JP3799620B2 - 光学活性2−置換カルボン酸エステル、その中間体、及びそれらの製造法 - Google Patents

光学活性2−置換カルボン酸エステル、その中間体、及びそれらの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、強誘電性液晶、医薬品、農薬等の原料として有用な、光学活性2−置換カルボン酸誘導体、その中間体、及びそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性アミドを利用した不斉アルキル化による2−置換カルボン酸誘導体の製造法としては、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティーズ(J . Am . Chem . Soc . )104巻,1732頁(1982年)に、次の反応式(a)
【0003】
【化4】
Figure 0003799620
【0004】
に示す光学活性アミドを用いる製造例が報告されている。
また、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett . )第25巻,857頁(1984年)には、反応式(b)に示す光学活性ピロリジンを用いる製造例が報告されている。
【0005】
【化5】
Figure 0003799620
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規な光学活性2−置換カルボン酸誘導体の製造法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学活性2−置換カルボン酸誘導体は、式(I)
【0008】
【化6】
Figure 0003799620
【0009】
〔式(I)中、R、フェニル、4−メトキシフェニル、2−ナフチル、6−ベンジルオキシ−2−ナフチル、ベンジル、4−メトキシフェニルメチル、4−ビフェニリルメチル、5−〔2−(4−メトキシフェニル)〕ピリミジルメチル、5−〔2−(4−ベンジルオキシ)〕ピリミジルメチル及び4−(2−ピリミジル)フェニルメチルを示し、RCF 2 H−又はCF 2 Br−を示し、R炭素数1〜4のアルキル基を示す〕で表される化合物である。
式(I)中、R のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、1−メチルプロピル、イソブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、イソペンチル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、イソヘプチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、イソオクチルのような炭素数1〜8の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基があげられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
【0010】
1 の置換基を有していてもよいアリール基としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−ベンジルオキシフェニル、3−ベンジルオキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、ビフェニリル、4−(4−メトキシフェニル)フェニル、4−(4−ベンジルオキシフェニル)フェニル、4−(4−ブロモフェニル)フェニル、4−(2−ピリミジル)フェニル、4−(5−メトキシ−2−ピリミジル)フェニル、4−(5−ベンジルオキシ−2−ピリミジル)フェニル、4−(5−ブロモ−2−ピリミジル)フェニルのような、低級アルコキシ基、ベンジルオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、低級アルコキシフェニル基、ベンジルオキシフェニル基もしくはハロゲン化フェニル基、ピリミジル基、低級アルコキシピリミジル基もしくはベンジルオキシピリミジル基が置換していてもよいフェニル基等があげられる。
【0011】
1 の置換基を有していてもよいアラルキル基としては、例えばフェニルメチル、2−メトキシフェニルメチル、3−メトキシフェニルメチル、4−メトキシフェニルメチル基、2−ベンジルオキシフェニルメチル基、3−ベンジルオキシフェニルメチル、4−ベンジルオキシフェニルメチル、2−メチルフェニルメチル、3−メチルフェニルメチル、4−メチルフェニルメチル、2−ブロモフェニルメチル、3−ブロモフェニルメチル、4−ブロモフェニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、1−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル、2−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、1−(4−ブロモフェニル)エチル、2−(4−ブロモフェニル)エチル、ビフェニリルメチル、4−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル、4−(4−ベンジルオキシフェニル)フェニルメチル、4−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル、4−(4−ブロモフェニル)フェニルメチル、ビフェニリルエチル、4−(4−メトキシフェニル)フェニルエチル、4−(4−ベンジルオキシフェニル)フェニルエチル、4−(4−メチルフェニル)フェニルエチル、4−(4−ブロモフェニル)フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、6−ベンジルオキシ−2−ナフチルメチル、1−ナフチルエチル、2−ナフチルエチル、4−(2−ピリミジル)フェニルメチル、4−(2−ピリミジル)フェニルエチルのような、アリール環上に低級アルコキシ基、ベンジルオキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、低級アルコキシフェニル基、ベンジルオキシフェニル基、ハロゲン化フェニル基もしくはピリミジル基が置換していてもよいアリール−C1 又はC2 アルキル基があげられる。
