JP3798215B2 - インクジェット用記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク受容層を有するインクジェット用記録材料に関し、更に詳しくは、特にプリンターにおける搬送性に優れ、製造時、加工時及びプリンター印刷時等での表裏面間の擦れによりインク受容層表面に傷がつきにくく、耐ブロッキング性が高くかつ高い光沢とインク吸収性を備えたインクジェット用記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いた記録材料が開示されている。気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢と高いインク吸収性が得られるという特徴がある。しかし、超微粒子であるが故に、インク受容層表面に傷が発生しやすく、プリンター等での搬送時に重送の問題がある。
【0005】
また、特開平6−55830号には、インク受容性被覆層の反対面に特定の滑剤を含有させてプリンタの搬送性を向上させる記録用紙が提案されているが、保存時のブロッキング性の問題、インク受容面の傷の問題がある。また、特開平7−179025号には、支持体の裏塗り層に球状微粒子ポリマーを含有させる記録シートが提案されているが、製造時、加工時等でインク受理層表面に傷がつきやすく、特に気相法による超微粒シリカを用いる場合には表面の平滑性や光沢が高く傷が目立ちやすい問題がある。
【0006】
一方、インクジェット記録材料の支持体としては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体にインク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、紙支持体を用いた記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後のコックリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性加工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネート紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)、プラスチックフィルム等が用いられるようになってきた。しかしながら、これらの耐水性支持体は、紙支持体と違ってインク受容層を設けた表面の平滑性が高く、裏面と重ねた場合に擦れによるインク受容面に傷が発生しやすく、プリンター時に重送が発生しやすかった。特に支持体自身がインク吸収性が無いためにインク受容層が厚くなっており、光沢も高いので傷の発生しやすく、目立ちやすい問題があった。
【0007】
また、より高いインク吸収性を得るためには、気相法シリカに対するバインダー量の含有比率を小さくすることが必要であるが、この比率を小さくすることによって、益々傷が発生しやすくなった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、気相法シリカを用いてインク吸収性及び光沢を高いレベルに引き上げたインク受容層を有し、保存時のブロッキングが起きにくく、かつインク受容層表面の傷が発生しにくい、プリンター時の重送性を改良したインクジェット用記録材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の手段によって達成された。
【0010】
(1)原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆された支持体上に気相法シリカを10〜30g / m 2 含有し、親水性バインダーを前記気相法シリカに対して10〜30重量%含有するインク受容層が塗設されてなるインクジェット用記録材料において、前記支持体のインク受容層塗設面の反対面が、型付けによりJIS−B−0601で規定される十点平均粗さRzが基準長さ8mmの条件で15〜30μmであって且つ、型付けによりJIS−B−0601で規定される基準長さ8mmの条件で測定された断面曲線の山が10個以上であり、山の部分を横切る平均線の長さの総和Xと谷の部分を横切る平均線の長さの総和Yとの比X/Yが1/10〜3/1であり、インク受容層表面のRzが基準長さ8mmの条件で18μm以下であることを特徴とするインクジェット用記録材料。
【0011】
(2)前記ポリオレフィン樹脂で被覆された支持体のインク受容層塗設面の反対面にバインダーを主体とする裏塗り層を固形分で100〜500mg/m 2 塗設することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録材料。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられる樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
【0017】
樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0018】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0019】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0020】
原紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0021】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0022】
樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。基本的には裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。
【0023】
本発明の樹脂被覆紙のインク受容層の塗設される面(以後樹脂被覆紙の表面と称す)は、主として原紙の片面にポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、原紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により鏡面、微粗面、またはパターン化された例えば絹目状やマット状等に型付け加工することができる。
