JP3799707B2 - 制御装置および製本装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、画像形成装置によって画像形成された用紙の束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置および画像形成された用紙の束を折って製本する製本装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタなど画像形成装置には、ソーターやフィニッシャーなどのオプションも付加できるようになっている一方、近年のデジタル画像処理技術の進歩により、複数枚の原稿の画像を1枚の転写紙上に画像形成する合成機能など種々の機能を有するようになってきている。そのため、このような機能を利用したオプションの一つとして、特開平6−286358号に記載されているような製本装置が提案されている。すなわち、画像形成装置においては、スキャナーで読み取った原稿画像やホストから入力された画像データを自在に並び替えて画像(合成)処理して、用紙の見開き中央で折って製本したときに、画像の頁順が揃うように画像記録し、そして、製本装置においては、画像記録された一束の用紙の見開き中央にステープルを打ち(中綴じ)、この中央で折って製本を行う。
【0003】
ところで、画像形成装置は、まず単体で使用することを考慮して開発され、その後、オプション(ソーターやフィニッシャーなど)を付加して使用可能なように開発されてきた。また、オプション(ソータやADFなど)の機能は、画像形成装置の画像処理とは関係なくそれ単独で機能していた。そのために、従来の画像形成装置の操作パネルは、各オプション毎あるいは画像処理毎にかたまって(タッチパネルの場合単独の操作画面表示となる)単独の操作釦として設けられていた。図7は、画像形成装置の操作パネルの一例を示すものである。オプション(図7の場合は、ステープル機能付きソーター)関係の操作・設定は、図7における領域A内の釦群(あるいは、タッチパネルB内のフィニッシングの釦を押した後に表示されるフィニッシング画面内の釦群(図示せず))によって行われる。一方、複数枚の原稿の画像を1枚の転写紙上に画像形成する合成機能などの画像処理の関係の操作・設定は、図7における応用機能釦Cを押した後にタッチパネルB内に表示される応用機能画面(図示せず)内の合成機能に関する釦群によって行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年提案されている製本装置を付加した画像形成装置において、製本装置による中綴じは、それ単独で使用するものではなく、画像形成装置の画像(合成)処理を伴って行わなければ、例えば画像形成された文字上にステープルが打ち込まれるといった問題が生じる。そのため、従来の操作パネルによる操作・設定では、図7における領域A内の釦群によって中綴じモードを選択するとともに、応用機能釦Cを押した後にタッチパネルB内に表示される応用機能画面(図示せず)内の合成機能に関する釦群を選択する必要がある。このように、製本(中綴じ)という動作を画像形成装置および製本装置に行わせる場合は、異なる釦群を操作せねばならず、非常に煩わしいばかりでなく、一方の操作を忘れると所期の機能を果たせない。
【0005】
ところで、従来のオプションでは、準備可動が簡単なため準備可動と給紙が独立して行われていたが、製本装置をオプションとした場合、規制板やステープルの準備移動など移動に時間がかかり、独立して行われると製本装置側の準備が完了していない段階で給紙がなされると、搬送途中の転写紙を準備動作が完了するまで待機させる必要がありこのための特殊な制御が必要となり、制御(プログラム)が複雑となる。
【0006】
また、製本装置においては、製本する用紙の束(1部の用紙)をステープルを打ち、製本するためにステープルされた用紙を折るようにしている。ところが、このような製本装置において、画像形成装置によって画像が形成された用紙を製本する場合には、ユーザーは画像形成装置によって形成される画像の形態あるいは原稿のページ数に着目し、画像形成された用紙が何枚になるかは忘れがちになり、そのために、画像の形態(例えば製本のための画像合成の形態)を見て中綴じを選択する。しかしながら、原稿の画像が複数頁あっても画像形成された用紙が1枚になった場合、ステープルを打つ必要がない。
【0007】
そこで、請求項1〜5に記載の発明は、一方の操作を忘れた場合でも画像形成された文字上にステープルが打ち込まれることを防止することを課題とする。
【0008】
また、請求項6に記載の発明は、制御を簡潔に行うことを課題とする。
【0009】
