JP3799572B2 - シャツ仕上げ機及び人体型装着用カバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャツ仕上げ機に関し、更に詳しくは洗濯されたワイシャツ等のシャツを人体型に着せた状態で、熱風やプレス鏝で皺を除去できるよう形成したシャツ仕上げ機、及びこの仕上げ機の人体型に装着させて使用するためのカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の仕上げ機としては、例えばシャツを着せるための人体型と、この人体型の前後を押圧してシャツをプレス仕上げするための前後一対のプレス鏝と、又上記の人体型の両側に設けられている左右一対の支持腕とを備え、シャツの袖内に熱風が供給されて緊張仕上げされるよう形成されているものがある。
この種の従来機は、通常、支持腕の上部に、シャツの袖先が差し込まれてセットされるアイロン台と、シャツのタック及びカフスをプレス仕上げするための熱鏝とが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの種の仕上げ機は、長袖シャツだけではなく、半袖シャツも仕上げることができるよう形成されているのが望ましい。
なぜなら長袖シャツ用、半袖シャツ用に仕上げ機が分けられていると、設置スペースが広く必要になり、ユーザーにとっては設備費や経費が倍かかり、使い勝手が悪いからである。
【0004】
しかるに従来のこの種の仕上げ機は、長袖シャツの仕上げ用として形成されているのが通例であり、半袖シャツを仕上げる場合は、例えば膨張用の袋を人体型に設け、この袋を熱風で膨張させて袖を緊張仕上げするのが一般的であった。
而してこの種の膨張袋を使用すると、半袖シャツは袖が短いため全体を高圧で緊張仕上げできる反面、長袖シャツは袖が長いため、袖の全体を膨張させて綺麗に仕上げることができ難いものであった。
【0005】
本発明は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の技術的課題は、膨張袋によることなく、熱風で袖を緊張仕上げする形式のシャツ仕上げ機において、長袖シャツだけではなく、半袖シャツも熱風で緊張仕上げできるよう形成したシャツ仕上げ機を提供することにある。
【0006】
而してこの種仕上げ機のプレス鏝の動作機構は、装置全体の占有面積等にも影響を与えるため、構造を簡単化でき、小型化、省スペース化できるのが望ましい。
【0007】
しかるに従来のこの種の動作機構は、シリンダ装置を横置きし、ロッドの伸縮方向と、プレス鏝の進退方向とを一致させているのが通例であったから、従来のこの種仕上げ機によると、動作機構の占有面積が大きくなり、ひいては装置の大型化等を招き易いものであった。
【0008】
本発明は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の他の技術的課題は、プレス鏝の動作機構を簡単化、小型化、省スペース化させ、装置全体の小型化や省スペース化、更には価格の低廉化を図ることができるよう形成したシャツ仕上げ機を提供することにある。
【0009】
又この種の仕上げ機の人体型に装着させて使用するカバーは、人体型を介して外方に吹き出るスチームや熱風で、シャツの仕上げのための糊が布地の縫い目に入り込み、汚れ易い。
従ってこのカバーの交換に手間暇がかかると、その間、この種の仕上げ機は運転が停止するため、洗濯物の処理枚数を減少させる、という問題が発生する。
【0010】
本発明のカバーは、このような観点から提案されたものである。
従って本発明カバーの技術的課題は、人体型に装着させたり、脱がせることを、簡単且つ迅速にできるよう形成したカバーを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような技術的手段を採る。
【0012】
