JP3799278B2 - 熱風噴射装置、熱風噴射型加熱装置および加熱炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱物を熱風で加熱する熱風噴射装置、熱風噴射型加熱装置および炉体内にこれらを配設した加熱炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品のプリント配線板への実装には、錫鉛共晶合金を主として一般に鉛を含有した錫基軟質はんだ合金が使用されてきた。従来の鉛を含んだ錫基軟質はんだ合金の液相線温度は錫鉛共晶はんだで183℃であり、リフローソルダリングでの最高温度は230℃前後であり、融点に比べ約50℃程高い作業温度であった。
【0003】
溶融はんだの温度は、はんだの濡れ広がりや、プリント配線板上の銅ランドへの接合に影響すること、さらにはプリント配線板上に実装される部品間の熱容量の著しい差からリフロー炉内の基板上のはんだ付け部位の温度差が大きく開くこと等から、部品の耐熱温度以内で、できるだけ融点より高い作業温度でのはんだ付けが行われてきた。
【0004】
しかし、近年の全地球的環境問題への対応から、有害とされるはんだ中に含まれる鉛の削除、すなわち鉛フリーはんだへの代替が急がれている。鉛フリーはんだの場合、様々な合金組成が提唱されてきたが、その液相線温度(融点)は概ね220℃程度と従来の錫鉛共晶はんだのそれと比べ約40℃も高く、さらに鉛が含まれないことから鉛フリーはんだの濡れ性は悪い。
【0005】
一方、部品の耐熱性の観点からリフローソルダリングにおける最高作業温度は240℃以下に抑える必要がある。はんだ付け作業温度がこのように制約された下で良好なはんだ付けをするには、熱容量の異なる電子部品が搭載されたプリント配線板内でのリフロー時の部品間でのはんだ付け部分の温度ばらつきを抑える必要がある。
【0006】
リフローソルダリング時にプリント配線板上の電子部品端子部の温度ばらつきを少なくするには、いかに均一に加熱するかがポイントになる。均一加熱で最初に考えられるものが均一にプリント配線板および電子部品に熱風を噴き付けるかであり、この観点から例えば特開平11-204932号公報に記載の送風装置がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
電子部品が搭載されたプリント配線板の均一加熱のために、熱風の均一噴出しによる均一吹付けは重要な必要条件ではあるが、目標を達成するに足る十分条件ではない。これは以下の理由による。
【0008】
まず、リフロー炉内において、十分に加熱された熱風を均等に電子部品を搭載したプリント配線板に向けて噴射する。噴射された熱風はプリント配線板上にて低温にある電子部品の端子部やプリント配線板との間で熱交換し、電子部品およびプリント配線板を加熱する。
【0009】
ここで問題となるのが、プリント配線板上に搭載されている部品の熱容量が著しく異なることである。同じ熱量を供給しても温度の上昇の仕方に相違が出てくる。これは非常に大きな問題で、多くの熱量を電子部品やプリント配線板に供給するには、プリント配線板またはその上に搭載されている電子部品の温度と大きな温度差をもった熱風を供給することが簡便な方法である。
【0010】
しかし、電子部品やプリント配線板の熱容量の差のために一部の熱容量の小さな部品、例えばミニモールドトランジスタや小型のアルミ電解コンデンサは温度が上昇し易く、耐熱温度以上になる場合が懸念される。したがって、不用意に温度差をつけることもできない。
【0011】
すなわち、均一に熱風を吹付けるだけでは問題を解決することはできない。ここで重要なことは、限られた温度の熱風でいかに電子部品やプリント配線板の温度を上昇させるかであり、これは熱風と電子部品端子またはプリント配線板との熱伝達率を向上させることにある。
【0012】
熱風を吹付けて加熱する場合、被加熱物との温度差の他に前述した熱伝達率が問題となる。熱伝達率はその単位から、単位面積当りある温度の媒体が与えるエネルギーの大きさと解釈される。すなわち、ある温度の熱風がどれだけ効率良く電子部品或いはプリント配線板にエネルギーを供給できるかである。
【0013】
リフロー炉内ではプリント配線板に対して上下から熱風が吹付けられるが、吹付けられた熱風は、例えばプリント配線板表面に衝突した際に熱交換を行いプリント配線板を加熱した後に、今度は冷えた熱風としてプリント配線板に沿って流れる。このプリント配線板上を沿って流れる冷えた熱風は、上から噴射された熱風から見た場合に熱交換の障害となる。
【0014】
すなわち、熱風の温度とプリント配線板または電子部品の温度との間に中間の温度域があり、温度境界層と言える領域がプリント配線板の表面に沿って形成されることになる。プリント配線板への熱供給を効率良く行うためには、この温度境界層を極力薄くする必要があり、そのためには熱風の流れを制御する必要がある。
【0015】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、熱風の流れを制御して温度境界層を極力薄くし、被加熱物への熱供給を効率良く行うことで、加熱される被加熱物の温度ばらつきを解消することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、熱風循環系に設けられた取付基板部と、取付基板部より被加熱物側に配置された回収板と、取付基板部からノズル形状に突出されかつ回収板より突起状に突設され被加熱物に対し熱風を噴出する複数の噴出口部と、複数の噴出口部から離れた位置で回収板に設けられ被加熱物に当って方向転換した熱風を強制的に回収する複数の回収口部と、取付基板部と回収板との間に設けられた熱風回収用の回収通路とを具備し、複数の回収口部が、回収通路の出口から遠い場所に配置されたものより回収通路の出口側に配置されたものほど小さな開口面積を有する熱風噴射装置である。
【0017】
そして、熱風回収用の回収通路は、回収口部が設けられた回収板と噴出口部が設けられた取付基板部との間に設けられているので、冷えた熱風の回収経路を広範囲にわたって確保でき、被加熱物に衝突した後に逆方向に流れる冷えた熱風を全域にわたって強制的に回収することにより、厚い温度境界層の形成の要因ともなりうる、被加熱物上に滞留する冷えた熱風を被加熱物上から効率良く取除くことができ、高い熱伝達率を得ることができる。特に、回収通路の出口側ほど回収口部の開口面積を絞ることにより、熱風吸引力が作用しやすい出口側から回収される熱風流量と、そうでない場所から回収される熱風流量とを等しくすることができ、場所による熱風回収流量のばらつきを防止できる。
【0018】
請求項2に記載された発明は、熱風循環系に設けられた取付基板部と、取付基板部より被加熱物側に配置された回収板と、取付基板部からノズル形状に突出されかつ回収板より突起状に突設され被加熱物に対し熱風を噴出する複数の噴出口部と、複数の噴出口部から離れた位置で回収板に設けられ被加熱物に当って方向転換した熱風を強制的に回収する複数の回収口部と、取付基板部と回収板との間に設けられた熱風回収用の回収通路とを具備し、回収通路が、回収通路の出口から遠い場所より回収通路の出口側に向って通路間隙を漸次拡大した熱風噴射装置である。
【0019】
そして、熱風回収用の回収通路は、回収口部が設けられた回収板と噴出口部が設けられた取付基板部との間に設けられているので、冷えた熱風の回収経路を広範囲にわたって確保でき、被加熱物に衝突した後に逆方向に流れる冷えた熱風を全域にわたって強制的に回収することにより、厚い温度境界層の形成の要因ともなりうる、被加熱物上に滞留する冷えた熱風を被加熱物上から効率良く取除くことができ、高い熱伝達率を得ることができる。特に、出口側へ漸次拡大する回収通路の通路間隙により、出口側ほど増加する熱風回収流量に対処できる。