【0012】
1 のアリール環上に置換基を有していてもよいアリールピリミジル基又はアリールピリミジルアルキル基としては、例えば2−フェニル−5−ピリミジル、2−(4−メトキシフェニル)−5−ピリミジル、2−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−ピリミジル、2−(4−ブロモフェニル)−5−ピリミジル、2−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリミジル、2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル、〔5−(2−フェニル)ピリミジル〕メチル、〔5−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリミジル]〕メチル、〔5−[2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル]〕メチルのような、フェニル基、低級アルコキシフェニル基、ベンジルオキシフェニル基もしくはハロフェニル基が置換したピリミジル基又はピリミジルメチル基があげられる。
【0013】
式(I)中のR2 は、メチル、エチル又はプロピルに2個以上のハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)が置換されているハロアルキル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基である。
前記式(I)で表される化合物の具体例としては、式(c−1)〜(c−10)の化合物があげられる。
【0014】
【化7】
Figure 0003799620
【0015】
【化8】
Figure 0003799620
【0016】
本発明の光学活性2−(2−置換アシル)メントピラゾール誘導体は、式(II)
【0017】
【化9】
Figure 0003799620
【0018】
〔式(II)中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を示し、R1 及びR2 は式(I)における意味と同じである〕で表される化合物である。
式(II)において、Arの置換基を有していてもよいアリール基としては、式(d−1)〜式(d−3)があげられる。
【0019】
【化10】
Figure 0003799620
【0020】
上記式中、Rは、水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチルのような低級アルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシのような低級アルコキシ基;又はフェニル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。好ましいArはフェニル基である。
式(II)で表される化合物の具体例としては、下記の式(e−1)〜(e−10)の化合物があげられる。
【0021】
【化11】
Figure 0003799620
【0022】
【化12】
Figure 0003799620
【0023】
式(I)の光学活性2−置換カルボン酸誘導体は、酸性試剤の存在下で、式(II)の光学活性2−(2−置換アシル)メントピラゾール誘導体と、式(III)
HO−R3 (III)
【0024】
〔式(III)中、R3 は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す〕で表される化合物とを交換反応させることにより製造できる。
上記式(III)で表される化合物の具体例としては、水;アルキルアルコール類、マンデル酸アルキル、乳酸アルキル等のアルコール類;フェノール、アルキルフェノール、アルキルオキシフェノール、4−(4−アルキルフェニル)フェノール、4−(4−アルキルオキシフェニル)フェノール等のフェノール類等があげられる。
【0025】
上記交換反応で用いる酸性試剤としては、三ヨウ化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、三ヨウ化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三塩化アルミニウム、三フッ化アルミニウム、三ヨウ化鉄、三臭化鉄、三塩化鉄、三フッ化鉄、二ヨウ化鉄、二臭化鉄、二塩化鉄、二フッ化鉄、二ヨウ化錫、二臭化錫、二塩化錫、二フッ化錫等のルイス酸性を有するハロゲン化金属;ヨウ化水素、臭化水素、塩化水素、フッ化水素等のハロゲン化水素;ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩化水素酸、フッ化水素酸、燐酸、ホウ酸、硫酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸等の無機酸または有機酸;ピリジニウムパラトルエンスルホネート、ピリジニウムメタンスルホネート等のアンモニウムスルホネートがあげられる。これら酸性試剤の使用量は特に制限するものではないが、通常は触媒量を使用する。
