JP3799380B2 - マンホール構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集中豪雨などの際にマンホール内に充満した流水や空気の圧力、あるいはマンホール鉄蓋上を走る車両による振動などによってマンホール鉄蓋が開くことを防止する錠止構造を備えたマンホール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のマンホール構造は、例えば特開平9−296470号公報にみることができる。これでは、マンホール鉄蓋座の開口内面部の下方に凹み形成された係止部に、マンホール鉄蓋の下面に往復揺動自在に軸支されたロック体のロック爪が入り込んで係止されることで、マンホール内に充満した流水の圧力などによってマンホール鉄蓋が浮き上がって、マンホール鉄蓋座から外れてしまうことを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のマンホール構造では、ロック体に設けた重りの重量によってロック体を係止部側へ揺動付勢して、ロック爪がマンホール鉄蓋座の係止部に入り込んだ係止姿勢を保持させている。このため、前記マンホール内に充満した流水の圧力などによってロック体が重りの重量に抗して揺動し、ロック爪が係止部から外れてしまうおそれがあった。この場合、マンホール鉄蓋が流水の圧力などで押し上げられて、マンホール鉄蓋が開いてしまうところに問題がある。
【0004】
本発明の目的は、マンホール内に充満した流水の圧力などによってマンホール鉄蓋が開くことを確実に防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が対象とするマンホール構造は、マンホール鉄蓋2をマンホール鉄蓋座1の開口内面部4に嵌合させた状態で錠止する錠止構造を備えている。錠止構造は、マンホール鉄蓋2の下面部に配置したロック体10と、マンホール鉄蓋座1の開口内面部4の下側に設けた係止部13とからなる。ロック体10は、マンホール鉄蓋2の下面部に往復揺動自在に軸支された軸部12と、軸部12から係止部13側へ突出して、係止部13に係止されるようになっているロック腕16と、ロック腕16を係止部13側へ揺動付勢する重り17と、ロック腕16の基端部に設けたキー受部15とを備えている。
【0006】
マンホール鉄蓋2は、ロック体10のキー受部15と対面する個所に、マンホールキーKが挿通可能なキー穴20を設けている。キー受部15は、キー穴20内に嵌入するピン15aと、ピン15aを上下動可能に支持するピン支持部15bと、ピン15aを上方へ付勢するスプリング15cとを備えている。そして、ピン15aがキー穴20に嵌入することで、ロック体10の揺動が規制される一方で、マンホールキーKをキー穴20に挿入してピン15aを押し下げることで、ピン15aがキー穴20から外れてロック体10が揺動可能になる。
【0007】
またロック腕16を係止部13側へ付勢するキックばね19を有するものとすることができる。キックばね19は、ロック腕16を直接付勢するものや、重り17を介して付勢するものなどが含まれる。
【0008】
【発明の作用効果】
ロック体10のピン15aがマンホール鉄蓋2のキー穴20に嵌入することで、ロック体10の揺動が規制されて、ロック腕16が係止部13で係止される係止姿勢が保持されるので、集中豪雨などの際にマンホール内に充満した流水や空気の圧力、あるいはマンホール鉄蓋上を走る車両による振動などによって、ロック体10が揺動してロック腕16が係止部13から外れることがなく、マンホール鉄蓋2が開くことを確実に防止できる。しかも、ピン15aとピン支持部15bとスプリング15bとをロック体10に備えるだけの簡単な構成で前記効果を得ることができるので、その分だけコストを抑えることができる。
【0009】
マンホールキーKをキー穴20に挿入して、キー受部15のピン15aをスプリング15bの付勢力に抗して押し下げることで、ピン15aがキー穴20から外れて、ロック体10が揺動可能になり、さらにマンホールキーKを押し込むことで、ピン15aやキー受部15を介してロック腕16が揺動されて係止部13から外れる。つまり、マンホールキーKをキー穴20に挿入して押し込むといった簡単な操作で、ロック腕16を係止部13から外してマンホール鉄蓋2を開くことができるので、マンホール鉄蓋2を開く際の作業者の負担を軽減できる。しかも、マンホールキーKといった専用の工具をキー穴20に挿入しなければ、マンホール鉄蓋2を開くことができないので、いたずらによるマンホール鉄蓋2の開放を確実に防止できる。
