JP3798633B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスパークプラグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の点火用に使用されるスパークプラグにおいては、近年、耐火花消耗性向上のために、耐熱合金で構成された電極の先端にPtやIr等を主体とする貴金属チップを溶接して貴金属発火部を形成したタイプのものが使用されている。例えば接地電極と対向して火花放電ギャップを形成することになる中心電極の先端面に貴金属チップを接合する場合、その製造方法として、円板状の貴金属チップを中心電極の先端面(チップ被固着面)に重ね合わせ、中心電極を回転させながら貴金属チップの外周に沿ってレーザー光を照射することにより、全周レーザー溶接部を形成する方法が提案されている(例えば、特開平6−45050号、特開平10−112374号の各公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなスパークプラグの製造方法において、貴金属チップの電極への溶接については、YAGレーザー等によるパルス状レーザー光を用いて行われることが多い。そしてこのパルス状レーザー光については、貴金属チップと電極のチップ被固着面形成部位とにまたがるレーザー溶接部を貴金属チップの外周に沿って形成することができ、かつ溶接部の内部にブロ−ホール等が形成されないように、1パルス当りの照射エネルギー及びパルス幅といった条件を、貴金属チップ及び電極の材質や外径等に関連付けて任意に定め得るようにしている。
【0004】
ここで、図10のように中心電極3先端と貴金属チップ31’との重ね合せ面の外周に沿って、中心電極3の1回転につき12パルスで発振するレーザー光LBを照射することによって12個の単位溶接部10A〜10Lが順次重ね連なり、かつ中心電極3と貴金属チップ31’とにまたがる全周レーザー溶接部10を形成する場合について考察する。全周レーザー溶接部10において、末尾部位の溶接部(以下、末尾溶接部という)10eは、直前に形成された溶接部との重なりの他に、先頭部位の溶接部(以下、先頭溶接部という)10tとも重なり合うため、単位溶接部の重なり数がその他の溶接部よりも増加する。一方、ピースタイムを短くして生産効率を高めるために、中心電極3の回転速度(回転数)は所定値以上を維持する必要があるので、例えば、当初にレーザー照射され、先頭溶接部10tを形成したときの入熱が、中心電極3を1周回転する間に十分に熱引きされない場合がある。このような場合、末尾溶接部10eを形成するためのレーザー光LBの照射時点においても、先頭溶接部10tを形成したときの入熱の一部が残留熱として存在する。
【0005】
したがって、全周レーザー溶接部10のうち末尾溶接部10eにおいては、先頭溶接部10tとの重なり部(図10(b)においては、第11番目の単位溶接部10Kと第12番目の単位溶接部10Lとがこれに該当する)で、この残留熱が末尾溶接部10eを形成するための所定の照射エネルギー(末尾溶接部10eのための新規入熱)に重畳される。その結果、末尾溶接部10e(単位溶接部10K,10L)を形成することとなる溶融部が大きくなり溶接部10の幅の不均一化を招く(図10(c)参照)ばかりか、溶融金属が溶接部の外側に流出する(ダレとも通称する)場合がある(図10(a)参照)。このような溶融金属の流出部Fは中心電極側のみならず貴金属チップ側にも発生して外観を損ね、製品歩留まりを低下させることになる。また、溶融金属の流出部Fが貴金属チップの放電面に達すると、火花放電ギャップが狭小となって着火不良を招くおそれがある。
【0006】
さらに、末尾溶接部10eに形成される溶融金属の流出部Fが溶接部10の幅の不均一化を招くのみならず、発火部31が少し消耗しただけで、末尾溶接部10e(の流出部F)が貴金属発火部31の放電面31aへ露出しやすくなる。一般に、溶接部10は貴金属チップ材料と電極材料との合金により形成され、貴金属チップ単体と比較すると耐火花消耗性に劣っているから、露出した末尾溶接部10eにて消耗が進行すると、比較的短時間で火花放電ギャップが拡大して着火ミス等の不具合を生じることになる。
【0007】
本発明の課題は、エネルギー消費の無駄を省くとともに、貴金属チップを電極に溶接する工程での溶融金属の流出を防止し、幅の均一な溶接部を得ることができるスパークプラグの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明に係るスパークプラグの製造方法は、上記の課題を解決するために、
中心電極と、その中心電極に対向するように配置された接地電極とを備え、それら中心電極と接地電極との少なくとも一方に貴金属チップを溶接することで、火花放電ギャップを形成する貴金属発火部を形成したスパークプラグの製造方法であって、
前記中心電極及び/又は前記接地電極のチップ被固着面に対して、前記貴金属チップを重ね合わせて重ね合せ組立体を作り、その重ね合せ組立体に対しレーザー照射ユニットの出射光学部からパルス状レーザー光を照射することにより、前記貴金属チップの周方向において、それら貴金属チップとチップ被固着面形成部位とにまたがり、かつ各レーザー照射パルスに対応する単位溶接部が順次重ね連なる全周レーザー溶接部を形成するとともに、
前記全周レーザー溶接部のうちで、前記単位溶接部の重なり数が増加することになる先頭部位の溶接部(以下、先頭溶接部という)と末尾部位の溶接部(以下、末尾溶接部という)との少なくとも一方を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギー(以下、補正照射エネルギーという)を、その他の溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギー(以下、通常照射エネルギーという)よりも低く設定することを特徴とする。
【0009】