また、請求項7に記載の発明は、ユーザーが忘れがちな形成される用紙の数に考慮し、最適な製本動作を行うことを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の構成により解決することができる。
【0011】
(1) 1枚の用紙に複数頁分の画像を記録する製本モードを有する画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置によって形成された用紙の束の中央にステープルを打ち込む中綴じモードを有する用紙束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置において、前記製本モードが選択されていない状態で前記中綴じモードが選択されたとき、前記中綴じモードを禁止することを特徴とする制御装置。
【0012】
(2) 1枚の用紙に複数頁分の画像を記録する製本モードを有する画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置によって形成された用紙の束の中央にステープルを打ち込む中綴じモードを有する用紙束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置において、前記製本モードと前記中綴じモードのうち一方のモードが選択された場合、他方のモードを自動的に選択することを特徴とする制御装置。
【0013】
(3) 1枚の用紙に複数頁分の画像を記録する製本モードを有する画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置によって形成された用紙の束の中央にステープルを打ち込む中綴じモードを有する用紙束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置において、前記製本モードと前記中綴じモードのうち一方のモードが選択されたとき、該他方のモードを自動的に選択するか、自動的に選択しないかを選択できることを特徴とする制御装置。
【0014】
(4) 前記製本モードと前記中綴じモードのうち一方のモードが選択されていない状態で他方のモードの選択がなされたとき、警告を発することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の制御装置。
【0015】
(5) 前記製本モードと前記中綴じモードとが選択されている状態で、前記製本モードの選択が解除されたとき、前記中綴じモードを解除することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の制御装置。
【0016】
(6) 1枚の用紙に複数頁分の画像を記録する製本モードを有する画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像形成された用紙の束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置において、前記画像形成装置による画像形成に先立ち、前記製本装置へ画像形成する用紙のサイズ情報を送信し、少なくとも前記サイズ情報に基づいた前記製本装置の準備動作が完了した後に、前記画像形成装置によって画像形成された用紙が前記製本装置へと搬送されるように、前記画像形成装置を制御することを特徴とする制御装置。
【0017】
(7) 画像形成装置によって画像が形成された用紙を1部スタックし、該スタックした1部の用紙の中央にステープルを打ち込む製本装置において、スタックされた1部の用紙が1枚の用紙であるとき、ステープルを打ち込まないことを特徴とする製本装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、画像形成装置10と製本装置(製本機ともいう)50の概略断面構成図である。画像形成装置(以下、複写機あるいは複写機本体ともいう)10は、自動原稿送り装置11を有している電子写真方式のデジタル複写機であるが、プリンタであってもあるいは電子写真方式以外であってもよい。
【0019】
自動原稿送り装置11にセットされた一組の原稿Dは、1枚ずつ分離・搬送され、複写機本体10のプラテンガラス13上に載置され、画像読取手段であるスキャナー14によって原稿Dの画像が読取られた後、排紙皿12へと排紙される。なお、この自動原稿送り装置11は、本実施の形態のように排紙皿12へ排紙するのではなく、セットされている一組の原稿へと戻すいわゆる循環型であっても、また、原稿Dの表裏を反転させる両面型であってもよい。
【0020】