【0010】
ロック腕16を係止部13側へ付勢するキックばね19が備えられていると、マンホールが傾斜する路面に設置される場合にも、ロック体10を適正な係止姿勢に維持できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は本発明に係るマンホール構造を例示している。図2においてマンホール構造は、路面等に埋設されるリング状のマンホール鉄蓋座1と、その開口上面を塞ぐマンホール鉄蓋2と、マンホール鉄蓋2の内面下方に配置される転落防止の内枠3とからなる。
【0012】
マンホール鉄蓋座1は、リング状の筒壁1aの下端外周縁にフランジ状のベース1bを張り出した鋳造品からなり、筒壁1aの内面の上下にマンホール鉄蓋2用の装填部(開口内面部)4と、内枠3用の装填部5とがそれぞれ設けてある。マンホール鉄蓋2用の装填部4は、図1に示すごとく下すぼまりテーパー状の周回面4aと、マンホール鉄蓋2の下面周縁の接合座7を受け止める段壁4bとからなる。
【0013】
マンホール鉄蓋2は、下面が下凸状に湾曲する円盤状の鋳造品からなり、その周面に下すぼまりテーパー状の嵌合面6を設けている。そして、マンホール鉄蓋2を前記装填部4に嵌め込んだ閉蓋状態(図1の状態)で、マンホール鉄蓋2の接合座7がマンホール鉄蓋座1の段壁4bによって受け止められる。マンホール鉄蓋2の嵌合面6とマンホール鉄蓋座1の周回面4aとは数mm程度の隙間を介して対向することで、後述するマンホール鉄蓋座1の接合突起8の嵌め込みを容易にしている。マンホール鉄蓋2は、内圧開放機能を有する閉蓋ロック機構を介してマンホール鉄蓋座1に連結してある。
【0014】
閉蓋ロック機構は、マンホール鉄蓋2の嵌合面6およびマンホール鉄蓋座1の装填部4に設けた凹凸係合構造と、この係合構造と径方向に対向する位相位置において、マンホール鉄蓋2の下面およびマンホール鉄蓋座1に設けた錠止構造とで構成する。凹凸係合構造は、マンホール鉄蓋2の嵌合面6の下端寄りに突設した接合突起8と、マンホール鉄蓋座1の周回面4aに凹み形成した接合凹部9とからなり、両者8・9の凹凸係合によって、閉蓋状態のマンホール鉄蓋2を一定量の範囲内だけ上昇変位可能に接合している。つまり、接合突起8と接合凹部9の内面上壁9aとの間には浮上隙間が確保されており、この隙間内で接合突起8が上方変位できるようになっている。
【0015】
錠止構造は、マンホール鉄蓋2の下面部に配置したロック体10と、マンホール鉄蓋座1の装填部4の下側に凹み形成して設けた係止部13とからなり、マンホール鉄蓋2を前記装填部4に嵌合させた状態で錠止するようになっている。ロック体10は、上端部の両側に支軸14をそれぞれ突設させた軸部12と、軸部12の下端部からマンホール鉄蓋座1の係止部13側へ突出して、先端部が係止部13に係止されるロック腕16と、軸部12の下端部であって、ロック腕16と反対側の位置に突設した重り17と、ロック腕16の基端となる位置に設けたキー受部15とを有している。なおロック体10は鋳造品からなっている。ロック腕16の先端部は、上向きに屈折しており、ロック腕16の先端と係止部13の内面上壁13aとの間には浮上隙間が確保されている。そして、この隙間内でロック体10が上方変位できるようになっている。
【0016】
前記一対の支軸14は、マンホール鉄蓋2の下面部に揺動自在に支持されており、これによってロック体10が、マンホール鉄蓋2の径方向(図1では左右方向)に沿って往復揺動自在になっている。重り17は、その重心が支軸14よりもマンホール鉄蓋2の中心側(図1では左側)に位置することで、ロック体10に対して図1での反時計方向のモーメントを与えて、ロック腕16を係止部13側へ揺動付勢している。
【0017】