すなわち、本発明の製造方法では、電極のチップ被固着面と貴金属チップとを重ね合わせた重ね合せ組立体に対し、貴金属チップとチップ被固着面形成部位とにまたがり、かつ各レーザー照射パルスに対応する単位溶接部が順次重ね連なる全周レーザー溶接部を形成する場合において、その全周レーザー溶接部のうち、単位溶接部の重なり数が増加することになる溶接部を形成する際に用いる補正照射エネルギーを、その他の溶接部を形成する際に用いる通常照射エネルギーよりも低く設定して、エネルギー消費の無駄をなくすようにしている。具体的には、重なり数が増加することになる溶接部は、先頭溶接部あるいは末尾溶接部に形成される場合が多い。
【0010】
したがって、先頭溶接部における残留熱が末尾溶接部のための新規入熱に重畳されても、先頭溶接部と末尾溶接部との少なくとも一方を形成する際に用いる補正照射エネルギーが、その他の溶接部を形成する際に用いる通常照射エネルギーよりも低く調整されるので、単位溶接部の重なり数が増加することになる溶接部とその他の溶接部とにおけるトータルエネルギー(残留熱と新規入熱とを合わせた全熱量)の均一化を図ることができる。これにより、末尾溶接部が形成される際に、その他の溶接部よりも溶融部が大きくなって溶融金属が溶接部の外側に流出することを回避できるので、外観不良に伴う製品歩留まりの低下や、火花放電ギャップの狭小化に伴う着火不良の発生等を未然に防止することができる。
【0011】
また、トータルエネルギー(全熱量)の均一化を図ることによって、末尾溶接部とその他の溶接部との幅の略均一化を図ることにもなり、貴金属発火部の消耗に伴う貴金属発火部の放電面への末尾溶接部の露出が発生しにくくなる。したがって、火花放電ギャップの拡大による着火ミス等の不具合も未然に防止することができる。
【0012】
なお、ここでいう先頭溶接部には、最先端に位置する1個の単位溶接部のみの場合と、最先端を含みそれに続く単位溶接部が加わる場合とがあり、同様に、末尾溶接部には、最後尾に位置する1個の単位溶接部のみの場合と、最後尾を含みその前の単位溶接部が加わる場合とがある。つまり、先頭溶接部又は末尾溶接部を構成する単位溶接部の数は、パルス発生周波数、重ね合せ組立体と出射光学部との相対回転数等の溶接条件によって変動する。
【0013】
本明細書における1パルス当りのレーザー照射エネルギーは、例えばレーザー溶接を行う前に予め、レーザー発振部から発射されたレーザー光をカロリメータあるいはパワーメータ等のエネルギー検出器で受けることにより、単位時間(例えば1秒間)当りの照射エネルギーを計測し、その照射エネルギーを1秒間当りのパルス数で除することにより算出した値を用いる。
【0014】
そして、本発明における全周レーザー溶接部が、重ね合せ組立体と単一の出射光学部とを重ね合せ組立体の中心軸線回りにおいて相対回転させつつ形成される場合には、先頭溶接部と末尾溶接部とのうち末尾溶接部を形成する際に用いる補正照射エネルギーを、通常照射エネルギーよりも低く設定することが望ましい。先頭溶接部における熱引き量には電極の材質、周囲の温度、貴金属チップの外径等変動要素が多く、残留熱を所定値以下に抑えるための補正照射エネルギーの設定調節が煩雑になるおそれがある。しかし、末尾溶接部における新規入熱においてはこのようなおそれは小さく、補正照射エネルギーの設定調節が容易に行える。また、一般的に、溶接部は未溶接の重ね合せ組立体に比して、表面の凹凸等によりレーザー光の反射率が低く、レーザー照射エネルギーを吸収しやすいといえる。したがって、相対的に反射率が低い溶接部が既に殆ど形成されている末尾溶接部を形成する際に用いる補正照射エネルギーを、通常照射エネルギーよりも低く設定すれば、末尾溶接部のための新規入熱を抑制する効果が顕著に表れることになる。
【0015】
しかも、末尾溶接部を形成するためのレーザー照射パルスよりも前に到来する照射順位のレーザー照射パルスから、1パルス当りのレーザー照射エネルギーが低下するように設定するときは、末尾溶接部における単位溶接部の重なり数が徐々に増加するのに合わせて1パルス当りのレーザー照射エネルギーを徐々に低下させるように調整することができ、末尾溶接部とその他の溶接部とにおけるトータルエネルギーの均一化を一層精密に図ることができる。
【0016】
また、このように末尾溶接部を形成する際に用いる補正照射エネルギーを通常照射エネルギーよりも低く設定する場合には、先頭溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーを通常照射エネルギーとほぼ等しく設定しておけばよく、調整操作の単純化が図れる。
【0017】
次に、本発明における全周レーザー溶接部が、重ね合せ組立体と複数の出射光学部とを重ね合せ組立体の中心軸線回りにおいて相対回転させつつ、複数の出射光学部からパルス状レーザー光をほぼ同期させて照射することにより、単位溶接部が順次重ね連なるとともに、出射光学部の数に対応した複数の区間溶接部により形成される場合には、
区間溶接部のうちで、単位溶接部の重なり数が増加することになる先頭溶接部と末尾溶接部との少なくとも一方を形成する際に用いる補正照射エネルギーを、その他の溶接部を形成する際に用いる通常照射エネルギーよりも低く設定することになる。全周レーザー溶接部は、パルス状レーザー光をほぼ同期させて照射する複数の出射光学部に対応した区間溶接部により分割形成されるので、区間溶接部の分割数に対応する形で全周レーザー溶接時間が短縮される。
【0018】
このように全周レーザー溶接部が複数の区間溶接部により形成される場合においても、単一の溶接部により形成される場合と同様の理由により、先頭溶接部と末尾溶接部とのうち末尾溶接部を形成する際に用いる補正照射エネルギーを、通常照射エネルギーよりも低く設定することが望ましい。
【0019】
そして、区間溶接部の形成に要する平均レーザー出力を、レーザー照射ユニット毎にそれぞれほぼ等しく設定することにより、各々の区間溶接部における末尾溶接部とその他の溶接部とのトータルエネルギーの均一化とともに、区間溶接部毎のトータルエネルギーの均一化をも図ることができ、全周にわたり幅の均一な溶接部を得ることができる。