プラテンガラス13上に載置された原稿Dは、スキャナー14の走査光学系によってその画像が光電変換手段であるCCD15によって読み取られる。読み取られた原稿の画像は、画像形成手段20によって、公知の電子写真プロセスにより、転写紙上にトナー像が定着され、画像形成がなされる。すなわち、読み取られた原稿の画像は、帯電手段21によって一様帯電した回転する感光体22上に、露光手段23で露光され、静電潜像が形成される。感光体22上に形成された静電潜像は、現像手段24によってトナー像が形成される。形成されたトナー像は、トレイ28a,28b,28cから搬送される転写紙上に、転写手段25でもって転写される。トナー像が転写された転写紙は、定着手段26によって定着がなされる。一方、トナー像を転写した感光体22は、クリーニング手段27によってクリーニングされる。
【0021】
定着された転写紙は、複写機本体10に接続された製本装置50へと排出され、製本装置50内の搬送手段(図番なし)によって、製本装置50外の排紙トレイ51上へと排紙される。
【0022】
以上の説明は、転写紙の片面に画像形成を行い、そのまま排紙トレイ51上へ排紙するプロセスであるが、本実施の形態において複写機10は、転写紙の両面に画像形成が行うことが可能なように、転写紙反転手段29を有している。転写紙反転手段29は、定着手段26によって片面が定着された転写紙の表裏を反転し、再度、転写手段25へと搬送する手段であって、他方の面に上述と同様のプロセスを施すことにより転写紙の両面に画像形成がなされる。
【0023】
また、本実施の形態の複写機10は、自動原稿送り装置11によって、プラテンガラス13上に送られた原稿Dを、スキャナー14によって読み取り、画像記憶手段16に記憶するように構成している。この画像記憶手段16には、自動原稿送り装置11にセットされた一組の原稿Dすべての画像情報を記憶するようになっている。
【0024】
ところで、本実施の形態では、図示しない複写機10の操作パネルの操作により製本モードが選択されたとき(後段において詳述する)は、スキャナー14によって読み取られた一組の原稿の画像情報を、転写紙の見開き中央で折って製本したときに画像の頁順が揃うように一組の原稿の画像情報を並び替え、さらに、1枚の転写紙(用紙)上に複数頁分の原稿の画像を記録するように合成する並び替え・合成手段17を有している。
【0025】
この製本モードについて、製本モードの際の画像形成された転写紙を模式的に示した図2に基づいて説明する。なお、図2中の数字は原稿の頁数を表しており、また、1枚の転写紙の中央部の点線で示される領域は後段において詳述する中綴じモード時にステープルが打ち込まれ、あるいは、さらに中折りがなされる領域を示している。8枚の原稿がある場合に、製本モードで形成される画像は、図2の如くになるように画像形成がなされる。すなわち、1枚目の転写紙の片面には1頁目と8頁目の原稿の画像を、他面は2頁目と7頁目の原稿の画像を、また、2枚目の転写紙の片面には3頁目と6頁目の原稿の画像を、他面は4頁目と5頁目の原稿の画像を、記録できるように、並び替え・合成手段17が、画像記憶手段16に記憶された原稿の画像情報を並び替え、合成処理を施す。なお、図2においては、転写紙の片面に2頁分の原稿の画像を合成するいわゆる2in1であるが、転写紙の片面に4頁分の原稿の画像を合成する4in1、さらには8in1などで行ってもよく、また、図2においては横長の転写紙と縦長の原稿の画像としたが、これに限られず、縦長の転写紙や横長の原稿としてもよい。
【0026】
次に、本実施の形態の複写機10にオプションとして有している製本装置50の動作について説明する。
【0027】
上述したように、製本装置50は、複写機10で画像形成された転写紙を排紙するだけのときはそのまま転写紙を排紙トレイ51へ排紙する。また、図示しない複写機10の操作パネルの操作により中綴じモードが選択されたとき(後段において詳述する)は、複写機本体10から排紙された転写紙は、スタック手段52のスタックトレイ53上にスタックされる。このスタック手段52は、スタックトレイ53、先端規制板54、後端規制板55、および、図示しない側端規制板を有しており、複写機本体10から排紙された転写紙を1部(自動原稿送り装置11上にセットされた1組の原稿のすべての画像形成がなされた複数枚の転写紙であり、以下、転写紙の束ともいう)端部を揃えて、傾斜させた状態で貯留する。先端規制板54は、スタックトレイ53上の転写紙の傾斜方向先端側を規制する部材であり、後段の中折り手段57へ転写紙の束を搬送する際には、その経路上から退避するようになっている。また、後端規制板55は、スタックトレイ53上の転写紙の傾斜方向後端側を規制する部材であり、転写紙のサイズに応じてスタックトレイ53上をスライドする。なお、図示しない側端規制板は、転写紙の幅方向(図1において紙面垂直方向)を規制する部材であり、転写紙のサイズに応じてスタックトレイ53上をスライドする。
