JP2001058100A - 縦形のズボンプレス仕上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業者の背の高さに関係なく、簡単且つ楽に
ズボンをセットでき、又綺麗にプレス仕上げできるよう
にする。 【解決手段】 ズボン１のサイドライン１ａを正面に向
けてウエスト部１ｂをクランプする左右一対のクランパ
ー２と、このクランパー２で吊り下げたズボン１の後側
に配置した縦長のプレスベッド５と、このプレスベッド
５の両側に配設してこのプレスベッド５にズボン１を押
圧する観音開き式のプレス鏝６とで形成する。上記のク
ランパー２を上下動させる昇降装置３を備える。この昇
降装置３により、ズボン１のセット位置を変更自在に形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、縦形のズボンプレ
ス仕上げ装置に関し、更に詳しくは洗濯したズボンを吊
るした状態でプレス仕上げできるよう形成した縦形のズ
ボンプレス仕上げ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の装置としては、ズボンのサ
イドライン（ズボンの側面に縦方向に形成される生地の
縫い目の線）を正面に向けてウエスト部をクランプする
左右一対のクランパーと、このクランパーで吊り下げら
れたズボンの後側に配置された縦長のプレスベッドと、
このプレスベッドの両側に配設されてこのプレスベッド
にズボンを押圧する観音開き式のプレス鏝とで形成され
たものがある（例えば特公昭６１ー９８８０号公報参
照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところでこの種の装置
は、プレス鏝でズボンを押圧する前に、クランパーでズ
ボンのウエスト部を固定し、次にこの吊り下げられたズ
ボンの裾を整える作業が必用であるから、この種のセッ
ト作業やプレス後のズボンの取り外し作業を、作業者に
無理な姿勢を強いることなく、簡単且つ楽に行なうこと
ができるよう形成されているのが望ましい。

【０００４】しかるに従来品は、左右一対のクランパー
が装置の上部に固定的に設けられていたから、従来品に
よると、例えば背の高い人は裾をセットするとき屈む必
要があり、又背の低い人はズボンのウエスト部をクラン
プするとき両腕を上方に伸ばしたり、背伸びを強いられ
易いものであった。

【０００５】従って従来品の場合は、ズボンのセット作
業等によって、肩、腕、腰等が疲れ易くなる、という問
題点があった。又この種のセット作業等が不便なことか
ら、不充分なセット状態のままプレスし易かったから、
従来品を使用すると、仕上がり状態を綺麗にでき難いも
のであった。

【０００６】本発明は、このような従来品の問題点に鑑
み、提案されたものである。従って本発明の技術的課題
は、作業者の背の高さに関係なく、簡単且つ楽にズボン
のセット作業等を行なうことができ、又綺麗にプレス仕
上げできるよう形成した縦形のズボンプレス仕上げ装置
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、次のような技術的手段を採る。

【０００８】即ち本発明は、図１に示されるように、ズ
ボン１のサイドライン１ａを正面に向けてウエスト部１
ｂをクランプする左右一対のクランパー２と、このクラ
ンパー２で吊り下げられたズボン１の後側に配置された
縦長のプレスベッド５と、このプレスベッド５の両側に
配設されてこのプレスベッド５にズボン１を押圧する観
音開き式のプレス鏝６とで形成された縦形のズボンプレ
ス仕上げ装置において、上記のクランパー２を上下動さ
せる昇降装置３を備え、この昇降装置３によりズボン１
のセット位置が変更自在に形成されたことを特徴とする
（請求項１）。

【０００９】ここで、ズボン１のセット位置が変更自在
に形成され、とは、ズボン１をクランプするときは低い
位置で行なえ、ズボン１の裾をセットするときはズボン
１を引き上げ裾の位置を高くして行なえる、ということ
を意味する。従って本発明の場合は、昇降装置３に、ク
ランパー２の高さを変更できる機能が付加され、作業者
の背の高さに合わせてズボン１のセット位置を調節でき
るよう形成されるのでも良い。ここで昇降装置３として
は、例えばエアシリンダのほか、モータと歯車機構、或
いはモータとワイヤの巻き取り機構とを組み合わせてな
るものがある。

【００１０】又本発明は、左右一対のクランパー２が、
ズボン１のウエスト部１ｂの前側を挟持する前側用クラ
ンパー２１と、ウエスト部１ｂの後ろ側を挟持する後側
用クランパー２２とで形成され、後側用クランパー２２
がウエスト部１ｂの外面を周面が当圧するローラ２２ａ
を備えて形成されるのが好ましい（請求項２）。