【0020】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の熱風噴射装置における被加熱物が搬送され、複数の噴出口部は、被加熱物と平行の2次元的に分散配置されたものである。
【0021】
そして、複数の噴出口部が、部分的に見た場合には被加熱物に対して均一に熱風を吹付ける構造になっていなくても、各個の噴出口部から噴射される熱風の温度と風速が均一であれば、搬送される被加熱物の表面には、最終的には一様に熱風が吹付けられる。複数の噴出口部は被加熱物搬送方向および幅方向に分散配置されており、そこから噴射された熱風は噴出口部の延長上に位置する被加熱物の表面に集中的に衝突する。被加熱物に当った熱風は、熱交換後、衝突点を中心に被加熱物の表面に沿って外周に向って流れるが、隣接する噴出口部からの同様な被加熱物に沿った流れと、噴出口部の中間部位に相当する被加熱物上で衝突した後、回収手段による強制回収作用により被加熱物から離反する方向に流れを変える。このため、熱交換を終えた被加熱物に沿って流れる冷えた熱風と、被加熱物に向って流入してくる加熱用熱風との干渉が少なくてすみ、被加熱物に沿って流れる冷えた熱風を効率良く除去でき、被加熱物の表面に沿った温度境界層を薄くできる。これにより、温度低下する前の新鮮な熱風が被加熱物に効率良く供給されるため、被加熱物の表面での熱交換率が高く、すなわち高い熱伝達率を得ることができる。
【0022】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の熱風噴射装置において、複数の噴出口部を取付基板部に碁盤目状および千鳥状のいずれか一方の状態に配設した熱風噴射ユニットを具備した熱風噴射装置であり、取付基板部に複数の噴出口部を碁盤目状、千鳥状に配設することで、これらを均等間隔で配置でき、被加熱物に対する熱風の噴出を均等にできる。
【0023】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の熱風噴射装置と、この熱風噴射装置の回収口部から被加熱物加熱後の熱風を吸引して噴出口部に循環させる吸給気機構と、この吸給気機構により循環される熱風を加熱する熱交換器とを具備した熱風噴射型加熱装置である。
【0024】
そして、被加熱物に熱風を供給する熱風噴射装置と、熱風噴射装置の回収口部から熱風を吸引して噴出口部に循環させる吸給気機構と、循環中の冷えた熱風を加熱する熱交換器とにより、閉ループ系の熱風循環装置を構成するので、隣接する系からの影響を抑えることができる。また、被加熱物と熱交換を終えて冷えた熱風を被加熱物の表面から吸給気機構の吸引力を利用して回収口部より効率良く強制回収することで、熱交換器で加熱されて噴出口部から噴出された加熱用の熱風と、被加熱物を加熱して冷えた熱風との干渉を抑えて、被加熱物上の温度境界層を薄くでき、精度の高い温度で被加熱物を均一に加熱でき、被加熱物の温度ばらつきを解消できる。
【0025】
請求項6に記載された発明は、請求項5記載の熱風噴射型加熱装置において、吸給気機構は送風機を含み、熱交換器は、送風機の吸込側に配置されたものであり、送風機の吸込側で熱交換器により加熱された熱風は、送風機に吸込まれてミキシングされるので、送風機から吐出された熱風に温度むらがなく、均一な温度の熱風を噴出口部に供給できる。
【0026】
請求項7に記載された発明は、請求項6記載の熱風噴射型加熱装置において、送風機と噴出口部との間に配置された整流機構を具備したものであり、送風機から吐出された直後の熱風に圧力や流量の偏りがあっても、それらを整流機構により矯正して、各個の噴出口部より同一速度の熱風を噴出させることができる。
【0027】
請求項8に記載された発明は、炉体と、炉体内で被加熱物を搬送する搬送手段と、搬送手段に沿って炉体内に複数配設された請求項5乃至7のいずれか記載の熱風噴射型加熱装置とを具備した加熱炉であり、炉体内の搬送手段に沿って、相互に隣接する熱風循環系からの熱影響を抑えることができる閉ループ系の熱風噴射型加熱装置を複数配設することで、かつ各個の熱風噴射型加熱装置は、被加熱物を加熱して温度低下した熱風を回収口部より強制回収し、被加熱物上の温度境界層を薄くして、精度の高い温度で被加熱物を均一に加熱することで、被加熱物の温度ばらつきの少ない優れた温度プロファイルが得られる。
【0028】
請求項9に記載された発明は、請求項8記載の加熱炉における搬送手段が、炉体の被加熱物搬出側に延長して設けられ、搬送手段の延長部分に対向して炉体の被加熱物搬出側に配置された被加熱物冷却用の冷却装置を備え、搬送手段は、熱風噴射型加熱装置および冷却装置に沿って配設された案内用のガイドレールを備え、ガイドレールは、熱風噴射型加熱装置により加熱される加熱部レールと、冷却装置により冷却される冷却部レールと、加熱部レールと冷却部レールとの間に介在された断熱部とを具備したものであり、熱風噴射型加熱装置により加熱される加熱部レールと、冷却装置により冷却される冷却部レールとの間に断熱部が介在されたので、これらのガイドレールを介して熱風噴射型加熱装置と冷却装置とが相互に熱的に干渉し合うおそれを防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の前提技術を図1および図2を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、プリント配線板上に表面実装用電子部品が搭載された被加熱物Wに対し熱風Hを噴出する複数の噴出口部1と、被加熱物Wに当って方向転換した冷えた熱風hを強制的に回収するファンなどの回収手段2とを具備した熱風噴射装置を示す。
【0031】
この熱風噴射装置は、部分的に見た場合には被加熱物Wに対して均一に熱風を吹付ける構造にはなっていないが、各個の噴出口部1から噴射される熱風Hの温度と風速は均一であり、炉内を移動する被加熱物Wの表面には、最終的には一様に熱風Hが吹付けられる。任意の開口面積を持つ噴出口部1は任意のピッチで搬送方向および搬送方向に対し直角の炉体幅方向に複数個配設されており、そこから噴射された熱風Hは噴出口部1の直下周囲の被加熱物Wに偏って当る。
【0032】
このとき、図1に示されるように、特に障害物が無い限り、被加熱物Wに当った熱風Hは熱交換後、被加熱物Wに沿って衝突点を中心に外周に向って流れるが、隣接する他の噴出口部1から噴射された熱風Hの同様な被加熱物Wに沿った流れと、両噴出口部1,1の中間部位に相当する被加熱物W上で衝突し、これらの熱交換後の冷えた熱風hは、上方向に流れを変え、回収手段2の吸引力により強制的に回収される。
【0033】
このため、熱交換を終えた被加熱物Wに沿って流れる冷えた熱風hと、噴出口部1から被加熱物Wに向って流入してくる加熱用の熱風Hとの干渉が少なくてすみ、冷えた熱風hを被加熱物Wの表面に滞留させずに効率良く除去できる。
【0034】
これにより、被加熱物Wの表面に沿った中間温度層である温度境界層を薄くすることができるとともに、温度低下する前の新鮮な熱風Hを被加熱物Wに効率良く供給できるため、被加熱物Wの表面での熱交換率が高く、すなわち高い熱伝達率を得ることができ、精度の高い温度で被加熱物Wを均一に加熱でき、加熱される被加熱物Wの温度ばらつきを解消できる。
【0035】
なお、回収手段2は、噴出口部1,1間にファンを象徴的に図示したが、熱風回収経路なども含むものであり、要するに、熱交換を終えた冷えた熱風hを被加熱物Wの表面に滞留させないように強制的に回収できるものであれば、側方へ吸引するようにしても良い。
【0036】
図2には、図1に示された熱風噴射装置をより具体化した熱風噴射装置が示されており、取付基板部としての平板部23に、被加熱物Wに対し熱風Hを噴出する突起形の複数の噴出口部としての熱風噴射ノズル24が設けられ、さらに、平板部23の下側に回収板25が平行に設けられ、この回収板25に、被加熱物Wに当って方向転換した熱風hを強制回収するための複数の回収口部26が、各熱風噴射ノズル24の間で穿設されている。平板部23と回収板25との間には、被加熱物加熱後の比較的低温の熱風hを吸引回収する回収通路32が形成され、この回収通路32は、送風機、ヒータなどの熱風循環系を経て熱風噴射ノズル24に連通されている。
