上記意匠面に印刷することができ、所望の色調のフルカラー印刷をより正確に行うことができる。
なお、上記補助インク及び上記補助ドットの色彩としては、白色の他に、例えば淡ベージュ色、淡クリーム色などの淡色を用いることができる。
これにより、上記建築板の意匠面に表出された、その本来の色の露出面積をより小さくすることができ、混色の影響が少なくなり、所望の色調のフルカラー印刷をより正確に行うことができる。
これにより、所望の色調のフルカラー印刷を正確に行うことができる。
これにより、上記建築板の下地色の露出面積をより小さくすることができ、混色の影響をほとんど受けることなく所望の色調のフルカラー印刷をより正確に行うことができる。
本発明の実施例にかかる化粧建築板の製造方法につき、図1〜図8を用いて説明する。
上記化粧建築板の製造方法は、建築板11の意匠面12にフルカラー印刷を行なうことにより、図6に示すごとく、フルカラー印刷層14を有する化粧建築板1を製造する方法である。
図1において、符号C、M、Y、K、Wは、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのカラードット3、及び白色の白色ドット4を表す。
また、上記白色ドット4の径は、上記カラードット3の径よりも大きい。例えば、該カラードット3の直径を60〜180μm、上記白色ドット4の直径を70〜200μmとすることができる。
上記カラードット3及び上記白色ドット4は、上記建築板11の走行方向に直交する主走査方向Aと、上記建築板11の走行方向である副走査方向Bとに配列される。
該色柄模様は、予め作成したフルカラー印刷データに従って印刷される。該フルカラー印刷データは、上記カラードット3についてのカラードットデータからなる。即ち、上記意匠面12におけるどの位置にどの色相の上記カラードット3を形成するかについてのカラードットデータによって、上記フルカラー印刷データが構成されている。
上記ノズルアレイ22w、22c、22m、22y、22kからは、白色インク、及びシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの色彩のカラーインクをそれぞれ噴射する。
上記個別制御手段23w、23c、23m、23y、23kは、各ノズルアレイ22w、22c、22m、22y、22kのノズル226、224(図2、図8参照)の開閉を制御する。図2に示すごとく、白色インク噴射用のノズル226の口径は、カラーインク噴射用のノズル224の口径よりも大きい。
上記印刷データ作成手段25は、上記建築板11に印刷するための、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのカラードット3からなる色柄パターンについての印刷データに加え、カラードット3を除く白地部分に対して形成すべき白色ドット4についての印刷データを作成する。
即ち、例えば、建築板11が1枚通過するごとに、上記ノズルアレイ22w、22c、22m、22y、22kの下方にそれぞれ配された上記クリーニング手段26を上昇させ、上記ノズルアレイ22w、22c、22m、22y、22kに接触させて、余剰インクを拭き取るなど、ノズル224(226)のクリーニングを行う。
即ち、上記ノズルアレイ22w、22c、22m、22y、22kは、上下動可能に配設されており、上記クリアランスCを例えば1〜10mmの間で変化させることができる。
また、図3、図5に示すごとく、上記各ノズルアレイ22w、22c、22m、22y、22kには、それぞれ、白色インク、及びシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのカラーインクを供給するインク供給タンク221が接続されている。
各分割ノズルヘッド222は、図8に示すごとく、並列する多数のノズル224(226)を有するノズルユニット223を3個配設してなる。
なお、本例においては、上記ノズルアレイ22は5個の分割ノズルヘッド222を接合してなるが、該分割ノズルヘッド222の数は適宜設定することができ、例えば3〜10個とすることもできる。
上記印刷制御手段24は、蓄積した種々パターンの印刷データのうち、使用するパターンの順序を所望の順序とすることができるよう構成されている。この所望の順序は、図1に示すごとく、印刷加工指示手段241によって別途上記印刷制御手段24に入力することにより、設定することができる。
また、上記カラードットデータのない空白部データを、上記白色ドット4を形成するための白色ドットデータに置き換える。そして、これを上記白色インク用のノズルアレイ22wのノズル開閉を制御するノズル開閉制御データに変換する。
また、上記印刷データ作成手段25において作成した印刷データ(ノズル開閉制御データ)は、印刷データ記憶手段253に記憶される。
また、上記板速度検出エンコーダ272において検出した建築板11の速度データも、上記印刷制御手段24に送出する。
これにより、上記ノズルアレイ22w、22c、22m、22y、22kから、搬送される建築板11の意匠面12に向けて白色インク及び各カラーインクを噴射させ、白色ドット4及びカラードット3を印刷していく。上記白色ドット4及びカラードット3は主走査方向Aについて一定のピッチP1をもって形成される。また、上記白色ドット4とカラードット3とは、副走査方向Bについても上記のピッチP1と同じピッチとなるように、各ノズルの噴射周波数を設定する。即ち、噴射周波数f=V/P1である。ここで、Vは搬送速度である。
なお、上記白色ドット4及びカラードット3の形成ピッチP1は、図2に示すノズル224、226の形成ピッチと同じである。
まず、凹凸の意匠面12を有する建築板11を製造ラインに投入する(ステップS1)。