【0024】
本発明の樹脂被覆紙のインク受容層の塗設される反対面(以後樹脂被覆紙の裏面と称する)は、主として原紙の裏面にポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、原紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の裏面形状の形成に使用され、JIS−B−0601に規定されるRzが13〜40μmになるように樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により微粗面、またはパターン化された、例えば絹目状やマット状等に型付け加工することができる。
【0025】
樹脂被覆紙の裏面のRzが12μmより小さくなるとインク受容層表面との接触面積が増大し、加重でのポリオレイン樹脂の変形により密着性が増大するので好ましくない。逆に40μmより大きくしようとすると裏面の樹脂被覆層を厚くする必要が有り最終的に厚手の記録材料となるので取り扱い上問題となる他、手触りがざらざらするので好ましくない。より好ましくは15〜30μmである。
【0026】
十点平均粗さRzは触針式3次元表面粗さ計の測定値であり、基準長さが8mmで測定されたものである。Rzを求める場合は、傷と見なされるような並外れた高い山や深い谷のない部分から基準長さを抜き取る。又、表面形状に方向性が有る場合はRzが最も大きく現れる方向に測定する。断面曲線の山、谷はJIS−B−0601に記載された定義を準用する。
【0027】
本発明で、樹脂被覆紙の裏面のJIS−B−0601で規定されるRzにより基準長さ8mmの条件で測定された断面曲線の山は5個以上であり、10個以上が好ましい。5個より少ないとプリンターでの搬送性の効果が出にくい。逆に多すぎても表面との接触面積が増大するので500個以下が好ましい。
【0028】
樹脂被覆紙の裏面の基準長さ8mmの条件での断面曲線の山の部分を横切る平均線の長さの総和Xと、谷の部分を横切る平均線の総和Yとの比、X/Yが1/10〜3/1の範囲が好ましい。1/10より小さいと十分な搬送性改良効果が得にくい。3/1より大きくなるとインク受容層表面との接触面積が増大するので好ましくない。
【0029】
本発明では、インク受容層表面のJIS−B−0601に規定されるRzは、樹脂被覆紙裏面のRzよりも明らかに大きくしないことで引っかかりにくく、搬送性、表面光沢性から好ましいので、インク受容層を塗設したあとのRzは18μm以下になるようにするのが好ましい。樹脂被覆紙表面のRzは、20μm程度以下になるように微粗面加工、鏡面加工その他の型付け加工されたものが好ましく、山の数を出来るだけ少なくするか、断面曲線の山部分と谷部分の平均線の長さの総和の比は2/1より大きい方が好ましい。
【0030】
紙の表面や裏面に樹脂被覆層を設ける方法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥、表面平滑化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能な樹脂被覆紙が得られる。
【0031】
本発明に用いられる樹脂被覆紙のインク受容層が塗設される面に下引き層を設けても良い。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め支持体の樹脂層表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。また、樹脂被覆紙に下引き層を塗布する前には、コロナ放電することが好ましい。
【0032】
本発明におけるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体には、筆記性、帯電防止性、カール防止性などのために、本発明の効果を低下させない範囲で各種の裏塗り層を塗設したものも本発明に含める。裏塗り層は、好ましくはバインダー主体であり、塗設量は固形分で100〜500mg/m2が好ましい。裏塗り層には親水性バインダー、ラテックス、有機顔料、無機顔料、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0033】
本発明のインクジェット用記録材料は、ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体上に気相法シリカを含有するインク受容層を有する。気相法シリカは、インク受容層の全固形分に対して、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上含有するものである。90重量%より多くなるとインク受容層の強度が低下し、製造工程、加工工程で粉体が飛散する問題が発生する他、印字品を扱う場合に傷が発生しやすい。
【0034】
本発明に用いられるシリカ微粒子は気相法によるものである。合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、▲1▼ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または▲2▼このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、▲3▼シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数μmから10μm位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には▲4▼シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0035】
本発明に用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0036】
本発明に用いられる気相法シリカの一次粒子の平均粒径は、30nm以下が好ましく、より高い光沢を得るためには、3〜10nmでかつBET法による比表面積が250〜500m2/gのものを用いるのが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0037】
気相法シリカを用いるとインク吸収性が良好で光沢性が高い記録材料が得られる反面、シリカ表面のシラノール基が少ない為か二次粒子の凝集性が弱く、傷がつきやすい欠点を有している。この欠点により巻き取り作成時の表裏面こすれによる傷の発生が問題となるので本発明により低下させることも可能である。