【００１１】この場合は、ローラ２２ａにより、ズボン
１のウエスト部１ｂの位置ずれや生地の引きつれを防止
できる。

【００１２】又本発明は、プレスベッド５の前面が装置
本体の後方に昇り傾斜状に形成されるのが好ましい（請
求項３）。

【００１３】この場合は、ズボン１がプレスベッド５の
前面に当接した状態で吊り下げられるため、セット時の
振動等でズボン１が乱されることがない。従ってこれに
よれば、セット作業をより簡単且つ楽にでき、又仕上が
り状態を綺麗にできる。

【００１４】又本発明は、ズボン１の股上の箇所に内装
され、この箇所を緊張仕上げするための空気袋８を備え
てなるのが好ましい（請求項４）。

【００１５】この場合は、空気袋８によってズボン１の
股上の箇所の皺を除去できるから、一層仕上がり状態を
良好にできる、という利点がある。

【００１６】又本発明は、ズボン１の裾を、各脚ごとプ
レスベッド５に押圧して固定する前後一対状の裾押え板
９を備えてなるのが好ましい（請求項５）。

【００１７】この場合は、裾押え板９でズボン１の裾の
乱れを防止できるから、これによればより一層綺麗にプ
レス仕上げできる。

【００１８】又本発明は、ズボン１のサイドライン１ａ
をプレス鏝６の合せ目６ｂに一致させるためのアジャス
ト機構１２を備えてなるのが好ましい（請求項６）。

【００１９】サイドライン１ａの箇所は、生地が折り返
され、段差状に形成されている。従ってプレス鏝６の圧
力が直接この箇所に加わると、生地の表面が傷み、てか
てかに光り易い。この請求項記載の本発明の場合は、ア
ジャスト機構１２を備えてなるから、このアジャスト機
構１２によってプレス鏝６の合せ目６ｂ（この合せ目６
ｂの箇所にはプレス圧がかからない）に、サイドライン
１ａを配置できる。従ってこの場合は、サイドライン１
ａにプレス圧を加えることなくズボン１をプレスでき、
生地を傷めることがないから、これによればその分、綺
麗にプレス仕上げできる。

【００２０】又本発明は、プレス鏝６に回動操作用の把
手６ａが起立状に設けられ、この把手６ａが縦軸を中心
に回転自在に形成されるのが好ましい（請求項７）。

【００２１】この場合は、プレス鏝６を回動させる際、
把手６ａが回転するため、手首に無理な力が加わること
を防止でき、プレス鏝６の回動操作を楽にできる。

【００２２】更に本発明は、装置本体の側部にバー１３
が起立状に設けられ、このバー１３の上部にアイロン台
１４が形成され、このアイロン台１４の傍らにアイロン
１５を備えてなるのが好ましい（請求項８）。

【００２３】この場合は、プレス鏝６等で除去しきれな
い皺を、その場で直ぐにアイロンがけできるから、これ
によれば、使い勝手が良くなり、ズボン１を一層綺麗に
仕上げることができる。

【００２４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施形態
を添付図面に従って説明する。

【００２５】図１等において、１はズボンであり、２は
このズボン１のサイドライン１ａを正面に向けてウエス
ト部１ｂをクランプする左右一対のクランパーである。
このクランパー２は、ズボン１のウエスト部１ｂの前側
を挟持する前側用クランパー２１と、ウエスト部１ｂの
後ろ側を挟持する後側用クランパー２２とで形成され、
後側用クランパー２２はウエスト部１ｂの外面を周面が
当圧するローラ２２ａを備えてなる。

【００２６】前側用クランパー２１は、図３に示される
ように、水平状態で交叉状に配設されたエアシリンダ２
１ａにより、開閉動作される。又後側用クランパー２２
は、ローラ２２ａが取り付けられた一方の部材２２１
と、円柱状の他方の部材２２２とで形成され、一方の部
材２２１はエアシリンダ２２ｂを備え、このエアシリン
ダ２２ｂのロッドが延伸すると、ローラ２２ａが他方の
部材２２２を当圧するよう形成されている。

【００２７】又３は、上記左右一対のクランパー２を上
下動させる昇降装置である。この昇降装置３は、この実
施形態ではエアシリンダで形成され、図８、図９に示さ
れるように、ロッド３ａが延びると、左右一対のクラン
パー２を備えたセット部４を上昇させ、収縮すると下降
させ、これによってズボン１のセット位置を変更できる
よう形成されている。

【００２８】５は、クランパー２で吊り下げられたズボ
ン１の後側に配置された縦長のプレスベッドである。こ
のプレスベッド５は、合せ目５ａにズボン１のサイドラ
イン１ａが配置されるよう、左右一対状に形成されてい
る。又その前面は、図５に示されるように、装置本体の
後方に昇り傾斜状に形成されている。