【0037】
要するに、被加熱物Wに対し熱風Hを噴出する複数の熱風噴射ノズル24と、これらの熱風噴射ノズル24の間に設けられ被加熱物Wに当って方向転換した冷えた熱風hを強制的に回収する複数の回収口部26とを具備した熱風噴射装置である。
【0038】
そして、被加熱物Wに衝突した後に逆方向に流れる冷えた熱風hを回収口部26で強制的に回収することにより、厚い温度境界層の形成の要因ともなりうる被加熱物W上に滞留する冷えた熱風hを被加熱物W上から取り除くことで、高い熱伝達率を得ることができる。
【0039】
すなわち、熱風噴射ノズル24は、回収口部26が設けられた面より突起状に突設された熱風噴射装置であり、この突起状の熱風噴射ノズル24により加熱用の熱風Hに方向性を与えることで、この加熱用の熱風Hと、回収口部26で強制回収される温度低下した熱風hとを明確に区別して、互いの干渉を効果的に防止できる。
【0040】
これにより、温度低下した熱風hを効率良く被加熱物Wから取除くことができ、被加熱物Wの表面に沿った温度境界層を薄くすることができるとともに、温度低下する前の新鮮な熱風Hを被加熱物Wに効率良く供給できるため、被加熱物Wの表面での熱交換率を高め、すなわち高い熱伝達率を得ることができ、精度の高い温度で被加熱物Wを均一に加熱でき、被加熱物Wの温度ばらつきを解消できる。
【0041】
次に、本発明の関連技術を図3乃至図5を参照しながら説明する。
【0042】
図3は、プリント配線板上に表面実装用電子部品が搭載された被加熱物Wを、はんだペーストを溶融凝固させて電気的かつ機械的に接合するリフローソルダリング用の熱風噴射装置11および熱風噴射型加熱装置12を示す。
【0043】
この図3において、熱風噴射型加熱装置12は、熱風発生器本体13の内部に、比較的低温の熱風を加熱して高温の熱風にするための熱交換器14が配置されている。この熱交換器14は、熱風流路15内に複数のヒータエレメント16が、被加熱物搬送方向に水平に配設されたものである。
【0044】
この熱交換器14の下流側に、熱風を熱風流路15の全域に均す整流機構17が配置されている。この整流機構17は、例えば多数の小孔が均等間隔で穿設されたパンチング板などが熱風流路15中に配設されたものである。
【0045】
さらに、熱交換器14および整流機構17の下流側に、被加熱物Wに対して熱風を噴射する熱風噴射装置11が設けられている。
【0046】
この熱風噴射装置11は、熱風発生器本体13の底部に一体的に装着された熱風噴射ユニット21と、この熱風噴射ユニット21に沿って設けられた回収ユニット22とを備えている。
【0047】
熱風噴射ユニット21は、取付基板部としての平板部23に、被加熱物Wに対し熱風Hを噴出する突起形の噴出口部としての熱風噴射ノズル24が複数設けられたものである。
【0048】
すなわち、熱風噴射ユニット21の平板部23および熱風噴射ノズル24は、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウムなどを材料とするダイカスト法を含む鋳造法、または絞り加工法により一体に成形されている。
【0049】
鋳造法または絞り加工法で熱風噴射ユニット21の平板部23および熱風噴射ノズル24を成形することで、平板部23に複数の熱風噴射ノズル24を容易に成形でき、また、アルミニウムダイカスト法などの鋳造法により成形された平板部23および熱風噴射ノズル24は、熱伝導率が良いとともにヒートマスが大きいため、これらの加熱温度の偏りを防止できるとともに温度変化を抑制でき、各熱風噴射ノズル24から均一で安定した温度の熱風Hが得られる。
【0050】
回収ユニット22は、熱風噴射ユニット21の平板部23の下側に平行に設けられた回収板25に、被加熱物Wに当って方向転換した熱風hを強制回収するための複数の回収口部26を、各熱風噴射ノズル24の間で穿設したものである。
【0051】
熱風噴射ノズル24および回収口部26の穴形状は、円形、長円形、または被加熱物搬送方向と直角に交差する方向に細長く設けられた幅の狭いスリット状でも良いが、いずれの場合も、熱風噴射ノズル24は、被加熱物Wを加熱して温度低下した熱風hを回収する回収口部26より被加熱物W側へ突出した形状にすることが望ましい。
【0052】
これらの回収口部26は、熱風発生器本体13の下部および周側部を覆うように設けられた回収板25の底部に穿孔された穴であるのに対し、熱風噴射ノズル24は、平板部23から回収板25を貫通して、回収口部26が設けられた面より突起状に突設されたものである。
【0053】
複数の熱風噴射ノズル24の少なくとも1つには、ヒータ温度を調節するための熱電対などの温度センサ27が、熱風Hの流通を妨げないように挿入されている。
【0054】
熱風噴射装置11の熱風噴射ノズル24から噴出され回収口部26に回収された被加熱物加熱後の熱風hは、吸給気機構31により吸引され、熱交換器14に供給される。
【0055】
この吸給気機構31は、熱風噴射ユニット21の平板部23と回収板25との間に、被加熱物加熱後の比較的低温の熱風hを吸引回収する回収通路32が形成され、この回収通路32に、熱風発生器本体13の周側部と回収板25の周側部との間に形成された回収通路33が連通され、この回収通路33に、熱風発生器本体13の上部に区画形成された吸気室34が連通され、この吸気室34の中央部上側に、シロッコファンなどの送風機35の吸込口36が開口されている。
【0056】
この送風機35は、ケーシング37の内部に設けられたインペラ38が回転軸39により回転自在に軸支され、その回転軸39にケーシング37の外部に設置されたモータ41が接続されたものである。インペラ38の周囲に設けられた給気室42は、複数の給気通路43を経て熱風発生器本体13内に連通されている。
【0057】
図4に示されるように、複数の熱風噴射ノズル24および複数の回収口部26は、碁盤目状および千鳥状のいずれか一方の状態に配設されている。
【0058】
すなわち、図4(A)は、複数の熱風噴射ノズル24を熱風噴射ユニット21の平板部23の全面に碁盤目状に配設するとともに、これらの熱風噴射ノズル24の中間に複数の回収口部26を同様に碁盤目状に配設したものである。
【0059】
また、図4(B)は、複数の熱風噴射ノズル24を熱風噴射ユニット21の平板部23の全面に千鳥状に配設するとともに、これらの熱風噴射ノズル24の中間に複数の回収口部26を同様に千鳥状に配設したものである。
【0060】
このように、熱風噴射ノズル24を、熱風噴射ユニット21の平板部23の全面にわたって碁盤目状または千鳥状に配設することで、平板部23の全面にわたって複数の熱風噴射ノズル24を均等間隔で配置でき、被加熱物Wに対する熱風Hの噴出を均等にできる。
【0061】
図5は、前記熱風噴射装置11および熱風噴射型加熱装置12を用いた加熱炉51を示し、炉体52の内部を通して被加熱物Wを搬送する1対の無端状の搬送チェン53と、これらの搬送チェン53を回行駆動するスプロケット54などにより被加熱物Wの搬送手段55が配設され、この搬送手段55に沿って炉体52内に、プリヒート用の複数の熱風噴射型加熱装置12a,12b,12cと、リフロー用の複数の熱風噴射型加熱装置12が配設されている。
【0062】
次に、図3乃至図5に示された熱風噴射装置11および熱風噴射型加熱装置12の作用効果を説明する。なお、図3において、塗りつぶされた矢印は、熱交換器14により加熱された高温の熱風Hの流れを示し、中抜きの矢印は、被加熱物Wとの熱交換を終えて温度低下した熱風hを示す。
【0063】