次いで、上記建築板11の意匠面12に下塗層131を全面スプレー塗装し(ステップS2)、その後乾燥する(ステップS3)。
次いで、下塗層131の上から中塗層132を全面スプレー塗装し(ステップS4)、その後乾燥する(ステップS5)。該中塗層132は、例えば、黒灰色や茶色等の濃色を用いてもよい。中塗層132の色彩が化粧建築板1の溝部125の色彩となるからである。
また、このとき、上記中塗層132の表面を指触乾燥状態となるようにする。例えば0.05〜0.1μg程度の微小なインクドットを付着させたとき、該インクドットが流れないように、中塗層132の表面に適度な粘着性を持たせるためである。
次いで、トップクリヤー塗装を行い、クリヤー層15を形成し(ステップS10)、乾燥する(ステップS11)。
以上により、図6に示すような化粧建築板1が得られる(ステップS12)。
上記化粧建築板の製造方法においては、上記カラードット3を形成しない部分に上記白色ドット4を形成する。これにより、上記建築板11の意匠面12を、上記カラードット3と白色ドット4とによって埋め尽くすことができ、上記建築板11の印刷下地色として、本例においては上記中塗層132の色彩が意匠面12に部分的に現れることを防ぐことができる。それ故、予め作成した上記フルカラー印刷データに基づく色柄模様を、上記意匠面12に正確に発現させることができる。即ち、所望の色調のフルカラー印刷を上記意匠面12に正確に行うことができる。
また、上記白色ドット4は上記のごとくインクジェット印刷によって形成するため、ロールコートやスプレー塗装などの塗装に比べ、律速の乾燥工程を無くすことができ、インクの量も少なくすることができる。それ故、生産コストを大幅に低減することができる。
本例は、図9、図10に示すごとく、前後左右に隣合う4個のカラードット3及び白色ドット4の間の中央隙間に、白色インクを着弾させて隙間補助ドットとしての白色隙間ドット41を形成する例である。
即ち、図9に示すごとく、実施例1と同様に、カラードット3と白色ドット4とを、互いに直交する主走査方向Aと副走査方向Bとに配列する。
ただし、印刷順としては、上記白色隙間ドット41、白色ドット4、カラードット3とする。
また、上記白色隙間ドット41を形成するための白色インクを噴出する隙間用ノズル227は、上記カラーインク用のノズルよりも小さい径とする。そして、該隙間用ノズル227は、図10に示すごとく、他のノズル224、226に対して半ピッチ(P3=(P1)/2)分主走査方向Aにずれた位置に配設されている。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を奏する。
本例は、白色ドットを建築板の意匠面の全面に形成し、その後、該白色ドットの上からカラーインクを着弾させてカラードットを形成する例である。
上記白色ドットは、隣接する他の白色ドットと互いに重なり合うように形成する。そして、上記白色ドットは、例えば70μmのピッチ、105μmの直径となるように形成する。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を奏する。
11 建築板
12 意匠面
14 フルカラー印刷層
2 印刷装置
3 カラードット
4 白色ドット
41 白色隙間ドット
Claims (2)
- 走行する窯業系の建築板の意匠面にフルカラー印刷を行なうことにより、フルカラー印刷層を有する化粧建築板を製造する方法であって、
上記フルカラー印刷層を形成するに当っては、上記建築板の上記意匠面に、予め作成したフルカラー印刷データに従って、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの色相のカラーインクを着弾させてカラードットを形成すると共に、該カラードットを形成しない部分には、上記カラードットとの混色影響度の少ない色彩の補助インクを着弾させて補助ドットを形成し、
また、前後左右に隣合う4個の上記カラードット及び上記補助ドットの間の中央隙間には、上記補助インクを着弾させて上記補助ドットよりも径の小さい隙間補助ドットを形成し、
上記隙間補助ドットの形成と上記補助ドットの形成と上記カラードットの形成とは連続的に行い、
該補助ドットは、上記カラードットよりも大きく、
該カラードット及び上記補助ドットは、上記建築板の走行方向に直交する主走査方向と,上記建築板の走行方向である副走査方向とに配列され、
また、上記各カラーインク及び上記補助インクをそれぞれ噴射するノズルアレイは、上記建築板の全幅方向にわたって形成されると共に、主走査方向に配置されており、
上記補助インクを噴射する上記ノズルアレイは、上記カラーインクを噴射するノズルアレイに対して、副走査方向の上流側に配されており、
上記補助ドット用の補助インクを噴射する上記ノズルアレイのノズルと、上記カラーインクを噴射する上記ノズルアレイのノズルとは、副走査方向の同一ライン上に同一ピッチで形成されており、
上記隙間補助ドット用の補助インクを噴射するノズルアレイは、上記カラーインクを噴射する上記ノズルアレイのノズルと上記補助ドット用の補助インクを噴射するノズルアレイとが配列した副走査方向のラインの間に形成されており、
上記補助ドット用の補助インクを噴射する上記ノズルアレイのノズルは、上記カラーインクを噴射する上記ノズルアレイのノズルよりもノズル径が大きく、上記隙間補助ドット用の補助インクを噴射する上記ノズルアレイのノズルは、上記カラーインクを噴射する上記ノズルアレイのノズルよりもノズル径が小さいことを特徴とする化粧建築板の製造方法。 - 請求項1において、上記補助インクは白色の白色インクであり、上記補助ドットは白色の白色ドットであることを特徴とする化粧建築板の製造方法。
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