【００２９】又６は、プレスベッド５の両側に配設され
て、このプレスベッド５にズボン１を押圧する観音開き
式のプレス鏝である。このプレス鏝６は、回動操作用の
把手６ａを起立状に備え、この把手６ａは縦軸を中心に
回転自在に形成されている。なおプレス鏝６の内側に
は、布製の介装プレート７が観音開き状に配設されてい
る。この介装プレート７は、仕上がり状態を良くするた
め、プレス時にズボン１の各脚の間に配置されるもので
ある。

【００３０】８は、ズボン１の股上の箇所に内装され、
この箇所を緊張仕上げするための空気袋である。この空
気袋８は、左右一対のクランパー２の間に配設され、供
給される加熱空気によって膨張するよう形成されてい
る。

【００３１】９（図６、図７参照）は、ズボン１の裾
を、各脚ごとプレスベッド５に押圧して固定する前後一
対状の裾押え板である。この裾押え板９は、プレスベッ
ド５の下方の操作スイッチ部１０（図１参照）の背面側
に配設され、動作機構１１により出没自在に形成されて
いる。

【００３２】動作機構１１は、各裾押え板９に対応して
装置本体の左右位置に起立状に設けられたロッドレスシ
リンダ１１ａを備えて形成されている。このロッドレス
シリンダ１１ａのマウント金具１１ｂには、裾押え板９
が取り付けられている。各マウント金具１１ｂは、左右
の上下位置に夫々ガイドローラ１１ｃを備え、起立状に
設けられたガイド杆１１ｄに案内されて、円滑に上下動
するよう形成されている。

【００３３】又１１ｅは、裾押え板９を装置本体の前後
方向に回動制御するためのエアシリンダである。このエ
アシリンダ１１ｅは、マウント金具１１ｂと一体化した
基板部１１ｆにロッドを上向きにして取り付けられ、ロ
ッドの上端が裾押え板９の下部９ａに枢着されている。
このエアシリンダ１１ｅのロッドが延伸すると、裾押え
板９がプレスベッド５にズボン１の裾を押圧する。又ロ
ッドが収縮すると、裾押え板９がプレスベッド５から離
され、裾押え板９の固定状態が解かれるものである。

【００３４】１２（図３参照）は、ズボン１のサイドラ
イン１ａをプレス鏝６の合せ目６ｂ（図１５参照）に一
致させるためのアジャスト機構である。このアジャスト
機構１２は、セット部４の外面から垂らされた操作レバ
ー１２ａと、この操作レバー１２ａの左右方向への回動
操作に連動してスライドするスライド部１２ｂとを備
え、このスライド部１２ｂに左右一対のクランパー２が
連結され、操作レバー１２ａの回動操作でクランパー２
が左右方向にスライドするよう形成されている。

【００３５】１３（図１、図２参照）は、装置本体の側
部に起立状に設けられたバーである。このバー１３の上
部には、アイロン台１４が形成され、本発明装置はこの
アイロン台１４の傍らにアイロン１５を備えてなる。

【００３６】次に本発明の作用を説明する。先ず作業者
は、図１、図３に示されるように、ズボン１のウエスト
部１ｂを左右一対のクランパー２に固定し、ズボン１を
セット部４に吊り下げる。この場合、クランパー２を備
えたセット部４は、作業し易い高さに配置させておく。

【００３７】次に昇降装置３としてのエアシリンダのロ
ッド３ａを延伸させ、クランパー２を所望の高さに配置
させる。これによりズボン１は、図１０に示される状態
から、図１１等に示されるよう、吊り上げられる。次に
作業者は、この状態で操作レバー１２ａを回動させ、プ
レスベッド５の合せ目５ａを目安にズボン１を移動させ
てズボン１のサイドライン１ａがプレス鏝６の合せ目６
ｂと一致するよう操作する。

【００３８】そして図１２に示されるように、ズボン１
の片脚を捲り上げ、一方の裾押え板９でズボン１の他方
の脚を固定する。この状態で作業者は、図１３に示され
るように、介装プレート７を内方に回動させ、他方の脚
に押し当てる。その後、捲り上げていた片方の脚を降ろ
し、このズボン１の片脚を図１４に示されるように、他
方の裾押え板９で固定する。

【００３９】次に作業者は、観音開き式のプレス鏝６を
左右から内方に回動させ、ズボン１に押し当てる。この
場合、前後一対状の裾押え板９は、ズボン１に痕跡が付
かないよう、プレス鏝６が加圧する直前、引き降ろされ
る。又プレス作業と並行して空気袋８に熱風が供給さ
れ、股上の箇所の皺が伸ばされる。