送風機35のインペラ38から給気室42に吐出された低温熱風は、給気通路43を経て熱風発生器本体13内に供給され、熱交換器14のヒータエレメント16により加熱されて温度上昇し、整流機構17により熱風の風量および風圧が熱風流路15の全断面にわたって均一化され、熱風噴射装置11の各熱風噴射ノズル24より高温の熱風Hが均等に噴射され、搬送手段55により搬送されるプリント配線板および基板搭載電子部品などの被加熱物Wを高温の熱風Hで加熱する。
【0064】
この熱風噴射ノズル24から被加熱物Wに向けて噴出された熱風Hは、プリント配線板自体または基板搭載電子部品と衝突して熱交換し、これらの基板または電子部品を加熱すると、温度低下して冷えた熱風hとなり、基板の上面に沿って流れるが、隣接した熱風噴射ノズル24から噴出した加熱用の熱風と衝突すると、図6(A)に示されるように上向きに流れを変える。
【0065】
この熱交換の終わった上向きの熱風hの一部は、このままでは、図6(B)に示されるように近傍を被加熱物Wに向って下向きに流れる熱風Hに巻込まれる形で合流し、再び被加熱物Wに向けて移動し、熱風Hの温度低下を起こしながら被加熱物Wに達するので、全体として加熱効率が落ちる結果となるが、実際は図6(A)に示されるように回収ユニット22が設けられているため、被加熱物Wとの熱交換を終えて冷えた熱風hが上向きに流れたときに、その冷えた熱風hを回収ユニット22の回収口部26より吸給気機構31の吸込力により強制的に回収する。
【0066】
これにより、冷えた熱風hは、熱風噴射ノズル24から噴出される熱風Hと干渉することなく、回収口部26から回収通路32,33および吸気室34を経て、送風機35の吸込口36よりインペラ38に吸込まれ、さらに、このインペラ38より給気室42に吐出される。
【0067】
このように、熱交換器14と、整流機構17と、熱風噴射装置11と、吸給気機構31とにより、閉ループ系の自立型熱風循環装置を構成でき、被加熱物Wを加熱して温度低下した熱風hを、吸給気機構31の吸引力を利用して回収口部26より強制回収することで、効率良く被加熱物Wから取除くことができ、これにより、熱交換器14で加熱されて熱風噴射ノズル24から噴出された加熱用の熱風Hと、被加熱物Wを加熱して温度低下した熱風hとの干渉を抑えて、平面的に均一で時間的に安定した精度の高い温度の熱風Hにより、被加熱物Wを均一に加熱できるので、加熱される被加熱物Wの温度ばらつきを解消できる。
【0068】
また、突起状の熱風噴射ノズル24は、加熱用の熱風Hに方向性を与えることで、この加熱用の熱風Hと回収口部26で強制回収される温度低下した熱風hとを明確に区別して、互いの干渉を効果的に防止できる。
【0069】
次に、回収ユニット22の必要性およびその作用効果を詳しく説明する。
【0070】
被加熱物Wのプリント配線板自体および基板上の電子部品を均一加熱するためには、一定温度に加熱した熱風Hを一様に被加熱物Wに供給するだけでは不十分であり、基板または電子部品を加熱して熱交換を終えた後の冷えた熱風hと、次いで基板または電子部品を加熱するための熱風Hとの干渉を抑制できない。
【0071】
その結果、全体的には加熱効率が低下し、プリント配線板全体の均一加熱はできず、所望の基板内温度分布を満足できない。
【0072】
これを解決するためには、プリント配線板を加熱して温度低下した熱風hを、いかに加熱用の熱風Hとの干渉を抑えながら、速やかにプリント配線板の表面から排除するかがポイントとなる。
【0073】
そのためには、隣接する各熱風噴射ノズル24の中間に、熱交換を終えて冷えた熱風hを基板上に滞留させないために速やかに基板上から排除するための回収ユニット22を設ける。
【0074】
この回収ユニット22の回収口部26は、任意の熱風噴射ノズル24と、これに隣接する全ての熱風噴射ノズル24との中間位置に設けることが望ましい。
【0075】
熱風噴射ノズル24からプリント配線板に向けて噴出された熱風Hは、被加熱物W上でプリント配線板自体または基板搭載電子部品と衝突して、これらと熱交換し、基板もしくは電子部品を加熱する。一方、被加熱物Wに衝突した後、冷えた熱風hは基板の上面に沿って流れるが、隣接する熱風噴射ノズル24から噴出した熱風Hと衝突すると、上向きに流れを変える。
【0076】
この熱交換の終わった熱風hの一部は、このままでは近傍を基板に向って流れる高温の熱風Hに巻込まれる形で再びプリント配線板に向けて移動し、その熱風Hの温度低下を起こしながら基板に達し、この場合は、全体として加熱効率が落ちる結果となるが、熱交換を終えて冷えた熱風hが上向きに流れた際に、その先に回収口部26があり、この回収口部26に冷えた熱風hが吸引されるので、この冷えた熱風hは加熱用の熱風Hと干渉することなく回収口部26から系外に排出される。
【0077】
このようにすることで、熱風噴射ノズル24から噴出された熱風Hは、プリント配線板および基板上の電子部品と熱交換を終えて冷えた熱風hの干渉をさほど受けることがないので、温度降下を防止できるとともに、各熱風噴射ノズル24ごとに安定した状態でプリント配線板上の電子部品や基板自体を均一に加熱でき、これらの電子部品や基板自体の温度のばらつきを抑えることが可能となる。
【0078】
そして、図5に示されるように、炉体52内に、回収ユニット22を備えた熱風噴射装置11を有する熱風噴射型加熱装置12を、搬送手段55に沿って配設することで、次のように、被加熱物Wの温度測定箇所による温度ばらつきの少ない優れた温度プロファイルが得られる。
【0079】
【実施例】
本発明の関連技術によるプリント配線板の加熱能力を比較するために、図6(A)のように回収ユニット22を設けた熱風噴射装置11を、また図6(B)のように回収ユニット22を設けない場合の熱風噴射装置11aを示す。そして、図7に、各々における加熱能力の相違を示す基板上の温度プロファイル測定例を示す。
【0080】
本実施例で用いた熱風噴射装置11は、噴出穴形状が円形で回収ユニット22の下面より20mmの突起高さを有する熱風噴射ノズル24を、熱風噴射ユニット21の平板部23に千鳥状に配置し、隣接する全ての熱風噴射ノズル24の中間位置で回収板25に、被加熱物加熱後の温度低下した熱風hを回収するための回収口部26を設けた回収ユニット22を用いた。
【0081】
被加熱物Wは、寸法250mm×300mmのプリント配線板のみであり、測定を簡単にするために電子部品は搭載せずに、搬送チェン53による搬送にてリフロー用の加熱炉51内に送込み、プリヒート用の熱風噴射型加熱装置12a,12b,12cで予加熱した後に、図6(B)に示されるように熱風噴射ユニット21のみを設けたリフローゾーンと、図6(A)に示されるように熱風噴射ユニット21および回収ユニット22を設けたリフローゾーンとにて、熱風噴射ノズル24から噴射した熱風Hにてプリント配線板を加熱し、このプリント配線板のリフロー面に取付けたK熱電対45で基板面の温度を測定し、図7に示される温度プロファイルの測定結果が得られた。
【0082】
測定後、これらの温度プロファイルから昇温時の温度勾配(この温度勾配を、「昇温レイト」という)およびピ−ク温度を比較し、本発明の有効性を評価した。ここで、熱風噴射ノズル24とプリント配線板の間隔は同一にした。
【0083】
図7にグラフで示された昇温レイト、最高到達温度および基板内温度ばらつきの比較結果を、次の表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
この表1に示す結果から判るように、加熱用の各熱風噴射ノズル24の間に回収口部26を設けることにより、基板は高い温度まで一様に加熱され、著しい効果が得られることが判る。
【0086】
このことから、リフロー時の基板搭載部品間の温度ばらつきも解消でき、部品耐熱温度以下での使用可能温度範囲が狭い鉛フリーはんだ合金でも、良好な電気的かつ機械的接合を得ることができる熱風噴射装置11、熱風噴射型加熱装置12および加熱炉51を提供できる。