【0020】
ところで、本発明に関する課題を解決する手段は以上に述べた通りであるが、上記課題に関して、次のような解決手段(以下、関連解決手段という)も想到される。
【0021】
すなわち、関連解決手段として、
中心電極と、その中心電極に対向するように配置された接地電極とを備え、それら中心電極と接地電極との少なくとも一方に貴金属チップを溶接することで、火花放電ギャップを形成する貴金属発火部を形成したスパークプラグの製造方法であって、
前記中心電極及び/又は前記接地電極のチップ被固着面に対して、前記貴金属チップを重ね合わせて重ね合せ組立体を作り、その重ね合せ組立体に対しレーザー照射ユニットの出射光学部からパルス状レーザー光を照射することにより、前記貴金属チップの周方向において、それら貴金属チップとチップ被固着面形成部位とにまたがり、かつ各レーザー照射パルスに対応する単位溶接部が順次重ね連なる全周レーザー溶接部を形成するとともに、
前記全周レーザー溶接部のうちで、隣り合う単位溶接部の中心点間距離が短くなる密接溶接部が形成される際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーを、その他の溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーよりも低く設定するようになすことも可能である。
【0022】
上記関連解決手段を採用する場面として、例えばレーザー溶接中に重ね合せ組立体と出射光学部との相対回転速度が変化する場合を挙げることができる。このような場合には、回転速度変化が隣り合う単位溶接部の中心点間距離の長短変化となって現れ、それに伴い単位溶接部の重なり数が増して特定の単位溶接部では全熱量が他のものより大きくなることがあるので、その中心点間距離の変動に合わせて1パルス当りの照射エネルギーを調節することになる。このように、関連解決手段を実施する際に、例えば上記のように相対回転速度が変化する場合には、速度検出器による回転速度の監視をレーザー溶接中に行い、これらの変動をレーザー照射ユニットにフィードバックして1パルス当りの照射エネルギーを調整(制御)するといったことで実現可能である。従って、密接溶接部が形成される際に、その他の溶接部よりも溶融部が大きくなって溶融金属が溶接部の外側に流出することを回避でき、この場合にも外観不良に伴う製品歩留まりの低下や、火花放電ギャップの狭小化に伴う着火不良の発生等を未然に防止可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。本発明方法により製造されたスパークプラグの一例を図1に示す。スパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された貴金属発火部(以下、単に発火部ともいう)31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4には上記発火部31に対向する貴金属発火部(以下、単に発火部ともいう)32が形成されており、それら発火部31と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャップgとされている。
【0024】
なお本明細書でいう「発火部」とは、接合された貴金属チップのうち、溶接による組成変動の影響を受けていない部分(例えば、溶接により接地電極ないし中心電極の材料と合金化した部分を除く残余の部分)を指すものとする。
【0025】
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3及び端子金具8を嵌め込むための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0026】
なお、発火部31及び対向する発火部32のいずれか一方を省略する構成としてもよい。この場合には、発火部31と、発火部を有さない接地電極4の側面との間、又は対向する発火部32と、発火部を有さない中心電極3の先端面との間で火花放電ギャップgが形成されることとなる。
【0027】
中心電極3及び接地電極4のチップ被固着面形成部位に関し、この実施例では少なくともその表層部がNi又はFeを主成分とする耐熱合金にて構成されている(なお、本明細書において「主成分」とは、最も重量含有率の高い成分を意味し、必ずしも「50重量%以上を占める成分」を意味するものではない)。
【0028】
一方、上記発火部31及び対向する発火部32は、Ir、Rh又はPtのいずれかを主成分とする貴金属又は貴金属合金にて構成されている。これらの貴金属の使用により、中心電極3及び/又は接地電極4の温度が上昇しやすい環境下においても、発火部31,32の耐消耗性を良好なものとすることができる。また、上記のような耐熱合金に対する溶接性も良好である。例えばPtをベースにした貴金属を使用する場合には、Pt単体の他、Pt−Ni合金(例えばPt−1〜30重量%Ni合金)、Pt−Ir合金(例えばPt−1〜20重量%Ir合金)、Pt−Ir−Ni合金等を好適に使用できる。また、Irを主成分とするものとしては、Ir−Ru合金(例えばIr−1〜30重量%Ru合金)、Ir−Pt合金(例えばIr−1〜10重量%Pt合金)、Ir−Rh合金、Ir−Rh−Ni合金等を使用できる。さらに、Rhを主成分とするものとしては、Rh−Ir合金(例えば、Rh−3〜38重量%Ir合金)等を使用できる。
【0029】
なお、Ir系の貴金属材料を使用する場合には、元素周期律表の3A族(いわゆる希土類元素)及び4A族(Ti、Zr、Hf)に属する金属元素の酸化物(複合酸化物を含む)を0.1〜15重量%の範囲内で含有させることができる。これにより、Ir成分の酸化・揮発を効果的に抑制でき、ひいては発火部の耐火花消耗性を向上させることができる。上記酸化物としてはYが好適に使用されるが、このほかにもLa,ThO,ZrO等を好ましく使用することができる。この場合、金属成分はIr合金のほか、Ir単体を使用してもよい。