即ち本発明は、図1に示されるように、シャツ1を着せるための人体型2と、この人体型2の前後を押圧してシャツ1をプレス仕上げするための前後一対のプレス鏝6と、又上記の人体型2の両側に設けられている左右一対の支持腕7とを備え、この支持腕7の上部に、シャツ1の袖先が差し込まれてセットされるアイロン台10と、シャツ1のタック及びカフスをプレス仕上げするための熱鏝11とが設けられ、シャツ1の袖1a内に熱風が供給されて緊張仕上げされるシャツ仕上げ機であって、上記の支持腕7の上部に、半袖シャツ1の袖先を挟み付けて固定するためのクランプ装置12が設けられ、このクランプ装置12を備えた支持腕7の上部を回動させて人体型2の側部にクランプ装置12を対向状に配置させるための回動装置13が支持腕7に設けられ、上記のプレス鏝6を人体型2に押圧させるための動作機構16が、起立状のシリンダ装置16aと、このシリンダ装置16aに取り付けられてロッド16a 1 の伸縮動作をプレス鏝6の進退動作に変換させるための変換部材16bとで形成され、この変換部材16bに、プレス鏝6の支持部6aを係合させてロッド16a 1 と共に変換部材16bが上昇するとプレス鏝6を前進させ、下降するとプレス鏝6を後退させる係合部16b 2 が形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0013】
この場合、本発明は、回動装置13が支持腕7の上部に設けられたエアシリンダで形成され、支持腕7の上部が縦軸を中心に装置本体4の前後方向に回動自在に形成されているのが好ましい(請求項2)。
【0014】
なぜならこれによると、回動装置13がエアシリンダのため、プレス鏝6等と共に空気圧回路を利用して効率良く制御できるからである。
又この場合は、支持腕7の上部が縦軸を中心にして装置本体4の前後方向に回動するため、アイロン台10や熱鏝11に対し、クランプ装置12を支障なく、且つ余計な動作機構を伴うことなく、効率良く設けることができるからである。
【0015】
なお回動装置13は、その他例えばモータと歯車等が組み合わされることによって形成されるのでも良い。又回動装置13は、支持腕7に内蔵されるのでも良い。
【0016】
又本発明の第二の課題を達成する仕上げ機としては、シャツ1を着せるための人体型2と、この人体型2の前後を押圧してシャツ1をプレス仕上げするための前後一対のプレス鏝6と、又上記の人体型2の両側に設けられている左右一対の支持腕7とを備え、この支持腕7の上部に、シャツ1の袖先が差し込まれてセットされるアイロン台10と、シャツ1のタック及びカフスをプレス仕上げするための熱鏝11とが設けられ、シャツ1の袖1a内に熱風が供給されて緊張仕上げされるシャツ仕上げ機であって、上記のプレス鏝6を人体型2に押圧させるための動作機構16が、起立状のシリンダ装置16aと、このシリンダ装置16aに取り付けられてロッド16a1の伸縮動作をプレス鏝6の進退動作に変換させるための変換部材16bとで形成され、この変換部材16bに、プレス鏝6の支持部6aを係合させてロッド16a1と共に変換部材16bが上昇するとプレス鏝6を前進させ、下降するとプレス鏝6を後退させる係合部16b2が形成されていることを特徴とするものがある(請求項3)。
【0017】
この本発明の場合、係合部16b2は、スリット状に形成されているのが好ましい(請求項4)。
【0018】
なぜならこれによると、プレス鏝6の支持部6aが外れることを防止でき、安定した状態で案内できるからである。
【0019】
又この場合、本発明は、プレス鏝6の支持部6aに、係合部16b2と係合するローラ19が軸19aを横にして設けられているのが好ましい(請求項5)。
【0020】
なぜならこれによると、プレス鏝6の支持部6aと係合部16b2との接触摩擦を低減でき、円滑にプレス鏝6を進退動作させることができるからである。
【0021】
又本発明仕上げ機の人体型2に装着させて使用するカバーとしては、図11〜図15に示されるように、形成されているものがある。
【0022】