【0087】
なお、図示された熱風噴射型加熱装置12は、搬送手段55の上側に配置されているが、この熱風噴射型加熱装置12は、搬送手段55の下側に配置しても良いし、上側および下側の両側に配置しても良い。
【0088】
さらに、実施例では、噴出口部としての熱風噴射ノズル24の突起高さを20mmとしたが、この突起高さは、0〜20mmの範囲内で設定すると良い。熱風噴射ノズル24の突起高さを0mmとした場合は、回収口部26が設けられた面をフラットにすることができ、この面の清掃などのメンテナンスが容易になり、また被加熱物Wが熱風噴射ノズル24と干渉するおそれがなく、さらに熱風噴射型加熱装置12が搬送手段55の下側に配置された場合は搬送手段55から脱落した被加熱物Wの回収が容易になる。
【0089】
このように、被加熱物Wと熱交換を終えて冷えた熱風hを、被加熱物Wの表面から吸給気機構31の吸引力を利用して回収口部26より効率良く強制回収し、熱交換器14で加熱されて熱風噴射ノズル24から噴出された加熱用の熱風Hと、被加熱物Wを加熱して冷えた熱風hとの干渉を抑えて、被加熱物W上の温度境界層を薄くでき、精度の高い温度で被加熱物Wを均一に加熱でき、被加熱物Wの温度ばらつきを解消できる。
【0090】
次に、本発明の一実施の形態を図8および図9を参照しながら説明する。なお、図3乃至図5に示された関連技術と同様の部分には、同一符号を付して、その説明を省略する場合もある。
【0091】
図8は、プリント配線板上に表面実装用電子部品が搭載された被加熱物Wを、ソルダーペーストを溶融凝固させて、電気的かつ機械的に接合するリフローソルダリング用の熱風噴射装置11,11uおよび熱風噴射型加熱装置12,12uを示す。
【0092】
この図8において、被加熱物Wの搬送面に対して上下に配設された熱風噴射装置11,11uは、取付基板部としての平板部23,23uに、被加熱物Wに対し熱風Hを噴出する複数の突起形状の噴出口部としての熱風噴射ノズル24,24uが設けらている。
【0093】
上下の熱風噴射ノズル24,24uは、被加熱物Wの搬送面に対して面対象な位置から、上下どちらか一方の熱風噴射ノズル24または24uを基準に、他方の熱風噴射ノズル24uまたは24を、被加熱物搬送方向およびこの搬送方向に対し直角の炉体幅方向の各方向に、ノズル取付ピッチより小ピッチの距離(望ましくはノズル取付ピッチの1/2ピッチ)にシフトした位置に配設されている。
【0094】
ここで、熱風噴射装置11の平板部23,23uと複数の熱風噴射ノズル24,24uは、別体形成されたものを一体化しても良いが、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウム等を材料とするダイキャスト法を含む鋳造法、または絞り加工法などの一体成形法により一体に成形することができる。
【0095】
このような鋳造法や絞り加工法などの一体成形法は、高い熱伝達率を得るための熱風の流れを制御する上で、機構上必要な、精度の高いノズル群を、容易に形成することができる。
【0096】
言い換えれば、鋳造法または絞り加工法により、熱風噴射装置11,11uの平板部23,23uと、複数の熱風噴射ノズル24,24uとを形成することで、複数の熱風噴射ノズル24,24uを平板部23,23u上に精度良く、かつ容易に形成できるため、ノズル間隙を流れる冷えた熱風hの流れの制御が容易となる。
【0097】
さらに、鋳造法にて一体形成された熱風噴射ノズル24,24uと平板部23,23uは、熱伝導率が良く、ヒートマスも大きいため、これらの加熱温度の偏りを防止できるとともに温度変動を抑制できることから、各熱風噴射ノズル24,24uから均一で安定した温度の熱風Hの噴射が可能となる。その上に、構造上からは、複数の回収口部26,26uを有した回収板25,25uの取り付けも容易となる。
【0098】
図8に示す熱風噴射装置11には、熱風噴射ノズル24,24uの間に配設された多数の回収口部26,26uを有する回収板25,25uが、熱風噴射ノズル24,24uの先端より平板部23,23u寄りに設けられている。そして、この回収板25,25uと、平板部23,23uとにより、冷えた熱風hの回収通路32,32uを形成している。
【0099】
熱風噴射ノズル24,24uは、回収板25,25uより突起状に突設されたものであり、突起状の熱風噴射ノズル24,24uにより加熱用の熱風Hに方向性を与えることで、この加熱用の熱風Hと、回収板25,25uの回収口部26,26uで強制回収される温度低下した熱風hとを明確に区別して、互いの干渉を効果的に防止できる。
【0100】
上下の熱風噴射装置11の各熱風噴射ノズル24,24uは、図8に示すように上部の熱風噴射ノズル24と搬送面を介して対向する下部位置に、回収板25uに設けられた回収口部26uが設置されているとともに、下部の熱風噴射ノズル24uと搬送面を介して対向する上部位置に、回収板25に設けられた回収口部26が設置されている配置構造となっている。
【0101】
このため、被加熱物Wが無い場合は、上部の熱風噴射ノズル24から噴出した熱風Hは直接対向する回収板25uの回収口部26uに回収され、搬送面上近傍での流れの乱れを起こさないとともに、下部の熱風噴射ノズル24uから噴出した熱風Hは直接対向する回収板25の回収口部26に回収され、搬送面上近傍での流れの乱れを起こさない。
【0102】
すなわち、搬送面の上側および下側の熱風噴射ノズル24,24uから噴出された熱風Hが、相互に干渉することなく反対側の回収口部26u,26に回収されるため、搬送面に対し常に新鮮な加熱用の熱風Hを供給できるエアカーテン作用が得られ、搬送面での熱風流れの乱れによる温度低下を防止できる。
【0103】
また、上部の熱風噴射ノズル24から噴出した熱風Hが被加熱物Wに衝突した後、熱交換を終えて冷えた熱風hは、回収板25に配設された回収口部26に強制的に吸引され、被加熱物Wの表面から速やかに排除されるとともに、下部の熱風噴射ノズル24uから噴出した熱風Hが被加熱物Wに衝突した後、熱交換を終え冷えた熱風hは、回収板25uに配設された回収口部26uに強制的に吸引され、被加熱物Wの表面から速やかに排除される。
【0104】
熱風噴射ノズル24,24uの噴出口形状は、円形、長円形、長方形型スリット形状など特に形状は問わない。噴出する熱風Hの風速と被加熱物Wを加熱するに足る熱量から開口面積を決め形状を決めることができる。
【0105】
熱風噴射ノズル24,24uの噴出口形状が長円形状などの場合は、ノズルの長手方向は被加熱物搬送方向に対して90度から30度程度の範囲で斜めに配設することも可能である。
【0106】
いずれにしても、熱風噴射ノズル24,24uは、平板部23,23uからノズル形状に突出されたものであり、ノズル形状とすることで、噴出する熱風Hに指向性を与え、熱風の広がりに伴う温度境界層の影響を小さく抑え、より高い熱伝達率を得ることができる。
【0107】
また、複数設けられている熱風噴射ノズル24,24uの少なくとも一つには、熱風温度をモニタする温度センサ27が熱風の流れを極力妨げないように配置されており、温調器を介して熱風hを加熱するヒータエレメント16の出力制御を行っている。
【0108】
さらに、図8に示された例では、回収板25,25uに対して別体の熱風噴射ノズル24,24uの先端を、搬送面側に突出しているが、回収板25,25uに突出状のノズル先端部と回収口部26,26uとを一体形成し、これらの回収板25,25uのノズル先端部を、平板部23,23uから突設されたノズル本体部と連続的に重ねることにより、図8に示された熱風噴射装置11,11uと結果的に同じ構造をとることもできる。
【0109】