【0030】
中心電極3は、図2に示すように、先端側が円錐台状のテーパ面3tにより縮径されるとともに、その先端面3sに上記発火部31を構成する合金組成からなる円板状の貴金属チップ31'を重ね合わせる。さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接により全周レーザー溶接部10を形成して貴金属チップ31'を固着することにより発火部31が形成される。また、対向する発火部32は、図9に示すように、発火部31に対応する位置において接地電極4に貴金属チップ32'を位置合わせし、その外縁部に沿って同様にレーザー溶接により全周溶接部11を形成してこれを固着することにより形成される。これらチップ31’,32’は、所定の組成となるように各合金成分を配合・溶解することにより得られる溶解合金を熱間圧延により板状に加工し、その板材を熱間打抜き加工により所定のチップ形状に打ち抜いて形成したものや、上記溶解合金を熱間圧延又は熱間鍛造により線状あるいはロッド状の素材に加工した後、これを長さ方向に所定長に切断して形成したものを使用できる。また、アトマイズ法等により球状に成形したものも使用できる。上記チップ31',32'は、例えば直径Dが0.4〜1.2mm、厚さHが0.5〜1.5mmのものを使用する。
【0031】
上記の発火部31,32を形成するための溶接方法は概ね同じであるので、以下、本発明に係る製造方法の一実施例を、中心電極3側の発火部31を中心に、以下に詳しく説明する。図2(a)に示すように、中心電極3の先端面3sをチップ被固着面として、ここにチップ径D、チップ厚さHの貴金属チップ31'を重ね合わせて重ね合せ組立体70を作り、その重ね合せ組立体70に対し、図2(b)に示すように、貴金属チップ31'とチップ被固着面とにまたがり、かつ貴金属チップ31'の厚さ方向において放電面31aに到達しない全周レーザー溶接部10をチップ外周面周方向に沿って形成する。
【0032】
このとき、本実施例のように貴金属チップ31'が円板状に形成されている場合、図2(b)に示すように、該貴金属チップ31’と中心電極3との重ね合せ組立体70を、レーザー照射ユニット150(図3参照)の出射光学部50に対しチップ31’(中心電極3)の中心軸線Oの周りにおいて相対的に回転させながら、重ね合せ組立体70に向けて、パルス状レーザー光LBのスポット内にチップ被固着面(この場合、中心電極3の先端面)とチップ外周面との交差縁Qが入り、かつチップ被固着面に対する照射角度θが−5゜〜+60゜の範囲(水平より上方側を+とする;例えば+45゜)となるようにパルス状レーザー光LBを照射する方法が、上記のような全周レーザー溶接部10を均一に形成する方法として合理的である。この場合、組立体70又は出射光学部50の一方のみを回転させるようにしてもよいし、双方ともに(例えば互いに逆方向に)回転させることも可能である。
【0033】
この場合、その回転速度は以下のように調整することが望ましい。まず、重ね合せ組立体70と出射光学部50との相対回転速度は、図2のように出射光学部50を1つのみ使用する場合には、10rpm以上(望ましくは60rpm以上、より望ましくは120rpm以上)とするのがよい。全周レーザー溶接部10を形成するためには、重ね合せ組立体70と出射光学部50とを最低1周分は相対回転させなければならないが、その相対回転速度が10rpm未満になると、1周分の溶接時間ひいては1個のスパークプラグを製造するためのピースタイムが長くなる場合がある。なお、上記相対回転速度の上限値については、重ね合せ組立体70を回転させる場合、溶接時に生ずる溶融金属の遠心力による変形、飛散を防止するために、150rpm程度に留めるのがよい。
【0034】
次に、レーザー照射ユニット150の構成について、図3を参照して説明する。レーザー照射ユニット150は、パルス状レーザー光LBを照射するレーザー発振部40と、このパルス状レーザー光LBを重ね合せ組立体70の外周面に向けて照射する出射光学部50と、パルス状レーザー光LBをレーザー発振部40から出射光学部50へ伝送する光伝送経路60とを備えている。レーザー発振部40において、イットリウム・アルミニウム・ガーネットの単結晶からなるYAGロッド41に励起ランプ42から所定のパルス間隔でキセノン等の光を当てると、この光が全反射鏡43と出口側半透明鏡44との間を往復して増幅され、レーザー光となって出口側半透明鏡44から放出される。そして、パルス発振されたパルス状レーザー光LBが、レーザー発振部40出口側の反射鏡45で向きを変えられた後、光ファイバケーブル61で構成された光伝送経路60に入射される。そして、光ファイバケーブル61を伝送し、出射されたパルス状レーザー光LBは、出射光学部50の球面収差補正レンズ群51(なお、ここでは球面収差補正レンズ群51を用いているが単レンズでも可)によって集光され、重ね合せ組立体70の外周面に向けて照射される。
【0035】
図3のレーザー照射ユニット150には、本発明の実施に必要なパルス状レーザー光LBを得るために、レーザーコントローラ81、チャージコントローラ82、高圧回路83、コンデンサC、放電回路84が付設されている。なお、図3ではこれらのコントローラや回路については、ブロック図にて示している。本実施例にて用いられる高圧回路83は、コンデンサCの両端電圧VCを制御するためのチャージコントローラ82からの充電指令信号D1に基づき駆動されるものであり、昇圧トランス、1又は複数の整流回路等(いずれも図示せず)を備えており、放電回路84に接続されている。放電回路84は、GTOやサイリスタ等からなるスイッチング素子(図示せず)等を少なくとも備えている。このスイッチング素子はレーザーコントローラ81に接続されており、このレーザーコントローラ81からの放電信号Tgに基づきオン・オフ制御(通電・非通電制御)される。
【0036】