マンホール鉄蓋2の下面部と重り17との間には、捻りコイル形のキックばね19を配置している。キックばね19は、ロック体10の各支軸14に外嵌する一対のコイル部を有しており、両コイル部どうしを繋ぐ第1の腕19aを重り17に当てがい、各コイル部から連出される第2の腕19bをマンホール鉄蓋2の下面に当てがっている。キックばね19は、ロック体10が適正なロック姿勢になっているときは自由状態になっており、一方、マンホール鉄蓋2が非水平に設置されて、ロック腕16が係止部13から離れる方向へ傾斜しようとしたときには、重り17を介してロック体10を係止部13側へ付勢して、ロック腕16が係止部13内に入り込んだ係止姿勢を維持するようにしている。
【0018】
キー受部15は、マンホール鉄蓋2に設けたキー穴20内に嵌入するピン15aと、ピン15aを上下動可能に嵌合支持するピン支持穴(ピン支持部)15bと、ピン15aを上方へ付勢するスプリング15cとを有する。キー穴20は、ロック体10のキー受部15と対面する個所に穿設しており、マンホールキーKが挿通可能になっている(図4参照)。マンホールキーKの先端部には、一対のキーK0(図4)を横方向に突設しており、キー穴20は、図3に示すごとくマンホールキーKの各キーK0が挿通するための溝20a・20aを設けている。マンホール鉄蓋2の接合突起8の近傍には、キー穴20と同一形状のキー穴25が設けてある。
【0019】
ピン15aは、図4に示すごとく下部の外径が上部の外径よりも小さくなって上下中間部に段壁が形成されている。ピン支持穴15bは、キー受部15を貫通しているとともに、下端部の内径が上部側の内径よりも小さくなって段壁が形成されている。そして、ピン15aの段壁とピン支持穴15bの段壁との間にスプリング15cが配置される。ピン15aの下端部は、ピン支持穴15bの下方に突出しており、割りピン15dによってピン15aが抜け止めされている。
【0020】
以上のように構成したマンホール構造によれば、マンホール鉄蓋2を装填部4に嵌め込んだ閉蓋状態(図1の状態)では、ロック体10のロック腕16の先端が、係止部13内に入り込んだ係止姿勢になっており、またロック体10のピン15aの先端側が、マンホール鉄蓋2のキー穴20内に嵌入している。
【0021】
そして、マンホール鉄蓋2をマンホール鉄蓋座1から外して開蓋するときは、図4に示すごとくマンホールキーKをキー穴20内に差し込んで、マンホールキーKの先端でキー穴20内のピン15aをスプリング15cの付勢力に抗して押し下げる。すると、ピン15aがキー穴20から外れてロック体10が揺動可能となる(図4の状態)。さらにマンホールキーKのキーK0を溝20a・20aに通しつつ、マンホールキーKを押し下げると、ピン15aおよびキー受部15を介してロック腕16が揺動されて係止部13から外れる(図5の状態)。
【0022】
この状態で、マンホールキーKを水平方向に回して、キーK0をマンホール鉄蓋2の下面に掛止させ、次いでマンホールキーKを持ち上げてマンホール鉄蓋2を上昇させて、蓋裏の縁を装填部4の開口周縁壁上に引きずり上げる。次にマンホール鉄蓋2を作業者の側へ引き寄せて、接合突起8を接合凹部9から抜き出す。以後は、他のマンホールキーKをキー穴25に差し込んでキーK0をマンホール鉄蓋2の下面に掛止させた後、マンホール鉄蓋2を上昇させてマンホール鉄蓋座1外へ移動させて開蓋する。
【0023】
マンホール鉄蓋2でマンホール鉄蓋座1を閉蓋するときは、上記の逆手順に従ってマンホール鉄蓋2を動かすことによって、マンホール鉄蓋座1の装填部4にマンホール鉄蓋2が嵌め込まれる。そして、ロック体10側のマンホールキーKをキー穴20から抜き取ったときには、ロック体10のロック腕16がマンホール鉄蓋座1の係止部13内に入り込んだ係止姿勢になるとともに、ロック体10のピン15aの先端側が、スプリング15cの付勢力でマンホール鉄蓋2のキー穴20内に嵌入する。この結果、ロック体10の揺動が規制されて、前記係止姿勢が保持されることになる。
【0024】
例えば、集中豪雨などの際にマンホール内に充満する流水や空気の圧力がマンホール鉄蓋2に作用したときには、この圧力がロック体10にも加わってロック体10が揺動しようとするが、前述のようにロック体10のピン15aがマンホール鉄蓋2のキー穴20内に嵌入していることで、ロック体10の揺動が規制される。
【0025】