【0028】
スタック手段52によりスタックされた転写紙の束は、ステープル手段56により中綴じがなされる。このステープル手段56は、転写紙の中央(図2における点線領域内)にステープルを打ち込む手段であって、転写紙のサイズに応じて転写紙の中央に移動する。
【0029】
ステープル手段56によりステープルが打ち込まれた転写紙の束は、先端規制板54がその経路上から退避されることにより、中折り手段57へと搬送される。中折り手段57は、中折りを行う中折りローラ57a、中折りトレイ58、中折り規制板59などを有しており、ステープルされた転写紙の束を中折りする手段である。中折りトレイ58は、ステープルされ搬送された転写紙の束を、一旦、留めるためのトレイである。中折り規制板59は、中折りトレイ58上の転写紙の束が中折りローラ57aによって中折りされるときに、転写紙の束の中央が所定の位置に位置するように先端を規制する部材であり、転写紙のサイズに応じて中折りトレイ58上をスライドする。
【0030】
中折り手段57により中折りされながら転写紙の束は、後段の切断手段60へと搬送される。切断手段60は、挟持ローラ対61、カッター62などを有しており、中折りされた転写紙の束の後端側(中折りされた状態で見て、中折りされた側とは反端側)を切断する手段である。挟持ローラ対61は、中折りされた転写紙の束の先端を挟持した状態で保持する部材であり、この挟持ローラ対61によって挟持された状態で、カッター62によって転写紙の束の後端側がカットされる。なお、このカッター62は、転写紙のサイズに応じてスライドするように構成されている。
【0031】
このようにして、ステープルが打たれ(中綴じがなされ)、中折りがなされ、さらに、切断がなされた転写紙の束は、排紙トレイ51へと排紙される。なお、本実施の形態では、中綴じモードが選択されると上述したように、中綴じだけでなく、中折り、切断がなされるように示したが、これに限られることはなく、本発明を実施する上においては、少なくとも中綴じ(ステープルが転写紙の中央に打つ)を行えばよい。
【0032】
このような製本装置50を備えた複写機10の制御は、画像形成装置10と製本装置50の機能ブロック図である図3によってなされる。すなわち、製本装置50には製本装置50内のスタック手段52、ステープル手段56、中折り手段57、切断手段60、および、搬送手段(図番なし)などの各種手段、部材を制御する制御手段71を有しており、また、複写機10には、上述した複写機10内に有している各種手段、部材などを制御する制御手段(制御装置)70を有している。この複写機10の制御装置70は、前記製本装置50の制御手段71へタイミングや情報を与え間接的に製本装置をも制御するように成っており、すなわち、この複写のシステム全体の管理をも行う。
【0033】
複写機の制御装置70から製本装置50の制御手段71へ送られる情報の一つとして、転写紙のサイズ情報がある。この送られた転写紙のサイズ情報に基づいて、製本装置50の制御手段71は、スタック手段52の後端規制板55や側端規制板、ステープル手段56、中折り手段57の中折り規制板59、カッター62など各手段を、転写紙のサイズに応じて移動させる(この移動を準備動作ともいう)。製本装置50の制御手段71は、この準備動作を完了すると、複写機10の制御装置70へ、準備動作が完了したことを知らせる信号を発するように構成している。
【0034】
次の、この複写機10の制御装置70のフローチャートを示した図4に基づいて、この複写機10のシステムの動作を説明する。
【0035】
まず、複写機10の電源が投入されると(S1)、イニシャライズされ(S2)複写機10を待機状態までする。その後、操作パネル(図示はしないが、図7に示されるような操作パネル)のコピー釦が押されるまで(S4)操作釦処理を行う(S3)。この操作釦処理は、操作パネルに設けられた各種釦(例えば、濃度釦、倍率釦、部数釦、各種の機能釦、オプション操作の釦など)の処理を行うルーチンである。なお、本実施の形態では、上述した製本モードを選択するための製本モード選択釦および上述した中綴じモードを選択するための中綴じモード選択釦の操作釦処理については、後段において、詳述する。
【0036】
コピー釦が押されると、画像の読み取りが開始される(S5)。すなわち、自動原稿送り装置11が原稿を1枚ずつ送り出し、スキャナー14により原稿の画像情報が読み取られ、読み取られた画像情報は、一旦、画像記憶手段16に格納される。