そして、チャージコントローラ82に対して、レーザーコントローラ81から充電許可信号D2、及び当該レーザーコントローラ81にて設定される設定充電電圧値に応じた充電電圧値信号Vgが入力されると、チャージコントローラ82はコンデンサCへの両端電圧VCが設定充電電圧値となるように充電指令信号D1を高圧回路83に出力し、高圧回路83側の制御を行う。すると、コンデンサCは、その充電指令信号D1の出力中において高圧回路83を通じて充電されることになる。ついで、コンデンサCの両端に両端電圧VCの電荷が充電されているときに、レーザーコントローラ81から予め設定された一定のパルス間隔を有する放電信号Tgが放電回路84のスイッチング素子に入力されると、スイッチング素子がオン状態となる(換言すると、放電回路84が駆動することになる)。すると、コンデンサCが放電され、励起用ランプ42の放電電極間にパルス放電が生じて(換言すると、励起用ランプ42が発光して)パルス状レーザーLBが発振することになる。
【0037】
つまり、本実施例のレーザー照射ユニット150では、コンデンサCの両端電圧VCの値が、レーザーコントローラ81にて適宜設定される設定充電電圧値の変更に合わせて制御(可変)可能な構成を有している一方、コンデンサCを放電させるパルス間隔が予め一定に設定されており、その結果パルス状レーザー光LBの1パルス当たりのレーザー照射エネルギーについては、該コンデンサCの両端電圧VCの値に基づいて制御されることになる。
【0038】
次に、図3及び図4を参照して、全周レーザー溶接部10において、単位溶接部がレーザー照射パルスに対応して順次重ね連なる形で形成される過程を説明する。重ね合せ組立体70が所定の溶接位置にセットされた後、レーザーコントローラ81からの充電許可信号D2及び設定充電電圧信号Vgがチャージコントローラ82に入力されると高圧回路83が駆動され、設定充電圧値に対応するようにコンデンサCの両端に両端電圧VCが充電されることになる。そして、レーザーコントローラ81から放電信号Tgに基づき放電回路84が駆動すると、励起用ランプ42が発光してパルス状レーザー光LBが発振し、光伝送経路60、出射光学部50を経て、パルス状レーザー光LBは重ね合せ組立体70に照射される。このとき、コンデンサCの両端電圧VCの値に応じて、パルス状レーザー光LBのレーザー強度Sにもピーク値が現れる(図4(a)参照)。なお、レーザー強度Sのピーク値をSt(以下、通常レーザー強度という)、パルス幅をtとしたとき、1パルス当たりのレーザー照射エネルギーEt(以下、通常照射エネルギーという)は、Et=St×tで与えられる。
【0039】
そして、重ね合せ組立体70をその中心軸線Oの回りに回転させつつ、位置固定された単一の出射光学部50からパルス状レーザー光LBを照射する。その結果、貴金属チップ31’の周方向において、貴金属チップ31’とチップ固着面形成部位とにまたがり、かつ各レーザー照射パルスP1、P2・・・・・・に対応する単位溶接部101、102・・・・・・が順次重ね連なるようにして全周レーザー溶接部10が形成される(図4(a)〜(d)参照)。
【0040】
ところで、パルス状レーザー光LBのパルス発生周波数f(即ち、レーザーコントローラ81から出力される放電回路84のスイッチング素子をオン・オフ制御する周波数)が12パルス/秒(ppsとも表示する;このときの周期τ=1000/12ミリ秒)、重ね合せ組立体70の回転速度が60rpm(1rps)とすると、重ね合せ組立体70の1回転につきちょうど12パルス分のパルス状レーザー光LBが照射され、これに対応する12個の単位溶接部101〜112が貴金属チップ31’の周方向に順次重ね連なる形で形成される。これら12個の単位溶接部101〜112の周方向における重なり状態は、一般的に図5のようになる。先頭溶接部10t(図5では101〜103)と末尾溶接部10e(図5では110〜112)とを除くその他の溶接部では、単位溶接部が形成される際に既に形成された単位溶接部との重なり数(以下、既成単位溶接部との重なり数という)は自身の直前に形成された3個である(例えば、第4番目の単位溶接部104では、101〜103の3個)。
【0041】
一方、末尾溶接部10eでは、既成単位溶接部との重なり数は4個以上に増加する。例えば、最後尾の第12番目の単に溶接部112の場合、自身の直前に形成された109〜111の3個の他、当初に形成された先頭溶接部10tの3個(101〜103とも重なり合うことになるので、既成単位溶接部との重なり数は合計6個となる。同様に、第11番目の単位溶接部111における既成単位溶接部との重なり数は5個、第10番目の単位溶接部110における既成単位溶接部との重なり数は4個となる。なお、先頭溶接部10t(101〜103)の場合、既成単位溶接部との重なり数は0〜2個であるが、上記の通り末尾溶接部10eが形成される際にこれと重なり合うことになる。
【0042】
そして、先頭溶接部10tを形成したときの入熱が、重ね合せ組立体70を1周回転する間に十分に熱引きされない場合、末尾溶接部10eを形成するためのパルス状レーザー光LBの照射時点においても、先頭溶接部10tを形成したときの入熱の一部が残留熱として存在する。そこで、本実施例では、末尾溶接部10eを形成するためのレーザー照射エネルギー(末尾溶接部10eのための新規入熱)にこの残留熱が重畳されても溶融金属が溶接部の外側へ流出しないように、末尾溶接部10eを形成する際に用いる1パルス当たりのレーザー照射エネルギー(以下、補正照射エネルギーという)Ehを、上記通常照射エネルギーEtよりも低く設定してある(図4(a)参照)。これにより、各単位溶接部を形成する際の新規入熱と残留熱とを合わせた全熱量(トータルエネルギー)の均一化を図っている。
【0043】