即ちこの本発明は、人体型2に掛けられてその前後を覆う前垂れ21と後垂れ22とが一枚のシート状に形成され、前垂れ21の下部の両側に人体型2の後側に回されて両端部が連結される腰巻状覆い部24が形成され、上記の前垂れ21と後垂れ22の両側の上部に、前垂れ21と後垂れ22を縛って人体型2に取り付けるための紐26が設けられ、前垂れ21と後垂れ22と腰巻状覆い部24の周辺位置が折り返されて管状の袋部21a、22a、24aに形成されると共に、この袋部21a、22a、24aに前垂れ21と後垂れ22と腰巻状覆い部24を人体型2に一度の操作で縛り付けるための締め紐21b、22b、24bが通され、又腰巻状覆い部24の両側の位置に、形状保持用の硬質部材27が設けられると共に、腰巻状覆い部24を人体型2の側面部に止め付けるための締結紐29が設けられていることを特徴とする(請求項6)。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に従って説明する。
【0024】
図1等において、1は例えばワイシャツ等のシャツである。2はこのシャツ1を着せるための人体型である。この人体型2は、中空状に形成され、熱風の供給源3からシャツ1の袖1a内に熱風が供給されるよう形成されている。又この人体型2は、この実施形態では、装置本体4の前後位置に夫々設けられると共に、装置本体4の下部に設けられている回転駆動装置5で180度回動されて装置本体4の前後位置に交互に配置されるよう形成されている。
【0025】
6は、人体型2の前後を押圧してシャツ1をプレス仕上げするための前後一対のプレス鏝である。このプレス鏝6は、装置本体4の後側に設けられ、内部に供給されるスチームで加熱されるよう形成されている。
【0026】
7は、上記の人体型2の両側に設けられている左右一対の支持腕である。この支持腕7は、この実施形態では人体型2が起立状に設けられている基枠8の両端部に設けられ、人体型2と共に回動されるものである。又この支持腕7は、下部の枢着軸9を介して人体型2の側方に傾倒したり、人体型2の方向に起立可能に形成されている。
【0027】
又支持腕7は、その上部に、シャツ1の袖先が差し込まれてセットされるアイロン台10と、シャツ1のタック及びカフスをプレス仕上げするための熱鏝11とが設けられている。アイロン台10は、図2、図3等に示されるように、シャツ1の袖先を挟み付けて固定する挟着具10aを備えている。10bは、この挟着具10aを開閉動作させるためのエアシリンダである。11aは、熱鏝11をアイロン台10に押し付けるためのエアシリンダである。
【0028】
又支持腕7は、その上部に、アイロン台10等と共に、半袖シャツ1の袖先を挟み付けて固定するためのクランプ装置12を備えて形成されている。このクランプ装置12は、一対の挟持部材12aと、この挟持部材12aを開閉動作させるためのエアシリンダ12bとで形成されている。挟持部材12aは、アイロン台10の長手方向とほぼ直交状に配置されている。これにより半袖シャツ1の袖先は、装置本体4の前後方向から挟持部材12aで挟み付けられる。
【0029】
又支持腕7の上部は、回動装置13で所定の角度、回動自在に形成されている。これは、シャツ1の袖の違い(半袖か長袖かの違い)に応じて、アイロン台10等やクランプ装置12を、人体型2に対して最適な位置に配置させるためである。この場合、本発明は、支持腕7の上部の全体が回動装置13で回動するため、長袖のシャツ1を仕上げる際に、クランプ装置12が邪魔にならず、又半袖のシャツ1を仕上げる際にも、アイロン台10を装置本体4の後方に配置でき、従って作業性が良いものである。この実施形態の場合は、図2〜図4に示されるように、回動装置13としてのエアシリンダが支持腕7の上部に横向きに設けられている。そしてこの回動装置13としてのエアシリンダのロッドが延伸すると、支持腕7の上部が、ロッドの先端の枢着部13aを縦軸にして装置本体4の後方に所定の角度だけ回動する。これによりクランプ装置12は、図4に示されるように、人体型2の側部に対向状に配置され、半袖のシャツ1の袖先を装置本体4の前後方向から挟持可能になる。