そして、前記圧力でマンホール鉄蓋2が浮上してロック体10のロック腕16がマンホール鉄蓋座1の係止部13の内面上壁13aに当接しても、ロック体10が揺動しないため、ロック腕16が係止部13の内面上壁13aに当接したままの状態で係止される。このうえで、マンホール鉄蓋2の接合突起8がマンホール鉄蓋座1の接合凹部9の内面上壁9aに当接して係止されるため、これ以上のマンホール鉄蓋2の浮上が規制されて、マンホール鉄蓋2が前記圧力によって開くことがない。
【0026】
なお、このマンホール鉄蓋2の浮上動作によって、マンホール鉄蓋2の嵌合面6および接合座7と、マンホール鉄蓋座1の装填部4との間には隙間が生じており、当該隙間を介してマンホール内の流水などがマンホール外へ流出する。マンホール内の圧力が減じると、マンホール鉄蓋2は自重で元の閉蓋位置へ復帰下降する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるの閉蓋ロック構造の要部を示す断面図である。
【図2】マンホール構造の縦断正面図である。
【図3】マンホール鉄蓋とマンホール鉄蓋座の平面図である。
【図4】錠止構造の作用を示す断面図である。
【図5】錠止構造の作用を示す断面図である。
【符号の説明】
1 マンホール鉄蓋座
2 マンホール鉄蓋
4 装填部(開口内面部)
10 ロック体
12 軸部
13 係止部
14 支軸
15 キー受部
15a ピン
15b ピン支持穴(ピン支持部)
15c スプリング
16 ロック腕
17 重り
19 キックばね
20 キー穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、集中豪雨などの際にマンホール内に充満した流水や空気の圧力、あるいはマンホール鉄蓋上を走る車両による振動などによってマンホール鉄蓋が開くことを防止する錠止構造を備えたマンホール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のマンホール構造は、例えば特開平9−296470号公報にみることができる。これでは、マンホール鉄蓋座の開口内面部の下方に凹み形成された係止部に、マンホール鉄蓋の下面に往復揺動自在に軸支されたロック体のロック爪が入り込んで係止されることで、マンホール内に充満した流水の圧力などによってマンホール鉄蓋が浮き上がって、マンホール鉄蓋座から外れてしまうことを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のマンホール構造では、ロック体に設けた重りの重量によってロック体を係止部側へ揺動付勢して、ロック爪がマンホール鉄蓋座の係止部に入り込んだ係止姿勢を保持させている。このため、前記マンホール内に充満した流水の圧力などによってロック体が重りの重量に抗して揺動し、ロック爪が係止部から外れてしまうおそれがあった。この場合、マンホール鉄蓋が流水の圧力などで押し上げられて、マンホール鉄蓋が開いてしまうところに問題がある。
【0004】
本発明の目的は、マンホール内に充満した流水の圧力などによってマンホール鉄蓋が開くことを確実に防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が対象とするマンホール構造は、マンホール鉄蓋2をマンホール鉄蓋座1の開口内面部4に嵌合させた状態で錠止する錠止構造を備えている。錠止構造は、マンホール鉄蓋2の下面部に配置したロック体10と、マンホール鉄蓋座1の開口内面部4の下側に設けた係止部13とからなる。ロック体10は、マンホール鉄蓋2の下面部に往復揺動自在に軸支された軸部12と、軸部12から係止部13側へ突出して、係止部13に係止されるようになっているロック腕16と、ロック腕16を係止部13側へ揺動付勢する重り17と、ロック腕16の基端部に設けたキー受部15とを備えている。
【0006】
マンホール鉄蓋2は、ロック体10のキー受部15と対面する個所に、マンホールキーKが挿通可能なキー穴20を設けている。キー受部15は、キー穴20内に嵌入するピン15aと、ピン15aを上下動可能に支持するピン支持部15bと、ピン15aを上方へ付勢するスプリング15cとを備えている。そして、ピン15aがキー穴20に嵌入することで、ロック体10の揺動が規制される一方で、マンホールキーKをキー穴20に挿入してピン15aを押し下げることで、ピン15aがキー穴20から外れてロック体10が揺動可能になる。