【0037】
読み取りが開始されると、中綴じモードが選択されているか否かを調べ(S6)、中綴じモードが選択されていれば製本装置50の制御手段71へ転写紙のサイズ情報を送信する(S7)。なお、転写紙のサイズ情報は、自動原稿送り装置11によって送られる際やスキャナー14で読み取る際に取得した原稿のサイズ情報と操作パネルから設定された各種モードにより複写機10が選択した転写紙のサイズ情報あるいは操作パネルにより指定された転写紙のサイズ情報である。製本装置50の制御手段71では、上述したように送信された転写紙のサイズ情報に基づいて準備動作を行い、準備動作が完了したら複写機10の制御装置70へ完了したことを知らせる信号を送信する。この準備動作完了の信号を受けると(S8)、あるいは、S6において中綴じモードでなかったら、画像形成手段20へ画像形成を開始する画像形成開始信号を送信し、かつ、制御して、画像形成を開始する。(S9)
なお、S9における画像形成は、製本モードが選択されていれば、上述したように、画像記憶手段16に記憶された原稿の画像情報を並び替え・合成手段17により並び替え、合成処理を施した画像情報に基づいて転写紙上にトナー像が形成されることはいうまでもない。
【0038】
S9において画像形成が開始され、画像形成された転写紙は、中綴じモードでなければ(S10)、そのまま排紙トレイ51へと搬送され排紙される。そして、複写機10の操作パネルによって設定され、複写する原稿の画像の数に応じた部数の全てが排紙される(S12)と、S3の操作釦処理に移り、次の複写動作を待つ。
【0039】
一方、S10において、中綴じモードが選択されていれば、スタック手段52へ転写紙を搬送し、準備動作で移動が完了している後端規制板55、側端規制板や先端規制板54によって、規制されながらスタックトレイ53上にスタックされる。そして、1部の転写紙がスタックされると(S13)、スタックされた転写紙が1枚かどうかを判断し(S14)、1枚でなければ準備動作で転写紙の中央に移動しているステープル手段56により中綴じがなされる(S15)。中綴じがなされると、上述したように、中折り手段57による中折り(S16)、切断手段60による切断(S17)がなされ、排紙トレイ51上へ排紙される(S11)。一方、S14において、スタックされた転写紙が1枚であると、中綴じモードが選択されているに係わらず中綴じはなされず、中折り手段57による中折りがなされ(S16′)、さらに、切断手段60による切断もなされずに、排紙トレイ51上へ排紙される(S11)。
【0040】
このフローの説明から明らかなように、本実施の形態では、製本装置50の準備動作が完了した後に画像形成を開始するように制御することにより、製本装置50に準備段階でエラーが生じたとしてもそれを画像形成の前に捉えることができ、ジャム処理などが必要がなく操作性が向上する。なお、本実施の形態では、準備動作が完了した後に画像形成を開始するようにしたが、これに限られず、少なくとも送信したサイズ情報に基づいて製本装置50の準備動作が完了した後に、複写機10によって画像形成された転写紙が製本装置50へと搬送されるように、複写機10の画像形成手段20を制御すればよく、複写機10の制御を簡単にできる。この場合、複写機10の画像形成手段20へ画像形成開始信号を送信するあるいは搬送手段へ搬送開始(この場合、感光体22の直前で転写紙を待機させるレジストローラへの給紙開始)させる信号を送信するようにしてもよい。これを実施するためには、サイズ情報を送信してから所定時間(準備動作が完了した後に、転写紙が製本装置50へと搬送されるような時間)経過後に画像形成を開始する、あるいは、製本装置50の制御手段71から準備動作がほぼ完了した時点で完了を示し信号を送信するなどにより行うことができる。
【0041】
また、本実施の形態では、スタックされた1部の用紙が1枚の用紙であるとき、ステープルを打ち込まずに用紙を折るようにしているので、ユーザーが忘れがちな形成される用紙の数に考慮し、最適な製本動作を行うこと、すなわち、1枚の用紙ではステープルが必要ないので打ち込まないようにすることができる。なお、本実施の形態では、ステープルを打ち込まずかつ切断をせずに中折りのみを行うようにしたが、ステープルを打ち込まないようにするだけでもよい。
【0042】
次に、図4のS2における操作釦処理のうち、上述した製本モードを選択するための製本モード選択釦の操作釦処理および中綴じモードを選択するための中綴じモード選択釦の操作釦処理について、図5、6に基づいて説明する。なお、製本モード選択釦は、製本モードが画像処理に関する機能なので、図7における応用機能釦Cを押した後にタッチパネルB内に表示される応用機能画面(図示せず)内の合成機能に関する釦群に設けられており、また、中綴じモード選択釦は、オプション関係の機能なので、図7における領域A内の釦群、および、タッチパネルB内のフィニッシングの釦を押した後に表示されるフィニッシング画面内の釦群(図示せず)内に設けられている。