【0026】
交換反応の溶媒は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ペンタン等のアルカン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等を用いることがある。
また、式(III)で表される化合物として、水あるいはアルキルアルコール類を用いる場合は、これらを溶媒として用いることもできる。
反応温度は特に制限するものではないが、通常は溶媒の還流温度で行う。
【0027】
【化13】
Figure 0003799620
【0028】
〔式(IV)中、R1 は式(I)における意味と同じであり、Arは式(II)における意味と同じである〕で表される光学活性2−アシルメントピラゾール誘導体を、金属塩形成剤とハロゲン化アルキル化剤又はハロゲン化アルキル導入剤で処理し、増炭する方法で製造できる。
式(IV)の2−アシルメントピラゾール誘導体の具体例としては、下記の式(f−1)〜式(f−10)の化合物があげられる。
【0029】
【化14】
Figure 0003799620
【0030】
【化15】
Figure 0003799620
【0031】
金属塩形成剤としては、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムイソプロピルシクロヘキシルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミドがあり、金属水素化物を使用することが好ましい。
【0032】
これは、式(IV)の光学活性2−アシルメントピラゾール誘導体に対して1当量以上を使用するのが好ましい。
ハロゲン化アルキル化剤としては、ヨウ化パーフルオロエチル、ヨウ化パーフルオロプロピル、ヨウ化パーフルオロブチル、トリブロモフルオロメタン、ジブロモフルオロメタン、ジブロモジフルオロメタン、1,2−ジブロモ−1,1−ジフルオロエタン、1−ブロモ−2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモ−1−クロロトリフルオロエタン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン等があげられる。
【0033】
ハロゲン化アルキル導入剤としては、S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、S−トリフルオロメチル−3,7−ジニトロジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、Se−(トリフルオロメチル)ジベンゾセレノフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、S−(パーフルオロエチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、S−(n−パーフルオロブチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、S−(n−パーフルオロオクチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム−3−スルホネート等がある。これらは、光学活性2−アシルメントピラゾール誘導体(IV)に対して1当量以上を使用するのが好ましい。
【0034】
増炭処理の溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ペンタン等の炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒などが使用できるが、エーテル系溶媒、特にテトラヒドロフランが好ましい。
増炭処理の反応温度は特に制限はないが、10℃以下が好ましい。
増炭処理においては、水素化ナトリウム等の金属水素化物を、式(IV)で表される光学活性2−アシルメントピラゾール誘導体に対して1当量以上を添加することが好ましい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
光学活性2−置換カルボン酸誘導体〔式(I)〕
【0036】
<実施例1>2−(4−メトキシフェニル)−5−(3,3−ジフルオロ−2−メトキシカルボニルプロピル)ピリミジン〔式(c−10)の化合物〕
捩じ蓋付き試験管に、2−{2−ジフルオロメチル−3−〔5−〔2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール11.2mgを量り取り、トルエンと共沸した。これに無水メタノール0.2ml(0.1M )及び三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体5.4μl(2.0倍当量)を加えて密封し、90℃に加熱した。10時間後、反応液を40℃で減圧濃縮した。得られた残渣はプレパレーティブ薄層クロマトグラフィ(展開系:クロロホルム/ジエチルエーテル=10/1)で精製し、光学純度78.8%eeの2−(4−メトキシフェニル)−5−(3,3−ジフルオロ−2−メトキシカルボニルプロピル)ピリミジン2.7mg(40.1%)を得た。光学純度の検定はHPLC(Chiralcel OD,展開溶媒:ヘキサン/イソプロパノー ル=90/10,流速:0.5ml/min,カラム温度:30℃)を用いて行った。
【0037】
1H−NMR,δ;3.0-3.1(m,2H),3.0-3.2(m,1H),3.71(s,3H),3.88(s,3H),6.09(1H,dt,J1 =4.2Hz,J2 =55.7Hz),6.99(d,2H,J=9.4Hz),8.37(d,2H,J=9.4Hz),8.61(s,2H)ppm