【0007】
またロック腕16を係止部13側へ付勢するキックばね19を有するものとすることができる。キックばね19は、ロック腕16を直接付勢するものや、重り17を介して付勢するものなどが含まれる。
【0008】
【発明の作用効果】
ロック体10のピン15aがマンホール鉄蓋2のキー穴20に嵌入することで、ロック体10の揺動が規制されて、ロック腕16が係止部13で係止される係止姿勢が保持されるので、集中豪雨などの際にマンホール内に充満した流水や空気の圧力、あるいはマンホール鉄蓋上を走る車両による振動などによって、ロック体10が揺動してロック腕16が係止部13から外れることがなく、マンホール鉄蓋2が開くことを確実に防止できる。しかも、ピン15aとピン支持部15bとスプリング15bとをロック体10に備えるだけの簡単な構成で前記効果を得ることができるので、その分だけコストを抑えることができる。
【0009】
マンホールキーKをキー穴20に挿入して、キー受部15のピン15aをスプリング15bの付勢力に抗して押し下げることで、ピン15aがキー穴20から外れて、ロック体10が揺動可能になり、さらにマンホールキーKを押し込むことで、ピン15aやキー受部15を介してロック腕16が揺動されて係止部13から外れる。つまり、マンホールキーKをキー穴20に挿入して押し込むといった簡単な操作で、ロック腕16を係止部13から外してマンホール鉄蓋2を開くことができるので、マンホール鉄蓋2を開く際の作業者の負担を軽減できる。しかも、マンホールキーKといった専用の工具をキー穴20に挿入しなければ、マンホール鉄蓋2を開くことができないので、いたずらによるマンホール鉄蓋2の開放を確実に防止できる。
【0010】
ロック腕16を係止部13側へ付勢するキックばね19が備えられていると、マンホールが傾斜する路面に設置される場合にも、ロック体10を適正な係止姿勢に維持できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は本発明に係るマンホール構造を例示している。図2においてマンホール構造は、路面等に埋設されるリング状のマンホール鉄蓋座1と、その開口上面を塞ぐマンホール鉄蓋2と、マンホール鉄蓋2の内面下方に配置される転落防止の内枠3とからなる。
【0012】
マンホール鉄蓋座1は、リング状の筒壁1aの下端外周縁にフランジ状のベース1bを張り出した鋳造品からなり、筒壁1aの内面の上下にマンホール鉄蓋2用の装填部(開口内面部)4と、内枠3用の装填部5とがそれぞれ設けてある。マンホール鉄蓋2用の装填部4は、図1に示すごとく下すぼまりテーパー状の周回面4aと、マンホール鉄蓋2の下面周縁の接合座7を受け止める段壁4bとからなる。
【0013】
マンホール鉄蓋2は、下面が下凸状に湾曲する円盤状の鋳造品からなり、その周面に下すぼまりテーパー状の嵌合面6を設けている。そして、マンホール鉄蓋2を前記装填部4に嵌め込んだ閉蓋状態(図1の状態)で、マンホール鉄蓋2の接合座7がマンホール鉄蓋座1の段壁4bによって受け止められる。マンホール鉄蓋2の嵌合面6とマンホール鉄蓋座1の周回面4aとは数mm程度の隙間を介して対向することで、後述するマンホール鉄蓋座1の接合突起8の嵌め込みを容易にしている。マンホール鉄蓋2は、内圧開放機能を有する閉蓋ロック機構を介してマンホール鉄蓋座1に連結してある。
【0014】
閉蓋ロック機構は、マンホール鉄蓋2の嵌合面6およびマンホール鉄蓋座1の装填部4に設けた凹凸係合構造と、この係合構造と径方向に対向する位相位置において、マンホール鉄蓋2の下面およびマンホール鉄蓋座1に設けた錠止構造とで構成する。凹凸係合構造は、マンホール鉄蓋2の嵌合面6の下端寄りに突設した接合突起8と、マンホール鉄蓋座1の周回面4aに凹み形成した接合凹部9とからなり、両者8・9の凹凸係合によって、閉蓋状態のマンホール鉄蓋2を一定量の範囲内だけ上昇変位可能に接合している。つまり、接合突起8と接合凹部9の内面上壁9aとの間には浮上隙間が確保されており、この隙間内で接合突起8が上方変位できるようになっている。
【0015】