【0043】
なお、製本モード選択釦と中綴じモード選択釦の両釦は、それぞれ選択する場合と解除する場合は、同じ釦で操作されるよう構成しているが、これに限らず、選択用の釦と解除用の釦とで構成してもよい。また、両釦は、互いに異なる領域、あるいは、異なる画面内設けたが、同じ領域または同じ画面内に設けてもよい。
【0044】
まず、図4のS2における操作釦処理のうち、上述した製本モードを選択するための製本モード選択釦の操作釦処理について、図5に基づいて説明する。
【0045】
製本モード選択釦がユーザーにより押圧されると(S18)、押圧される前に製本モードが選択されている状態であったか否かを判断する(S19)。押圧される前に製本モードが選択されていない状態(製本モードが解除されている状態)であったなら、製本モードを選択し(S20)、複写機10に製本装置50が付いているか(中綴じを行う中綴じ機であってもよい)か否かを判断し(S21)、製本装置50が付いていなければ製本モード選択釦処理を終了し、製本装置50が付いていれば、中綴じ優先かどうかを判断する(S22)。
【0046】
この中綴じ優先とは、図示しない操作パネルによって、製本モードが選択されたときに中綴じモードを自動的に選択させるか、自動的に選択しないかを選択するスイッチを設け、このスイッチを、製本モードが選択されたときに中綴じモードを自動的に選択させるように設定していることを表している。
【0047】
S22において、中綴じ優先でないならば製本モード選択釦処理を終了し、中綴じ優先であるならば中綴じモードが選択されている状態であろうがなかろうがに関係なく中綴じモードを自動的に選択し(S23)、製本モード選択釦処理を終了する。なお、S22において、中綴じモード優先であり中綴じモードが選択されている状態の場合は、S23において中綴じモードを自動的に選択しなくても、中綴じモードが選択されている状態なので、S23をスキップするようにしてもよい。
【0048】
一方、S19において、製本モード選択釦が押圧される前に製本モードが選択されている状態であったなら、製本モードを解除し(S24)、複写機10に製本装置50が付いているか(中綴じを行う中綴じ機であってもよい)か否かを判断し(S25)、製本装置50が付いていなければ製本モード選択釦処理を終了し、製本装置50が付いていれば、中綴じモードが選択されているかどうかを判断する(S26)。
【0049】
S26において、中綴じモードが選択されていないならば製本モード選択釦処理を終了し、中綴じモードが選択されているならば、中綴じモードを自動的に解除し(S27)、製本モード選択釦処理を終了する。
【0050】
次に、図4のS2における操作釦処理のうち、上述した中綴じモードを選択するための中綴じモード選択釦の操作釦処理について、図6に基づいて説明する。
【0051】
この中綴じモード選択釦処理においては、まず最初に複写機10に製本装置50が付いているか(中綴じを行う中綴じ機であってもよい)か否かを判断し(S30)、製本装置50が付いていなければ中綴じモード選択釦処理を終了し、製本装置50が付いていれば、中綴じモード選択釦が押圧されたか否かを判断する(S31)。これは、製本装置50はオプションなので付いていなければこれ以降の中綴じモード選択釦処理をスキップして処理を減らすことができる。なお、図5において製本モード選択釦処理ではこのように行っていないのは、製本モードがオプションではないためである。
【0052】
S31において、中綴じモード選択釦が押圧されていなければ、中綴じモード選択釦処理を終了し、押圧されていれば、押圧される前に中綴じモードが選択されている状態であったか否かを判断する(S32)。押圧される前に中綴じ本モードが選択されている状態であったなら、中綴じモードを解除して(S33)、中綴じモード選択釦処理を終了する。一方S32において、押圧される前に中綴じ本モードが選択されていない状態(中綴じモードが解除されている状態)であったなら、製本優先かどうかを判断する(S34)。
【0053】
この製本優先とは、図示しない操作パネルによって、中綴じモードが選択されたときに製本モードを自動的に選択させるか、自動的に選択しないかを選択するスイッチを設け、このスイッチを、中綴じモードが選択されたときに製本モードを自動的に選択させるように設定していることを表している。
【0054】