また、熱風噴射ノズル24,24uの取付基板部としての平板部23,23uと回収板25,25uとの間に形成される熱風hの回収通路32,32uの高さは少なくとも5mm以上50mm以下が熱風回収の性能保持と精度を保った上での製作の容易さの観点から望ましい。
【0110】
図8に示された例では、平板部23,23uは、中央部が搬送面側へ膨出するような勾配を有するが、これにより、平板部23,23uと回収板25,25uとの間に形成された熱風hの回収通路32,32uは、これらの回収通路32,32uの出口から遠い場所(すなわち中央部)より回収通路32,32uの出口側に向って通路間隙を漸次拡大したものであり、出口側へ漸次拡大する回収通路32,32uの通路間隙により、出口側ほど増加する熱風回収流量に対処できるようにする。
【0111】
熱交換を終えて冷えた熱風hは、回収口部26,26uに回収通路32,32uを経て連通された、熱風噴射ユニット21の四方端部に配置された回収通路33に吸込まれるが、この回収通路33は、送風機35の吸込側であり、この回収通路33中に熱交換器14が配置されている。
【0112】
すなわち、図8において、送風機35は、ケーシング37の内部に設けられたインペラ38が回転軸39により回転自在に軸支され、その回転軸39にケーシング37の外部に設置されたモータ41が接続されたものであるが、熱交換器14は、この送風機35の吸込側(負圧側)に連結された回収通路33内に、複数のヒータエレメント16を配設して形成されている。
【0113】
そして、被加熱物Wとの熱交換で冷えた熱風hは、回収板25,25uに配設されている回収口部26,26uから回収通路32,32uを経て回収通路33に吸込まれ、この回収通路33内に設けられた熱交換器14のヒータエレメント16にて加熱された後、送風機35の吸込口36に吸引される。
【0114】
このとき、送風機35の吸込側に位置する熱交換器14のヒータエレメント16により冷えた熱風hを加熱するので、加熱された熱風Hは、送風機35に吸込まれてミキシングされる。このため、送風機35の高速回転するインペラ38から外周部に設けられた給気室42に吐出された熱風Hに温度むらがなく、均一な温度の熱風を供給できる。
【0115】
この給気室42は複数の給気通路43を介して加圧室44に連通されている。この加圧室44には整流機構17が設けられている。この整流機構17は、送風機35と各個の熱風噴射ノズル24との間に配置されているので、送風機35の給気室42から加圧室44に吐出された直後の熱風Hに圧力や流量の偏りがあっても、それらを整流機構17により矯正して、各個の熱風噴射ノズル24より同一速度の熱風を噴出させることができる。
【0116】
この整流機構17で整流された熱風Hは、熱風噴射装置11の熱風噴射ノズル24,24uから搬送面上の被加熱物W(電子部品を搭載したプリント配線板)に向って噴出される。
【0117】
図9は、上下の熱風噴射型加熱装置12の熱風噴射ノズル24,24uおよび回収板25,25uに設けられた回収口部26,26uの配置の相関を見た図である。
【0118】
便宜上、搬送面の上側に設けられた上部の熱風噴射型加熱装置12は、その各個の熱風噴射ノズル24が各々千鳥状に配設され、また、回収板25の各個の回収口部26は、熱風噴射ノズル24の間に配設されている。
【0119】
一方、搬送面に対して対称な位置に有る下部の熱風噴射型加熱装置12uの熱風噴射ノズル24uは、対する上部の回収板25の回収口部26に対応する位置に配設され、また、下部の熱風噴射型加熱装置12uの回収板25uの回収口部26uは、対する上部の熱風噴射ノズル24に対応する位置に配設されている。
【0120】
また、図8および図9に示されるように、複数の回収口部26,26uは、回収通路32,32uの出口から遠い場所(すなわち回収板25,25uの中央部)に配置されたものより回収通路32,32uの出口側に配置されたものほど小さな開口面積を有するものであり、回収通路32,32uの出口側ほど回収口部26,26uの開口面積を絞ることにより、熱風吸引力が作用しやすい出口側から回収される熱風流量と、そうでない場所から回収される熱風流量とを等しくすることができ、場所による熱風回収流量のばらつきを防止できる。
【0121】
下部の熱風噴射型加熱装置12uの他の部分は、上部の熱風噴射型加熱装置12と同様の構造であるため、その説明を省略する。
【0122】
次に、図8および図9に示された実施の形態の作用効果を説明する。
【0123】
上下の熱風噴射型加熱装置12,12uのそれぞれにおいて、熱交換器14により加熱され送風機35により加圧室44に供給された熱風Hは、整流機構17により加圧室全体に均等に整流され、全ての熱風噴射ノズル24,24uに均等の温度および風速の熱風Hが供給される。
【0124】
各熱風噴射ノズル24,24uの先端に被加熱物Wが無い場合は、上部の熱風噴射ノズル24から噴出した熱風Hは直接対向する下部の回収板25uの回収口部26uに回収され、下部の熱風噴射ノズル24uから噴出した熱風Hは直接対向する上部の回収板25の回収口部26に回収され、上部から噴出された熱風と下部から噴出された熱風とが、搬送手段55の搬送チェン間スペースを経てスムーズに入れ替わる。
【0125】
このため、搬送面の上側および下側の熱風噴射ノズル24,24uから噴出された熱風Hが、相互に干渉することなく反対側の回収口部26u,26に回収され、被加熱物Wの搬送面に対し常に新鮮な加熱用の熱風Hが供給されるので、搬送面での熱風流れの乱れによる温度低下が生じない。
【0126】
一方、各熱風噴射ノズル24,24uの先端に被加熱物Wが位置する場合は、上下の熱風噴射ノズル24,24uから噴出した熱風Hが被加熱物Wの表面に吹付けられる。
【0127】
その際、これらの熱風噴射ノズル24,24uは、被加熱物Wと平行の2次元的に分散配置され、被加熱物Wが各熱風噴射ノズル24,24uに沿って搬送されるので、各熱風噴射ノズル24,24uが、部分的に見た場合には被加熱物Wに対して均一に熱風Hを吹付ける構造になっていなくても、各個の熱風噴射ノズル24,24uから噴射される熱風Hの温度と風速が均一であるから、搬送される被加熱物Wの表面には、最終的には一様に熱風Hが吹付けられる。
【0128】
被加熱物搬送方向および幅方向に分散配置された複数の熱風噴射ノズル24,24uから噴射された熱風Hは、熱風噴射ノズル24,24uの延長上に位置する被加熱物Wの表面に集中的に衝突し、被加熱物Wに衝突した熱風Hは、熱交換後、衝突点を中心に被加熱物Wの表面に沿って外周に向って流れるが、隣接する熱風噴射ノズル24,24uからの同様な被加熱物Wに沿った流れと、熱風噴射ノズル24,24uの中間部位に相当する被加熱物W上で衝突した後、回収口部26,26uによる強制回収作用により被加熱物Wから離反する方向に流れを変える。
【0129】
このため、熱交換を終えた被加熱物Wに沿って流れる冷えた熱風hと、被加熱物Wに向って流入してくる加熱用熱風Hとの干渉が少なくてすみ、被加熱物Wに沿って流れる冷えた熱風hを効率良く除去でき、被加熱物Wの表面に沿った温度境界層を薄くできる。
【0130】
これにより、温度低下する前の新鮮な熱風Hが被加熱物Wに効率良く供給されるため、被加熱物Wの表面での熱交換率が高く、すなわち高い熱伝達率を得ることができる。
【0131】
冷えた熱風hは回収通路32,32uにより回収するが、この熱風回収用の回収通路32,32uは、回収口部26,26uが設けられた回収板25,25uと、熱風噴射ノズル24,24uの平板部23,23uとの間に設けられているので、冷えた熱風hの回収経路を広範囲にわたって確保でき、被加熱物Wに衝突した後に逆方向に流れる冷えた熱風hを全域にわたって強制的に回収することにより、厚い温度境界層の形成の要因ともなりうる、被加熱物W上に滞留する冷えた熱風hを被加熱物W上から効率良く取除くことができ、高い熱伝達率を得ることができる。
【0132】