錠止構造は、マンホール鉄蓋2の下面部に配置したロック体10と、マンホール鉄蓋座1の装填部4の下側に凹み形成して設けた係止部13とからなり、マンホール鉄蓋2を前記装填部4に嵌合させた状態で錠止するようになっている。ロック体10は、上端部の両側に支軸14をそれぞれ突設させた軸部12と、軸部12の下端部からマンホール鉄蓋座1の係止部13側へ突出して、先端部が係止部13に係止されるロック腕16と、軸部12の下端部であって、ロック腕16と反対側の位置に突設した重り17と、ロック腕16の基端となる位置に設けたキー受部15とを有している。なおロック体10は鋳造品からなっている。ロック腕16の先端部は、上向きに屈折しており、ロック腕16の先端と係止部13の内面上壁13aとの間には浮上隙間が確保されている。そして、この隙間内でロック体10が上方変位できるようになっている。
【0016】
前記一対の支軸14は、マンホール鉄蓋2の下面部に揺動自在に支持されており、これによってロック体10が、マンホール鉄蓋2の径方向(図1では左右方向)に沿って往復揺動自在になっている。重り17は、その重心が支軸14よりもマンホール鉄蓋2の中心側(図1では左側)に位置することで、ロック体10に対して図1での反時計方向のモーメントを与えて、ロック腕16を係止部13側へ揺動付勢している。
【0017】
マンホール鉄蓋2の下面部と重り17との間には、捻りコイル形のキックばね19を配置している。キックばね19は、ロック体10の各支軸14に外嵌する一対のコイル部を有しており、両コイル部どうしを繋ぐ第1の腕19aを重り17に当てがい、各コイル部から連出される第2の腕19bをマンホール鉄蓋2の下面に当てがっている。キックばね19は、ロック体10が適正なロック姿勢になっているときは自由状態になっており、一方、マンホール鉄蓋2が非水平に設置されて、ロック腕16が係止部13から離れる方向へ傾斜しようとしたときには、重り17を介してロック体10を係止部13側へ付勢して、ロック腕16が係止部13内に入り込んだ係止姿勢を維持するようにしている。
【0018】
キー受部15は、マンホール鉄蓋2に設けたキー穴20内に嵌入するピン15aと、ピン15aを上下動可能に嵌合支持するピン支持穴(ピン支持部)15bと、ピン15aを上方へ付勢するスプリング15cとを有する。キー穴20は、ロック体10のキー受部15と対面する個所に穿設しており、マンホールキーKが挿通可能になっている(図4参照)。マンホールキーKの先端部には、一対のキーK0(図4)を横方向に突設しており、キー穴20は、図3に示すごとくマンホールキーKの各キーK0が挿通するための溝20a・20aを設けている。マンホール鉄蓋2の接合突起8の近傍には、キー穴20と同一形状のキー穴25が設けてある。
【0019】
ピン15aは、図4に示すごとく下部の外径が上部の外径よりも小さくなって上下中間部に段壁が形成されている。ピン支持穴15bは、キー受部15を貫通しているとともに、下端部の内径が上部側の内径よりも小さくなって段壁が形成されている。そして、ピン15aの段壁とピン支持穴15bの段壁との間にスプリング15cが配置される。ピン15aの下端部は、ピン支持穴15bの下方に突出しており、割りピン15dによってピン15aが抜け止めされている。
【0020】
以上のように構成したマンホール構造によれば、マンホール鉄蓋2を装填部4に嵌め込んだ閉蓋状態(図1の状態)では、ロック体10のロック腕16の先端が、係止部13内に入り込んだ係止姿勢になっており、またロック体10のピン15aの先端側が、マンホール鉄蓋2のキー穴20内に嵌入している。
【0021】
そして、マンホール鉄蓋2をマンホール鉄蓋座1から外して開蓋するときは、図4に示すごとくマンホールキーKをキー穴20内に差し込んで、マンホールキーKの先端でキー穴20内のピン15aをスプリング15cの付勢力に抗して押し下げる。すると、ピン15aがキー穴20から外れてロック体10が揺動可能となる(図4の状態)。さらにマンホールキーKのキーK0を溝20a・20aに通しつつ、マンホールキーKを押し下げると、ピン15aおよびキー受部15を介してロック腕16が揺動されて係止部13から外れる(図5の状態)。
【0022】