19F−NMR,δ;-61.1(ddd,1F,J1 =15.2Hz,J2 =55.7Hz,J3 =280.7Hz),-55.9(ddd,1F,J1 =8.3Hz,J2 =55.7Hz,J3 =280.7Hz)ppm
赤外線吸収スペクトル,ν;2924,2856,2724,2656,2488,2268,2020,1972,1732,1586,1548,1516,1430,1376,1330,1252,1166,1106,1066,1018,946,834,790,722,346cm-1
【0038】
光学活性2−(2−アルキル置換)アシルメントピラゾール誘導体〔式(II)〕
<実施例2>2−{2−ブロモジフルオロメチル−3−〔5−〔2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール〔式(e−7)の化合物〕
50ml容ナスフラスコに2−{3−〔5−〔2−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール548.1mgを量り取り、トルエンと共沸した。これに無水テトラヒドロフラン22ml(0.05M )を注加して−45℃に冷却し、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M テトラヒドロフラン溶液1.3ml(1.2倍当量)を器壁を伝わるように滴下した。30分後、−78℃に冷却しジブロモジフルオロメタン0.15ml(1.5倍当量)を加え、遮光条件下で撹拌した。1.5時間時間後、酢酸200.0mg(3倍当量)のテトラヒドロフラン4ml溶液を注加して撹拌し、反応液を氷冷したリン酸緩衝溶液中に注いだ。これを酢酸エチルで抽出し、
有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、40℃で減圧濃縮した。得られた残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶液:ヘキサン/酢酸エチル/エタノール=10/1/0.3)で精製し、2−{2−ブロモジフルオロメチル−3−〔5−〔2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール433.6mg(62.8%)を得た。
【0039】
1H−NMR(CDCl3 ,内部標準テトラメチルシラン)δ;0.66(d,3H,J=6.8Hz),0.69(d,3H,J=6.9Hz),0.96(d,3H,J=6.9Hz),1.1-1.4(m, 1H),1.7-2.0(m,2H),2.2-2.4(m,2H),2.5-2.6(m,1H),2.6-2.8(m,1H),3.1-3.3(m,2H),3.87(s,3H),5.4-5.7(m,1H),6.97(d,2H,J=9.0Hz),7.2-7.3(m,2H),7.3-7.5(m,3H),8.32(d,2H,J=9.0Hz),8.54(s,2H)ppm
19F−−NMR,δ;14.7(dd,1F,J1 =14.1Hz,J2 =171.3Hz),16.6(dd,1F,J1 =9.4Hz,J2 =171.3Hz)ppm
【0040】
<実施例3>2−{2−トリフルオロメチル−3−〔5−〔2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール〔式(e−8)の化合物〕
2−{3−〔5−〔2−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール52.7mgを捩じ蓋付き試験管に取り、トルエンと共沸した。これを−78℃に冷却し、無水テトラヒドロフラン4.3ml(0.025M )、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド106.5μl (1.0倍当量)、HMPA92.6μl (5.0倍当量)を加え、遮光して撹拌した。30分後、それぞれにS−トリフルオロメチル−3,7−ジニトロジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート55.0mg(1.05倍当量)を入れ、撹拌を続けた。1時間後、酢酸19.2mg(3.0倍当量)のテトラヒドロフラン溶液を注加して10分間撹拌した後、反応液を酢酸エチルで希釈し、氷冷したリン酸緩衝溶液中に注いだ。これを酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、40℃で減圧濃縮した。残渣はプレパレーティブ薄層クロマトグラフィで精製し、光学純度46.4%eeの2−{2−トリフルオロメチル−3−〔5−〔2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール4.2mg(7.0%)を得た。
【0041】
1H−NMR(CDCl3 ,内部標準テトラメチルシラン)δ;0.62(d,3H,J=6.8Hz,副異性体),0.68(d,3H,J=6.8Hz,主異性体),0.70(d,3H,J=6.8Hz,副異性体),0.75(d,3H,J=6.8Hz,主異性体),0.99(d,3H,J=6.9Hz,主異性体),1.05(d,3H,J=6.9Hz,副異性体),1.8-2.0(m,2H),1.9-2.1(m,2H),2.2-2.4(m,1H),2.5-2.7(m,1H),2.6-2.8(m,1H) 3.1-3.3(m,2H),3.65(s,3H,副異性体),3.88(s,3H,主異性体),5.2-5.5(m,1H),6.98(d,2H,J=9.0Hz,主異性体),7.00(d,2H,J=9.0Hz,副異性体),7.2-7.3(m,2H),7.3-7.5(m,3H),8.33(d,2H,J=9.0Hz,主異性体),8.38(d,2H,J=9.0Hz,副異性体),8.54(s,2H,主異性体),8.63(s,2H,副異性体)ppm,ただし異性体の存在比は、主 異性体/副異性体=73.2/26.8