【0030】
次にこの実施形態に係る本発明の、長袖と半袖のシャツ1の仕上げ作用を説明する。
【0031】
先ず長袖のシャツ1を仕上げる場合は、図1に示されるように、支持腕7を側方に傾倒させた状態で人体型2にシャツ1を着せる。次に作業者は、支持腕7を起立させてアイロン台10にシャツ1の袖先を差し込んで被せ、袖先を挟着具10aで挟み付ける。この状態で熱鏝11が回動してタックとカフスがプレス仕上げされる。
【0032】
又この状態で前側の人体型2が、装置本体4の後側に回動され、プレス鏝6の間に配置される。このとき、後側の人体型2は前側に回動し、装置本体4の前側に配置される。人体型2が、後側に回動されると、支持腕7が人体型2の側方に傾倒し、熱風の供給源3から袖1a内に熱風が供給される。これにより袖1aが、膨張し、緊張仕上げされる。
【0033】
又プレス鏝6が、人体型2を押圧し、シャツ1の前側と後側がプレス仕上げされる。このとき作業者は、前側に配置されている人体型2から、プレス仕上げされたシャツ1を脱がせ、未処理の新しいシャツ1を人体型2に着せる。
【0034】
次に半袖のシャツ1を仕上げる場合について説明する。
この場合は、先ず作業者は、回動装置13としてのエアシリンダのロッドを延伸させる。これにより支持腕7の上部が、装置本体4の後方に、枢着部13aの縦軸を中心に回動する。この結果クランプ装置12が、人体型2の側部に対向状に配置される。次に作業者は、半袖のシャツ1の袖先を挟持部材12aの間に差し入れ、エアシリンダ12bのロッドを延伸させて挟み付ける。その後、半袖のシャツ1の袖1a内に、熱風が供給され、袖1aが緊張仕上げされる。半袖のシャツ1の前側と後側は、長袖のシャツ1の場合と同様の手順で、プレス仕上げされる。
【0035】
次にプレス鏝6を人体型2に押圧するための動作機構16の構成と作用を、請求項3記載の本発明の好適な一実施形態と共に、図1、図5〜図10に従って説明する。なお上例と同一箇所、同一部材については同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0036】
この本発明の場合は、上例と同様、シャツ1を着せるための人体型2と、この人体型2の前後を押圧してシャツ1をプレス仕上げするための前後一対のプレス鏝6と、又上記の人体型2の両側に設けられている左右一対の支持腕7とを備えて形成されている。支持腕7の上部には、長袖のシャツ1の袖先が差し込まれてセットされるアイロン台10と、シャツ1のタック及びカフスをプレス仕上げするための熱鏝11とが設けられている。又シャツ1の袖1aは、熱風の供給源3から人体型2の内部を介して供給される熱風で膨張され、緊張仕上げされる。
【0037】
上記の人体型2は、上例と同様、装置本体4の前側と後側に設けられると共に、180度回動され、装置本体4の前後位置に交互に配置されるよう形成されている。又プレス鏝6は、装置本体4の後側に配置されている。このプレス鏝6の支持部6aは、その下端が装置本体4に枢着され、この枢着箇所14を中心にして装置本体4の前後方向に回動自在に形成されている。又プレス鏝6は、リンク装置15によって平行移動するよう形成されている。
【0038】
図5等において、16は、上記のプレス鏝6を人体型2に押圧させるための動作機構である。この動作機構16は、起立状のシリンダ装置16aと、このシリンダ装置16aに取り付けられてロッド16a1の伸縮動作をプレス鏝6の進退動作に変換させるための変換部材16bとで形成されている。
【0039】
上記のシリンダ装置16aは、この実施形態ではエアシリンダで形成され、ロッド16a1を上にして起立状に設けられている。又変換部材16bは、このシリンダ装置16aのロッド16a1の上端に連結されている。変換部材16bは、背面にレール16b1が垂直状に取り付けられている。このレール16b1は、支柱17に固定されたガイドブロック18に係合され、変換部材16bはこのガイドブロック18に案内されてシリンダ装置16aのロッド16a1の伸縮動作で昇降動作するよう形成されている。