このレーザー照射エネルギーの設定は、図3において、コンデンサCの両端電圧VCを通常照射エネルギーEtと補正照射エネルギーEhとにそれぞれ対応させる形で変更調節している。つまり、図3におけるレーザーコントローラ81にて、通常照射エネルギーEtと補正照射エネルギーEhとに対応するようにコンデンサCの設定充電電圧値を変更調整することによって、コンデンサCの両端電圧VCを変化させているのである。そして、通常照射エネルギーEtから補正照射エネルギーEhへの切り換えタイミングは以下のようにして決定される。レーザーコントローラ81により放電回路84のスイッチング素子をオン・オフ制御するためのパルス数は、図示しないパルスカウンタ回路でカウントされてレーザーコントローラ81にフィードバックされるようになっており、重ね合せ組立体70へのレーザー溶接が開始されてから所定のパルス数がカウントされて通常照射エネルギーEtから補正照射エネルギーEhへ切り換えるべきレーザー照射パルスの照射順位に達したときに、レーザーコントローラ81にて当初設定された設定充電電圧値(すなわち第1設定充電電圧値)を、この第1設定充電電圧値よりも低い第2設定充電電圧値に変更調整するのである。これにより、コンデンサCの両端電圧VCの値が変更調整され、その結果、通常照射エネルギーEtから補正照射エネルギーEhへの切り換えが行われる。
【0044】
具体的には、図4(a)の実施例では、第11番目の単位溶接部111に対応する第11番目のレーザー照射パルスP11と、最後尾の第12番目の単位溶接部112に対応する第12番目のレーザー照射パルスP12とで1パルス分のレーザー照射エネルギーの低下調節、即ちレーザー強度Sのピーク値の低下調節(通常レーザー強度Stから補正レーザー強度Shへの調節)が行われる。例えば通常照射エネルギーEtが1.25Jの場合、第11番目のレーザー照射パルスに対応する補正照射エネルギーEh11は1J、最後尾の第12番目のレーザー照射パルスP12に対応する補正照射エネルギーEh12は0.75Jとなっている。
【0045】
実際には、単位溶接部10が順次重ね連なる形の全周レーザー溶接部10を形成している途中に、1パルス分のレーザー照射エネルギーを変更調整するにあたり、1パルス分のレーザー照射エネルギーの低下にタイムラグが発生する。それより、本実施例では、レーザーコントローラ81にて、通常照射エネルギーEtに対応する第1設定充電電圧値と、補正照射エネルギーEhに対応する第2設定充電電圧値とが設定されるとともに、第1設定充電電圧値から第2設定充電電圧値への設定変更タイミングは、以下のように制御されている。すなわち、最後尾の単位溶接部を形成するための第12番目のレーザー照射パルスP12よりも前に到来する照射順位(例えば第8番目)のレーザー照射パルス(例えば、P8)に対して第2設定充電電圧値への設定変更を行う制御がなされる。つまり、第8番目のレーザー照射パルスP8に対して第2設定充電電圧値に変更する設定充電電圧信号が発せられても、タイムラグにより実際に1パルス分のレーザー照射エネルギーが低くなるのは、例えば第11番目のレーザー照射パルスP11以降となる。そして、第11番目のレーザー照射パルスP11から第12番目のレーザー照射パルスP12にかけて徐々に低下し、第12番目のレーザー照射パルスP12が最終的にレーザーコントローラ81にて設定される第2設定充電電圧値に対応した形をとるのである。
【0046】
このことは、レーザーコントローラ81が、最後尾の単位溶接部112を形成するためのレーザー照射パルスP12よりも前に到来する照射順位(例えば第7順位)のレーザー照射パルス(例えばP7)をパルスカウンタ回路より認識すると、次のレーザー照射パルス(例えばP8)から、レーザーコントローラ81にて設定される第1設定充電電圧値を第2設定充電電圧値に切り換えるだけで、所定順位(例えば第11順位)のレーザー照射パルス(例えばP11)より1パルス当たりのレーザー照射エネルギーが徐々に低下するように設定したのと同様の作用効果を生むことになる。但し、単位溶接部10が順次重ね連なる形の全周レーザー溶接部10を形成している途中に、1パルス分のレーザー照射エネルギーを変更調整するにあたり、1パルス分のレーザー照射エネルギーの低下にタイムラグが生じないようにレーザー照射ユニット150を構成した場合には、1パルス毎にレーザー照射エネルギーの変更調整が可能となることから、補正照射エネルギーEhとすべきレーザー照射パルスに対応して1パルス毎に適宜調整すればよい。そして、上述したようなレーザー照射エネルギー制御を取り込んだレーザー溶接を行うことによって、各単位溶接部を形成する際の新規入熱と残留熱とを合わせた全熱量(トータルエネルギー)の均一化が有効に図られ、幅の略均一な溶接部10が形成されるのである(図4(b)、(d)参照)。
【0047】
なお、図6に通常レーザー強度Stと補正レーザー強度Shとの調節(通常照射エネルギーEtと補正照射エネルギーEhとの調節)を行う際の図4(a)に代わる変更例を示す。このうち図6(a)では、第1番目のレーザー照射パルスP1から第2番目のレーザー照射パルスP2にかけて補正レーザー強度Shが徐々に増加するように設定し、第3番目のレーザー照射パルスP3以降最後尾の第12番目のレーザー照射パルスP12まで通常レーザー強度Stに設定している。この場合には、末尾溶接部10eにおいて全熱量が増大することを見込んで、溶融金属が溶接部の外側へ流出しないように予め先頭溶接部10tにおいて照射エネルギーを低く調整しておくことになる。
【0048】
また、図6(b)は、図4(a)と図6(a)とを複合させた例を表わしている。すなわち、先頭溶接部10t(図6(b)では第1番目の単位溶接部101と第2番目の単位溶接部102)と末尾溶接部10e(図6(b)では第11番目の単位溶接部111と第12番目の単位溶接部112)との両者に対して補正レーザー強度Sh(補正照射エネルギーEh)が設定されている。この場合には、照射エネルギーの低下調整分が先頭溶接部10tと末尾溶接部10eとに振り分けられるので、通常照射エネルギーEtと補正照射エネルギーEhとの間の変更調節がなだらかになる。
【0049】