【0038】
本発明において、インク受容層に含有させる気相法シリカの量は、10〜30g/m2が好ましく、13〜30g/m2の範囲がより好ましい。気相法シリカの含有量が上記範囲より多くなるとひび割れが生じやすくなり、また少なくなるとインク吸収性が低くなる。気相法シリカを含有するインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためにバインダーを有していることが好ましい。このバインダーとしては、公知の各種バインダーを用いることができるが、透明性が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。気相法シリカの分散には、高圧ホモジナイザー、ボールミル等の一般に知られている分散機を用いることができる。
【0039】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
【0040】
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0041】
また、他の親水性バインダーも併用することができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量%以下であることが好ましい。気相法シリカと共に用いられる親水性バインダーの量は、気相法シリカに対して、35重量%以下が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。高いインク吸収性を得るためには、気相法シリカに対するバインダーの含有比率を低くする方が好ましいが、ひび割れや折れ割れが更に発生しやすくなる。
【0042】
本発明において好ましくは、インク受容層に水溶性の金属化合物を含有することによって、更にひび割れを防止することができる。従って、インク吸収性を向上させるために親水性バインダー量の更なる低減及び気相法シリカ付着量の更なる増量が可能となる。
【0043】
水溶性の金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩として、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
【0044】
本発明において好ましくは、耐水性を向上させるためにカチオンポリマーを含有させるのが好ましい。カチオンポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好ましく、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0045】
これらのカチオンポリマーの使用量は気相法シリカに対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%である。
【0046】
本発明において好ましくは、インク受容層に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01重量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50重量%の範囲で用いることができる。
【0047】
本発明において、インク受容層には、親水性バインダーと共に硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バインダーに対して、0.1〜40重量%gが好ましく、より好ましくは0.5〜30重量%である。
【0048】
本発明において、インク受容層には、更に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0049】
本発明において、下引き層、裏塗り層及びインク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式、バーコター方式、ディップ方式等がある。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0051】
実施例1
<ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100重量%の樹脂に対して、10重量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。表面のRzは10μmであった。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70重量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30重量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。裏面の樹脂被覆面のRzは20μmであり、8mm基準長さに山が60個あった。断面曲線の山の部分を横切る平均線の長さの総和Xと谷の部分の平均線の長さの総和Yとの比X/Yは1/8であった。
【0052】
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成した。尚、部とは、重量部を表す。
【0053】
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
【0054】
上記支持体に下記組成のインク受容層塗布液をスライド塗布装置で塗布し乾燥した。下記に示すインク受容層塗布液は、気相法シリカが9重量%の固形分濃度になるように調製した。この塗布液を気相法シリカの塗布量が固形分で、19g/m2になるように塗布、乾燥した。インク受容層塗設面のRzが10μmであった。
【0055】
<インク受容層塗布液>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
【0056】
上記のようにして作製された記録材料の通紙性、耐ブロッキング性、インク受容層の傷付き性、インク吸収性、インク受容層の光沢性を下記の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0057】
<通紙性>
20℃、65%RHの条件でセイコーエプソン社製インクジェットプリンターMJ−5100Cで100枚連続印字を行って通紙性を評価した。