【0040】
上記の変換部材16bは、この実施形態ではスリット状の係合部16b2を備えて形成されている。この係合部16b2は、プレス鏝6の支持部6aを係合させて、シリンダ装置16aのロッド16a1と共に変換部材16bが上昇すると、プレス鏝6を前進させ(図5参照)、下降するとプレス鏝6を後退させるものである。
【0041】
又この実施形態の場合は、図8等に示されるように、プレス鏝6の支持部6aに、係合部16b2に係合して回転するローラ19が、軸19aを横にして設けられている。この実施形態では、これにより支持部6aと係合部16b2との摩擦抵抗を軽減できるよう形成されている。
【0042】
次にこの本発明の作用を、図5、図6等に従って説明する。
【0043】
先ず人体型2が装置本体4の後方に回動され、一対のプレス鏝6の間に配置される。すると、動作機構16が駆動し、シャツ1の前後がプレス仕上げされる。具体的には、シリンダ装置16aのロッド16a1が延伸し、変換部材16bを上昇させる(図5参照)。すると係合部16b2に案内されてプレス鏝6の支持部6aが枢着箇所14を中心に前方に回動する。これによりプレス鏝6が前進し、人体型2を押圧する。又シリンダ装置16aのロッド16a1が収縮すると、図6に示されるように、プレス鏝6の支持部6aが係合部16b2に案内されて後方に回動し、起立状に配置される。この結果プレス鏝6が人体型2から引き離され、後退する。
【0044】
以上の処において、本発明の場合、上記の係合部16b2は、図9、図10に示されるように、変換部材16bの前側の周縁に形成されているのでも良く、スリット状には限定されない。この実施形態の場合は、変換部材16bの周縁が、略S字状に湾曲形成され、プレス鏝6の支持部6aに設けられているローラ19と係合するよう形成されている。
【0045】
同図において、20はプレス鏝6の支持部6aと、支柱17との間に架け渡されたシリンダである。支持部6aは、このシリンダ20のロッドが伸縮することで前方へ倒伏することなく、前後方向への回動が確保されている。なおプレス鏝6の押圧動作は、上例と同様である。即ち、シリンダ装置16aのロッド16a1が延伸すると、変換部材16bの周縁の係合部16b2に案内されてプレス鏝6の支持部6aが枢着箇所14を中心にして前方へ回動する。そしてこれによりプレス鏝6が前進し、人体型2を押圧し、シャツ1の前後をプレス仕上げする。
【0046】
又シリンダ装置16aのロッド16a1が収縮すると、プレス鏝6の支持部6aが後方に回動して引き起こされる。この結果プレス鏝6が、人体型2から引き離され、後退する。
【0047】
次に本発明仕上げ機の人体型2に装着させて使用するためのカバーを、図11〜図15に従って説明する。上例と同一部材、同一箇所については、同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0048】
本発明のカバーは、人体型2に掛けられてその前後を覆う前垂れ21と後垂れ22とが一枚のシート状に形成されている。23は、人体型2の首に通される開口である。又24は、人体型2の後側に回されて両端部が例えばファスナー25で連結される腰巻状覆い部である。この覆い部24は、前垂れ21の下部の両側に例えば縫い付けられている。
【0049】
26は、上記の前垂れ21と、後垂れ22の両側の上部に設けられている紐である。この紐26は、端部が開放されると共に、前垂れ21の上部に設けられた紐26と、後垂れ22の上部に設けられた紐26とを結ぶことができるよう、高さを合わせて設けられている。
【0050】