S34において、製本優先であるならば中綴じモードが選択されている状態であろうがなかろうがに関係なく製本モードを自動的に選択し(S35)、次いで、中綴じモードを選択し(S36)、製本モード選択釦処理を終了する。一方、S34において、製本優先でないならば、製本モードが選択されている状態か否かの判断をし(S37)、製本モードが選択されている状態であれば、中綴じモードを選択し(S36)、製本モード選択釦処理を終了する。
【0055】
また、S37において、製本モードが選択されていない状態(製本モードが解除されている状態)であれば、図示しない表示部(操作パネルがタッチパネルの場合、その表示部)に警告表示を行う(S38)。この警告表示は、製本モードが選択されていないのに、ユーザーが中綴じモードを選択しようとしているので、画像形成された文字上にステープルが打ち込まれる恐れがあることを知らせる。そして、本実施の形態では図示しないスイッチにより警告のみをするか中綴じモードの選択を禁止するかを選択できるようになっており、S39において、警告のみの場合は中綴じモードを選択して(S36)、また禁止する場合はそのままで(すなわち、中綴じモードを選択しない)製本モード選択釦処理を終了する。
【0056】
このように、本実施の形態においては、製本モードが選択されていない状態で中綴じモードを選択しようとしたとき、中綴じモードを禁止する(S32(NO)→S37(NO)→終了のステップ)ので、画像形成された文字上にステープルが打ち込まれることを防止できる。なお、製本モードを選択しようとしたとき(S19(NO)のステップ)は、中綴じモードを選択していなくても製本モードが選択される(S20)ようにしているが、これは、中綴じをしなくても製本モードで画像形成することを可能にしている。
【0057】
また、本実施の形態では、製本モードと中綴じモードのうち一方のモードが選択された場合、他方のモードを自動的に選択する(S19(NO)→S20→S23→終了のステップ、S32(NO)→S35→S36→終了のステップ)ので、ユーザーが一方の選択操作を忘れたとしても、自動的に選択して、製本と中綴じを行うので、操作性が向上すると共に、画像形成された文字上にステープルが打ち込まれることが防止できる。
【0058】
また、本実施の形態では、製本モードと中綴じモードのうち一方のモードが選択されたとき、他方のモードを自動的に選択するか、自動的に選択しないかを選択できる(S22およびS34であり、このスイッチを切り替える)ことにより、選択肢が増え、種々のユーザーに対応した機器となる。
【0059】
また、本実施の形態では、製本モードが選択されていない状態で中綴じモードの選択をしようとしたとき、警告を発するようにする(S38)ことにより、ユーザーに画像形成された文字上にステープルが打ち込まれる恐れがあることを知らしめることができるようにしたが、中綴じモードが選択されていない状態で製本モードの選択がなされたときにも警告を発するようにしてもよく、この場合も、ユーザーが選択し忘れている可能性があることを知らしめることができる。
【0060】
また、本実施の形態では、製本モードと中綴じモードとが選択されている状態で、製本モードの選択が解除されたとき、中綴じモードを解除する(S19(YES)→S24→S26(YES)→S27→終了のステップ)ようにすることにより、画像形成された文字上にステープルが打ち込まれることを防止する。なお、本実施の形態では、製本モードと中綴じモードとが選択されている状態で、中綴じモードの選択が解除されたとき、製本モードは解除しない(S32(YES)→S33→終了のステップ)ようにしたのは、中綴じをしなくても製本モードで画像形成してユーザーのニーズに合わせたプリントを可能として好ましいが、製本モードを解除してもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明においては、画像形成された文字上にステープルが打ち込まれることを防止できる。
【0062】
また、請求項2に記載の発明においては、ユーザーが一方の選択操作を忘れたとしても、自動的に選択して、製本と中綴じを行うので、操作性が向上すると共に、画像形成された文字上にステープルが打ち込まれることが防止できる。
【0063】
また、請求項3に記載の発明においては、選択肢が増え、種々のユーザーに対応した機器(ユーザーカスタマイズが可能)となる。
【0064】
また、請求項4に記載の発明においてはユーザーに画像形成された文字上にステープルが打ち込まれる恐れがあることを知らしめることができる。
【0065】
また、請求項5に記載の発明においては画像形成された文字上にステープルが打ち込まれることを防止する。