○;重送が全く発生しなかった。
△;重送が1〜2回発生した。
×;重送が3回以上発生した。
【0058】
<耐ブロッキング性>
印字していないインクジェット用記録材料を2枚重ね、上から20g/cm2の圧力をかけた状態で20℃、65%RHの雰囲気で12時間経過後、ブロッキングの状態を観察した。
○;ブロッキングが認められなかった。
△;ブロッキングが若干認められたが実使用上問題無し。
×;ブロッキングが発生し、使用に耐えられない。
【0059】
<インク受容層の傷付き>
印字していないインクジェット用記録材料を2枚重ね、その上に100gの分銅を置いた状態で下の記録材料を抜き出した後、インク受容層の傷を目視で観察した。
○;インク受容層の傷付きが認められなかった。
△;インク受容層の傷付きが若干認められたが実用上は問題無し。
×;インク受容層の傷付きが著しく実用に耐えない。
【0060】
<インク吸収性>
インクジェット用記録材料を20℃、65%RHの条件でセイコーエプソン社製インクジェットプリンターMJ−5100Cで黒ベタ印字を行ってインク吸収性を評価した。
○;5秒未満で印字部の光沢が無くなった。
△;5秒以上10秒未満で光沢が無くなった。
×;光沢が無くなるまでに10秒以上かかった。
【0061】
<インク受容層光沢性>
印字していないインクジェット用記録材料を目視で評価し、実施例1〜10、比較例1,2の相対比較を行った。
○;実施例1のレベルで非常に良好。
△;実施例1のレベルより悪いが良好。
×;実施例1より大幅に悪い。
【0062】
実施例2
実施例1で下引き層を設けなかった以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット用記録材料を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0063】
参考例1
実施例1で、裏面のクーリングロールを代えた以外は同様にして、裏面のRzが12μmであるポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。樹脂被覆紙裏面は8mmの基準長さに山が80個あった。断面曲線の山の部分と谷の部分の平均線の長さの総和の比は1/1であった。それ以外は、全て実施例1と同様にして参考例1のインクジェット用記録材料を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0064】
参考例2
実施例1で、樹脂被覆紙の表樹脂厚さを50μm、裏面の樹脂厚さを50μmになるように押出コーティングして裏樹脂面のクーリングロールを更に凹凸の粗い粗面に型付けされたものに代えた以外は実施例1と同様にして、裏面のRzが40μmであるポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。樹脂被覆紙裏面は8mm基準長さに山が15個あった。断面曲線の山の部分と谷の部分の平均線の長さの総和の比は、3/1であった。それ以外は、全て実施例1と同様にして参考例2のインクジェット用記録材料を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0065】
参考例3
実施例1で、クーリングロールを代えた以外は実施例1と同様にして、裏面のRzが20μmであるポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。樹脂被覆紙裏面は8mm基準長さに山が55個あった。断面曲線の山の部分と谷の部分の平均線の長さの総和の比は、4/1であった。それ以外は、全て実施例1と同様にして参考例3のインクジェット用記録材料を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0066】
参考例4
実施例1で、クーリングロールを代えた以外は実施例1と同様にして、裏面のRzが20μmであるポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。樹脂被覆紙裏面は8mm基準長さに山が66個あった。断面曲線の山の部分と谷の部分の平均線の長さの総和の比は、1/12であった。それ以外は、全て実施例1と同様にして参考例4のインクジェット用記録材料を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0067】
実施例3
実施例1でポリオレフィン樹脂被覆紙の裏面に下記の配合の裏塗り層を固形で300mg/m2塗布、乾燥したものを支持体とした以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット用記録材料を得た。支持体裏面のRzは20μmであり、8mm基準長さに山が66個あった。断面曲線の山の部分と谷の部分の平均線の長さの総和の比は、1/8であった。それ以外は、全て実施例1と同様にして実施例3のインクジェット用記録材料を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0068】
<裏塗り塗布液>
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117) 90部
炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、タマパールTP−123) 10部
【0069】
参考例5
実施例1でインク受容層の配合を下記組成に代えた以外は全て同様にして参考例5のインクジェット用記録材料を得た。インク受容層塗設面のRzは13μmであった。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
【0070】
<インク受容層塗布液>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 40部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
【0071】
実施例4
実施例1でインク受容層の配合を下記組成に代えた以外は全て同様にして実施例4のインクジェット用記録材料を得た。インク受容層塗設面のRzは15μmであった。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