又前垂れ21と、後垂れ22と、腰巻状覆い部24は、夫々周辺位置が折り返されて管状の袋部21a、22a、24aを備えて形成されている。そして本発明は、この袋部21a、22a、24aに前垂れ21と、後垂れ22と、腰巻状覆い部24を人体型2に一度の操作で縛り付けるための締め紐21b、22b、24bが通されている。この締め紐21b、22b、24bは、前垂れ21と、後垂れ22については、縦方向に通された一方と、縦方向から横方向にわたってL字状に通された他方のものとの、2本で構成されている。締め紐21b、22bの端部は、袋部21a、22aの下部位置の開口部21c、22cから引き出されている。又腰巻状覆い部24の袋部24aに通されている締め紐24bは、図11において、中央位置の締め紐24b1と、その左右の配置されている締め紐24b2、24b3の計3本で構成されている。これらの締め紐24b1、24b2、24b3は、袋部24aの適宜位置に形成された開口部24cから端部が引き出され、隣り合う端部同士が締結されるものである。
【0051】
又本発明のカバーは、腰巻状覆い部24の両側の位置に、形状保持用の硬質部材27が設けられている。この硬質部材27は、この実施形態では金属棒で形成され、カバー布28で覆われると共に、横方向に等間隔をあけ、縦に計3本設けられている。
【0052】
29は、腰巻状覆い部24を人体型2の側面部に止め付けるための締結紐である。この締結紐29は、この実施形態では腰巻状覆い部24の両側の内面位置に、端部を開放させて夫々一対状に設けられている。
【0053】
次に本発明のカバーを人体型2に装着させる場合の一例を説明する。
【0054】
先ず作業者は、本発明品を人体型2に掛け、前垂れ21と、後垂れ22の両側の紐26を縛る。次に作業者は、前垂れ21と、後垂れ22の袋部21a、22aを人体型2の周囲の内側に配置させ、締め紐21b、22bの端部を牽引し、締結する。又作業者は、腰巻状覆い部24の袋部24aを人体型2が取り付けられている基枠8の適宜位置にあてがい、締め紐24bの端部を牽引し、締結する。その後、作業者は、締結紐29を人体型2の側面部の適宜位置に縛り付け、腰巻状覆い部24の両側を人体型2に固定する。本発明品を取り外す場合は、上例と逆に操作して行なう。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、熱風で袖を緊張仕上げする形式のシャツ仕上げ機において、半袖シャツ用のクランプ装置を支持腕の上部に設け、このクランプ装置を人体型の側部に対向状に配置させるため、支持腕の上部を回動可能に形成し、またプレス鏝を人体型に押圧するための動作機構を、起立状のシリンダ装置と、このシリンダ装置に取り付けてロッドの伸縮動作をプレス鏝の進退動作に変換するための変換部材とで形成し、この変換部材に、プレス鏝の支持部を係合させてロッドと共に変換部材が上昇するとプレス鏝を前進させ、下降するとプレス鏝を後退させる係合部を形成したものである。
【0056】
従って本発明を使用すれば、長袖のシャツだけではなく、半袖のシャツも仕上げることができ、設置スペースやコストの軽減化、節減化を図ることができる。
【0057】
又請求項3記載の本発明の場合は、プレス鏝を押圧動作させるための動作機構を簡単化でき、少ない部品数で形成できる。
【0058】
従ってこれによれば、組立てコストや製造コストを低減化でき、又この種仕上げ機の重量の軽減化や、小型化、省スペース化を図ることができる。
【0059】
又本発明のカバーは、各紐を結んだり解くことで、人体型への装着や、脱着が可能になる。従ってこれを使用すれば、カバーの交換を、簡単化、迅速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明仕上げ機の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同上仕上げ機の要部斜視図である。
【図3】同上仕上げ機の要部正面図である。
【図4】同上仕上げ機の使用状態の要部斜視図である。
【図5】プレス鏝の動作機構を示す要部側面図である。
【図6】プレス鏝の動作機構の作用を説明するための要部側面図である。
【図7】本発明仕上げ機の要部斜視図である。
【図8】プレス鏝の動作機構の要部斜視図である。
【図9】同上動作機構の他の実施形態を示す要部側面図である。