19F−NMR,δ;4.24(CF3 ,d,J=9.3Hz,主異性体)4.39(CF3,d,J=9.3Hz,副 異性体)ppm,ただし異性体の存在比は、主異性体/副異性体=73.2/26 .8
赤外線吸収スペクトル,ν;2932,2856,2548,2328,2152,2036,1952,1914,1728,1608,1586,1542,1514,1428,1362,1254,1160,1126,1028,922,884,836,796,756,742,696,652,620cm-1
【0042】
光学活性2−アシルメントピラゾール誘導体〔式(IV)〕
<参考例1>2−{3−〔5−〔2−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール〔式(f−8)の化合物〕
1000ml容ナスフラスコに3−フェニル−l −メントピラゾール0.607g、2−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)ピリミジン1.96g(1.5倍当量)、トルエン59ml(0.1M )、トリエチルアミン1.35ml(2.5倍当量)及び塩化チオニル0.57ml(2.0倍当量)を量り取り、アルゴン置換して蛇管冷却器を取付け、室温で撹拌した。20分後、90℃まで昇温して撹拌を続けた。9時間後、反応液を氷冷したリン酸緩衝溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、40℃で減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/エタノール=10/1/0.3)で精製し、2−{3−〔5−〔2−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール420.0mg(32.2%)を得た。
【0043】
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン)δ; 0.68(d,3H,J=6.8Hz),0.92(d,3H,J=6.9Hz),1.07(d,3H,J=6.9Hz),1.4-1.6(m,1H),1.7-2.0(m,2H),2.3-2.5(m,2H),2.5-2.7(m,1H),2.7-2.9(m,1H),2.99(t,2H,J=7.3Hz),3.4-3.6(m,2H),5.14(s,2H),7.06(d,2H,J=8.9Hz),7.3-7.5(m,8H),7.76(d,2H),8.36(d,2H,J=8.9Hz),8.70(s,2H)ppm
赤外線吸収スペクトル,ν;3036,2928,2856,1948,1808,1728,1608,1586,1540,1506,1426,1372,1316,1248,1166,1104,1078,1008,930,842,796,734,692,650,406cm-1
【0044】
<参考例2>2−{3−〔5−〔2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール〔式(f−9)の化合物〕
捩じ蓋付き試験管に3−フェニル−l −メントピラゾール49.2mg、2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)ピリミジン50.9mg(1.0倍当量)、クロロホルム3.9ml(0.05M )、N,N−ジメチルアミノピリジン1.2mg(0.05倍当量)及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド42.6μl (1.5倍当量)を量り取り、遮光条件下、
室温で撹拌した。12時間後、反応液を氷冷したリン酸緩衝溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、40℃で減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル/エタノール=10/1/0.3)で精製し、2−{3−〔5−〔2−(4−メトキシフェニル)ピリミジル〕〕プロピオニル}−3−フェニル−l −メントピラゾール32.2mg(33.0%)を得た。
【0045】
1H−NMR(CDCl3,内部標準テトラメチルシラン)δ; 0.68(d,3H,J=6.8Hz),0.92(d,2H,J=6.9Hz),1.07(d,2H,J=6.9Hz),1.4-1.7(m,1H),1.8-2.0(m,2H),2.3-2.5(m,2H),2.5-2.7(m,1H),2.7-2.8(m,1H),2.99(t,2H,J=7.5Hz),3.4-3.6(m,2H),3.88(s,3H),7.07(d,2H,J=8.9Hz),7.2-7.4(m,2H),7.3-7.5(m,3H),8.35(d,2H,J=8.8Hz),8.63(s,2H)ppm
赤外線吸収スペクトル,ν;2936,2872,2044,1912,1726,1608,1586,1540,1506,1426,1366,1318,1250,1166,1104,1078,1022,928,842,794,752,694,652,340cm-1

Claims (2)

  1. 式(c−10)
    Figure 0003799620
    で示される、光学活性2−(4−メトキシフェニル)−5−(3,3−ジフルオロ−2−メトキシカルボニルプロピル)ピリミジン
  2. 式(e−7)又は式(e−10)
    Figure 0003799620
    で示される、光学活性2−(2−置換アシル)メントピラゾール誘導体。
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