この状態で、マンホールキーKを水平方向に回して、キーK0をマンホール鉄蓋2の下面に掛止させ、次いでマンホールキーKを持ち上げてマンホール鉄蓋2を上昇させて、蓋裏の縁を装填部4の開口周縁壁上に引きずり上げる。次にマンホール鉄蓋2を作業者の側へ引き寄せて、接合突起8を接合凹部9から抜き出す。以後は、他のマンホールキーKをキー穴25に差し込んでキーK0をマンホール鉄蓋2の下面に掛止させた後、マンホール鉄蓋2を上昇させてマンホール鉄蓋座1外へ移動させて開蓋する。
【0023】
マンホール鉄蓋2でマンホール鉄蓋座1を閉蓋するときは、上記の逆手順に従ってマンホール鉄蓋2を動かすことによって、マンホール鉄蓋座1の装填部4にマンホール鉄蓋2が嵌め込まれる。そして、ロック体10側のマンホールキーKをキー穴20から抜き取ったときには、ロック体10のロック腕16がマンホール鉄蓋座1の係止部13内に入り込んだ係止姿勢になるとともに、ロック体10のピン15aの先端側が、スプリング15cの付勢力でマンホール鉄蓋2のキー穴20内に嵌入する。この結果、ロック体10の揺動が規制されて、前記係止姿勢が保持されることになる。
【0024】
例えば、集中豪雨などの際にマンホール内に充満する流水や空気の圧力がマンホール鉄蓋2に作用したときには、この圧力がロック体10にも加わってロック体10が揺動しようとするが、前述のようにロック体10のピン15aがマンホール鉄蓋2のキー穴20内に嵌入していることで、ロック体10の揺動が規制される。
【0025】
そして、前記圧力でマンホール鉄蓋2が浮上してロック体10のロック腕16がマンホール鉄蓋座1の係止部13の内面上壁13aに当接しても、ロック体10が揺動しないため、ロック腕16が係止部13の内面上壁13aに当接したままの状態で係止される。このうえで、マンホール鉄蓋2の接合突起8がマンホール鉄蓋座1の接合凹部9の内面上壁9aに当接して係止されるため、これ以上のマンホール鉄蓋2の浮上が規制されて、マンホール鉄蓋2が前記圧力によって開くことがない。
【0026】
なお、このマンホール鉄蓋2の浮上動作によって、マンホール鉄蓋2の嵌合面6および接合座7と、マンホール鉄蓋座1の装填部4との間には隙間が生じており、当該隙間を介してマンホール内の流水などがマンホール外へ流出する。マンホール内の圧力が減じると、マンホール鉄蓋2は自重で元の閉蓋位置へ復帰下降する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるの閉蓋ロック構造の要部を示す断面図である。
【図2】マンホール構造の縦断正面図である。
【図3】マンホール鉄蓋とマンホール鉄蓋座の平面図である。
【図4】錠止構造の作用を示す断面図である。
【図5】錠止構造の作用を示す断面図である。
【符号の説明】
1 マンホール鉄蓋座
2 マンホール鉄蓋
4 装填部(開口内面部)
10 ロック体
12 軸部
13 係止部
14 支軸
15 キー受部
15a ピン
15b ピン支持穴(ピン支持部)
15c スプリング
16 ロック腕
17 重り
19 キックばね
20 キー穴
Claims (2)
- マンホール鉄蓋2をマンホール鉄蓋座1の開口内面部4に嵌合させた状態で錠止する錠止構造を備えたマンホール構造であって、
錠止構造は、マンホール鉄蓋2の下面部に配置したロック体10と、マンホール鉄蓋座1の開口内面部4の下側に設けた係止部13とからなり、
ロック体10は、マンホール鉄蓋2の下面部に往復揺動自在に軸支された軸部12と、軸部12から係止部13側へ突出して、係止部13に係止されるようになっているロック腕16と、ロック腕16を係止部13側へ揺動付勢する重り17と、ロック腕16の基端部に設けたキー受部15とを備えており、
マンホール鉄蓋2は、ロック体10のキー受部15と対面する個所に、マンホールキーKが挿通可能なキー穴20を設けており、
キー受部15は、キー穴20内に嵌入するピン15aと、ピン15aを上下動可能に支持するピン支持部15bと、ピン15aを上方へ付勢するスプリング15cとを備えており、
ピン15aがキー穴20に嵌入することで、ロック体10の揺動が規制される一方で、マンホールキーKをキー穴20に挿入してピン15aを押し下げることで、ピン15aがキー穴20から外れてロック体10が揺動可能になることを特徴とするマンホール構造。 - ロック腕16を係止部13側へ付勢するキックばね19を有する請求項1記載のマンホール構造。
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