【図10】図9の実施形態の作用を説明するための要部側面図である。
【図11】本発明カバーの一部を展開させた状態の背面図である。
【図12】同上カバーの正面図である。
【図13】同上カバーの背面図である。
【図14】同上カバーの使用状態を示す要部斜視図である。
【図15】同上カバーの使用状態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 シャツ
1a 袖
2 人体型
6 プレス鏝
7 支持腕
10 アイロン台
11 熱鏝
12 クランプ装置
13 回動装置
Claims (6)
- シャツを着せるための人体型と、この人体型の前後を押圧してシャツをプレス仕上げするための前後一対のプレス鏝と、又上記の人体型の両側に設けられている左右一対の支持腕とを備え、この支持腕の上部に、シャツの袖先が差し込まれてセットされるアイロン台と、シャツのタック及びカフスをプレス仕上げするための熱鏝とが設けられ、シャツの袖内に熱風が供給されて緊張仕上げされるシャツ仕上げ機であって、上記の支持腕の上部に、半袖シャツの袖先を挟み付けて固定するためのクランプ装置が設けられ、このクランプ装置を備えた支持腕の上部を回動させて人体型の側部にクランプ装置を対向状に配置させるための回動装置が支持腕に設けられ、上記のプレス鏝を人体型に押圧させるための動作機構が、起立状のシリンダ装置と、このシリンダ装置に取り付けられてロッドの伸縮動作をプレス鏝の進退動作に変換させるための変換部材とで形成され、この変換部材に、プレス鏝の支持部を係合させてロッドと共に変換部材が上昇するとプレス鏝を前進させ、下降するとプレス鏝を後退させる係合部が形成されていることを特徴とするシャツ仕上げ機。
- 請求項1記載のシャツ仕上げ機であって、回動装置が支持腕の上部に設けられたエアシリンダで形成され、支持腕の上部が縦軸を中心に装置本体の前後方向に回動自在に形成されていることを特徴とするシャツ仕上げ機。
- シャツを着せるための人体型と、この人体型の前後を押圧してシャツをプレス仕上げするための前後一対のプレス鏝と、又上記の人体型の両側に設けられている左右一対の支持腕とを備え、この支持腕の上部に、シャツの袖先が差し込まれてセットされるアイロン台と、シャツのタック及びカフスをプレス仕上げするための熱鏝とが設けられ、シャツの袖が熱風で膨張されて緊張仕上げされるシャツ仕上げ機であって、上記のプレス鏝を人体型に押圧させるための動作機構が、起立状のシリンダ装置と、このシリンダ装置に取り付けられてロッドの伸縮動作をプレス鏝の進退動作に変換させるための変換部材とで形成され、この変換部材に、プレス鏝の支持部を係合させてロッドと共に変換部材が上昇するとプレス鏝を前進させ、下降するとプレス鏝を後退させる係合部が形成されていることを特徴とするシャツ仕上げ機。
- 請求項3記載のシャツ仕上げ機であって、係合部がスリット状に形成されていることを特徴とするシャツ仕上げ機。
- 請求項3又は4記載のシャツ仕上げ機であって、プレス鏝の支持部に、係合部と係合するローラが軸を横にして設けられていることを特徴とするシャツ仕上げ機。
- 請求項1乃至5の何れかに記載のシャツ仕上げ機の人体型に装着させて使用するためのカバーであって、人体型に掛けられてその前後を覆う前垂れと後垂れとが一枚のシート状に形成され、前垂れの下部の両側に人体型の後側に回されて両端部が連結される腰巻状覆い部が形成され、上記の前垂れと後垂れの両側の上部に、前垂れと後垂れを縛って人体型に取り付けるための紐が設けられ、前垂れと後垂れと腰巻状覆い部の周辺位置が折り返されて管状の袋部に形成されると共に、この袋部に前垂れと後垂れと腰巻状覆い部を人体型に一度の操作で縛り付けるための締め紐が通され、又腰巻状覆い部の両側の位置に、形状保持用の硬質部材が設けられると共に、腰巻状覆い部を人体型の側面部に止め付けるための締結紐が設けられていることを特徴とする人体型装着用カバー。
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