次に、図7は他の実施例に係る製造方法を適用したときの、中心電極先端部の平面模式図を示し、図4(c)の変更例に相当する。これらのように、重ね合せ組立体70をその中心軸線Oの回りに回転させつつ、貴金属チップ31'の周方向に所定の間隔で配置固定された複数の出射光学部からパルス状レーザー光LBをほぼ同期させて照射して溶接を行えば、溶接時間の短縮を図ることができる場合がある。例えば、図7(a)のように、略180°間隔で配置した2つの出射光学部50a及び50bにより溶接を行えば、各レーザー光源50a及び50bが略半周分に対応する区間溶接部200,220を各々分担すればよい。また、図7(b)のように、略120°間隔で配置した3つの出射光学部50a〜50cにより溶接を行えば、各出射光学部50a〜50cがそれぞれ略1/3周分に対応する区間溶接部300,310,320を分担すればよい。なお、レーザー照射パルスのタイミングは区間溶接部毎に多少ずれていても、同期さえなされていれば溶接時間の短縮を図ることができる。
【0050】
図7(a)又は図7(b)において、既成単位溶接部との重なり状態は全周レーザー溶接部10を区間溶接部200,220又は300,310,320に置き換えれば、図5がそのまま当てはまる。したがって、通常レーザー強度Stと補正レーザー強度Shとの調節(通常照射エネルギーEtと補正照射エネルギーEhとの調節)についてのここまでの説明もまた、これらの実施例にそのまま適用することができる。ただし、図7(a)の実施例では重ね合せ組立体70の1/2回転につき24パルス分(つまり、各レーザー光源50a,50bから12パルス分)のパルス状レーザー光LBが照射され、これに対応する24個の単位溶接部が貴金属チップ31’の周方向に順次重ね連なる形で全周レーザー溶接部20が形成されている。また、図7(b)の実施例では重ね合せ組立体70の1/3回転につき24パルス分(つまり、各レーザー光源50a〜50cから8パルス分)のパルス状レーザー光LBが照射され、これに対応する24個の単位溶接部が貴金属チップ31’の周方向に順次重ね連なる形で全周レーザー溶接部30が形成されている。したがって、図7(a)では2つの区間溶接部200,220に対応して単位溶接部201〜212,221〜232が形成され、図7(b)では3つの区間溶接部300,310,320に対応して単位溶接部301〜308,311〜318,321〜328が形成される。
【0051】
なお、出射光学部を複数使用する場合には、各区間溶接部の形成に要する平均レーザー出力が、レーザー照射ユニット毎にそれぞれほぼ等しく設定されることが望ましい。すなわち、複数の出射光学部(n個:n≧2)を用いるにあっては、同時にレーザー光を照射した際の貴金属チップ31'における温度上昇は大きくなる。しかし、各出射光学部は前述したように貴金属チップ31'に対してほぼ(1/n)周分に対応する区間溶接部を分担すればよく、単一の出射光学部を使用する場合と比較して(1/n)の時間で溶接が可能となる。そこで、平均レーザー出力をレーザー照射ユニット毎にそれぞれほぼ等しく設定すれば、貴金属チップ31'に対する入熱時間が短縮されることとあいまって、各区間溶接部の幅が均一化される。さらに、このように複数の出射光学部を用いて同時にレーザー光を照射することにより、溶接時間の短縮を図ることができ、生産効率の向上にも寄与できる。
【0052】
例えば、図4(a)において、第1〜12番目のレーザー照射パルスP1〜P12に対応する溶接部(全周レーザー溶接部10又は区間溶接部200,220)の1秒間あたりの平均レーザー出力は、P=Et(J/パルス)×10(パルス/秒)+Eh11(J/パルス)×1(パルス/秒)+Eh12(J/パルス)×1(パルス/秒)=1.25×10+1.0×1+0.75×1=14.25(W)となる。図10に示す従来例の場合には、P=1.25(J/パルス)×12(パルス/秒)=15(W)であるから、スパークプラグ1個につき0.75Wのエネルギーを節約することができる。
【0053】
また、図8は、接地電極4側の発火部32及び放電面32aの形成状態を示すもので、中心電極3側と同様の全周レーザー溶接部11が形成されている。図9(a)に示すように、接地電極4の火花放電ギャップg(図1)に面することが予定された側面をチップ被固着面として、ここに凹部4aを形成し、その凹部4aに貴金属チップ32'を嵌め込み固定する。その状態で、図3等と同様にレーザー照射ユニット150の出射光学部50を用いて全周レーザー溶接部11の形成を行う。
【0054】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、通常レーザー強度Stと補正レーザー強度Shとの調節(通常照射エネルギーEtと補正照射エネルギーEhとの調節)を行うにあたっては、図4(a)及び図6(a)、(b)に示したパターンのものに限定されず、図4(a)を援用して説明した場合に、第10番目のレーザー照射パルスP10から1パルス分のレーザー照射エネルギーの低下調整を行うようにしてもよく、あるいは第11及び第12番目のレーザー照射パルスP11及びP12の両者が、全体で最も低いレーザー照射エネルギー(1パルス分)をとりうるようにレーザー照射エネルギーの低下調整を行ってもよい。
【0055】
さらに、重ね連なって形成される単位溶接部において、単位溶接部同士の重なる割合が比較的小さい場合には、1番最初の先頭溶接部(即ち最先端溶接部)と1番最後の末尾溶接部(即ち最後尾溶接部)との少なくともいずれかのみを形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーを、その他の単位溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーよりも低く設定するようにして、全周レーザー溶接部を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により製造されたスパークプラグの一例を示す縦断面図及びその要部拡大図。
【図2】本発明に係る製造方法の一実施例を、スパークプラグの中心電極側発火部の製造工程として表す説明図。