このようにして、上下の熱風噴射型加熱装置12,12uは、被加熱物Wに熱風Hを供給する熱風噴射装置11,11uと、これらの熱風噴射装置11,11uの回収口部26,26uから被加熱物加熱後の冷えた熱風hを強制的に吸引するとともに熱交換器14により加熱された熱風Hを熱風噴射ノズル24,24uに循環させる吸給気機構31とにより、被加熱物Wがあるときは上下分離型の閉ループ系の熱風循環装置を構成するとともに、被加熱物Wが無いときは上下一体型の閉ループ系の熱風循環装置を構成するので、このような熱風噴射型加熱装置12,12uを次に示すように炉内に複数組設置した場合は、隣接する系からの影響を抑えることができる。
【0133】
次に、図10は、前記熱風噴射装置11,11uおよび熱風噴射型加熱装置12,12uを用いた本発明に係る加熱炉 51 の一実施の形態を示す。
【0134】
この加熱炉51は、炉体52の内部を通して被加熱物Wを搬送する1対の無端状の搬送チェン53と、これらの搬送チェン53を回行駆動するスプロケット54などにより被加熱物Wの搬送手段55が配設され、この搬送手段55に沿って、炉体52内の上部に、プリヒート用の複数の熱風噴射型加熱装置12a,12b,12cと、リフロー用の複数の熱風噴射型加熱装置12,12が配設され、また、搬送手段55に沿って、炉体52内の下部に、プリヒート用の複数の熱風噴射型加熱装置12ua,12ub,12ucと、リフロー用の複数の熱風噴射型加熱装置12u,12uが配設されている。
【0135】
このように、炉体52内の搬送手段55に沿って、相互に隣接する熱風循環系からの熱影響を抑えることができる閉ループ系の熱風噴射型加熱装置12a,12b,12c,12,12および熱風噴射型加熱装置12ua,12ub,12uc,12u,12uを複数配設することで、かつ、これらの熱風噴射型加熱装置は、被加熱物Wを加熱して温度低下した熱風hを回収口部26,26uより強制回収し、被加熱物加熱用の熱風Hの流れを妨げないので、被加熱物W上の温度境界層を薄くして、精度の高い温度で被加熱物Wを均一に加熱することで、被加熱物Wの温度ばらつきの少ない優れた温度プロファイルが得られる。
【0136】
搬送手段55は、炉体52の被加熱物搬出側に延長して設けられ、この搬送手段55の延長部分に対向して炉体52の被加熱物搬出側に被加熱物冷却用の上下の冷却装置56,56uが配置されている。
【0137】
搬送手段55の搬送チェン53は、これらの熱風噴射型加熱装置および冷却装置に沿って配設されたガイドレール57により案内されるが、このガイドレール57は、熱風噴射型加熱装置12a,12b,12c,12,12および熱風噴射型加熱装置12ua,12ub,12uc,12u,12uにより加熱される加熱部レール57aと、冷却装置56,56uにより冷却される冷却部レール57bと、加熱部レール57aと冷却部レール57bとの間に介在された断熱部58とを具備したものである。
【0138】
このように、加熱部レール57aと冷却部レール57bとの間に断熱部58を介在させたので、これらのガイドレール57を介して熱風噴射型加熱装置12a,12b,12c,12,12および熱風噴射型加熱装置12ua,12ub,12uc,12u,12uと、冷却装置56,56uとが相互に熱的に干渉し合うおそれを防止でき、加熱効率を低下させたり、冷却効率を低下させるおそれを防止できる。
【0139】
次に、前記実施の形態における回収板25の変形例を図11を参照しながら説明する。
【0140】
上記実施の形態に示された複数の熱風噴射ノズル24と、その熱風噴射ノズル24の間から冷えた熱風hを吸込む回収板25とを備えた熱風噴射装置11において、回収板25が各個の回収口部26Aにて回収通路32側へ膨出するように山形に成形され、その頂上部に被加熱物加熱後の冷えた熱風hを吸込む吸込穴28が開口され、これにより、回収板25は、各個の回収口部26Aにて被加熱物Wと対向する側が凹状に形成されたものである。
【0141】
そして、この凹状の回収口部26Aにより被加熱物加熱後の冷えた熱風hを回収する場合は、平坦な板に吸込穴28を設けた平坦な回収口部26と比較して回収効率が良くなり、全体的な加熱能力を向上できる。
【0142】
これは、凹状の回収口部26Aにより被加熱物加熱後の冷えた熱風hをスムーズに回収するため、回収板25の被加熱物W側で生じやすい渦流がなくなり、渦流がある場合は被加熱物Wの表面上の温度境界層が厚くなり、この温度境界層が障壁となって熱風噴射ノズル24から噴射された熱風Hの被加熱物Wに対する熱伝達効率が悪くなるが、上記のように渦流がなくなったことで、被加熱物Wの表面上の温度境界層が薄くなり、熱風噴射ノズル24から噴射された熱風Hの熱伝達効率が良くなるためである。
【0143】
実験によれば、平坦な回収口部26の場合に対して、この凹状の回収口部26Aの場合は、熱伝達係数が、5〜10%程度改善された。
【0144】
以上のように、各実施の形態における熱風噴射装置11は、被加熱物Wに対し熱風Hを噴出する複数の熱風噴射ノズル24と、これらの熱風噴射ノズル24の間に設けられ被加熱物Wに当って方向転換した熱風hを強制的に回収する複数の回収口部26とを具備しているので、被加熱物Wを加熱して温度低下した熱風hを、熱風噴射ノズル24の間に設けられた回収口部26から強制回収することで、熱風噴射ノズル24から噴出された加熱用の熱風Hと、回収口部26に強制的に回収される温度低下した熱風hとの干渉を抑えて、温度低下した熱風hを効率良く被加熱物Wから取除くことができ、被加熱物Wの表面に沿った温度境界層を薄くすることができるとともに、温度低下する前の新鮮な熱風Hを被加熱物Wに効率良く供給できるため、被加熱物Wの表面での熱交換率を高め、すなわち高い熱伝達率を得ることができ、精度の高い温度で被加熱物Wを均一に加熱でき、加熱される被加熱物Wの温度ばらつきを解消できる。特に、複数の熱風噴射ノズル24の間に設けられた複数の回収口部26が加熱後の冷えた熱風hを整然と回収するので、被加熱物Wを加熱する前後の熱風の流れを、より一様な熱風流れに形成でき、加熱用の熱風Hと冷えた熱風hとの干渉をなくして、高い熱伝達率を得ることができる。
【0145】
なお、本発明に係る熱風噴射装置11,11u、熱風噴射型加熱装置12,12uおよび加熱炉51は、プリント配線板上に熱硬化性樹脂により電子部品を接着する際に用いられる硬化炉にも、適用可能である。
【0146】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、熱風回収用の回収通路は、回収口部が設けられた回収板と噴出口部が設けられた取付基板部との間に設けられているので、冷えた熱風の回収経路を広範囲にわたって確保でき、被加熱物に衝突した後に逆方向に流れる冷えた熱風を全域にわたって強制的に回収することにより、厚い温度境界層の形成の要因ともなりうる、被加熱物上に滞留する冷えた熱風を被加熱物上から効率良く取除くことができ、高い熱伝達率を得ることができる。特に、回収通路の出口側ほど回収口部の開口面積を絞ることにより、熱風吸引力が作用しやすい出口側から回収される熱風流量と、そうでない場所から回収される熱風流量とを等しくすることができ、場所による熱風回収流量のばらつきを防止できる。
【0147】
請求項2記載の発明によれば、熱風回収用の回収通路は、回収口部が設けられた回収板と噴出口部が設けられた取付基板部との間に設けられているので、冷えた熱風の回収経路を広範囲にわたって確保でき、被加熱物に衝突した後に逆方向に流れる冷えた熱風を全域にわたって強制的に回収することにより、厚い温度境界層の形成の要因ともなりうる、被加熱物上に滞留する冷えた熱風を被加熱物上から効率良く取除くことができ、高い熱伝達率を得ることができる。特に、出口側へ漸次拡大する回収通路の通路間隙により、出口側ほど増加する熱風回収流量に対処できる。
【0148】