【００４０】而して予め設定された時間が経過すると、
熱風の供給が停止し、プレス鏝６が左右に開かれ、一連
のプレス工程が終了する。すると、昇降装置３としての
エアシリンダのロッド３ａが収縮し、その結果クランパ
ー２を備えたセット部４が下降する。これによりズボン
１が、当初のセット位置に配置されるから、作業者はこ
の状態でクランプ状態を解除し、ズボン１を取り外すも
のである。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、クランパ
ーを上下動する昇降装置を備え、この昇降装置によりズ
ボンのセット位置を変更自在に形成したものである。

【００４２】従って本発明装置によれば、クランパーの
高さを下げることができるから、ズボンのセット作業
や、プレス後のズボンの取り外し作業を、作業者の背の
高さに関係なく、簡単且つ楽にできる。

【００４３】又本発明装置は、このようにズボンを楽に
セットできるから、ズボンのセット作業を丁寧に且つ正
確にできる。従ってこれによれば、その分、綺麗にプレ
ス仕上げできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の好適な一実施形態を示す正面図で
ある。

【図２】同上装置の要部側面図である。

【図３】同上装置の使用状態を示す要部正面図である。

【図４】同上装置の使用状態を示す要部正面図である。

【図５】プレスベッドの要部側面図である。

【図６】裾押え板と動作機構を示す要部側面図である。

【図７】裾押え板と動作機構を示す要部正面図である。

【図８】同上装置の作用を示す要部正面図である。

【図９】同上装置の作用を示す要部側面図である。

【図１０】同上装置の作用を示す要部正面図である。

【図１１】同上装置の作用を示す要部正面図である。

【図１２】同上装置の作用を示す要部正面図である。

【図１３】同上装置の作用を示す要部正面図である。

【図１４】同上装置の作用を示す要部正面図である。

【図１５】同上装置の作用を示す要部正面図である。

【符号の説明】

１ ズボン １ａ サイドライン １ｂ ウエスト部 ２ 左右一対のクランパー ３ 昇降装置 ５ プレスベッド ６ プレス鏝

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ズボンのサイドラインを正面に向けてウ
   エスト部をクランプする左右一対のクランパーと、この
   クランパーで吊り下げられたズボンの後側に配置された
   縦長のプレスベッドと、このプレスベッドの両側に配設
   されてこのプレスベッドにズボンを押圧する観音開き式
   のプレス鏝とで形成された縦形のズボンプレス仕上げ装
   置において、上記のクランパーを上下動させる昇降装置
   を備え、この昇降装置によりズボンのセット位置が変更
   自在に形成されたことを特徴とする縦形のズボンプレス
   仕上げ装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の縦形のズボンプレス仕上
   げ装置であって、左右一対のクランパーが、ズボンのウ
   エスト部の前側を挟持する前側用クランパーと、ウエス
   ト部の後ろ側を挟持する後側用クランパーとで形成さ
   れ、後側用クランパーがウエスト部の外面を周面が当圧
   するローラを備えてなることを特徴とする縦形のズボン
   プレス仕上げ装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２記載の縦形のズボンプレ
   ス仕上げ装置であって、プレスベッドの前面が装置本体
   の後方に昇り傾斜状に形成されたことを特徴とする縦形
   のズボンプレス仕上げ装置。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３の何れかに記載の縦形の
   ズボンプレス仕上げ装置であって、ズボンの股上の箇所
   に内装され、この箇所を緊張仕上げするための空気袋を
   備えてなることを特徴とする縦形のズボンプレス仕上げ
   装置。
5. 【請求項５】 請求項１乃至４の何れかに記載の縦形の
   ズボンプレス仕上げ装置であって、ズボンの裾を、各脚
   ごとプレスベッドに押圧して固定する前後一対状の裾押
   え板を備えてなることを特徴とする縦形のズボンプレス
   仕上げ装置。
6. 【請求項６】 請求項１乃至５の何れかに記載の縦形の
   ズボンプレス仕上げ装置であって、ズボンのサイドライ
   ンをプレス鏝の合せ目に一致させるためのアジャスト機
   構を備えてなることを特徴とする縦形のズボンプレス仕
   上げ装置。
7. 【請求項７】 請求項１乃至６の何れかに記載の縦形の
   ズボンプレス仕上げ装置であって、プレス鏝に回動操作
   用の把手が起立状に設けられ、この把手が縦軸を中心に
   回転自在に形成されたことを特徴とする縦形のズボンプ
   レス仕上げ装置。
8. 【請求項８】 請求項１乃至７の何れかに記載の縦形の
   ズボンプレス仕上げ装置であって、装置本体の側部にバ
   ーが起立状に設けられ、このバーの上部にアイロン台が
   形成され、このアイロン台の傍らにアイロンを備えてな
   ることを特徴とする縦形のズボンプレス仕上げ装置。