【0066】
また、請求項6に記載の発明においては、複写機の制御を簡単にできる。
【0067】
また、請求項7に記載の発明においては、ユーザーが忘れがちな形成される用紙の数に考慮し、最適な製本動作を行うこと、すなわち、1枚の用紙ではステープルが必要ないので打ち込まないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置と製本装置の概略断面構成図である。
【図2】製本モードの際の画像形成された転写紙を模式的に示した図である。
【図3】画像形成装置と製本装置の機能ブロック図である。
【図4】複写機の制御装置のフローチャートを示した図である。
【図5】製本モード選択釦の操作釦処理に関するフローチャート図である。
【図6】中綴じモード選択釦の操作釦処理に関するフローチャート図である。
【図7】画像形成装置の操作パネルの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 複写機(画像形成装置)
11 自動原稿送り装置
14 スキャナー
16 画像記憶手段
17 並び替え・合成手段
20 画像形成手段
50 製本装置
52 スタック手段
56 ステープル手段
57 中折り手段
60 切断手段
Claims (7)
- 1枚の用紙に複数頁分の画像を記録する製本モードを有する画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置によって形成された用紙の束の中央にステープルを打ち込む中綴じモードを有する用紙束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置において、
前記製本モードが選択されていない状態で前記中綴じモードを選択しようとしたとき、前記中綴じモードを禁止することを特徴とする制御装置。 - 1枚の用紙に複数頁分の画像を記録する製本モードを有する画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置によって形成された用紙の束の中央にステープルを打ち込む中綴じモードを有する用紙束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置において、
前記製本モードと前記中綴じモードのうち一方のモードが選択された場合、他方のモードを自動的に選択することを特徴とする制御装置。 - 1枚の用紙に複数頁分の画像を記録する製本モードを有する画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置によって形成された用紙の束の中央にステープルを打ち込む中綴じモードを有する用紙束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置において、
前記製本モードと前記中綴じモードのうち一方のモードが選択されたとき、該他方のモードを自動的に選択するか、自動的に選択しないかを選択できることを特徴とする制御装置。 - 前記製本モードと前記中綴じモードのうち一方のモードが選択されていない状態で他方のモードの選択をしようとしたとき、警告を発することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の制御装置。
- 前記製本モードと前記中綴じモードとが選択されている状態で、前記製本モードの選択が解除されたとき、前記中綴じモードを解除することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の制御装置。
- 1枚の用紙に複数頁分の画像を記録する製本モードを有する画像情報に基づいて用紙上に画像形成を行う画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像形成された用紙の束を折って製本する製本装置と、を制御する制御装置において、
前記画像形成装置による画像形成に先立ち、前記製本装置へ画像形成する用紙のサイズ情報を送信し、
少なくとも前記サイズ情報に基づいた前記製本装置の準備動作が完了した後に、前記画像形成装置によって画像形成された用紙が前記製本装置へと搬送されるように、前記画像形成装置を制御することを特徴とする制御装置。 - 画像形成装置によって画像が形成された用紙を1部スタックし、該スタックした1部の用紙にステープルを打ち込む製本装置において、
スタックされた1部の用紙が1枚の用紙であるとき、ステープルを打ち込まないことを特徴とする製本装置。
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