請求項3記載の発明によれば、複数の噴出口部が、部分的に見た場合には被加熱物に対して均一に熱風を吹付ける構造になっていなくても、各個の噴出口部から噴射される熱風の温度と風速が均一であれば、搬送される被加熱物の表面には、最終的には一様に熱風を吹付けることができる。さらに、回収手段により被加熱物に沿って流れる冷えた熱風を効率良く除去でき、被加熱物の表面に沿った温度境界層を薄くできる。これにより、温度低下する前の新鮮な熱風が被加熱物に効率良く供給されるため、被加熱物の表面での熱交換率が高く、すなわち高い熱伝達率を得ることができる。
【0149】
請求項4記載の発明によれば、取付基板部に複数の噴出口部を碁盤目状、千鳥状に配設することで、これらを均等間隔で配置でき、被加熱物に対する熱風の噴出を均等にできる。
【0150】
請求項5記載の発明によれば、被加熱物に熱風を供給する熱風噴射装置と、熱風噴射装置の回収口部から熱風を吸引して噴出口部に循環させる吸給気機構と、循環中の冷えた熱風を加熱する熱交換器とにより、閉ループ系の熱風循環装置を構成するので、隣接する系からの影響を抑えることができる。また、被加熱物と熱交換を終えて冷えた熱風を被加熱物の表面から吸給気機構の吸引力を利用して回収口部より効率良く強制回収することで、熱交換器で加熱されて噴出口部から噴出された加熱用の熱風と、被加熱物を加熱して冷えた熱風との干渉を抑えて、被加熱物上の温度境界層を薄くでき、精度の高い温度で被加熱物を均一に加熱でき、被加熱物の温度ばらつきを解消できる。
【0151】
請求項6記載の発明によれば、送風機の吸込側で熱交換器により加熱された熱風は、送風機に吸込まれてミキシングされるので、送風機から吐出された熱風に温度むらがなく、均一な温度の熱風を噴出口部に供給できる。
【0152】
請求項7記載の発明によれば、送風機と噴出口部との間に整流機構が配置されので、送風機から吐出された直後の熱風に圧力や流量の偏りがあっても、それらを整流機構により矯正して、各個の噴出口部より同一速度の熱風を噴出させることができる。
【0153】
請求項8記載の発明によれば、炉体内の搬送手段に沿って、相互に隣接する熱風循環系からの熱影響を抑えることができる閉ループ系の熱風噴射型加熱装置を複数配設することで、かつ各個の熱風噴射型加熱装置は、被加熱物を加熱して温度低下した熱風を回収口部より強制回収し、被加熱物上の温度境界層を薄くして、精度の高い温度で被加熱物を均一に加熱することで、被加熱物の温度ばらつきの少ない優れた温度プロファイルが得られる。
【0154】
請求項9記載の発明によれば、熱風噴射型加熱装置により加熱される加熱部レールと、冷却装置により冷却される冷却部レールとの間に断熱部が介在されたので、これらのガイドレールを介して熱風噴射型加熱装置と冷却装置とが相互に熱的に干渉し合うおそれを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる熱風噴射装置の分割された個別の噴出口部から出た熱風の流れを示す説明図である。
【図2】 同上噴出口部から出た熱風を回収口部で回収する場合の熱風の流れを示す説明図である。
【図3】 本発明と関連する熱風噴射装置および熱風噴射型加熱装置の一例を示す断面図である。
【図4】 (A)は、同上熱風噴射装置および熱風噴射型加熱装置の噴出口部および回収口部の一配置例を示す底面図、(B)は、それらの他の配置例を示す底面図である。
【図5】 同上熱風噴射型加熱装置を用いた加熱炉の関連技術を示す断面図である。
【図6】 (A)は、回収口部を設けた熱風噴射装置の断面図、(B)は、回収口部を設けない熱風噴射装置の断面図である。
【図7】 図6(A)に示された回収口部を設けた熱風噴射装置と、図6(B)に示された回収口部を設けない熱風噴射装置とで、プリント配線板上の温度プロファイル測定例を比較して示す特性図である。
【図8】 本発明に係わる熱風噴射装置および熱風噴射型加熱装置の一実施の形態を示す断面図である。
【図9】 同上熱風噴射装置の被加熱物搬送面の上下に設けられた噴出口部および回収口部の配置例を示す配置図である。
【図10】 本発明に係わる加熱炉の一実施の形態を示す断面図である。
【図11】 上記実施の形態における回収板の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
W 被加熱物
1 噴出口部
11,11u 熱風噴射装置
12,12u 熱風噴射型加熱装置
14 熱交換器
17 整流機構
21 熱風噴射ユニット
23,23u 取付基板部としての平板部
24,24u 噴出口部としての熱風噴射ノズル
25,25u 回収板
26,26u 回収口部
26A 回収口部
31 吸給気機構
32,32u 回収通路
35 送風機
51 加熱炉
52 炉体
55 搬送手段
56,56u 冷却装置
57 ガイドレール
57a 加熱部レール
57b 冷却部レール
58 断熱部
Claims (9)
- 熱風循環系に設けられた取付基板部と、
取付基板部より被加熱物側に配置された回収板と、
取付基板部からノズル形状に突出されかつ回収板より突起状に突設され被加熱物に対し熱風を噴出する複数の噴出口部と、
複数の噴出口部から離れた位置で回収板に設けられ被加熱物に当って方向転換した熱風を強制的に回収する複数の回収口部と、
取付基板部と回収板との間に設けられた熱風回収用の回収通路とを具備し、
複数の回収口部は、回収通路の出口から遠い場所に配置されたものより回収通路の出口側に配置されたものほど小さな開口面積を有する
ことを特徴とする熱風噴射装置。 - 熱風循環系に設けられた取付基板部と、
取付基板部より被加熱物側に配置された回収板と、
取付基板部からノズル形状に突出されかつ回収板より突起状に突設され被加熱物に対し熱風を噴出する複数の噴出口部と、
複数の噴出口部から離れた位置で回収板に設けられ被加熱物に当って方向転換した熱風を強制的に回収する複数の回収口部と、
取付基板部と回収板との間に設けられた熱風回収用の回収通路とを具備し、
回収通路は、回収通路の出口から遠い場所より回収通路の出口側に向って通路間隙を漸次拡大した
ことを特徴とする熱風噴射装置。 - 被加熱物は搬送され、
複数の噴出口部は、被加熱物と平行の2次元的に分散配置された
ことを特徴とする請求項1または2記載の熱風噴射装置。 - 複数の噴出口部を取付基板部に碁盤目状および千鳥状のいずれか一方の状態に配設した熱風噴射ユニット
を具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の熱風噴射装置。 - 請求項1乃至4のいずれか記載の熱風噴射装置と、
この熱風噴射装置の回収口部から被加熱物加熱後の熱風を吸引して噴出口部に循環させる吸給気機構と、
この吸給気機構により循環される熱風を加熱する熱交換器と
を具備したことを特徴とする熱風噴射型加熱装置。 - 吸給気機構は送風機を含み、
熱交換器は、送風機の吸込側に配置された
ことを特徴とする請求項5記載の熱風噴射型加熱装置。 - 送風機と噴出口部との間に配置された整流機構
を具備したことを特徴とする請求項6記載の熱風噴射型加熱装置。 - 炉体と、
炉体内で被加熱物を搬送する搬送手段と、
搬送手段に沿って炉体内に複数配設された請求項5乃至7のいずれか記載の熱風噴射型加熱装置と
を具備したことを特徴とする加熱炉。 - 搬送手段は、炉体の被加熱物搬出側に延長して設けられ、
搬送手段の延長部分に対向して炉体の被加熱物搬出側に配置された被加熱物冷却用の冷却装置を備え、
搬送手段は、熱風噴射型加熱装置および冷却装置に沿って配設された案内用のガイドレールを備え、
ガイドレールは、
熱風噴射型加熱装置により加熱される加熱部レールと、
冷却装置により冷却される冷却部レールと、
加熱部レールと冷却部レールとの間に介在された断熱部と
を具備したことを特徴とする請求項8記載の加熱炉。
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