【0072】
<インク受容層塗布液>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径21nm、BET法による比表面積100m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 4部
(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
【0073】
参考例6
実施例1でポリオレイン樹脂被覆紙支持体の表面樹脂押し出しコーティングでのクーリングロールを代えて樹脂被覆面のRzを21μmにした支持体を用いた以外は、実施例1と同様にして参考例6のインクジェット用記録材料を得た。インク受容層塗設面のRzは21μmであった。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
【0074】
比較例1
実施例1で、裏面のクーリングロールを代えた以外は実施例1と同様にして、裏面のRzが10μmであるポリオレフィン樹脂被覆紙を作製した。樹脂被覆紙裏面は8mmの基準長さで山が100個あった。断面曲線の山の部分と谷の部分の平均線の長さの総和の比は1/10であった。
その以外は全て実施例1と同様にして比較例1のインクジェット用記録材料を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0075】
比較例2
比較例1で、ポリオレフィン樹脂被覆紙の裏面に下記の裏塗りを固形で5g/m2になるように塗布し、乾燥したものを支持体に使用した以外は実施例1と同様にしてインクジェット用記録材料を得た。支持体裏面のRzは9μmで8mm基準長さの山が100個あった。断面曲線の山の部分と谷の部分の平均線の長さの総和の比は1/9であった。実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0076】
<裏塗り塗布液>
ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117) 95部
金属石鹸系滑剤(日本化成社製、カルシウムステアレート) 5部
【0077】
【表1】
【0078】
結果:
本発明の実施例1〜4のインクジェット用記録材料は、インク吸収性、光沢に優れ、プリンターでの通紙性が良好で、製造時、加工時及び取り扱う場合でのインク受容層の傷が付きにくい結果であった。
【0079】
下引き層を設けなかった実施例2の記録材料では実施例1と比較して支持体とインク受容層との接着性、インク受容層の光沢性ががやや下がったが他の特性は実施例1の記録材料と同様であった。参考例1では裏面のRzが12μmと実施例1の20μmより小さくなり、断面曲線の平均線の山の部分と谷の部分の長さの総和の比が実施例1の1/8よりも1/1と山の部分が多くなっているので通紙性と耐ブロックング性が実施例1の記録材料より低下したが実用可能レベルであり、他のインク受容層の特性は良好であった。参考例2では裏面のRzが40μmと大きく、8mm長さでの山は15個と少なく断面曲線の平均線の山の部分と谷の部分の長さの総和の比が3/1と山部が多くなったので通紙性、耐ブロッキング性とインク受容層の傷付き性は実施例1より低下した。
【0080】
参考例3では裏面の断面曲線の平均線の山の部分と谷の部分の長さの総和の比が4/1と山の部分が多くなり実施例1より通紙性と耐ブロッキング性が低下したが実用上問題のないレベルであった。参考例4は裏面の断面曲線の山と谷の部分の長さの総和の比が1/12と山の部分が少なくなった場合であるが、通紙性、耐ブロッキング性及びインク受容層の傷付き性が実施例1より低下したが、実用上問題の無いレベルであった。実施例3では300mg/m2の裏塗り層を設けた場合であるが、裏面のRz等の特性は実施例1と同様であり、通紙性、耐ブロックング性、傷付き性等の特性は実施例1と同様であったが、裏面の鉛筆筆記性が向上した。参考例5は、インク受容層の気相法シリカに対する親水性ポリマーを実施例1の20%から40%にした場合であり、インク吸収性が低下したが実使用で問題無く、他は同様の特性を示した。
【0081】
実施例4はインク受容層面のRzが15μmと実施例1よりも大きくなったが光沢性がやや低下した以外は実施例1と同様の特性を示した。参考例6はインク受容層面のRZが21μmと実施例4よりさらに大きくなったので、光沢性がさらに低下し、通紙性も低下したが実用上の問題は無かった。
【0082】
比較例1は裏面のRzが10μmと実施例3の12μmよりも小さくなったので通紙性、耐ブロッキング性が大きく低下し、実用上問題であった。比較例2では、金属石鹸系滑剤を含有した裏塗り層を設けた場合であるが、比較例1よりも通紙性は良化したが、耐ブロッキング性は悪かった。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、プリンター通紙性、耐ブロッキング性、インク受容層の傷付き性、インク吸収性、及び光沢性の良好なインクジェット用記録材料が得られた。
Claims (2)
- 原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆された支持体上に気相法シリカを10〜30g / m 2 含有し、親水性バインダーを前記気相法シリカに対して10〜30重量%含有するインク受容層が塗設されてなるインクジェット用記録材料において、前記支持体のインク受容層塗設面の反対面が、型付けによりJIS−B−0601で規定される十点平均粗さRzが基準長さ8mmの条件で15〜30μmであって且つ、型付けによりJIS−B−0601で規定される基準長さ8mmの条件で測定された断面曲線の山が10個以上であり、山の部分を横切る平均線の長さの総和Xと谷の部分を横切る平均線の長さの総和Yとの比X/Yが1/10〜3/1であり、インク受容層表面のRzが基準長さ8mmの条件で18μm以下であることを特徴とするインクジェット用記録材料。
- 前記ポリオレフィン樹脂で被覆された支持体のインク受容層塗設面の反対面にバインダーを主体とする裏塗り層を固形分で100〜500mg/m2塗設することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録材料。
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