【図3】レーザー照射ユニットの説明図。
【図4】レーザー照射強度線図並びにスパークプラグの中心電極先端部の拡大斜視図、平面模式図及び縦断面図。
【図5】貴金属チップ及び全周レーザー溶接部を円周方向に展開して示す説明図。
【図6】図4(a)の変更例を示すレーザー照射強度線図。
【図7】本発明に係る製造方法の他の実施例を示す中心電極先端部の平面模式図。
【図8】接地電極側発火部の斜視図。
【図9】その製造工程説明図。
【図10】従来の製造方法の問題点を示す説明図。
【符号の説明】
3 中心電極
3s チップ被固着面
4 接地電極
10,11,20,30 全周レーザー溶接部
200,220,300,310,320 区間溶接部
10t,200t,220t,300t,310t,320t 先頭溶接部
10e,200e,220e,300e,310e,320e 末尾溶接部
101〜112,201〜212,221〜232,301〜308,311〜318,321〜328 単位溶接部
31,32 貴金属発火部
31',32' 貴金属チップ
31a,32a 放電面
40 レーザー発振部
50 出射光学部
70 重ね合せ組立体
100 スパークプラグ
150 レーザー照射ユニット
LB パルス状レーザー光

Claims (10)

  1. 中心電極と、その中心電極に対向するように配置された接地電極とを備え、それら中心電極と接地電極との少なくとも一方に貴金属チップを溶接することで、火花放電ギャップを形成する貴金属発火部を形成したスパークプラグの製造方法であって、
    前記中心電極及び/又は前記接地電極のチップ被固着面に対して、前記貴金属チップを重ね合わせて重ね合せ組立体を作り、その重ね合せ組立体に対しレーザー照射ユニットの出射光学部からパルス状レーザー光を照射することにより、前記貴金属チップの周方向において、それら貴金属チップとチップ被固着面形成部位とにまたがり、かつ各レーザー照射パルスに対応する単位溶接部が順次重ね連なる全周レーザー溶接部を形成するとともに、
    前記全周レーザー溶接部のうちで、前記単位溶接部の重なり数が増加することになる先頭部位の溶接部(以下、先頭溶接部という)と末尾部位の溶接部(以下、末尾溶接部という)との少なくとも一方を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギー(以下、補正照射エネルギーという)を、その他の溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギー(以下、通常照射エネルギーという)よりも低く設定することを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記全周レーザー溶接部は、前記重ね合せ組立体と単一の前記出射光学部とを当該重ね合せ組立体の中心軸線回りにおいて相対回転させつつ、前記出射光学部から前記パルス状レーザー光を照射することにより形成される請求項1記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記全周レーザー溶接部のうちで、前記単位溶接部の重なり数が増加することになる前記末尾溶接部を形成する際に用いる前記補正照射エネルギーが、前記通常照射エネルギーよりも低く設定される請求項1又は2記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記末尾溶接部を形成するための前記レーザー照射パルスよりも前に到来する照射順位の前記レーザー照射パルスから、1パルス当りのレーザー照射エネルギーが低下するように設定される請求項3記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記全周レーザー溶接部のうちで、前記先頭溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーが、前記通常照射エネルギーとほぼ等しく設定される請求項3又は4記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 前記全周レーザー溶接部は、前記重ね合せ組立体と複数の前記出射光学部とを当該重ね合せ組立体の中心軸線回りにおいて相対回転させつつ、複数の前記出射光学部から前記パルス状レーザー光をほぼ同期させて照射することにより、前記単位溶接部が順次重ね連なるとともに、前記出射光学部の数に対応した複数の区間溶接部により形成され、
    前記区間溶接部のうちで、前記単位溶接部の重なり数が増加することになる前記先頭溶接部と前記末尾溶接部との少なくとも一方を形成する際に用いる前記補正照射エネルギーを、その他の溶接部を形成する際に用いる前記通常照射エネルギーよりも低く設定する請求項1記載のスパークプラグの製造方法。
  7. 前記区間溶接部のうちで、前記単位溶接部の重なり数が増加することになる前記末尾溶接部を形成する際に用いる前記補正照射エネルギーが、前記通常照射エネルギーよりも低く設定される請求項6記載のスパークプラグの製造方法。
  8. 前記末尾溶接部を形成するための前記レーザー照射パルスよりも前に到来する照射順位の前記レーザー照射パルスから、1パルス当りのレーザー照射エネルギーが低下するように設定される請求項7記載のスパークプラグの製造方法。
  9. 前記区間溶接部のうちで、前記先頭溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーが、前記通常照射エネルギーとほぼ等しく設定される請求項7又は8記載のスパークプラグの製造方法。
  10. 前記区間溶接部の形成に要する平均レーザー出力が、前記レーザー照射ユニット毎にそれぞれほぼ等しく設定される請求項6ないし9のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
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